JP2019038576A - 紙カップ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却時の二酸化炭素排出量を顕著に低減することのできる紙カップ容器の提供。【解決手段】本発明の紙カップ容器は、紙カップ容器胴部用部材と、紙カップ容器底部用部材とを備え、紙カップ容器胴部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、をこの順に備える紙カップ容器胴部用積層体から形成され紙カップ容器底部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、第二の押出樹脂層をこの順に備える紙カップ容器底部用積層体から形成され、紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収材を含み、紙カップ容器底部用積層体が備える第一押出樹脂層および/または第二の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収剤を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、紙カップ容器に関し、より詳細には、焼却の際の二酸化炭素排出量をより一層低減することができる紙カップ容器に関する。
従来より、紙カップ容器の作製には、紙基材およびヒートシール性を有する樹脂を含む層を備える積層体が使用されている。
このような積層体を構成する材料は、ごく一部でリサイクルがされているに過ぎず、その大部分は廃棄後に焼却されており、近年、焼却の際に発生する二酸化炭素が地球温暖化等の環境問題を引き起こすとして問題視されている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、焼却時の二酸化炭素排出量を顕著に低減することのできる紙カップ容器を提供することである。
本発明の紙カップ容器は、紙カップ容器胴部用部材と、紙カップ容器底部用部材とを備え、
紙カップ容器胴部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、をこの順に備える紙カップ容器胴部用積層体から形成され
紙カップ容器底部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、第二の押出樹脂層をこの順に備える紙カップ容器底部用積層体から形成され、
紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収材を含み、
紙カップ容器底部用積層体が備える第一押出樹脂層および/または第二の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収剤を含むことを特徴とする。
一実施形態において、紙カップ容器胴部用積層体は、紙基材と、第一の押出樹脂層と、ガスバリア層と、第二の押出樹脂層と、をこの順に備える。
一実施形態において、紙カップ容器胴部用積層体が備える上記第二の押出樹脂層は、二酸化炭素吸収材を含む。
一実施形態において、紙カップ容器底部用積層体は、第一の押出樹脂層と、紙基材と、第二の押出樹脂層と、バリア層と、第三の押出樹脂層と、をこの順に備える。
一実施形態において、紙カップ容器底部用積層体が備える第一押出樹脂層、第二の押出樹脂層および/または第三の押出樹脂層は、二酸化炭素吸収剤を含む。
一実施形態において、紙カップ容器胴部用積層体が備える第一の押出樹脂層および/または第二の押出樹脂層は、分散剤をさらに含む。
一実施形態において、紙カップ容器底部用積層体が備える第一の押出樹脂層、第二の押出樹脂層および/または第三の押出樹脂層は、分散剤をさらに含む。
一実施形態において、紙カップ容器胴部用積層体が備える第一の押出樹脂層および/または第二の押出樹脂層中における二酸化炭素吸収剤および分散剤の合計含有量は、それぞれ、0.1質量%以上、5質量%以下である。
一実施形態において、紙カップ容器底部部用積層体が備える第一の押出樹脂層、第二の押出樹脂層および/または第三の押出樹脂層中における二酸化炭素吸収剤および分散剤の合計含有量は、それぞれ、0.1質量%以上、5質量%以下である。
本発明によれば、焼却時の二酸化炭素排出量を顕著に低減することのできる紙カップ容器を提供することができる。
本発明の紙カップ容器の一例を示す部分断面図である。 紙カップ容器胴部用積層体の一例を示す模式断面図である。 紙カップ容器胴部用積層体の一例を示す模式断面図である。 紙カップ底器胴部用積層体の一例を示す模式断面図である。 紙カップ底器胴部用積層体の一例を示す模式断面図である。 紙カップ用胴部部材の作製方法の一例を示す模式図である。 紙カップ用底部部材の作製方法の一例を示す模式図である。 紙カップ用胴部部材と、紙カップ用底部部材との接着方法の一例を示す模式図である。 紙カップ用胴部部材と、紙カップ用底部部材との接着方法の一例を示す模式図である。 カールトップ部の形成方法の一例を示す模式図である。
<紙カップ容器>
