JP2019039060A - アルミニウム部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙のような白色の外観を有するアルミニウム部材及びその製造方法を提供すること。【解決手段】アルミニウム部材10は、0質量%〜10質量%のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物であるアルミニウム又はアルミニウム合金により形成された基材12と、基材12の表面12aに形成された陽極酸化皮膜14と、を備える。そして、陽極酸化皮膜14除去後の陽極酸化皮膜14側における基材12の表面の算術平均粗さSaが0.1μm〜0.5μmであり、最大高さ粗さSzが0.2μm〜5μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.5μm〜10μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム部材及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、紙のような白色の外観を有するアルミニウム部材及びその製造方法に関する。
近年、例えば携帯機器やパソコン筐体を、紙のような白色の外観にしたいという要望が増加している。このような要望に応えるため、アルミニウムの表面に酸化アルミニウムを含む陽極酸化皮膜を形成し、アルミニウムの外観を白色にする試みがなされている。
例えば、特許文献1では、アルミニウム合金の表面に、ブラスト処理を行って凹凸状のシボ面を形成し、ブラスト処理後にアルミニウム合金の表面を化学的に研磨する化学研磨処理又はエッチング処理等の化学的処理を行うことが記載されている。そして、特許文献1では、化学的処理を行うことでシボ面の凹凸形状を荒らし、アルミニウム合金の白色度を高めることが記載されている。
特開2004−91851号公報
ブラスト処理に用いられる粒子は、一般的には粒子径が数百μmであり、小さなものでも特許文献1に記載されたように50μmである。しかしながら、このような粒子径を有する粒子を用いた場合、ブラスト処理後の表面には深いくさび状の凹部が多数形成されてしまうおそれがある。陽極酸化皮膜を透過した光は、このような凹部によって捕捉され、アルミニウム部材の白色度を低下させてしまうおそれがある。また、アルミニウム合金の表面形状が適切でない場合、L表色系におけるL値が高い場合であっても、アルミニウム合金表面での光拡散が十分に生じない。そのため、斜め方向から見た場合にアルミニウム部材の白色度が低くなり、外観を紙のような白色とすることができないおそれがある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、紙のような白色の外観を有するアルミニウム部材及びその製造方法を提供することである。
本発明の態様に係るアルミニウム部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金により形成された基材と、基材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、を備える。アルミニウム又はアルミニウム合金は、0質量%〜10質量%のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物である。そして、陽極酸化皮膜除去後の陽極酸化皮膜側における基材の表面の算術平均粗さSaが0.1μm〜0.5μmであり、最大高さ粗さSzが0.2μm〜5μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.5μm〜10μmである。
本発明によれば、紙のような白色の外観を有するアルミニウム部材及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係るアルミニウム部材の一例を示す断面図である。 本実施形態に係るアルミニウム部材の製造方法の一例を示す図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係るアルミニウム部材及びアルミニウム部材の製造方法について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[アルミニウム部材]
図1に示すように、本実施形態のアルミニウム部材10は、基材12と、陽極酸化皮膜14と、を備える。以下において、これらの構成要素を説明する。
(基材12)
基材12は、0質量%〜10質量%のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物であるアルミニウム又はアルミニウム合金により形成される。本実施形態では、アルミニウム又はアルミニウム合金中のマグネシウムの含有量を0質量%〜10質量%としている。本実施形態では、マグネシウムは必ずしも基材12に含有されている必要はないが、基材12にマグネシウムを含有させることにより、アルミニウムとマグネシウムとが固溶して、基材12の強度を向上させることができる。また、マグネシウムの含有量を10質量%以下とすることにより、基材12の耐食性の低下を抑制しつつ、基材12の強度を向上させることができる。なお、マグネシウムの含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、マグネシウムの含有量は、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
