JP2019039028A - 使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法 - Google Patents

使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 使用済みリチウムイオン電池の加熱処理を比較的効率良く行うことができる、使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法を提供する。【解決手段】 本発明に係る使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法は、正極及び負極と、前記正極と前記負極との間に配され、かつ有機高分子化合物を含むセパレータとを備え、該セパレータに、有機溶媒を含む電解液を保持させている使用済みリチウムイオン電池を加熱する加熱工程を備え、前記加熱工程を、前記電解液に含まれる有機溶媒の沸点以上かつ前記有機高分子化合物の熱分解温度未満の温度で行う。【選択図】図2

Description

本発明は、使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法に関する。
使用済みリチウムイオン電池を加熱して該リチウムイオン電池に含まれる有機物(電解液に含まれる有機溶媒、セパレータに含まれる有機高分子化合物など)を除去した後に、加熱後の使用済みリチウムイオン電池から、該リチウムイオン電池に含まれる有価物を回収する有価物回収方法が知られている。
特許文献1には、有価物回収方法において、使用済みのリチウムイオン電池を加熱するための熱処理炉と、ダクトを介して前記熱処理炉に接続されて、前記熱処理炉内で生成された未燃焼ガスを前記熱処理炉よりも高い温度で燃焼させる二次燃焼室とを備える処理システムを用いて、使用済みリチウムイオン電池を加熱処理する方法が開示されている。特許文献1の処理システムでは、前記二次燃焼室は、該二次燃焼室で燃焼された未燃焼ガスを前記処理システムの外部に排出させる煙突を備えている。
特開2016−22395号公報
ところで、特許文献1の処理システムにおいては、熱処理炉の炉温は、プラスチックの分解温度(300度(℃))よりも高く、かつ正極の集電部材として使用されるアルミニウムの融点(660度(℃))よりも低い温度(650度(℃))に維持されている。そのため、熱処理炉においては、電解液に含まれる有機溶媒と、セパレータに含まれる有機高分子化合物とが熱分解されて、ガスとして発生することとなる。
セパレータに含まれる有機高分子化合物としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)などが挙げられるが、これらの有機高分子化合物は、熱分解後、冷却されることによりタールを生成する。そのため、特許文献1の処理システムでは、該処理システム内の温度が比較的低い部位(例えば、ダクトや煙突など)にタールが付着することがある。前記処理システム内の温度が比較的低い部位にタールが付着し続けることを抑制するために、前記処理システム内に付着したタールを定期的に除去する必要がある。
タールは、粘り気のある油状の液体であるため、前記システム内の比較的温度が低い部位にタールが付着した場合、その除去には時間がかかる。そのため、熱分解炉での加熱処理回数当たりのタールの生成量が多いと、前記システム内の比較的温度が低い部位に付着したタールを定期的に除去する頻度が高くなり、処理システムの稼働時間が短くなる。これにより、使用済みリチウムイオン電池の加熱処理を効率良く行うことができなくなり、その結果、加熱処理後の電池からの有価物の回収を効率良く行うことができなくなるという問題がある。
このような問題点に鑑み、本発明は、加熱処理後の使用済みリチウムイオン電池からの有価物の回収を比較的効率良く行うことができる、使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法を提供することを課題とする。
本発明に係る使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法は、
正極及び負極と、前記正極と前記負極との間に配され、かつ有機高分子化合物を含むセパレータとを備え、該セパレータに、有機溶媒を含む電解液を保持させている使用済みリチウムイオン電池を加熱する加熱工程を備え、
前記加熱工程を、前記電解液に含まれる有機溶媒の沸点以上かつ前記有機高分子化合物の熱分解温度未満の温度で行う。
斯かる構成によれば、加熱工程を電解液に含まれる有機溶媒の沸点以上かつ有機高分子化合物の熱分解温度未満の温度で行うので、加熱工程後に生成されるガスに、有機高分子化合物の熱分解物が含まれることを抑制することができる。そのため、有機高分子化合物の熱分解物に由来するタールの生成が抑制されることから、加熱工程を行う装置におけるタールの付着を抑制することができる。これにより、前記装置に付着したタールを定期的に除去する頻度が少なくなることから、加熱工程を効率良く行うことができ、その結果、加熱処理後の使用済み電池からの有価物の回収を効率良く行うことができる。
