JP2019039341A - 内燃機関用の点火装置 - Google Patents

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和明 上田
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Abstract

【課題】消費エネルギの低減を図りやすい点火装置を提供すること。【解決手段】点火装置は、一次電流が流れる一次コイル、及び、一次電流の増減によって二次電流が発生する二次コイルを備えた点火コイルを有する。点火装置は、二次コイルから二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグを有する。点火装置は、点火プラグの点火動作を制御する点火制御部を備える。点火制御部は、二次電圧の値と二次電流の値との積である二次電力の値を、各サイクルにおいて一定とするよう、二次電流の値を調整する二次電流調整部を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
点火装置は、自動車等の内燃機関における点火手段として用いられる。点火装置として、互いに磁気結合された一次コイル及び二次コイルを備える点火コイルと、二次コイルに接続された点火プラグと、を備えるものがある。かかる点火装置は、一次コイルに流れる一次電流を遮断することにより、二次コイルに高圧の二次電圧を生じさせる。そして、当該二次電圧が点火プラグに印加され、点火プラグにおいて放電が生じる。点火プラグの放電により生じた放電火花が、燃焼室内の混合気に接触することにより、混合気に着火することができる。
かかる点火装置においては、点火プラグに生じた放電火花が、燃焼室内の混合気の気流により引き伸ばされて吹き消えること(以後、単に「吹き消え」ということもある。)が懸念される。
そこで、特許文献1に記載の点火装置等のように、吹き消えを防止しようとする技術が開示されている。特許文献1に記載の点火装置は、放電開始後において二次コイルに流れる二次電流の電流値を、吹き消えが生じない値であって、かつ、一定の値となるよう制御している。
特開2014−218995号公報
しかしながら、特許文献1に記載の点火装置においては、点火コイルから点火プラグに投入される点火エネルギが、混合気への着火に要求されるエネルギ(以後、要求エネルギということもある。)よりも過剰に大きくなるサイクルが生じることが懸念される。このことにつき、以後説明する。
一般に、放電の伸びが大きいサイクルほど、混合気と放電火花との接触体積が大きくなるため、混合気への着火性が良くなりやすい。逆に、放電の伸びが小さいサイクルほど、混合気への着火性が悪くなりやすい。それゆえ、放電の伸びが小さいサイクルにおいても混合気への着火性を充分に確保するためには、放電時間を長くしたり、電流値を増やしたりして、充分な点火エネルギを確保する必要がある。つまり、放電の伸びが小さいサイクルほど、混合気への着火のために要求される点火エネルギ(以後、「要求エネルギ」ということもある。)が大きくなり、放電の伸びが大きいサイクルほど、要求エネルギが小さくなる。
しかしながら、特許文献1に記載の点火装置においては、放電火花の伸びが大きく、要求エネルギが小さいサイクルほど、点火プラグへ投入される点火エネルギが大きくなりやすい。
すなわち、前記点火装置においては、各サイクルの二次電流値が一定になるよう制御しているため、放電火花の伸びが大きくなって二次電圧値が大きくなるほど、二次電流値と二次電圧値との積である二次電力値が大きくなる。そのため、前記点火装置においては、例えば各サイクルにおける放電時間を一定に制御したような場合、放電火花の伸びが大きいサイクルほど、二次電力値と放電時間との積である点火エネルギが大きくなる。
それゆえ、前記点火装置において、各サイクルにおける二次電流値を、放電火花の伸びが小さいサイクルにおける要求エネルギを確保できるような値に設定した場合、放電火花の伸びが大きいサイクル(すなわち要求エネルギが小さいサイクル)においては、当該サイクルの要求エネルギよりも過剰な点火エネルギを投入することとなる。そのため、前記点火装置においては、特に放電火花の伸びが大きいサイクルにおいて点火エネルギの無駄が生じやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、消費エネルギの低減を図りやすい点火装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、一次電流が流れる一次コイル(21)、及び、前記一次電流の増減によって二次電流が発生する二次コイル(22)を備えた点火コイル(2)と、
前記二次コイルから二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグ(3)と、
