JPH0750012B2 - ポータブル型バランシング装置 - Google Patents

ポータブル型バランシング装置

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JPH0750012B2
JPH0750012B2 JP4591589A JP4591589A JPH0750012B2 JP H0750012 B2 JPH0750012 B2 JP H0750012B2 JP 4591589 A JP4591589 A JP 4591589A JP 4591589 A JP4591589 A JP 4591589A JP H0750012 B2 JPH0750012 B2 JP H0750012B2
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signal
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侃 押谷
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転機械の回転体に生じる不釣合(以下アン
バランスという)の量と位置を求めることのできるポー
タブル型バランシング装置に関する。
〔従来の技術〕
回転体の重心と回転中心が一致しない状態で回転すると
重心が回転中心の周りを振回わるため遠心力が働き、回
転数に一致した振動を発生する。この重心のずれを回転
体のアンバランスと呼ぶが、このアンバランスの発生要
因として、 1) 回転体の製作誤差 2) 回転体の材質の不均一 3) 幾何学的形状の不均一 などがある。このためアンバランスは、回転機械の製作
時専用のバランシングマシンで規格で決められた範囲に
収まるようにアンバランスの修正が行われる。日本で使
用されている規格はJISB0905である。
ところでタービン発電機や電動機のように現地で回転体
が幾つも結合されて一体化される場合、工場製作時は個
々に精度よくアンバランスの修正が行われても各回転体
のアンバランス残留量が現地で許容値をオーバし、アン
バランスによる振動を発生する場合がある。また、各回
転体の結合時回転中心が組立誤差の分だけずれ、見掛上
のアンバランスを発生し、振動が増大することもある。
このような場合これらのアンバランスは現地のフィール
ドバランシング作業で修正される。
また、永年運転された回転機械では、回転体の径年変化
でアンバランスが増大し、振動が増大することもある。
このように振動が増大した場合は、やはりフィールドバ
ランシング作業で回転体のアンバランスを再修正する。
上記のフィールドバランシングは次の手順によって行わ
れる。
(1)回転数に一致した振動の振巾と予め回転体に設け
た基準位置からの振動位相を測定する。
(2)次に回転体に定められたアンバランス修正面に試
しおもりを取付けて(1)と同様の測定をする。
(3)上記で測定された(1)と(2)の振動ベクトル
と、試しおもりの大きさと取付角度より回転体のアンバ
ランスの大きさと位置を演算する。
上記は修正面の一面による修正を述べたが、一面修正だ
けではアンバランスが決定できない場合には修正面の二
面を用いた修正を行う。
これらのアンバランスを決定する演算(以下バランス演
算という)は、ベクトル演算のため専門知識を必要とす
るので専門の技術者が行っている。しかし、最近はプロ
グラム演算の行えるポケコンやパソコンが利用されるよ
うになってきた。また、振動の回転数成分の分析から振
動位相の分析及びバランス演算回路まで備えた専用のバ
ランサーなども市販されるようになってきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のようなバランサーによりアンバランスの修正が行
なわれるが、これらのバランサーには、次のような欠点
がある。
1)1種類の試験回転数しかアンバランスを決定できな
い。すなわち従来のバランサーは1個の試験回転数でし
かアンバランスを決定しないため、回転機械の使用回転
数が広い範囲になるインバータ電動機や産業用の駆動タ
ービンあるいは工作機械のように材料などで回転速度を
変えるような回転機械では、フィールドバランシングが
精度よく迅速に行えない。
2)2種類の試験回転数を満足するアンバランスの決定
