JP2019038710A - 紫外線吸収ガラス板 - Google Patents

紫外線吸収ガラス板 Download PDF

Info

Publication number
JP2019038710A
JP2019038710A JP2017160079A JP2017160079A JP2019038710A JP 2019038710 A JP2019038710 A JP 2019038710A JP 2017160079 A JP2017160079 A JP 2017160079A JP 2017160079 A JP2017160079 A JP 2017160079A JP 2019038710 A JP2019038710 A JP 2019038710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
ultraviolet
glass plate
less
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017160079A
Other languages
English (en)
Inventor
直樹 三田村
Naoki Mitamura
直樹 三田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2017160079A priority Critical patent/JP2019038710A/ja
Publication of JP2019038710A publication Critical patent/JP2019038710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、上記の波長300〜400nmの紫外線を吸収する機能を向上させた紫外線吸収ガラス板を得ることを目的とした。【解決手段】着色成分を含有したソーダライムガラスを有する紫外線吸収ガラス板において、該着色成分は、Fe2O3に換算した全鉄酸化物を1.4〜1.8wt%、TiO2を0.5〜3.0wt%、及びCeO2を1.0〜3.0wt%含み、TiO2+CeO2が3wt%以上であることを特徴とする紫外線吸収ガラス板。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線を吸収する着色成分を組成中に有するソーダライムガラス板に関するものであり、特に自動車用のリヤガラスやサイドガラス等に用いられる紫外線吸収ガラス板に関する。
自動車のリヤガラスやサイドガラス、ルーフガラス等には、車外からの視認性が低いガラス板であるプライバシーガラス板が使用されている。プライバシーガラス板には、汎用的に流通しているソーダライムガラス板(当該ガラスの組成は、ISO16293−1:2008で規定されている)に、Fe、Se、CoO、NiO、Cr等の着色成分を含んだフロートガラス板が使用されている。
従来、上記のようなプライバシーガラス板は厚み4mm程度のガラス板が用いられていた。しかし近年、車両を軽量化する試みが成されており、その試みの1つとして、使用するガラス板の厚みを薄くする検討が行われている。ガラス板は板厚を薄くする程各種透過率が高くなるため、ガラス板の板厚が薄くなると紫外線の透過率が高くなり、紫外線吸収性能が損なわれるという問題がある。その為、従来よりも高い紫外線吸収性能を有するガラスが求められている。例えば、紫外線吸収性能をより高めたプライバシーガラス(例えば2.5mm厚さで、紫外線の透過率が2%以下)が特許文献1〜3等で提案されている。
国際公開2015/088026号 国際公開2016/088374号 国際公開2017/043631号
前述したように、自動車のリヤガラスやサイドガラス、ルーフガラス等として、紫外線を吸収する機能を有するガラス板が求められている。このような紫外線のうち、長波長側の紫外線であるUVA(波長約320〜400nm)は地上への照射量が多く、また、ガラスを透過して日焼けやシミ等の皮膚ダメージの原因となることが知られている。近年、特に上記UVAの透過を抑制した紫外線吸収ガラス板への要求が高まっている。
従来、ISO 9050:2003やISO 9050:1990に準拠する方法で、波長300〜380nmや波長297.5〜377.5nmの紫外線透過率(以下、「TUV」)を測定し、紫外線吸収ガラス板の紫外線吸収性能を評価していた。しかし、例えば特許文献2、3に開示されたようにISO13837:2008 convention Aに準拠する方法で、波長300〜400nmの紫外線透過率(以下、「TUV 400」と記載することもある)を測定すると、上記TUVが1%程度と低い値でもTUV 400が5%や6%程度の値になってしまう場合があることがわかった。
そこで本発明は、上記の波長300〜400nmの紫外線を吸収する機能を向上させた紫外線吸収ガラス板を得ることを目的とした。