本発明の紙カップ容器について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、紙カップ容器10は、紙カップ容器胴部用部材11(以下、場合により単に「胴部用部材」という。)と、紙カップ容器底部用部材12(以下、場合により単に「底部用部材」という。)とを備える。
一実施形態において、胴部用部材11の下端部は、底部用部材12が備える屈曲部13を挟み込むようにして、内側に折り込まれ、接着される。該接着は、後記するように、これら部材をヒートシールすることにより行ってもよく、接着剤等により接着してもよい。
また、一実施形態において、本発明の紙カップ容器10が備える胴部用部材11は、その上端部を外向きに屈曲させることにより形成されるカールトップ部14を有する。
<紙カップ容器胴部用部材>
本発明の紙カップ容器が備える紙カップ容器胴部用部材は、紙カップ容器胴部用積層体(以下、場合により単に「胴部用積層体」という。)から形成される。
該胴部用積層体20は、図2に示すように、少なくとも、第一の押出樹脂層21と、紙基材22と、をこの順に備える。
また、一実施形態において、胴部用積層体20は、図3に示すように、第一の押出樹脂層21と、紙基材22と、第二の押出樹脂層23とをこの順に備える。
また、図示しないが、本発明の胴部用積層体20は、任意の層間に、アンカーコート層、バリア層、遮光層等のその他の層を備えてもよい。
なお、胴部用積層体20が備える第一の押出樹脂層21と、後記する底部用積層体30が備える第一の押出樹脂層31とは、同一の構成を有するものであってもよく、異なる構成を有するものであってもよい。また、その厚さについても同一であっても異なっていてもよい。紙基材や第二の押出樹脂層等についても同様である。
以下、胴部用積層体を構成する各層について説明する。
[押出樹脂層]
押出樹脂層は、熱可塑性樹脂と後記する二酸化炭素吸収剤とを用いて溶融押出しラミネート法により形成した層である。
胴部用積層体は、少なくとも1層以上の押出樹脂層を備える。
胴部用積層体が2層以上の押出樹脂層を備える場合(例えば、図3に示される第一の押出樹脂層および第二の押出樹脂層を備える場合)、これらは、それぞれ、同一の構成および厚さであってもよく、異なる構成、厚さを有していてもよい。
また、胴部用積層体が2以上の押出樹脂層を備える場合、2層以上の押出樹脂層のいずれもが、二酸化炭素吸収材を含んでいてもよく、1層のみが二酸化炭素吸収材を含んでいてもよい。なお、全ての押出樹脂層に二酸化炭素吸収剤を含有させた方が、焼却時の二酸化炭素削減効果が向上することは言うまでもない。
また、押出樹脂層は、異なる二酸化炭素吸収剤を2種以上含んでいてもよい。
押出樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)を用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂等を用いることができる。
これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネン等の環状ポリオレフィン等を用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。
上記した熱可塑性樹脂に混合して用いられる二酸化炭素吸収剤としては、二酸化炭素を化学的または物理的に吸着するものであれば、特に限定されることなく使用することができる。
二酸化炭素吸収剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、非晶質アルミノシリケート、天然ゼオライト、合成ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、チタン酸バリウム等のチタン酸化合物、リチウムシリケート、シリカゲル、アルミナおよび活性炭を挙げることができる。これらの中でも、押出樹脂層の透明性という観点からは、アルミノ珪酸塩が特に好ましい。
二酸化炭素吸収剤の形状は特に限定されるものではないが、分散性の観点から、粒子形状であることが好ましい。
また、粒子の大きさは0.01μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、1μm以下であることがより好ましい。粒子の大きさを上記数値範囲とすることにより、二酸化炭素の吸収性能を維持しつつ、押出樹脂層における分散性を向上させることができる。
また、本発明において粒子の大きさは、「平均粒子径」を意味し、動的光散乱法により測定することができる。
上記した熱可塑性樹脂に二酸化炭素吸収剤を混合し、溶融押出しラミネート法により押出樹脂層を形成する方法としては、熱可塑性樹脂のペレットと二酸化炭素吸収剤とを溶融押出機の投入口に供給する方法でもよく、また、二酸化炭素吸収剤を含むマスターバッチを熱可塑性樹脂のペレットとともに溶融押出機の投入口に供給する方法であってもよい。いずれの場合であっても、溶融押出機の溶融混練時に二酸化炭素吸収剤が熱可塑性樹脂中に均一に分散するようにするためには、分散剤を併用することが好ましい。分散剤を併用することにより、二酸化炭素吸収剤が凝集し、表面積が小さくなり、二酸化炭素の吸収性能が低下してしまうのを防止することができる。
