JP2019038577A - 包装用容器及び包装用容器の使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子レンジ等で加熱された食品から生じる高温の油によるデラミ現象が生じにくく、また印刷層が見やすく、また形状を問わず成型できるラミネートフィルムで構成され、また上記ラミネートフィルムの特性を助長する耐熱構造の基材で構成される包装用容器及び包装用容器の使用方法を提供すること。【解決手段】最外層に耐熱性基材1と、最内層に非発泡ラミネートフィルム2とが積層されてなる包装用容器Pであって、この耐熱性基材は、発泡層を有し、この非発泡ラミネートフィルムは、少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層を有し、上記熱可塑性樹脂層のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電子レンジ等で加熱された高温の食品を収容する包装用容器及び包装用容器の使用方法に関し、さらに詳しくは、少なくとも耐熱性及び耐油性を有するラミネートフィルムが積層された包装用容器及び包装用容器の使用方法に関する。
従来から、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売される食品は、熱可塑性樹脂製の包装用容器に収容されて販売されてきた。このとき、包装用容器の種類は、食品の種類に応じて選択されてきた。例えば、電子レンジ等で加熱する調理済みの食品を収容する包装用容器は、高温でも変形しない耐熱性、高温化した食品の油が浸透しない耐油性、これらの性質を備えた上で印刷層も見えやすい美麗性などを有する積層構造が採用されてきた。
例えば、ポリプロピレン系樹脂発泡シートにポリプロピレン系樹脂層、印刷層からなるポリプロピレン系樹脂印刷フィルムを印刷層が内側(発泡シート面側)になるように熱ラミネーション法によって積層した積層発泡シートであって、フィルムと発泡シートとの剥離強度が1.5N/25mm以上であることにより、加熱成型時のフィルム層の膨れを防止する発想が開示されている(特許文献1参照。)。
また、複合シートの基材であるポリブチレンテレフタレート樹脂シートはポリスチレン樹脂等に比して耐熱性に優れ、これに積層されて容器内側表面になるポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムがポリプロピレン系樹脂に比して耐熱性に優れ、高温での耐油性にも優れ、熱成形性が良好である発想が開示されている(特許文献2参照。)。
また、基層の少なくとも一面にポリブチレンテレフタレートの層を積層した積層体から形成され、基層に対するポリブチレンテレフタレートフィルム層の厚み比が1:0.03〜0.15であることを条件の一つとして、透明性、成形性、耐衝撃性、及びガスバリア性に優れた容器の発想が開示されている(特許文献3参照。)。
また、4方向の引張破断強度が50%以上150%以下であることを条件の一つとすることで、異方性が少なく、寸法安定性、耐衝撃性に優れた二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルムであって、一般コンバ―ティングフィルムとして用いる場合の厚みが5〜50μmであること、印刷して使用されること、食品包装用の基材として使用されることに関する発想が開示されている(特許文献4参照。)。
特開2003−300291号公報 公開実用新案平4−13344号公報 公開実用新案平4−52047号公報 特開2012−121241号公報
しかしながら、上述した従来技術は、近年の電子レンジ等での加熱用食品に対応しきれていない恐れがある。すなわち、電子レンジで食品が加熱されると、食品由来の油や調理用の油も高温に達して流出するため、包装用容器の表面層から各層間の接着部分に浸透及び滞留することで、各層が剥離する現象(以下、「デラミ現象」ともいう。)を招きやすくなる。そのため、デラミ現象を予防するには、少なくとも上記油の溶解度パラメータとの差が大きい熱可塑性樹脂で包装用容器の表面層を構成すべきであり、たとえ上記油が上記表面層を浸透しても各層間の接着部分を剥離させるまで浸透しきらない厚みでラミネートフィルムを構成すべきである。
また、上述した特徴を有するラミネートフィルムが印刷層を含む場合、表面層越しからでも印刷内容が見やすい必要がある。すなわち、所定の形状に成型された包装用容器に対して表面層を満遍なく延伸させることでシワや厚みの偏りを予防して透明度を確保すると共に、上記表面層に対して印刷層を追従させることで印刷内容が伸びる恐れを回避すべきである。
また、上述した特徴を有するラミネートフィルムが、電子レンジ等の加熱に伴う温度上昇に関わらず収縮し過ぎず、成型する包装用容器の形状に関わらず各層間が剥離しない必要がある。すなわち、加熱温度に応じてラミネートフィルムが収縮して破断したり、複雑な形状の包装用容器に耐えきれない各層間の剥離により成型不良を生じたりする恐れを回避すべきである。
また、上述した特徴を有するラミネートフィルムを積層する基材が電子レンジ等の加熱に伴う温度上昇に関わらず変形しない必要がある。すなわち、上述した包装用容器の成型性を実現させるラミネートフィルムの熱収縮率やラミネートフィルムとの接着強度を考慮すると、基材自体が加熱に耐えうる構造にすべきである。