基材12に含有される鉄は、0.1質量%以下である。また、基材12に含有されるケイ素は、0.1質量%以下である。鉄及びケイ素は、それぞれアルミニウムと固溶しにくいため、これらの元素が基材12に含有されている場合、基材12を陽極酸化処理すると、陽極酸化皮膜14内に鉄又はケイ素を含む第二相として析出しやすい。陽極酸化皮膜14にこれらのような第二相が含有されている場合、陽極酸化皮膜14内を透過する光の一部が第二相に吸収されるため、アルミニウム部材10が例えば黄色を帯びた色のように見えてしまうことがある。したがって、本実施形態では、基材12が0.1質量%以下の鉄を含有している。同様に、本実施形態では、基材12が0.1質量%以下のケイ素を含有している。なお、基材12は0.05質量%以下の鉄を含有していることが好ましい。また、基材12は0.05質量%以下のケイ素を含有していることが好ましい。
基材12は、不可避不純物を含有していてもよい。本実施形態において、不可避不純物とは、原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするものを意味する。不可避不純物は、本来は不要なものであるが、微量であり、アルミニウム又はアルミニウム合金中の特性に影響を及ぼさないため、許容されている不純物である。アルミニウム又はアルミニウム合金中に含有される可能性がある不可避不純物は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)以外の元素である。アルミニウム又はアルミニウム合金中に含有される可能性がある不可避不純物としては、例えば、銅(Cu)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、コバルト(Co)などが挙げられる。不可避不純物の量としては、アルミニウム又はアルミニウム合金中に合計で0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下がさらに好ましく、0.10質量%以下が特に好ましい。また、不可避不純物として含まれる個々の元素の含有量は0.05質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であることがより好ましい。
なお、基材12の形状や厚さは特に限定されず、用途に応じて適宜変更することができる。また、基材12は、加工処理又は熱処理などがされていてもよい。
(陽極酸化皮膜14)
陽極酸化皮膜14は、基材12の表面12aに形成される。このような陽極酸化皮膜14により、耐食性や耐摩耗性などを向上させることができる。陽極酸化皮膜14は、一般的には、基材12側に配置されたバリヤ層と、バリヤ層に対して基材12と反対側に配置され、中心部に微細孔を有する複数の皮膜セルを含む多孔質層と、を含む。微細孔の孔径は特に限定されないが、一般的には10nm〜100nm程度である。
陽極酸化皮膜14に含有される金属元素及び半金属元素は、金属元素及び半金属元素の合計を100質量%とした場合、0質量%以上のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物であることが好ましい。陽極酸化皮膜14の主な構成成分は酸化アルミニウムであり、酸化アルミニウム自体は無色透明である。しかしながら、鉄やケイ素などは、アルミニウムと固溶しにくく、陽極酸化皮膜14に第二相として析出しやすい傾向にある。陽極酸化皮膜14に、このような第二相が含有されている場合、陽極酸化皮膜14内を透過する光の一部が第二相に吸収されるため、アルミニウム部材10が例えば黄色を帯びた色のように見えてしまうことがある。したがって、本実施形態では、陽極酸化皮膜14に含有される金属元素及び半金属元素の合計を100質量%とした場合における陽極酸化皮膜14に含有される鉄を0.1質量%以下とすることが好ましい。また、陽極酸化皮膜14に含有される金属元素及び半金属元素の合計を100質量%とした場合における陽極酸化皮膜14に含有されるケイ素を0.1質量%以下とすることが好ましい。このように、陽極酸化皮膜14に含有される鉄及びケイ素の含有量を所定の値より小さくすることにより、陽極酸化皮膜14での光の吸収を抑制され、アルミニウム部材10の白色度を高くすることができる。なお、陽極酸化皮膜14は、酸化アルミニウムを90質量%以上含有していてもよい。