分散剤は、その分子内に水酸基を有していることが好ましい。
具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物等が挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素吸収剤の分散性が特に優れるという理由から、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物が好ましい。
分散剤の質量平均分子量は、流動性およびブリードアウト防止の観点から、1000以上、5000以下であることが好ましく、3000以上、4000以下であることがより好ましい。
二酸化炭素吸収剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練する際には、二酸化炭素吸収剤が両親媒性脂質の脂質二重層内に取り込まれた状態で、熱可塑性樹脂と混合することが好ましい。両親媒性脂質としては、例えば、リン脂質が挙げられ、より具体的には、ホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロールおよびスフィンゴミエリン等を挙げることができる。両親媒性脂質は自己組織化により、溶融混練時の熱可塑性樹脂中において、脂質二重層を形成するため、これに二酸化炭素吸収剤を取り込ませることにより、樹脂中に均一に二酸化炭素吸収剤を分散させることができる。
各押出樹脂層中に含まれる二酸化炭素吸収剤および分散剤の合計含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1質量%以上、1質量%以下である。二酸化炭素吸収剤および分散剤の含有量を上記数値範囲とすることにより、焼却時の二酸化炭素排出量をより一層低減できる。
また、押出樹脂層と隣合う層との層間剥離の発生を抑制することができる。
さらに、押出樹脂層の透明性も維持することができるため、印刷層が、押出樹脂層と隣合う層として存在する場合、その視認性低下を抑制することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、押出樹脂層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤を含むことができる。
押出樹脂層の厚みは、特に制限されるものではないが、5μm以上、60μm以下であることが好ましい。押出樹脂層の厚みを上記数値範囲とすることで、焼却時の二酸化炭素排出量をより一層低減でき、透明性や層間剥離の問題も解消できる包装袋用積層体とすることができる。
[紙基材]
紙基材は胴部用積層体を支持するための層であり、用途に応じ、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができる。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。
紙基材は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。
紙基材の坪量は、80g/m以上、600g/m以下であることが好ましく、100g/m以上、450g/m以下であることがより好ましい。紙基材の坪量を上記数値範囲とすることにより、本発明の胴部用積層体の加工容易性を維持しつつ、該胴部用積層体を用いて製造したカップ容器の強度を向上させることができる。
また、隣合う層との接着性向上のため、紙基材表面に、所望により、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理等の表面処理を施すことができる。
紙基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷層(図示せず)が設けられていてもよい。印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、紙基材の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の従来公知の方式を用いることができる。
紙基材に印刷層が設けられている場合、押出樹脂層が保護層として機能し、印刷の経時的な劣化を防止することができる。
[アンカーコート層]
一実施形態において、胴部用積層体は、隣合う層同士の密着性向上を目的として、任意の層間に、アンカーコート層を備える。
アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
アンカーコート層は、任意の層上に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成することができる。
アンカーコート層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.05μm以上、1μm以下とすることができる。