そこで、本発明の目的は、電子レンジ等で加熱された食品から生じる高温の油によるデラミ現象が生じにくく、また印刷層が見やすく、また形状を問わず成型できるラミネートフィルムで構成され、また上記ラミネートフィルムの特性を助長する耐熱構造の基材で構成される包装用容器及び包装用容器の使用方法を提供することにある。
本発明による包装用容器は、最外層に耐熱性基材と、最内層に非発泡ラミネートフィルムとが積層されてなる包装用容器であって、上記耐熱性基材は、発泡層を有し、上記非発泡ラミネートフィルムは、少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層を有し、上記熱可塑性樹脂層のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmであることを特徴としてもよい。
また、上記熱可塑性樹脂層がポリエステル系樹脂で形成されていることが望ましい。
また、上記熱可塑性樹脂層がポリブチレンテレフタレート系樹脂で形成されていることが望ましい。
また、上記熱可塑性樹脂層が二軸延伸されていることが望ましい。
また、上記熱可塑性樹脂層の引張破断伸度が100%以上であることが望ましい。
また、上記熱可塑性樹脂層の150℃における熱収縮率が3.0%以下であることが望ましい。
また、上記耐熱性基材に対する上記非発泡ラミネートフィルムの剥離強度が3.0N/15mm以上であることが望ましい。
また、上記耐熱性基材が、上記発泡層の少なくとも片面に積層される非発泡表面層を有することが望ましい。
また、上記耐熱性基材が、上記発泡層の少なくとも片面に積層される非発泡中間層と、上記非発泡中間層の外側に積層される非発泡表面層とを有することが望ましい。
さらに、本発明による包装用容器の使用方法は、上述した特徴を有する包装用容器に油性食品を入れ、電子レンジで加熱してもよい。
以下に、本発明を構成する各要件の定義、意味、具体例、又は理由等を示す。
「最外層」とは、成型された包装用容器の最も外側の階層(外気に最も近い層)を意味してもよい。「最内層」とは、上記包装用容器の最も内側の階層[容器内に収納された食品に最も近く(又は接する)階層]を意味してもよい。
「耐熱性基材」とは、包装用容器の最外層を形成し、電子レンジ等の加熱(例えば、1900w)時の耐熱性や外部からの耐衝撃性や印刷層との積層適性を有する単層又は複数層(例えば、「発泡層」、「非発泡表面層」、「非発泡中間層」等)の熱可塑性樹脂製シートが該当してもよい。
「発泡層」とは、「耐熱性基材」自体又は「耐熱性基材」を構成する複数層のうちの一層が該当してもよい。「発泡層」が上記複数層の一層である場合、他層は「発泡層」の少なくとも片面に積層される「非発泡表面層」や「非発泡中間層」が該当してもよい。「発泡層」は、気泡径が異なる複数の発泡層で構成されていてもよい。 「非発泡表面層」とは、「非発泡ラミネートフィルム」と積層される前の「耐熱性基材」における表面の層(成型時における最外層及び/又は「非発泡ラミネートフィルム」と接触する層)に該当してもよく、「発泡層」の片面又は両面に積層されてもよい。
「非発泡中間層」とは、「非発泡表面層」と「発泡層」との間に介在する中間の層に該当してもよく、「発泡層」の片面又は両面に積層されてもよい。
「耐熱性基材」として積層される「発泡層」、「非発泡表面層」、又は「非発泡中間層」を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が含まれ、好ましくはポリオレフィン系樹脂で、より好ましくはポリプロピレン樹脂で、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合物でもよく、無機フィラー(タルク)を含んでいてもよい。
そして、上述した「非発泡表面層」や「非発泡中間層」は、タルクを含有する「発泡層」が発する異物(メヤニ等)や臭気を抑制したり、成型不良を予防したりする利点がある。
「非発泡ラミネートフィルム」とは、包装用容器の最内層を形成し、電子レンジ等による加熱(例えば、1900W)時や高温(100〜150℃)の食品との接触時の耐熱性や耐油性や印刷層との積層適性やガスバリア性等を有する単層又は複数層(例えば、所定の熱可塑性樹脂層、印刷層等)の非発泡の熱可塑性樹脂製フィルムが該当してもよい。
「非発泡ラミネートフィルム」として積層される所定の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂には、少なくともポリエステル系樹脂が含まれ、好ましくはポリブチレンテレフタレート系樹脂でもよく、ポリブチレンテレフタレート系樹脂が二軸延伸されているとなお好ましい。ポリブチレンテレフタレートは、温度変化に対して変形しにくい耐熱性ばかりでなく、収縮性、耐屈曲性、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れているからであり、二軸延伸されたものはさらに透明性及び印刷ピッチ性の向上が期待できるからである。
「非発泡ラミネートフィルム」を構成する熱可塑性樹脂層の溶解度パラメータ(SP値)は9.0以上が好ましく、9.0未満だと熱可塑性樹脂層の厚み(10〜30μm)、剥離強度(3.0N/15mm以上)、及び/又は耐熱温度(100〜150℃)等との関係上、食品自体が発する油や調理時(調理用や調味料)の油の成分(及びこれらの温度上昇)に伴い、上記油が上記熱可塑性樹脂層を浸透して「耐熱性基材」と「非発泡ラミネートフィルム」との接着部分に化学反応が生じて「耐熱性基材」と「非発泡ラミネートフィルム」との間及び/又は「非発泡ラミネートフィルム」を構成する熱可塑性樹脂層の各々の間に入り込んでしまう現象(デラミ現象)を誘発する恐れがあるからである。