陽極酸化皮膜14に含有されるマグネシウムの含有量は0質量%以上とすることが好ましい。したがって、陽極酸化皮膜14には、必ずしもマグネシウムが含有されている必要はない。ただし、マグネシウムは、アルミニウムと固溶しやすく、陽極酸化皮膜14に第二相として析出しにくい。そのため、陽極酸化皮膜14にマグネシウムを含有させても、アルミニウム部材10の白色度にも影響を及ぼしにくい。なお、陽極酸化皮膜14に含有されるマグネシウムは、基材12に含有されるマグネシウムが、陽極酸化処理によって、陽極酸化皮膜14に残留すると考えられる。したがって、陽極酸化皮膜14に含有されるマグネシウムの含有量は特に限定されないが、基材12に含有されるマグネシウムの含有量と同様に、10質量%以下であることが好ましい。なお、マグネシウムの含有量は、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。また、マグネシウムの含有量は、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
陽極酸化皮膜14は、不可避不純物を含有していてもよい。陽極酸化皮膜14に含有される可能性がある不可避不純物は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、ケイ素(Si)以外の元素である。陽極酸化皮膜14に含有される可能性がある不可避不純物としては、例えば、銅(Cu)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、コバルト(Co)などが挙げられる。陽極酸化皮膜14中の不可避不純物の量としては、合計で0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下がさらに好ましく、0.10質量%以下が特に好ましい。また、不可避不純物として含まれる個々の元素の含有量は0.05質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であることがより好ましい。
上記マグネシウム、鉄、ケイ素のそれぞれの含有量は、陽極酸化皮膜14に含有される金属元素及び半金属元素の合計を100質量%とした場合の含有量である。なお、本実施形態において、金属元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属を含む。また、半金属元素は、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルルを含む。したがって、酸化アルミニウムに由来する酸素のような非金属元素は、金属元素及び半金属元素に含まれない。
陽極酸化皮膜14の膜厚は特に限定されないが、1μm〜50μmであることが好ましい。陽極酸化皮膜14の膜厚を1μm以上とすることで、基材12が腐食するのを抑制することができる。また、陽極酸化皮膜14の膜厚を50μm以下とすることにより、光が陽極酸化皮膜14で吸光されるのを抑制することができるため、アルミニウム部材10の明度を向上させることができる。なお、陽極酸化皮膜14の膜厚は、5μm〜20μmであることがより好ましい。
陽極酸化皮膜14除去後の陽極酸化皮膜14側における基材12の表面12aの算術平均粗さSaが0.1μm〜0.5μmであり、最大高さ粗さSzが0.2μm〜5μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.5μm〜10μmである。
算術平均粗さSaを0.1μm以上とすることにより、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aで拡散反射するため、角度を変えて斜めから見た場合でも、アルミニウム部材10の外観を白くすることができる。また、算術平均粗さSaを0.5μm以下とすることにより、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aの凹凸間で補足されるのを抑制することができるため、アルミニウム部材10の外観が灰色になるのを抑制することができる。なお、算術平均粗さSaは、0.1μm〜0.4μmであることが好ましい。
最大高さ粗さSzを0.2μm以上とすることにより、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aで拡散反射するため、角度を変えて斜めから見た場合でも、アルミニウム部材10の外観を白くすることができる。また、最大高さ粗さSzを5μm以下とすることにより、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aの凹凸間で補足されるのを抑制することができるため、アルミニウム部材10の外観が灰色になるのを抑制することができる。なお、最大高さ粗さSzは、1μm〜4.7μmであることが好ましい。
粗さ曲線要素の平均長さRsmを0.5μm以上とすることにより、基材12の表面12aの凹凸のピッチが小さくなりすぎないため、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aの凹凸間で補足されるのを抑制することができる。したがって、アルミニウム部材10の外観が灰色になるのを抑制することができる。また、粗さ曲線要素の平均長さRsmを10μm以下とすることにより、基材12の表面12aの凹凸のピッチが大きくなりすぎない。そのため、陽極酸化皮膜14を透過した光が基材12の表面12aで拡散反射し、角度を変えて斜めから見た場合でも、アルミニウム部材10の外観を白くすることができる。なお、粗さ曲線要素の平均長さRsmは、5μm〜9.5μmであることが好ましい。