また、加熱工程後に生成されたガスに、有機高分子化合物の熱分解物が含まれることを抑制できることから、該ガスを回収し、液体燃料として使用する場合に、有機溶媒の純度が比較的高い液体燃料を得ることができる。
また、上記使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法においては、
前記有機高分子化合物は、ポリプロピレンであり、前記加熱工程を前記ポリプロピレンの熱分解温度未満の温度で行ってもよい。
斯かる構成によれば、加熱工程をポリプロピレンの熱分解温度(330℃)未満で行うことができるので、加熱工程におけるタールの生成をより抑制することができる。
前記電解液は、電解質として六フッ化リン酸リチウムを含み、
消石灰又は生石灰の少なくとも一方を添加して前記加熱工程を行ってもよい。
六フッ化リン酸リチウム(LiPF)は、水分が存在する条件下において加熱によりフッ酸を生成するため、該フッ酸によって加熱工程を行う装置が腐食される虞があるが、斯かる構成によれば、加熱工程中に消石灰又は生石灰の少なくとも一方でフッ酸を中和できるので、加熱工程を行う装置の腐食を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、加熱処理後の使用済みリチウムイオン電池からの有価物の回収を比較的効率良く行うことができる、使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法が提供される。
使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する有価物回収装置を示す概略構成図。 使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法を示すフロー図。 温度の違いによるタール生成量の違いを示すグラフ。
以下、本発明の一実施形態に係る使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1を参照しながら、使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する有価物回収装置について説明する。以下では、使用済みリチウムイオン電池として、車載された使用済みリチウムイオン二次電池を例に説明する。なお、本明細書において、有価物とは、廃棄物として廃棄せずに、回収して再利用されるものを意味する。
(リチウムイオン電池)
本発明における使用済みリチウムイオン電池は、ケースを備え、該ケースには、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配され、かつ有機高分子化合物を含むセパレータとが収容されていて、前記セパレータには、有機溶媒を含む電解液を保持させている。
なお、本発明における使用済みリチウムイオン電池には、リチウムイオン電池を製造する工程で発生する不具合品も含まれる。
本実施形態では、不具合品を含まない使用済みリチウムイオン電池が用いられている。
(正極)
前記正極は、集電箔としてのアルミニウム(Al)などの箔、該集電箔上に配された正極活物質層とを備え、該正極活物質層には、正極活物質としてのリン酸リチウム(LiPO)、リチウム金属酸化物(LiCoO、LiNiO、LiMnOなど)、又はリン酸鉄リチウム(LiFePO)などが含まれている。前記正極からは、集電箔を構成するAl、正極活物質に必須成分として含まれるLi、及び任意成分として含まれるFe、Co、Ni、Mn、及びPなどが有価物として回収される。
本実施形態では、正極の集電箔にアルミニウム箔が用いられ、正極活物質に、LiPO、LiCoO、LiNiO、LiMnO、及びLiFePOが用いられている。
(負極)
前記負極は、集電箔としての銅(Cu)などの箔、該集電箔上に配された負極活物質層とを備え、該負極活物質層には、負極活物質としての炭素材料(グラファイトなど)などが含まれている。前記負極からは、集電箔を構成するCuなどが有価物として回収される。
本実施形態では、負極の集電箔に銅箔が用いられ、負極活物質に炭素材料が用いられている。
(セパレータ)
前記セパレータに含まれる有機高分子化合物としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びポリイミド(PI)などが挙げられる。前記セパレータからは、これらの有機高分子化合物が有価物として回収される。
本実施形態では、有機高分子化合物としてポリエチレンを含むセパレータ、有機高分子化合物としてポリプロピレンを含むセパレータ、及び有機高分子化合物としてポリイミドを含むセパレータが用いられている。
