第1の発明における洗濯機は、外郭を形成する筐体と、前記筐体内に弾性防振支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に配設された有底円筒形状の洗濯槽と、上部に開口を有し液体を収容するタンクと、前記開口を開閉するタンク蓋と、前記タンクの液体を水槽へ自動供給する液体供給装置と、前記タンクの液体残量を検出する残量検知手段と、を備え、前記残量検知手段は、前記タンク蓋の裏面に回動可能に設けられ前記タンク内の液面に浮遊するフロートと、前記フロートに設けられた被検出部と、前記被検出部を検出する検出部と、を有し、前記タンクの内底面には、前記フロートと当接するストッパーが配設されたものである。
これにより、フロートが下方へ回動することを防止できるため、洗剤残量が不足状態であるにも関わらず、磁力センサの出力電圧が変化して、液剤残量が不足していないと誤検知されることを防止できる。
第2の発明は、第1の発明の洗濯機において、前記フロートの下部には、前記ストッパーと当接する受け部が形成される構成とする。
これにより、フロートが下方へ回動することを防止できるため、洗剤残量が不足状態であるにも関わらず、磁力センサの出力電圧が変化して、液剤残量が不足していないと誤検知されることを防止できる。
第3の発明は、第2の発明の洗濯機において、前記ストッパーは、前記受け部との当接部が湾曲して形成される構成とする。
これにより、フロートとストッパーとが当接している状態で、フロートが左右にぐらつくことを抑制できる。また、フロートが所望の位置に回動するよう、ストッパーにより誘導することができる。
第4の発明は、第2または第3の発明の洗濯機において、前記受け部は、前記ストッパーとの当接部が湾曲して形成される。
これにより、フロートとストッパーとが当接している状態で、フロートが左右にぐらつくことを抑制できる。また、フロートが所望の位置に回動するよう、ストッパーにより誘導することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
[目次]
1.実施の形態1
1−1.構成
1−1―1.洗濯機の構成
1−1―2.液剤自動投入装置の構成
1−1―3.風呂水ポンプの構成
1−1−4.残量検知手段の構成
1−2.動作、作用
1−2−1.洗濯運転動作
1−2−2.給水方法、および液剤自動投入装置を用いた液剤の供給方法
1−2−3.手動投入した洗剤、柔軟剤の水槽への供給方法
1―2―4.逆流防止装置の作用
1−2−5.洗剤タンクと液剤自動投入装置の連結部のお手入れ
1−2−6.洗剤タンク内の残量不足検知方法
1−2−7.洗剤タンクの故障検知方法
1−2−8.タンクと自動投入装置との連結箇所、および、液剤供給水路のお手入れ
1−3.効果等
2.他の実施の形態
(実施の形態1)
以下、図1〜38を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.洗濯機の構成]
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯機の外観斜視図、図2は、本発明の実施の形態1における洗濯機の縦断面図である。
図1および図2において、洗濯機100の外郭である筐体101の内部には、有底円筒形の水槽105(水槽)が複数のサスペンション(図示せず)およびダンパー163により弾性的に防振支持されている。水槽105内には、有底円筒形のドラム106(洗濯槽)が回転可能に配設される。ドラム106の内壁面には、バッフル106aが複数個設けられている。ドラム106を低速で回転させることにより、バッフル106aが衣類を引っ掛けて上方に持ち上げ、落下させるといった撹拌動作を与えることができる。ドラム106の周面には、貫通された複数の小孔(図示せず)が形成されている。水槽105の底部には、ドラム106を回転駆動させる槽回転モータ(図示せず)が配設される。
筐体101の前面には、衣類を出し入れするため開口された衣類投入取出口103が形成されている。筐体101の前面には、蓋体102が設けられている。蓋体102は、衣類投入取出口103を開閉自在に覆っている。蓋体102を開放することにより、衣類投入取出口103からドラム106内へ衣類を投入できる。
筐体101の水槽105よりも上部には、液剤自動投入装置109(液剤供給手段)が設けられている。液剤自動投入装置109の構成については、[1−1−2.液剤自動投入装置の構成]で詳述する。
図1に示すように、筐体101上部には、開閉可能な蓋体114aが設けられる。蓋体114aを開けて洗剤タンク117(タンク)および柔軟剤タンク126(タンク)を着脱可能に装着できる。
蓋体102上部には、運転を操作する操作部と、運転状態を表示する表示部とを備える操作表示部104が配設される。
筐体101には、槽回転モータ等を制御し、洗い、すすぎ、脱水等の一連の工程を逐次実行するコントローラ(図示せず)が配設される。コントローラは、布量判定部(図示せず)と、液剤投入量算出部(図示せず)を有する。布量判定部は、例えば、槽回転モータを一定回転数で回転させた時のトルク電流値により、10kgまでの洗濯物を10段階程度に分類する機能を提供する。また、布量判定結果に応じて、洗濯で使用する水量を決定する。液剤投入量算出部は、布量判定部により検出した布量から、洗剤投入量および柔軟座投入量を算出する。
洗濯機100には、記憶部(図示せず)が設けられている。記憶部は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)からなる。記憶部には、洗剤種類に関する情報を記憶する洗剤種類記憶部(図示せず)を含む、洗濯運転に関する各種設定情報が記憶される。
[1−1−2.液剤自動投入装置109の構成]
図3は、本発明の実施の形態1における洗濯機の要部の分解斜視図、図4は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の平面図、図5は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の右側面図、図6は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側面図、図7は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の左側断面図、図8は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の前断面図、図9は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の要部の分解斜視図、図10は、本発明の実施の形態1における洗濯機の柔軟剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図、図8(c)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤液を供給するときの三方弁ユニットの概略図である、図9は、本発明の実施の形態1における洗濯機のポンプユニットの断面図、図10(a)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の水道水を給水するときの三方弁ユニットの概略図、図10(b)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤液を水槽に供給するときの三方弁ユニットの概略図、図10(c)は、本発明の実施の形態1における洗濯機の柔軟剤液を水槽に供給するときの三方弁ユニットの概略図、図11は、本発明の実施の形態1における洗濯機のポンプユニットの断面図、図12は、洗剤タンクと柔軟剤タンクの裏面図、図13は、洗剤タンクと柔軟剤タンクが取り付けられた状態のタンク収容ケースの断面図、図14は、図13のE1部分の拡大図、図15は、洗剤タンクと柔軟剤タンクが取り付けられた状態のタンク収容ケースの後方断面図、図16は、図15のF−F断面図、図17は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクおよび洗剤タンク蓋の上面図、図18(a)は、図17の洗剤タンク蓋下面にフロートが取り付けられていない状態でのG−G断面図、図18(b)は、図17の洗剤タンク蓋下面にフロートが取り付けられた状態でのG−G断面図、図19は、図17のフィルタが取り付けられていない状態でのH−H断面図、図20は、本発明の実施の形態1における洗濯機の身長が異なる使用者がそれぞれ開口から洗剤タンク内部を覗いた場合の視線を示す洗剤タンク断面図、図21は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクと洗剤側三方弁の要部拡大断面図、図22は、本発明の実施の形態1における洗濯機のフィルタの斜視図、図23(a)は、図22のJ−J断面図、図23(b)は、図22のE2部分の拡大図、図24は、本発明の実施の形態1における洗濯機の要部の構成を示すブロック図、図25は、本発明の実施の形態1にお
ける洗濯機の液剤自動投入装置の上面図、図26は、図25のK−K断面図、図27は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンク、洗剤タンク蓋、フロートの分解斜視図である。
液剤自動投入装置109は、筐体101の水槽105よりも上部に設けられている。液剤自動投入装置109は、給水器110と、ポンプユニット111と、三方弁ユニット113(切り替え手段)と、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126が装着されるタンク収容ケース114から構成される。
(給水器110)
給水器110は、筐体101上部に設けられ、給水路110cと、第1給水弁110a(給水弁)と、第2給水弁110bから構成される。
給水路110cの一端は、給水ホース(図示せず)を介して蛇口と連通している。第1給水弁110aと第2給水弁110bの開閉を制御することで、水道水が流れる水路を制御できる。水道水の水路については、(注水ケース116の構成、および、水路の構成)で説明する。
(三方弁ユニット113)
三方弁ユニット113は、タンク収容ケース114に装着された洗剤タンク117の液剤と柔軟剤タンク126の液剤を選択的にピストンポンプユニット112へ吐出するユニットである。
図9に示すように、三方弁ユニット113は、洗剤側三方弁113aと、柔軟剤側三方弁113bと、洗剤側コイル113dと、柔軟剤側コイル113iから構成される。
図10に示すように、洗剤液や柔軟剤液をポンプユニット111へ流すための水路124が設けられている。三方弁ユニット113により、水路124内の水の流れを制御できる。水路124は、前方で、洗剤タンク117と連通する洗剤側筒部111b、および、柔軟剤タンク126と連通する柔軟剤側筒部111fと連通する。水路124は、第2水路182や、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hとも連通している。
図10に示すように、洗剤側三方弁113aは、第2水路182を流れる水道水の流れと、洗剤タンク117から流れる洗剤液の流れを選択的に切り替え、いずれか一方を柔軟剤側三方弁113bへ供給するよう構成されている。
図10を用いて、洗剤側三方弁113aについて説明する。洗剤側三方弁113aは、洗剤側シリンダ113lと、洗剤側シリンダ113l内に設けられ前後に往復運動する洗剤側プランジャ113eと、洗剤側プランジャ113eの前方端部に設けられる洗剤側弁体113fと、一端が洗剤側シリンダ113lの後壁に位置し他端が洗剤側プランジャ113eの後方端部に位置する洗剤側バネ113cと、から構成される。洗剤側シリンダ113lは、前方端部に開口aが形成される。洗剤側シリンダ113lの周囲には、洗剤側コイル113dが設けられている。
図10(a)、図10(c)に示すように、洗剤側コイル113dが通電していない状態では、洗剤側プランジャ113eは、洗剤側バネ113cから前方への付勢力を受け、洗剤側弁体113fが、洗剤側筒部111bの後方端部に形成された開口部bを塞ぐよう構成されている。このため、洗剤タンク117からの洗剤液の流れは、洗剤側弁体113fにより遮られる。また、開口aは開放されているため、第2水路182内を矢印X1方向に水路124内に流入する水道水は、開口a内を通り(矢印X2)、柔軟剤側三方弁1
13bへと流れる(矢印X3)。
図10(b)に示すように、洗剤側コイル113dが通電すると、洗剤側コイル113dに磁界が発生する。このため、洗剤側プランジャ113eは、磁場から受ける電磁力により洗剤側バネ113cの付勢力に抗して後方に移動する。これにより、開口部bが開放される。よって、洗剤タンク117の洗剤液は、矢印X5、矢印X6のように、開口部b内を通り柔軟剤側三方弁113bへと流れる。また、開口aは、洗剤側弁体113fにより塞がれるため、第2水路182を流れる水道水の流れは、洗剤側弁体113fにより遮られる。
