JP2019036599A - 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法 - Google Patents

熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019036599A
JP2019036599A JP2017155925A JP2017155925A JP2019036599A JP 2019036599 A JP2019036599 A JP 2019036599A JP 2017155925 A JP2017155925 A JP 2017155925A JP 2017155925 A JP2017155925 A JP 2017155925A JP 2019036599 A JP2019036599 A JP 2019036599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
thermoelectric conversion
composite
conversion material
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017155925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7142278B2 (ja
Inventor
裕 播磨
Yutaka Harima
裕 播磨
一郎 今栄
Ichiro Imae
一郎 今栄
康成 櫻井
Yasunari Sakurai
康成 櫻井
渡辺 淳
Jun Watanabe
淳 渡辺
慶次 後藤
Keiji Goto
慶次 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Hiroshima University NUC
Original Assignee
Denka Co Ltd
Hiroshima University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denka Co Ltd, Hiroshima University NUC filed Critical Denka Co Ltd
Priority to JP2017155925A priority Critical patent/JP7142278B2/ja
Publication of JP2019036599A publication Critical patent/JP2019036599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7142278B2 publication Critical patent/JP7142278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】優れた熱電変換性能を有する熱電変換材料を容易に製造することが可能な、熱電変換材料の製造方法を提供すること。【解決手段】ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液と、カーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合して、混合液を得る混合工程と、混合液から、第一の溶剤及び第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、導電性高分子及びカーボンナノチューブを含む複合体を得る複合体形成工程と、複合体を第三の溶剤に曝して、第三の溶剤の少なくとも一部を複合体に含浸させる溶剤処理工程と、複合体に含浸した第三の溶剤の少なくとも一部を除去して、導電性高分子及びカーボンナノチューブを含む熱電変換材料を得る溶剤除去工程と、を備える、熱電変換材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換材料の製造方法及びその方法で製造された熱電変換材料に関する。また、本発明は、熱電変換素子の製造方法及びその方法で製造された熱電変換素子に関する。さらに、本発明は、熱電変換材料の改質方法及びその方法で改質された熱電変換材料に関する。
熱電変換はゼーベック効果を利用して熱を直接電気に変換する技術であり、化石燃料を使用した際に生じる廃熱等を電気に変換するエネルギー回収技術として注目されている。
熱電変換の性能を表す指数としては、以下の式で表わされるパワーファクター(PF)や無次元性能指数(ZT)が知られており、これらの値が高い程、その材料の熱電変換性能は高いと言える。なお、σは電気伝導率(S/m)、Sはゼーベック係数(V/K)、κは熱伝導率(W/m・K)、Tは絶対温度(K)を示す。
PF=σS
ZT=σST/κ
熱電変換材料として、従来は無機材料が中心に検討されてきたが、曲面への設置が困難である点、希少元素や毒性元素を使用する点、大面積への設置に適さない点等の問題点を抱えていた。
そこで近年、前述した問題点を解消する熱電変換材料として有機材料が注目されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2013−98299号公報 特開2003−332638号公報 特開2000−323758号公報
本発明は、優れた熱電変換性能を有する熱電変換材料を容易に製造することが可能な、熱電変換材料の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記製造方法で製造された熱電変換材料を用い、熱電変換性能の高い熱電変換素子を製造することが可能な、熱電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記製造方法を実施するための熱電変換材料製造用キット、上記製造方法により得られる熱電変換材料、及び、上記製造方法により得られる熱電変換素子を提供することを目的とする。さらに、本発明は、熱電変換材料の熱電変換性能を向上させるための、熱電変換材料の改質方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、特定の導電性高分子とカーボンナノチューブとをそれぞれ予め溶剤に分散させておき、それを混合して複合体を形成することで、両者を一度に溶剤に分散させた場合と比較して熱電変換性能に優れた熱電変換材料が得られること見出し、また、上記複合体を溶剤に曝すことで更なる熱電変換性能の向上が実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示す態様を含む。
[1]ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液と、カーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合して、混合液を得る混合工程と、
前記混合液から、前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブを含む複合体を得る複合体形成工程と、
前記複合体を第三の溶剤に曝して、前記第三の溶剤の少なくとも一部を前記複合体に含浸させる溶剤処理工程と、
前記複合体に含浸した前記第三の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブを含む熱電変換材料を得る溶剤除去工程と、
を備える、熱電変換材料の製造方法。
[2]前記第二の分散液中の前記カーボンナノチューブの含有量が、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブの合計量を基準として、25〜95質量%である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記第三の溶剤が極性液体を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記第三の溶剤の誘電率が20以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記第二の分散液が分散剤を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記分散剤が界面活性剤を含む、[5]に記載の製造方法。
[7]前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブを含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記単層カーボンナノチューブが10nm以下の直径を有する、[7]に記載の製造方法。
[9]前記単層カーボンナノチューブの波長532nmのレーザーラマン分光におけるG/D比が10以上である、[7]又は[8]に記載の製造方法。
[10]前記溶剤除去工程が、前記第三の溶剤が含浸した前記複合体を加熱処理する工程を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11]前記溶剤処理工程が、前記複合体を前記第三の溶剤に浸漬する工程を含む、請求項[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]前記複合体形成工程が、基板上に塗布された前記混合液から前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記基板上に膜状の複合体を形成する工程である、[1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]前記熱電変換材料の電気伝導率が100S/cm以上である、[1]〜[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]前記熱電変換材料のゼーベック係数が15μV/K以上である、[1]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15][1]〜[14]のいずれかに記載の製造方法で得られた熱電変換材料を、2つの導電性基板の間に配置する工程を備える、熱電変換素子の製造方法。
[16][1]〜[14]のいずれかに記載の製造方法により熱電変換材料を製造するためのキットであって、
前記第一の分散液を含む第一の容器と、
前記第二の分散液を含む第二の容器と、
前記第三の溶剤を含む第三の容器と、
を備える、熱電変換材料製造用キット。
[17][1]〜[14]のいずれかに記載の製造方法により熱電変換材料を製造するためのキットであって、
前記混合液を含む第一の容器と、