基材12の表面12aの算術平均粗さSa、最大高さ粗さSz及び粗さ曲線要素の平均長さRsmは、基材12から陽極酸化皮膜14を除去することにより測定することができる。なお、基材12の表面12aの凹凸は、陽極酸化処理によって、より滑らかになるため、陽極酸化処理前の基材12の表面12aの凹凸と陽極酸化処理後の基材12の表面12aの凹凸とは形状が異なっているおそれがある。そのため、本実施形態では、陽極酸化皮膜14除去後の基材12の表面12aの形状を測定している。基材12から陽極酸化皮膜14を除去する方法は特に限定されない。例えばJIS H8688:2013(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の単位面積当たりの質量測定方法)に準じ、アルミニウム部材10をリン酸クロム酸(VI)溶液に浸し、陽極酸化皮膜14を溶解させて除去することができる。
基材12の表面12aの算術平均粗さSa及び最大高さ粗さSzは、ISO25178に準じて測定することができる。また、基材12の表面12aの粗さ曲線要素の平均長さRsmは、JIS B0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に準じて測定することができる。
陽極酸化皮膜14の表面14aの算術平均粗さSaが0μm〜0.45μmであることが好ましい。陽極酸化皮膜14の表面14aの算術平均粗さSaを0.45μm以下とすることにより陽極酸化皮膜14の表面14aで光の一部が反射するため、アルミニウム部材10の白色度をより向上させることができる。なお、陽極酸化皮膜14の表面14aの算術平均粗さSaは、ISO25178に準じて測定することができる。また、陽極酸化皮膜14の表面14aの算術平均粗さSaは、表面14aを研磨するなどして調整することができる。
本実施形態では、陽極酸化皮膜14側から測定したアルミニウム部材10のL表色系におけるL値が85〜100であり、a値が−1〜+1であり、b値が−1.5〜+1.5であることが好ましい。L表色系におけるL値、a値及びb値は、JIS Z8781−4:2013(測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間)に準じて求めることができる。具体的には、L値、a値及びb値は色彩色差計などを用いて測定することができ、拡散照明垂直受光方式(D/0)、視野角2°、C光源のような条件で測定することができる。
値を85以上とすることにより、明度が向上することから、アルミニウム部材10の白色度をより向上させることができる。また、L値の上限は特に限定されず、Lの最大値である100である。なお、L値は85.5以上であることがより好ましい。
また、a値を−1〜+1、b値を−1.5〜+1.5とすることで、彩度が0に近くなることから、アルミニウム部材10が赤色、黄色、緑色、青色などが帯びるのを抑制することができ、アルミニウム部材10の白色度をより向上させることができる。なお、a値は−0.8〜+0.8、b値は−0.8〜+0.8であることがそれぞれ好ましい。
陽極酸化皮膜14の表面14aの算術平均粗さSaが0μm〜0.45μmであり、L値が85.5〜100であることが好ましい。このようにすることで、陽極酸化皮膜14の表面14aで光の一部が反射するため、アルミニウム部材10の白色度をより向上させることができる。
以上の通り、本実施形態に係るアルミニウム部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金により形成された基材と、基材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、を備える。アルミニウム又はアルミニウム合金は、0質量%〜10質量%のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物である。そして、陽極酸化皮膜除去後の陽極酸化皮膜側における基材の表面の算術平均粗さSaが0.1μm〜0.5μmであり、最大高さ粗さSzが0.2μm〜5μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.5μm〜10μmである。そのため、本実施形態のアルミニウム部材によれば、外観を紙のような白色とすることができる。
したがって、本実施形態のアルミニウム部材は、紙のような白色の外観を有するため、例えばスマートフォンやパソコンなどの筐体に好ましく用いることができる。
[アルミニウム部材の製造方法]
本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、特に限定されないが、図2に示すように、例えば基材調整工程S1と、ブラスト処理工程S2と、エッチング工程S3と、陽極酸化処理工程S4と、研磨工程S5と、を備えていてもよい。以下、各工程について詳細に説明する。
(基材調整工程S1)