以上のように、洗剤側三方弁113aにより、第2水路182からの水道水の流れと、洗剤タンク117からの洗剤液の流れを切り替え、選択的に柔軟剤側三方弁113bへ供給することができる。
柔軟剤側三方弁113bは、洗剤側三方弁113aから流れる液体の流れと、柔軟剤タンク126から流れる柔軟剤液の流れを選択的に切り替え、いずれか一方をピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ供給するよう構成されている。
柔軟剤側三方弁113bも洗剤側三方弁113aと同様、柔軟剤側シリンダ113mと、洗剤側シリンダ113l内に設けられ前後に往復運動する柔軟剤側プランジャ113jと、柔軟剤側プランジャ113jの前方端部に設けられる柔軟剤側弁体113kと、一端が柔軟剤側シリンダ113mの後壁に位置し他端が柔軟剤側プランジャ113jの後方端部に位置する柔軟剤側バネ113hと、から構成される。柔軟剤側シリンダ113mは、洗剤側三方弁113aからの液体が流入するよう構成される。柔軟剤側シリンダ113mは、前方端部に開口部cを有する。柔軟剤側シリンダ113mの周囲には、柔軟剤側プランジャ113jを覆うように柔軟剤側コイル113iが設けられている。
図10(a)、図10(b)に示すように、柔軟剤側コイル113iが通電していない状態では、柔軟剤側プランジャ113jは柔軟剤側バネ113hの前方への付勢力を受ける。これにより、柔軟剤側筒部111fの後方端部に形成された開口部dは、柔軟剤側弁体113kにより塞がれる。このため、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れは、開口部dを塞ぐ柔軟剤側弁体113kにより遮られる。また、開口部cは開放されているため、洗剤側三方弁113aから柔軟剤側三方弁113bへ供給された洗剤液または水道水は、矢印X4や矢印X7のように、開口部cからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。
図10(c)に示すように、柔軟剤側コイル113iが通電すると、柔軟剤側プランジャ113jは、磁場から受ける電磁力により、柔軟剤側バネ113hの付勢力に抗して後方へ移動する。これにより、開口部dが開放される。よって、柔軟剤タンク126の柔軟剤液は、矢印X8、矢印X9のように、開口部dからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。また、開口部cは、柔軟剤側弁体113kにより塞がれるため、洗剤側三方弁113aからの液体の流れは柔軟剤側弁体113kにより遮られる。
以上のように、柔軟剤側弁体113kにより、洗剤側三方弁113aからの液体の流れと、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れを切り替え、選択的に吸入水路112hへ供給することができる。
上記構成とすることで、図10(a)のように、洗剤側コイル113dと柔軟剤側コイル113iを共に非通電をすると、第2水路182内の水道水が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。また、図10(b)のように、
洗剤側コイル113dを通電し、柔軟剤側コイル113iを非通電とすると、洗剤タンク117の洗剤液が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。また、図10(c)のように、洗剤側コイル113dを非通電とし、柔軟剤側コイル113iを通電状態にすると、柔軟剤タンク126の柔軟剤液が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。
(ポンプユニット111)
ポンプユニット111は、洗剤タンク117内の洗剤液、または柔軟剤タンク126内の柔軟剤液を吸引し、水槽105へ吐出するためのユニットである。
図9に示すように、ポンプユニット111は、外枠111aと、外枠111a内に設けられたピストンポンプユニット112から構成される。
外枠111aは、樹脂で形成されており、ピストンポンプユニット112を囲い保護している。図6に示すように、外枠111aは、給水器110とタンク収容ケース114の間に配設されている。
図9、図10、図21に示すように、外枠111aの外壁前面の下方には、洗剤側筒部111bが前方と後方に延伸形成される。洗剤側筒部111bの前方端部は、図21に示すように、洗剤タンク117の下方後壁に形成された筒部123内に挿入される。洗剤側筒部111bの前方外周面には、離間した複数のパッキン111cが設けられている。図9、図21に示すように、洗剤側筒部111bの前方には、前方向に延伸した突出リブ111eが形成される。洗剤側筒部111bの後方端部は、図10に示すように、水路124と接続する。水路124は、ポンプユニット111の吸入水路112hと連通している。
また、図9に示すように、外枠111aの外壁前面の下方には、前方および後方に延伸する柔軟剤側筒部111fが形成される。外枠111aよりも前方に延伸する柔軟剤側筒部111fは、柔軟剤タンク126の下方後壁に形成された筒部(図示せず)内に挿入される。柔軟剤側筒部111fの後方端部は、図10に示すように、水路124と連通接続されている。
図9、図11に示すように、ピストンポンプユニット112は、シリンダ112dと、シリンダ112d内に液剤が流入する吸入水路112hと、シリンダ112dから液剤を吐出する吐出水路112gと、シリンダ112d内に設けられ上下に往復運動可能なピストン112eと、ピストン112eを駆動させる駆動モータ112fを有する。
シリンダ112dは、中空の略円筒形状で形成されており、シリンダ112dの内部には、ピストン112eが上下に往復運動可能に配設されている。ピストン112eは、リンク112aおよびカム112bを介して、駆動モータ112fと連結している。上記構成により、駆動モータ112fの回転は、リンク112aおよびカム112bを介してピストン112eに伝達され、ピストン112eが上下運動する。
シリンダ112dの下部には、吸入水路112hおよび吐出水路112gが連通して取り付けられている。吸入水路112hおよび吐出水路112gを、ピストン112eよりも下方に配設することで、ピストン112eにより吐出された液剤が、勢いよく下方に吐出される。
吸入水路112hは、水路124の吐出口eと連通しており、柔軟剤側三方弁113bから吐出された液体が、シリンダ112d内の収容部112cへ吸引する水路である。
吸入水路112h内には、吸入側逆止弁164が設けられている。吸入側逆止弁164は、下部に凸部164aが形成されている。吸入水路112hには、吸入側逆止弁164を下方に付勢するバネ164bが配設されている。これにより、凸部164aは、吸入水路112hの内壁面112iと当接するため、吸入側逆止弁164は、上方には移動するが、吸入水路112hの内壁面112i以上、下方に移動しない構成となっている。
吐出水路112gは、シリンダ112d内の液体が吐出される水路で、図5に示すように、連結ホース129の分岐水路129aと接続されている。
吐出水路112g内には、吐出側逆止弁165が設けられている。吐出側逆止弁165は、上部に凸部165aが形成されている。吐出水路112gには、吐出側逆止弁165を上方に付勢するバネ165bが配設されている。このため、凸部165aは、吐出水路112gの内壁面112jと当接するため、吐出側逆止弁165は下方には移動するが、吐出水路112gの内壁面112j以上、上方に移動しない構成となっている。
ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112dの収容部112c内が負圧となり、吸入側逆止弁164に上向きの力が加わる。負圧により吸入側逆止弁164に生じる上向きの力が、吸入側逆止弁164の重力とバネ164bの弾性力との合力よりも大きい場合、吸入側逆止弁164は上向きに移動し、凸部164aと吸入水路112hの内壁面112iとの間に隙間が生じる。これにより、三方弁ユニット113を経由した液体が、隙間から吸入水路112hを流れてシリンダ112d内に流入する。
ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ内の収容部112c内が正圧となり、吐出側逆止弁165に下向きの力が加わる。吐出側逆止弁165に係る重力と、ピストン112eが下方へ移動したことより吐出側逆止弁165に生じる下向きの力との合力が、吐出側逆止弁165に係る上向きのバネ165bの弾性力よりも大きい場合、吐出側逆止弁165は下方に移動する。これにより、凸部165aと吐出水路112gの内壁面112jとの間に隙間が生じるため、シリンダ内の収容部112c内の液体が隙間から吐出水路112gを流れ、吐出される。
また図5に示すように、吐出水路112gは、連結ホース129の分岐水路129aと連通接続される。連結ホース129は、タンク収容ケース114の排水口114cと水槽105とを連通するホースである。これにより、ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ内の収容部112c内の液剤は、吐出水路112gから連結ホース129を経由して水槽105へと吐出される。
以上のように、ピストン112eが上下運動を繰り返すことで、洗剤タンク117の洗剤液や連結ホース129の柔軟剤液をポンプユニット111内に吸引し、水槽105へ吐出することができる。
また、吸入水路112h、吐出水路112gおよび分岐水路129aは、略鉛直方向に形成されている。
(タンク収容ケース114)
タンク収容ケース114は、上面が開口した収容部を有する容器である。図4に示すように、タンク収容ケース114の収容部後方には、洗剤タンク117と柔軟剤タンク126が着脱可能に取り付けられる。タンク収容ケース114の収容部前方には、洗剤ケース115が着脱可能に取り付けられる。
図21に示すように、タンク収容ケース114の下方後壁には挿入孔114dが形成される。挿入孔114dには、ポンプユニット111の洗剤側筒部111bが挿入される。
図3、図5に示すように、タンク収容ケースの左右側壁には、リニアホール素子136(検出器)が設けられている。リニアホール素子136は、アナログ方式で構成される。
図3、図5に示すように、タンク収容ケース114の側壁下部には、下部注水口114gが形成されている。下部注水口114gは、後述する迂回水路184と連通している。
図5に示すように、タンク収容ケース114の底部には排水口114cが形成される。排水口114cは、連結ホース129の一端と接続される。連結ホース129の他端は、水槽105に揺動可能に接続される。図5に示すように、連結ホース129は、途中から分岐水路129aが鉛直方向に分岐している。分岐水路129aは、ポンプユニット111の吐出水路112gと連通している。
(洗剤タンク117、柔軟剤タンク126)
洗剤タンク117および柔軟剤タンク126は、上部に上面開口部118を有する容器である。
図27に示すように、洗剤タンク117の上部周縁には、パッキン117fが設けられる洗剤タンク117の上部には、上面開口部118を開閉可能に覆う洗剤タンク蓋119(タンク蓋)が取り付けられる。洗剤タンク蓋119が洗剤タンク117上部に取り付けられると、パッキンが押し潰され、水密に固定できる。これにより、洗剤タンク117を横に倒してしまった場合でも、内部の洗剤液がこぼれることを防止できる。なお、パッキンは、洗剤タンク117側でなく、洗剤タンク蓋119側に設けられる構成でもよい。
図27に示すように、洗剤タンク蓋119は、前方に開口部139が形成されている。また、洗剤タンク蓋119には、開口部139を開閉可能に覆う小窓119bが設けられる。
図21に示すように、洗剤タンク117の後壁117a下方には、内方(前方)に延伸する筒部123が形成されている。筒部123の内周面には、逆止弁123bが取り付けられている。逆止弁123bは、ばね(図示せず)によって後方へ付勢されている。自然状態では、逆止弁123bが筒部123内周壁を押圧して隙間が生じないため、洗剤タンク117内の洗剤液が筒部123から漏れ出すことを防止している。
洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着すると、筒部123に液剤自動投入装置109の洗剤側筒部111bが挿入される。このとき、洗剤側筒部111bの突出リブ111eが逆止弁123bを前方に押すことにより、逆止弁123bと筒部123内壁との間に隙間が生じ、図21の矢印Iのように、洗剤液が筒部123から三方弁ユニット113に吐出することができる。また、洗剤タンク117をタンク収容ケース114から引き抜いた場合、逆止弁123bがばねによって後方に付勢され、逆止弁123bと筒部123内周と間の隙間がなくなる。これにより、洗剤タンク117からタンク収容ケース114を引き抜いた場合でも、洗剤タンク117から洗剤液が漏れることを防止できる。
