ここに記載された実施の形態は、以下の詳細な説明と実施例並びにそれらの先と以下の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。しかしながら、ここに記載された要素、装置および方法は、詳細な説明および実施例に提示された特定の実施の形態に制限されない。これらの実施の形態は、本発明の原理の単なる実例であることを認識すべきである。数多くの改変および適用が、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者に容易に明らかになるであろう。
その上、ここに開示された全ての範囲は、ここに含まれる任意と全ての部分的な範囲を包含するものと理解すべきである。例えば、「1.0から10.0」の規定された範囲は、1.0以上の最小値で始まり、10.0以下の最大値で終わる、任意と全ての部分的な範囲、例えば、1.0から5.3、または4.7から10.0、または3.6から7.9を含むものと考えるべきである。
ここに記載された全ての範囲も、他に特に明記のない限り、その範囲の端点を含むものと考えるべきである。例えば、「5と10の間」の範囲は、概して、端点5および10を含むものと考えるべきである。
さらに、「まで(up to)」という句が量または数量に関して使用されている場合、その量は、少なくとも検出可能な量または数量であると理解すべきである。例えば、特定の量「まで」の量で存在する材料は、検出可能な量から、その特定の量を含むその量までで存在し得る。
「三次元プリントシステム」、「三次元プリンター」「プリント」などの用語は、概して、三次元物体を製造するために構築材料を使用する、当該技術分野で現在公知である、または将来知られるであろう、選択的な堆積、吐出、溶融堆積モデル形成、および他の技法により、三次元物体を作製する様々な固体自由形状製造技法を表現するものである。
1つの態様において、3Dプリントシステムに使用可能な構築材料がここに記載されている。ここに記載された構築材料は、3Dプリントシステムにおいて遭遇する吐出温度で流体であり得る。いくつかの実施の形態において、構築材料は、三次元プリント物品または物体の製造中に、ある表面に一旦堆積されたら凝固することによって、固化する。他の実施の形態において、構築材料は、三次元プリント物品または物体の製造中に、ある表面上に堆積された際に、実質的に流体のままである。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、オリゴマー硬化性材料、少なくとも1種類の希釈剤、および反応性成分を含み、その反応性成分は、そのオリゴマー硬化性材料および/またはその少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を少なくとも1つ有する。それに加え、ある場合には、構築材料は、そのオリゴマー硬化性材料またはその少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を含まない非反応性成分をさらに含む。あるいは、他の場合には、構築材料は、非反応性成分を含まないか、または実質的に含まない。非反応性成分を「実質的に含まない」構築材料は、その構築材料の総質量に基づいて、約5質量パーセント未満、約3質量パーセント未満、約1質量パーセント未満、または約0.5質量パーセント未満の非反応性成分を含んで差し支えない。さらに、いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、光開始剤、抑制剤、安定剤、増感剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される添加剤を1種類以上さらに含む。
ここで、構築材料の特定の成分を考えると、ここに記載された構築材料は、オリゴマー硬化性材料を含む。本発明の目的に矛盾しないどのオリゴマー硬化性材料も使用できる。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は1種類以上の硬化性化学種を含む。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、1種類以上の光硬化性化学種を含む。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、1種類以上の紫外線硬化性化学種を含む。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、約300nmから約400nmに及ぶ波長で光硬化性である。あるいは、いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、約400nmから約700nmの波長などの、電磁スペクトルの可視波長で光硬化性である。
いくつかの実施の形態において、ここに記載されたオリゴマー硬化性材料は、(メタ)アクリレートの種を1種類以上含む。ここに用いたように、「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートまたはメタクリレートもしくはその混合物または組合せを含む。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む。いくつかの実施の形態において、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、フリーラジカル光開始剤の存在下で重合する、曝露状態において吐出温度で少なくとも1週間に亘り、かつ密閉状態で少なくとも4週間に亘り、熱的に安定である、および/または吐出温度より高い沸点を有する、どのようなメタクリレートまたはアクリレート樹脂を含んでも差し支えない。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、吐出温度より高い引火点を有する。
ここに記載された構築材料に使用するのに適したウレタン(メタ)アクリレートは、公知の様式で、典型的に、ヒドロキシル末端オリゴマーウレタンをアクリル酸またはメタクリル酸と反応させて、対応するウレタン(メタ)アクリレートを生成することによって、またはイソシアネート末端プレポリマーをアクリル酸またはメタクリル酸ヒドロキシアルキルと反応させて、ウレタン(メタ)アクリレートを生成することによって、調製することができる。適切なプロセスが、特に、欧州特許出願公開第114982号および同第133908号の各明細書に開示されている。そのような(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、一般に、約400から10,000、または約500から7,000の範囲にある。ウレタン(メタ)アクリレートは、製品名CN980、CN981、CN975およびCN2901でSARTOMER Companyから、または製品名BR−571およびBR−741でBomer Specialities Co.(コネチカット州、ウィンステッド所在)から市販もされている。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、約50℃で、約140,000センチポアズ(cP)から約160,000cPに及ぶ動的粘度を有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、約50℃で、約125,000cPから約175,000cPに及ぶ粘度を有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、約50℃で、約100,000cPから約200,000cPに及ぶ粘度を有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、約50℃で、約10,000cPから約300,000cPに及ぶ粘度を有する。