基材調整工程S1では、基材12を調整することができる。基材12を調整する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、所定の元素を有する溶湯の調整、鋳造、圧延、熱処理などにより、基材12を作製することができる。また、基材12は、鋳造後、圧延後又は熱処理後、特段の表面処理をせずに、そのまま用いてもよい。また、基材12は、フライス盤による研削、並びに、エメリー紙、バフ研磨及び電解研磨等により表面12aを研磨して用いてもよい。なお、基材12の表面12aは、研磨により、算術平均粗さRaを100nm未満程度に調整して用いてもよい。基材12の表面の算術平均粗さRaを100nm未満とすることにより基材12の明度が高くなる。そのため、ブラスト処理工程S2、エッチング工程S3及び陽極酸化処理工程S4を経ても、より紙に近い白色外観を有するアルミニウム部材10を得ることができる。
(ブラスト処理工程S2)
ブラスト処理工程S2では、ブラスト処理により、基材12の表面12aに粒子を衝突させて凹凸を形成することができる。ブラスト処理の条件は特に限定されず、上記のように、陽極酸化皮膜14除去後の陽極酸化皮膜14側における基材12の表面12aの算術平均粗さSa、最大高さ粗さSz及び粗さ曲線要素の平均長さRsmをそれぞれ所定の範囲にすることができればよい。なお、ブラスト処理の方法は特に限定されず、例えばウェットブラスト及びドライブラストの少なくともいずれか一方を用いることができる。
本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、20μm以下の平均粒子径を有する粒子を、基材12の表面12aに衝突させる工程を備えていることが好ましい。基材12の表面12aに衝突させる粒子の平均粒子径を20μm以下とすることにより、陽極酸化皮膜形成後の基材12の表面12aに微細な凸部を形成することができる。そのため、基材12の表面12aの凹凸間で陽極酸化皮膜14を通過してきた光が吸収されるのを抑制することができ、アルミニウム部材10の外観をより白色にすることができる。なお、粒子の平均粒子径は、10.5μm以下であることがより好ましい。一方、粒子の平均粒子径の下限は特に限定されないが、2μm以上であることが好ましい。粒子の平均粒子径を2μm以上とすることにより、基材12の表面12aに適度に凹凸が形成されることから、陽極酸化皮膜14を通過してきた光を拡散反射させることができる。そのため、角度を変えて斜めから見た場合でも、アルミニウム部材10が白く見えるため、アルミニウム部材10を紙のような白色にすることができる。なお、粒子の平均粒子径は、体積基準における粒度分布の累積値が50%の時の粒子径を表し、例えば、レーザ回折・散乱法により測定することができる。
ブラスト処理に用いられる粒子としては、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、アルミナ、ジルコニアなどを含むセラミックビーズ、スチールなどを含む金属ビーズ、ナイロン、ポリエステル、メラミン樹脂などを含む樹脂ビーズ、ガラスなどを含むガラスビーズなどが挙げられる。なお、ウェットブラストの場合は、粒子を水などの液体に混ぜて基材12に吹き付けることができる。ブラスト処理の際の噴射圧力、粒子総数などの条件は特に限定されず、基材12の状態などに応じて適宜調整することができる。
(エッチング工程S3)
エッチング工程S3では、ブラスト処理工程S2で形成された基材12の表面12aの凹凸の角を取り除き、凹凸を滑らかにすることができる。エッチングの条件は特に限定されず、上記のように、陽極酸化皮膜14除去後の陽極酸化皮膜14側における基材12の表面12aの算術平均粗さSa、最大高さ粗さSz及び粗さ曲線要素の平均長さRsmをそれぞれ所定の範囲にすることができればよい。
なお、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、粒子を衝突させた基材12を、酸性溶液及びアルカリ性溶液の少なくともいずれか一方によりエッチングする工程を備えていることが好ましい。酸性溶液としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの水溶液を用いることができる。また、アルカリ性溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの水溶液を用いることができる。酸性溶液及びアルカリ性溶液の濃度などは特に限定されないが、一例を挙げると、水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、1%〜10%とすることができる。
エッチング時間やエッチング温度も特に限定されず、基材12の状態やエッチング液に応じて適宜調整することができる。一例を挙げると、エッチング時間は5秒〜90秒、エッチング温度は40℃〜60℃である。
(陽極酸化処理工程S4)