[バリア層]
一実施形態において、胴部用積層体は、任意の層間に、バリア層を備える。
バリア層は、内容物の保存期間を延ばすために設けられるものであり、アルミニウム、同、亜鉛、菌、銀およびこれらの合金の金属箔、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6等の芳香族ポリアミド等の、ガスバリア性を有する樹脂層等を用いることができる。
バリア層の厚さは、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。バリア層の厚さを上記数値範囲とすることにより、焼却時における二酸化炭素の発生を抑制することができ、二酸化炭素吸収剤の使用量を低減させることができる。
また、任意の層上に、無機物または無機酸化物の蒸着膜を設け、バリア層としてもよい。蒸着膜を形成する材料としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物が挙げられる。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機物または無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する無機物または無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å程度、好ましくは、100〜1000Å程度の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚50〜600Å程度、100〜450Å程度が望ましく、また、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着膜の場合には、膜厚50〜500Å程度、100〜300Å程度が望ましい。
また、蒸着層の上に、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合する透明ガスバリア性組成物により得られるガスバリア性塗布膜が設けられていてもよい。
[遮光層]
一実施形態において、胴部用積層体は、任意の層間に遮光層を備える。
遮光層は、内容物へ紫外線および/または可視光が到達してしまうことを防止するために設けられる層である。遮光層は、酸化チタン等を主成分とするホワイトインキ、カーボンブラック等を主成分とするブラックインキ、アルミペーストを主成分とするグレーインキ等を用いて、形成することができる。なお、上記したように、バリア層としてアルミニウム箔等の金属箔を使用する場合は、バリア層が遮光層を兼ねる場合がある。
遮光層の厚さは、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。
<紙カップ容器底部用部材>
本発明の紙カップ容器が備える底部用部材は、紙カップ容器底部用積層体(以下、場合により、単に「底部用積層体」という。)から形成される。
該底部用積層体30は、図4に示すように、少なくとも、第一の押出樹脂層31と、紙基材32と、第二の押出樹脂層33と、をこの順に備える。
また、一実施形態において、底部用積層体30は、図5に示すように、第一の押出樹脂層31と、紙基材32と、第二の押出樹脂層33と、バリア層34と、第三の押出樹脂層35と、をこの順に備える。
また、一実施形態において、底部用積層体30は、図5に示すように、任意の層間に、アンカーコート層36を備える。
また、図示しないが、本発明の底部用積層体30は、任意の層間に、遮光層等のその他の層を備えてもよい。
底部用積層体を構成する各層について説明する。
[押出樹脂層]
底部用積層体は、少なくとも2層以上の押出樹脂層を備える。
この場合、これらは、それぞれ、同一の構成および厚さであってもよく、異なる構成、厚さを有していてもよい。
また、底部用積層体が備える押出樹脂層のいずれもが、二酸化炭素吸収材を含んでいてもよく、1層のみが二酸化炭素吸収材を含んでいてもよい。なお、全ての押出樹脂層に二酸化炭素吸収剤を含有させた方が、焼却時の二酸化炭素削減効果が向上することは言うまでもない。
また、押出樹脂層は、異なる二酸化炭素吸収剤を2種以上含んでいてもよい。
押出樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)を用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、上記樹脂を用いることができる。また、上記樹脂を、単独または複数を組み合せて使用できる。
上記した熱可塑性樹脂に混合して用いられる二酸化炭素吸収剤としては、上記した二酸化炭素吸収材を特に限定されることなく使用することができる。押出樹脂層の透明性という観点からは、アルミノ珪酸塩が特に好ましい。
二酸化炭素吸収剤の形状は特に限定されるものではないが、分散性の観点から、粒子形状であることが好ましい。