前記点火プラグの点火動作を制御する点火制御部(4)と、を備え、
前記点火制御部は、前記二次電圧の値と前記二次電流の値との積である二次電力の値を、各サイクルにおいて一定とするよう、前記二次電流の値を調整する二次電流調整部(41)を有する内燃機関用の点火装置(1)にある。
前記点火装置は、二次電力の値を各サイクルにおいて一定とするよう、二次電流の値を調整する二次電流調整部を有する。つまり、各サイクルにおける二次電圧値にばらつきが生じた場合であっても、各サイクルにおける二次電力値を一定にしている。それゆえ、例えば各サイクルにおける放電時間を一定に制御すると、各サイクルにおける点火エネルギ(すなわち、二次電力値と放電時間との積)を一定にすることができる。これに伴い、各サイクルにおける点火エネルギが、各サイクルの要求エネルギに比べて過剰に大きくなることを防止しやすい。
以上のごとく、前記態様によれば、消費エネルギの低減を図りやすい点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、点火装置の全体の回路構成を示す図。 実施形態1における、点火装置の全体構成を示す概略図。 実施形態1における、点火制御部において実施される制御のフローチャート図。 実施形態1における、放電が比較的大きく引き伸ばされたサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力の例を示す線図。 実施形態1における、放電が比較的小さく引き伸ばされたサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力の例を示す線図。 比較形態における、放電が比較的大きく引き伸ばされたサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力の例を示す線図。 比較形態における、放電が比較的小さく引き伸ばされたサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力の例を示す線図。 実施形態2における、A/F値と要求エネルギとの関係を示す線図。 実施形態2における、リッチ燃焼状態のサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力、点火エネルギの例を示す線図。 実施形態2における、リーン燃焼状態のサイクルの、二次電圧、二次電流、二次電力、点火エネルギの例を示す線図。
(実施形態1)
内燃機関用の点火装置1の実施形態につき、図1〜図5を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火装置1は、図1に示すごとく、一次電流が流れる一次コイル21、及び、一次電流の増減によって二次電流が発生する二次コイル22を備えた点火コイル2を有する。点火装置1は、二次コイル22から二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグ3を有する。点火装置1は、点火プラグ3の点火動作を制御する点火制御部4を備える。点火制御部4は、二次電圧の値と二次電流の値との積である二次電力の値を、各サイクルおいて一定とするよう、二次電流の値を調整する二次電流調整部41を有する。
点火装置1は、車両用エンジン等の内燃機関において、混合気への着火手段として用いられる。また、点火コイル2は、二次コイル22に生じた二次電圧が点火プラグ3に印加されることより、点火プラグ3の放電部において放電が生じる。放電部は、点火プラグ3における先端部に配された中心電極と接地電極との間に形成された放電ギャップを有する。そして、図2に示すごとく、放電部は、燃焼室5内に露出するよう配されている。そして、点火プラグ3の放電により生じた放電火花が、燃焼室5内の混合気に接触することにより、混合気が着火される。
図1に示すごとく、内燃機関の運転状態は、点火制御部4の一部を構成するエンジンコントロールユニット(以後、ECU42という。)によって制御されている。ECU42は、点火装置1に設けられた各種センサから取得されるエンジンパラメータ情報に基づき、内燃機関における点火制御を実行している。
図2に示すごとく、点火装置1には、回転角センサ11、空気量センサ12、空燃比センサ13、EGRガス圧力センサ14、水温センサ15、吸気温センサ16等のセンサが設けられている。回転角センサ11は、内燃機関のピストンに連結されるクランク軸101に設けられており、内燃機関の回転数である機関回転数の情報をECU42に出力する。空気量センサ12は、内燃機関における燃焼室5に吸入される空気が通る吸入通路102に配されており、内燃機関の燃焼室5内に吸入する空気量である吸気量の情報をECU42に出力する。空燃比センサ13は、内燃機関における燃焼室5から排出される空気が通る排出通路103に配されており、燃焼室5に供給される混合気の空燃比(すなわちA/F)である供給空燃比の情報をECU42に出力する。EGRガス圧力センサ14は、内燃機関の吸入通路102及び排出通路103を接続するよう形成されたEGR通路104に配されており、EGR通路104に流入された空気の圧力の情報をECU42に出力し、これによりECU42は、燃焼室5に吸入される空気のうちのEGRガスの割合であるEGR率を算出する。水温センサ15は、内燃機関のシリンダブロック105に配されており、内燃機関を冷却する冷却水の温度の情報をECU42に出力する。吸気温センサ16は、吸入通路102に配され、吸入通路102内の空気の温度の情報をECU42に出力する。