本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、基材12の表面12aを陽極酸化処理して陽極酸化皮膜14を形成する工程を備えていてもよい。陽極酸化処理の方法は特に限定されず、例えば基材12を陽極に設置し、電解質水溶液を電気分解することによって基材12の表面12aを酸化させることができる。なお、上記のように、基材12がエッチングされた場合、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、エッチングした基材12の表面12aを陽極酸化処理して陽極酸化皮膜14を形成する工程を備えることが好ましい。
陽極酸化処理で用いられる電解処理液は特に限定されず、公知の電解処理液を用いることができる。電解処理液は、アルミニウムに対する溶解性の低いことから、多塩基酸水溶液を用いることが好ましい。多塩基酸としては特に限定されず、例えば、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、酒石酸、マロン酸などが挙げられる。なお、電解処理液は、硫酸、リン酸及びシュウ酸からなる群より選択される少なくとも1種の水溶液であることが好ましい。すなわち、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、硫酸、リン酸及びシュウ酸からなる群より選択される少なくとも1種の水溶液で基材12の表面12aを陽極酸化処理し、陽極酸化皮膜14を形成する工程を備えることが好ましい。
陽極酸化処理の電気分解の条件は特に制限されず、基材12の状態などに応じて適宜調整することができる。一例を挙げると、電解処理液の温度が10℃〜30℃、電圧が10V〜20V、電気量が10C/cm〜30C/cm、電解時間が20分〜50分である。
(研磨工程S5)
研磨工程S5では、陽極酸化皮膜14の表面14aを研磨して平滑にすることができる。陽極酸化皮膜14の表面14aを平滑にすることで、陽極酸化皮膜14の表面14aでの光の拡散反射を抑制することができ、陽極酸化皮膜14の表面14aの光の反射率を向上させることができる。したがって、研磨工程S5により、アルミニウム部材10のL値をより向上させることができる。
研磨の方法は、陽極酸化皮膜14の表面14aを平滑化することができれば特に限定されないが、例えば、ブラスト研磨、バフ研磨などの物理研磨が挙げられる。具体的には、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、陽極酸化皮膜14の表面14aを、ブラスト研磨及びバフ研磨の少なくともいずれか一方により研磨する工程を備えることが好ましい。また、ブラスト研磨は、ウェットブラスト研磨であっても、ドライブラスト研磨であってもよい。また、ブラスト研磨として、株式会社不二製作所のシリウス加工(登録商標)により、基材12の表面12aを研磨してもよい。
なお、特に限定されないが、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法は、耐食性をより向上させるため、皮膜セルの微細孔を封じる封孔処理工程をさらに備えていてもよい。封孔処理は、公知の方法により処理することができ、例えば、高温の水蒸気、酢酸ニッケル水溶液、フッ化ニッケル等で処理することができる。
アルミニウム部材の製造方法は、20μm以下の平均粒子径を有する粒子を、基材12の表面12aに衝突させる工程と、粒子を衝突させた基材12を、酸性溶液及びアルカリ性溶液の少なくともいずれか一方によりエッチングする工程と、を備えることが好ましい。そして、アルミニウム部材の製造方法は、エッチングした基材12の表面12aを陽極酸化処理して陽極酸化皮膜14を形成する工程と、を備えることが好ましい。このような工程を備えることにより、陽極酸化皮膜14除去後の陽極酸化皮膜14側における基材12の表面12aの算術平均粗さSa、最大高さ粗さSz及び粗さ曲線要素の平均長さRsmを所定の範囲内にすることができる。そのため、本実施形態のアルミニウム部材の製造方法により、紙のような白色の外観を有するアルミニウム部材10を得ることができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
圧延処理した3mm厚のアルミニウム合金板から50mm×50mmの試験片を切り取り、基材を準備した。なお、基材は、4質量%のマグネシウム(Mg)と、0.02質量%の鉄(Fe)と、0.02質量%のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム(Al)及び不可避不純物である。
次に、基材にドライブラストで粒子を衝突させ、基材の表面に凹凸を形成した。粒子は、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号800(最大粒子径38.0μm 平均粒子径14.0±1.0μm)を用いた。
そして、水1L当たり50gの水酸化ナトリウムを溶解させた5%水酸化ナトリウム水溶液を50℃に加温し、凹凸が形成された基材をこの水溶液に90秒浸漬させ、基材をエッチングした。
エッチングされた基材を15%硫酸水溶液に浸し、硫酸水溶液の温度18℃、電圧15V、電気量20C/cm及び処理時間35分間の条件で陽極酸化処理をし、基材の表面に陽極酸化皮膜を形成し、アルミニウム部材を得た。