また、粒子の大きさは0.01μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上、1μm以下であることがより好ましい。粒子の大きさを上記数値範囲とすることにより、二酸化炭素の吸収性能を維持しつつ、押出樹脂層における分散性を向上させることができる。
押出樹脂層は、二酸化炭素吸収剤の分散性およびその二酸化炭素吸収能の観点から、分散剤を含むことが好ましい。分散剤としては、上記したものを使用することができ、分子内に水酸基を有していることが好ましい。二酸化炭素吸収剤の分散性が特に優れるという理由から、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物が、特に好ましい。
分散剤の質量平均分子量は、流動性およびブリードアウト防止の観点から、1000以上、5000以下であることが好ましく、3000以上、4000以下であることがより好ましい。
二酸化炭素吸収剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練する際には、二酸化炭素吸収剤が両親媒性脂質の脂質二重層内に取り込まれた状態で、熱可塑性樹脂と混合することが好ましい。両親媒性脂質としては、上記したものを使用することができる。
各押出樹脂層中に含まれる二酸化炭素吸収剤および分散剤の合計含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1質量%以上、1質量%以下である。二酸化炭素吸収剤および分散剤の含有量を上記数値範囲とすることにより、焼却時の二酸化炭素排出量をより一層低減できる。
また、押出樹脂層と隣合う層との層間剥離の発生を抑制することができる。
さらに、押出樹脂層の透明性も維持することができるため、印刷層が、押出樹脂層と隣合う層として存在する場合、その視認性低下を抑制することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、押出樹脂層は、上記した各種添加剤を含むことができる。
押出樹脂層の厚みは、特に制限されるものではないが、5μm以上、60μm以下であることが好ましい。押出樹脂層の厚みを上記数値範囲とすることで、焼却時の二酸化炭素排出量をより一層低減でき、透明性や層間剥離の問題も解消できる包装袋用積層体とすることができる。
[紙基材]
紙基材は底部用積層体を支持するための層であり、上記したクラフト紙等を使用することができる。紙基材層は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。
紙基材の坪量は、80g/m以上、600g/m以下であることが好ましく、100g/m以上、450g/m以下であることがより好ましい。紙基材の坪量を上記数値範囲とすることにより、本発明の胴部用積層体の加工容易性を維持しつつ、該胴部用積層体を用いて製造したカップ容器の強度を向上させることができる。
また、隣合う層との接着性向上のため、紙基材表面に、所望により、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理等の表面処理を施すことができる。
紙基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷層(図示せず)が設けられていてもよい。
[アンカーコート層]
一実施形態において、底部用積層体は、隣合う層同士の密着性向上を目的として、任意の層間に、アンカーコート層を備える。
アンカーコート剤としては、上記したものを使用することができる。
アンカーコート層は、任意の層上に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成することができる。
アンカーコート層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.05μm以上、1μm以下とすることができる。
[バリア層]
一実施形態において、底部用積層体は、任意の層間に、バリア層を備える。
バリア層は、内容物の保存期間を延ばすために設けられるものであり、上記した金属箔、ガスバリア性を有する樹脂層等を用いることができる。
バリア層の厚さは、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。バリア層の厚さを上記数値範囲とすることにより、焼却時における二酸化炭素の発生を抑制することができ、二酸化炭素吸収剤の使用量を低減させることができる。
また、任意の層上に、上記した無機物または無機酸化物の蒸着膜を設け、ガスバリア層とすることができる。
本発明において、上記のような無機物または無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する無機物または無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å程度、好ましくは、100〜1000Å程度の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚50〜600Å程度、100〜450Å程度が望ましく、また、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着膜の場合には、膜厚50〜500Å程度、100〜300Å程度が望ましい。