は専門技術者を必要とする。すなわち長軸のタービンロ
ータやジェットエンジ用ロータなどのバランシング用に
開発された多速度,多軸受用バランス演算式は、最少二
乗法,モード法などあるが、これらの演算はパソコンや
ミニコンベースの計算機を使用することと、操作に専門
の技術者を必要とし、さらに迅速性に欠け、また、使用
コスト,設備コストが高くなる。本発明の目的は、使用
回転数が広い範囲の回転機械の回転体のアンバランスの
修正を複数種類の回転数で容易にかつ精度よく迅速に行
なうことのできるポータブル型バランシング装置を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明によれば回転機械の
回転体を軸支する軸受に設置され、回転体より発生する
振動を検出する振動検出器と、この振動検出器からの電
気信号を増巾する増巾回路と、この増巾回路からのアナ
ログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換回
路と、このA/D変換のサンプリングとその開始を回転体
の回転に同期させるために予め回転体に設けた基準位置
を電気信号として検出する回転基準パルス検出器と、A/
D変換回路のサンプリング間隔を回転体の1回転を基本
にし、その次数倍で行なうため、予め回転体に設けた次
数倍に相当する基準位置を検出する回転パルス検出器
と、A/D変換回路のデジタル電気信号を次数分析し、回
転に同期した信号のレベルと回転基準パルスを基準とし
た信号の位相を出力する高速フーリエ変換(以下FFTと
いう)プロセッサと、このFFTプロセッサで次数分析し
たデータのうち回転体の回転数に相当した1次の基本成
分のみ抽出し、回転数とその振動レベルをグラフ化する
S/V回路と、回転基準パルス検出器からの基準パルス信
号によりA/D変換回路の動作開始を制御するゲート回路
と、S/V回路からの指定した1種類以上の回転数の1次
基本成分のデータを記憶する記憶回路と、この記憶回路
からの出力データにより回転体のアンバランス量と回転
体の基準位置からのアンバランスの位置とを演算し、さ
らにこの演算結果に基づいて振動値を予測するバランス
演算回路と、この演算回路からの振動予測値をこの予測
値が振動目標値に達するか否か振動目標値と比較する比
較回路と、バランス演算回路からの演算結果と比較回路
からの比較結果を表示し、さらにバランス演算に必要な
条件および試験手順を入力する表示回路とからポータブ
ル型バランシング装置を構成するものとする。
〔作用〕
回転機械の回転に伴って生じる振動は、軸受に設置され
た振動検出器によりアナログ信号で検出され、この検出
出力の電気信号は増巾回路で増巾され、A/D変換回路で
デジタル信号に変換される。この際A/D変換は次のよう
にして行なわれる。予め回転体に設けた2種類の回転マ
ークを別々の回転パルス検出器で回転パルス信号として
検出する。すなわち1種類の回転マークは回転体の基準
位置で1回転に1回の回転基準パルスを発生する。もう
1種類の回転マークはその最初のマークが基準位置と一
致し、回転体の周上等間隔に付けた回転マークで回転の
次数倍に相当する回転パルスを発生する。そして、回転
基準パルスで前記A/D変換回路を動作させ、同時に次数
倍の回転パルスでA/D変換のサンプリングを行なってア
ナログ信号の振動値をデジタル信号に変換する。このデ
ジタル信号はFFTプロセッサーに入力され、FFTプロセッ
サでは回転数を基本としたデジタル信号が次数分析され
る。S/V回路では、回転数成分に相当する1次成分のみ
の信号レベルと信号位相が抽出されてS/V曲線が作成さ
れる。すなわち、回転体の回転数に一致した振動データ
のみ抽出される。また常に、回転パルス信号でA/D変換
がサンプリングされるため、回転数が変ってもFFTプロ
セッサに入力される信号の波形数は一定となる。
S/V曲線は表示回路に表示されるため、作業者はS/V曲線
のデータを見ながらアンバランスを修正する複数の回転
数を指定することにより、指定した回転数のデータは記
憶回路に記憶され、このデータがバランス演算回路に自
動的に取込まれ、それらのデータから回転体のアンバラ
ンスの大きさと取付位置が演算され、その結果が表示さ
れる。
なお、S/V曲線に入力される回転基準パルス信号と回転
パルス信号とは2種類の回転パルス検出器で検出されて