また、洗剤タンク117がタンク収容ケース114に装着されると、パッキン111cにより筒部123と洗剤側筒部111bとは水密に保持される。これにより、洗剤タンク117装着時、洗剤液が洗剤タンク117の筒部123からタンク収容ケース114へ漏れることがなく、所望の水量の洗剤液を吐出することができる。
図27に示すように、洗剤タンク117の前方外壁面には、掴み部117gが形成される。掴み部117gは、洗剤タンク117の壁面と距離を置いて設けられている。使用者は、掴み部117gを掴み、洗剤タンク117を手前へ引くことで、タンク収容ケース114内から洗剤タンク117を引き抜くことができる。また、使用者は掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に指を上から挿入することもできるし、下から挿入することもできる。また、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に指を上から挿入するとともに、下からも挿入することで、掴み部117gを握ることもできる。
タンク収容ケース114の収容部に挿入された洗剤タンク117を、下から掴み部117gを掴んで引き抜こうとすると、洗剤ケース115収容部の狭いスペース内に手首を入れる必要があるため手首が窮屈になる。一方、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に上から指を挿入することで、手首が窮屈な姿勢になることなく、洗剤タンク117を容易に引き抜くことができる。
図12に示すように、洗剤タンク117後方の底面には、上方に窪んだ凹部117kが形成される。洗剤タンク117外底面の凹部117kの周縁部には、後方に延伸する受け部117hが形成されている。受け部117hは、後方に延伸する延伸部117iと、延伸部117iの後方端部に形成される突起部117jから構成される。また、図13〜図15に示すように、タンク収容ケース114の底面120には、洗剤タンク117が装着された状態で受け部117hを挟む位置に2本のガイドリブ114hが形成される。
洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着する際、洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に入れた状態で後方に押し込む。すると、図13〜図16に示すように、ガイドリブ114hに受け部117hの突起部117jがガイドリブ114hの間に入り込み、受け部117hとガイドリブ114hとが嵌合固定される。
洗剤タンク117がタンク収容ケース114に完全に装着できていないと、筒部123や洗剤側筒部111bから洗剤液が漏れ出てしまう。これにより、所望量の洗剤液を水槽105に供給できず、洗濯性能に悪影響を与えてしまう。
本実施の形態では、受け部117hを2本のガイドリブ114h内に嵌め込むことで、タンク収容ケース114に洗剤タンク117を確実に装着できる。また、使用者が洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着する際、突起部117jがガイドリブ114hの間を通るために、力強く洗剤タンク117を後方に押し込む必要がある。突起部117jがガイドリブ114hの間を通った場合、洗剤タンク117を押し込む際の抵抗感が弱まる。使用者は、このクリック感により、受け部117hがガイドリブ114hに確実に挿入されたことを把握できるため、筒部123や洗剤側筒部111bから洗剤液が漏れ出ることを抑制でき、所望量の洗剤液を水槽105へ供給できる。また、ガイドリブ114hにより、洗剤タンク117を挿入する際の位置決めの役割も果たしている。
なお、本実施の形態では、受け部117hと、受け部117hを挟む2本のガイドリブ114hにより、洗剤タンク117とタンク収容ケース114とを固定する構成を説明したが、本発明は、これに限られない。洗剤タンク117を後方に押し込むことにより、スナップフィットによってタンク収容ケース114と取り付けることができればよい。例えば、タンク収容ケース114に、受け部117hと嵌合するリング状の止め部を形成してもよい。
図18に示すように、洗剤タンク117の内壁面には、底面から上方向に延伸する第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cが離間して形成されている。第2縦リブ138bは、第1縦リブ138aよりも後方に位置し、長さが短く形成される
。第3縦リブ138cは、第2縦リブ138bよりも後方に位置し、長さが短く形成される。
使用者は、洗剤タンク117内部の洗剤液の水面と、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部との長さを確認することで、洗剤タンク117内部の洗剤液の大よその残量を把握できる。また、縦リブが何本見えるかにより、大よその洗剤残量を容易に把握できる。例えば、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cがすべて見える状態であれば、洗剤タンク117内の洗剤液の残量が多いと把握でき、第3縦リブ138cのみしか見えない状態であれば、洗剤残量が不足気味であると把握できる。
図19に示すように、フロート130aは、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cに対して左右方向に隙間を隔てて形成されている。また、フロート130aは、第3縦リブ138cよりも前方には回動しないよう構成される。これにより、使用者が小窓119bを開けた状態で、使用者が開口部139を覗いた場合、フロート130aにより第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cが見えなくなることを防止している。
図20に示す通り、洗濯機の手前にいる使用者が小窓119bから洗剤タンク117内を覗いた際の視線に合わせて、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの長さが、手前の方が長く後方の方が短くなるよう形成されている。これにより、小窓119bを開けた状態で、使用者が前方から開口部139を覗くと、小窓119bから第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部を視認できる。また、身長の低い人にとっても身長の高い人にとっても、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部が視認できる。
柔軟剤タンク126も洗剤タンク117と同様の構成なので、説明は割愛する。
(フィルタ122)
図27に示す通り、フィルタ122は、洗剤タンク117内に着脱可能に設けられる。フィルタ122は、樹脂で構成され、表裏に貫通する貫通孔(図示せず)が網目状に形成されている。洗剤タンク117内の洗剤液は、フィルタ122によりろ過されるため、洗剤液の固着物などが筒部123や洗剤側筒部111b内で詰まることを抑制できる。
また、一般に洗剤液は粘性が高いので、洗剤タンク117内部にフィルタ122を水平に配置すると、洗剤液がフィルタ122の貫通孔を通過しないで、フィルタ122の表面に残留、固着する虞がある。フィルタ122の表面に洗剤液が残留、固着すると、洗剤タンク117から適切な量の洗剤液が吐出されない虞がある。また、洗剤液がフィルタ122の貫通孔を塞ぐことにより、洗剤タンク117内部のフィルタ122よりも下方の空間に空気だまりが生じ、ポンプユニット111が空回りして、所望の量の洗剤液を吐出できない虞がある。
本実施の形態では、フィルタ122を洗剤タンク117に斜めに設置している。また、図22、図23に示すように、フィルタ122は、洗剤タンク117に取り付けられた状態において水平面に対して傾斜した方向に延伸形成される複数の縦リブ122eと、縦リブ122eの背面に配設され縦リブ122eと交差する複数の横リブ122fと、を格子状に構成している。上記構成により、フィルタ122の表面に付着した洗剤液が、縦リブ122eに沿った方向に洗剤タンク117の底面120に向けて流れる。これにより、洗剤液がフィルタ122の表面に残留、固着することを抑制できる。また、フィルタ122の貫通孔を通過した洗剤液は、横リブ122fを下方に流れ、横リブ122fの先端部か
ら流れ落ちる。これにより、フィルタ122に付着した洗剤液がフィルタ122の貫通孔を塞ぐことを抑制できる。
図18に示すように、フィルタ122は、洗剤タンク117内に取り付けられた状態で下端122dが折れ曲がって形成される。また、フィルタ122の背面には係合爪122gが形成される。係合爪122gは、フィルタ122の背面方向に延伸する延伸リブ122bと、延伸リブ122bの先端部分に後方に向けて凸状に形成される凸部122cから形成される。
図18に示すように、洗剤タンク117の底面120には、引掛部121が形成される。引掛部121は、フィルタ122の下端122dと係合される。洗剤タンク117の後壁117aには、洗剤タンク117の内側へ突出した突出部117bが形成される。突出部117bは、フィルタ122の凸部122cと係合される。上記構成により、フィルタ122を斜め方向に係合固定できる。
以下、フィルタ122と洗剤タンク117との着脱方法について説明する。
フィルタ122を洗剤タンク117内に取り付ける際は、洗剤タンク117の引掛部121にフィルタ122の下端122dを係合させた状態で、下端122dを支点にしながらフィルタ122を図18の後方へ押しこみ、係合爪122gと突出部117bと係合させる。これにより、フィルタ122は洗剤タンク117内で保持される。
また、洗剤タンク117からフィルタ122を取り外す際は、フィルタ122を図18の後方へ押し込むことで、係合爪122gと突出部117bとの係合を外し、洗剤タンク117からフィルタ122を引き抜くことができる。
また、図22に示すように、フィルタ122の下方には、下方延伸リブ122aが形成される。図21に示すように、洗剤液の残量が少なくても洗剤液が吐出できるよう、洗剤タンク117底面の筒部123付近に下方窪み部117cが形成されている。下方延伸リブ122aにより、下方窪み部117cに液剤固着物などの異物が侵入しないよう構成されている。
(洗剤ケース115)
図4に示すように、タンク収容ケース114の洗剤タンク117および柔軟剤タンク126よりも前方には、洗剤ケース115が着脱可能に設けられている。図7のように、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126と当接している。このため、洗剤ケース115を取り付けることにより、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126を後方へ押し込む。洗剤タンク117は、後方へ押し込まれることにより、筒部123内に洗剤側筒部111bを確実に挿入することができ、洗剤液漏れを防止することができる。柔軟剤タンク126も同様に、洗剤ケース115により後方へ押し込まれることで、タンク収容ケース114内へ確実に装着することができ、柔軟剤漏れを防止することができる。
洗剤ケース115は、上面が開口した容器で、隔壁115aが形成されている。隔壁115aにより、洗剤ケース115の収容部は、洗剤収容部115bと柔軟剤収容部115cとに区画される。使用者は、洗剤収容部115bに粉末洗剤を、柔軟剤収容部115cに柔軟剤を手動投入する。
洗剤ケース115の底面には、排出口(図示せず)が形成されている。排出口から流れる液剤は、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して水槽105へ供給され
る。図11に示すように、洗剤収容部115bに投入された粉末洗剤を洗い流す際は、第1給水弁110aを開ける。これにより、蛇口から給水された水道水は、図11の矢印A1に示すように、第1水路181、注水路を流れ、第1上部注水口116bから洗剤収容部115bへ注水される。
柔軟剤収容部115cには、従来周知のサイフォン機構が設けられている。柔軟剤収容部115cに投入した柔軟剤液を流す際は、第2給水弁110bを開ける。これにより、水道水は、図24の矢印A3に示すように、第3水路183を流れ、第2上部注水口116cから柔軟剤収容部115cへ注水される。すると、柔軟剤収容部115c内の水位が上昇し、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤収容部115cに投入された柔軟剤液を残すことなく完全に水槽105内へ流すことができる。
