JP2019038079A - 把持システム - Google Patents

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Shinji Kawabata
晋治 川畑
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Abstract

【課題】ハンド機構に装着されるグローブの破損をより容易に診断する。
【解決手段】複数の指部を支持するベース部の指部側の部位である取付部及び指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、取付部に密着するようにハンド機構に装着されるグローブと、グローブがハンド機構に装着された状態のグローブ内の圧力がグローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、グローブ内の圧力を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、グローブの破損を診断する異常診断部と、を備える。
【選択図】図13

Description

本発明は、把持システムに関する。
ロボットアーム等に取り付けられ、複数の指部によって対象物を把持するハンド機構が開発されている。ハンド機構によって例えば食品を把持させる場合に、衛生面等を考慮してハンド機構にカバー(グローブ)を装着することがある(例えば特許文献1参照。)。このカバーは、ハンド機構に食品が付着することを抑制すると共に、ハンド機構から外れた部品や摺動により発生した粉末などが食品に混入することを抑制できる。
特開2009−056558号公報
しかし、ハンド機構において指部を円滑に動かすために厚さが比較的薄い可撓性のカバーを採用すると、カバーが破損し易くなる。このカバーの破損は早期に発見することが好ましいが、微小の孔など発見が困難な場合もある。
本発明は、上記したような種々の実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ハンド機構に装着されるグローブの破損をより容易に診断することにある。
本発明の態様の一つは、複数の指部と、それら複数の指部を可動自在に支持するベース部と、を備え、前記指部によって対象物を把持するハンド機構を有する把持システムであって、前記ベース部の前記指部側の部位である取付部及び前記指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、前記取付部に密着するように前記ハンド機構に装着されるグローブと、前記グローブが前記ハンド機構に装着された状態の前記グローブ内の圧力が前記グローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、前記グローブ内の圧力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記グローブの破損を診断する異常診断部と、を備える把持システムである。
また、本発明の態様の一つは、複数の指部と、それら複数の指部を可動自在に支持するベース部と、を備え、前記指部によって対象物を把持するハンド機構を有する把持システムであって、前記ベース部の前記指部側の部位である取付部及び前記指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、前記取付部に密着するように前記ハンド機構に装着されるグローブと、前記グローブが前記ハンド機構に装着された状態の前記グローブ内の圧力が前記グローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、前記グローブ内と前記調整部との間を流通する気体の流量を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記グローブの破損を診断する異常診断部と、を備える把持システムである。
本発明によれば、ハンド機構に装着されるグローブの破損をより容易に診断することができる。
実施形態に係るロボットアームの概略構成を示す図である。 実施形態に係るハンド機構の斜視図である。 実施形態に係るハンド機構の上面図である。 実施形態に係るハンド機構の指部の側面図である。 実施形態に係るハンド機構の指部の先端部側を図4の矢印Aの方向から見た図である。 実施形態に係るハンド機構の、指部における第1関節部および第2指リンク部の内部構造を示す図である。 実施形態に係るハンド機構の指部における第1関節部の可動範囲を示す図である。 実施形態に係るハンド機構の指部の第1リンク部における感圧センサの配置を示す第2の図である。 実施形態に係るグローブの概略構成を示す斜視図である。 実施形態に係るハンド機構にグローブを装着した状態における指部とグローブとの位置関係を示す図である。 第1の実施形態に係るアーム制御装置およびハンド制御装置に含まれる各機能部を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るベース部内及びグローブ内に空気を供給するシステムの概略構成を示した図である。 第1の実施形態に係るグローブの異常診断のフローを示したフローチャートである。 第2の実施形態に係るベース部内及びグローブ内に空気を供給するシステムの概略構成を示した図である。 第2の実施形態に係るアーム制御装置およびハンド制御装置に含まれる各機能部を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るグローブの異常診断のフローを示したフローチャートである。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る把持システムでは、複数の指部と、それら複数の指部を可動自在に支持するベース部と、を備え、指部によって対象物を把持するハンド機構を有する把持システムであって、ベース部の前記指部側の部位である取付部及び指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、取付部に密着するように前記ハンド機構に装着されるグローブと、グローブがハンド機構に装着された状態のグローブ内の圧力が前記グローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、グローブ内の圧力を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、グローブの破損を診断する異常診断部と、を備える。なお、検出部は、グローブ内の圧力を検出するものに代えて、グローブ内と調整部との間を流通する気体の流量を検出するものであってもよい。