オリゴマー硬化性材料は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で、ここに記載された構築材料中に存在しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料は、構築材料の総質量に基づいて、約10質量パーセントから約50質量パーセントに及ぶ量で、構築材料組成物中に存在する。オリゴマー硬化性材料は、いくつかの実施の形態において、構築材料の総質量に基づいて、約10質量パーセントから約40質量パーセントに及ぶ量で、約10質量パーセントから約30質量パーセントに及ぶ量で、約15質量パーセントから約50質量パーセントに及ぶ量で、約15質量パーセントから約40質量パーセントに及ぶ量で、約15質量パーセントから約30質量パーセントに及ぶ量で、約15質量パーセントから約25質量パーセントに及ぶ量で、約20質量パーセントから約50質量パーセントに及ぶ量で、約20質量パーセントから約40質量パーセントに及ぶ量で、約20質量パーセントから約30質量パーセントに及ぶ量で、約30質量パーセントから約60質量パーセントに及ぶ量で、約30質量パーセントから約50質量パーセントに及ぶ量で、約35質量パーセントから約45質量パーセントに及ぶ量で、約40質量パーセントから約60質量パーセントに及ぶ量で、または約40質量パーセントから約50質量パーセントに及ぶ量で、構築材料中に存在する。
ここに記載されたいくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、例えば、重合反応において、互いに反応できる官能基または化学的部分を1つ以上有する。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分は、フリーラジカル重合により、互いに反応することができる。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分は、不飽和の地点の間の重合により、互いに反応することができる。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分は、エチレン性不飽和部分の重合により、互いに反応することができる。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、同じ化学的部分を有する反応性官能基を1つ以上有することができる。他の実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、異なる化学的部分を有する反応性官能基を1つ以上有することができる。いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、オリゴマー硬化性材料、反応性成分および少なくとも1種類の希釈剤を含み、そのオリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、1つ以上のアクリレートまたはメタクリレート部分を有する。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、1つ以上のビニル部分を有する。いくつかの実施の形態において、オリゴマー硬化性材料および反応性成分の各々は、1つ以上のビニルエーテル部分を有する。
ここに記載された構築材料は反応性成分も含む。本発明の目的に矛盾しないどのような反応性成分を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、反応性成分は固体である。例えば、いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、約25℃で固体である反応性成分を含む。いくつかの実施の形態において、その反応性成分は、約30℃で、約40℃で、または約50℃で固体である。いくつかの実施の形態において、その反応性成分は約75℃で固体である。いくつかの実施の形態において、その反応性成分は、標準的温度圧力(STP)条件で固体である。
その上、いくつかの実施の形態において、反応性成分は、結晶性または実質的に結晶性である。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、ここに挙げられた1つ以上の温度で結晶性または実質的に結晶性である。例えば、いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約25℃、約30℃、約40℃、約50℃、または約75℃で結晶性または実質的に結晶性である。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、標準的温度圧力条件で結晶性または実質的に結晶性である。
さらに、いくつかの実施の形態において、ここに記載された反応性成分は、構築材料を形成するために他の成分と組み合わされたときに、固体もしくは結晶性または実質的に結晶性のままである。ある場合には、ここに記載された固体、結晶性または実質的に結晶性の反応性成分は、構築材料中で相分離している。例えば、いくつかの実施の形態において、その反応性成分は、そうでなければ流体の構築材料内で結晶性または実質的に結晶性である領域として構築材料中に存在する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、結晶性または実質的に結晶性または実質的に結晶性である粒子として構築材料中に存在することがある。いくつかの実施の形態において、その粒子の直径は、約1から約100μmである。いくつかの実施の形態において、その粒子の直径は、約1から約50μm、約1から約30μm、約1から約10μm、約500から約1000nm、または約100から約500nmである。したがって、いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、オリゴマー硬化性材料、反応性成分、および少なくとも1種類の希釈剤を含み、その反応性成分は、そのオリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を少なくとも1つ有し、その反応性成分は、この構築材料の他の成分と組み合わされたときに、固体および/または結晶性または実質的に結晶性である。
あるいは、他の実施の形態において、ここに記載された反応性成分は、構築材料を形成するために他の成分と組み合わされたときに、必ずしも、固体、結晶性または実質的に結晶性のままではない。その代わりに、いくつかの実施の形態において、その反応性成分は、ここに記載された構築材料を形成するために他の成分と組み合わされたときに、溶解するか、または実質的に溶解する。それゆえ、ある場合には、ここに記載された反応性成分は、構築材料中において相分離しておらず、代わりに、構築材料の全体に亘り、均一に分布または分散している。さらに、いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、約25℃と約75℃の間の任意の所定の温度で単相構築材料である。