(注水ケース116の構成、および、水路の構成)
図3、図4に示すように、タンク収容ケース114上部には、水道水が流れる注水ケース116が配設されている。注水ケース116の爪部116aが、タンク収容ケース114の係合部114mと係合することにより、注水ケース116とタンク収容ケース114とが固定される。
図24に示すように、注水ケース116には、第1給水弁110aと連通する注水路と、第2給水弁110bと連通する注水路と連通している。また、注水ケース116には、前方に第1上部注水口116b,第2上部注水口116cが形成される。第1上部注水口116b,第2上部注水口116cは、注水路と連通する。また、注水ケース116は、後方に第3上部注水口116dが形成されている。
図24に示すように、第1水路181は、第1給水弁110aから流入した水が、注水ケース116の注水路を流れ、第1上部注水口116bから洗剤ケース115の洗剤収容部115b内に注水される水路である。コントローラは、第1給水弁110aを開けると、水道水が、第1水路181を流れ、第1上部注水口116bから洗剤収容部115bに注水される。
図24に示すように、第1水路181は、注水ケース116よりも上流側で、第2水路182と分岐する。第2水路182は、三方弁ユニット113、ポンプユニット111を経由して連結ホース129の分岐水路129aに流入する水路である。
第2水路182では、三方弁ユニット113よりも上流側で迂回水路184が下方に分岐している。迂回水路184は、タンク収容ケース114の下部注水口114gと連通している。洗剤側三方弁113aに異物が詰まったり、洗剤側三方弁113aが経年劣化したりして、洗剤側三方弁113aの開閉部が閉じ切らず、洗剤タンク117の洗剤液が第2水路182内を逆流した場合でも、逆流した液剤が迂回水路184へと流れるので、給水栓まで逆流することを防止できる。
図24に示すように、第3水路183は、第2給水弁110bから流入した水道水が、注水ケース116の注水路を流れ、第2上部注水口116cから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115c内に注水される水路である。コントローラが第2給水弁110bを開けると、水道水は、第3水路183を流れ、第2上部注水口116cから柔軟剤収容部115cに注水される。
図24に示すように、第3水路183は、第3分岐点183aで分岐水路185と分岐している。分岐水路185は、第3上部注水口116dと連通する。第3水路183を流れる水道水の一部は、分岐水路185を流れ、図8の矢印D方向に第3上部注水口116
dから傾斜面114jに向けて注水される。注水された水は、傾斜面114j上を筒部123と洗剤側筒部111bに向けて流れる。
(逆流防止装置170)
図26は、本発明の実施の形態1における洗濯機の液剤自動投入装置の逆流防止装置の断面図である。
図24に示すように、第1水路181の第1分岐点181aよりも上流側には、逆流防止装置170が設けられている。停電や断水等により、洗剤タンク117内の洗剤液や柔軟剤タンク126内の柔軟剤液が第2水路182を逆流した場合でも、逆流防止装置170により、液剤が給水栓まで逆流することを防止できる。
図9に示すように、上蓋177は、外枠111aの上部を覆っている。図26に示すように、外枠111aの上部と上蓋177によりに囲まれた空間に通水路171が形成されている。給水路110cから第1給水弁110aを通過した水は、通水路171を後方から前方に向けて流れる。
図9、図26に示すように、アスピレータ172は、通水路171内に配設されている。アスピレータ172は、上蓋177の下方と溶着固定される。アスピレータ172は、断面が略四角形で、前方と後方に向けて内径が広がるよう形成されている。
通水路171には、アスピレータ172よりも上流側の入水路173と、アスピレータ172内に形成され内径が狭まった水路である負圧発生部174と、アスピレータ172よりも下流側の負圧発生部174よりも内径が広がった出水路175と、が形成される。入水路173の高さ寸法L1は、例えば12.12mm、負圧発生部174の高さ寸法L2は例えば1.9mm、出水路175の高さ寸法L5は、例えば15mmで構成され、負圧発生部174は、入水路173および入水路173に比べ内径が狭小に形成される。上記構成により、通水路171を流れる水は、ベンチュリー効果によって、水路径が狭い負圧発生部174では流速が速くなる。
アスピレータ172の負圧発生部174には、吸気孔174aが形成される。吸気孔174aの直径L3は、例えば、2.5mmで形成されている。上蓋177には、吸気孔174aを囲うように、内部に空洞177dを有する突出部177aが形成されている。図25に示すように、突出部177aには、内部が貫通した接続部177bが形成されている。図3〜図5に示すように、接続部177bの端部に形成された開口177cは、大気導入ホース176の一端と接続される。大気導入ホース176の他端は、接続口176aでタンク収容ケース114の上部と連通している。タンク収容ケース114は大気開放されている。上記構成により、負圧発生部174は、吸気孔174aを介してタンク収容ケース114と連通する。このため、負圧発生部174は大気開放される。
図26に示すように、アスピレータ172は、吸気孔174aより下流側の水路の方が、吸気孔174aより上流側の水路よりも、内周上部の高さが高くなっている。これにより、吸気孔174aの下流側水路と、吸気孔174aの上流側水路との間には、段差mが形成されている。本実施の形態では、段差mの高さ寸法は、0.9mmで形成されている。
図26に示すように、負圧発生部174の吸気孔174a周縁には、面取り174bが形成されている。面取り174bは、突出部177a側から負圧発生部174側に向けて径が小さくなるよう形成されている。
[1−1−3.風呂水ポンプの構成]
図3に示すように、タンク収容ケース114よりも後方には、風呂水を吸水する風呂水ポンプ140が配設される。風呂水ポンプ140により、浴槽内の風呂水は、風呂水ホース介して吸い上げられ、水槽105へ供給される。
図24に示すように、第1水路181は、注水ケース116内の第2分岐点181bで分岐形成され、注水ケース116の後壁の注水ケース孔(図示せず)で補助ホース141の一端と連通される。補助ホース141の他端は、風呂水ポンプ140の吸入口(図示せず)と連通している。また、図3に示すように、風呂水ポンプの吐出口(図示せず)は、吐出ホース142の一端と連通し、吐出ホース142の他端は、タンク収容ケース114の後壁に形成される孔114kと連通している。
これにより、洗い工程時において、第1水路181を流れる水が、第2分岐点181bから補助ホース141を流れ、風呂水ポンプ140の補助水となる。また、風呂水ポンプ内が補助水で満たされると風呂水が吸水され、吐出ホース142を介して孔114kからタンク収容ケース114に流入し(図3の矢印A)、後方の傾斜面114jを図3の矢印B方向や図8の矢印Eのように流れる。
風呂水ポンプ140を、注水ケース孔と孔114kの対向する位置に配設することにより、補助ホース141や吐出ホース142を短くすることができる。
[1−1−4.残量検知手段の構成]
図28は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンク蓋とフロートの下方分解斜視図、図29は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンクの斜視図、図30は、リニアホール素子が受ける磁束密度とリニアホール素子の出力電圧との関係図である。
液剤自動投入装置109には、洗剤タンク117内の洗剤量を検知する第1残量検知手段130、および、柔軟剤タンク126内の柔軟剤量を検知する第2残量検知手段(図示せず)が設けられている。
第1残量検知手段130は、フロート130aと、リニアホール素子136から構成されている。第2残量検知手段も第1残量検知手段130と同様の構成なので、説明を割愛する。
(フロート130a)
図28に示すように、洗剤タンク蓋119の下面には、第1軸受け部119c(軸受け部)と第2軸受け部119e(軸受け部)が離間した位置に平行に形成されている。第1軸受け部119cには、第1孔119d(挿入孔)が形成されており、第2軸受け部119eには、第2孔119f(挿入孔)が形成されている。
図28に示すように、フロート130aは、リンク133と、リンク133の上端に設けられた回動軸131と、リンク133の下端に設けられたマグネットボックス135から構成される。回動軸131は、第1孔119d内に回動可能に挿入する第1回動軸131aと、第2孔119f内に回動可能に挿入する第2回動軸131bと、から構成される。第1孔119d内に第1回動軸131aを挿入し、第2孔119f内に第2回動軸131bを挿入することにより、洗剤タンク蓋119の下面にフロート130aを回動可能に設けることができる。
第2孔119fは、第1孔119dよりも孔の直径が大きくなるよう構成されている。
第1回動軸131aは第1孔119dに合うよう構成され、第2回動軸131bは第2孔119fに合うよう構成されている。
これにより、使用者が誤って第1回動軸131aを第2孔119f内に挿入し、第2回動軸131bを第1孔119d内に挿入してしまうことを抑制できる。
第1軸受け部119cの高さは、第2軸受け部119eの高さよりも高くなるよう構成されている。また、フロート130aの第2回動軸131b付近には、ストッパーリブ132が形成されている。第1回動軸131aを第2孔119f内に挿入し、第2回動軸131bを第1孔119d内に挿入した場合、ストッパーリブ132が第1軸受け部119cに当接するため、フロート130aが回動しない。これにより、使用者がフロート130aを誤装着したことを把握することができる。
ストッパーリブ132が形成される第2回動軸131が挿入される第2軸受け部119eには、切り欠き部119nが形成される。第1回動軸131aを第2孔119f内に挿入し、第2回動軸131bを第1孔119d内に挿入した場合、ストッパーリブ132が第1軸受け部119cに当接するため、フロート130aが回動しない。これにより、使用者がフロート130aを誤装着したことを把握することができる。
図27に示すように、マグネットボックス135は、内部が中空で構成されており、マグネットボックス135は、密閉された中空の容器である。マグネットボックス135内には第1マグネット134a(被検出部)と第2マグネット134b(被検出部)が設けられている。マグネット134に洗剤液が付着しないよう、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bは、マグネットボックス135とカバー135aにより、密封状態で覆われている。マグネットボックス135内には、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bを保持する保持リブ(図示せず)が形成されている。また、マグネットボックス135は、内部が中空なので、マグネットボックス135自体が浮力を有する。このため、フロート130aは、洗剤タンク117内の洗剤液の液面に浮遊し、洗剤液の水位変化に応じて回動するよう構成されている。
図28のように、マグネットボックス135の下方には、U字状の受け部135bが設けられている。また、洗剤タンク117の内底面には、洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量で受け部135bと当接するようにマグネットストッパー137が設けられている。マグネットストッパー137の受け部135bとの当接箇所は、U字状の受け部135bに合わせて丸みを帯びている。
洗剤タンク117内の洗剤液の水位が下がると、フロート130aが下方へ回動するが、受け部135bとマグネットストッパー137とが当接することで、フロート130aがマグネットストッパー137よりも下方へ回動することを防止できる。これにより、洗剤タンク117内の洗剤液が不足していると判断される所定の洗剤水量から液面が更に低下した場合でも、マグネットボックス135は下方に回動せず、リニアホール素子136の出力電圧は変化しない。
U字状の受け部135bは、マグネットストッパー137と面で当接することで、受け部135bが前後左右にがたつくことをマグネットストッパー137により支持できる。また、フロート130aが左右にずれていた場合でも、U字状の受け部135bがマグネットストッパー137に対する誘いとなり、マグネットボックス135が所望の位置まで誘導される。
(リニアホール素子136)
図5に示すように、リニアホール素子136は、タンク収容ケース114の左右側壁外面の下部にそれぞれ設けられている。リニアホール素子136は、検知した磁束密度に応じた電圧が出力される。