前記第三の溶剤を含む第二の容器と、
を備える、熱電変換材料製造用キット。
[18]ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子とカーボンナノチューブとを含む複合体からなる熱電変換材料を改質する方法であって、
前記複合体を溶剤に曝して、前記溶剤の少なくとも一部を前記複合体に含浸させる溶剤処理工程と、
前記複合体に含浸させた前記溶剤の少なくとも一部を除去する溶剤除去工程と、
を備える、熱電変換材料の改質方法。
[19]前記複合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液とカーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合した混合液から、前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して得られる複合体である、[18]に記載の改質方法。
本発明によれば、優れた熱電変換性能を有する熱電変換材料を容易に製造することが可能な、熱電変換材料の製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記製造方法で製造された熱電変換材料を用い、熱電変換性能の高い熱電変換素子を製造することが可能な、熱電変換素子の製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記製造方法を実施するための熱電変換材料製造用キット、上記製造方法により得られる熱電変換材料、及び、上記製造方法により得られる熱電変換素子が提供される。さらに、本発明によれば、熱電変換材料の熱電変換性能を向上させるための、熱電変換材料の改質方法が提供される。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
[熱電変換材料の製造方法]
本実施形態に係る熱電変換材料の製造方法は、混合工程と、複合体形成工程と、溶剤処理工程と、溶剤除去工程とを備えている。
本実施形態において、混合工程は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液と、カーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合して、混合液を得る工程である。また、複合体形成工程は、混合液から、第一の溶剤及び第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、上記導電性高分子及びカーボンナノチューブを含む複合体を得る工程である。また、溶剤処理工程は、複合体を第三の溶剤に曝して、第三の溶剤の少なくとも一部を複合体に含浸させる工程である。また、溶剤除去工程は、複合体に含浸した第三の溶剤の少なくとも一部を除去して、上記導電性高分子及びカーボンナノチューブを含む熱電変換材料を得る工程である。
本実施形態に係る製造方法では、特定の導電性高分子(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)とカーボンナノチューブとをそれぞれ予め溶剤に分散させ、それらを混合して複合体を形成し、当該複合体を第三の溶剤に曝している。これらの工程によって、本実施形態に係る製造方法では、熱電変換性能に優れた熱電変換材料が得られている。
上述の効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、特定の導電性高分子とカーボンナノチューブとを予め溶剤に分散させることで、両者が混合液中で高分散し、緻密な構造の複合体が得られることが一因と考えられる。また、複合体を第三の溶剤に曝すことで、(i)導電性高分子に僅かに混在する絶縁性成分、低分子量成分及び金属イオン等の不純物が除去される、(ii)導電性高分子の凝集状態が変化する、(iii)導電性高分子のカーボンナノチューブへの密着性が向上する、等の影響によって、熱電変換特性に一層優れた構造体が形成されると考えられる。また、複合体は、カーボンナノチューブ同士を導電性高分子が結合した多孔質構造を有していると考えられるが、複合体を第三の溶剤に曝すことでカーボンナノチューブ間の空隙に導電性高分子が流動し、より緻密な構造が形成され、これにより熱電変換特性がより向上しているとも考えられる。更に、第二の溶剤にカーボンナノチューブを分散させるための分散剤が配合されている場合、第三の溶剤によって複合体から当該分散剤が除去され、これによる熱電変換特性の向上も考えられる。
本実施形態に係る製造方法の各工程について、以下に詳述する。
(混合工程)
混合工程は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、場合により「PEDOT」と表す。)及びポリスチレンスルホン酸(以下、場合により「PSS」と表す。)からなる導電性高分子(以下、場合により「PEDOT/PSS」と表す。)を第一の溶剤に分散させた第一の分散液と、カーボンナノチューブ(以下、場合により「CNT」と表す。)を第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合する工程であり、当該工程により、PEDOT/PSS及びCNTを含む混合液が得られる。
第一の分散液に含まれるPEDOT/PSSは、PEDOTとPSSとから構成される導電性高分子であり、PSSをドープしたPEDOTということもできる。
PEDOT/PSSにおいて、PEDOT及びPSSの含有量比は特に限定されず、所望の材料特性に応じて適宜変更してよい。PEDOTに対するPSSの比(質量比)は、例えば1以上であってよく、1.25以上であることが好ましく、1.5以上であることが更に好ましい。また、PEDOTに対するPSSの比(質量比)は、例えば30以下であってよく、20以下であることがより好ましい。
第一の分散液におけるPEDOT/PSSの含有割合は特に限定されない。PEDOT/PSSの含有割合は、第一の分散液の全量基準で、例えば0.1質量%以上であってよく、好ましくは0.5質量%以上である。また、PEDOT/PSSの含有割合は、第一の分散液の全量基準で、例えば5質量%以下であってよく、好ましくは2.5質量%以下である。このような含有割合とすることで、PEDOT/PSSの分散性が向上し、上述の効果がより顕著に得られる傾向がある。
第一の溶剤は、PEDOT/PSSを分散可能な溶剤であればよい。第一の溶剤としては、例えば極性液体が好ましく、水系溶剤であることがより好ましい。なお、水系溶剤は、水、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を示す。第一の溶剤は、プロトン性溶剤であっても非プロトン性溶剤であってもよいが、プロトン性溶剤であることが好ましい。
第一の溶剤が極性液体であるとき、その誘電率は、例えば10以上であってよく、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。このような極性液体を第一の溶剤として用いることで、PEDOT/PSSの分散性が向上し、より緻密な複合体が得られやすくなる傾向がある。
複合体形成工程における溶剤の除去が容易になる観点から、第一の溶剤の沸点は250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。また、混合工程及び複合体形成工程における取扱い性及び作業の安全性が向上する観点からは、第一の溶剤の沸点は50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
第一の溶剤としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール等)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられ、これらのうち水、メタノール及びエタノールが好ましく、水がより好ましい。好適な一態様において、第一の分散液は、PEDOT/PSSの水分散液であってよい。なお、第一の溶剤は一種を単独で用いてよく、二種以上を混合してもよい。
第一の分散液は、PEDOT/PSS及び第一の溶剤以外の他の成分を更に含有していてよい。他の成分としては、例えば、高沸点の極性溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、イオン液体(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩等)、糖アルコール類(例えば、ソルビトール、アラビトール、キシリトール等)等が挙げられる。第一の分散液がこれらの成分を含有することで、熱電変換材料の電気伝導率が一層向上する場合がある。
カーボンナノチューブは、単層、二層及び多層のいずれであってもよく、熱電変換材料の電気伝導率が一層向上する観点からは、単層が好ましい。
カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブを含むことが好ましい。カーボンナノチューブの全量に対する単層カーボンナノチューブの含有割合は、例えば25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
単層カーボンナノチューブの直径は特に限定されないが、例えば20nm以下であってよく、好ましくは10nm以下、より好ましくは3nm以下である。なお、単層カーボンナノチューブの直径の下限に特に制限はなく、例えば0.4nm以上であってよく、0.5nm以上であってもよい。
本明細書中、単層カーボンナノチューブの直径は、ラマン分光によって100〜300cm−1に現れるピークの波数(ω(cm−1))から、直径(nm)=248/ωの式で求めることができる。
単層カーボンナノチューブの評価方法として、レーザーラマン分光におけるG/D比が知られている。本実施形態において、単層カーボンナノチューブは、波長532nmのレーザーラマン分光におけるG/D比が10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。このような単層カーボンナノチューブを用いることで、電気伝導率に一層優れる熱電変換材料が得られる傾向がある。なお、上記G/D比の上限は特に限定されず、例えば5以下であってよく、3以下であってもよい。
第二の分散液におけるカーボンナノチューブの含有割合は特に限定されない。カーボンナノチューブの含有割合は、第二の分散液の全量基準で、例えば0.001質量%以上であってよく、好ましくは0.01質量%以上である。また、カーボンナノチューブの含有割合は、例えば2質量%以下であってよく、好ましくは1質量%以下である。このような含有割合とすることで、カーボンナノチューブの分散性がより向上し、熱電変換材料の電気伝導率が一層向上する傾向がある。