いるので、第2図に示すように回転パルス信号は回転基
準パルス信号を正確に分割し、互の関係は常に次数倍を
保つ。このため回転数が急激に増減しても回転基準パル
スと回転パルスの周期関係は次数倍を保ち、時間遅れな
どによる誤差を発生しない。また、位相分解能は次数倍
のパルス数で決まり回転数が変化しても、位相誤差を発
生しない。
したがってA/D変換回路で変換された振動のデジタル信
号は位相誤差を含まず、FFTプロセッサでは、次数倍で
決まる分解能をもった振動ベクトルが得られ、演算され
るアンバランスの位置の精度向上が図かれる。また、高
速に変化する機械でもバランシングを行なうことができ
る。
なお、バランス演算結果の修正おもりが取付けられたと
きの回転体の振動値がバランス演算回路により予測演算
され、この振動予測値と目標振動値とが比較回路で比較
され、この結果はコメントとして表示回路の表示器に表
示される。
〔実施例〕
以下図面に基づいて本発明の実施例について説明する。
第1図は本発明の実施例によるポータブル型バランシン
グ装置の構成ブロック図である。第1図において振動検
出器1a,1bは回転機械の回転軸を軸支する2軸受A,Bに取
付けられる振動検出器であり、回転軸の回転により生じ
る振動を電気信号として出力する。なお振動検出方向は
回転軸のアンバランスによる振動を発生しやすい半径方
向とし、横軸の回転機械では水平方向と垂直方向である
が、振動検出器1a,1bはいずれも検出方向を同一にして
いる。振動検出器としては加速度型,速度型,変位型等
があるが、低周波感度が高く、しかも500Hz程度の振動
数まで応答性のよい速度型の振動センサを使用してい
る。
増巾回路2は振動検出器1a,1bからの出力信号を後述す
るA/D変換するA/D変換回路3に入力する信号の最適レベ
ルまで増巾する。また増巾回路2では振動検出器1a,1b
からの速度に比例した電気信号を積分して変位に比例し
た電気信号にする。
回転基準パルス検出器11は回転軸に予め設けた回転準位
置を検出し、この検出信号は後述するゲート回路7を経
てA/D変換回路3に入力される。なお、こののパルス信
号はA/D変換回路3のA/D変換開始動作のみに使用され
る。
回転パルス検出器12は回転軸に予め設けられ、前記回転
基準位置に相当する位置から等分に分割された角度マー
ク(位置)を検出し、この検出信号はA/D変換回路3に
入力され、この回転パルス信号によりA/D変換のサンプ
リングが行なわれる。
上記の回転基準パルス用の回転基準位置と回転パルス用
の角度マークは第3図の円板を用いるもの、第4図の歯
車を用いるもの等がある。第3図において回転軸13の軸
端に円板14が取付けられ、円板13には回転基準パルスを
発生する基準穴15と回転の次数倍をもった回転パルスを
発生する穴16があり、基準穴15と穴16の1個は同一半径
上に一致させている。各々の穴は、回転基準パルス検出
器11と回転パルス検出器12でパルス信号として検出され
る。また、基準穴15は試しおもりやアンバランスの修正
おもりの取付基準位置となるため回転体の組立マークや
キー溝など分かり易い位置と一致して取付けられる。な
お、基準穴15と穴16との位置に対応してそれぞれ回転基
準パルス検出器11と回転パルス検出器12とが設置されて
いる。
これらのパルス検出器は電磁回転パルス検出器や渦電流
型非接触パルス検出器などからなっており、回転体の回
転に伴って基準穴15と穴16とにより回転基準パルスおよ
び回転パルス信号がそれぞれ回転基準パルス検出器11と
回転パルス検出器12にて検出される。なお、穴16は円周
上等分に64個設けられており、基準パルス信号1個毎に
64個の回転パルス信号が回転パルス検出器12に検出され
る。
第4図は円板の代りに歯車19を用いたものであり、歯車
19に回転基準パルス用の基準穴15を設け、歯車19の歯20
を回転パルスを発生する角度マークとする他は第3図の
ものと同じである。
A/D変換回路3は10ビットA/Dコンバータからなり、回転
基準パルス検出器11からゲート回路7を経る回転基準パ
ルスにより増巾回路2から出力される増巾されたアナロ
グ信号の振動値のデジタル化を開始し、1/64回転毎の回
転パルス検出器12からの回転パルスによりアナログ信号
の振動値をサンプリングしてデジタル信号に変換する。