一般に、リニアホール素子136は、図30のような特性を持つ。図30の横軸はリニアホール素子136が検出した磁束密度、図30の縦軸はリニアホール素子136の出力電圧値である。
リニアホール素子136が検知する磁束密度が0Wb/m2に近い場合、リニアホール素子136は、最大出力電圧Vdd(V)の半分である1/2Vdd(V)を出力する。磁性がN極である磁性体がリニアホール素子136に近づくと、リニアホール素子136は、N極の磁力を強く検出し、出力電圧は1/2Vddよりも大きくなる(図30の矢印O方向)。一方、磁性がN極である磁性体がリニアホール素子136に近づくと、リニアホール素子136は、S極の磁力を強く検出し、出力電圧は1/2Vddより小さくなる(図30の矢印N方向)。
リニアホール素子136は、タンク収容ケース114の側壁外面の下部に設けられているので、洗剤タンク117内の液体洗剤の水位が低下すると、リニアホール素子136とマグネットボックス135との距離が近づくため、リニアホール素子136の出力電圧が変化する。
リニアホール素子136を洗剤タンク117の外底面側に配設すると、洗剤が洗剤タンク117の外底面に溜まってしまうので、洗剤タンク117内の洗剤液が減ったことを検知できない。一方、リニアホール素子136をタンク収容ケース114の側壁に設けると、洗剤は側壁の外面に沿って流れ落ちるため、上記の誤検知を防止できる。
[1―2.動作、作用]
上記構成における洗濯機において、以下に動作・作用を示す。
[1―2−1.洗濯運転動作]
本発明の実施形態1における洗濯運転の動作を説明する。
洗濯機100の洗濯運転は、衣類を洗濯水に浸しドラム106を回転することで汚れを落とす『洗い工程』、洗剤水で浸った衣類を水で濯ぐ『すすぎ工程』、水を含んだ衣類を脱水する『脱水工程』、温風をドラム106へ供給しドラム106内の衣類を乾燥させる『乾燥工程』などがある。
使用者は洗濯を行う前に、予め、洗剤液を洗剤タンク117へ投入するとともに、柔軟剤液を柔軟剤タンク126へ投入しておく。
洗剤タンク117に洗剤液を補充する際は、蓋体114aを開け、洗剤タンク117を取り外す。次に、洗剤タンク蓋119を開け、洗剤タンク117内に洗剤液を投入する。
柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を補充する際も同様に、蓋体114aを開け、柔軟剤タンク126を取り外す。次に、柔軟剤タンク蓋128(タンク蓋)を開け、柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を投入する。
また、蓋体114a、洗剤タンク蓋119、および柔軟剤タンク蓋128は、ヒンジにより上下に回動しながら開閉する構成となっている。このため、洗剤タンク蓋119、および柔軟剤タンク蓋128が開いた状態で、蓋体114aを閉じることで、洗剤タンク蓋
119と柔軟剤タンク蓋128も閉じることができる。
洗濯を行う際、使用者は、蓋体102を開け、衣類投入取出口103からドラム106内に衣類を投入する。次に、操作表示部104を操作して電源スイッチをONにするとともに、洗いやすすぎ、脱水など、各種洗濯コースや洗濯条件を設定する。設定できる洗濯コースは、『洗いのみ』、『すすぎのみ』、『脱水のみ』などである。
以下、『洗濯コース』における運転動作を説明する。
『洗濯コース』では、コントローラは、布量判定工程、給水工程、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を逐次実行するよう制御する。布量判定工程では、布量判定部が、布量検知では、槽回転モータを一定回転数で正転方向、反転方向に繰り返し回転させた時のトルク電流値を測定することにより、ドラム106内の布量を検出する。次に、ポンプユニット111を駆動させ、液剤投入量算出部により算出された量の洗剤液を洗剤タンク117からドラム106内へ投入する。その後、第1給水弁110aを開け、布量に応じた水量の水道水をドラム106内に給水する給水工程を実行する。
給水工程終了後、槽回転モータを駆動させ、ドラム106を回転させることにより、ドラム106内の洗濯物を攪拌させる洗い工程を実行する。洗い工程終了後、コントローラは、脱水を実行した後、すすぎ工程を実行する。すすぎ工程では、第1給水弁110aを開放させ、所定量の水道水を水槽105内へ供給した後、ポンプユニット111を駆動させ、液剤投入量算出部により算出された量の柔軟剤液を柔軟剤タンク126から水槽105内へ供給する。また、洗剤液や柔軟剤液供給の後、水道水を給水して洗剤や柔軟剤液の水路を洗い流す。
すすぎ工程が終了すると、脱水工程を実行し、洗濯コースが完了する。
[1−2−2.給水方法、および液剤自動投入装置を用いた液剤の供給方法]
以下、給水方法、および水槽105への液剤の供給方法について説明する。
洗い工程ではまず、水槽105に水道水を給水する。
図24に示すように、水道水を給水する際、コントローラは、第1給水弁110aを開けるとともに、第2給水弁110bを閉じる。また、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを非通電状態にする。これにより、蛇口から給水される水道水が、第1水路181を流れ、水槽105に給水される。
給水完了後、洗剤タンク117内の洗剤液を水槽105に供給する。この場合、図10(b)に示すように、コントローラは、洗剤側コイル113d、駆動モータ112fを通電状態とし、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする。これにより、洗剤タンク117とポンプユニット111の吸入水路112hとが連通する。逆止弁123bが後方へ移動するため、洗剤タンク117内の洗剤液は、筒部123から洗剤側筒部111b、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113bを経由してポンプユニット111の吸入水路112hに流入する。
また、図11に示すように、駆動モータ112fの駆動力により、ピストン112eはシリンダ112d内で上下に往復運動する。これにより、シリンダ112d内は負圧と正圧が繰り返される。ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112d内が負圧になり、吸入側逆止弁164が上方へ移動し、洗剤液が吸入側逆止弁164と吸入水路112hとの隙間からシリンダ112d内の収容部112c内に流入する。ピストン112e
が下方へ移動すると、シリンダ112d内が正圧になり、吐出側逆止弁165が下方へ移動する。このため、シリンダ内の収容部112c内の洗剤液は、吐出側逆止弁165と吐出水路112gの内壁面112jとの隙間から分岐水路129aへ向けて真下方向に吐出される(図7の矢印C方向)。吐出された洗剤液は、連結ホース129の分岐水路129aを流れて、水槽105へと供給される。
上記のように、ピストン112eが所定時間、上下運動を繰り返すことで、所定量の洗剤液を水槽105へと供給できる。
ここで、第2水路182は、水槽105と連通しているが、蓋体102が開いた状態では、水槽105内は大気開放されている。このため、ピストンポンプユニット112から水槽105までの液剤の水路内で、液剤が乾燥し、固着、堆積する虞がある。
本実施の形態では、ポンプユニット111の吐出水路112gは、連結ホース129の分岐水路129aと接続されるため、注水ケース116の注水路を経由せず、水槽105に向けて真下方向に自由落下して吐出される(図7の矢印C)。これにより、吐出水路の距離が短く、水路も複雑とならないため、洗剤液の固着を抑制することができる。
洗剤液の投入完了後、図10(a)に示すように、コントローラは、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とするとともに、第1給水弁110aを所定時間開放する。これにより、第1水路181から第2水路182へ流れと流れた水は、三方弁ユニット113やポンプユニット111に流れ込む。これにより、三方弁ユニット113やポンプユニット111、連結ホース129に残留した洗剤液を洗い流すことができる。
また、給水開始時は、水の勢いが弱いため、吸入側逆止弁164および吐出側逆止弁165が移動せず給水される水の流れが遮られる虞がある。このため、第1給水弁110aを開け始めてから所定時間(例えば20秒間)、駆動モータ112fを駆動する構成としてもよい。上記構成とすることで、ピストン112eが上下に往復運動し、シリンダ内の収容部112c内が正圧と負圧とを繰り返される状態となるので、吸入側逆止弁164および吐出側逆止弁165が移動し、水道水をポンプユニット111に流入させることができる。このため、三方弁ユニット113やポンプユニット111、連結ホース129に残留した洗剤液を洗い流すことができる。
また、図5に示すように、ポンプユニット111の吐出水路112gは、タンク収容ケース114を経由することなく、連結ホース129を介して、水槽105と連通している。このため、ポンプユニット111から水槽105までの水路に液剤が残留、固着することを防止できる。
図10(c)に示すように、柔軟剤タンク126から柔軟剤液を供給する場合は、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを通電状態とするとともに、洗剤側コイル113dを非通電状態に制御する。柔軟剤液の供給方法は洗剤液の供給方法と同様であるため、説明を割愛する。
また、洗剤側三方弁113aの開閉部に異物がかみ込んだ場合、洗剤側三方弁113aの開閉部に隙間が生じる虞がある。第1給水弁110aが開放した状態で、停電や断水等となると、洗剤タンク117内の洗剤液が、洗剤側三方弁113a開閉部の隙間を流れ、第2水路182内を給水栓に向けて逆流する虞がある。
ここで、図24に示すように、第2水路182では、迂回水路184が下方に分岐形成
されており、迂回水路184の出水口である下部注水口114gは、洗剤タンク117よりも下方に位置している。このため、洗剤タンク117から逆流した洗剤液は、迂回水路184へ流れ、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して水槽105へと流れる(矢印A4)。よって、洗剤タンク117内の洗剤液が給水栓にまで逆流し、給水栓が故障することを抑制できる。
また、迂回水路184を流れる水道水は、タンク収容ケース114に流入するので、給水時にはタンク収容ケース114に固着した洗剤液を洗い流すことにも利用できる。
柔軟剤タンク126内の柔軟剤が逆流した場合も同様であるため、説明は割愛する。
[1−2−3.手動投入した洗剤、柔軟剤の水槽への供給方法]
以下、洗剤の手動投入を設定した場合において、洗剤ケース115に手動投入した粉末洗剤や柔軟剤の水槽105への供給方法について説明する。
図24に示すように、洗剤ケース115に投入した粉末洗剤を水槽105に供給する際は、第1給水弁110aを開けるとともに、第2給水弁110bを閉じる。これにより、図24の矢印A1のように、蛇口から給水される水道水は、第1水路181を流れ、第1上部注水口116bから洗剤ケース115の洗剤収容部115bに向けて注水される。洗剤収容部115b内の粉末洗剤は、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内に供給される。また、第1水路181に給水された水道水は、第1分岐点181aで第2水路182からする。第2水路182を流れる水道水は、図24の矢印A4のように、迂回水路184内を流れ、下部注水口114gからタンク収容ケース114の内底面に向けて給水される。上側から注水される水と下側から注水される水によって、粉末洗剤がタンク収容ケース114内に残留することなく、連結ホース129へ洗い流すことができる。
洗剤ケース115に投入した柔軟剤を水槽105へ供給する際は、第1給水弁110aを閉制御するとともに、第2給水弁110bを開制御する。これにより、蛇口から給水される水道水は、図24の矢印A3のように、第3水路183を流れ、第2上部注水口116cから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cへ向けて注水される。すると、柔軟剤収容部115c内の水位が上昇し、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤収容部115cに投入された柔軟剤液を残すことなく、タンク収容ケース114へ流出させることができる。タンク収容ケース114に流出した柔軟剤液は、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内へと供給される。
[1−2−4.逆流防止装置の作用]
