JP2019036070A - 架橋高分子のパラメータを算出する方法、装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子動力学計算により、平衡状態における架橋高分子モデルM10の各粒子の座標を取得するステップ(ST2〜3)と;、ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、各粒子の座標を頂点とする四面体で包囲される溶媒無添加状態の体積(V無添加)として算出するステップ(ST4)と;、分子動力学計算により、平衡状態における溶媒分子モデルM2を混合した混合モデルM13の各粒子の座標を取得するステップ(ST5〜6)と;、ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、溶媒添加後の架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を頂点とする四面体で包囲される膨張後の体積(V膨張)として算出するステップ(ST7)と;、膨張後の体積(V膨張)と溶媒無添加状態の体積(V無添加)とに基づき膨潤度φを算出するステップ(ST8)と;、を含む。
【選択図】図3
Description
予め設定された架橋高分子モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、前記架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得するステップと、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を溶媒無添加状態の体積として算出するステップと、
予め設定された溶媒分子モデルを前記架橋高分子モデルに所定量添加した混合モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得するステップと、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を膨張後の体積として算出するステップと、
前記膨張後の体積と前記溶媒無添加状態の体積とに基づき膨潤度を算出するステップと、を含む。
したがって、従来に比べて架橋高分子のパラメータを低計算コストで算出することが可能となる。
本実施形態の装置2は、架橋高分子モデルと溶媒分子モデルを用いた分子動力学計算によって、架橋高分子のパラメータ(膨潤度など)を算出する装置である。
図1に示す装置2を用いて、架橋高分子のパラメータを算出する方法について、図3を用いて説明する。
架橋高分子モデルとしては、200ビーズからなるKremer-Grest分子鎖モデルが100本ある未架橋高分子モデルに対して、各分子鎖に等間隔に10個の反応可能ビーズを設定しておき、500個の架橋ビーズを添加して、架橋反応させながら平衡化して生成した架橋高分子モデルデータを用いた。特許文献1の方法及び本実施形態の方法はいずれもほぼ同じ膨潤度の結果が得られている。特許文献1の方法では、10CPUで約98時間必要とした。一方、本実施形態の方法では、8CPUで約12時間必要とした。CPUの一つあたりの性能は同じである。よって、本実施形態の方法によれば、明らかに、精度を確保したまま計算コストを著しく低減できていることが理解できる。
特許文献1に記載の方法では、溶液状態の溶媒化学ポテンシャルを算出するために、高分子モデルと溶媒分子モデルの間の非結合ポテンシャルを20通り変化させた。すなわち、異なる条件について20通りの平衡化処理を実行している。
これに対して、本実施形態の方法では、平衡膨潤に到達するための1通りの計算でよい。
さらに、本実施形態の方法では、膨潤度の計算にχパラメータが必要ではなく、χパラメータを導出する計算コストが省略可能である。
予め設定された架橋高分子モデルM10について、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を取得するステップ(ST2〜3)と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、四面体で包囲される体積を溶媒無添加状態の体積(V無添加)として算出するステップ(ST4)と、
予め設定された溶媒分子モデルM2を架橋高分子モデルM10に所定量添加した混合モデルM13について、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、溶媒添加後の架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を取得するステップ(ST5〜6)と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、溶媒添加後の架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、四面体で包囲される体積を膨張後の体積(V膨張)として算出するステップ(ST7)と、
膨張後の体積(V膨張)と溶媒無添加状態の体積(V無添加)とに基づき膨潤度φを算出するステップ(ST8)と、
を含む。
予め設定された架橋高分子モデルM10について、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を取得する第1の座標取得部23と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、四面体で包囲される体積を溶媒無添加状態の体積(V無添加)として算出する第1の体積算出部24と、
予め設定された溶媒分子モデルM2を架橋高分子モデルM10に所定量添加した混合モデルM13について、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、溶媒添加後の架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を取得する第2の座標取得部25と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、溶媒添加後の架橋高分子モデルM10を構成する各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、四面体で包囲される体積を膨張後の体積(V膨張)として算出する第2の体積算出部26と、
膨張後の体積(V膨張)と溶媒無添加状態の体積(V無添加)とに基づき膨潤度φを算出する膨潤度算出部27と、
を備える。
したがって、従来に比べて架橋高分子のパラメータを低計算コストで算出することが可能となる。
24…第1の体積算出部
25…第2の座標取得部
26…第2の体積算出部
27…膨潤度算出部
28…架橋密度算出部
Claims (5)
- 予め設定された架橋高分子モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、前記架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得するステップと、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を溶媒無添加状態の体積として算出するステップと、
予め設定された溶媒分子モデルを前記架橋高分子モデルに所定量添加した混合モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得するステップと、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を膨張後の体積として算出するステップと、
前記膨張後の体積と前記溶媒無添加状態の体積とに基づき膨潤度を算出するステップと、を含む、架橋高分子モデルのパラメータを算出する方法。 - 予め設定された架橋高分子モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、前記架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得する第1の座標取得部と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を溶媒無添加状態の体積として算出する第1の体積算出部と、
予め設定された溶媒分子モデルを前記架橋高分子モデルに所定量添加した混合モデルについて、予め定めた温度および圧力を含む解析条件のもとで平衡状態における分子動力学計算の計算結果に基づき、溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を取得する第2の座標取得部と、
ドロネー分割(Delaunay tessellation)を実行し、前記溶媒添加後の架橋高分子モデルを構成する各粒子の座標を頂点とする四面体の集合体を生成し、前記四面体で包囲される体積を膨張後の体積として算出する第2の体積算出部と、
前記膨張後の体積と前記溶媒無添加状態の体積とに基づき膨潤度を算出する膨潤度算出部と、を備える、架橋高分子モデルのパラメータを算出する装置。 - 請求項1又は2に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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