ここに記載したように、いくつかの実施の形態において、反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を1つ有する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を2つ以上有する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を2つ有する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を3つ有する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を4つ以上有する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の単官能性反応性成分は、特定の様式で、例えば、エチレン性不飽和部分の間の重合反応により、オリゴマー硬化性材料または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分をたった1つ有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態に使用するのに適した単官能性反応性成分の非限定的例としては、たった1つの(メタ)アクリレート基、たった1つのエチレン性不飽和基、またはたった1つのビニル基を有する化学種が挙げられる。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の多官能性反応性成分は、オリゴマー硬化性材料または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を2つ以上有する。いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の多官能性反応性成分は、エチレン性不飽和部分の間の重合反応により、オリゴマー硬化性材料または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を2つ以上有する。
いくつかの実施の形態において、二官能性反応性成分は、オリゴマー硬化性材料中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を2つ有する。いくつかの実施の形態において、二官能性反応性成分は、エチレン性不飽和部分の間の重合反応により、オリゴマー硬化性材料中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を2つ有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態に使用するのに適した二官能性反応性成分の非限定的例としては、2つの(メタ)アクリレート基、2つのエチレン性不飽和基、または2つのビニル基を有する化学種が挙げられる。
いくつかの実施の形態において、三官能性反応性成分は、オリゴマー硬化性材料中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を3つ有する。いくつかの実施の形態において、三官能性反応性成分は、エチレン性不飽和部分の間の重合反応により、オリゴマー硬化性材料中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を3つ有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態に使用するのに適した三官能性反応性成分の非限定的例としては、3つの(メタ)アクリレート基、3つのエチレン性不飽和基、または3つのビニル基を有する化学種が挙げられる。
ここに記載されたいくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の反応性成分は、以下のうちの少なくとも1つを含む:非オリゴマーウレタン(メタ)アクリレート、尿素(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレート(メタ)アクリレート。いくつかの実施の形態において有用な非オリゴマーウレタン(メタ)アクリレートの非限定的例は、2−メタクリルオキシエチルフェニルウレタンであり、これは、商標名2−MEPでHampford Research,Inc.から市販されている。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、(i)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;(ii)式R1−NHCOO−R2−R3により定義される種、式中、R1はCnH(2n+2)であり(式中、n=4〜36)、R2はCnH(2n+2)であり(式中、n=2〜36)、R3は−OCOCH=CH2または−OCOC(CH3)=CH2である;(iii)式R1−R2−NHCOO−R3−OOC−NH−R2−R1により定義される種、式中、R1は−OCOCH=CH2または−OCOC(CH3)=CH2であり、R2はCnH(2n+2)であり(式中、n=2〜36)、R3はCnH(2n+2)である(式中、n=2〜36);(iv)式R1−NHCONH−R2−R3により定義される種、式中、R1はCnH(2n+2)であり(式中、n=4〜36)、R2はCnH(2n+2)であり(式中、n=2〜36)、R3は−OCOCH=CH2または−OCOC(CH3)=CH2である;および(v)式R1−R2−NHCONH−R3−OOC−NH−R2−R1により定義される種、式中、R1は−OCOCH=CH2または−OCOC(CH3)=CH2であり、R2はCnH(2n+2)であり(式中、n=2〜36)、R3はCnH(2n+2)である(式中、n=2〜36);からなる群より選択される。
いくつかの実施の形態において、反応性成分は窒素含有環を有する。他の実施の形態において、反応性成分はイソシアヌレートである。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートである。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む。ここに記載されたいくつかの実施の形態に有用なイソシアヌレートトリアクリレートの非限定的例としては、商標名SR368でSARTOMER Companyから市販されている種および商標名THEICでHampford Research,Inc.から市販されている種が挙げられる。