以下、逆流防止装置170の作用を説明する。
図26に示すように、負圧発生部174は、入水路173や出水路175よりも水路の内径が狭く形成されている。水道水が負圧発生部174を通過する際、流速が速くなるため、ベンチュリー効果によって、負圧発生部174内は、入水路173や出水路175に比べて負圧状態となる。
ここで、大気圧をP0(N/m2)、入水路173内を水道水が流れる際の水圧をP+P0(N/m2)とした場合、水道水が負圧発生部174内を流れることにより大きくなる動圧がP(N/m2)以上となると、負圧発生部174内の静圧は、大気圧P0(N/m2)以下となる。また、タンク収容ケース114は大気開放されているため、吸気孔174aよりも大気導入ホース176側の圧力はP0(N/m2)である。
流体は、圧力の高い方から圧力の低い方へ流れるため、負圧発生部174内の静圧が大気圧P0(N/m2)以下となるようアスピレータ172の水路径を設計すると、通水路171を流れる水道水は、吸気孔174aから上蓋177の突出部177aへ流出することなく出水路175へと流れる。一方、大気開放された吸気孔174aから負圧発生部174内へ空気が導入されるので、出水路175を流れる水道水は、気液混合状態となる。
停電や断水等で給水路が負圧状態となった場合、洗剤タンク117内の洗剤液や柔軟剤タンク126内の柔軟剤液が給水栓側へ逆流する虞がある。この場合、大気開放された大気導入ホース176を介し、吸気孔174aから負圧発生部174内へ空気が導入されることにより、入水路173と出水路175間の水道水の連通を遮断できる。これにより、通水路171内の水道水は、吸気孔174aから入水路173側と、吸気孔174aから出水路175側とで分離できるので、出水路175よりも下流にある洗剤タンク117の洗剤液、柔軟剤タンク126内の柔軟剤液などが水道まで逆流することを防ぐことができる。
また、負圧発生部174は、吸気孔174aよりも下流側の水路の方が、吸気孔174aの上流側の水路より水路の内径が広がるよう段差mが形成されている。これにより、通水路171を流れる水道水が、吸気孔174a周縁にぶつかり、水道水の流れに乱流が生じ、吸気孔174aから突出部177aの空洞177d内へ流れることを抑制できる。
また、吸気孔174aの周縁は、負圧発生部174に向けて径が狭くなる面取り174bが形成している。これにより、通水時に吸気孔174aから大気導入ホース176へ水しぶきが飛んだ場合でも、水滴は面取り174b上を負圧発生部174に向けて流れ落ちるので、吸気孔174aが塞がることを抑制できる。
また、アスピレータ172は1部品で構成されている。これにより、簡素な構造で逆流防止装置170を構成できるので、組立ばらつきによる性能悪化を防止できる。また、逆流防止装置170を使用し続けることによる故障の発生リスクを低減できる。
[1−2−5.洗剤タンクと液剤自動投入装置の連結部のお手入れ]
洗剤収容部115bに粉末洗剤を手動投入し、柔軟剤収容部115cに柔軟剤を手動投入し、手動洗濯モードで洗濯を実行すると、洗剤や柔軟剤がタンク収容ケース114の排水口114cから水槽105に供給される。このとき、洗濯終了後も、洗剤や柔軟剤が、タンク収容ケース114に残留する可能性がある。ここで、洗剤や柔軟剤が、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部である筒部123や洗剤側筒部111bに付着し固着すると、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を引き抜く際、筒部123や洗剤側筒部111bに付着した固着物が、筒部123から液剤自動投入装置109の洗剤供給水路内へ入り、水路内の圧損となる虞がある。また、液剤などの固着物が筒部123と洗剤側筒部111bとのパッキン111cに付着し、連結部の水密性が損なわれる虞がある。以上により、必要量の洗剤タンク117から必要量の洗剤液が吐出できず、洗い性能やすすぎ性能が低下するという虞があった。このため、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との定期的なお手入れが必要となるが、図3に示すように、タンク収容ケース114の上部には注水ケース116が設けられているため、タンク収容ケース114後壁付近である筒部123や洗剤側筒部111bをお手入れ難く、使用者にとって負担となる。
本実施例では、図3、図24に示すように、洗い工程での給水時、第1水路181を流れる水は、第1分岐点181aで補助ホース141に流入し、風呂水ポンプ140、吐出ホース142を流れ、図3の矢印Aのようにタンク収容ケース114後方の孔114kからタンク収容ケース114内へ流入する。孔114kからタンク収容ケース114に注水
された水は、図3の矢印Bや図8の矢印Eのように、タンク収容ケース114後方側面の傾斜面114jを流れながら、タンク収容ケース114と液剤自動投入装置109の連結部である筒部123や洗剤側筒部111bへ向かって流れる。
上記構成により、孔114kから注水される水により、給水の度に洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部の汚れを洗い流せるので、使用者の定期的なお手入れが不要となる。また、パッキン111cに付着した汚れを洗い流せるので、筒部123と洗剤側筒部111bとの連結部の水密性が保たれ、洗剤液が漏れることなく必要量の洗剤液を水槽105へ吐出できる。また、残留物が洗剤側筒部111bに入り込むことを防止できるため、水路内の圧力が損失することを防止でき、必要量の洗剤液を安定して吐出できる。また、孔114kから注水された水は、排水口114cから連結ホース129と通って水槽105へ供給されるため、洗い工程で用いる水を利用して、筒部123や洗剤側筒部111b周辺をお手入れできる。また、タンク収容ケース114後方の汚れを洗い流す専用の給水弁や水路を構成するホース類も不要な為、コストを抑制できる。
図24に示すように、すすぎ工程での給水時において、第3水路183を流れる水は、第3分岐点183aで、分岐水路185に流入する。分岐水路185を流れる水は、図8の矢印Dのように、第3上部注水口116dからタンク収容ケース114後方へ流入する。タンク収容ケース114後方側面の傾斜面114jを流れながら、タンク収容ケース114と液剤自動投入装置109の連結部である筒部123や洗剤側筒部111bへ向かって流れ、筒部123や洗剤側筒部111b周辺を洗い流すことが可能となる。これにより、洗い工程時の給水と同様の効果を得ることができる。
また、洗い工程で水槽105に風呂水を給水する『風呂水コース』を選択した場合、洗剤自動投入終了後、風呂水ポンプ140が作動し、第1給水弁110aから第1水路181へ供給される水の一部が、第2分岐点181bで補助ホース141から風呂水ポンプ140へ流れ込む。風呂水ポンプ140へ水が流れ込むことにより、一端が風呂水ポンプ140と連通し、他端が浴槽(図示せず)の風呂水内に入れたホース(図示せず)に水道水が満たされる。この状態で風呂水ポンプ140を駆動すると、浴槽内の風呂水は、ホースを流れて風呂水ポンプ内へ吸水される。吸水された風呂水は、図3の矢印Aのように、吐出ホース142を介してタンク収容ケース114後方の孔114kからタンク収容ケース114内に流入する。タンク収容ケース114に流入した風呂水は、傾斜面114jを流れ、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部である筒部123、洗剤側筒部111bへ向かって流れる。これにより、筒部123、洗剤側筒部111b周辺に付着した洗剤液の残留物を洗い流すことができる。
また、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を外した状態でタンク収容ケース114の後壁や洗剤側筒部111b周辺を洗浄する『タンク収容ケースお手入れコース』を設ける構成としてもよい。『タンク収容ケースお手入れコース』を選択すると、所定時間、第1給水弁110aが開かれる。これにより、水道水は、第1水路181を流れ、第2分岐点181bで補助ホース141、風呂水ポンプ140、吐出ホース142を流れて孔114kからタンク収容ケース114内へ流入する。タンク収容ケース114に流入した水は、傾斜面114jを矢印B方向に流れて、タンク収容ケース114後方や洗剤側筒部111b周辺を洗い流すことができる。
また、孔114kからタンク収容ケース114内へ注水された水道水は、図15のように、傾斜面114jを矢印F1のように流れ、洗剤タンク117とタンク収容ケース114とを固定するガイドリブ114hと受け部117h、および、柔軟剤タンク126とタンク収容ケース114とを固定するガイドリブ114iと受け部126hを洗浄することもできる。これにより、ガイドリブ114hと受け部117hとの間に液剤が固着して洗
剤タンク117がタンク収容ケース114から抜けやすくなり、洗剤液が筒部123や洗剤側筒部111bから漏れ出すことを抑制できる。
[1−2−6.洗剤タンク内の残量不足判定方法]
以下、洗剤タンク117内の洗剤残量不足の判定方法について説明する。柔軟剤タンク126内の柔軟剤量不足判定も同様である。
図36のTH線のように、洗剤残量が不足していると判定する閾値電圧(例えば2.1V)を記憶部に格納しておく。
洗剤タンク117から洗剤液が吐出されると、洗剤タンク117の水位が下がり、フロート130aが下方へ回動する。これにより、マグネットとリニアホール素子136との距離が変化するため、リニアホール素子136の出力電圧も変化する。リニアホール素子136の出力電圧が、閾値電圧未満となったとき、洗剤残量が不足したと判定し、操作表示部104にその旨を表示する。
また、本実施の形態では、マグネットボックス135内のフロート130aの回動方向に沿う位置に、第1マグネット134aと第2マグネット134bからなる2個のマグネットを配設する。第1マグネット134aは、リニアホール素子136に対してN極を向けており、第2マグネット134bは、リニアホール素子136にS極を向けている。このため、リニアホール素子136は、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bから異なる極性を検出する。
図32〜図35は、洗剤タンク内の各洗剤水位におけるマグネットとリニアホール素子との位置関係を示す模式図である。
図36は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤タンク内の洗剤残量とリニアホール素子の出力電圧との関係図である。
以下、図32〜図36を用いて、洗剤タンク117の洗剤液の各水位に対するリニアホール素子136の出力電圧について説明する。
図32のように、洗剤液が満たされた状態では、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからN極の磁性を受ける。これにより、磁力センサの出力電圧は、図36のa1のようになる。図32の状態から洗剤タンク117から洗剤液を吐出すると、洗剤タンク117の液面が下がり、リニアホール素子136の出力電圧が上昇する。
図33のように、第1マグネット134aがリニアホール素子136の高さ位置まで回動すると、リニアホール素子136は、図36のa2のように最大電圧となる。
図33の状態から、洗剤タンク117の洗剤液を吐出すると、フロート130aが回動する。リニアホール素子136と第1マグネット134aとの距離が離れるとともに、リニアホール素子136とリニアホール素子136との距離が近づくため、リニアホール素子136の出力電圧が減少する。図34の位置までフロート130aが回動すると、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa3のようになる。さらに洗剤タンク117内の洗剤液を吐出すると、リニアホール素子136の出力電圧が減少する。フロート130aは、第2マグネット134bの高さ位置まで回動すると、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa4のようになる。
上記のように、第1マグネット134aが接近した後(図36のa1〜a2区間)、第
1マグネット134aから流れるとともに第2マグネット134bが接近し(図36のa2〜a3区間)、第2マグネット134bから離れる(図36のa3〜a4区間)。
ここで、フロート130aが図33〜図35まで回動するとき(図36のa2〜a4区間)、リニアホール素子136と第1マグネット134aとの距離が離れるとともに、リニアホール素子136とリニアホール素子136との距離が近づく。これにより、リニアホール素子136が受ける磁束密度は、N極成分が少なくなり、S極成分が多くなる。したがって、図36のa2〜a4区間では、マグネットボックス135内にマグネットが1個配設されている場合よりも、リニアホール素子136が受ける磁性が大きく変化するため、洗剤液吐出量に対するリニアホール素子136の出力電圧の変化量が大きくなる。よって、リニアホール素子136の出力電圧が、マグネットボックス135内にマグネットが1個配設されている場合よりも、洗剤残量の不足判定精度を高めることができる。