(電解液)
前記電解液に含まれる有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)及びエチレンカーボネート(EC)などの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類などが挙げられる。前記電解液からは、これらの有機溶媒のうち、少なくとも鎖状カーボネート類が有価物として回収される。
本実施形態では、有機溶媒として、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5で混合したものが用いられている。
(ケース)
ケースは、開口を有するケース本体と、該ケース本体の開口を閉塞する蓋板とを備えている。ケース本体には、前記正極などの各構成部材が収容されている。蓋板には、前記正極及び前記負極と導通する一対の外部端子が備えられている。前記ケース本体及び前記蓋板は、例えば、アルミニウム(Al)などの金属によって形成されていて、前記外部端子は導電性を有する部材、例えば、鉄(Fe)などの金属によって形成されている。そのため、前記ケースからは、前記ケース本体及び前記蓋板を形成しているアルミニウム(Al)などの金属、前記外部端子を形成している鉄(Fe)などの金属が有価物として回収される。
本実施形態では、ケース及び蓋体としてアルミニウムで形成されたものが用いられ、外部端子として鉄で形成されたものが用いられている。
有価物回収装置1は、使用済み電池を前処理する前処理部10と、前処理部10の下流側に配され、前処理部10で前処理された使用済み電池を加熱処理(焙焼)する加熱部20と、加熱部20の下流側に配され、加熱部20で加熱処理(焙焼)された後の使用済み電池から有価物を回収する回収部30とを備えている。
前処理部10は、使用済み電池を解体する解体領域11と、解体領域11の下流側に配されて、解体後の電池を放電処理する放電部12と、放電部12の下流側に配されて、放電後の電池を破砕する破砕部13とを備えている。
解体領域11は、搭載物(本実施形態では自動車)から取り外された使用済みの電池モジュール(複数の電池セルが接続部材を介して接続されているもの)を、電池セルに解体する作業を行う領域である。電池モジュールから電池セルへの解体時に発生した前記接続部材は、放電部12に移送されずに、別途回収される。
放電部12は、解体領域11で得られた電池セルに残留している電気を放電できるように構成されている。放電部12は、浸漬槽を備えていて、該浸漬槽には所定量(電池セルを浸漬可能な量)の浸漬液が収容されている。浸漬液としては、塩を含む水が用いられる。塩としては、炭酸アルカリ塩、炭酸水素アルカリ塩、水酸化アルカリ塩、水酸化アルカリ土類塩、塩化物塩などが用いられる。塩を含む水を用いることにより、浸漬液の電気伝導度を高めることができるので、放電時間を短縮することができる。
また、電解液に電解質としてLiPFが含まれている場合、塩としては、水酸化アルカリ土類塩(Ca(OH)又はMg(OH))を用いることが好ましい。塩として水酸化アルカリ土類塩を用いることにより、電池セルの放電中に電池セルから浸漬液中に電解液が漏出した場合に、浸漬液中において、有害物であるP及びFとCa又はMgとの難水溶性の塩を形成させることができるため、これらの有害物を固形物として除去することができる。具体的には、LiPFが水と接触すると、易水溶性のHF及びLiHPOを生成し、それらがさらにCa(OH)又はMg(OH)と反応して、難水溶性の塩(Fの場合には、CaF又はMgF。Pの場合には、Ca(PO又はMg(PO。)を形成するため、これらの有害物を固形分として除去することができる。
また、電解質塩として塩化物塩を用いる場合であって、電解液中に塩素イオンの酸化反応を促進させる金属イオン(鉄イオンなど)が含まれている場合には、浸漬液にキレート剤を添加しておくことが好ましい。このようにすれば、キレート剤により浸漬液中の酸化反応を促進させる金属イオンを捕捉できるので、該金属イオンにより塩素イオンが酸化されて塩素が生成されることを抑制することができる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、若しくはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などの有機系のアミノカルボン酸塩、又はクエン酸などを用いることができる。
破砕部13は、放電処理後の使用済み電池セルを塊状物に破砕できるように構成されている。具体的には、放電処理後の使用済み電池セルの各構成部材を塊状物に破砕できるように構成されている。破砕部13は、破砕機を備えている。破砕機としては、一軸破砕機や二軸破砕機などが挙げられる。