なお、「耐熱性基材」と「非発泡ラミネートフィルム」とは、例えば、熱圧着、ドライラミネート、押出ラミネート、コート剤等で接着されていてもよい。
上述したデラミ現象を抑制する意味では、上記熱可塑性樹脂層の厚みは10〜30μmでよく、好ましくは12〜25μm、より好ましくは15〜20μmでもよく、10μm未満だと厚みが薄く上記油が浸透しやすく、30μm超だと原料費のコストアップや印刷層の視認性の低下を招く恐れがある。
「非発泡ラミネートフィルム」を構成する熱可塑性樹脂層の引張破断伸度は100%以上でもよく、好ましくは120以上%、より好ましくは150%以上でもよく、100%未満だと複雑な形状の包装用容器に対して伸びが不十分となり、亀裂や破断が生じてしまう恐れがある。そのため、包装用容器の形状によらず、絞り成型等にも対応できる引張破断伸度が望ましい。
加熱より150℃に熱した食品に対する「非発泡ラミネートフィルム」を構成する熱可塑性樹脂層の熱収縮率が3.0%以下であれば収縮による包装用容器の変形を抑制できるが、3.0%超だと包装用容器の「耐熱性基材」まで変形させてしまう恐れがあるからである。
「耐熱性基材」に対する「非発泡ラミネートフィルム」の剥離強度は3.0N/15mm以上が好ましく、3.0N/15mm未満だと成型時に非発泡ラミネートフィルムの追従性が悪く、ラミネートフィルムの剥がれや成型不良を招く恐れがある。
「非発泡ラミネートフィルム」を構成する熱可塑性樹脂層の光沢度(グロス値)は、100%以上でもよく、好ましくは110%以上、より好ましくは120%以上でもよく、上述した熱可塑性樹脂層のSP値や厚みとの関係上、100%未満だと艶等が足りずに最内層の見栄えが低下するのみならず、印刷層の視認性が低下する恐れがある。
上述した「耐熱性基材」及び「非発泡ラミネートフィルム」が積層されてなる包装用容器の深さと口径との関係から算出する絞り比は、0.01〜1.0でよく、好ましくは0.03〜0.8、より好ましくは0.05〜0.6でもよく、上述した熱可塑性樹脂層の厚みや剥離強度や熱収縮率との関係上、1.0超だと成型後に非発泡ラミネートフィルムが薄肉化し、十分な性能を発揮できない恐れがある。
本発明による包装用容器では、耐熱性基材に積層される非発泡ラミネートフィルムを構成する熱可塑性樹脂層のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmであることにより、電子レンジ等で加熱しても食品から生じる油が上記熱可塑性樹脂層を浸透しにくく、非発泡ラミネートフィルムと耐熱性基材との間に油が入り込まず滞留もしないため、デラミ現象の発生を防ぐことができる。すなわち、上述した熱可塑性樹脂層のSP値と厚みとの組合せにより、油が非発泡ラミネートフィルムを浸透せず(又は浸透し切らず)、耐熱性基材との接着部分に至らない(至っても影響を与えない)ため、包装用容器の品質向上が期待できる。
また、上記熱可塑性樹脂層として、ポリエステル系樹脂が採用され、さらには上記ポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート系樹脂であり、またさらに上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂が二軸延伸されており、さらにまた上記熱可塑性樹脂層の引張破断伸度が100%以上であることで、上述した特性が非発泡ラミネートフィルムに備わってデラミ現象をより効果的に抑制することが期待できるばかりでなく、印刷層の美麗性の向上を図ることができる。すなわち、上記熱可塑性樹脂層が二軸延伸されていることによる透明性及び印刷ピッチ性の向上に伴い印刷層の視認性が向上すると共に、所望の引張破断伸度を有することにより印刷層の伸びムラを抑制できるため、積層された印刷層の内容を成型後も所望の状態で表せる効果が期待できる。
また、上記熱可塑性樹脂層の引張破断伸度が100%以上、さらに150℃における熱収縮率が3.0%以下、またさらに上記耐熱性基材に対する上記非発泡ラミネートフィルムの剥離強度は3.0N/15mm以上であることで、デラミ現象の抑制及び印刷美麗性の向上のみならず、成型性の向上を図ることができる。すなわち、所望の引張破断伸度に加え、電子レンジ等で加熱した食品の温度(約150℃)に対して収縮率を抑えたり、様々な成型にも耐え得る剥離強度を持たせたりすることで、複雑な形状でも所望の状態に成型できる効果が期待できる。
また、耐熱性基材1に対して、少なくとも片面に非発泡表面層12,12(又は非発泡中間層13,13の外側に非発泡表面層12,12)を積層することで、剛性、表面平滑性と共に、耐熱性の向上を図ることができる。
本発明の包装用容器の一例を示す正面図である。 上記包装容器の部分拡大端面図である。 上記包装用容器の使用状態を示す概念図である。
以下、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態による包装用容器(以下、「包装用容器」ともいう。)の概要を説明する。