また、蒸着層の上に、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合する透明ガスバリア性組成物により得られるガスバリア性塗布膜が設けられていてもよい。
[遮光層]
一実施形態において、底部用積層体は、任意の層間に遮光層を備える。
遮光層は、酸化チタン等を主成分とするホワイトインキ、カーボンブラック等を主成分とするブラックインキ、アルミペーストを主成分とするグレーインキ等を用いて、形成することができる。なお、上記したように、ガスバリア層としてアルミニウム箔等の金属箔を使用する場合は、ガスバリア層が遮光層を兼ねる場合がある。
遮光層の厚さは、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。
<紙カップ容器の製造方法>
本発明の紙カップ容器の製造方法の一例を以下に説明する。
[胴部用部材の作製]
胴部用積層体を、従来公知の打ち抜き機を使用することにより、図6−aに示される形状に打ち抜き、紙カップ容器胴部用ブランク板40を作製する。
次いで、胴部用積層体が、図2に示される構成を有する場合、押出樹脂層が内側となるように、該ブランク板40を、筒状に巻き、その両側端部を、ヒートシールすることにより、図6−bに示される形状の紙カップ容器胴部用部材11を作製することができる。
また、該両端部の接着は、従来公知の接着剤を使用して行ってもよい。
なお、胴部用積層体が、図3に示される構成を有する場合は、いずれの押出樹脂層を内側としてもよい。
[底部用部材の作製]
底部用積層体を、従来公知の打ち抜き機を使用することにより、図7−aに示される形状に打ち抜き、紙カップ容器底部用ブランク板41を作製する。
底部用部材は、底部用積層体が図4に示される構成を有する場合、その外周を、いずれかの層側に、起立成形させることにより、図7−bに示される屈曲部13を有する紙カップ容器底部用部材12を作製することができる。
なお、底部用積層体が図5に示される構成を有する場合、第一の押出樹脂層側に起立成形することにより底部用部材を作製することができる。
[胴部用部材と底部用部材とのヒートシール]
図8−aに示すように、胴部用部材11に、屈曲部13が下方を向け、底部用部材12を挿入し、ホットエアー装置42により熱風を吹付ける。
次いで、図9−aに示すように、カール用型43により、胴部用部材11の下端部を、底部用部材12の屈曲部13に被せるように、内方に折り曲げる。
次いで、図9−bに示すように、胴部用部材11の下端部と、底部用部材12の屈曲部13との重なる部分を、ローレット44により、ローレットがけすることにより、胴部用部材と底部用部材とをヒートシールすることができ、本発明の紙カップ容器を作製することができる。
なお、該接着は、従来公知の接着剤を使用することにより行ってもよい。
[その他の工程]
一実施形態において、胴部用部材11を、上端部を外向きに屈曲させ、カールトップ部14を形成することができる(図10参照)。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
(紙カップ容器胴部用積層体の作製)
紙基材として、坪量260g/mのカップ原紙を準備した。
次いで、紙基材の一方の面上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、30μmの厚さで押出コーティングを行い、第一の押出樹脂層を形成させ、紙カップ容器胴部用積層体を得た。
なお、紙カップ容器胴部用積層体の構成は以下の通りであった。
第一の押出樹脂層/紙基材
(紙カップ容器底部用積層体の作製)
紙基材として、坪量240g/mのカップ原紙を準備した。
次いで、紙基材の両面上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、30μmの厚さで押出コーティングを行い、押出樹脂層を形成させ、紙カップ容器底部用積層体を得た。
なお、紙カップ容器底部用積層体の構成は以下の通りであった。
第一の押出樹脂層/紙基材/第二の押出樹脂層
(紙カップ容器の作製)
上記のようにして得られた紙カップ容器胴部用積層体を、図6−aに示される形状に打ち抜き、紙カップ容器胴部用ブランク板を作製した。該ブランク板を、押出樹脂層が内側となるように、筒状に巻き、その両側端部を、ヒートシールし、図6−bに示される形状の紙カップ容器胴部用部材を作製した。
また、紙カップ容器底部用積層体を、図7−aに示される形状に打ち抜き、図7−bに示すように、その外周を、第二の押出樹脂層側に、起立成形させ、屈曲部を有する紙カップ容器底部用部材を作製した。
上記のようにして作製した紙カップ容器胴部用部材に、紙カップ容器底部用部材を挿入し、図8−aに示すようにホットエアー装置により熱風を吹付け、これらの接合部分を接着させた。
次いで、図9−aに示すように、カール用型により、紙カップ容器胴部用部材の下端部を、紙カップ容器底部用部材の屈曲部に被せるように、内方に折り曲げた。