第二の溶剤は、第一の溶剤と相溶する溶剤であることが好ましい。第二の溶剤としては、例えば極性液体が好ましく、水系溶剤であることがより好ましい。なお、水系溶剤は、水、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を示す。第二の溶剤は、プロトン性溶剤であっても非プロトン性溶剤であってもよいが、プロトン性溶剤であることが好ましい。
第二の溶剤が極性液体であるとき、その誘電率は、例えば10以上であってよく、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。このような極性液体を第二の溶剤として用いることで、混合液中のPEDOT/PSSの分散性が向上し、より緻密な複合体が得られやすくなる傾向がある。
複合体形成工程における溶剤の除去が容易になる観点から、第二の溶剤の沸点は250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。また、混合工程及び複合体形成工程における取扱い性及び作業の安全性が向上する観点からは、第二の溶剤の沸点は50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
第二の溶剤としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール等)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられ、これらのうち水、メタノール、エタノール、N−メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが好ましく、水がより好ましい。すなわち、好適な一態様において、第二の分散液は、カーボンナノチューブの水分散液であってよい。なお、第二の溶剤は一種を単独で用いてよく、二種以上を混合してもよい。また、第二の溶剤は、第一の溶剤と同種でも異なっていてもよい。
第二の分散液は、カーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させるための分散剤を更に含有していてよい。分散剤の種類及び含有量は、カーボンナノチューブが第二の溶剤に分散可能な範囲であれば特に限定されない。なお、分散剤は一種を単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第二の溶剤が極性液体であるとき、分散剤としては、例えば、界面活性剤を好適に用いることができる。界面活性剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらのいずれを用いてもよい。
界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩(例えばモノメチルアミン塩酸塩等)、第四級アンモニウム塩(例えば塩化テトラメチルアンモニウム等)、アルキルベタイン系界面活性剤(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、アミンオキサイド系界面活性剤(例えば、ラウリルジメチルアミンN−オキサイド等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸等)、芳香族スルホン酸系界面活性剤(例えば、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、エーテルサルフェート系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等)、フォスフェート系界面活性剤(例えば、ラウリルリン酸ナトリウム等)、カルボン酸系界面活性剤(例えば、オクタン酸ナトリウム等)、糖エステル系界面活性剤(例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等)、脂肪酸エステル系界面活性剤(例えばポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチル等)、エーテル系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリプロピレングリコール等)、高分子系分散剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース及びその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリアクリル酸及びその塩(ナトリウム塩等)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アミロース、シクロアミロース、キトサン等の糖類ポリマーなど)などが挙げられる。
第二の分散液における分散剤の含有割合は特に限定されない。分散剤の含有割合は、第二の分散液の全量基準で、例えば0.5質量%以上であってよく、好ましくは1質量%以上である。また、分散剤の含有割合は、例えば10質量%以下であってよく、好ましくは5質量%以下である。分散剤の含有割合を調整することで、カーボンナノチューブの分散性が一層向上し、熱電変換材料の電気伝導率が一層向上する傾向がある。
第二の分散液は、カーボンナノチューブ、第二の溶剤及び分散剤以外の他の成分を更に含有していてよい。他の成分としては、例えば有機バインダー等が挙げられる。
第一の分散液中のPEDOT/PSSと第二の分散液中のカーボンナノチューブの含有量比は特に限定されず、所望の材料特性に応じて適宜変更してよい。例えば、第二の分散液中のカーボンナノチューブの含有量は、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブの合計量を基準として、20質量%以上であってよく、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。また、第二の分散液中のカーボンナノチューブの含有量は、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブの合計量を基準として、例えば95質量%以下であってよく、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。カーボンナノチューブの含有量比が上記範囲であると、溶剤処理工程及び溶剤除去工程における効果が特に顕著に奏され、熱電変換性能に特に優れる熱電変換素子が得られる傾向がある。
第一の分散液と第二の分散液とを混合する方法に特に制限はなく、例えば、第一の分散液に第二の分散液を添加してもよく、第二の分散液に第一の分散液を添加してもよく、第一の分散液及び第二の分散液を同時に他の容器に投入して混合してもよい。
混合工程では、第一の分散液と第二の分散液とを混合後、所定の時間撹拌することが好ましい。撹拌方法は特に限定されず、例えば、磁気式攪拌機、自転公転式ミキサー等を用いて行うことができる。撹拌時間は、例えば1分以上であってよく、好ましくは2分以上、より好ましくは5分以上である。撹拌時間の上限に特に制限はないが、例えば24時間以下であってよく、20時間以下であってもよい。このような撹拌操作を行うことで、混合液中でPEDOT/PSSとカーボンナノチューブとがより均一に混合され、より緻密な複合体が形成され易くなる傾向がある。
混合工程における混合及び撹拌時の温度、圧力、雰囲気は特に限定されず、混合液中でPEDOT/PSSとカーボンナノチューブとが十分に混合される条件であればよい。
混合工程で得られる混合液は、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブを含有している。混合液は、そのまま後述の複合体形成工程に供してよく、一部の溶剤の除去(濃縮)、溶剤の追加(希釈)、添加剤の追加等を行ってから、複合体形成工程に供してもよい。なお、添加剤としては、例えば、第一の分散液又は第二の分散液における他の成分が挙げられる。
(複合体形成工程)
複合体形成工程では、混合工程で得られる混合液から、第一の溶剤及び第二の溶剤の少なくとも一部を除去することで、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブを含む複合体が得られる。
溶剤の除去方法は特に限定されない。溶剤の除去方法は、第一の溶剤及び第二の溶剤の種類に応じて、加熱、減圧等の公知の方法から適宜選択してよく、複数の方法を組み合わせてもよい。
例えば、第一の溶剤及び第二の溶剤が水系溶剤であるとき、溶剤除去時の温度は、例えば20〜200℃であってよく、好ましくは40〜140℃である。
複合体形成工程では、複合体が固形状になるまで第一の溶剤及び第二の溶剤を除去すればよく、第一の溶剤及び第二の溶剤の一部が複合体中に残存していてもよい。
複合体形成工程では、例えば、容器中で混合液から溶剤を除去してよい。この方法では、例えば、所定の底面構造を有する容器を用いることで、複合体を当該底面構造に対応した形状に成形できる。
好適な一態様において、複合体形成工程は、基板上に混合液を塗布し、塗布された混合液から溶剤を除去する工程であってもよい。この方法では、基板上に複合体からなる塗膜が形成される。熱電変換材料は、例えば、2つの導電性基板間に層状に配置される。本態様によれば、膜状の複合体が形成され、後述の溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経て、膜状の熱電変換材料を得ることができるため、上述の用途に特に好適である。
また、上記態様では、混合液を塗布する基板を導電性基板とすることで、導電性基板上に熱電変換材料を形成でき、これにより熱電変換素子の製造工程を短縮することができる。
上記態様において、混合液の塗布方法に特に制限はなく、例えば、ドクターブレード法、キャスト法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の様々な塗布方法を利用できる。
上記態様において、基板の種類は特に限定されず、熱電変換素子への利用が容易となる観点からは導電性基板が好ましい。なお、導電性基板は、電極として利用可能な導電部を有する基板であり、例えば、熱電変換素子用の電極として利用可能な基板が好ましい。