本発明は、着色成分を含有したソーダライムガラスを有する紫外線吸収ガラス板において、該着色成分は、Feに換算した全鉄酸化物を1.4〜1.8wt%、TiOを0.5〜3.0wt%、及びCeOを1.0〜3.0wt%含み、TiO+CeOが3wt%以上であることを特徴とする紫外線吸収ガラス板である。
着色成分を上記の範囲内とすることで、前記紫外線吸収ガラス板の厚みが2.6mmの時のISO13837:2008 convention Aに規定された紫外線透過率TUV 400を、1.5%未満とすることが可能となる。また、後述する好ましい実施形態とすることで、上記紫外線透過率TUV 400を1%以下とすることが可能となる。
本発明によって、上記の波長300〜400nmの紫外線を吸収する機能を向上させた紫外線吸収ガラス板を得ることが可能となった。
1:用語の説明
本発明で用いる用語を以下に説明する。
(ソーダライムガラス)
本明細書での「ソーダライムガラス」は、SiO、NaO、及びCaOを含む一般的なソーダライムガラスを指すものとする。また、汎用的に流通しているソーダライムガラス(例えば、ISO16293−1:2008に規定されたガラス組成)を用いるものとしてよい。また、例えば質量%で、SiOを65〜75、NaOを10〜20、KOを0〜3、CaOを5〜15、MgOを0〜5、及びAlを0〜3、含有するものとしてもよい。
(各種光学特性)
各種光学特性は、ガラス板の厚みによって値が変化し、例えば紫外線透過率等の各種透過率は、ガラス板の厚みが厚いほど値が低くなる。従って本明細書では、ガラス板の厚み(以下、「板厚」と記載することもある)が2.6mmの時の各種光学特性を用いることとした。また、本明細書における以下に記載する光学特性は、いずれも分光光度計U−4100(日立製作所製)を用いて測定した値から、各規格に準拠する方法で算出した。
(紫外線吸収性能)
本発明は、紫外線吸収性能を評価するために、紫外線透過率の測定を行い、当該紫外線透過率が低いほど紫外線吸収性能が高いとした。紫外線透過率は、ISO 9050:2003に準拠する方法で得られるTUV、及びISO13837:2008 convention Aに準拠する方法で得られるTUV 400をそれぞれ測定し、紫外線吸収性能を評価した。なお、本明細書での「紫外線吸収性能」とは、上記のTUV 400で評価する波長300〜400nmにおける紫外線吸収性能を指すものとし、厚み2.6mmにおけるTUV 400が1.5%未満を示すものを紫外線吸収性能が向上したとする。
(日射透過率)
本明細書では、日射透過率として、JIS R 3106:1998に準拠する方法で算出した日射透過率を用いた。
2:着色成分
本発明は、上記のソーダライムガラスの組成中に着色成分を含有させたガラスである。すなわち本発明は、着色成分を含有したソーダライムガラスを有する紫外線吸収ガラス板において、該着色成分は、Feに換算した全鉄酸化物を1.4〜1.8wt%、TiOを0.5〜3.0wt%、及びCeOを1.0〜3.0wt%含み、TiO+CeOが3wt%以上であることを特徴とする紫外線吸収ガラス板である。
また、前記着色成分に追加して、CoOを100〜400ppm、Crを1〜100ppm、Seを1〜100ppm、及び酸化マンガンを1000〜6000ppmを、着色成分として有し、3価鉄に対する2価鉄の質量比(Fe2+/Fe3+)が0.20〜0.55とするのが好ましい。上記の範囲内とすることによってTUV 400を1.0%以下とすることが可能であり、さらに紫外線吸収性能を向上させることができるため好ましい。
以下に、各着色成分について説明する。
(鉄酸化物)
鉄酸化物は必須成分であり、紫外線吸収性能を向上させる主要な成分である。鉄酸化物はガラス中で2価と3価が混在した状態となっており、その割合はガラスの還元状態によって異なる。そのため、鉄酸化物はFeに換算して含有量を示すこととする。本発明において、Feに換算した全鉄酸化物は1.4〜1.8wt%含む。1.4wt%未満だとTUV 400の低減効果が不十分となり易く、一方で1.8質量%を超えると溶融窯内において、バーナー等の燃焼熱をガラス素地表面で吸収し易くなり生産効率が低下することがある。好ましくは下限値を1.45wt%以上、より好ましくは1.50wt%以上としてもよい。また、上限値を好ましくは1.75wt%以下、より好ましくは1.70wt%以下としてもよい。
本発明は、上記鉄酸化物の一部を還元してFeOとするのが好ましい。FeOは、赤外線吸収性能を向上させ日射透過率を低くする成分として知られている。本発明では、FeOを0.25wt%以上含むと、厚みが2.6mmの時の、JIS R3106:1998に規定された日射透過率を30%未満とすることが可能なため好ましい。また、上限値は特に限定するものではないが、例えば0.60wt%以下としてもよい。
