JP2019039043A - 被覆コイルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コールドスプレーの被膜と前記被膜を形成する基材との密着性を高め、且つ平滑性に優れた連続した被覆コイルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の被覆コイルの製造方法は、走行する帯状金属板(2)の表面に、ノズル(1)からこの帯状金属板の組成とは異なる組成を有する金属からなる金属粉末を、該金属粉末が軟化する温度で吹き付けて、帯状金属板の表面に堆積させて堆積層(3)を形成した後、前記堆積層を表面に形成した帯状金属板を前記金属粉末が軟化する温度で焼鈍して積層体(4)とし、この積層体を冷間圧延する方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コールドスプレー法により、平滑性と密着性に優れた積層板を連続的に形成する被覆コイルの製造方法の改良に関する。
コールドスプレー法は、材料を溶融させて基材に付着させる溶射法と異なり、粉末材料(金属粉末)を溶融温度以下の固相状態で基材へ衝突させて成膜する技術である。
コールドスプレー法は、大気中で酸化の無い緻密な被膜が得られる、材料粒子への熱影響が少なく熱変質を抑えられる、成膜速度が速い、厚膜化が可能である、付着効率が高いなど、溶射法では得られない優れた特性を有している。
このことから、この被膜を形成した金属材料を各種の構造材料に有効に適用することに注目が集まっている。
他方、従来のコールドスプレー法により形成された被膜は、表面に粒子が堆積している状態であることから、表面粗度が非常に大きいという問題がある。このため、従来のコールドスプレー法により形成された被膜は、シール性が要求されるガスケットやメタルシール、ダイヤフラムといった用途に適用するには、解決すべき課題が山積していた。
例えば、図2の(a)はアルミニウム粉末をコールドスプレーした被膜の表面状態を示すが、最大高さは6μmにも達し、平滑性に問題があった。
平滑性を得るための従来手法として、コールドスプレー後に圧延処理を施して表面を滑らかに整える方法が知られている(特許文献1、4参照)。
また、コールドスプレーによる被膜は気孔率が大きいことから、前記被膜を形成させる基材との密着強度はクラッドなどの圧接法よりも劣るという問題がある。このため、曲げや絞り加工などの二次加工時において接合界面の剥離や亀裂が発生し易いという欠点がある。
例えば、図2の(b)はアルミニウムのコールドスプレー被膜について、先端R:0.4mmの工具で90°曲げを行った曲部の表面であり、接合界面の剥離と亀裂が発生している。
一方、図2の(c)はアルミニウムクラッドについて前記曲げを行った曲部の表面であるが、アルミニウムのコールドスプレー被膜とは異なり接合界面の剥離や亀裂は発生していない。
コールドスプレーによる被膜の密着性を向上する手段としては、コールドスプレー後に熱処理を施して接合界面の原子拡散を促す方法が知られている(特許文献2、3、4参照)。さらに、特許文献3は、前記熱処理後に熱間静圧プレスを行い、気孔率を約0.5%未満に減少させる方法が開示されている。また、特許文献4は前記熱処理前に冷間圧延を施しており、さらに密着強度を向上させるプロセスが開示されている。
特開2017-8379号公報 特許5930089号公報 特開2008-69448号公報 特許6044576号公報
特許文献1には、コールドスプレー後に熱処理が施されていないため、接合界面の原子拡散が不十分で密着性がクラッドなどの圧着法よりも劣る問題があった。
特許文献2ではコールドスプレー後に圧延を行っていないため、表面粗度が大きくシール部品用途には適さないという課題があった。
特許文献3では熱間静圧プレスのプロセスはあるものの、圧延相当の加工を施していないため、表面粗度の改善は期待できず、また、気孔率は減少するもののクラッドなどの圧接法よりも密着性が劣るとった課題があった。
特許文献4では、コールドスプレー後に冷間圧延と熱処理をこの順で行い、密着強度を向上させるプロセスはあるものの、コールドスプレー後の被膜は超音速で前記被膜を積層させる基材に衝突していることから多大な弾塑性歪が蓄積しており、該被膜に対して熱処理を行うことなく冷間圧延を行うプロセスは逆に密着性の低下につながる恐れがあり、決して最適とは言えない。