図1及び図2に示すように、本包装用容器は、最外層に耐熱性基材1と、最内層に非発泡ラミネートフィルム2とが積層されてなる包装用容器Pであって、この耐熱性基材は、発泡層11を有し、この非発泡ラミネートフィルムは、少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層21を有し、上記熱可塑性樹脂層のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmであってもよい。
ここで、熱可塑性樹脂層21としては、ポリエステル系樹脂で構成されており、その中でもポリブチレンテレフタレート系樹脂が好ましく、このポリブチレンテレフタレート系樹脂が二軸延伸されていていることがより好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂層21の引張破断伸度が100%以上、150℃における熱収縮率が3.0%以下、耐熱性基材1に対する非発泡ラミネートフィルム2の剥離強度が3.0N/15mm以上であることが好ましい。
また、耐熱性基材1が、発泡層11の少なくとも片面に積層される非発泡表面層12、又は非発泡中間層13とこの非発泡中間層の外側に積層される非発泡表面層12とで構成されていてもよい。
次に、本包装用容器を構成する耐熱性基材及び非発泡ラミネートフィルムの詳細を説明する。
なお、図面上では確認できず見えない部位については、その部位の該当箇所や引き出し線を破線で示しているものもある。図面上では仮想で描写している部位については、その部位や引き出し線を二点鎖線で示しているものもある。
図1及び図2に示す耐熱性基材1は、ポリプロピレン系樹脂で構成されており、さらに発泡剤が混入してある発泡層11と、この発泡層の両面に積層された非発泡中間層13と、この非発泡中間層の両面に積層された非発泡表面層12とで構成されていてもよい。非発泡表面層12の一方は本包装用容器の最外層(外気接触面)に該当し、非発泡中間層13の一方は非発泡ラミネートフィルム2との接触面に該当してもよい。各層には、無機フィラー(タルク)が含有されていてもよい。発泡層11の厚みは300〜1500μm、非発泡表面層の厚みは1〜20μm、非発泡中間層の厚みは50〜300μmでもよい。
この構成によれば、非発泡表面層12や非発泡中間層13が、包装用容器Pの剛性、表面平滑性と共に、耐熱性能を向上させたり、タルクを含有する発泡層11が発する異物(メヤニ等)や臭気を抑制したり、成型不良を予防したりすることが期待できる。
なお、発泡層11の両面には、非発泡中間層13がなく、非発泡表面層12のみ積層されていてもよい。さらに、耐熱性基材1が、発泡層11、非発泡表面層12、及び非発泡中間層13の区分けがなく、例えば、耐熱性を有する素材(耐熱PSP、耐熱発泡PET等)で構成される単層でもよい。
図1及び図2に示す非発泡ラミネートフィルム2は、ポリエステル系樹脂(好ましくは、二軸延伸されたポリブチレンテレフタレート系樹脂)で構成された熱可塑性樹脂層21と、この熱可塑性樹脂層に面して積層された印刷層22と、耐熱性基材1とこの非発泡ラミネートフィルムとをドライラミネート方式で接着する際に付着されたドライラミ接着剤層23とで構成されていてもよい。熱可塑性樹脂層21は本包装用容器の最内層(食品接触面)に該当し、印刷層22はこの熱可塑性樹脂層21とドライラミ接着剤層23との間に位置してもよい。
熱可塑性樹脂層21としては、SP値が9.0以上(例えば、10.0)、厚みが10〜30μm(さらには12〜25μm)、引張破断伸度が100%以上、150℃における熱収縮率が3.0%以下であってもよい。
耐熱性基材1に対する非発泡ラミネートフィルム2の剥離強度としては、3.0N/15mm以上であってもよい。
この構成によれば、上述した数値特性を有する熱可塑性樹脂層21を最内層にすることで、下位層の印刷層22やドライラミ接着剤層23に食品の油等を浸透させないよう防御することができる。さらに、熱可塑性樹脂層21が二軸延伸されており、かつ印刷層22が最内層に隣接していることで、この熱可塑性樹脂層越しから印刷内容が見えやすくすることができる。さらに、電子レンジ等で加熱しても熱可塑性樹脂層21は収縮しにくく、かつ複雑な形状に成型しても耐熱性基材1と非発泡ラミネートフィルム2が剥離せず所望の状態を維持することができる。
なお、熱可塑性樹脂層21以外の他の熱可塑性樹脂層(例えば、ポリプロピレン樹脂層等)が積層されていてもよい。熱可塑性樹脂層21は、無延伸のものでも一軸、又は二軸延伸されたものでもよい。熱可塑性樹脂層21と印刷層22とがドライラミネート方式によるドライラミ接着剤層を介して隣接していてもよい。耐熱性基材1と非発泡ラミネートフィルム2とは、コート剤にて接着されていてもよい。
ここで、図1〜図3を参照しつつ、本包装用容器の概要及び使用状態の一例について説明する。
図1及び図3に示すとおり、本包装用容器(以下、「包装用容器P」ともいう。)は、油性の食品Fを収納できる形状であれば特に限定はなく、例えば、この食品が載置される底部(符番しない)と、この底部から斜め上方に拡開して立設された側壁部(符番しない)と、この側壁部の上端から外方に延出されたフランジ部(符番しない)とを備えており、所定の蓋体(フィルム状のトップシール、内嵌合式又は外嵌合式の成型蓋等)で開口部分を閉蓋されてもよい。