そして、図1に示すごとく、ECU42は、各種センサから取得したエンジンパラメータから把握されるエンジンの運転状態に基づいて、最適なエンジン燃焼状態となるよう、エンジン各部を制御する。
図1に示すごとく、点火コイル2は、一次コイル21と二次コイル22とイグナイタ23とを有する。一次コイル21は、その一端側においてバッテリ100の正極側に電気接続されており、その他端側において後述のイグナイタ23を介して接地されている。点火コイル2は、イグナイタ23がオン状態のとき、一次コイル21に一次電流が通電されるよう構成されている。以後、このときの一次電流の向き、すなわちバッテリ100から一次コイル21に向かう向き、を正とする。そして、二次コイル22は、一次コイル21への正の一次電流の通電を遮断することにより、二次コイル22に高圧の二次電圧が発生するよう構成されている。
二次コイル22は、その一端側において点火プラグ3に接続されており、その他端側においてダイオード23、シャント抵抗17を介して接地されている。ダイオード23は、二次電流の向きを点火プラグ3から二次コイル22に向かう向きに制限する役割を有する。ダイオード23のアノード側は二次コイル22に接続されている。また、ダイオード23のカソード側には、フィードバック回路18が接続されている。フィードバック回路18は、各サイクルにおける、二次電流及び二次電圧の情報を、ECU42や後述の補助ドライバ431にフィードバックするよう構成されている。
イグナイタ23は、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子を備える。イグナイタ23は、そのコレクタ側において一次コイル21に接続されており、そのエミッタ側において接地されている。そして、イグナイタ23は、そのゲートに入力された信号に基づいてスイッチング動作する。
二次電流調整部41は、一次コイル21と並列に、バッテリ100に接続されている。二次電流調整部41は、一次コイル21に対して、負の向きの一次電流を通電できるよう構成されている。二次電流調整部41は、昇圧回路44と、補助スイッチ432と、補助ドライバ431と、補助ダイオード433とを有する。二次電流調整部41は、昇圧回路44によってバッテリ100の電圧を昇圧してコンデンサ445にエネルギを蓄積し、当該蓄積されたエネルギを、一次コイル21の接地側へ重畳的に投入することができるよう構成されている。そして、点火装置1は、二次コイル22に発生した二次電圧を点火プラグ3に印加して放電させ、その放電期間中に、二次電流調整部41からさらにエネルギを投入して、二次コイル22に流れる二次電流を増加させることができるよう構成されている。
昇圧回路44は、チョークコイル441と、昇圧スイッチ442と、昇圧ドライバ443と、昇圧ダイオード444と、コンデンサ445と、を有する。昇圧回路44は、ECU42からハイ状態の点火信号IGtが与えられている間、バッテリ100の電圧を昇圧してコンデンサ445を充電するよう構成されている。
チョークコイル441は、一端側がバッテリ100に接続されており、他端側が昇圧スイッチ442を介して接地されている。昇圧スイッチ442は、MOSFET(すなわち、電界効果型トランジスタ)を備える。昇圧スイッチ442は、ドレインがチョークコイル441に接続され、ソースが接地されている。そして、昇圧スイッチ442は、昇圧ドライバ443からゲートへ入力される信号に基づきスイッチング動作する。昇圧ドライバ443は、ECU42からハイ状態の点火信号IGtが入力されている間、昇圧スイッチ442を所定周期で繰り返しオンオフするよう構成されている。チョークコイル441は、昇圧スイッチ442がオン状態のとき、電流が流れてエネルギを蓄積する。昇圧ダイオード444は、アノード側がチョークコイル441と昇圧スイッチ442との間に接続されており、カソード側がコンデンサ445に接続されている。そして、コンデンサ445は、昇圧ダイオード444と反対側が接地されている。コンデンサ445は、昇圧スイッチ442、及び補助スイッチ432がともにオフ状態のとき、エネルギを蓄積する。