FFTプロセッサ4はA/D変換回路3からのデジタル信号の
振動値を次数分析する。
S/V回路5はFFTプロセッサ4で次数分析したスペクトル
のうち、回転体の回転数の1次成分のみを抽出し、振巾
と位相とのデータを記憶し、回転数と振巾との関係を示
すS/V曲線を作成する。
ゲート回路7は回転基準パルスが入力され、この回転基
準パルスはS/V回路5からの後述する指令が入力された
時にA/D変換回路3に入力され、A/D変換のデータサンプ
リング開始を指示する。
記憶回路6はイニシャル試験(回転体のアンバランスに
よる振動を測定する試験)とトライヤル試験(修正面に
既知の試しおもりを取付けた回転体の振動を測定する試
験)とで得られたS/V曲線でバランスをとるべき指定さ
れた回転数における振動の振巾と基準位置からの位相と
が記憶される。
バランス演算回路8は記憶回路6からのイニシャル試験
とトライヤル試験とにおける記憶された振動の振巾と位
相とにより回転体に取付けるべき修正おもりの大きさと
基準位置からの位置とを演算し、さらにこの修正おもり
を取付けた際の回転体の振動値を予測演算する。
表示回路9はバランス演算回路8にて演算された修正お
もりの大きさと取付位置および振動予測値とをLCDディ
スプレイに表示する。またLCDディスプレイには試験条
件、すなわちアンバランスを修正する回転体の最小,最
大回転数,修正面数,試験速度数,振動目標値および試
験手順、すなわちイニシャル試験,トライヤル試験が入
力される。
比較回路10はバランス演算回路8からの修正おもりを取
付けることによる回転体の振動予測値と振動目標値とを
比較し、この比較結果は表示回路9のLCDディスプレイ
に表示される。
ポータブル型バランシング装置は上記の構成からなり、
振動検出器,増巾回路等の構成品を収納した可搬型の装
置とし、回転機械のフィールドバランシングを容易に行
なえるようにしている。
つぎに上記の構成により回転体のアンバランスを修正す
る方法について説明する。回転機械の回転体を徐々に回
転し、アンバランスをとるべき回転数より若干大きな回
転数まで回転する。各回転数における振動は軸受A,Bに
設けられた振動検出器1a,1bにより検出される。そして
検出された振動は増巾回路2に入力されて増巾されると
ともに振動検出器1a,1bで検出された振動速度を積分し
て振動変位にする。なお、増巾回路2での増巾レベルは
A/D変換回路3に入力する信号の最適レベルまで増巾さ
れる。この場合、増巾レベルはA/D変換回路3がオーバ
した場合は、A/D変換回路3からの信号で最適レベルま
で自動的に調整される。またA/D変換回路3の入力レベ
ルが、この時設定されている増巾回路2のレンジの30%
以下の場合は最適レベルまで自動的に調整される。
増巾回路2からの出力信号はA/D変換回路3に入力され
る。この際A/D変換回路3には第3図または第4図に示
す回転基準パルス検出器11で検出した回転基準パルスが
ゲート回路7を介して入力され、増巾回路2からのアナ
ログ出力信号のデジタル化を開始する。そして第3図ま
たは第4図に示す回転パルス検出器12からの回転パルス
によりサンプリングされて1/64回転毎にアナログ信号の
振動データがデジタル信号に変換される。なおA/D変換
回路は10ビットA/Dコンバータを使用しているので、A/D
コンバータのデータ数は1024点となり、常に1024/64回
転分(16回転分)のデータが取込まれ、これは回転体の
回転数が変化しても常に一定となる。
A/D変換回路3からの振動のデジタル信号はFFTプロセッ
サ4で次数分析される。すなわち回転機械の回転数を1
次として、その整数倍(次数という)の振動スペクトル
が分析される。本装置では回転数の6.25次まで分析し、
各々振動レベルと回転基準パルスを基準にした振動の位
相を求める。そしてFFTプロセッサ4で次数分析された
振動スペクトルをS/V回路5で1次成分のみ抽出し、振
巾と位相のデータを記憶しS/V曲線を作成する。このS/V
曲線は、横軸が回転数で縦軸が各々の回転数に相当する
振動レベルを示す曲線である。
ここでS/V回路5の動作及びS/V曲線の作成を詳細に説明
する。回転基準パルス検出器11のパルス信号をゲート回
路7が検知し、A/D変換回路3のサンプリング開始を指
示する。サンプリングされたデータはFFTプロセッサ4