[実施例2]
粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号1000(最大粒子径32.0μm 平均粒子径11.5±1.0μm)を用い、エッチング時間を30秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例3]
粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号2000(最大粒子径19.0μm 平均粒子径6.7±0.6μm)を用い、エッチング時間を30秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例4]
粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号4000(最大粒子径11.0μm 平均粒子径3.0±0.4μm)を用い、エッチング時間を5秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例5]
ドライブラストに代えてウェットブラストにより基材の表面に凹凸を形成した。また、粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号1200(最大粒子径27.0μm 平均粒子径9.5±0.8μm)を用いた。また、エッチング時間を30秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例6]
ウェットブラストにより陽極酸化皮膜の表面を研磨した。それ以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例7]
シリウス処理により陽極酸化皮膜の表面を研磨した。それ以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[実施例8]
バフ研磨により陽極酸化皮膜の表面を研磨した。それ以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[比較例1]
粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号400(最大粒子径75.0μm 平均粒子径30.0±2.0μm)を用い、エッチング時間を30秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[比較例2]
ドライブラストに代えてウェットブラストにより基材の表面に凹凸を形成した。また、粒番号800の粒子に代えて、株式会社不二製作所製のフジランダムWA 粒番号8000(最大粒子径6.0μm 平均粒子径1.2±0.3μm)を用いた。また、エッチング時間を60秒とした。上記以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[比較例3]
4質量%のマグネシウム(Mg)と、0.1質量%の鉄(Fe)と、0.3質量%のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム(Al)及び不可避不純物である基材を用いた。上記以外は、実施例5と同様にしてアルミニウム部材を作製した。
[評価]
各例で得られたアルミニウム部材において、算術平均粗さSa、最大高さ粗さSz、粗さ曲線要素の平均長さRsm、色調、外観をそれぞれ以下の通り評価した。各例の詳細と評価結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
(算術平均粗さSa及び最大高さ粗さSz)
まず、JIS H8688:2013に準じ、上記のようにして得られたアルミニウム部材をリン酸クロム酸(VI)溶液に浸し、陽極酸化皮膜を溶解させて除去した。そして、基材の陽極酸化皮膜側の表面の算術平均粗さSa及び最大高さ粗さSzをISO25178に準じて測定した。なお、算術平均粗さSa及び最大高さ粗さSzの測定条件は以下の通りである。
算術平均粗さSa及び最大高さ粗さSzの測定条件
装置:ブルカー・エイエックスエス株式会社 3次元白色干渉型顕微鏡 ContourGT−I
測定範囲:60μm×79μm
対物レンズ:115倍
内部レンズ:1倍
(粗さ曲線要素の平均長さRsm)
まず、JIS H8688:2013に準じ、上記のようにして得られたアルミニウム部材の陽極酸化皮膜をリン酸クロム酸(VI)溶液に溶解させて除去した。そして、基材の陽極酸化皮膜側の表面における粗さ曲線要素の平均長さRsmをJIS B0601:2013に準じて測定した。なお、粗さ曲線要素の平均長さRsmの測定条件は以下の通りである。
粗さ曲線要素の平均長さRsmの測定条件
装置:ブルカー・エイエックスエス株式会社 3次元白色干渉型顕微鏡 ContourGT−I
カットオフλc:80μm
対物レンズ:115倍
内部レンズ:1倍
測定距離:79μm
(色調)
JIS Z8722に準拠し、色彩色差計により、陽極酸化皮膜の表面からアルミニウム部材の色調を測色し、L値、a値及びb値をそれぞれ求めた。なお、測色条件は以下の通りである。