以下、その理由について説明する。
図2の(d)は、本発明者らがアルミのコールドスプレー被膜の結晶方位解析を行った結果を示した顕微鏡写真である。図2(d)から分かるように、コールドスプレー被膜の平均結晶粒径が0.67μmと微細なことから、多大な弾塑性歪が蓄積していることが分かる。該被膜の平均結晶粒が微細であるほど、該被膜内部および接合界面の気孔部における粒子の表面を覆う酸化被膜と粒子内の金属の硬さ比は小さくなる。
しかし、コールドスプレー後の圧延で密着強度を上げるためには、前記酸化被膜と粒子内の金属硬さの比は大きくする必要がある。これは、圧延のプロセスにおいて、粒子表面の酸化被膜の破壊を促進させ、新生面の露出面積を増加させることにより密着強度を向上させる為である。酸化被膜の破壊は、酸化被膜の硬さと粒子内の金属の硬さ比に依存しており、前記硬さ比が大きければ大きいほど促進される。
このことから、本発明者らは、最適なプロセスとしては熱処理と圧延をこの順で行うのが好ましく、前記熱処理によって粒子内の金属を軟化させて酸化被膜との硬さ比を大きくさせる必要があるとの新規な知見を見出した。
すなわち、本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、コールドスプレーによる連続被覆コイルを製造するに際し、帯状金属板の表面に金属粉末の被膜を形成する工程の後、金属粉末が軟化する温度で焼鈍する工程を経てから、冷間圧延することにより、コールドスプレーの被膜と前記被膜を形成する基材との密着性を高め、且つ平滑性に優れた連続した被覆コイルを製造する方法である。
具体的に述べれば、本発明は、走行する帯状金属板の表面に、この帯状金属板の組成とは異なる組成の金属からなる金属粉末(粉末材料)を、該金属粉末が軟化する温度で吹き付けて、帯状金属板の表面に該金属粉末からなる被膜を形成する工程(所謂コールドスプレーを行う工程)と、表面に被膜を形成した前記帯状金属板を、前記金属粉末が軟化する温度で焼鈍して帯状金属板の表面の被膜から積層体を形成する熱処理工程と、前記熱処理工程の後、表面に積層体を形成した帯状金属板を冷間圧延する冷間圧延工程とを備えた被覆コイルの製造方法である。
なお、本発明において、帯状金属板の表面に該金属粉末からなる被膜を形成する工程(コールドスプレーを行う工程)では、帯状金属板の厚みが0.05mm〜4.0mm、金属粉末の吹き付け圧力が0.5MPa以上、帯状金属板の表面に該金属粉末からなる被膜の堆積厚さが3.0μm以上、巻取速度が100m/min以下であることを前提とする。
ここで、帯状金属板、金属粉末の「金属」には、合金を包含する。「帯状金属板の組成とは異なる組成を有する金属」とは、異なる成分系に限定されるものではなく、同じ成分系であって、その成分割合が異なる金属、合金をも包含する。
「軟化する温度」は、材料により異なるが、その金属の融点(°K)の0.3から融点未満、好ましくは、その金属の融点(°K)の0.5から融点未満の温度をいう。
なお、金属粉末を吹き付ける際の「軟化する温度」は、いわゆるコールドスプレー法で適用される温度を意味し、焼鈍する際の「軟化する温度」とは、粒子内の金属を軟化させて、酸化被膜との硬さ比を大きくさせる温度を意味する。従って、両者の目的が異なるため、両者の温度が同じ「軟化する温度」である必要はなく、異なる温度の「軟化する温度」をも包含する。
走行する帯状金属板表面への金属粉末の吹き付けは、加熱されたガスに金属粉末を搬送させて、当該ガスを前記帯状金属板に0.5〜3.0MPaの圧力で吹き付けることにより行うことが好ましい。
加熱された金属粉末を搬送するガスは、不活性ガスまたは空気ガスが好ましい。
本発明に有効に適用される帯状金属板は、厚さが50μmから4.0mmであり、金属粉末を吹き付けて得られる被膜(堆積層)は、厚さが3μmから4.0mmであることが好ましい。
前記金属板の材質としては、例えば、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミ、スズ、又はこれらの合金から選択され、