また、図28に示すように、洗剤タンク蓋119下面には、フロート130aの回動軸131の周囲に隔壁リブ119aが形成されている。これにより、図32に示すように、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされた場合でも、隔壁リブ119aで囲まれた領域の内側には空気だまりが存在するため、洗剤液が流入されないので、フロート130aの回動軸131に洗剤液が付着することを防止できる。また、洗剤タンク117から洗剤タンク蓋119を取り外した状態で洗剤タンク蓋119を傾斜させた場合でも、洗剤タンク蓋119下面に付着した液剤が、フロート130aの回動軸131まで流れることを隔壁リブ119aにより遮ることができる。そのため、回動軸131が洗剤液で固着し洗剤残量の測定精度が悪化することを抑制できる。
また、洗剤タンク蓋119の裏面の周縁には、周縁リブ119mが形成される。隔壁リブ119aは、周縁リブ119mと接続される。これにより、周縁リブ119mが容易な構成により実現でき、コストを抑制できる。
また、図29に示すように、洗剤タンク117の内底面に洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量でマグネットボックス135の受け部135bと当接するようマグネットストッパー137(ストッパー)が配設されることにより、液剤残量の不足状態で液剤が吐出された場合でも、フロート130aが下方へ回動することを防止できる。よって、洗剤残量が不足状態でリニアホール素子136の出力電圧が変化し、洗剤残量が不足していないと誤検知されることを防止できる。
本実施の形態では、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからN極の磁性を受け、第2マグネット134bからS極の磁性を受けるよう配置されている。本発明はこれに限られず、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからS極の磁性を受け、第2マグネット134bからN極の磁性を受ける構成であってもよい。この場合、リニアホール素子136が受ける出力電圧の波形は、図36の波形と上下が反転する。
なお、マグネットボックス135内のフロート130aの回動方向に沿った位置にマグネットを3個以上、リニアホール素子136に与える磁性が異なるよう交互に設けても、本発明と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、洗濯機を製造する際、液剤自動投入装置109を取り付けた状態で、洗剤タンク117に洗剤液を満たした状態(図36のM1区間)のリニアホール素子136の電圧と、洗剤タンク117内に洗剤液が補充されていない状態(図34の区間M2)のリニアホール素子136の出力電圧を測定して、記憶部に記憶させる。これにより、機器毎の残量検出の製造ばらつきや、リニアホール素子136の設置のばらつきなどによる、洗剤残量の不足判定の誤差を軽減させることができる。
なお、マグネットボックス135がマグネットストッパー137に当接した時点でのリニアホール素子136の出力電圧を洗剤残量不足と判定するよう構成してもよい。これにより、マグネットボックス135がマグネットストッパー137に記憶部に記憶されたM2区間での出力電圧値と比較することができるため、機器毎の洗剤残量判定のばらつき誤差を軽減できる。
[1−2−7.タンクの故障検知方法]
長期間、液剤自動投入装置109を使用しない場合、洗剤タンク117内の洗剤液が固着する可能性がある。固着した洗剤液が、洗剤タンク117内の吐出口である筒部123や液剤自動投入装置109の洗剤側筒部111bに詰まると、洗剤タンク117から所望の量の洗剤液が吐出されない虞がある。また、フロート130aの回動軸131に洗剤液が固着した場合、洗剤タンク117から洗剤液が吐出されたにも関わらず、フロート130aが回動せず、洗剤残量の検出精度が低下する虞がある。
そこで、本実施の形態のコントローラには、洗剤タンク117内に洗剤液が付着して上記不具合が生じているか判定を行う不具合判定部(図示せず)を備えている。以下、不具合判定部による不具合判定方法を説明する。
洗剤タンク117から洗剤液が吐出されると、洗剤タンク117の水位が下がり、フロート130aが下方へ回動する。これにより、マグネット134とリニアホール素子136間の距離が変化するため、リニアホール素子136の出力電圧も変化する。しかし、固着した洗剤液などがフロート130aの回動軸131や筒部123などに詰まると、洗剤タンク117から洗剤液を吐出しても、リニアホール素子136の出力電圧が十分変化しない。
そこで、洗剤タンク117から吐出される累積洗剤量が所定値(例えば、30ml)より多くなった時点でのリニアホール素子136の出力電圧と、前回の洗剤タンク117から吐出された累積洗剤量が所定値より多くなった時点でのリニアホール素子136の出力電圧との差分値が所定値(0.1V)未満の場合、洗剤タンク117から洗剤液が吐出されているにも関わらず、フロート130aが回動していないため洗剤タンク117に上記不具合が生じていると判定する。洗剤タンク117に不具合が生じていると判定された場合、コントローラは、操作表示部104にその旨を表示して使用者に通知する。これにより、洗剤タンク117の不具合を早期に検出できるので、所望の量の洗剤液が吐出されていないことに気づかなかったり、洗剤液が不足していることに気づかないといった問題を未然に防ぐことができる。
一方、図36のM1区間のように、洗剤タンク117内の洗剤液が満たされている場合、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bとリニアホール素子136との距離が離れており、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bからの磁力線がリニアホール素子136に到達しない場合がある。このような場合、洗剤タンク117から洗剤液を吐出してフロート130aが下方に回動しても、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bからの磁力線がリニアホール素子136に到達せず、リニアホール素子136の出力電圧が変化しない可能性がある。即ち、図36のM1区間では、洗剤タンク117内に上記不具合が生じないにも関わらず、不具合検出部により不具合が生じたと誤検知される虞がある。
このため、洗剤タンク117内の洗剤液が満たされた状態でのリニアホール素子136の出力電圧(例えば、2.7V〜2.9V)においては、不具合判定部による不具合判定を行わないよう制御している。
図37は、本発明の実施の形態1における洗濯機の洗剤残量不足判定と洗剤タンクの不具合判定を行うフローチャートである。以下、図37を用いて、洗剤タンク117の故障検知の具体的な判定方法を説明する。
本実施の形態の洗濯機では、液剤残量算出部の算出値を累積記憶する洗剤吐出量記憶部(図示せず)と、リニアホール素子136の出力電圧を記憶する第1記憶部(図示せず)と、第2記憶部(図示せず)と、を備えている。
洗剤タンク117から洗剤液が吐出されると(ステップS0)、コントローラは、リニアホール素子136の出力電圧が2.1V未満であるか判定する(ステップS1)。リニアホール素子136の出力電圧が2.1V未満の場合(ステップS1:Yes)、洗剤タンク117内の洗剤残量が不足していると判定し、操作表示部104の洗剤残量不足メッセージを表示する(ステップS2)。使用者は、操作表示部104の洗剤残量不足メッセージを確認した後、タンク収容ケース114の収容部から洗剤タンク117を取り出し、洗剤タンク117に洗剤液を補充する。これにより、洗剤タンク117の洗剤液水位が上昇し、フロート130aが上方に回動する。この状態で洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に再度装着する。リニアホール素子136の出力電圧が閾値電圧である2.1Vより大きくなった場合、コントローラは、洗剤タンク117内に洗剤液が補充されたと判定し、操作表示部104の剤残量不足メッセージを取り消す。
リニアホール素子136の出力電圧が2.1V以上の場合(ステップS1:No)、液剤残量算出部の算出値を、洗剤吐出量記憶部に格納されている値Xに加算し(ステップS3)、加算後の洗剤吐出量記憶部の値Xが30mlより大きいか判定する(ステップS4)。洗剤吐出量記憶部の値Xが30ml以下の場合(ステップS4:No)、未だ所定量の洗剤液が吐出されていないため、故障検知判定を行わない。
洗剤吐出量記憶部の値Xが30mlより大きい場合(ステップS4:Yes)、不具合判定部により不具合判定を行う。まず、洗剤吐出量記憶部の値Xから30(ml)を減じ(ステップS5)、リニアホール素子136の出力電圧を第1記憶部へ格納する(ステップS6)。次に、第1記憶部の格納値Yが、2.7V〜2.9Vの範囲内にあるか判定する(ステップS7)。第1記憶部の格納値Yが2.7V〜2.9Vの範囲内である場合(ステップS7:Yes)、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされている状態であると判断し、洗剤タンク117の不具合判定を行わず、第1記憶部の格納値Yを第2記憶部に格納する(ステップS10)。第1記憶部の格納値Yが2.7V〜2.9Vの範囲外である場合(ステップS7:No)、不具合判定部は、第1記憶部の格納値Yと第2記憶部の格納値Y−1との差分の絶対値が0.1V未満であるか判定する(ステップS8)。第1記憶部の格納値Yと第2記憶部の格納値Y−1との差分の絶対値が0.1V未満である場合(ステップS8:Yes)、洗剤タンク117から洗剤液が吐出されているにも関わらず、フロート130aが十分に回動していないため、不具合判定部は、洗剤タンク117に液剤が固着していると判定し、操作表示部に洗剤タンク117に不具合が生じている旨を表示する(ステップS9)。その後、第1記憶部の格納値Yを第2記憶部に格納する(ステップS10)。第1記憶部の格納値Yと第2記憶部の格納値Y−1との差分の絶対値が0.1V以上である場合(ステップS8:Yes)、不具合判定部は、洗剤タンク117内に洗剤液が固着しているなどの不具合は生じていないと判定し、第1記憶部の格納値Yを第2記憶部に格納する(ステップS10)。
柔軟剤タンク126の故障検知方法も、洗剤タンク117の故障検知方法と同様である。また、洗濯工程におけるドラム106への柔軟剤液の供給量は、洗剤液の供給よりも少ない。このため、ステップS4における所定の柔軟剤液の吐出量は、所定の洗剤吐出量よ
りも少なくすると好ましい。
以上のように、本実施の形態の洗濯機には、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126の不具合を検出する不具合判定部が設けられている。不具合判定部は、洗剤タンク117からの所定量の液剤投入前後における、リニアホール素子136の出力電圧の差分値が0.1V未満の場合、洗剤タンク117に液剤が固着したと判定し前記表示部にその旨を表示する。これにより、洗剤タンク117の不具合を早期に検出することができるので、所望の量の洗剤液が吐出されていないことに気づかなかったり、洗剤液が不足していることに気づかないといった問題を未然に防ぐことができる。
また、本実施の形態は、コントローラはリニアホール素子136の出力電圧が、洗剤タンク117内に液剤が満たされた状態における出力電圧(例えば、2.7V〜2.9V)である場合、洗剤タンク117の不具合判定を行わない。これにより、洗剤タンク117内に洗剤液が固着されていないにも関わらず、不具合検出部により不具合が生じたと誤検知されることを防止できる。
また、マグネットボックス135内には、フロート130aの回動方向に沿った位置にマグネットを複数個、離間して設けることにより、リニアホール素子136が、フロート130aの回動に対して広い範囲でマグネットの磁力を検出することができる。このため、マグネット1個のときと比べて、洗剤タンク117の洗剤残量が多くても洗剤タンク117の不具合を検出することができる。
なお、本実施の形態では、ステップS8において、第1記憶部の格納値Yと第2記憶部の格納値Y−1との差分の絶対値と、所定の閾値電圧(0.1V)とを比較して、洗剤タンク117内に不具合が生じているか否か判定する構成を説明した。本発明はこれに限られず、リニアホール素子136の出力電圧に応じて、閾値電圧が変動する構成としてもよい。図36に示すように、洗剤タンク117内の洗剤変化量に対するリニアホール素子136の出力電圧の変化量は一定ではないため、リニアホール素子136の出力電圧に応じた適切な閾値電圧を設定することで、洗剤タンク117の不具合判定の精度を向上できる。