で次数分析され、S/V回路5で1次成分のみが抽出され
る。そしてS/V回路5にデータが記憶されたことがS/V回
路5よりゲート回路7に指示されるとゲート回路7で
は、次の回転基準パルスを検知し、次のデータのサンプ
リングをA/D変換回路3に指示する。この作業は予め指
定した測定開始の回転数から測定完了の回転数まで自動
的に実行される。このS/V曲線はイニシャル試験とトラ
イヤル試験とについて作成されて表示回路9のLCDディ
スプレイに表示され、このS/V曲線上でアンバランスを
修正すべき複数種類の回転数がカーソルで指定される。
そしてこれらの回転数に対する前記両試験における振動
の振巾と位相が記憶回路6に記憶される。バランス演算
回路8では記憶回路6から振動データを取出して修正お
もりの大きさと基準位置からの取付位置とを演算する。
また、この修正おもりを取付けたときの回転体の振動値
が予測演算される。なお、これらの修正おもりの大きさ
と位置および振動予測値はLCDディスプレイに表示され
る。
振動予測値は比較回路10により振動目標値に達するか否
か振動目標値と比較され、その比較結果に基づくコメン
トがLCDディスプレイに表示される。第5図は上記の構
成によるポータブル型バランシング装置にてアンバラン
スの修正を行なう手順のフロー図であり、第5図および
第1図に基づいてアンバランスの修正手順について説明
する。
ステップ21にて表示回路9にアンバランス修正対象回転
機械の使用回転数、すなわち最小,最大使用回転数、ア
ンバランスの修正を行なう修正面の数、アンバランスの
修正を行なう回転数の試験速度数等を入力する。ステッ
プ22にてアンバランスの修正を行なう試験手順、すなわ
ちバランシング試験手順はイニシャル試験とトライヤル
試験とがあるので、このうちいずれかを設定する。ま
ず、最初の試験手順であるイニシャル試験を設定する。
ステップ23にて回転体を回転して試験を開始する。ステ
ップ24にてA/D変換回路3により振動検出器1a,1bからの
増巾回路2により増巾されたアナログ信号の振動値25
を、回転基準パルス検出器11からのゲート回路7を経た
回転基準パルス26によりA/D変換動作開始を指示して回
転パルス検出器12からの1/64回転毎の回転パルス27によ
りサンプリングしてデジタル化する。ステップ28にてデ
ジタル化された振動値はFFTプロセッサ4にて回転数の
6.25次まで次数分析される。次数分析された振動値はス
テップ29にてS/V回路5にて1次成分のみを抽出し、そ
の振巾と位相のデータを記憶し、ステップ30の判断によ
り先に入力された最小から最大回転数までの回転数に対
する振巾と位相のデータが採取され、S/V曲線が作成さ
れる。ステップ31にて最小から最大回転数までのS/V曲
線が表示回路9のLCDディスプレイに表示され、ステッ
プ32にてカーソルによりアンバランスを修正する回転数
が指定され、この回転数における振動の振巾,位相が第
6図,第7図のように示される。第6図,第7図はそれ
ぞれ回転数上昇時の回転機械の軸受A,BのS/V曲線40,41
およびアンバランスを修正すべき回転数(2速度)288
5.5RPMと3490.3RPMにおける振巾と位相が示されてい
る。ステップ33にて上記のアンバランスを修正すべき回
転数における振巾と位相とが記憶回路6に記憶される。
ステップ34にて試験手順に判別し、イニシャル試験は上
記の手順で終了し、つぎにトライヤル試験を行なう。
トライヤル試験はステップ22にて試験手順が設定され、
修正面数を2とする場合、先ず第8図に示すようにトラ
イヤル試験(2)として修正面2に試しおもり4gを回転
体の基準位置からの取付位置90degに取付けてステップ2
3にて試験開始される。そしてイニシャル試験と同じス
テップ24ないし31を経てステップ32にてイニシャル試験
と同じアンバランスを修正すべき回転数におけるバラン
シング用の振動データが抽出され、アンバランスを修正
すべき回転数における軸受A,Bにおける振動の振巾と位
相がステップ33にて記憶回路6に記憶されるとともに第
9図、第10図のように表示される。第9図、第10図では
それぞれ回転数上昇時の軸受A,BにおけるS/V曲線42,43
およびイニシャル試験時の回転数に最も近い2882.0RPM
と3490.3RPMにおける振巾と位相が示されている。