前記金属粉末の材質としては、例えば、銀、金、パラジウム、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミ、スズ又はこれらの合金から選択される。
また、冷間圧延工程では、圧下率が10〜90%であることが好ましい。
この様にコールドスプレー法を適用して連続的に製造された被覆コイルは、コールドスプレー法により製造される被覆コイルの特性(大気中で酸化の無い緻密な被膜が得られる、材料粒子への熱影響が少なく,熱変質を抑えられる、成膜速度が速い、厚膜が可能である、付着効率が高いなど)に加えて、本発明特有の特性(被膜と前記被膜を形成する基材との密着性を高め、且つ平滑性に優れた連続した特性)を有する被覆コイルを製造することができる。
本発明によれば、コールドスプレーと冷間圧延との間に熱処理を行うことにより、コールドスプレー被膜と前記被膜を形成する基材との密着性を高め、且つ平滑性に優れた連続被覆コイルを製造できるようになり、この結果、従来のコールドスプレー法による製造が適用されなかった用途(例えば、ガスケット、メタルシール、又は、ダイヤフラムの用途)に有効に適用することができる。
以下、本発明に係るコールドスプレー法による連続被覆コイルの製造方法について、図1を参酌して説明する。
(コールドスプレーを行う巻取工程)
帯状の金属板をコイル形状に巻取る巻取工程(a)は、コールドスプレー法を用いて粉末材料(金属粉末)を帯状金属板表面に連続被覆する工程である。
コイル形状に巻取る速度は、1.0〜100.0m/minの範囲で行うことが好ましい。速度が1.0m/min未満では製造効率が悪く、100.0m/minを超えると粉末材料を十分に付着させることができないおそれがある。
前記金属板に吹き付ける前の粉末材料は加速用ガスと一緒に加熱されるが、この加熱温度は該粉末材料の融点より低い温度の「軟化する温度」とする。コールドスプレー法は、被膜を形成させる基材に対して、粉末材料を圧縮ガスとともにノズルから固相状態のまま噴射し、前記基材に衝突させることにより被膜を形成できるからである。
粉末材料を吹き付ける圧力は、0.5〜3.0MPaの範囲で行うことが好ましい。0.5MPa未満では粉末材料を付着させるのに必要な粒子速度を得ることが困難である。3.0MPaを超えると粒子速度の増加する量が極めて小さいため、付着効率の上昇効果が低いのに加え、連続被覆では過度にエネルギーを消費し続けることから設備への負担が大きい。
コールドスプレーにおける加速用ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスおよび空気も使用できる。
(熱処理工程)
コールドスプレーを行って巻取工程後は熱処理工程(b)に供する。この熱処理工程(b)は、コールドスプレーにより形成された被膜を構成する金属粒子の内層を軟化させ、該粒子の表面を覆う酸化被膜との硬さ比を大きくすることを目的としている。この目的を達成するために、熱処理温度は粉末材料(金属粉末)が軟化する温度でおこなう。この熱処理工程を経ることにより、次の冷間圧延工程において、粒子表面(積層体)の酸化被膜の破壊を促進させて新生面の露出面積を増加させる。この結果、前記帯状金属板と積層体との密着性を向上させることができる。
(冷間圧延工程)
熱処理工程後のコイルは冷間圧延工程(c)に供する。この冷間圧延工程は、コールドスプレーにより形成された被膜内の粒子表面に存在する酸化被膜の破壊と、前記被膜内の気孔率を減少させることによる前記金属板との密着性の向上および、圧延により前記被膜表面(積層体)を滑らかに整えることを目的としている。
冷間圧延工程(c)は、圧下率を10〜90%の範囲で行うことが好ましい。圧下率が10%未満では前記被膜(積層体)内の粒子表面に存在する酸化被膜の破壊と気孔率の減少が不十分なため、前記金属板との密着強度が不足するおそれがある。さらに、表面の平滑性を得ることができない。また、圧下率90%を超える圧延は製造上困難となる。
冷間圧延工程(c)で供される冷間圧延機の種類に対しては特に限定はないが、板幅方向の圧下力分布や板厚プロフィールが均一な圧延機が選ばれる。
冷間圧延工程(c)後の圧延材は、通常は巻取機(図示せず)により巻取られる。
(金属板の厚み)