上記構成によれば、調整部によってグローブ内の圧力がグローブ外の圧力とは異なる圧力に調整されたときに、グローブに破損があると、その破損個所を介して気体が流通する。そのため、グローブに破損があるときとないときとでは、グローブ内の圧力が異なるため、検出される圧力に基づいてグローブの破損を診断することができる。また、グローブ破損があるときとないときとでは、グローブ内と調整部との間を流通する気体の流量が異なるため、検出される流量に基づいてグローブの破損を診断することもできる。
<第1の実施形態>
ここでは、本発明に係るハンド機構および把持システムをロボットアームに適用した場合について説明する。図1は、本実施形態に係るロボットアームの概略構成を示す図である。ロボットアーム1は、ハンド機構2、アーム機構3、および台座部4を備えている。アーム機構3の一端にハンド機構2が取り付けられている。また、アーム機構3の他端が台座部4に取り付けられている。ハンド機構2は、アーム機構3に接続されたベース部20と、該ベース部20に可動自在に支持された複数の指部21(図1に示す例では、4本の指部21)と、を備えている。
<アーム機構>
アーム機構3は、第1アームリンク部31、第2アームリンク部32、第3アームリンク部33、第4アームリンク部34、第5アームリンク部35、および接続部材36を備えている。各アームリンク部には、軸周りに回転させるためのモータ(図示略)が設けられている。アーム機構3をこのような構成とすることで、例えば、該アーム機構3を6自由度の自由度を有する機構とすることができる。
<ハンド機構>
次に、ハンド機構2の構成について図2から図8に基づいて説明する。図2はハンド機構2の斜視図である。図3はハンド機構2の上面図である。なお、図3において、矢印は、各指部21の回転可動範囲を示している。図2および図3に示すように、ハンド機構2においては、ベース部20に4本の指部21が、ハンド機構2の長手方向(図3において紙面に垂直な方向)の軸を中心とした円周上に、等角度間隔(すなわち90deg間隔)に配置されている。また、4本の指部21は全て同一の構造を有し且つ同一の長さである。ただし、各指部21の動作は、それぞれ独立して制御される。
図4から図8は、ハンド機構2の指部21の構成およびその駆動機構について説明するための図である。図4は指部21の側面図である。なお、図4では、ベース部20が透過された状態で記載されており、ベース部20の内部に位置する指部21の一部の内部構造をも示している。また、図5は、指部21の先端部側を図4の矢印Aの方向から見た図である。なお、図4および図5では、後述する指部21の第2指リンク部212の一部が透過された状態で記載されており、該第2指リンク部212の内部構造をも示されている。
図2および図4に示すとおり、各指部21は、第1指リンク部211、第2指リンク部212、および基端部213を有している。そして、指部21の基端部213がベース部20に接続されている。ここで、基端部213は、図3において矢印で示すように、ベース部20に対して指部21の長手方向(図3において紙面に垂直な方向)の軸回りに回転可能に接続されている。また、指部21において、基端部213に第2指リンク部212の一端が接続されている。そして、この第2指リンク部212と基端部213との接続部に第2関節部23が形成されている。また、図4および図5に示すように、指部21においては、第2指リンク部212の他端に第1指リンク部211の一端が接続されている。そして、この第1指リンク部211と第2指リンク部212との接続部に第1関節部22が形成されている。
また、図4に示すように、ベース部20の内部には第2モータ52および第3モータ53が設けられている。第3モータ53は基端部213をその軸回りに回転駆動させるためのモータである。第3モータ53の回転力が歯車を介して基端部213の回転軸に伝達されることで、基端部213が回転駆動し、それに伴って、図3において矢印で示す範囲で指部21全体が回転駆動される。また、第2モータ52は、第2関節部23において、第2指リンク部212を基端部213に対して相対的に回転駆動させるためのモータである
。第2モータ52の回転力が第2指リンク部212の回転軸に伝達される。その結果、図6において矢印で示す範囲で、第2指リンク部212が基端部213に対して相対的に回転駆動される。図6に示すように、第2関節部23は屈曲および伸展可能に形成されている。なお、第2モータ52による駆動力と第3モータ53による駆動力とは、それぞれ独立してその作動対象に伝わるように構成されている。
また、図4および図5に示すように、第2指リンク部212の内部には第1モータ51が設けられている。第1モータ51は、第1関節部22において、第1指リンク部211を第2指リンク部212に対して相対的に回転駆動させるためのモータである。第1モータ51の回転力が歯車を介して第1指リンク部211の回転軸に伝達される。その結果、図7において矢印で示す範囲で、第1指リンク部211が第2指リンク部212に対して相対的に回転駆動される。図7に示すように、第1関節部22は屈曲および伸展可能に形成されている。
また、図2、図4、図5、および図8に示すように、本実施形態では、指部21の第1指リンク部211の先端側に感圧センサ70が設けられている。感圧センサ70は、第1指リンク部211の先端部に作用する外力(圧力)を検出するセンサである。また、図4に示すように、感圧センサ70は、第1指リンク部211における、第1関節部22の屈曲方向側の壁面(以下、「屈曲側壁面」と称する場合もある。)215および伸展方向側の壁面(以下、「伸展側壁面」と称する場合もある。)216の両面に設けられている。ここで、本実施形態では、第1指リンク部211の先端側における屈曲側壁面215は曲面状に形成されている。そこで、図8に示すように、第1指リンク部211の先端側における屈曲側壁面215には、複数の感圧センサ70をその曲面形状に沿って並べて設置してもよい。