また、上記のFeOは鉄酸化物の一部を還元させることによってFeOを組成中に含有させている。鉄酸化物を還元した割合を示す還元比(3価鉄に対する2価鉄の質量比(Fe2+/Fe3+))は、適した物性値を得られるのであれば特に限定するものではないが、例えば0.1〜0.6としてもよい。また、本発明では0.20〜0.55の範囲内とするとより高い紫外線吸収性能(前述したTUV 400が1%以下)が得られるため好ましい。
(Ti酸化物)
Ti酸化物は紫外線吸収性能を向上させる必須成分である。そのため、本発明では0.5〜3.0wt%含むものとした。また、好ましくは下限値を0.7wt%以上、より好ましくは0.8以上としてもよい。また、好ましくは上限値を2.5wt%以下としてもよい。Ti酸化物は本発明の組成系では還元剤として作用する傾向にあり、酸化剤として作用するCeOと共存させることによって、ガラスが過度に酸化や還元されるのを抑制すると考えられる。なお、Ti酸化物はガラス中ではTi3+やTi4+の形で存在するが、本明細書においては全量をTiOに換算した値を用い、Ti酸化物を「TiO」で記載した。
(Ce酸化物)
Ce酸化物は紫外線吸収性能を向上させる必須成分である。そのため、本発明では1.0〜3.0wt%含むものとした。好ましくは下限値を1.5wt%以上、上限値を2.9wt%以下としてもよい。また、前述したようにCe酸化物はガラスに対して酸化剤としての作用するため、Ti酸化物と共存させることによって、ガラスが過度に酸化や還元されるのを抑制すると考えられる。なお、Ce酸化物はガラス中ではCe3+やCe4+の形で存在するが、本明細書においては全量をCeOに換算した値を用い、Ce酸化物を「CeO」で記載した。
(TiO+CeO
紫外線吸収性能を向上させるためには、鉄酸化物の含有量を多くすればよいが、前述したように、鉄酸化物の量が多くなると溶融窯内において、バーナー等の燃焼熱をガラス素地表面で吸収し易くなり生産効率が低下する場合がある。従って、本発明では前述したようなTiOとCeOをさらに含有させることによって、300〜400nmにおける紫外線吸収性能を向上させた。また、さらに検討を重ねた結果、全鉄酸化物が1.4〜1.8wt%の範囲内のガラスにおいて、TiO+CeOを3wt%以上とすると、TUV 400を1.5%未満とすることが可能であることがわかった。下限値は、好ましくは3.2wt%以上、より好ましくは3.5wt%以上としてもよく、上限値は特に限定するものではなく、6.0wt%以下、好ましくは5.0wt%以下、より好ましくは4.5wt%以下としてもよい。
また、本発明の実施例では、上記の鉄酸化物、TiO、及びCeOの合計値が4.5wt%以上のとき、TUV 400が1.5%未満となることがわかった。すなわち、Feに換算した全鉄酸化物+TiO+CeOが4.5wt%以上であるのが好ましいとしてもよく、より好ましくは5.0wt%以上としてもよい。また、上限値は特に限定するものではないが、好ましくは6.5wt%以下、より好ましくは6.0wt%以下としてもよい。
(CoO)
CoOは可視光線透過率や日射透過率を下げる成分の任意成分であり、100〜400ppm含有させるのが好ましい。より好ましくは120〜300ppmとしてもよい。
(Cr酸化物)
Cr酸化物は紫外線透過率を下げる任意成分であり、Cr換算で1〜100ppm加えるのが好ましい。また、過度に含有させると可視光線透過率が必要以上に低くなったり、透過色が黄色味を呈してしまったりする場合がある。より好ましくは1〜50ppmとしてもよい。なお、Cr酸化物はガラス中ではCr3+やCr6+の形で存在するが、本明細書においては全量をCrに換算した値を用い、Cr酸化物を「Cr」で記載した。
(Se)
Seは紫外線透過率や日射透過率等を低下させる任意成分であり、1〜100ppm含有するのが好ましい。また、好ましくは10〜100ppm、より好ましくは15〜50ppmとしてもよい。
(Mn酸化物)
Mn酸化物はガラス溶融時に高揮発性のSeの保持を助ける任意成分であり、1000〜6000ppm含有するのが好ましい。好ましくは、下限値を2000ppm以上、上限値を5500ppm以下としてもよい。また、本発明の実施例において、Mn酸化物の含有量が過度に少ない場合、上記必須成分が同程度のものと比較して紫外線吸収性能が劣ることがわかった。すなわち、本発明のガラス組成系においては、Mn酸化物は紫外線透過率の低下させる作用があると考えられる。また、Mn酸化物はガラス中では複数の酸化状態が混在しているため、本明細書では全量をMnOに換算した値を用いた。
(その他任意成分)
着色成分は、上記の他にも透過色やガラスの還元状態の調整等の目的でV、MoO、CuO、SO、及びSnO等の任意成分を合計で1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下の範囲内で含んでもよい。なお、SOについては、ガラスの製造工程で清澄剤として加える硫酸ナトリウムに由来して、組成中に少量含まれることがある。