破砕部13の外部には、燃焼炉40が配されていて、破砕部13と燃焼炉40とは、接続管を介して接続されている。燃焼炉40には、破砕部13における電池セルの各構成部材の破砕時に発生するオフガス(例えば、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒)が、前記接続管を介して導入される。なお、燃焼炉40は、上記接続管とは別の接続管を介して、後述する第1加熱部21にも接続されている。
加熱部20は、破砕後の電池セルの各構成部材を加熱する第1加熱部21を備える。
第1加熱部21は、破砕後の電池セルの各構成部材を加熱できるように構成されている。詳しくは、第1加熱部21は、破砕後の電池セルの各構成部材を不活性ガス(N、Hなど)雰囲気下において撹拌しながら加熱できるように構成されている。本実施形態の第1加熱部21は、破砕後の電池セルの各構成部材を収容する収容部と、該収容部を加熱する熱源と、前記収容部の外周を覆うように備えられて、前記収容部を保温するジャケットと、前記収容部内に収容された破砕後の電池セルの各構成部材を撹拌する撹拌部と、前記収容部内に不活性ガス(N、Hなど)を導入する流路となるガス導入管と、前記収容物内のガスを外部に排出させるガス排出管とを備えている。本実施形態では、熱源として、蒸気や油などの熱媒体が使用される。本実施形態では、ジャケットに前記熱媒体の流路が形成されている。なお、第1加熱部21における処理中に、正極活物質及び負極活物質は正極及び負極の集電箔から粒状物として脱離される。
回収部30は、第1加熱部21における加熱後の電池セルの各構成部材を分別する分別部31と、分別部31の一方の下流側に配されて、分別部31で分別された一方の分別物から有価物を回収する第1回収部32と、分別部31の他方の下流側に配されて、分別部31で分別された他方の分別物を所定温度で加熱処理する第2加熱部33と、第2加熱部33の下流側に配されて、第2加熱部33における加熱処理後の他方の分別物から有価物を回収する第2回収部34と、を備える。
分別部31は、第1加熱部21における加熱後の電池セルの各構成部材を大きさに応じて分別できるように構成されている。本実施形態の分別部31は篩分け機を備えていて、該篩分け機により、電池セルの各構成部材を大きさに応じて、篩上品(上記の一方の分別物)または篩下品(上記の他方の分別物)として分別している。篩上品には塊状物が含まれ、篩下品には粒状物が含まれている。篩分け機としては、振動篩機、回転篩機などが挙げられる。篩分け機が備える篩の目開きの大きさは、得られる塊状物の大きさに応じて、適宜設定することができる。
第1回収部32は、篩上品に含まれる塊状物を構成する各材料が有する特性に応じて、特性ごとに塊状物を構成する各材料を選別して回収できるように構成されている。本実施形態の第1回収部32は、第1ドラムと、第1ドラムと所定の間隔を空けて配される第2ドラムであって、ドラムの外周部に互いに異なる磁極を有する磁石が隣接して配された第2ドラムと、前記第1ドラム及び前記第2ドラムにそれぞれ巻き付けられて、選別対象物(本実施形態の場合は、塊状物を構成する各材料)を前記第1ドラムから前記第2ドラムに向けて移送するベルトと、を備える渦電流選別機を備えている。
前記渦電流選別機は、塊状物を構成する各材料が前記第2ドラムから落下するときに、塊状物を構成する各材料に生じた渦電流によって発生した磁界と、前記第2ドラムの外周部に配された磁石によって生じる磁界との反発作用によって、塊状物を構成する各材料の選別を行う。そのため、磁石によって生じる磁界との反発作用の小さい磁性を有する金属材料(Fe)は、第2ドラムから近い位置にて分離され、磁石によって生じる磁界との反発作用の大きい非磁性の金属材料(Al及びCu)は、第2ドラムから離れた位置にて分離され、磁石によって生じる磁界との反発作用が中程度のプラスチック材料(セパレータなど)は、磁性を有する金属材料が分離される位置と非磁性の金属材料が分離される位置との中間の位置で分離されることとなる。
前記渦電流選別機は、前記第1ドラムが分別部31の一方の下流側に位置するように配されている。すなわち、前記渦電流選別機は、塊状物を構成する各材料を分別部31から離れる方向に移送できるように配されている。
また、第1回収部32は、塊状物を構成する各材料が有する特性に応じて選別された塊状物を構成する各材料を、特性ごとにそれぞれ収容する複数の容器を備えている。本実施形態の第1回収部32は、磁性を有する金属材料(Fe)を収容する第1容器と、非磁性の金属材料(Al及びCu)を収容する第2容器と、プラスチック材料(セパレータなど)を収容する第3容器とを備えている。