<グローブ>
本実施形態では、上記したように構成されるハンド機構2で対象物を把持させる場合に、該ハンド機構2にグローブが装着される。本実施形態のグローブは、ハンド機構2の指部21とベース部20の一部である取付部20Aとを覆うように形成される手袋状のカバーであり、可撓性を有する物質で形成される。また、グローブは、流体を通さない物質で形成される。この物質は、例えば、シリコンゴム、ネオプレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニール、またこれら材料を含浸またはコーティングした布である。
以下では、本実施形態におけるグローブの構成について、図9および図10に基づいて説明する。図9は、本実施形態におけるグローブの概略構成を示す斜視図である。図10は、ハンド機構2にグローブ900を装着した状態における、指部21とグローブ900との位置関係を示す図である。図9および図10に示すように、グローブ900は、4本の指部21を互いに独立して覆うとともに、取付部20Aを覆うように形成される。取付部20Aは、ベース部20における指部21側の外周面である。詳細には、グローブ900は、各指部21の第1指リンク部211における先端部を含む所定部位を覆うための指先被覆部901と、各指部21の前記所定部位より基端側の部位を覆うための関節被覆部902と、ベース部20の取付部20Aを覆うためのベース被覆部903と、を一体的に成型して構成される。ここでいう「所定部位」は、ハンド機構2が対象物を把持する際に、第1指リンク部211において対象物が接触し得る部位であり、例えば、前述の感圧センサ70が配置される部位である。
ここで、指先被覆部901は、図10に示すように、グローブ900がハンド機構2に装着された状態において、該指先被覆部901の内壁面が第1指リンク部211の所定部位と密着するように形成される。
また、ベース被覆部903は、図10に示すように、グローブ900がハンド機構2に装着された状態において、該ベース被覆部903の内壁面が取付部20Aの外壁面と密着することで、グローブ900の位置が固定されるように形成される。ベース被覆部903は、ベース部20の外径と同等以下の内径を有する。なお、図10に示すように、取付部20Aが設けられている箇所においてベース部20は、指部21に近付くほど直径が大きくなるようにすることで、グローブ900が外れ難くなるように形成してもよい。また、ベース被覆部903を取付部20Aに固定する際に、固定具を用いることでより確実に固定されるように構成してもよい。また、この固定具により、ベース被覆部903を取付部20Aにより確実に密着させることもできる。
グローブ900がハンド機構2に装着されると、指部21と対象物とが直接接触しなくなる。さらに、グローブ900がハンド機構2に対して着脱自在であるため、該グローブ900が汚れた際には新品と交換すればよい。これにより、良好な衛生状態を維持することができる。
<台座部>
次に、台座部4に内蔵された、アーム制御装置42、ハンド制御装置43、異常診断装置44の構成について図11に基づいて説明する。アーム制御装置42はロボットアーム1のアーム機構3を制御するための制御装置である。ハンド制御装置43はロボットアーム1のハンド機構2を制御するための制御装置である。図11は、アーム制御装置42およびハンド制御装置43に含まれる各機能部を示すブロック図である。
アーム制御装置42は、アーム機構3の各関節部に設けられたモータを駆動するための駆動信号を生成する複数のドライバを含み、各ドライバからの駆動信号が対応する各モータに供給されるように構成される。また、アーム制御装置42は、演算処理装置およびメモリを有するコンピュータを含んでいる。そして、アーム制御装置42は、機能部として、アーム制御部420およびモータ状態量取得部421を有している。これらの機能部は、アーム制御装置42に含まれるコンピュータにおいて所定の制御プログラムが実行されることで形成される。
アーム制御部420は、ハンド制御装置43が有する機能部である後述の対象物情報取得部430によって取得された対象物情報に基づいて各ドライバから駆動信号を供給することで、アーム機構3の各関節部に設けられたモータを制御する。そして、アーム制御部420は、各モータを制御することでアーム機構3を動かし、それによって、ハンド機構2を、対象物の把持のために適した所定の把持可能位置に移動させる。また、アーム機構3の各関節部に設けられたモータには、それぞれの回転状態に関する状態量(モータの回転軸の回転位置や回転速度等)を検出するエンコーダ(図示略)が設けられている。そして、各モータのエンコーダによって検出された各モータの状態量が、アーム制御装置42のモータ状態量取得部421に入力される。そして、アーム制御部420は、モータ状態量取得部421に入力された各モータの状態量に基づいて、例えば、ハンド機構2が所定の把持可能位置に移動するように各モータをサーボ制御する。
また、ハンド制御装置43は、ハンド機構2に設けられた各モータを駆動するための駆動信号を生成する複数のドライバを含み、各ドライバからの駆動信号が対応する各モータに供給されるように構成される。また、ハンド制御装置43は、演算処理装置およびメモリを有するコンピュータを含んでいる。そして、ハンド制御装置43は、機能部として、対象物情報取得部430、ハンド制御部431、モータ状態量取得部432、センサ情報取得部433を有している。これらの機能部は、ハンド制御装置43に含まれるコンピュータにおいて所定の制御プログラムが実行されることで形成される。
対象物情報取得部430は、ハンド機構2よって把持すべき対象物に関する情報である対象物情報を取得する。ここで、対象物情報には、対象物の形状、寸法、およびその位置に関する情報、並びに、対象物周囲の環境情報(対象物の周囲に存在する該対象物以外の物に関する情報であり、例えば、対象物が収容されている容器の形状や当該容器における対象物の並びに関する情報)等が含まれる。この対象物情報取得部430は、ユーザによって入力された対象物情報を取得してもよい。また、対象物を含む画像を撮像する視覚センサが設けられている場合、対象物情報取得部430は、該視覚センサによって撮像された画像から対象物情報を取得してもよい。