電子レンジで食品Fを加熱すると、この食品自体が発する油や調理時(調理用や調味料)の油が液状化して流動性が高まるため、これらの成分及び温度上昇に伴い、包装用容器Pとの接触部分(最内層)から下層に浸透しようとする。このとき、図2に示すとおり、最内層に該当する非発泡ラミネートフィルム2の熱可塑性樹脂層21が、これらの油分が印刷層22やドライラミ接着剤層23に浸透する(又は浸透し切ってこのドライラミ接着剤層を剥離する)のを予防する。したがって、高温状態の食品等の油分が耐熱性基材1と非発泡ラミネートフィルム2との間に入り込むデラミ現象を回避することができる。
ここで、以下に列挙する実施例及び比較例の条件にて成型した包装用容器に対する評価試験(以下、「本評価試験」ともいう。)について説明する。
まず、本評価試験の項目、実施例及び比較例に則って成型した包装用容器の試験方法を説明する。
本評価試験の項目は、包装用容器の耐熱性(容器変形の有無)、デラミ現象の有無、成型による腑形性、印刷層の美麗性、及びコスト性とする。
本評価試験では、包装用容器の成型方法として真空成型を採用し、成型された包装用容器に加熱用のカレーを収納して1900W出力の電子レンジで1分加熱した後の包装用容器の状態を目視にて観察するものとする。
次に、実施例1〜11の試験条件を以下に列挙する。
≪実施例1≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度100%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:15μm
(基材)
層構成:(最外層側から)表面層[ポリプロピレン(PP)、厚み10μm]、中間層[ポリプロピレン(PP+タルク)、厚み150μm]、発泡層[ポリプロピレン(PP+発泡剤)、厚み800μm]、中間層(上記と同じ)、表面層(上記と同じ)
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
3.0N/15mm以上
≪実施例2≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度100%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤、無延伸ポリプロピレン層(CPP、厚み25μm)、コート剤
フィルム厚合計:40μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例3≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度100%以上、熱収縮率3.0%以下)、ドライラミ接着剤、印刷層、無延伸ポリプロピレン層(CPP、厚み25μm)、コート剤
フィルム厚合計:40μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例4≫
(ラミネートフィルム)
実施例1と同じ
(基材)
層構成:(最外層側から)表面層[ポリプロピレン層(PP)、厚み10μm]、発泡層[ポリプロピレン層(PP+発泡剤)、厚み1000μm]、表面層(上記と同じ)
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例5≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度100%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤、ポリスチレン層(CPS、厚み20μm)
フィルム厚合計:30μm
(基材)
層構成:表面層[ポリスチレンペーパー(PSP)、厚み3000μm]
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例6≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)ポリブチレンテレフタレート層(PBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度100%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤、ポリスチレン層(CPS、厚み20μm)
フィルム厚合計:15μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例7≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度50%、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:15μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例8≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率5.0%)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:15μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例9≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み12μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:12μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例10≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み25μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:25μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