また、NiOはガラス中で硫化ニッケルの形成をもたらすので、本来含有は望ましくない。硫化ニッケルは、目視ではほとんど確認できず、通常の状態ではガラスに害を与えないが、熱膨張係数が大きいので熱強化時などにその体積膨張により応力バランスが崩れて、ガラスが割れることがある。しかし、一方でガラスの透過色を調整する成分でもある為、任意成分として50ppm以下で含んでもよい。
3:紫外線吸収ガラス板
本発明の紫外線吸収ガラス板は、前述したように、厚みが2.6mmの時のISO13837:2008 convention Aに規定された紫外線透過率TUV 400を、1.5%未満とすることが可能である。また、前述した好適な実施形態とすることで、TUV 400を1%以下とすることが可能である。
また、本発明の紫外線吸収ガラス板は、着色成分中にFeOを0.25wt%以上含むと、厚みが2.6mmの時のJIS R3106:1998に規定された日射透過率を30%未満とすることが可能なため好ましい。日射透過率が低くなると車内へ侵入する日射熱の割合が減り、冷房効率を向上させることが可能である。
また、紫外線吸収ガラス板の形状は特に限定されるものではなく、平板でも曲面形状を有しているものでもよい。また、厚みは特に限定されるものではないが、通常車両に使用される1〜5mm程度としてもよい。
4:紫外線吸収ガラス板の製造方法
本発明は、フロート法を用いて製造する事が可能である。フロート法は、ガラス板を製造する際に一般的に用いられる方法である。当該方法では、まず原料バッチ、又は原料バッチとガラスカレットを、原料を溶融する溶融窯へ投入して溶融ガラスとし、次に該溶融ガラスを溶融スズ上に流し込む事によって板成型し、次に成型されたガラス板を冷却してガラス板を得る。また、溶融時に組成に含まれない還元剤等を加えて、ガラスの還元状態を調整してもよい。
上記のようにして得たガラス板は所望形状に切断、加工される。車両用に用いる場合は、切断された後に加熱を行って強化処理を施すことがある。熱を用いた強化処理としては一般的に風冷強化処理がよく知られており、風冷強化処理を行う方法は、例えばガラス板を搬送ロールで搬送しながらガラスをガラス転移温度付近まで加熱し、ガラス板の温度が所望の温度まで上昇した後、冷却ノズルからガラス板に風を吹き付けて強化を行うものが挙げられる。このとき、吹きつける風は風圧5〜30kPaとするのが好ましく、7〜20kPaとするのがより好ましい。本発明のガラス板では、好ましくは、ガラス板の温度が550〜670℃、より好ましく580〜670℃のときに、冷却ノズルからガラス板表面に風を吹き付けて風冷強化を開始する。
本発明の実施例及び比較例を以下に示す。
ガラス原料として、ガラス母組成の原料には、珪石、酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム及び酸化マグネシウムを用い、着色剤の原料には、酸化第2鉄、酸化チタン、酸化セリウム、酸化コバルト、酸化クロム、亜セレン酸ソーダ、及び二酸化マンガンを用いた。また、清澄剤としては硫酸ナトリウムを、還元剤として炭素系還元剤(具体的にはカーボン粉末)を用いた。ガラス母組成の母成分は、質量%で、SiOを72.0、NaOを13.0、KOを1.0、CaOを8.5、MgOを3.5、及びAlを2.0になるように原料を調整し、そこに着色剤、清澄剤、還元剤をガラス原料に対して所定の範囲内となるように外割りで加えて混合しガラス原料とした。この原料を電気炉中で1460℃に加熱、溶融させた。次に、1460℃で6時間溶融状態を維持した後、1400℃まで1時間で降温してさらに1時間保持することにより清澄なガラス融液とした。
得られたガラス融液をグラファイト製型枠上に流し出した後、別の電気炉内で室温まで充分徐冷してガラスブロックを得た。次いで、このガラスブロックを厚み2.6mmの板状になるまで光学研磨して、大きさ50mm×50mmのガラス成分組成分析および各種光学特性等の測定用サンプルとした。
得られた各サンプルのガラス組成分析は、蛍光X線分析装置を用いて、Fe、Ti、Ce、Co、Cr、Se、及びMnについてそれぞれ行った。ガラス中で複数の酸化状態を取る成分については、明細書中に記載した通り所定の酸化状態に換算し、各成分の含有量をそれぞれFe、TiO、CeO、CoO、Cr、Se、及びMnOを用いて示した。また、FeOは波長約1100nmでの透過率から含有量を算出し、鉄酸化物の全量とFeOの含有量から3価鉄に対する2価鉄の質量比(Fe2+/Fe3+)を求めた。
また、上記の成分の他に、サンプルの光学特性に大きく影響しない範囲でいくつかの任意成分(例えば、NiOやSO等)を含有していた。これらは材料や装置から混入物や、ガラスを製造する際に加える各種調整材に含まれる不純物である。例えばNiOは今回特に原料として加えていないが、原料バッチやガラスカレットからの不純物として混入しており、各サンプルに10ppm未満の割合で含有していた。また、SOは清澄剤として加えた硫酸ナトリウムに由来するものであり、各サンプルに0.1質量%程度含まれていた。
(光学特性の測定)