次いで、図9−bに示すように、紙カップ容器胴部用部材の下端部と、紙カップ容器底部用部材の屈曲部との重なる部分を、ローレットがけすることにより、ヒートシールし、紙カップを作製した。
[実施例2]
(紙カップ容器胴部用積層体の作製)
紙基材として、一方の面がコロナ処理された坪量260g/mのカップ原紙を準備した。
次いで、紙基材のコロナ処理面上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、15μmの厚さで押出ラミネートを行い、ガスバリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔を、第一の押出樹脂層を介して貼り合わせた。
次いで、アルミニウム箔上に、2液硬化型のウレタン系アンカーコート層剤をグラビア方式により乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように塗布し、乾燥させてアンカーコート層を形成した。
該アンカーコート層上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、37μmの厚さで押出コーティングを行い、第二の押出樹脂層を形成させ、紙カップ容器胴部用積層体を製造した。
なお、紙カップ容器胴部用積層体の構成は以下の通りであった。
紙基材/第一の押出樹脂層/ガスバリア層/アンカーコート層/第二の押出樹脂層
(紙カップ容器底部用積層体の作製)
紙基材として、坪量180g/mのカップ原紙を準備した。
次いで、紙基材の一方の面上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、30μmの厚さで押出コーティングを行い、第一の押出樹脂層を形成させた。
次いで、紙基材の他方の面上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、15μmの厚さで押出ラミネートを行い、バリア層として厚さ7μmのアルミニウム箔を、第二の押出樹脂層を介して貼り合わせた。
次いで、アルミニウム箔上に、2液硬化型のウレタン系アンカーコート層剤をグラビア方式により乾燥後の膜厚が0.5μmとなるように塗布し、乾燥させてアンカーコート層を形成した。
該アンカーコート層上に、低密度ポリエチレンに、二酸化炭素吸収剤(アルミノ珪酸塩、平均粒子径:0.1μm)および分散剤(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物)の混合物を、全体に対して0.6質量%となる割合で添加し、押出成形機を用いて330度の温度にて、37μmの厚さで押出コーティングを行い、第三の押出樹脂層を形成させ、紙カップ容器底部用積層体を得た。
なお、紙カップ容器底部用積層体の構成は以下の通りであった。
第一の押出樹脂層/紙基材/第二の押出樹脂層/バリア層/アンカーコート層/第三の押出樹脂層
(紙カップ容器の作製)
上記のようにして得られた紙カップ容器胴部用積層体を、図6−aに示される形状に打ち抜き、紙カップ容器胴部用ブランク板を作製した。該ブランク板を、第二の押出樹脂層が内側となるように、筒状に巻き、その両側端部を、ヒートシールし、図6−bに示される形状の紙カップ容器胴部用部材を作製した。
また、紙カップ容器底部用積層体を、図7−aに示される形状に打ち抜き、その外周を、第一の押出樹脂層側に、起立成形させ、図7−bに示される屈曲部を有する紙カップ容器底部用部材を作製した。
上記のようにして作製した紙カップ容器胴部用部材に、紙カップ容器底部用部材を挿入し、図8−aに示すようにホットエアー装置により熱風を吹付け、これらの接合部分を接着させた。
次いで、図9−aに示すように、カール用型により、紙カップ容器胴部用部材の下端部を、紙カップ用底部用部材の屈曲部に被せるように、内方に折り曲げた。
次いで、図9−bに示すように、紙カップ容器胴部用部材の下端部と、紙カップ容器底部用部材の屈曲部との重なる部分を、ローレットがけすることにより、ヒートシールし、紙カップを作製した。
[比較例1]
二酸化炭素吸収剤および分散剤を使用せず、実施例1と同様の方法にて、紙カップ容器胴部用積層体および紙カップ容器底部用積層体、並びに紙カップ容器を作製した。
を製造した。
[比較例2]
二酸化炭素吸収剤および分散剤を使用せず、実施例2と同様の方法にて、紙カップ容器胴部用積層体および紙カップ容器底部用積層体、並びに紙カップ容器を作製した。
を製造した。
<二酸化炭素排出量の測定>
上記で得られた各紙カップ容器を焼却した際に排出される二酸化炭素の量をTG/DTA試験により残査量を測定することにより求めた。
実施例1の紙カップ容器を焼却した際に排出された二酸化炭素の排出量は、比較例1の紙カップ容器を焼却した際に排出された二酸化炭素の排出量の0.85倍であった。
また、実施例2の紙カップ容器を焼却した際に排出された二酸化炭素の排出量は、比較例2の紙カップ容器を焼却した際に排出された二酸化炭素の排出量の0.80倍であった。
<ラミネート強度の評価>