本発明が適用される帯状金属板の厚さは50μmから4.0mmの範囲であることが好ましい。厚みが50μm未満であるとコールドスプレーの吹き付け圧力により前記金属板が変形して平坦度が悪くなり、粉末材料を十分に付着させることができないおそれがある。また、厚み4.0mmを超えると過大な巻取張力を必要とするため、コールドスプレー吹き付け部の平坦度を整えるのが困難となり、粉末材料を十分に付着させることができないおそれがある。
(粉末材料の堆積厚さ)
粉末材料(積層体)の堆積厚さは3μmから4.0mmの範囲であることが好ましい。厚みが3μm未満であると堆積する粉末材料の体積が少ないため、冷間圧延工程においてコールドスプレーの被膜内の気孔部の割合が大きい部位が破断して前記金属板が露出するおそれがある。また、厚み4.0mmを超える被膜を形成させる場合、コイル形状に巻取る速度を1.0m/min未満に遅くする必要があるため、製造効率が悪くなるおそれがある。
(金属板と粉末材料の組成)
前記金属板は、用途に応じ、例えば、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミ、スズから選択されるいずれか1種の金属または合金により構成され、積層体を構成する前記粉末材料(金属材料)は、用途に応じ、銀、金、パラジウム、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミ、スズから選択されるいずれか1種の金属または合金より構成される。
冷間圧延後は通常はコイル巻取機(図示せず)によりコイル状に巻取られる。その後、必要に応じてスリット工程(図示せず)により板幅方向に分割裁断して出荷する。出荷前には所定の検査を行う。
図1は、コールドスプレーを行う巻取工程(a)、熱処理工程(b)および冷間圧延工程(c)をそれぞれ示した概略説明図である。 図2は、コールドスプレーによる被膜の表面状態の説明図で、(a)はアルミ粉末をコールドスプレーした被膜の表面状態の写真、(b)はアルミのコールドスプレー被膜で、R0.4mmの90°曲げを行った曲部の表面写真、(c)はアルミクラッドでR0.4mmの90°曲げを行った曲部の表面写真。(d)は、アルミのコールドスプレー被膜の結晶方位解析を行った結果の説明図である。
以下、本発明を実施態様に基づいて説明する。ただし、本発明はこれらの実施態様に限定されるものでない。
以下、本発明の実施例を本発明の条件から外れる比較例と共に説明する。
表1に示す粉末材料(金属粉末)と表2に示す金属板を用いて、コールドスプレー法による本発明に係る積層板、及び本発明から外れる積層板を作成した。
表3に前記積層板の各層の最終板厚および製造条件に対する、平滑性および密着性の評価結果について示す。
各層の板厚測定は、前記積層板を板厚方向に断面研磨した後、光学顕微鏡観察により測定して求めた。
(密着性の評価)
冷間圧延後の積層体の接合界面の密着性評価は、JIS Z 2248に規定する曲げ試験において、90度曲げ(押金具の先端部の半径R=0.4mm)試験を行い、曲部を観察して、亀裂の発生および剥離していない場合を合格「○」とし、また、剥離せずに亀裂のみの発生した場合は、密着性は保たれているものの使用状況によっては加工性に劣る事が想定されるため△とした。亀裂の発生若しくは剥離している場合を不合格「×」とした。
(平滑性の評価)
平滑性の評価は、JIS B 0651に規定する触針式表面粗さ測定試験において、平均表面粗さが2μm未満かつ最大表面粗さが4μm未満であれば合格「○」とし、また、平均表面粗さと最大表面粗さの何れかが前記数値を超えている場合を△とした。平均表面粗さが2μm以上若しくは最大表面粗さが4μm以上であれば不合格「×」とした。
(被膜の付着性評価)
被膜(粉末材料)の付着性評価は、吹き付け前の粉末材料の重量と吹き付け後の金属板に付着した粉末材料の重量から付着率を算出し、付着率が10%以上であれば合格「○」とし、10%未満であれば不合格「×」とした。
表1
Figure 2019039043
表2
Figure 2019039043
表3
Figure 2019039043
(実施例)
表3において、本発明例(No.1〜12)は、コールドスプレーの被膜と前記被膜を形成する基材との密着性に優れ、且つ高い平滑性を備えた連続被覆コイルを製造できることを確認できた。