補助スイッチ432は、MOSFETを備える。補助スイッチ432は、ドレインにおいて昇圧ダイオード444とコンデンサ445との間に接続されており、ソースにおいて一次コイル21とイグナイタ23との間に、補助ダイオード433を介して接続されている。補助ダイオード433は、アノードにおいて補助スイッチ432のソースに接続されており、カソードにおいて一次コイル21とイグナイタ23との間に接続されている。補助スイッチ432は、オン状態のとき、二次電流調整部41から一次コイル21側への電流の流れを許容し、オフ状態のとき、二次電流調整部41から一次コイル21側への電流の流れを遮断する。補助スイッチ432は、補助ドライバ431からゲートへ入力される信号に基づきスイッチング動作する。
補助ドライバ431は、ECU42からハイ状態の放電継続信号IGwが入力されている間、補助スイッチ432を所定周期で繰り返しオンオフするよう構成されている。本実施形態においては、各サイクルにおける放電期間が一定となるよう構成されている。
また、補助ドライバ431には、フィードバック回路18からフィードバックされる放電期間中の二次電圧値の情報と、ECU42から出力される所定電力信号Wreqとが入力される。所定電力信号Wreqは、目標二次電力値の情報を、ECU42から補助ドライバ431に入力する信号である。なお、目標二次電力値は、二次電流調整部41によって二次電流の値を調整して得られるべき目標の二次電力値である。
補助ドライバ431は、各サイクルにおいて、取得した放電期間中の二次電圧値(以後、測定二次電圧値ということもある。)及び目標二次電力値から、放電期間中の二次電流値を目標二次電流値にするよう構成されている。目標二次電流値は、放電期間中の二次電力値を目標二次電力値とするよう設定される二次電流値である。つまり、目標二次電流値は、目標二次電流値I(t)=目標二次電力値W(t)/測定二次電圧値V(t)、によって表される。なお、tは、各サイクルにおける放電開始時からの経過時間を指す。そして、補助ドライバ431は、測定二次電圧値を測定したサイクルの次のサイクルにおいて、二次電流値を目標二次電流値にするよう制御されている。
二次電流調整部41によって調整される二次電流値(すなわち目標二次電流値)は、点火プラグ3における放電の吹き消えが発生しない二次電流値の最小値である吹消閾値以上である。吹消閾値は、内燃機関の運転条件、点火プラグ3の形状等に基づいて、予め記憶したマップ等を参照して算出される。図1に示すごとく、補助ドライバ431には、ECU42から出力される吹消閾値信号IGaが入力される。吹消閾値信号IGaにより、ECU42から補助ドライバ431に、吹消閾値の情報が入力される。
また、二次電流調整部41は、目標二次電力値を、点火プラグ3に生じ得る二次電圧値のうちの最大値に設定された設定二次電圧値と吹消閾値との積以上とするよう、二次電流値を調整する。点火プラグ3に生じ得る二次電圧値のうちの最大値は、点火プラグ3の構造により、種々定まる。例えば、点火プラグの放電ギャップが比較的大きく設定される等により火花が伸びやすく構成された点火プラグ3ほど、点火プラグ3に生じ得る二次電圧値の最大値が大きくなる。
ここで、図3に示すごとく、点火制御部4は、点火プラグ3の混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて、設定二次電圧値を修正するよう構成されている。本実施形態においては、まず、初期の設定二次電圧値を読み込む。そして、例えば、点火制御部4は、前記エンジンパラメータから取得した情報に基づいて、放電が伸びにくいサイクルであると判断した場合は、設定二次電圧値を、初期設定値よりも小さくするよう修正する。これにより、放電が伸びにくく、二次電流値が確保されやすいサイクルにおいては、点火プラグ3に過剰な二次電流が供給されることを抑制し、エネルギの無駄な消費を回避しやすい。そして、放電が伸びやすいサイクルにおいては、放電の吹き消えが懸念されやすい。それゆえ、点火制御部4は、前記エンジンパラメータから取得した情報により、放電が伸びやすいサイクルであると判断した場合は、設定二次電圧値を、初期設定値とする。これにより、放電が伸びやすく、吹き消えが生じないための二次電流値が要求されやすいサイクルにおいては、点火プラグ3に、吹き消えが生じない二次電流を供給することができる。設定二次電圧値の修正は、各サイクルで行ってもよいし、複数サイクル毎に行ってもよい。
以上のように、二次電流値が目標二次電流値に設定され、各サイクルにおける放電期間中の二次電力値が一定となるよう構成されている。
なお、点火プラグ3の混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータは、前述の機関回転数、吸気量、供給空燃比、EGR率、機関冷却水温、吸気温の少なくとも一つとすることができる。また、前記エンジンパラメータとして、点火プラグ3の放電ギャップの長さを採用することもできる。すなわち、点火プラグ3は、内燃機関の使用による中心電極及び接地電極の消耗により、ギャップ長さが拡大することがある。例えば、ギャップ長さが拡大することによって放電火花の伸び量が大きくなり、混合気への着火性が向上することがある。