上記のようにして得られた紙カップ容器底部用積層体のそれぞれについて、以下の各層間のラミネート強度を引張試験機を用い、試験幅15mm幅、引張速度50mm/分にて測定した。測定結果を表1に表す。
<臭気性の評価>
実施例および比較例の紙カップ容器内の匂いについて感応性評価を行ったところ、いずれの紙カップ容器内でも二酸化炭素吸収剤や分散剤の匂いはせず、無臭であった。
10:紙カップ容器
11:紙カップ容器胴部用部材
12:紙カップ容器底部用部材
13:屈曲部
14:カールトップ部
20:紙カップ容器胴部用積層体
21:胴部用積層体が備える第一の押出樹脂層
22:胴部用積層体が備える紙基材
23:胴部用積層体が備える第二の押出樹脂層
30:紙カップ容器底部用積層体
31:底部用積層体が備える第一の押出樹脂層
32:底部用積層体が備える紙基材
33:底部用積層体が備える第二の押出樹脂層
34:底部用積層体が備えるバリア層
35:底部用積層体が備える第三の押出樹脂層
36:底部用積層体が備えるアンカーコート層
40:紙カップ容器胴部用ブランク板
41:紙カップ容器底部用ブランク板
42:ホットエアー装置
43:カール用金型
44:ローレット

Claims (9)

  1. 紙カップ容器胴部用部材と、紙カップ容器底部用部材とを備える紙カップ容器であって、
    前記紙カップ容器胴部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、をこの順に備える紙カップ容器胴部用積層体から形成され
    前記紙カップ容器底部用部材が、少なくとも、第一の押出樹脂層と、紙基材と、第二の押出樹脂層をこの順に備える紙カップ容器底部用積層体から形成され、
    前記紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収材を含み、
    前記紙カップ容器底部用積層体が備える前記第一押出樹脂層および/または前記第二の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収剤を含むことを特徴とする、紙カップ容器。
  2. 前記紙カップ容器胴部用積層体が、紙基材と、第一の押出樹脂層と、ガスバリア層と、第二の押出樹脂層と、をこの順に備える、請求項1に記載の紙カップ容器。
  3. 前記紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第二の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収材を含む、請求項2に記載の紙カップ容器。
  4. 前記紙カップ容器底部用積層体が、第一の押出樹脂層と、紙基材と、第二の押出樹脂層と、バリア層と、第三の押出樹脂層と、をこの順に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙カップ容器。
  5. 前記紙カップ容器底部用積層体が備える前記第一押出樹脂層、前記第二の押出樹脂層および/または前記第三の押出樹脂層が、二酸化炭素吸収剤を含む、請求項4に記載の紙カップ容器。
  6. 前記紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層および/または前記第二の押出樹脂層が、分散剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の紙カップ容器。
  7. 前記紙カップ容器底部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層、前記第二の押出樹脂層および/または前記第三の押出樹脂層が、分散剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の紙カップ容器。
  8. 前記紙カップ容器胴部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層および/または前記第二の押出樹脂層中における前記二酸化炭素吸収剤および前記分散剤の合計含有量が、それぞれ、0.1質量%以上、5質量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の紙カップ容器。
  9. 前記紙カップ容器底部部用積層体が備える前記第一の押出樹脂層、前記第二の押出樹脂層および/または前記第三の押出樹脂層中における前記二酸化炭素吸収剤および前記分散剤の合計含有量が、それぞれ、0.1質量%以上、5質量%以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の紙カップ容器
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112938082A (zh) * 2021-03-31 2021-06-11 青海瑞鸿纸塑包装制品有限公司 一种新型防渗纸杯

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