次にトライヤル試験(1)をトライ試験(2)と同様に
修正面1に第8図に示す試しおもり4gを取付位置90deg
に取付けて行ないにトライヤル試験(2)と同様にアン
バランスを修正すべき回転数の振巾と位相が記憶回路6
に記憶されるとともにLCDディスプレイに表示される。
なお、トライヤル試験(2),(1)とイニシャル試験
とで得られた振動ベクトルを比較し、その差が小さいと
きにはバランス演算回路での修正おもりの演算に計算誤
差が大きくなるので試しおもりを大きくして再試験す
る。なお、この場合トライヤル試験とイニシャル試験と
の前記振動ベクトルとの差のイニシャル試験時の振動ベ
クトルの比を比較回路により所定値と比較して再試験が
必要ならばこれをLCDディスプレイに表示し、この表示
により再試験を行なう。
イニシャル試験とトライヤル試験(1),(2)とにお
ける振動データは記憶回路6から取出されてステップ35
によりバランス演算回路8にて最小二乗法等を使用した
演算式により振動目標値を達成するために修正面1,2に
取付けるべき修正おもりの大きさ(g)と基準位置から
の取付位置(deg)が演算される。そして修正おもりが
取付けられた時の振動値が予測演算される。これらの振
動予測値および修正おもりの大きさと取付位置とがステ
ップ36にて第11図に示すようにLCDディスプレイに表示
される。第11図において振動目標値20μを達成するため
に修正面1,2での修正おもりの大きさ、取付位置はそれ
ぞれ2.3g,128.22degおよび3.7g,181.27degであり、この
時の軸受A,Bにおける予測される振動の振巾と位相が示
される。
振動予測値はステップ37にて振動目標値に対して比較回
路10にて比較され、その比較結果に基づいて第11図に示
すように3種類のコメントが表示される。これらのコメ
ントは下記の3種類の場合について行なわれ、比較結果
により適切なコメントが表示される。
修正おもりが大きすぎる場合 この場合は演算結果の修正おもりを低減(%)し再演算
を指示することにより予測振動ベクトルが再演算され
る。したがって当然目標の振動レベルはクリアできなく
なるが振動はイニシャル値よりも低減できる。
目標の振動レベルがきびしいか、回転体の特性として
2速度を満足できる演算結果が得られない場合 この場合は目標を変更し、再演算する。
修正面を1個しか選ばなかったか、目標値がきびしく
2速度を満足できない場合 この場合は目標値を大きくするか、修正面の数を2面に
して、再試験を行う。
上記のようにして修正おもりの大きさ、取付位置がきめ
られたなら、これの修正おもりを修正面に取付けて確認
試験を行なう。確認試験はイニシャル試験と同等である
ので、前述のイニシャル試験と同じ手順により試験が行
なわれる。この試験により第12図、第13図に示すように
S/V曲線と試験速度における軸受A,Bの振動の振巾と位相
が示される。第12図、第13図において軸受A,BのS/V曲線
はそれぞれ44,45に示され、回転数2882.0RPMにおける振
動の振巾と位相はそれぞれ52.12μm,30.00μmであり、
当初の軸受A,Bの振巾130.99μm,104.29μmに比して大
巾に低減されている。なお回転数3490.0RPMにおける軸
受A,Bの振巾は目標振動値20μmより大巾に小さく、そ
れぞれ9.2μm,8.2μmである。
なお、一回のバランシングで初期の目標値に低減できな
い場合は、トライヤル試験のデータと確認試験の新しい
イニシャルデータで再演算を行うことができる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば表示回
路にバランシングを行なう試験条件,試験手順を入力
し、振動検出器による振動を、別々の回転基準パルス検
出器と回転パルス検出器からの回転基準パルスでA/D変
換動作を開始し、回転パルスでA/D変換のデータサンプ
リングを行なってデジタル化し、ついでFFTプロセッサ
で次数分析し、この次数分析されたもののうちからS/V
回路で作成されるS/V曲線のデータを見ながらバランシ
ングすべき複数種類の回転数を指定し、これらの回転数
における修正おもりをバランス演算回路により演算して
表示回路に表示し、また修正おもりによる振動予測値を
振動目標値と比較し、その比較結果に基づくコメントが