第2加熱部33は、篩下品に含まれる粒状物を加熱できるように構成されている。詳しくは、第2加熱部33は、篩下品に含まれる粒状物を還元ガス雰囲気下(還元状態下)及び空気存在下(酸化条件下)で加熱できるように構成されている。本実施形態の第2加熱部33は、篩下品に含まれる粒状物を受けるホッパと、前記ホッパに接続されて、前記粒状物を収容する収容部と、前記収容部の外周の少なくとも一部を覆うように配されて、前記収容部を加熱するヒータと、前記収容部内に還元ガス(水素、一酸化炭素、炭化水素及びアンモニアのうちの1種又は2種以上の混合ガス)を導入する流路となるガス導入管と、前記収容部内のガスを外部に排出する流路となるガス排出管とを備えている。本実施形態では、前記ヒータは、燃焼ガス又は電気加熱を用いて前記収容部を加熱できるように構成されている。
第2回収部34は、第2加熱部33での加熱後の篩下品に含まれる粒状物から、正極活物質由来のLi、Co、Ni、Mn及びFeを分別して回収することができるように構成されている。本実施形態の第2回収部34は、第2加熱部33での加熱後の篩下品に含まれる粒状物を収容する槽と、該槽内の収容物を撹拌する撹拌部とを備えている。前記槽内には、第2加熱部33での加熱後の篩下品に含まれる粒状物と、該粒状物を懸濁させるための懸濁用液とを含む懸濁液が所定量収容される。懸濁用液としては、Ca(OH)又はMg(OH)を含む水溶液が用いられる。
また、第2回収部34は、前記槽の下流側に、懸濁用液に溶解している成分と、懸濁用液に溶解していない成分(固形分)とを分別する濾過部を備えている。
更に、第2回収部34は、前記濾過部の一方の下流側に、濾過部で得られた固形分から、該固形分に含まれる磁性物を回収するように構成された磁力選別部を備えている。磁力選別部は、磁性物を磁着させるための磁石を備えた磁選機を備えている。
また、第2回収部34は、前記濾過部の他方の下流側に、濾過部で得られた懸濁用液から、該懸濁溶液に溶解している成分を析出させる析出槽を備えている。
次に、本発明の一実施形態に係る使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する有価物回収方法について説明する。
本実施形態に係る使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する有価物回収方法は、図2に示すように、使用済みリチウムイオン電池を前処理する前処理工程(S1)と、前処理工程S1後の使用済みリチウムイオン電池を加熱する加熱工程(S2)と、加熱工程S2後の使用済みリチウムイオン電池から、該リチウムイオン電池に含まれる有価物を回収する回収工程(S3)と、を備える。
本実施形態に係る使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する有価物回収方法は、例えば、上述の有価物回収装置1を用いて、前処理部10にて前処理工程(S1)を行い、加熱部20にて加熱工程(S2)を行い、回収部30にて回収工程(S3)を行うことができる。
[前処理工程:S1]
本工程では、まず、解体領域11にて、使用済みの電池モジュールから電池セルへの解体を行う。詳しくは、解体領域11にて、複数の電池セル同士を接続している各接続部材を取り外すことにより、使用済みの電池モジュールを電池セルに解体する。
次に、使用済み電池モジュールを解体することにより得られた電池セルを放電部12に移送し、前記電池セルの放電を行う。詳しくは、前記電池セルを浸漬槽中に収容し、浸漬槽の浸漬液中にて電池セルに残留している電気を放電させる。
次に、放電された電池セルを破砕部13に移送し、破砕部13にて該電池セルの構成部材を破砕する。破砕部13では、破砕後の電池セルの各構成部材が適度な大きさを有する塊状物となるように(例えば、破砕後の塊状物の最も長い長さが2mmよりも大きく、50mm以下となるように)、電池セルの各構成部材を破砕する。なお、破砕部13での電池セルの各構成部材の破砕中にはオフガス(例えば、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒)が生成されるが、該オフガスは接続管を介して燃焼炉40に導入されて、燃焼炉40で燃焼されることによりエネルギーとして利用される。
[加熱工程:S2]
本工程では、前処理工程S1で前処理された電池セルの各構成部材を、加熱部20にて加熱する。
詳しくは、第1加熱部21の収容部内に電池セルの各構成部材を収容した後、ガス導入管を介して収容部内に不活性ガスを導入し、ガス排出管を介して収容部内の空気を外部に排出して収容部内を不活性ガス状態下にし、ジャケットに形成された流路に熱媒体を流して収容部内の温度を所定温度まで上昇させ、収容部内の使用済み電池セルの各構成部材を撹拌部で撹拌しながら加熱を行う。
収容部内の電池セルの各構成部材の加熱は、電解液に含まれる有機溶媒の沸点以上かつセパレータに含まれる有機高分子化合物の熱分解温度未満の温度で行う。
本明細書において、電解液に含まれる有機溶媒の沸点とは、電解液に複数の有機溶媒が含まれている場合、これらの有機溶媒の内のいずれかの有機溶媒の沸点を意味する。