導電性基板としては、公知の種々の導電性基板を用いることができる。腐食・溶出しにくいという観点から、導電性基板は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)及びステンレス鋼からなる群より選択される少なくとも一種の導電材料を含むことが好ましく、FTO及びステンレス鋼からなる群より選択される少なくとも一種の導電材料を含むことがより好ましい。また、導電性基板は上記導電材料からなる基板であってもよい。
上記態様では、混合液中の固形分濃度を調整することで、複合体からなる塗膜の厚さを調整することができる。また、上記態様では、複合体からなる塗膜を形成後、塗膜上に混合液を更に塗布して、塗膜の厚膜化を図ることもできる。
上記態様において、複合体からなる塗膜の厚さは、熱電変換材料の用途に応じて適宜調整してよい。上記塗膜の厚さは、例えば100nm以上であってよく、好ましくは200nm以上、より好ましくは300nm以上である。また、上記塗膜の厚さは、例えば2μm以下であってよく、好ましくは1μm以下、より好ましくは750nm以下である。
なお、後述する溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経ると、上記塗膜の厚さは減少する傾向がある。このため、所望の膜厚を有する熱電変換材料を得るためには、上記塗膜をその膜厚より厚くすることが好ましい。例えば、上記塗膜の厚さは、熱電変換材料の所望の膜厚に対して150%以上とすることが好ましく、200%以上とすることがより好ましい。
複合体形成工程で得られる複合体は、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブを含んでおり、例えば、PEDOT/PSSによってカーボンナノチューブ同士が結合された多孔質構造を有していてよい。
(溶剤処理工程)
溶剤処理工程は、複合体形成工程で得られた複合体を第三の溶剤に曝す工程である。この工程によって、第三の溶剤の少なくとも一部が複合体に含浸する。
溶剤処理工程では、複合体を第三の溶剤に曝すことで、PEDOT/PSSに僅かに混在する低分子量成分、PEDOTのドーピングに寄与していないPSS、金属イオン等の不純物が除去される、PEDOT/PSSの凝集状態が変化する、PEDOT/PSSとカーボンナノチューブとの密着性が向上する等の影響によって、複合体が熱電変換特性に優れた構造体となる。
また、複合体はカーボンナノチューブ同士を導電性高分子(PEDOT/PSS)が結合した多孔質構造を有していてよく、この場合、複合体を第三の溶剤に曝すことでカーボンナノチューブ間の空隙に導電性高分子が流動し、より緻密な構造が形成され、これにより熱電変換特性が一層向上すると考えられる。また、第二の溶剤にカーボンナノチューブを分散させるための分散剤が配合されている場合、第三の溶剤によって複合体から当該分散剤が除去され、これによる熱電変換特性の向上も考えられる。これらの影響によって、溶剤処理工程後の複合体は、溶剤処理工程前より体積が減少する傾向がある。
上述の効果が顕著に得られる観点から、第三の溶剤は極性液体を含むことが好ましい。また、第三の溶剤が極性液体であるとき、その誘電率は、例えば10以上であってよく、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
第三の溶剤は、プロトン性溶剤であっても非プロトン性溶剤であってもよい。好適な一態様において、第三の溶剤は、非プロトン性溶剤を含む。
第三の溶剤の沸点は、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることが更に好ましく、150℃以上であってもよい。後述の溶剤除去工程で加熱処理を行う場合、第三の溶剤の沸点が低いと加熱処理の初期段階で第三の溶剤の大半が除去されてしまい、加熱処理の効果が十分に発揮されない場合がある。上述の好適な沸点範囲を有する第三の溶剤を用いることで、加熱処理の効果がより顕著に奏される。
第三の溶剤としては、例えば、水、アセトニトリル、エタノール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。なお、第三の溶剤は一種を単独で用いてよく、二種以上を混合してもよい。
第三の溶剤は、第一の溶剤及び第二の溶剤と同種であってもよいが、異なる溶剤であることが好ましい。第一の溶剤及び第二の溶剤とは異なる溶剤を用いることで、複合体形成時には生じなかった構造変化を生じさせることができ、より熱電変換性能に優れた熱電変換材料が得られやすくなる。
複合体を第三の溶剤に曝す方法は特に限定されず、例えば、第三の溶剤中に複合体を浸漬する、第三の溶剤を複合体に塗布する等の方法が挙げられる。これらのうち、複合体の形状を維持したまま容易に第三の溶剤に曝すことができる観点からは、第三の溶剤中に複合体を浸漬する方法が好ましい。
溶剤処理工程では、第三の溶剤が含浸した溶剤含浸複合体が得られ、この溶剤含浸複合体が溶剤除去工程に供される。なお、溶剤処理工程で使用した第三の溶剤のうち、複合体に含浸又は付着したもの以外は、溶剤処理工程の最後に除去される。例えば、溶剤処理工程で第三の溶剤中に複合体を浸漬した場合は、第三の溶剤中から複合体を取り出してから、溶剤除去工程に供する。
(溶剤除去工程)
溶剤除去工程では、上述の溶剤含浸複合体から、第三の溶剤の少なくとも一部を除去する。溶剤除去工程では、必ずしも第三の溶剤の全てを除去する必要はなく、熱電変換材料として十分に機能する範囲で、複合体中に第三の溶剤が残存していてもよい。
溶剤除去工程は、例えば、自然乾燥により第三の溶剤を除去する工程であってよく、加熱処理、減圧処理等を行って、第三の溶剤を除去する工程であってもよい。
好適な一態様において、溶剤除去工程は、第三の溶剤が含浸した複合体を加熱処理する工程を含んでいてよい。本態様では、加熱によってPEDOT/PSSとの相溶性が向上した第三の溶剤が、複合体中のPEDOT/PSSを流動させることで、カーボンナノチューブ間の空隙が充填されてより緻密な構造が形成されると考えられる。このため、本態様では、熱電変換特性がより顕著に向上する傾向がある。
本態様において、加熱処理の温度は特に限定されず、例えば40℃以上であってよく、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。加熱処理の温度を上げることで、熱電変換材料のゼーベック係数が向上する傾向がある。また、加熱処理の温度は、例えば250℃以下であってよく、225℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。加熱処理の温度を下げることで、熱電変換材料の電気伝導率が向上する傾向がある。本態様では、加熱処理の温度によって、ゼーベック係数及び電気伝導率が変動する傾向がある。このため、加熱処理の温度は、例えば上述の範囲内で、ゼーベック係数及び電気伝導率の数値のバランスを見て、適宜選択してよい。
本態様において、加熱処理の時間は特に限定されない。加熱処理の時間は、例えば1分以上であってよく、好ましくは10分以上であり、12時間以下であってよく、好ましくは6時間以下である。
なお、本態様における加熱処理は、必ずしも溶剤の除去を目的とするものである必要はなく、本態様に係る溶剤除去工程は、加熱処理の後に、溶剤を除去する工程を更に含んでいてもよい。
本実施形態では、溶剤除去工程により、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブを含む複合体からなる熱電変換材料が得られる。本実施形態に係る製造方法により得られる熱電変換素子は、混合工程、複合体形成工程、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経て製造されるものであるため、熱電変換特性に優れており、熱電変換素子に好適に用いることができる。
熱電変換材料の形状は特に限定されない。本実施形態では、例えば、複合体形成工程で形成される複合体の形状に近い形状で熱電変換材料を得ることができる。例えば、複合体形成工程で複合体を膜状に成形した場合、当該膜状の複合体を溶剤処理工程及び溶剤除去工程に供することで、膜状の熱電変換材料が得られる。
本実施形態では、例えば、電気伝導率(σ)が100S/cm以上の熱電変換材料が得られる。熱電変換材料の電気伝導率(σ)は、好ましくは500S/cm以上であり、より好ましくは1000S/cm以上、更に好ましくは2000S/cm以上である。
また、本実施形態では、例えば、ゼーベック係数(S)が15μV/K以上の熱電変換材料が得られる。熱電変換材料のゼーベック係数(S)は、好ましくは17μV/K以上であり、より好ましくは19μV/K以上、更に好ましくは21μV/K以上である。
本実施形態に係る製造方法では、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経ることで、複合体の電気伝導率(σ)及びゼーベック係数(S)が顕著に向上し、優れた熱電変換特性を有する熱電変換材料が得られている。例えば、本実施形態において、溶剤処理工程前の複合体の電気伝導率(σ)に対する、溶剤除去工程後の複合体(熱電変換材料)の電気伝導率(σ)の比(σ/σ)は、例えば3以上であり、好ましくは4以上、より好ましくは5以上である。また、本実施形態において、溶剤処理工程前の複合体のゼーベック係数(S)と溶剤処理工程後の複合体のゼーベック係数(S)の差(S−S)は、例えば0.1μV/K以上であり、好ましくは0.3μV/K以上、より好ましくは0.5μV/K以上である。溶剤処理工程及び溶剤除去工程は、例えば、複合体の電気伝導率(σ)及びゼーベック係数(S)が上記範囲で向上するように実施条件等を適宜調整したものであってよい。
本実施形態に係る製造方法では、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経ることで、複合体の体積が減少し、より不純物が少なく、緻密な構造を有する熱電変換材料が得られると考えられる。体積の減少量は、PEDOT/PSSとカーボンナノチューブの配合比率、第二の分散液における分散剤の配合量等によって異なる。
好適な一態様において、溶剤処理工程前の複合体の体積(V)に対する溶剤処理工程後の複合体(熱電変換材料)の体積(V)の比(V/V)は、例えば0.6以下であってよく、好ましくは0.5以下である。また、比(V/V)の下限は特に限定されないが、例えば0.1以上であり、好ましくは0.2以上である。溶剤処理工程は、例えば、上記比(V/V)が上記範囲となるように複合体を第三の溶剤に曝す工程であってもよい。なお、複合体及び熱電変換材料がフィルム状である場合、上記比(V/V)は、溶剤処理工程前後の膜厚の比ということもできる。