また、点火制御部4は、点火プラグ3の混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて、各サイクルの二次電力の値を修正するように構成されていてもよい。例えば、前記エンジンパラメータに基づいて着火性が悪いと判断されるサイクルにおいて、目標二次電力値を比較的高い値に設定することにより、点火エネルギを確保するような制御を行うことが可能である。すなわち、点火制御部4は、前記エンジンパラメータに基づいて、内燃機関の燃焼状態が最適となるよう目標二次電力値を修正する構成を採用してもよい。
次に、図4、図5に示すごとく、本実施形態において、1サイクルにおいて測定される二次電圧、二次電流、二次電力の例を、2つ示す。
図4に、点火プラグ3における放電が比較的大きく引き伸ばされたサイクルの二次電圧、二次電流、二次電力の例を示している。また、図5に、点火プラグ3における放電が比較的小さく引き伸ばされたサイクルの二次電圧、二次電流、二次電力の例を示している。
本実施形態において、点火制御部4は、前述のごとく、各サイクルの放電期間中の二次電力値を一定値とするよう制御している。そのため、図4、図5に示すごとく、二次電圧値が大きくなるサイクルと小さくなるサイクルとのいずれのサイクルにおいても、二次電力値が一定値となっている。
なお、図1の3つのグラフにおいて、放電時間を示す横軸を一致させている。同様に、図2の3つのグラフにおいて、放電時間を示す横軸を一致させている。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の点火装置1は、二次電力値を各サイクルにおいて一定とするよう、二次電流の値を調整する二次電流調整部41を有する。つまり、各サイクルにおける二次電圧値にばらつきが生じた場合であっても、各サイクルにおける二次電力値を一定にしている。それゆえ、例えば各サイクルにおける放電時間を一定に制御すると、各サイクルにおける点火エネルギ(すなわち、二次電力値と放電時間との積)を一定にすることができる。これに伴い、各サイクルにおける点火エネルギが、各サイクルの要求エネルギに比べて過剰に大きくなることを防止しやすい。
また、二次電流調整部41によって調整される二次電流値は、吹消閾値以上である。それゆえ、放電の吹き消えが発生することを防止できる。
また、二次電流調整部41は、点火プラグ3の放電期間中における二次電力値を、設定二次電圧値と吹消閾値との積以上とするよう二次電流値を調整する。これにより、放電の伸び量がどのように変動しても、二次電流値を吹消閾値以上にすることができる。
さらに、点火制御部4は、前記エンジンパラメータに基づいて設定二次電圧値を修正する。それゆえ、点火制御部4により、内燃機関の運転状況の変化に応じて、例えば吹き消えの発生が懸念されないサイクルにおいて、過剰に二次電流が流れることを防止することができる。それゆえ、点火プラグ3に生じた放電の吹き消えを抑制しつつ、消費エネルギの低減を図ることができる。
また、点火制御部4は、点火プラグ3の混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて、各サイクルの二次電力値を修正する。これにより、例えば、内燃機関の運転状況の変化に応じて、各サイクルの二次電力値を、混合気への着火のために要求される点火エネルギを過度に超えないよう修正することにより、消費エネルギの低減を図ることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、消費エネルギの低減を図りやすい点火装置を提供することができる。
(比較形態)
本比較形態は、図6、図7に示すごとく、点火プラグの放電期間中の二次電流の値を一定値にするよう制御された点火装置1である。そして、本比較形態は、実施形態1とは異なり、二次電力値の値を目標二次電力値となるよう点火プラグの放電期間中の二次電流の値を調整していない。
図6は、比較的、放電が大きく引き伸ばされ、二次電圧が高くなったサイクルの二次電圧、二次電流、二次電力の例を示している。図7は、比較的、放電が小さく引き伸ばされ、二次電圧が小さくなったサイクルの二次電圧、二次電流、二次電力の例を示している。
このように、本比較形態においては、すべてのサイクルにおいて、放電期間中の二次電流値が一定となるよう制御されている。これにより、図6に示すごとく、二次電圧が比較的高くなったサイクルにおいては点火エネルギが大きくなり、図7に示すごとく、二次電圧が比較的小さくなったサイクルにおいては点火エネルギが小さくなる。このように、比較形態においては、各サイクルにおける点火エネルギにばらつきが生じやすい。そして、要求エネルギが小さいサイクルである、二次電圧が大きいサイクルにおいて、点火エネルギが大きくなっており、点火エネルギの無駄が生じている。
