JP2019035717A - 境界層制御装置及び風洞装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この再度発達する境界層の影響を抑制するためには、吸引用ダクトの下流側の端部から測定対象物の後端部までにおける静止した床面の気流方向の距離を短くすることが必要であった。
即ち、本発明の一態様に係る境界層制御装置は、送風機により生成された気流が流通する気流通路を構成する内壁面から凹む箱状をなし、前記内壁面に近づくに従って該気流の下流側へと向かう形状に形成された前板が該気流の下流側に設けられたチャンバと、前記チャンバ内に設けられて、該チャンバ内の空間を上流側のダクト空間、下流側の噴出用ヘッダに区画する仕切板と、前記噴出用ヘッダ内の空気を前記チャンバの前記内壁面への開口を介して前記気流通路へと噴出するノズル部と、を備え、前記ダクト空間は、前記上流側の主ダクト部と、該主ダクト部の下流側に接続されて該主ダクト部よりも深さの小さい副ダクト部と、を有することを特徴とする。
以下、本発明の第一実施形態に係る境界層制御装置及び風洞装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す風洞装置100は、例えば自動車の空気抵抗値を測定する試験を行うために用いられる。
気流通路1は環状をなすように連続する通路である。送風機2は気流通路1内に設けられて、ファンの回転等により気流Wを発生させる。気流Wは気流通路1を循環するように該気流通路を流通する。
気流通路1には、気流通路1の一部分だけ空間を拡張させることで風洞試験を行うことを可能とした測定室3が設けられている。気流通路1は直線区間1Aとコーナー区間1Bにより構成されている。各コーナー区間1Bにはコーナーベーン4が複数個ずつ設けられている。
測定対象物Oの幅方向両側(左右両側)の上流側の領域には吸引用ダクト10のみが測定対象物Oの側方に回り込んで設けられている。
中間部仕切板18Bは、底部仕切板18Aにおけるチャンバ14の開口側の端部に交差するように接続されて、該開口側の端部から下流側に向かって延びている。本実施形態では、中間部仕切板18Bの上流側には中間部仕切板屈曲部18bが設けられている。
開口部仕切板18Cは、中間部仕切板18Bにおける気流Wの下流側の端部に交差するように接続されて、該下流側の端部から開口側に向かって延びている。
本実施形態では、チャンバ14の前板16は、ローラ19に巻き掛けられることで湾曲している無端ベルト20にそう形状となるように形成されている。
従って、個々の装置について、その能力を犠牲とせずに、ダクトの下流側端部から測定対象物O後端部までにおける静止した床面3Aの気流W方向の距離を大幅に短縮することができる。
さらに、本実施形態の構成によれば、噴出用ヘッダ12に使うことのできる空間をより広く取ることができる。そのため、稼働の際は、圧力損失を低減できることから運転効率がよく、その上、より均一な噴流を噴出可能とすることができる。
次に第二実施形態について図5を参照して説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態は、第一実施形態と比較し、チャンバ15とその内部の構成が異なっている。
本実施形態では、第一実施形態における吸引用ダクト11を区画形成する壁面に相当する壁面のみが存在し、この壁面は一つのチャンバ15により構成されている。ゆえに噴出用ヘッダ12を区画形成する構成は無い。
また、本実施形態ではチャンバ15の下流側が占有する空間が小さくなっているため、チャンバ15を移動地面板13に可能な限り接近させた場合など寸法制約が厳しい場合でもチャンバ15を配置することができる。
したがって、上記の構成によれば、寸法制約又はコスト面での制約が第一実施例よりもさらに厳しいために、噴出用ヘッダ12を設けることができない場合であっても、精度よく測定対象物Oの空気抵抗値を測定することができる。
なお、上記実施形態では、仕切板18は、底部仕切板18A、中間部仕切板18B及び開口部仕切板18Cの3つの平板が接続されたものとして形成されるとしたが、これに限るものではなく、例えば、仕切板18が一枚の板を屈曲して成形されたものであって、上記実施例における中間部仕切板18Bに相当する領域を平面としたものでもよい。
1 気流通路
1A 直線区間
1B コーナー区間
2 送風機
3 測定室
3A 床面
3B 床下
4 コーナーベーン
5、6 境界層制御装置
10、11 吸引用ダクト
10A、11A 主ダクト部
10B、11B 副ダクト部
12 噴出用ヘッダ
13 移動地面板
14、15 チャンバ
16、17 前板
18 仕切板
18A 底部仕切板
18B 中間部仕切板
18b 中間部仕切板屈曲部
18C 開口部仕切板
19 ローラ
20 無端ベルト
21 ノズル部
O 測定対象物
W 気流
V 気流速度ベクトルのチャンバ深さ方向成分
Claims (8)
- 送風機により生成された気流が流通する気流通路を構成する内壁面から凹む箱状をなし、前記内壁面に近づくに従って該気流の下流側へと向かう形状に形成された前板が該気流の下流側に設けられたチャンバと、
前記チャンバ内に設けられて、該チャンバ内の空間を上流側のダクト空間、下流側の噴出用ヘッダに区画する仕切板と、
前記噴出用ヘッダ内の空気を前記チャンバの前記内壁面への開口を介して前記気流通路へと噴出するノズル部と、を備え、
前記ダクト空間は、前記上流側の主ダクト部と、該主ダクト部の下流側に接続されて該主ダクト部よりも深さの小さい副ダクト部と、を有する境界層制御装置。 - 前記チャンバの深さ方向に見て、前記ダクト空間が占める領域と噴出用ヘッダが占める領域とが重なる部分を有する請求項1に記載の境界層制御装置。
- 前記副ダクト部における前記気流の流通方向の寸法が、該副ダクト部と前記主ダクト部との接続部における前記副ダクト部の深さよりも大きい請求項1に記載の境界層制御装置。
- 前記ノズル部が、前記仕切り板の開口側端部と前記チャンバにおける前記前板の開口側端部により区画形成されている、請求項1に記載の境界層制御装置。
- 前記仕切り板が、前記チャンバの底面から該チャンバの開口方向に向かって延びる底部仕切板と、
前記底部仕切板における前記チャンバの開口側の端部に交差するように接続されて、該開口側の端部から前記下流側に向かって延びる中間部仕切板と、
前記中間部仕切板における前記気流の下流側の端部に交差するように接続されて、該下流側の端部から前記開口側に向かって延びる開口部仕切板と、を有する請求項1に記載の境界層制御装置。 - 前記気流通路の幅方向に延びる軸線回りに回転可能なローラ、及び該ローラに巻き掛けられて前記気流の流通方向に延びる無端ベルトを有する移動地面板をさらに備え、
前記前板が、前記ローラに巻き掛けられることで湾曲している前記無端ベルトに沿うように形成されている請求項1に記載の境界層制御装置。 - 前記送風装置と前記気流通路とを有し、請求項1から6のいずれか一項に記載の境界層制御装置をさらに有する風洞装置。
- 送風装置により生成された気流が流通する気流通路を構成する内壁面から凹む箱状をなすチャンバと、
前記チャンバ内に、前記上流側の主ダクト部と、該主ダクト部の下流側に接続されて該主ダクト部よりも深さの小さい副ダクト部と、を有する境界層制御装置。
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