本実施形態では、電解液に含まれる有機溶媒として、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5で混合したものを用いている。そのため、上記加熱は、ジメチルカーボネートの沸点(90℃)、エチルメチルカーボネートの沸点(107℃)、又はプロピレンカーボネートの沸点(240℃)以上の温度で行う。
また、セパレータに含まれる有機高分子化合物の熱分解温度とは、セパレータに含まれる有機高分子化合物が複数種の場合、これらの有機高分子化合物の内の最も熱分解温度が低い有機高分子化合物の熱分解温度を意味する。
本実施形態では、有機高分子化合物を含むセパレータとして、ポリエチレンを含むセパレータ、ポリプロピレンを含むセパレータ、及びポリイミドを含むセパレータを用いている。
ここで、セパレータに含まれるポリエチレンの熱分解温度は380℃であり、セパレータに含まれるポリプロピレンの熱分解温度は330℃であり、セパレータに含まれるポリイミドの熱分解温度は500℃である。
したがって、本実施形態では、ポリプロピレンの熱分解温度である330℃未満の温度で上記加熱を行う。上記加熱は、250℃未満の温度で行うことが好ましく、230℃未満の温度で行うことがより好ましく、210℃未満の温度で行うことが特に好ましい。
また、本実施形態において、上記加熱を環状カーボネート類であるプロピレンカーボネートの沸点以上で行う場合には、電解液に含まれる有機溶媒の全てが揮発されるので、接続管を介してこれらの有機溶媒を燃焼炉40に導入させ、燃焼炉40で燃焼させることによりエネルギーとして利用することができる。
一方で、本実施形態において、上記加熱をプロピレンカーボネートの沸点未満の温度で行う場合、鎖状カーボネート類であるジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートの内、最も沸点の高いエチルメチルカーボネートの沸点以上の温度とすることが好ましい。これにより、セパレータに含まれる有機高分子化合物の熱分解を抑制しつつ、少なくとも鎖状カーボネート類を揮発させ、接続管を介して該鎖状カーボネート類を燃焼炉40に導入させ、燃焼炉40で燃焼させることによりエネルギーとして利用することができる。一般に、鎖状カーボネート類は、電解液に含まれる有機溶媒の大部分(本実施形態では70%)を示すことから、このような場合であっても、電解液に含まれる有機溶媒の大部分をエネルギーとして利用することができる。
なお、上記加熱をプロピレンカーボネートの沸点未満の温度で行う場合、プロピレンカーボネートは揮発され難いことから、揮発され得なかったプロピレンカーボネートは、後段の第2加熱部33において燃焼させることができる。
ここで、本明細書において、有機高分子化合物の熱分解温度は、熱重量分析装置(例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製、EXTRA6000、TG/DTA6300など)を用いて、大気雰囲気下かつ大気圧下において、有機高分子化合物を30℃から600℃まで昇温速度5℃/分で加熱し、その質量減少率を測定したときに、質量減少率が1%となったときの温度を意味する。
また、電解液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)が含まれている場合には、LiPFに由来して生成されるフッ酸を中和するために、消石灰(Ca(OH))又は生石灰(CaO)の少なくとも一方を添加して本工程を行う。
また、本工程においては、撹拌しながら加熱を行うことにより、正極活物質及び負極活物質を、正極及び負極の集電箔から粒状物として脱離させる。
[回収工程:S3]
本工程では、まず、加熱工程S2において、第1加熱部21で加熱された電池セルの各構成部材を大きさに応じて分別部31で分別する。詳しくは、分別部31の篩分け機により、電池セルの各構成部材を大きさに応じて、篩上品または篩下品として分別する。前述のように、篩上品には塊状物が含まれ、篩下品には粒状物が含まれている。
次に、篩上品を第1回収部32に移送し、篩下品を第2加熱部33に移送する。
(第1回収部32における処理)
第1回収部32では、篩上品に含まれる塊状物を構成する各材料が有する特性に応じて、特性ごとに塊状物を構成する各材料を選別して回収する。詳しくは、渦電流選別機を用いて、塊状物を構成する各材料を、磁性を有する金属材料(Fe)と、非磁性の金属材料(Al及びCu)と、プラスチック材料(セパレータなど)とに分別し、磁性を有する材料を第1容器内に収容し、非磁性の金属材料を第2容器に収容し、プラスチック材料を第3容器に収容する。第1容器及び第2容器に収容された金属材料については、回収後、各種公知の方法で分別して再利用する。第3容器に収容されたプラスチック材料については、燃焼させることにより、燃料として利用する。
(第2加熱部33における処理)