実施例1と同じ
≪実施例11≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み15μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:15μm
(基材)
実施例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
1.0N/15mm未満
次に、比較例1〜3の試験条件を以下に列挙する。
≪比較例1≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み8μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:8μm
(基材)
層構成:(最外層側から)表面層[ポリプロピレン(PP)、厚み10μm]、中間層[ポリプロピレン(PP+タルク)、厚み150μm]、発泡層[ポリプロピレン(PP+発泡剤)、厚み800μm]、中間層(上記と同じ)、表面層(上記と同じ)
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
3.0N/15mm以上
≪比較例2≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層(OPBT、厚み40μm、SP値10.0、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:40μm
(基材)
比較例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
比較例1と同じ
≪比較例3≫
(ラミネートフィルム)
層構成:(最内層側から)無延伸ポリプロピレン層(CPP、厚み25μm、SP値7.5、引張破断伸度50%以上、熱収縮率3.0%以下)、印刷層、ドライラミ接着剤
フィルム厚合計:40μm
(基材)
比較例1と同じ
(ラミネートフィルムと基材との接着強度)
比較例1と同じ
次に、上述した実施例や比較例の試験条件の相違点を説明する。
≪実施例1〜3の試験条件の相違点≫
実施例1と実施例2及び3との相違点は、非発泡ラミネートフィルムの層構成であり、実施例1にはポリプロピレン層がなく、実施例2及び3にはポリプロピレン層がある。
実施例2と3との相違点は、印刷層の位置であり、実施例2では二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層に隣接しており、実施例3では二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層に隣接していない。
≪実施例1、4、5の試験条件の相違点≫
実施例1と実施例4及び5との相違点は、耐熱性基材の層構成であり、実施例1では中間層があるが、実施例4及び5には中間層がない。
実施例4と5との相違点は、耐熱性基材を構成する素材の種類であり、実施例4ではポリプロピレンを主成分とし、実施例5ではポリスチレンペーパーを主成分としている。
≪実施例1、6〜10の試験条件の相違点≫
実施例1と実施例6〜10との相違点は、非発泡ラミネートフィルムの特性であり、実施例1に対し、実施例6では二軸延伸していないポリブチレンテレフタレートを採用し、実施例7では引張破断伸度が50%であり、実施例8では150℃での熱収縮率が5.0%であり、実施例9では二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層の厚みが12μmであり、実施例10では二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層の厚みが25μmである。
≪実施例1、11の試験条件の相違点≫
実施例1と実施例11との相違点は、非発泡ラミネートフィルムと基材との接着強度であり、実施例1に対し、実施例11では1.0N/15mm未満である。
≪実施例1と比較例1〜3との試験条件の相違点≫
実施例1と比較例1及び2との相違点は、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層の厚みであり、実施例1に対し、比較例1では8μmであり、比較例2では40μmである。
実施例1と比較例3との相違点は、最内層を構成する熱可塑性樹脂の種類であり、実施例1に対し、比較例3では無延伸ポリプロピレン(SP値7.5)を採用している。
≪試験結果≫
ここで、上述した実施例1との相違点を踏まえつつ、実施例1〜11及び比較例1〜3における試験結果を表1に示す。参照の便宜上、同表には上述した各試験条件も記載してある。
なお、「接着強度」とは、非発泡ラミネートフィルムと基材との間の他、所定の熱可塑性樹脂層と印刷層との間を含む他層間を含めてもよい。
評価項目毎の指標は以下とする。
耐熱性:〇(変形なし)、△(変形の恐れややあり)、×(変形の恐れあり)
デラミ有無:〇(なし)、△(恐れややあり)、×(恐れあり)
