JP2019035347A - タービン部品、タービン翼、軸流タービン及びその改造方法、タービン翼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
・軸流タービン
図1は本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンの要部である段落部の構造を模式的に表す断面図である。図1にはタービン中心軸を通る平面で切断したタービンの断面を表してある。本願明細書では、後述する静翼3と動翼5を総称してタービン翼と称する。
本実施形態に係るタービン部品11は、以上のような軸流タービン(例えば既設プラントのタービン)を対象として、シュラウド(本実施形態ではシュラウド6)における作動流体の流通方向の下流側の端面に取り付けた後付け部品である。タービン部品11は、主流路から隙間流路におけるシュラウド6の後縁周囲のキャビティー12への主流F1の流入の防止、漏れ流れf1が主流F2に合流する際の混合損失を含めたシュラウド6の後流損失の低減によるタービン性能の改善のために後付けされる。図3ではタービン部品11をシュラウド6に取り付けた状態を表しているが、タービン部品11は取り付け対象であるシュラウド6とは別体で製作される。このタービン部品11は、シュラウド6の後縁端面(主流F1の流れ方向の下流側を向いた端面)に取り付けた場合にシュラウド6と共に主流路に臨む。そして、シュラウド6と自己(タービン部品11)における主流路を画定する面(タービン径方向内側を向き主流F1の流れに臨む面つまり主流路に臨む面)が面一になってタービン軸方向に連続するように形成される。また図3に示したようにタービン中心軸を含む平面で切断した断面で見ると、タービン部品11は隙間流路に臨む面(タービン径方向の外側を向いた面)が下流側に向かうにつれて主流路に近付くように形成されている。以下、タービン部品11の構成の詳細について説明していく。
図1に例示した軸流タービン(タービン部品11を除く)が既設機として存在する場合を例に挙げて説明する。本実施形態におけるタービン部品11はこのような既設の軸流タービンを改造対象として、動翼5のシュラウド6の後縁端面に取り付けられる。タービン部品11は、例えば拡散接合又はレーザー溶接によってシュラウド6に取り付けることができる。その際、タービンを分解しロータ4から取り外した個々の動翼5のシュラウド6にタービン部品11を取り付けることもできるし、動翼5をロータ4に取り付けたまま各シュラウド6にタービン部品11を取り付けることもできる。
図3等を用いて漏れ流れの流れを中心に本実施形態に係る軸流タービンの動作を説明する。動翼5の上流側からシュラウド6の外周側に迂回した漏れ流れf1は、シュラウド6と複数のシールフィン7の間を通過し、漏れ流れf2として動翼5の先端後縁部の下流側へ流出する。この際、最下流のシールフィン7を通過した漏れ流れf1の一部は、隙間流路におけるシュラウド6の後縁の周囲のキャビティー12で循環する循環流れf3を形成する。この循環流れf3は、キャビティー12を循環する過程で、ダイヤフラム外輪1のシュラウド6を収容した溝の下流側の壁面16に衝突して軸流方向速度成分を大きく失い、再び漏れ流れf1と合流して主流へ流れ込む漏れ流れf2を形成する。この際、タービン部品11がシュラウド6に取り付けることにより、キャビティー12への主流F1の漏れ込みが抑制されると共に、主流F1への漏れ流れf2のスムーズな合流が促される。タービン部品11によりシュラウド後縁とダイヤフラム外輪1の軸方向間隙Gが狭まること、動翼後縁からタービン部品11の先端までの距離Lの間に動翼5の二次流れが整流されて主流F1が局所的に持つ径方向の速度成分が弱まること等がその要因である。また、漏れ流れf2と主流の合流点であるタービン部品11の後縁11aが薄くなっていることにより、後縁11aの近傍における流れの澱みが抑制され、合流の際の混合損失の発生が低減される。