また、ハンド制御部431は、対象物情報取得部430によって取得された対象物情報に基づいて各ドライバから駆動信号を供給することで、ハンド機構2の各指部21を駆動させる各第1モータ51、各第2モータ52、および各第3モータ53を制御する。例えば、ハンド制御部431は、アーム制御部420によってアーム機構3が制御されることで所定の把持可能位置に移動されたハンド機構2によって対象物を把持するために、ハンド機構2の各第1モータ51、各第2モータ52、および各第3モータ53を制御する。また、ハンド機構2の各第1モータ51、各第2モータ52、および各第3モータ53には、それぞれの回転状態に関する状態量(モータの回転軸の回転位置や回転速度等)を検出するエンコーダ(図示略)が設けられている。そして、各モータ51、52、53のエンコーダによって検出された各モータ51、52、53の状態量が、ハンド制御装置43のモータ状態量取得部432に入力される。そして、ハンド制御部431は、モータ状態量取得部432に入力された各モータ51、52、53の状態量に基づいて、例えば、複数の指部21によって対象物を把持するように、各指部21における各モータ51、52、53をサーボ制御する。
さらに、ハンド制御装置43はセンサ情報取得部433を有している。センサ情報取得部433には、ハンド機構2の各指部21の第1指リンク部211に設けられた複数の感圧センサ70の検出値が入力される。そして、ハンド制御部431は、センサ情報取得部433によって取得された各感圧センサ70の検出値に基づいて、各指部21と対象物との接触を検知でき、その検知信号に基づいて各指部21における各モータ51、52、53を制御することもできる。
ここで、第1関節部22や第2関節部23により指部21が屈曲または伸展した場合や、指部21が基端部213の回転軸まわりに回転した場合に、グローブ900が第1関節部22や第2関節部23等に巻き込まれて破損する虞がある。異常診断装置44は、グローブ900が破損している場合に、グローブ900に異常があると診断する。異常診断装置44は、ポンプ252を駆動するための駆動信号を生成するドライバを含み、ドライバからの駆動信号がポンプ252に供給されるように構成される。また、異常診断装置44は、演算処理装置およびメモリを有するコンピュータを含んでいる。そして、異常診断装置44は、機能部として、ポンプ制御部440、センサ情報取得部441、異常診断部442を有している。これらの機能部は、異常診断装置44に含まれるコンピュータにおいて所定の制御プログラムが実行されることで形成される。
ポンプ制御部440は、ドライバから駆動信号を供給することで、ポンプ252を制御する。センサ情報取得部441には、後述する圧力センサ253の検出値が入力される。なお、本実施形態では、ポンプ252及びポンプ制御部440が、本発明における調整部に相当する。そして、異常診断部442は、センサ情報取得部441によって取得された圧力センサ253の検出値に基づいて、グローブ900の異常診断を実施し、グローブ900が異常であると診断すると、報知装置255であるランプやブザーなどに信号を送って、ランプを点灯させたりブザーを鳴らしたりする。なお、本実施形態においては圧力セ
ンサ253が、本発明における検出部に相当する。
図12は、ベース部20内及びグローブ900内に空気を供給するシステムの概略構成を示した図である。ベース部20の側面には、ベース部20の内部に空気を供給するためのホース251の一端を接続するコネクタ250が設けられている。コネクタ250には、ベース部20の内部と外部とを連通する孔が設けられている。ホース251の他端は、正転時に空気を吐出するポンプ252に接続されている。また、ホース251の途中には、ホース251内の空気の圧力を検出する圧力センサ253が設けられている。
ベース部20には、グローブ900がハンド機構2に装着された状態でベース部20内とグローブ900内とを空気が流通可能な隙間が設けられている。例えば、ベース部20と基端部213との間には空気が流通可能な隙間が設けられる。このベース部20と基端部213との間の隙間は、基端部213がベース部20に対して回転可能とするために必然的に生じる隙間である。この隙間(以下、隙間部254ともいう。)を介して、ベース部20の内部と外部とが連通されて空気が流通可能となる。なお、ベース部20内とグローブ900内とを連通する連通孔をベース部20に形成してもよい。
一方、グローブ900がハンド機構2に装着された状態において、取付部20Aよりもアーム機構3側では、コネクタ250以外で、ベース部20の内部と外部とで空気の流通がないように構成されている。例えば各部材の接合部にパッキンを挟み込んだりして空気の出入りがないようにしている。したがって、ベース部20に供給された空気は、グローブ900の内部以外には流れない。
このように構成されたハンド機構2では、グローブ900がハンド機構2に装着された状態において、ポンプ252を作動させて空気を吐出させると、ベース部20内に空気が供給される。そして、ベース部20内に供給された空気は、隙間部254を通ってベース部20からグローブ900内に供給される。ベース被覆部903とベース部20とが密着しているため、グローブ900内に供給された空気はグローブ900内に溜まる。したがって、ポンプ252が空気を吐出することにより、グローブ900、ベース部20、ホース251の夫々の内部の圧力が上昇する。グローブ900が正常であれば、圧力センサ253によって検出される圧力が、供給した空気の量に応じた圧力になる。ポンプ252によって空気を供給するときに目標となる圧力を設定した場合には、グローブ900が正常であれば、圧力センサ253によって検出される圧力が、設定された圧力になる。
しかし、グローブ900が破損していると、グローブ900内に空気を供給したとしても、破損した箇所から空気が流出するため、圧力センサ253によって検出される圧力が、供給した空気の量に応じた圧力よりも低い圧力になる。ポンプ252によって空気を供給するときに目標となる圧力を設定した場合には、グローブ900が破損すると、圧力センサ253によって検出される圧力が、設定された圧力よりも低くなる。