色調の測定条件
色彩色差計:コニカミノルタジャパン株式会社製 CR400
照明・受光光学系:拡散照明垂直受光方式(D/0)
観察条件:CIE2°視野等色関数近似
光源:C光源
表色系:L
(外観)
陽極酸化皮膜の表面に対して垂直方向にした時及び垂直方向から傾斜させた時のアルミニウム部材の色調を、目視にて評価した。
Figure 2019039060
Figure 2019039060
表1及び表2に示すように、実施例1〜実施例8のアルミニウム部材では、L値が85〜100であり、a値が−1〜+1であり、b値が−1.5〜+1.5の範囲内であった。また、実施例1〜実施例8のアルミニウム部材は、垂直方向及び傾斜方向のいずれの方向から見ても白色であった。
一方、比較例1のアルミニウム部材では、ブラスト処理に大きい粒子径の粒子を用いたため、基材の表面が荒れてしまい、外観が灰色となってしまった。また、比較例2のアルミニウム部材では、ブラスト処理に小さい粒子径の粒子を用いたため、基材の表面が平滑になり、垂直方向から見た場合の外観は白色であるものの、傾斜方向から見た場合の外観は灰色となってしまった。また、比較例3のアルミニウム部材では、基材に含有されるケイ素の量が多かったため、陽極酸化皮膜中のケイ素量が多くなってしまい、外観が黄色を帯びた白色となってしまった。
以上、本実施形態を実施例及び比較例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 アルミニウム部材
12 基材
12a 表面
14 陽極酸化皮膜
14a 表面
(基材調整工程S1)
基材調整工程S1では、基材12を調整することができる。基材12を調整する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、所定の元素を有する溶湯の調整、鋳造、圧延、熱処理などにより、基材12を作製することができる。また、基材12は、鋳造後、圧延後又は熱処理後、特段の表面処理をせずに、そのまま用いてもよい。また、基材12は、フライス盤による研削、並びに、エメリー紙、バフ研磨及び電解研磨等により表面12aを研磨して用いてもよい。なお、基材12の表面12aは、研磨により、算術平均粗さSaを100nm未満程度に調整して用いてもよい。基材12の表面の算術平均粗さSaを100nm未満とすることにより基材12の明度が高くなる。そのため、ブラスト処理工程S2、エッチング工程S3及び陽極酸化処理工程S4を経ても、より紙に近い白色外観を有するアルミニウム部材10を得ることができる。

Claims (6)

  1. 0質量%〜10質量%のマグネシウムと、0.1質量%以下の鉄と、0.1質量%以下のケイ素と、を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物であるアルミニウム又はアルミニウム合金により形成された基材と、
    前記基材の表面に形成された陽極酸化皮膜と、
    を備え、
    前記陽極酸化皮膜除去後の前記陽極酸化皮膜側における前記基材の表面の算術平均粗さSaが0.1μm〜0.5μmであり、最大高さ粗さSzが0.2μm〜5μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.5μm〜10μmであるアルミニウム部材。
  2. 前記陽極酸化皮膜側から測定した前記アルミニウム部材のL表色系におけるL値が85〜100であり、a値が−1〜+1であり、b値が−1.5〜+1.5である請求項1に記載のアルミニウム部材。
  3. 前記陽極酸化皮膜の表面の算術平均粗さSaが0μm〜0.45μmであり、前記L値が85.5〜100である請求項2に記載のアルミニウム部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム部材の製造方法であって、
    前記陽極酸化皮膜の表面を、ブラスト研磨及びバフ研磨の少なくともいずれか一方により研磨する工程を備えるアルミニウム部材の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム部材の製造方法であって、
    硫酸、リン酸及びシュウ酸からなる群より選択される少なくとも1種の水溶液で前記基材の表面を陽極酸化処理し、前記陽極酸化皮膜を形成する工程を備えるアルミニウム部材の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム部材の製造方法であって、
    20μm以下の平均粒子径を有する粒子を、前記基材の表面に衝突させる工程と、
    前記粒子を衝突させた基材を、酸性溶液及びアルカリ性溶液の少なくともいずれか一方によりエッチングする工程と、
    前記エッチングした基材の表面を陽極酸化処理して前記陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    を備えるアルミニウム部材の製造方法。
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