本実施形態に係る熱伝変換材料は、熱電変換素子用の熱電変換材料として好適に用いることができる。また、本実施形態に係る熱電変換材料は、ペルチェ素子、温度センサー等の用途にも好適に用いることができる。
(熱電変換素子)
本実施形態に係る熱電変換素子は、2つの導電性基板と、当該導電性基板の間に配置され、上記熱電変換材料を含む熱電変換層と、を備える。このような熱電変換素子は、上述の製造方法で得られる熱電変換材料を用いているため、熱電変換特性に優れる。
2つの導電性基板は、それぞれ第一の電極及び第二の電極ということもできる。
本実施形態に係る熱電変換素子は、例えば、熱電変換材料を2つの導電性基板の間に配置する積層工程を備える製造方法によって、製造されたものであってよい。
積層工程は、例えば、一方の導電性基板上に熱電変換材料の層(熱電変換層)を形成し、形成された熱電変換層上に、他方の導電性基板を積層することで実施してよい。また、積層工程は、例えば、膜状の熱電変換材料を準備し、その両面に2つの導電性基板を貼付することによって実施してもよい。
熱電変換素子は、上記以外の構成を更に備えていてよい。例えば、熱電変換素子は、熱電変換材料を封止するための封止材や、熱電変換素子同士を電気的に接続するため又は外部の回路に電力を取り出すための配線や、熱電変換素子の熱伝導性を制御するための断熱材又は熱伝導性材料などを更に備えていてよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、熱電変換材料の製造方法を、混合工程、複合体形成工程、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を備えるものとして記載したが、本発明は、これらの工程の一部を備えるものであってもよく、他の工程を更に備えるものであってもよい。
また、本発明は、上記製造方法により熱電変換材料を製造するための、熱電変換材料製造用キットに関するものであってよい。
好適な一態様において、熱電変換材料製造用キットは、第一の分散液を含む第一の容器と、第二の分散液を含む第二の容器と、第三の溶剤を含む第三の容器と、を備えるものであってよい。このようなキットによれば、上記製造方法における混合工程、複合体形成工程、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経て、熱電変換特性に優れる熱電変換材料を容易に製造することができる。
好適な他の一態様において、熱電変換材料製造用キットは、混合液を含む第一の容器と、第三の溶剤を含む第二の容器と、を備えるものであってよい。このようなキットによれば、上記製造方法における複合体形成工程、溶剤処理工程及び溶剤除去工程を経て、熱電変換特性に優れる熱電変換材料を容易に製造することができる。
また、本発明は、PEDOT/PSS及びカーボンナノチューブを含む複合体からなる熱電変換材料を改質する改質方法に関するものであってよい。
上記改質方法は、複合体を溶剤(上記第三の溶剤)に曝して、当該溶剤の少なくとも一部を複合体に含浸させる溶剤処理工程と、複合体に含浸した上記溶剤の少なくとも一部を除去する溶剤除去工程と、を備えるものであってよい。このような改質方法によれば、複合体の熱電変換特性を顕著に向上させることができる場合がある。
好適な一態様において、上記改質方法を適用する複合体は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液とカーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合した混合液から、第一の溶剤及び第二の溶剤の少なくとも一部を除去して得られる複合体であってよい。すなわち、上記改質方法を適用する複合体は、上述の混合工程及び複合体形成工程を経て得られる複合体であってよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(混合液の調製)
第一の分散液としてHeraeus製「Clevious PH1000」(PEDOT/PSS水分散液、固形分濃度:1.1質量%)を0.5g準備した。また、第二の分散液として、名城ナノカーボン製「EC−DH」(単層カーボンナノチューブ水分散液、単層CNT濃度0.2質量%、単層CNTの直径は1.4nm、G/D比は100)をイオン交換水により二倍に希釈した分散液を16.0g準備した。第一の分散液と第二の分散液とを混合し、磁気式撹拌器により一晩撹拌して、PEDOT/PSS及び単層CNTの合計量に対する単層CNTの含有量が74.4質量%の混合液を調製した。
(複合体の製造)
アセトンで洗浄したガラス上に、上記の方法で調製した混合液を60μL滴下し、ドクターブレードを用いて塗工し、60℃で1時間乾燥させて、厚み460nmの複合体を得た。
(溶剤処理及び溶剤除去)
第三の溶剤としてジメチルスルホキシド(DMSO)を準備した。上記の方法で作製した複合体を第三の溶剤(ジメチルスルホキシド)に室温で2分間、浸漬処理した。その後、第三の溶剤中から複合体を引き上げ、60℃で30分加熱処理して、厚み156nmの熱電変換材料を得た。なお、膜厚は、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製「VK−9700」)にて測定した。
得られた熱伝変換材料について、下記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は3882S/cm、ゼーベック係数は27.4μV/K、25℃におけるPFは291.7μW/m・Kであった。
(1)電気伝導率
熱電変換材料が塗工されたガラスを10mm×10mmに切り出して試験片とし温度25℃で四端子法にて(三菱アナリテック社製抵抗率計ロレスタGP MCP−T610型、プローブ:QPPを使用)、熱電変換材料の電気伝導率を測定した。
(2)ゼーベック係数
得られた熱電変換材料を20mm×10mmに切り出して試験片とし、試験片の一端を加熱し、両端に生じる温度差と電圧をアルメル−クロメル熱電対で計測することでゼーベック係数を算出した。具体的には、温度と電圧を測定する試料の両端間距離を15mmとして、片側を25℃に固定し、もう一端を30℃まで加熱して、その間の温度と電圧を測定して、温度差と電圧の傾きからゼーベック係数を算出した。
(3)パワーファクター
パワーファクター(PF)は、以下の式により求めた。
PF=Sσ
(S:ゼーベック係数(V/K)、σ:導電率(S/m))
[実施例2]
第二の分散液の量を1.9gに変更して、混合液中のPEDOT/PSS及び単層CNTの合計量に対する単層CNTの含有量を26.0質量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚み280nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは600nmであった。得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2390S/cm、ゼーベック係数は21.3μV/K、25℃におけるPFは108.1μW/m・Kであった。
[実施例3]
第二の分散液の量を4.0gに変更して、混合液中のPEDOT/PSS及び単層CNTの合計量に対する単層CNTの含有量を42.1質量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚み220nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは560nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2484S/cm、ゼーベック係数は22.8μV/K、25℃におけるPFは128.3μW/m・Kであった。
[実施例4]
第二の分散液の量を8.0gに変更して、混合液中のPEDOT/PSS及び単層CNTの合計量に対する単層CNTの含有量を59.2質量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚み180nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは440nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2742S/cm、ゼーベック係数は23.8μV/K、25℃におけるPFは155.1μW/m・Kであった。
[実施例5]
第二の分散液の量を31.9gに変更して、混合液中のPEDOT/PSS及び単層CNTの合計量に対する単層CNTの含有量を85.3質量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚み160nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは520nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2776S/cm、ゼーベック係数は27.5μV/K、25℃におけるPFは210.1μW/m・Kであった。
[実施例6]
第三の溶剤への浸漬時間を30秒とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み210nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2433S/cm、ゼーベック係数は24.1μV/K、25℃におけるPFは141.7μW/m・Kであった。
[実施例7]
第三の溶剤への浸漬時間を1分とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み138nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2816S/cm、ゼーベック係数は27.1μV/K、25℃におけるPFは206.5μW/m・Kであった。
[実施例8]
第三の溶剤への浸漬時間を2分とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み123nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は3562S/cm、ゼーベック係数は27.6μV/K、25℃におけるPFは270.5μW/m・Kであった。
[実施例9]
第三の溶剤への浸漬時間を5分とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み132nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2951S/cm、ゼーベック係数は26.5μV/K、25℃におけるPFは207.7μW/m・Kであった。