つまり、ポンプ252を作動させているときに圧力センサ253によって検出される圧力が、供給した空気の量に応じた圧力(設定した圧力)であれば、グローブ900は破損していないと判定することができる。一方、ポンプ252を作動させているときに圧力センサ253によって検出される圧力が、供給した空気の量に応じた圧力よりも低ければ(設定した圧力よりも低ければ)、グローブ900は破損していると判定することができる。
なお、圧力センサ253は、ベース部20内及びグローブ900内と通じているホース251内の圧力を検出しているため、該圧力センサ253により検出される圧力は、グローブ900内の圧力若しくはグローブ900内の圧力と相関のある圧力として扱うことが
できる。本実施形態では、圧力センサ253により検出される圧力は、グローブ900内の圧力と等しいものとして説明する。また、本実施形態では圧力センサ253をホース251の途中に設けているが、これに代えて、ベース部20内に設けてもよく、グローブ900をハンド機構2に装着した状態のグローブ900内の何れかの位置に設けてもよい。
異常診断装置44は、ポンプ252を作動させたときの圧力センサ253の検出値に基づいてグローブ900が破損しているか否か判定する。図13は、本実施形態に係るグローブ900の異常診断のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、対象物の移動が完了し、指部21が対象物を離す毎に異常診断装置44によって実行される。
ステップS101では、異常診断の実行タイミングであるか否か判定される。異常診断の実行タイミングになると、ハンド制御装置43が異常診断装置44に対して異常診断を実行する指令を発信する。例えば、ハンド機構2が動いているとグローブ900内の圧力が変動する虞があり、そのため圧力を用いた異常診断の精度が低下する虞があるために、ハンド機構2が静止しているときに限り異常診断を実施する。この場合、ハンド制御部431がハンド機構2を駆動していないときに、ハンド機構2が静止していると判断して、ハンド制御装置43が異常診断装置44に対して異常診断を実行する指令を発信する。異常診断装置44は、ハンド制御装置43から異常診断を実行する指令を受信すると、異常診断の実行タイミングであると判定する。なお、本フローチャートは指部21が対象物を把持していないときに実行しているが、これは、対象物を把持しているときにはグローブ900内の圧力が変化するために異常診断の精度が低下する虞があることによる。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には、ステップS101の処理を繰り返す。
なお、本実施形態では、指部21が対象物を離す毎に異常診断を実施するために、アーム制御部420及びハンド制御部431は、指部21が対象物を離す毎に(対象物の移動が完了する毎に)ハンド機構2を一旦静止させている。そして、異常診断完了後に次の対象物を把持するために作動する。
ステップS102では、ポンプ制御部440が、ポンプ252を作動させる。なお、ポンプ252は、本フローチャートに関係なく常に作動させておいてもよい。
ステップS102の処理が完了するとステップS103へ進み、ポンプ252が作動を開始した時点から所定時間待つ。所定時間は、グローブ900が正常である場合と異常がある場合(破損している場合)とで圧力センサ253の検出値に、異常診断を実施可能なほどの差が生じるまでの時間である。例えば、所定時間は、グローブ900が正常であれば、圧力センサ253で検出される圧力が所定圧力以上まで上昇し、グローブ900が破損していれば、圧力センサ253で検出される圧力が所定圧力に達しない時間として設定される。所定圧力は、グローブ900の異常診断を実施するときの閾値として設定される。所定時間及び所定圧力は、予め実験またはシミュレーション等により求められる。なお、ポンプ252を常に作動させる場合には、本ステップS103を省略する。
ステップS103の処理が完了するとステップS104へ進み、異常診断部442が、センサ情報取得部441によって取得される現時点の圧力センサ253の検出値が、上記所定圧力以上であるか否か判定する。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進んで、異常診断部442が、グローブ900は正常であると診断する。一方、ステップS104で否定判定がなされた場合にはステップS106へ進んで、異常診断部442が、グローブ900に異常がある(破損がある)と診断する。ステップS106の処理が完了するとステップS107へ進んで、報知装置255を作動させる。ス
テップS107を処理することにより、ユーザに対してグローブ900の異常が報知される。したがって、グローブ900が破損していると診断された場合には、次の対象物を把持する前に異常が報知されるため、破損した状態のグローブ900が装着された状態でハンド機構2が対象物を把持することが抑制される。
そして、ステップS105又はステップS107の処理が終了するとステップS108へ進んで、ポンプ制御部440が、ポンプ252を停止させる。なお、ポンプ252を、本フローチャートに関係なく常に作動させる場合には、本ステップS108を省略する。
以上説明したように本実施形態に係る異常診断装置44によれば、グローブ900内に空気を供給したときの圧力に基づいて、グローブ900が破損しているか否か診断することができる。
なお、本実施形態では、ポンプ252によりグローブ900へ空気を供給し、グローブ900内の圧力を大気圧よりも高くした状態でグローブ900の異常診断を実施しているが、これに代えて、ポンプ252を逆転させることによりグローブ900内の空気を吸引し、グローブ900内の圧力を大気圧よりも低くした状態でグローブ900の異常診断を実施してもよい。
ここで、グローブ900内から空気を吸引してグローブ900内の圧力を大気圧よりも低くすると、グローブ900が破損している場合には、グローブ900の破損個所から空気が流入する。したがって、グローブ900が破損している場合には、グローブ900が正常の場合よりも、グローブ900内の圧力が下がり難くなり、よって、グローブ900内の圧力が高くなる(負圧が小さくなる)。