第2加熱部33では、篩下品に含まれる粒状物を加熱する。詳しくは、篩下品に含まれる粒状物を400℃以上の温度かつ空気が存在する条件(酸化条件)下にて加熱(酸化焙焼)した後、400℃〜750℃の温度かつ還元ガス(水素、一酸化炭素、炭化水素及びアンモニアのうちの1種又は2種以上の混合ガス)が存在する条件(還元条件)下にて加熱(還元焙焼)する。
400℃以上の温度で酸化焙焼を行うことにより、負極活物質である炭素材料を酸化させて一酸化炭素(CO)を生成させることができる。また、加熱工程S2における加熱温度を230℃未満とした場合に加熱され難く、前記粒状物に付着している環状炭酸エステル類を燃焼させることができる。なお、酸化焙焼により生成された一酸化炭素(CO)は、還元焙焼における還元ガスとして利用することができる。
また、400〜750℃の温度で還元焙焼を行うことにより、粒状物に含まれる正極活物質由来のCo及びNiを金属にまで還元し、又、Mn及びFeを2価ないし3価の酸化物(MnO、Mn、FeO)にまで還元し、それによって、正極活物質であるリン酸リチウム、リチウム金属酸化物、又はリン酸鉄リチウムなどのリチウム化合物の結晶構造を崩壊させることにより、リチウムをLiO、LiOH又はLiCOの形態で得ることができる。詳しくは、還元ガスとして水素を用いた場合には、リチウムをLiO及びLiOの形態で得ることができ、還元ガスとして一酸化炭素(CO)を用いた場合には、リチウムをLiCOの形態で得ることができる。
(第2回収部34における処理)
次に、第2加熱部33で還元焙焼した後の篩下品に含まれる粒状物を第2回収部34に移送し、該粒状物中に含まれる正極活物質由来のLi、Co、Ni、Mn及びFeを分別して回収する。
詳しくは、まず、篩下品に含まれる粒状物を懸濁用液に懸濁させて懸濁液を調製し、該懸濁液を第2回収部34の懸濁槽内に導入し、水に対する溶解度が比較的低いLiCOをCa(OH)又はMg(OH)と反応させることにより、水に対する溶解度が比較的高いLiOHの形態にするとともに、MnO、Mn及びFeOをCa(OH)又はMg(OH)と反応させることにより、水に対する溶解度が比較的低いMn(OH)及びFe(OH)の形態にする。
次に、濾過部にて、懸濁用液中に溶解しているLi化合物と、固形分である、Co、Ni、Mn(OH)及びFe(OH)とを分離する。次に、濾過部にて分離した懸濁用液を析出槽に移送する。上記固形分は水を加えて懸濁液とした後に磁力選別部に移送する。
次に、析出槽内に炭酸ガスを吹き込んだり、該槽内に炭酸アンモニウム又は炭酸ナトリウムなどの炭酸塩を添加することにより、懸濁用液中に溶解しているリチウム化合物を水に対する溶解度の低い炭酸リチウムの形態に代えて、該懸濁用液中に析出させることにより、炭酸リチウムの形態でリチウムを回収する。
磁力選別部においては、磁性物たるNi及びCoを磁選機の磁石に磁着させて回収し、非磁性物たるMn(OH)及びFe(OH)を非磁着物として回収する。
磁力選別部にて磁性物として回収されたNi及びCoは、既知の酸溶解法や溶媒抽出法などの方法により分離することができる。
また、Mn(OH)及びFe(OH)も、既知の酸溶解法や溶媒抽出法などの方法により分離することができる。
更に、Pについては、既知の晶析法(HAP法、MAP法など)により回収することができる。
なお、本発明の使用済み電池からの有価物の回収方法は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、該回収方法に種々の変更を加えることも可能である。
上記実施形態では、不具合品を含まない使用済みリチウムイオン電池が用いられる例について説明したが、本発明に係る回収方法を適用する対象はこれに限られない。不具合品を含む使用済みリチウムイオン電池に本発明に係る回収方法を適用してもよい。
上記実施形態では、車載された使用済みリチウムイオン電池から有価物を回収する例について説明したが、本発明に係る回収方法を適用する対象はこれに限られない。携帯電話に搭載された使用済みリチウムイオン電池などに本発明に係る回収方法を適用してもよい。
上記実施形態では、回収工程S3を行う第2加熱部33が、篩下品に含まれる粒状物を収容する収容部に還元ガスを導入する流路となるガス導入管を備えている例について説明したが、第2加熱部33は前記ガス導入管を備えていなくてもよい。第2加熱部33がこのように構成されている場合であっても、第2加熱部33における加熱中に、前記粒状物に含まれる負極活物質である炭素材料からCOが生成されるため、該COを還元ガスとして用いて、前記収容部内を還元雰囲気下にすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
<加熱温度の違いにより生成されるタール量の違い>