[実施例10]
第三の溶剤への浸漬時間を10分とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み132nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2461S/cm、ゼーベック係数は29.0μV/K、25℃におけるPFは206.8μW/m・Kであった。
[実施例11]
第三の溶剤への浸漬時間を20分とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚み138nmの熱電変換材料を得た。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2327S/cm、ゼーベック係数は27.0μV/K、25℃におけるPFは169.7μW/m・Kであった。
[実施例12]
(混合液の調製)
実施例1と同様の操作を行って混合液を調製した。
(複合体の製造)
シリコンゴム基板上に上記方法で調製した混合液を60μL滴下し、60℃で1時間乾燥させて、厚み10000nmの複合体を得た。
(溶剤処理及び溶剤除去)
第三の溶剤としてジメチルスルホキシド(DMSO)を準備した。上記の方法で作製した複合体を第三の溶剤(ジメチルスルホキシド)に室温で60分間、浸漬処理した。その後、第三の溶剤中から複合体を引き上げ、60℃で60分加熱処理して、厚み3000nmの熱電変換材料を得た。得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2717S/cm、ゼーベック係数は27.9μV/K、25℃におけるPFは212.2μW/m・Kであった。
[実施例13]
浸漬後の加熱処理の条件を140℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み3000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは9000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2311S/cm、ゼーベック係数は29.1μV/K、25℃におけるPFは196.4μW/m・Kであった。
[実施例14]
浸漬後の加熱処理の条件を200℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み3000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは9000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は2253S/cm、ゼーベック係数は28.7μV/K、25℃におけるPFは185.4μW/m・Kであった。
[実施例15]
第三の溶剤をアセトニトリル(AN)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を60℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み8000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は941S/cm、ゼーベック係数は22.1μV/K、25℃におけるPFは45.8μW/m・Kであった。
[実施例16]
第三の溶剤をアセトニトリル(AN)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を140℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み7000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は869S/cm、ゼーベック係数は26.9μV/K、25℃におけるPFは62.9μW/m・Kであった。
[実施例17]
第三の溶剤をアセトニトリル(AN)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を200℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み7000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは11000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は756S/cm、ゼーベック係数は29.6μV/K、25℃におけるPFは66.3μW/m・Kであった。
[実施例18]
第三の溶剤を水(HO)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を60℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み8000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは9000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1032S/cm、ゼーベック係数は21.6μV/K、25℃におけるPFは47.9μW/m・Kであった。
[実施例19]
第三の溶剤を水(HO)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を140℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み8000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1006S/cm、ゼーベック係数は26.6μV/K、25℃におけるPFは71.4μW/m・Kであった。
[実施例20]
第三の溶剤を水(HO)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を200℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み8000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は934S/cm、ゼーベック係数は29.0μV/K、25℃におけるPFは78.6μW/m・Kであった。
[実施例21]
第三の溶剤をエタノール(EtOH)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を60℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み5000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1197S/cm、ゼーベック係数は24.7μV/K、25℃におけるPFは71.9μW/m・Kであった。
[実施例22]
第三の溶剤をエタノール(EtOH)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を140℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み6000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1047S/cm、ゼーベック係数は26.9μV/K、25℃におけるPFは75.7μW/m・Kであった。
[実施例23]
第三の溶剤をエタノール(EtOH)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を200℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み6000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは11000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は990S/cm、ゼーベック係数は27.1μV/K、25℃におけるPFは72.9μW/m・Kであった。
[実施例24]
第三の溶剤をエチレングリコール(EG)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を60℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み5000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1959S/cm、ゼーベック係数は25.0μV/K、25℃におけるPFは122.6μW/m・Kであった。
[実施例25]
第三の溶剤をエチレングリコール(EG)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を140℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み5000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは9000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1585S/cm、ゼーベック係数は27.8μV/K、25℃におけるPFは122.5μW/m・Kであった。
[実施例26]
第三の溶剤をエチレングリコール(EG)とし、第三の溶剤への浸漬後の加熱処理の条件を200℃、60分とした以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み5000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは10000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は1589S/cm、ゼーベック係数は27.1μV/K、25℃におけるPFは116.8μW/m・Kであった。
[比較例1]
実施例1と同様の操作により厚み500nmの複合体を得て、この複合体を熱電変換材料とした。この熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は538S/cm、ゼーベック係数は23.5μV/K、25℃におけるPFは29.7μW/m・Kであった。
[比較例2]