表示するようにしたことにより、A/D変換回路の動作開
始とサンプリングを別々の回転基準パルス,回転パルス
検出器のパルス信号で制御するため、完全に回転数に同
期したデジタル信号が得られるので、回転数が急激に変
化したり、常時変動する回転機械でもアンバランスの位
置等を最小の誤差で演算して修正おもりを精度よく決定
できる。またS/V曲線上でアンバランスを修正すべき複
数種類の回転数を指定し、振動目標値を満足する修正お
もりが同時に決定できるため、従来のようにバランスの
試験を個々の回転数毎に行う必要がなくバランシング作
業を大巾に短縮でき、特に弾性軸などのように幾つもの
危険速度を有する回転体の現地におけるバランシングが
容易になるという効果がある。また、S/V曲線で回転体
の振動特性も同時に監視できるため、機械の運転やバラ
ンス作業が安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるポータブル型バランシン
グ装置の構成ブロック図、第2図は回転基準パルス検出
器と回転パルス検出器からの回転基準パルスと回転パル
スとを示す図、第3図、第4図はそれぞれ回転基準位置
と角度マーク(位置)とを備える円板と歯車の斜視図、
第5図は第1図のポータブルバランシング装置における
バランシングの手順を示す流れ図、第6図,第7図は表
示装置に示される回転体のイニシャル試験におけるS/V
曲線と振動値を示す図、第8図は表示装置に示される試
しおもりの大きさと取付位置を示す図、第9図,第10図
は表示装置に示されるトライヤル試験におけるS/V曲線
と振動値を示す図、第11図は表示装置に示される修正お
もりの大きさと取付位置、振動予測値およびコメントを
示す図、第12図,第13図は修正おもりを取付けた確認試
験における表示装置に示されるS/V曲線と振動値を示す
図である。 1a,1b;振動検出器、2;増巾回路、3;A/D変換回路、4;FFT
プロセッサ、5;S/V回路、6;記憶回路、7;ゲート回路、
8;バランス演算回路、9;表示回路、10;比較回路、11;回
転基準パルス検出器、12;回転パルス検出器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転機械の回転体を軸支する軸受に設置さ
    れ、回転体より発生する振動を検出する振動検出器と、
    この振動検出器からの電気信号を増巾する増巾回路と、
    この増巾回路からのアナログ電気信号をデジタル電気信
    号に変換するA/D変換回路と、このA/D変換のサンプリン
    グとその開始を回転体の回転に同期させるために予め回
    転体に設けた基準位置を電気信号として検出する回転基
    準パルス検出器と、A/D変換回路のサンプリング間隔を
    回転体の1回転を基本にし、その次数倍で行なうため、
    予め回転体に設けた次数倍に相当する基準位置を検出す
    る回転パルス検出器と、A/D変換回路のデジタル電気信
    号を次数分析し、回転に同期した信号のレベルと回転基
    準パルスを基準とした信号の位相を出力する高速フーリ
    エ変換プロセッサと、この高速フーリエ変換プロセッサ
    で次数分析したデータのうち回転体の回転数に相当した
    1次の基本成分のみ抽出し、回転数とその振動レベルを
    グラフ化するS/V回路と、回転基準パルス検出器からの
    基準パルス信号によりA/D変換回路の動作開始を制御す
    るゲート回路と、S/V回路からの指定した1種類以上の
    回転数の1次基本成分のデータを記憶する記憶回路と、
    この記憶回路からの出力データにより回転体のアンバラ
    ンス量と回転体の基準位置からのアンバランスの位置と
    を演算し、さらにこの演算結果に基づいて振動値を予測
    するバランス演算回路と、この演算回路からの振動予測
    値をこの予測値が振動目標値に達するか否か振動目標値
    と比較する比較回路と、バランス演算回路からの演算結
    果と比較回路からの比較結果を表示し、さらにバランス
    演算に必要な条件および試験手順を入力する表示回路と
    からなることを特徴とするポータブル型バランシング装
    置。
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