一方、前記実施形態1においては、図4、図5に示すごとく、各サイクルにおける点火エネルギを一定にすることができ、各サイクルにおける点火エネルギが、各サイクルの要求エネルギに比べて過剰に大きくなることを防止しやすい。
(実施形態2)
本実施形態は、図8〜図10に示すごとく、点火制御部4が、更に、期間調整部を有する実施形態である。期間調整部は、各サイクルにおいて、点火コイル2から点火プラグ3に投入される点火エネルギを、点火プラグ3の混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて設定される点火エネルギとするよう、点火プラグ3へのエネルギの投入期間を調整する。以後、前記エンジンパラメータとして、燃焼室5に供給される混合気の空燃比である供給空燃比を採用した例を示す。
図8に示すごとく、一般的に、供給空燃比が大きいリーン燃焼状態であるほど、混合気への着火に要求される要求エネルギが大きくなる。一方、供給空燃比が小さいリッチ燃焼状態であるほど、混合気への着火に要求される要求エネルギが低くなる。
図9に、リッチ燃焼状態のサイクルにおける二次電圧、二次電流、二次電力、点火エネルギを示しており、図10に、リーン燃焼状態のサイクルにおける二次電圧、二次電流、二次電力、点火エネルギを示している。本実施形態においては、図10に示すごとく、点火制御部4においてリーン燃焼状態であると判断された場合の放電時間を、図9に示す点火制御部4においてリッチ燃焼状態であると判断された場合の放電時間よりも、長くしている。これにより、要求エネルギが高いリーン燃焼状態において、放電時間を長くすることにより点火エネルギを確保することができる。一方、要求エネルギが低いリッチ燃焼状態においては、放電時間を短くすることにより消費エネルギの低減を図ることができる。
その他は、実施形態1と同様である。
また、本実施形態においては、前述の作用効果に加え、実施形態1と同様の作用効果も有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 内燃機関用の点火装置
2 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
3 点火プラグ
4 点火制御部
41 二次電流調整部

Claims (6)

  1. 一次電流が流れる一次コイル(21)、及び、前記一次電流の増減によって二次電流が発生する二次コイル(22)を備えた点火コイル(2)と、
    前記二次コイルから二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグ(3)と、
    前記点火プラグの点火動作を制御する点火制御部(4)と、を備え、
    前記点火制御部は、前記二次電圧の値と前記二次電流の値との積である二次電力の値を、各サイクルにおいて一定とするよう、前記二次電流の値を調整する二次電流調整部(41)を有する内燃機関用の点火装置(1)。
  2. 前記二次電流調整部によって調整される前記二次電流の値は、前記点火プラグにおける放電の吹き消えが発生しない前記二次電流の値の最小値である吹消閾値以上である、請求項1に記載の内燃機関用の点火装置。
  3. 前記二次電流調整部は、前記点火プラグの放電期間中における前記二次電力の値を、前記点火プラグに生じ得る前記二次電圧の値のうちの最大値に設定された設定二次電圧値と、前記吹消閾値との積以上とするよう、前記二次電流の値を調整する、請求項2に記載の内燃機関用の点火装置。
  4. 前記点火制御部は、前記点火プラグの混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて、前記設定二次電圧値を修正する、請求項3に記載の内燃機関用の点火装置。
  5. 前記点火制御部は、前記点火プラグの混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて、各サイクルの前記二次電力の値を修正する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  6. 前記点火制御部は、更に、各サイクルにおいて、前記点火コイルから前記点火プラグに投入される点火エネルギを、前記点火プラグの混合気への着火性に影響を及ぼすエンジンパラメータに基づいて設定される点火エネルギとするよう、前記点火プラグへのエネルギの投入期間を調整する期間調整部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
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