成型による腑形性:〇(良好)、△(やや不良)、×(不良)
印刷美麗性:〇(見やすい)、△(やや見え難い)、×(見え難い)
コスト性:〇(妥当)、△(やや割高)、×(割高)
総合評価:◎(問題なし)、〇(概ね問題なし)、×(問題あり)
Figure 2019038577
実施例1では、加熱による包装用容器の変形は見受けられず(耐熱性:〇)、食品の油は非発泡ラミネートフィルムを浸透せず耐熱性基材との間や各層間に滞留せず(デラミ有無:〇)、非発泡ラミネートが成型金型に追従して所望の形状及び状態に成型でき(成型による腑形性:〇)、包装用容器の最内層から印刷層の状態を目視にて鮮明に確認でき(印刷美麗性:〇)、原料費は妥当であり(コスト性:〇)、包装用容器として何ら問題はなかった(総合評価:◎)。
実施例2及び3では、ポリプロピレン層の存在により原料費がやや嵩む恐れはあるが(コスト性:△)、それ以外の評価項目は良好であり(〇)、実施例2及び3の相違点(印刷層の位置)による影響もなく、包装用容器として特段問題はなかった(総合評価:〇)。
実施例4及び5では、耐熱性基材の中間層や表面層がない分、包装用容器としては脆弱でやや変形が見受けられる恐れはあるが(耐熱性:△)、それ以外の評価項目は良好であり(〇)、実施例4と5との相違点(耐熱性基材の素材の種類)による影響もなく、包装用容器として特段問題はなかった(総合評価:〇)。
実施例6〜10のうち、実施例6ではポリブチレンテレフタレートが二軸延伸されていない分、成型後に伸縮のむらが随所に発生し印刷層の状態がやや不鮮明に見える恐れはあり(印刷美麗性:△)、実施例7では引張破断伸度が小さめの分、成型金型に追従しきれないことから形状が限定される恐れはあり(成型による腑形性:△)、実施例8では150℃での熱収縮率が高めの分、加熱温度や加熱された油により収縮して包装用容器がやや変形してしまう恐れはあり(耐熱性:△)、実施例9では二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層が薄めの分、食品の油が浸透して耐熱性基材に到達してやや滞留する恐れはあり(デラミ有無:△)、成型金型に追従しきれないことから形状が限定される恐れはあり(成型による腑形性:△)、実施例10で二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層が厚めの分、原料費がやや嵩んでしまう恐れはあるが(コスト性:△)、各々の実施例にて上記した点以外の評価項目は良好であり(〇)、包装用容器として特段問題はなかった(総合評価:〇)。
実施例11では、非発泡ラミネートフィルムと基材との接着強度が低い分、剥離により成型金型に追従しきれないことから形状が限定される恐れはあるが(成型による腑形性:△)、それ以外の評価項目は良好であり(〇)、包装用容器として特段問題はなかった(総合評価:〇)。
比較例1では、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層が薄めの分、食品の油が浸透して耐熱性基材に到達して滞留する恐れがあり(デラミ有無:×)、かつ成型金型に追従しきれず破断する恐れがあるため(成型による腑形性:×)、包装用容器として問題があると判断した(総合評価:×)。
一方、比較例2では、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート層が厚めの分、原料費が嵩んでしまう恐れはあるため(コスト性:△)、包装用容器として問題があると判断した(総合評価:×)。
さらに、比較例3では、最内層が無延伸ポリプロピレンである分、食品の油のSP値に近く、油が浸透して耐熱性基材に到達して滞留する恐れがあるため(デラミ有無:×)、包装用容器として問題があると判断した(総合評価:×)。
以下に、上述した実施形態及び実施例を踏まえて、本包装用容器の効果について図1〜図3を参照しつつ説明する。
本包装用容器では、耐熱性基材1に積層される非発泡ラミネートフィルム2を構成する熱可塑性樹脂層21のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmであることにより、電子レンジ等で加熱しても食品Fから生じる油がこの熱可塑性樹脂層を浸透しにくく、この非発泡ラミネートフィルムと耐熱性基材との間に油が入り込まず滞留もしないため、デラミ現象の発生を防ぐことができる。すなわち、熱可塑性樹脂層22のSP値と厚みとの組合せにより、油が非発泡ラミネートフィルム2を浸透せず(又は浸透し切らず)、耐熱性基材1との接着部分に至らない(至っても影響を与えない)ため、包装用容器Pの品質向上が期待できる。
また、熱可塑性樹脂層21として、ポリエステル系樹脂が採用され、さらにはこのポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート系樹脂であり、またさらにこのポリブチレンテレフタレート系樹脂が二軸延伸されており、さらにまたこの熱可塑性樹脂層の引張破断伸度が100%以上であることで、上述した特性が非発泡ラミネートフィルム2に備わってデラミ現象をより効果的に抑制することが期待できるばかりでなく、印刷層2の美麗性の向上を図ることができる。すなわち、熱可塑性樹脂層21が二軸延伸されていることによる透明性及び印刷ピッチ性の向上に伴い印刷層22の視認性が向上すると共に、所望の引張破断伸度を有することにより印刷層の伸びムラが抑制できるため、積層されたこの印刷層の内容を成型後も所望の状態で表せる効果が期待できる。