混合液の調製時に第二の分散液を添加しなかった以外は、実施例12と同様の操作を行い、厚み3000nmの熱電変換材料を得た。なお、溶剤処理前の複合体の厚みは4000nmであった。また、得られた熱電変換材料について、上記の方法で電気伝導率(σ)、ゼーベック係数(S)、パワーファクター(PF)を求めたところ、電気伝導率は236S/cm、ゼーベック係数は17.6μV/K、25℃におけるPFは7.3μW/m・Kであった。
Figure 2019036599
Figure 2019036599
Figure 2019036599

Claims (19)

  1. ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液と、カーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合して、混合液を得る混合工程と、
    前記混合液から、前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブを含む複合体を得る複合体形成工程と、
    前記複合体を第三の溶剤に曝して、前記第三の溶剤の少なくとも一部を前記複合体に含浸させる溶剤処理工程と、
    前記複合体に含浸した前記第三の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブを含む熱電変換材料を得る溶剤除去工程と、
    を備える、熱電変換材料の製造方法。
  2. 前記第二の分散液中の前記カーボンナノチューブの含有量が、前記導電性高分子及び前記カーボンナノチューブの合計量を基準として、25〜95質量%である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第三の溶剤が極性液体を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第三の溶剤の誘電率が20以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記第二の分散液が分散剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記分散剤が界面活性剤を含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記単層カーボンナノチューブが10nm以下の直径を有する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記単層カーボンナノチューブの波長532nmのレーザーラマン分光におけるG/D比が10以上である、請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. 前記溶剤除去工程が、前記第三の溶剤が含浸した前記複合体を加熱処理する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記溶剤処理工程が、前記複合体を前記第三の溶剤に浸漬する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記複合体形成工程が、基板上に塗布された前記混合液から前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して、前記基板上に膜状の複合体を形成する工程である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記熱電変換材料の電気伝導率が100S/cm以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 前記熱電変換材料のゼーベック係数が15μV/K以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法で得られた熱電変換材料を、2つの導電性基板の間に配置する工程を備える、熱電変換素子の製造方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法により熱電変換材料を製造するためのキットであって、
    前記第一の分散液を含む第一の容器と、
    前記第二の分散液を含む第二の容器と、
    前記第三の溶剤を含む第三の容器と、
    を備える、熱電変換材料製造用キット。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法により熱電変換材料を製造するためのキットであって、
    前記混合液を含む第一の容器と、
    前記第三の溶剤を含む第二の容器と、
    を備える、熱電変換材料製造用キット。
  18. ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子とカーボンナノチューブとを含む複合体からなる熱電変換材料を改質する方法であって、
    前記複合体を溶剤に曝して、前記溶剤の少なくとも一部を前記複合体に含浸させる溶剤処理工程と、
    前記複合体に含浸した前記溶剤の少なくとも一部を除去する溶剤除去工程と、
    を備える、熱電変換材料の改質方法。
  19. 前記複合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸からなる導電性高分子を第一の溶剤に分散させた第一の分散液とカーボンナノチューブを第二の溶剤に分散させた第二の分散液とを混合した混合液から、前記第一の溶剤及び前記第二の溶剤の少なくとも一部を除去して得られる複合体である、請求項18に記載の改質方法。
JP2017155925A 2017-08-10 2017-08-10 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法 Active JP7142278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155925A JP7142278B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155925A JP7142278B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019036599A true JP2019036599A (ja) 2019-03-07
JP7142278B2 JP7142278B2 (ja) 2022-09-27

Family

ID=65637737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017155925A Active JP7142278B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7142278B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113224231A (zh) * 2021-04-27 2021-08-06 上海应用技术大学 一种柔性Mxene/PEDOT:PSS复合热电材料的制备方法
WO2022176921A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 デンカ株式会社 分散液及びその製造方法、熱電変換膜及びその製造方法、並びに熱電変換モジュール
JP7349665B2 (ja) 2019-12-27 2023-09-25 日本ゼオン株式会社 複合体、分散液及び熱電変換素子

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010077186A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
JP2012124107A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Sony Corp 透明導電膜の製造方法、透明導電膜、導電性繊維の製造方法、導電性繊維、カーボンナノチューブ・導電性ポリマー複合分散液、カーボンナノチューブ・導電性ポリマー複合分散液の製造方法および電子機器
JP2014503670A (ja) * 2011-01-24 2014-02-13 サントル・ナシヨナル・ド・ラ・ルシエルシユ・シヤンテイフイク 加熱成形可能で、リサイクル可能な無水エポキシ熱硬化性樹脂および熱硬化性組成物
WO2014034258A1 (ja) * 2012-08-30 2014-03-06 独立行政法人産業技術総合研究所 熱電材料および熱電モジュール
US20140338715A1 (en) * 2013-03-28 2014-11-20 The Texas A&M University System High Performance Thermoelectric Materials
WO2015098574A1 (ja) * 2013-12-27 2015-07-02 富士フイルム株式会社 熱電変換素子および熱電変換素子の製造方法
US20160104554A1 (en) * 2014-10-09 2016-04-14 Washington State University Functionalized porous polymer nanocomposites
JP2016519700A (ja) * 2013-03-20 2016-07-07 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 透明カーボンナノチューブ高分子複合導電インク及びその調製方法
JP2017502914A (ja) * 2013-12-23 2017-01-26 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 単層カーボンナノチューブの分散性を向上する方法
JP2017502915A (ja) * 2013-12-23 2017-01-26 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 単層カーボンナノチューブを均一に分散させる方法
JP2017508855A (ja) * 2013-12-23 2017-03-30 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 高分散のカーボンナノチューブ複合導電インク