なお、本実施の形態では、フロート130aが回動する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、フロート130aが洗剤タンク117内の洗剤液の液面に浮遊すれば、回動しない構成であっても同様の作用効果を得ることができる。例えば、フロート130aが液面に浮遊しながら、水位変化に応じて上下に移動するよう構成されていてもよい。
なお、本実施の形態では、リニアホール素子136の出力電圧を測定することにより洗剤タンク117内の液剤残量を検出する構成を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、光センサなどを用いてもよい。
なお、本実施の形態では、不具合検知部により洗剤タンク117に異常が発生したと判定すると、その旨を操作表示部104で表示することにより使用者に通知する構成を説明したが。本発明は、これに限られず、洗濯機からインターネット回線を通じてサーバに送信し、サーバからスマホに送信して、スマホの画面に洗剤タンク117に異常が発生した旨を表示させる構成としてもよい。他にも、洗濯機から音声を発信させることにより、使用者に報知する構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、洗剤タンク117の不具合を判定するため、所定量(例えば、30ml)の洗剤液吐出前後のリニアホール素子136の出力電圧の差分値を算出する構成を説明した。本発明はこれに限られず、例えば、洗剤タンク117から洗剤液を吐出
した後のリニアホール素子136の出力電圧と、前回、洗剤タンク117から洗剤液を吐出した後のリニアホール素子136の出力電圧との差分値を算出する構成であってもよい。
また、図37のステップS8では、(Y―(Y−1))の絶対値と0.1Vとを比較する構成としている。これにより、マグネットの極性による誤検知を防止できる。また、マグネットの磁性の方向性を考慮してマグネットボックス135を生産する必要がないので、マグネットボックス135の生産に要する工数と確認検査に要する工数が減少し、製造コストを抑制できる。
[1−2−8.洗剤タンクと自動投入装置との連結箇所、および、液剤供給水路のお手入れ]
図38は、『お手入れコース』における、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112f、第1給水弁110a、排水ポンプの各状態を示すタイムチャートである。
洗剤タンク117から洗剤液が繰り返し吐出されると、水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの金属と洗剤液に含まれる脂肪酸とが結合し、金属石鹸が析出する。析出した金属石鹸は、図24に示すように、筒部123、洗剤側筒部111b、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113b、吸入水路112h,収容部112c、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129などの、洗剤タンク117の洗剤液が水槽105に供給されるまでに流れる水路(以下、洗剤液供給水路という)に付着する。これにより、洗剤液供給水路に付着する金属石鹸が、洗剤タンク117から吐出する洗剤液や、給水される水道水の流れの抵抗となる。このため、洗剤液の吐出量が低下したり、流水の勢いが弱まる虞がある。また、金属石鹸がドラム106内に侵入し、洗濯物に付着する虞もある。
したがって、上記不具合を抑制するため、定期的に洗剤液供給水路に付着した金属石鹸を洗い流す必要がある。
使用者が、洗剤液供給水路をお手入れする際、タンク収容ケース114の収容部から洗剤タンク117を取り外し、洗剤タンク117内を洗浄した後、洗剤タンク117にクエン酸水を補充する。その後、洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に再度取り付け、操作表示部104で『お手入れモード』を選択する。
『お手入れモード』が選択されると、コントローラは、排水ポンプ(図示せず)を駆動させるとともに、下記2つの工程を交互に実行する。
・第1工程:第1給水弁110aを閉じ、洗剤側コイル113dを通電状態にし、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする工程。
・第2工程:第1給水弁110aを開け、洗剤側コイル113dおよび柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする工程。
第1工程を実行することで、洗剤タンク117内のクエン酸水が、洗剤液供給水路を流れて水槽105へ供給される。金属石鹸は、酸性の水溶液により溶解される性質があるため、酸性のクエン酸水が洗剤液供給水路に付着する金属石鹸を溶解しながら洗い流すことができる。洗い流された金属石鹸は、クエン酸水とともに水槽105へ供給され、排水ポンプの駆動力により、排水口(図示せず)から排水ホース(図示せず)を流れて筐体101外に排水される。
第2工程を実行することで、図24に示すように、給水栓から給水される水道水が第1給水弁110aから第1水路181内を流れる。第1水路181を流れる水道水の一部は、図24の矢印A2に示すように、第2水路182へと流れ、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113b、吸入水路112h,収容部112c、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129を流れて水槽105へ供給される。これにより、第1工程で洗剤液供給水路に残留したクエン酸水を洗い流すことができる。
以下、図38を用いて、『お手入れモード』を実行したときの制御を具体的に説明する。
使用者が『お手入れモード』を選択すると、コントローラは、洗剤側コイル113dを通電する(時刻T0)。これにより、第1工程が開始され、図10(b)のように、洗剤側プランジャ113eおよび洗剤側弁体113fが後方へ移動し、洗剤タンク117内のクエン酸水は、洗剤側筒部111bの後方に形成された開口部bから水路124内に流入し、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ向けて流れる。
時刻T0から0.5秒後(時刻T1)、駆動モータ112fおよび排水ポンプを駆動させる。駆動モータ112fの駆動力により、ピストン112eが上下に往復運動し、収容部112c内は正圧状態となったり負圧状態となったりする。図11に示すように、ピストン112eが上方へ移動した際、収容部112cが負圧状態になり、吸入側逆止弁164がバネ164bの付勢力に抗して上方へ移動する。これにより、クエン酸水が吸入水路112hから収容部112cに流入する。次に、ピストン112eが下方へ移動すると、収容部112cが正圧状態になり、吐出側逆止弁165がバネ165bの付勢力に抗して下向きに移動する。これにより、収容部112c内のクエン酸水が、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129を流れて水槽105へ供給される。以上の動作を繰り返すことで、クエン酸水が洗剤液供給水路の金属石鹸を溶解しながら流れる。また、排水ポンプの駆動力により、水槽105内のクエン酸水は、排水口から排水ホースを流れて、筐体101外へ排水される。
また、駆動モータ112fが駆動していることにより、洗剤側コイル113dが通電しているにも関わらず、洗剤側弁体113fが後方へ移動できないという状態となることを防ぐため、時刻T0で洗剤側コイル113dに通電を開始してから0.5秒後に駆動モータ112fを駆動するよう制御している。
本実施の形態では、洗剤タンク117内のクエン酸水の吐出量(例えば、200ml)は、洗い工程での洗剤液の最大吐出量(例えば、120ml)やすすぎ工程での柔軟剤の最大吐出量(例えば、100ml)よりも多くなるよう制御している。
時刻T1から55秒後(時刻T2)、コントローラは、駆動モータ112fの駆動を停止する。時刻T2から0.5秒後(時刻T3)、洗剤側コイル113dを非通電状態とする。これにより、図10(a)に示すように、洗剤側プランジャ113eおよび洗剤側弁体113fが前方へ移動し、洗剤側弁体113fにより洗剤側筒部111bの後方に形成された開口部bが塞がれる。したがって、洗剤タンク117からのクエン酸水の流れが、洗剤側弁体113fにより遮られる。時刻T3により、第2工程が終了する。また、駆動モータ112fが駆動していることにより、洗剤側コイル113dが非通電状態となっているにも関わらず、洗剤側弁体113fが前方へ移動できないという状態となることを防ぐため、時刻T2で駆動モータ112fを非駆動状態としてから0.5秒後に洗剤側コイル113dを非通電状態としている。
時刻T3から0.5秒後(時刻T4)、コントローラは、駆動モータ112fを駆動するとともに、第1給水弁110aを開ける。これにより、第2工程が開始される。図10(a)のように、給水された水道水が、第2水路182を流れ、開口aから三方弁ユニット113の水路124に流入し、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ向けて流れる。これにより、三方弁ユニット113やピストンポンプユニット112などに残留するクエン酸水を洗い流すことができる。また、給水開始時は流水の勢いが弱いため、水道水の水圧だけでは、図11のピストンポンプユニット112の吸入側逆止弁164を上方に移動させたり吐出側逆止弁165を下方に移動させることができない虞がある。そこで、第2工程で駆動モータ112fが駆動することで、水道水がピストンポンプユニット112を確実に通過することができる。
また、駆動モータ112fの駆動力により、三方弁ユニット113の洗剤側弁体113fの移動が妨げられないよう、洗剤側コイル113dの通電開始(時刻T3)から0.5秒後(時刻T4)に駆動モータ112fを駆動するよう制御している。
時刻T4から5秒後、コントローラは、駆動モータ112fの駆動を停止するとともに、第1給水弁110aを閉制御する(時刻T5)。これにより、第2工程が終了する。
時刻T5から0.5秒後(時刻T6)、時刻T0と同様の制御を実行し、第1工程を開始する。以後、時刻T6〜時刻T11、および時刻T12〜時刻T17では、時刻T0〜時刻T5と同様の制御を実行する。T17で第2工程が終了してから40秒後(時刻T18)、排水ポンプの駆動を停止する。これにより、ドラム106内に残留するクエン酸水や水道水を排水することができる。
なお、柔軟剤タンク126のお手入れモードも同様であるので説明を割愛する。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態では、洗剤液投入後のリニアホール素子136の出力電圧と、洗剤液を所定回前(例えば、3回前)に投入した際のリニアホール素子136の出力電圧との差分を算出する。算出した差分値が、複数回(例えば、3回)連続して所定値(例えば、0.1V)未満の場合、洗剤タンク117内の洗剤液が不足したと判定する。また、洗剤タンク117の内底面に洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量でマグネットボックス135と当接するようマグネットストッパー137が配設される。これにより、液剤残量の不足状態で液剤が吐出されても、フロート130aが下方へ回動することを防止できる。よって、洗剤残量が不足状態であるにも関わらず、リニアホール素子136の出力電圧が変化して、洗剤残量が不足していないと誤検知されることを防止できる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1は、ドラム式洗濯機を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、縦型洗濯機でも同様の作用、効果を奏することができる。
実施の形態1では、操作表示部104でタンク内の液剤が不足した旨を通知する構成を説明したが、報知音により液剤が不足した旨を報知してもよい。他にも、洗濯機がwif
iを通じて家庭内無線LANを接続され、家庭内無線LANがインターネット回線を通じてサーバと接続されている状況で、タンク内の液剤が不足した旨を洗濯機から家庭内無線LAN、インターネット回線を介してサーバへ送信され、サーバからインターネット回線を通じて使用者の携帯端末にその旨を通知する構成であってもよい。