つまり、ポンプ252を作動させているときに圧力センサ253によって検出される圧力が、吸引した空気の量に応じた圧力(設定した圧力)であれば、グローブ900は破損していないと判定することができる。一方、ポンプ252を作動させているときに圧力センサ253によって検出される圧力が、吸引した空気の量に応じた圧力よりも高ければ(設定した圧力よりも高ければ)、グローブ900は破損していると判定することができる。
この場合、図13に示したフローチャートを以下のように変更する。ステップS102において、ポンプ252を作動させて、グローブ900内から空気を吸引する。ステップS103では、所定時間待つ。ここでいう所定時間は、グローブ900が正常であれば、圧力センサ253で検出される圧力が所定圧力以下まで下降し、グローブ900が破損していれば、圧力センサ253で検出される圧力が所定圧力まで下降しない時間として設定される。所定時間は、予め実験またはシミュレーション等により求められる。また、ステップS104では、現時点の圧力センサ253の検出値が所定圧力以下であるか否か判定される。このようにして、グローブ900内の圧力を負圧にした場合であっても、グローブ900の異常診断を実施することができる。
ただし、グローブ900内の空気を吸引すると、グローブ900に破損があった場合に、破損個所の周辺が指部21に密着する場合がある。そうすると、破損個所からグローブ900内に空気が流入し難くなるため、異常診断の精度が低下する虞がある。したがって、グローブ900内から空気を吸引しているときよりも、グローブ900内へ空気を供給しているときのほうが、より正確な異常診断が可能となる。特に、図10に示すように、第1指リンク部211にはグローブ900が密着しているため、グローブ900における指先被覆部901の破損については、グローブ900内へ空気を供給しているときのほうがより正確な診断が可能となる。なお、グローブ900の内面及び指部21の外面の少な
くとも一方に例えばシボ加工等により凹凸を形成しておくことで、グローブ900内の空気を吸引したときに破損個所からグローブ900内に流入した空気の通路を確保した上でグローブ900が指部21に密着する状態を形成することができる。したがって、破損個所からグローブ900内に流入した空気の通路を確保することができる。このように、グローブ900の内面及び指部21の外面の少なくとも一方に凹凸を形成しておけば、異常診断の精度が低下することを抑制できる。
なお、本実施形態では、ポンプ252の作動中に圧力センサ253によって検出される圧力に基づいて、グローブ900の異常診断を実施しているが、これに代えて、ポンプ252からグローブ900内に空気を供給してポンプ252を停止した後に、圧力センサ253によって検出される圧力に基づいて、グローブ900の異常診断を実施してもよい。この場合、圧力センサ253の検出値の推移や単位時間当たりの変化量(以下、変化速度ともいう。)に基づいた診断を実施することもできる。ポンプ252からグローブ900内に空気を供給した場合、及び、ポンプ252によってグローブ900内から空気を吸引した場合のどちらにおいても、グローブ900の異常診断が可能である。
すなわち、ポンプ252を作動させて、その後停止させた場合には、グローブ900に破損がある場合のほうが、グローブ900が正常の場合よりも、グローブ900内の圧力が大気圧に向かって速く変化する。
したがって、ポンプ252停止後の圧力センサ253の検出値の変化速度に閾値を設け、この閾値と圧力センサ253の検出値の変化速度とを比較することによりグローブ900の異常診断を実施することができる。また、ポンプ252停止後の所定時間経過時の圧力センサ253の検出値に閾値を設け、この閾値と圧力センサ253の検出値とを比較することによってもグローブ900の異常診断を実施することができる。この場合には、ポンプ252の停止時にポンプ252から空気が漏れない若しくは空気が吸引されないタイプのポンプを用いるか、開閉弁などによってポンプ252への空気の流通を遮断することにより、グローブ900が正常の場合の圧力変化を抑制することができるため、グローブ900が正常の場合と異常の場合との圧力差を大きくすることができる。したがって、異常診断の精度を向上させることができる。
なお、ポンプ252の作動中の圧力センサ253の検出値の変化速度に基づいてグローブ900の異常診断を実施することもできる。ここで、グローブ900が破損している場合には、ポンプ252の作動開始からの圧力変化が緩慢になる。すなわち、ポンプ252からグローブ900内に空気を供給しても、グローブ900が破損している場合には破損個所からグローブ900外へ空気が流出するため、圧力の上昇が緩慢となる。また、ポンプ252がグローブ900内から空気を吸引しても、グローブ900が破損している場合には破損個所からグローブ900内に空気が流入するため、圧力の下降が緩慢となる。したがって、ポンプ252の作動中における圧力センサ253の検出値の変化速度に閾値を設け、この閾値と圧力センサ253の検出値の変化速度とを比較することによりグローブ900の異常診断を実施することができる。また、ポンプ252の作動開始時点から所定圧力に到達するまでの時間に閾値を設け、この時間と閾値とを比較することによってもグローブ900の異常診断を実施することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、ホース251の途中に圧力センサ253を設け、該圧力センサ253の検出値に基づいて異常診断を実施しているが、これに代えて本実施形態では、ホース251の途中に空気の流量を検出する流量センサを設け、該流量センサの検出値に基づいて異常診断を実施する。以下、主に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図14は、ベース部20内及びグローブ900内に空気を供給するシステムの概略構成を示した図である。ホース251の途中には、ホース251内を流通する空気の流量を検出する流量センサ256が設けられている。本実施形態に係る流量センサ256は、空気の流れる方向に関わらず空気の流量の絶対値を検出する。なお、流量センサ256は、ベース部20内及びグローブ900内と通じているホース251内の空気の流量を検出しているため、該流量センサ256により検出される流量は、グローブ900内の空気の流量若しくはグローブ900内の空気の流量と相関のある流量として扱うことができる。したがって、本実施形態では、流量センサ256により検出される流量は、グローブ900内の空気の流量と等しいものとして説明する。なお、流量センサ256は、ホース251に代えて、ベース部20内に設けてもよく、グローブ900内に設けてもよい。