光学特性は、いずれも分光光度計U−4100(日立製作所製)を用いて測定した値から、紫外線透過率(TUV)はISO9050:2003、紫外線透過率(TUV 400)はISO13837:2008 convention A、日射透過率はJIS R 3106:1998に準拠する方法でそれぞれ測定した。
得られた各サンプルのガラス組成、光学特性を表1に記載した。なお、表中のFeは鉄酸化物の全量、FeOは2価の鉄酸化物の含有量を示している。また、実施例10のMnOの含有量を「0.1>」と記載しているのは、0.1ppm未満だったことを示している。
Figure 2019038710
以上より、実施例1〜11はTUV 400が1.5%未満となることがわかった。また、波長300〜380nmの紫外線透過率であるTUVは0.2%以下であり、従来の紫外線吸収ガラスと比較しても高い紫外線吸収性能を示すと言える。一方でCeO+TiOの含有量が3.0未満である比較例1〜5は、紫外線吸収性能が実施例より劣るものとなった。
また、実施例1〜9はTUV 400が1.0%以下、TUVが0.1%以下であり、より高い紫外線吸収性能を有することがわかった。実施例10はMnOの含有量が他の実施例より過度に少ないサンプルである。組成が比較的近い実施例8と比較すると、実施例8よりもTUV 400が高くなる傾向にあると言える。また、実施例11は還元比が他の実施例より低いサンプルであり、TUV 400が他の実施例よりも高い。
また、本発明の実施例及び比較例において、FeOの含有量が0.25以上の実施例1〜10、及び比較例1〜4は、日射透過率が30%以下となることがわかった。
以上より、本発明によって高い紫外線吸収性能、特に波長300〜400nmにおける紫外線吸収性能を有するガラス板を得られることが示された。

Claims (3)

  1. 着色成分を含有したソーダライムガラスを有する紫外線吸収ガラス板において、該着色成分は、
    Feに換算した全鉄酸化物を1.4〜1.8wt%、
    TiOを0.5〜3.0wt%、及び
    CeOを1.0〜3.0wt%含み、
    TiO+CeOが3wt%以上であることを特徴とする紫外線吸収ガラス板。
  2. 前記着色成分に追加して、
    CoOを100〜400ppm、
    Crを1〜100ppm、
    Seを1〜100ppm、及び
    酸化マンガンを1000〜6000ppmを、着色成分として有し、
    3価鉄に対する2価鉄の質量比(Fe2+/Fe3+)が0.20〜0.55であることを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収ガラス板。
  3. FeOを0.25wt%以上含み、厚みが2.6mmの時の、JIS R3106:1998に規定された日射透過率が30%未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紫外線吸収ガラス板。
JP2017160079A 2017-08-23 2017-08-23 紫外線吸収ガラス板 Pending JP2019038710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017160079A JP2019038710A (ja) 2017-08-23 2017-08-23 紫外線吸収ガラス板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017160079A JP2019038710A (ja) 2017-08-23 2017-08-23 紫外線吸収ガラス板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019038710A true JP2019038710A (ja) 2019-03-14

Family

ID=65725292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017160079A Pending JP2019038710A (ja) 2017-08-23 2017-08-23 紫外線吸収ガラス板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019038710A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS575251A (en) * 1980-06-12 1982-01-12 Nippon Electric Glass Co Ltd Cathode ray tube glass
JPH08245238A (ja) * 1995-03-10 1996-09-24 Nippon Sheet Glass Co Ltd 低透過性ガラス
JPH10139475A (ja) * 1996-11-13 1998-05-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