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010077186A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Shin Etsu Polymer Co Ltd 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス
JP2012124107A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Sony Corp 透明導電膜の製造方法、透明導電膜、導電性繊維の製造方法、導電性繊維、カーボンナノチューブ・導電性ポリマー複合分散液、カーボンナノチューブ・導電性ポリマー複合分散液の製造方法および電子機器
JP2014503670A (ja) * 2011-01-24 2014-02-13 サントル・ナシヨナル・ド・ラ・ルシエルシユ・シヤンテイフイク 加熱成形可能で、リサイクル可能な無水エポキシ熱硬化性樹脂および熱硬化性組成物
WO2014034258A1 (ja) * 2012-08-30 2014-03-06 独立行政法人産業技術総合研究所 熱電材料および熱電モジュール
JP2016519700A (ja) * 2013-03-20 2016-07-07 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 透明カーボンナノチューブ高分子複合導電インク及びその調製方法
US20140338715A1 (en) * 2013-03-28 2014-11-20 The Texas A&M University System High Performance Thermoelectric Materials
JP2017502914A (ja) * 2013-12-23 2017-01-26 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 単層カーボンナノチューブの分散性を向上する方法
JP2017502915A (ja) * 2013-12-23 2017-01-26 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 単層カーボンナノチューブを均一に分散させる方法
JP2017508855A (ja) * 2013-12-23 2017-03-30 北京阿格蕾雅科技発展有限公司 高分散のカーボンナノチューブ複合導電インク
WO2015098574A1 (ja) * 2013-12-27 2015-07-02 富士フイルム株式会社 熱電変換素子および熱電変換素子の製造方法
US20160104554A1 (en) * 2014-10-09 2016-04-14 Washington State University Functionalized porous polymer nanocomposites

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7349665B2 (ja) 2019-12-27 2023-09-25 日本ゼオン株式会社 複合体、分散液及び熱電変換素子
WO2022176921A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 デンカ株式会社 分散液及びその製造方法、熱電変換膜及びその製造方法、並びに熱電変換モジュール
CN113224231A (zh) * 2021-04-27 2021-08-06 上海应用技术大学 一种柔性Mxene/PEDOT:PSS复合热电材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7142278B2 (ja) 2022-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. A high‐performance, tailorable, wearable, and foldable solid‐state supercapacitor enabled by arranging pseudocapacitive groups and MXene flakes on textile electrode surface
Khosrozadeh et al. Flexible electrode design: fabrication of freestanding polyaniline-based composite films for high-performance supercapacitors
Liao et al. Industry‐scale and environmentally stable Ti3C2Tx MXene based film for flexible energy storage devices
Shin et al. Scalable synthesis of triple‐core–shell nanostructures of TiO2@ MnO2@ C for high performance supercapacitors using structure‐guided combustion waves
Atta et al. Structural and physical properties of polyaniline/silver oxide/silver nanocomposite electrode for supercapacitor applications
Nyström et al. Self-assembled three-dimensional and compressible interdigitated thin-film supercapacitors and batteries
Sharma et al. Flexible supercapacitor based on three‐dimensional cellulose/graphite/polyaniline composite
Ye et al. Highly efficient materials assembly via electrophoretic deposition for electrochemical energy conversion and storage devices
Cheng et al. High‐Performance Supercapacitor Applications of NiO‐Nanoparticle‐Decorated Millimeter‐Long Vertically Aligned Carbon Nanotube Arrays via an Effective Supercritical CO2‐Assisted Method
Liu et al. Synthesis of a graphene-polypyrrole nanotube composite and its application in supercapacitor electrode
Ke et al. Strong charge transfer at 2H–1T phase boundary of MoS2 for superb high‐performance energy storage
Bordjiba et al. Direct redox deposition of manganese oxide on multiscaled carbon nanotube/microfiber carbon electrode for electrochemical capacitor
Ferris et al. 3D interdigitated microsupercapacitors with record areal cell capacitance
Fei et al. Humidity switching properties of sensors based on multiwalled carbon nanotubes/polyvinyl alcohol composite films
Singh et al. Effect of nano‐TiO2 dispersion on PEO polymer electrolyte property
JP7142278B2 (ja) 熱電変換材料の製造方法、熱電変換素子の製造方法及び熱電変換材料の改質方法
CN101866721A (zh) 使用导电框架制备导电薄膜的方法以及导电薄膜
Moon et al. 3D highly conductive silver nanowire@ PEDOT: PSS composite sponges for flexible conductors and their all‐solid‐state supercapacitor applications
JP2010199034A (ja) 太陽電池用導電性ペースト及びその製造方法
Srinivasan et al. Infrared Spectra: Useful technique to identify the conductivity level of emeraldine form of polyaniline and indication of conductivity measurement either two or four probe technique
Khalid et al. Asymmetric and symmetric solid-state supercapacitors based on 3D interconnected polyaniline–carbon nanotube framework
CN103443890A (zh) 导电性聚合物溶液及其制备方法,导电性聚合物材料,以及使用所述导电性聚合物材料的固体电解电容器及其制备方法
Tali et al. Nitrogen-doped amorphous carbon-silicon core-shell structures for high-power supercapacitor electrodes
Konstantinou et al. TiO2 coated Si nanowire electrodes for electrochemical double layer capacitors in room temperature ionic liquid
JP6329828B2 (ja) 熱電変換材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7142278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150