図15は、アーム制御装置42およびハンド制御装置43に含まれる各機能部を示すブロック図である。センサ情報取得部441には、流量センサ256の検出値が入力される。なお、本実施形態においては流量センサ256が、本発明における検出部に相当する。
ここで、ポンプ252によってグローブ900内に空気を供給すると、グローブ900が破損している場合には、グローブ900の破損個所から空気が流出する。したがって、ポンプ252の作動中に流量センサ256によって検出される流量は、グローブ900が破損している場合のほうが、グローブ900が正常の場合よりも多くなる。したがって、ポンプ252の作動中の流量センサ256の検出値に閾値を設け、この閾値と流量センサ256の検出値とを比較することにより、グローブ900の異常診断を実施することができる。
異常診断装置44は、ポンプ252を作動させたときの流量センサ256の検出値に基づいてグローブ900が破損しているか否か判定する。図16は、本実施形態に係るグローブ900の異常診断のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、対象物の移動が完了し、指部21が対象物を離す毎に異常診断装置44によって実行される。なお、図13に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図16に示したフローチャートにおいて、ステップS102の処理が完了するとステップS201へ進み、ポンプ252が作動を開始した時点から所定時間待つ。ここでいう所定時間は、グローブ900が正常である場合と異常がある場合(破損している場合)とで流量センサ256の検出値に、異常診断を実施可能なほどの差が生じるまでの時間である。例えば、所定時間は、グローブ900が正常であれば、流量センサ256で検出される流量が所定流量以下になり、グローブ900が破損していれば、流量センサ256で検出される流量が所定流量よりも大きくなる時間として設定される。所定流量は、グローブ900の異常診断を実施するときの閾値として設定される。この所定時間及び所定流量は、予め実験またはシミュレーション等により求められる。なお、ポンプ252を常に作動させる場合には、本ステップS201を省略する。
ステップS201の処理が完了するとステップS202へ進み、異常診断部442が、現時点の流量センサ256の検出値が上記所定流量以下であるか否か判定する。ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進んで、異常診断部442が、グローブ900は正常であると診断する。一方、ステップS202で否定判定がなされた場合にはステップS106へ進んで、異常診断部442が、グローブ900には異常がある(破損がある)と診断する。
以上説明したように本実施形態に係る異常診断装置44によれば、グローブ900内に空気を供給したときの空気の流量に基づいて、グローブ900が破損しているか否か診断
することができる。
なお、本実施形態では、ポンプ252によりグローブ900へ空気を供給し、グローブ900内の圧力を大気圧よりも高くした状態でグローブ900の異常診断を実施しているが、これに代えて、ポンプ252を逆転させることによりグローブ900内の空気を吸引し、グローブ900内の圧力を大気圧よりも低くした状態でグローブ900の異常診断を実施してもよい。
ここで、グローブ900内から空気を吸引してグローブ900内の圧力を大気圧よりも低くすると、グローブ900が破損している場合には、グローブ900の破損個所から空気が流入する。したがって、グローブ900が破損している場合には、グローブ900が正常の場合よりも、空気が流通し易くなり、よって、グローブ900内の空気の流量が多くなる。
したがって、グローブ900内の空気を吸引している場合であっても、流量センサ256の検出値に閾値を設け、この閾値と流量センサ256の検出値とを比較することにより、グローブ900の異常診断を実施することができる。
この場合、図16に示したフローチャートを以下のように変更する。ステップS102において、ポンプ252を作動させて、グローブ900内から空気を吸引する。ステップS201では、所定時間待つ。ここでいう所定時間は、グローブ900が正常であれば、流量センサ256で検出される流量が所定流量以下となり、グローブ900が破損していれば、流量センサ256で検出される流量が所定流量よりも大きくなる時間として設定される。所定時間は、予め実験またはシミュレーション等により求められる。また、ステップS202では、現時点の流量センサ256の検出値が所定流量以下であるか否か判定される。このようにして、グローブ900内の圧力を負圧にした場合であっても、グローブ900の異常診断を実施することができる。ただし、第1の実施形態で説明したように、グローブ900内から空気を吸引しているときよりも、グローブ900内へ空気を供給しているときのほうが、より正確な異常診断が可能となる。
なお、本実施形態では、ポンプ252の作動中に流量センサ256によって検出される圧力に基づいて、グローブ900の異常診断を実施しているが、これに代えて、ポンプ252からグローブ900内に空気を供給してポンプ252を停止した後に、流量センサ256によって検出される流量に基づいて、グローブ900の異常診断を実施してもよい。この場合、流量センサ256の検出値の推移や単位時間当たりの変化量(変化速度)に基づいた診断を実施することもできる。なお、ポンプ252からグローブ900内に空気を供給した場合、及び、ポンプ252によってグローブ900内から空気を吸引した場合のどちらにおいても、グローブ900の異常診断が可能である。