US6849566B2 (en) * 2002-07-19 2005-02-01 Ppg Industries Ohio, Inc. Blue-green grass
JP2005132709A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Central Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収緑色系ガラス
WO2016088374A1 (ja) * 2014-12-03 2016-06-09 日本板硝子株式会社 ガラス組成物、ガラス板及び該ガラス板を用いた車両用ガラス窓
JP2017124960A (ja) * 2016-01-07 2017-07-20 セントラル硝子株式会社 紫外線吸収ガラス板

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS575251A (en) * 1980-06-12 1982-01-12 Nippon Electric Glass Co Ltd Cathode ray tube glass
JPH08245238A (ja) * 1995-03-10 1996-09-24 Nippon Sheet Glass Co Ltd 低透過性ガラス
JPH10139475A (ja) * 1996-11-13 1998-05-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収低透過ガラス
US6849566B2 (en) * 2002-07-19 2005-02-01 Ppg Industries Ohio, Inc. Blue-green grass
JP2005132709A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Central Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収緑色系ガラス
WO2016088374A1 (ja) * 2014-12-03 2016-06-09 日本板硝子株式会社 ガラス組成物、ガラス板及び該ガラス板を用いた車両用ガラス窓
JP2017124960A (ja) * 2016-01-07 2017-07-20 セントラル硝子株式会社 紫外線吸収ガラス板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6711426B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス物品
JP5935445B2 (ja) 紫外線赤外線吸収ガラス
JP5842318B2 (ja) 低日射透過率ガラス
JP5880439B2 (ja) ガラス板およびその製造方法
JP2007238398A (ja) ソーダ石灰系ガラス組成物
JP7120339B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス物品
JP2003095691A (ja) 高透過ガラスおよびその製造方法
JP7201320B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス物品
WO2017209148A1 (ja) 紫外線遮蔽ガラス板及び該ガラス板を用いた車両用ガラス窓
JP6627558B2 (ja) 紫外線吸収ガラス板
WO2016039251A1 (ja) 紫外線吸収性ガラス物品
JP7120021B2 (ja) ソーダライムガラス板
JP6589871B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス物品
US20180072611A1 (en) Ultraviolet absorbing glass
JP2019038710A (ja) 紫外線吸収ガラス板
JP4736465B2 (ja) 紫外線赤外線吸収緑色系ガラス
JP6919652B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス
JP6885346B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス
WO2017150684A1 (ja) 紫外線吸収性ガラス
JP2003012342A (ja) 紫外線赤外線吸収緑色ガラス
JP6953911B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス
JP7020428B2 (ja) 紫外線吸収性ガラス
JP2019069863A (ja) 紫外線吸収性ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211026