円筒型リチウムイオン二次電池(以下、円筒型LIBという)を用いて、加熱温度の違いにより生成されるタール量の違いを、以下の実験手順に従って調べた。実験装置としては、撹拌機、ガス導入管、ガス排出管及び温度計を配したセパラブルフラスコ(容量2L)をマントルヒーターに設置したものを用いた。以下に実験手順を示す。なお、上記実験装置を構成する前に、予めセパラブルフラスコの重量(以下、加熱前フラスコ重量という)を測定しておいた。

(実験手順)
(1)破砕機を用いて、円筒型LIB(外径12mm、長さ60mm)2本を破砕して、20mm程度の大きさの破砕物を得る。
(2)(1)で得た破砕物(80g)をセパラブルフラスコ内に収容し、セパラブルフラスコを密閉する。
(3)ガス導入管を介してセパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入し、ガス排出管を介してセパラブルフラスコ内の空気を外部に排出させることにより、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換する。セパラブルフラスコへの窒素ガスの導入は、流量100mL/分で行う。なお、以後の(4)での加熱が終了するまで、セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入し続ける。
(4)マントルヒーターを用いて、セパラブルフラスコ内の温度を所定温度(最高温度)まで上昇させ、該所定温度に維持した状態で、撹拌機を用いて破砕物を30分間撹拌する。その後、室温(30℃)まで自然冷却する。
(5)セパラブルフラスコ内の内容物を取り出し、撹拌機、ガス導入管、ガス排出管及び温度計を取り外した後、セパラブルフラスコの重量(以下、加熱後フラスコ重量という)を測定する。
(6)加熱後フラスコ重量から加熱前フラスコ重量を除算することにより、加熱後にセパラブルフラスコに付着しているタールの重量を算出する。

所定温度を100℃、150℃、200℃、300℃、及び400℃とした各場合について、上記試験を行った。なお、本実験に用いた円筒型LIBのセパレータをFTIR分析した結果、該セパレータは有機高分子化合物としてポリプロピレン(PP)を含むものであることが分かった。本実験により得られた結果を図3に示した。
図3より、セパラブルフラスコ内の温度をポリプロピレン(PP)の熱分解温度(330℃)未満として加熱を行うと、温度が300℃であっても、セパラブルフラスコに付着するタールの量は1.1gと比較的少量になることが分かった。これに対して、ポリプロピレン(PP)の熱分解温度以上の温度である400℃で加熱を行うと、セパラブルフラスコに付着するタールの量は2.7gと比較的多量になることが分かった。この結果から、セパラブルフラスコ内の温度をポリプロピレン(PP)の熱分解温度未満として加熱を行うことにより、タールの生成を抑制できることが分かった。
また、セパラブルフラスコ内の温度を200℃以下として加熱を行うと、セパラブルフラスコに付着するタールの量は0.2g以下と極少量となることが分かった。このことから、セパラブルフラスコ内の温度を200℃以下として加熱を行うと、タールの生成を特に抑制できることが分かった。
上述の実施形態および実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同などの発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
1 有価物回収装置、
10 前処理部、
11 解体領域、12 放電部、13 破砕部、
20 加熱部、
21 第1加熱部、
30 回収部、
31 分別部、32 第1回収部、33 第2加熱部、34 第2回収部、
40 燃焼炉、
S1 前処理工程、
S2 加熱工程、
S3 回収工程。

Claims (3)

  1. 正極及び負極と、前記正極と前記負極との間に配され、かつ有機高分子化合物を含むセパレータとを備え、該セパレータに、有機溶媒を含む電解液を保持させている使用済みリチウムイオン電池を加熱する加熱工程を備え、
    前記加熱工程を、前記電解液に含まれる有機溶媒の沸点以上かつ前記有機高分子化合物の熱分解温度未満の温度で行う、
    使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法。
  2. 前記有機高分子化合物はポリプロピレンであり、前記加熱工程を前記ポリプロピレンの熱分解温度未満の温度で行う、
    請求項1に記載の使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法。
  3. 前記電解液は、電解質として六フッ化リン酸リチウムを含み、
    消石灰又は生石灰の少なくとも一方を添加して前記加熱工程を行う、
    請求項1又は2に記載の使用済みリチウムイオン電池からの有価物回収方法。
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