ポンプ252を作動させて、その後停止させた場合には、グローブ900に破損がある場合ほうが、グローブ900が正常の場合よりも、グローブ900内の流量が大きく変化する。そして、グローブ900の破損の大きさに応じて空気の流量が大きくなる。
したがって、ポンプ252停止後の流量センサ256の検出値の変化速度に閾値を設け、この閾値と流量センサ256の検出値の変化速度とを比較することによりグローブ900の異常診断を実施することができる。また、ポンプ252停止後の所定時間経過時の流量センサ256の検出値に閾値を設け、この閾値と流量センサ256の検出値とを比較することによってもグローブ900の異常診断を実施することができる。なお、ポンプ252の作動中の流量センサ256の検出値の変化速度に基づいてグローブ900の異常診断を実施することもできる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、ハンド機構2が静止しているときにグローブ900の異常診断を実施しているが、これに代えて、ハンド機構2が動いているときにグローブ900の異常診断を実施してもよい。この場合、ハンド機構2の動きに合わせて、異常診断時に検出される圧力と比較する所定圧力を変化させてもよい。また、ハンド機構2が対象物を把持した状態でグローブ900の異常診断を実施してもよい。
上記実施形態では、グローブ900内に空気を供給しているが、これに代えて、他の気体を供給してもよい。また、上記実施形態では、ポンプ252を用いてグローブ900内に空気を供給しているが、これに代えて、例えばボンベなどに貯留されている気体をグローブ900内に供給してもよい。
1・・・ロボットアーム、2・・・ハンド機構、20・・・ベース部、20A・・・取付部、21・・・指部、252・・・ポンプ、253・・・圧力センサ、442・・・異常診断部、900・・・グローブ、901・・・指先被覆部、902・・・関節被覆部、903・・・ベース被覆部

Claims (9)

  1. 複数の指部と、それら複数の指部を可動自在に支持するベース部と、を備え、前記指部によって対象物を把持するハンド機構を有する把持システムであって、
    前記ベース部の前記指部側の部位である取付部及び前記指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、前記取付部に密着するように前記ハンド機構に装着されるグローブと、
    前記グローブが前記ハンド機構に装着された状態の前記グローブ内の圧力が前記グローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、
    前記グローブ内の圧力を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記グローブの破損を診断する異常診断部と、
    を備える把持システム。
  2. 前記異常診断部は、前記検出部により検出された圧力が、前記調整部によって調整される圧力に応じた圧力の範囲内の場合に前記グローブが正常であり、前記範囲外の場合に前記グローブが破損していると診断する、
    請求項1に記載の把持システム。
  3. 複数の指部と、それら複数の指部を可動自在に支持するベース部と、を備え、前記指部によって対象物を把持するハンド機構を有する把持システムであって、
    前記ベース部の前記指部側の部位である取付部及び前記指部を手袋状に覆う可撓性を有するグローブであって、前記取付部に密着するように前記ハンド機構に装着されるグローブと、
    前記グローブが前記ハンド機構に装着された状態の前記グローブ内の圧力が前記グローブ外の圧力とは異なる圧力となるように調整する調整部と、
    前記グローブ内と前記調整部との間を流通する気体の流量を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記グローブの破損を診断する異常診断部と、
    を備える把持システム。
  4. 前記異常診断部は、前記検出部により検出された流量が、前記調整部によって調整される圧力に応じた流量の範囲内の場合に前記グローブが正常であり、前記範囲外の場合に前記グローブが破損していると診断する、
    請求項3に記載の把持システム。
  5. 前記異常診断部は、前記指部が前記対象物を把持しておらず且つ前記指部が静止しているときの前記検出部の検出結果に基づいて、前記グローブの破損を診断する、
    請求項1から4の何れか1項に記載の把持システム。
  6. 前記調整部は、前記指部が前記対象物を把持していないときに、前記グローブ内の圧力を前記グローブ外の圧力よりも高くし、
    前記異常診断部は、前記指部が前記対象物を把持していないときの前記検出部の検出結果に基づいて、前記指部が前記対象物を把持していないときに前記グローブの破損を診断する、
    請求項1から5の何れか1項に記載の把持システム。
  7. 前記調整部は、前記グローブ内に気体を供給するポンプを含み、前記グローブ内に気体を供給することで前記グローブ内の圧力を前記グローブ外の圧力よりも高くする、
    請求項1から6の何れか1項に記載の把持システム。
  8. 前記調整部は、前記グローブ内から気体を吸引するポンプを含み、前記グローブ内から
    気体を吸引することで前記グローブ内の圧力を前記グローブ外の圧力よりも低くする、
    請求項1から5の何れか1項に記載の把持システム。
  9. 前記指部と前記ベース部との間に隙間が設けられ、
    前記調整部は、前記ベース部内の圧力を調整することにより、前記隙間を介して前記グローブ内と前記ベース部内との間で気体を流通させることで、前記グローブ内の圧力を調整する、
    請求項1から8の何れか1項に記載の把持システム。
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WO2023120476A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 川崎重工業株式会社 ロボット制御装置、ロボットシステム、ロボット制御プログラム

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