図6は本発明の第2実施形態に係る隙間流路の詳細構造を表す図であって図3に対応する図である。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、シュラウド6とタービン部品11Aとの嵌め合い部13aに抜け止め構造13bを設けたことである。具体的には、本実施形態における嵌め合い部13aはタービン中心軸について軸対称形状に形成されており、その断面がT字型となるように形成されている。抜け止め構造13bは嵌め合い部13aのこのT字型の部分である。本実施形態においてはタービン部品11A側に断面T字型の凸部を設け、シュラウド6側にそれに応じた形状の凹部を追加工した場合を例示しているが、凹凸関係を逆にしても良い。本実施形態のタービン部品11Aの他の構成は第1実施形態のタービン部品11と同様であり、タービン部品11Aを後付けした動翼5やそれを備えた軸流タービンの構造も第1実施形態と同様である。タービン部品11Aを用いた軸流タービンの改造方法も第1実施形態と基本的に同様であるが、抜け止め構造13bを設けたことでタービン部品11Aを軸方向からシュラウド6に嵌め込むことはできない。そのため、シュラウド6の後縁端面にタービン部品11Aを後付けする際、少なくとも1本の動翼5をロータ4から取り外す必要がある。そして、取り外した動翼5に対して、嵌め合い部13aをタービン周方向(この動翼5がロータ4に取り付けられた状態でタービン周方向に相当する方向)から嵌め入れる。或いは、隣接する動翼5が取り外されていれば、ロータ4に取り付けたままの動翼5に対して隣接翼が除かれたスペースからタービン部品11を挿し込み、嵌め合い部13aをタービン周方向から嵌め入れることもできる。
図7は本発明の第3実施形態に係る隙間流路の詳細構造を表す図であって図3に対応する図である。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、シュラウド6とタービン部品11Bとの嵌め合い部を省略したことである。図7の断面で見てシュラウド6とタービン部品11Bの対向端面は、例えばタービン中心軸に直交する平面である。本実施形態においては、シュラウド6とタービン部品11Bの対向端面が拡散接合によって結合されている。また本実施形態に準ずる例として、レーザー溶接を用いてもタービン部品11Bとシュラウド6を強固に結合することができる。本実施形態のタービン部品11Bの他の構成は第1実施形態のタービン部品11と同様であり、タービン部品11Bを後付けした動翼5やこれを備えた軸流タービンの構造も第1実施形態と同様である。
図8は本発明の第4実施形態に係る隙間流路の詳細構造を表す図であって図3に対応する図である。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、別途製造されたタービン部品をシュラウド6に結合するのではなく、タービン部品11に相当する形状の部位11Cを既設機のシュラウド6の後縁端面に事後的に三次元造形(3Dプリント)する点である。部位11Cの形状は前述した実施形態のタービン部品(例えば第3実施形態のタービン部品11B)と同様である。例えば高圧段のタービン翼は短翼であるため、部位11Cの形成はロータ4から取り外した動翼5を立体印刷機(3Dプリンター)にセットし、シュラウド6に三次元造形することができる。動翼5をロータ4に取り付けたままシュラウド6に部位11Cを造形できる場合には、動翼5をロータ4から取り外す必要はない。こうしたタービン翼ひいては軸流タービンの改造方法が異なる点を除き、本実施形態の他の構成は先の各実施形態と同様であり、部位11Cを後付けした動翼5やこれを備えた軸流タービンの構造も先の各実施形態と同様である。
図9は本発明の第5実施形態に係る蒸気タービンの要部である段落部の構造を模式的に表す断面図である。図9は図1に対応する図である。第1−第4実施形態においては動翼5に発明を適用した例を説明したが、本発明は動翼5に限らず軸流タービンのタービン翼に適用可能である。本実施形態は静翼3に発明を適用した例である。
以上においては蒸気タービンのタービン翼に発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、ガスタービン等の他の軸流タービンにも以上の各実施形態の特徴は適用可能である。この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。また複数段の軸流タービンのいずれの段落にも適用可能である。
7…シールフィン(シール)、11,11A,11B,11D…タービン部品、11C…部位、13,13a…嵌め合い部、O…タービン中心軸
Claims (12)
- タービン翼の先端に設けられたシュラウドの後縁端面に取り付けるタービン部品であって、