No.13は、平滑性、密着性が、No.1〜12に劣るものの、従来のコールドスプレーでは得られない平滑性、密着性を得ることができた。
No.14は、密着性が、No.1〜12に劣るものの、従来のコールドスプレーでは得られない密着性を得ることができた。
(比較例)
これに対し、比較例:No.15は、粉末材料の堆積厚さが3.0μmに満たないことから、冷間圧延工程において、コールドスプレーの被膜内の気孔部の割合が大きい部位が破断して金属板の露出が確認された。
比較例:No.16は、粉末材料の吹き付け圧力が0.5MPaに満たず、
比較例:No.17は巻取速度が100m/minを超えていたため、付着性を満足することができなかった。
比較例:No18は金属板の厚みが4.0mmを超えていたため、コールドスプレー吹き付け部の平坦度を整えるのが困難となり、粉末材料を十分に付着させることができなかった。
比較例:No19は金属板の厚みが0.05mm未満であったため、コールドスプレーの吹き付け圧力により金属板が変形して平坦度が悪くなり、粉末材料を十分に付着させることができなかった。
以上の実験結果から分かるように、本発明によれば、コールドスプレー法により積層板を形成する際に、冷間圧延処理の前に金属粉末が軟化する温度での熱処理を施すことにより、平滑性と密着性に優れた積層板を連続的に形成することができる。その結果、本発明方法により得られる積層板は、今まで適用されなかった、ガスケット、メタルシール、又は、ダイヤフラムの用途に有効に適用することができる。
1・・・ノズル
2・・・金属板
3・・・帯状金属板に堆積した金属粉末(コールドスプレーにより形成された被膜)
4・・・積層体
5・・・圧延ロール

Claims (7)

  1. 厚みが0.05mm〜4.0mmの走行する帯状金属板の表面に、この帯状金属板の組成とは異なる組成の金属からなる金属粉末を、該金属粉末が軟化する温度で、吹き付け圧力0.5MPa以上で吹き付けて、帯状金属板の表面に該金属粉末からなる堆積厚さ3.0μm以上の被膜を形成し、巻取速度100m/min以下で巻き取る工程と、
    表面に被膜を形成した前記帯状金属板を、前記金属粉末が軟化する温度で焼鈍して帯状金属板の表面の被膜から積層体を形成する熱処理工程と、
    前記熱処理工程の後、表面に積層体を形成した帯状金属板を冷間圧延する冷間圧延工程と、
    を備えたことを特徴とする被覆コイルの製造方法。
  2. 走行する帯状金属板の表面への金属粉末の吹き付けは、加熱されたガスに金属粉末を搬送させて、当該ガスを前記帯状金属板に0.5〜3.0MPaの圧力で吹き付けることにより行う、請求項1記載の被覆コイルの製造方法。
  3. 金属粉末を搬送するガスは、不活性ガス及び空気の群から選択された気体である、請求項2記載の被覆コイルの製造方法。
  4. 前記積層体の厚さが3μmから4.0mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆コイルの製造方法。
  5. 前記金属板は、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミニウム、スズ、及びこれらの合金の群から選択され、
    前記金属粉末は、銀、金、パラジウム、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、チタン、銅、アルミニウム、スズ及びこれらの合金の群から選択されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆コイルの製造方法。
  6. 前記冷間圧延工程における圧下率が10〜90%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆コイルの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の被覆コイルの製造方法で得られた被覆コイルであって、ガスケット、メタルシール、及び、ダイヤフラムの群から選択された用途に用いられることを特徴とする被覆コイル。
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