また、熱可塑性樹脂層21の引張破断伸度が100%以上、さらに150℃における熱収縮率が3.0%以下、またさらに耐熱性基材1に対する非発泡ラミネートフィルム2の剥離強度は3.0N/15mm以上であることで、デラミ現象の抑制及び印刷美麗性の向上のみならず、成型性の向上を図ることができる。すなわち、所望の引張破断伸度に加え、電子レンジ等で加熱した食品の温度(約150℃)に対して収縮率を抑えたり、様々な成型にも耐え得る剥離強度を持たせたりすることで、複雑な形状でも所望の状態に成型できる効果が期待できる。
また、耐熱性基材1に対して、少なくとも片面に非発泡表面層23(又は非発泡中間層22の外側に非発泡表面層23)を積層することで、剛性、表面平滑性と共に、耐熱性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態における包装用容器は、例えば真空成型、圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型、熱板成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されてもよく、深絞り包装としてシートを金型に合わせて容器状に成型したものでもよい。
本実施形態における非発泡ラミネートフィルムを構成する印刷層は、粉体が含まれる層でもよく、例えば、金属インキが印刷されて形成された金属粉を有する金属光沢層でもよい。金属粉としては、例えば、アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、青銅粉、亜鉛粉、これらの粉末の混合物、その他の金属や合金の粉末又は金属蒸着細片等の金属光沢成分として従来公知の様々な形態を有する金属粉でもよい。また、例えば、黄色や赤色等の着色剤と混合されて色調が調整された金属粉でもよい。さらに、無機粒子の表面に金属の膜が形成されたものであってもよい。さらに、無機粉体(例えば、ガラスフレーク、マイカ、セリサイト、タルク又はこれら2種類以上の混合物)でも良い。また、粉体含有量は、光沢を十分に発現させるために5mg/m以上が適しているが、印刷層が厚くなりすぎると、成型性の低下を招くため、5〜500mg/mが好ましく、より好ましくは10〜200mg/m、さらにより好ましくは20〜100mg/mが好ましい。
本実施形態で採用しているドライラミネート法とは、一般的には、所定のフィルムの表面に所定の接着剤を塗布し、乾燥させた後、他のフィルムと圧着して貼り合わせる方法のことを示してもよい。
1 耐熱性基材
11 発泡層
12 表面層
13 中間層
2 非発泡ラミネートフィルム
21 熱可塑性樹脂層
22 印刷層
P 包装用容器

Claims (10)

  1. 最外層に耐熱性基材と、最内層に非発泡ラミネートフィルムとが積層されてなる包装用容器であって、
    前記耐熱性基材は、発泡層を有し、
    前記非発泡ラミネートフィルムは、少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層を有し、
    前記熱可塑性樹脂層のSP値が9.0以上、かつ厚みが10〜30μmである
    ことを特徴とする包装用容器。
  2. 前記熱可塑性樹脂層がポリエステル系樹脂で形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記熱可塑性樹脂層がポリブチレンテレフタレート系樹脂で形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
  4. 前記熱可塑性樹脂層が二軸延伸されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装用容器。
  5. 前記熱可塑性樹脂層の引張破断伸度が100%以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装用容器。
  6. 前記熱可塑性樹脂層の150℃における熱収縮率が3.0%以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装用容器。
  7. 前記耐熱性基材に対する前記非発泡ラミネートフィルムの剥離強度が3.0N/15mm以上である
    ことを特徴する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装用容器。
  8. 前記耐熱性基材が、前記発泡層の少なくとも片面に積層される非発泡表面層を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の包装用容器。
  9. 前記耐熱性基材が、前記発泡層の少なくとも片面に積層される非発泡中間層と、当該非発泡中間層の外側に積層される非発泡表面層とを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の包装用容器。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の包装用容器に油性食品を入れ、電子レンジで加熱する
    ことを特徴とする包装用容器の使用方法。
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