前記シュラウドの後縁端面に取り付けた場合に主流路に臨む面と隙間流路に臨む面を有し、タービン中心軸を含む平面で切断した断面で見て前記隙間流路に臨む面が下流側に向かうにつれて前記主流路に近付くように形成されていることを特徴とするタービン部品。 - 請求項1のタービン部品において、タービン周方向に採った幅が対応するシュラウドと合わせてあり、シュラウドに対応して周方向に複数連なって環状をなすことを特徴とするタービン部品。
- 請求項1のタービン部品において、前記シュラウドとの嵌め合い部を有していることを特徴とするタービン部品。
- 請求項3のタービン部品において、前記嵌め合い部がタービン中心軸について軸対称形状に形成されており、その断面がT字型であることを特徴とするタービン部品。
- 請求項1のタービン部品において、前記シュラウドに取り付けた状態で自己の下流側端部から前記タービン翼の先端の後縁までタービン軸方向に採った長さが、前記タービン翼の先端の軸コード長の10%以上で50%以下となるように形成されていることを特徴とするタービン部品。
- タービン翼と、
前記タービン翼の先端に設けたシュラウドと、
前記シュラウドの後縁端面に拡散接合又はレーザー溶接によって後付けした請求項1のタービン部品と
を備えたタービン翼。 - 請求項6のタービン翼を備えたタービン。
- タービン翼と、
前記タービン翼の先端に設けたシュラウドと、
前記シュラウドの後縁端面に、前記嵌め合い部をタービン周方向から嵌め入れて後付けした請求項4のタービン部品と
を備えたタービン翼。 - 請求項8のタービン翼を備えた軸流タービン。
- タービン中心軸方向に延びる環状の主流路に配置された複数のタービン翼、各タービン翼の先端に設けた複数のシュラウド、及び前記複数のシュラウドとこれらシュラウドの周囲を囲う対向部材との間の環状の隙間流路に配置されたシールを備えた軸流タービンの改造方法であって、
前記シュラウドの後縁端面に、請求項1のタービン部品を後付けすることを特徴とする軸流タービン改造方法。 - 軸流タービンのタービン中心軸方向に延びる環状の主流路に配置され、先端にシュラウドを有するタービン翼の製造方法であって、
前記軸流タービンに前記タービン翼を取り付けられた場合に、前記シュラウドと共に前記主流路に臨むと共に前記シュラウドと自己の前記主流路を画定する面がタービン軸方向に連続し、タービン中心軸を含む平面で切断した断面で見て、前記シュラウドと前記シュラウドの周囲を囲う対向部材との間の隙間流路に臨む面が下流側に向かうにつれて前記主流路に近付くような形状の部位を、既存のタービン翼の前記シュラウドの後縁端面に立体印刷機によって三次元造形して後付けすることを特徴とするタービン翼の製造方法。 - タービン中心軸方向に延びる環状の主流路に配置された複数のタービン翼、前記タービン翼の先端に設けられて環状をなす複数のシュラウド、前記シュラウドと前記シュラウドの周囲を囲う対向部材との間の環状の隙間流路に配置されたシール、及び前記シュラウドの後縁端面に取り付けられた請求項1のタービン部品を備えた軸流タービンであって、
前記シュラウドの前記主流路に臨む面と、前記タービン部品の前記主流路に臨む面がタービン軸方向に連続していることを特徴とする軸流タービン。
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---|---|---|---|---|
JP2021181808A (ja) * | 2020-05-19 | 2021-11-25 | 株式会社神戸製鋼所 | ラビリンスシール、ラビリンスシール構造、および流体機械 |
KR20220024688A (ko) | 2019-07-31 | 2022-03-03 | 미츠비시 파워 가부시키가이샤 | 축류 터빈 |
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2017
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US11898461B2 (en) | 2019-07-31 | 2024-02-13 | Mitsubish Heavy Industries, Ltd. | Axial flow turbine |
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