ここに記載された構築材料中の反応性成分の量は、3Dプリントシステムの吐出温度、構築材料の所望の粘度、プリント用途の構築材料に要求される機械的完全性、構築材料と使用される任意の支持材料の所望の堆積速度、硬化した構築材料の所望の破断伸び、硬化した構築材料の所望の引張弾性率、硬化した構築材料の所望の引張強度、および硬化した構築材料の所望の耐変形性を含む、1つのまたは様々な要因にしたがって選択することができる。いくつかの実施の形態において、ここに記載された反応性成分は、ここに記載された構築材料の約3から約50質量パーセントを占める。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、ここに記載された構築材料の総質量に基づいて、その構築材料の約3から約40質量パーセント、約3から約30質量パーセント、約3から約25質量パーセント、約3から約20質量パーセント、約3から約15質量パーセント、約3から約10質量パーセント、約5から約50質量パーセント、約5から約30質量パーセント、約5から約25質量パーセント、約5から約20質量パーセント、約5から約15質量パーセント、約5から約10質量パーセント、約10から約40質量パーセント、約10から約20質量パーセント、または約10から約15質量パーセントを占める。
ここに記載されたいくつかの実施の形態において、反応性成分は、急激な融点を示す。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、狭い範囲の温度で溶融する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約1℃から約10℃の温度範囲で溶融する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約1℃から約8℃の温度範囲で溶融する。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約1℃から約5℃の温度範囲で溶融する。いくつかの実施の形態において、急激な融点を有する反応性成分は、X±2.5℃の温度範囲で溶融し、式中、Xは、凝固点を中心とする温度である(例えば、X=53℃)。ここに記載されたいくつかの実施の形態において、構築材料は、オリゴマー硬化性材料、反応性成分、および少なくとも1種類の希釈剤を含み、その反応性成分は、そのオリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を少なくとも1つ有し、その反応性成分は、約1℃から約10℃の融点範囲を示す。
その上、いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の反応性成分は、3Dプリントシステムに適用できる広い温度範囲に亘る融点を有する。ここに記載されたいくつかの実施の形態に有用な反応性成分は、本発明の目的と矛盾しない任意の温度を中心とする融点範囲を示しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約40℃と約100℃の間を中心とする融点範囲を示す。いくつかの実施の形態において、反応性成分は、約40℃と約50℃の間、約51℃と約65℃の間、約66℃と約80℃の間、または約81℃と約100℃の間を中心とする融点範囲を示す。
ここに記載された構築材料は少なくとも1種類の希釈剤も含む。本発明の目的に矛盾しないどのような希釈剤を使用しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、1種類以上の希釈剤が、粘度を調節するために構築材料に添加されるが、その材料の他の物理的性質も改善し得、これは、構築台に対する硬化組成物の接着力を改善することを含む。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の少なくとも1種類の希釈剤は、前記オリゴマー硬化性材料および/または反応性成分中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を1つ以上有する。いくつかの実施の形態において、少なくとも1種類の希釈剤は、特定の様式で、例えば、エチレン性不飽和部分の間の重合反応により、オリゴマー硬化性材料および/または反応性成分中に含まれる化学的部分と反応できる化学的部分を1つ以上有する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の希釈剤は1つ以上の(メタ)アクリレート部分を有する。本発明の目的に矛盾しないどのような(メタ)アクリレート希釈剤を使用しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、(メタ)アクリレート希釈剤の動的粘度は、約13センチポアズ未満である。さらに、いくつかの実施の形態において、(メタ)アクリレート希釈剤は単官能性または多官能性である。
低分子量材料について、希釈剤として、メタクリレート、ジメタクリレート、トリアクリレート、およびジアクリレートを様々な組合せで使用して差し支えない。これらの例としては、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、およびトリデシルメタクリレートが挙げられる。
いくつかの実施の形態において、(メタ)アクリル希釈剤は、1,3−または1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、エトキシル化またはプロポキシル化ネオペンチルグリコール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンまたはビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、エトキシル化またはプロポキシル化ビスフェノールA、エトキシル化またはプロポキシル化ビスフェノールFもしくはエトキシル化またはプロポキシル化ビスフェノールSを含む、脂肪族、脂環式または芳香族ジオールのジアクリレートおよび/またはジメタクリレートエステルを含む。
(メタ)アクリル希釈剤は、いくつかの実施の形態において、1つ以上のトリ(メタ)アクリレートを含む。いくつかの実施の形態において、トリ(メタ)アクリレートは、1,1−トリメチロールプロパントリアクリレートまたはメタクリレート、エトキシル化またはプロポキシル化1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレートまたはメタクリレート、エトキシル化またはプロポキシル化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリアクリレートまたはメタクリレートを含む。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の(メタ)アクリル希釈剤は、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレートまたはビス(トリメチロールプロパン)テトラアクリレートなどの官能性が高いアクリレートまたはメタクリレートを1つ以上含む。いくつかの実施の形態において、(メタ)アクリレート希釈剤は、約250から700に及ぶ分子量を有する。
いくつかの実施の形態において、希釈剤は、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシルおよび(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−および3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、および(メタ)アクリル酸2−または3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸グリシジルおよびアクリル酸イソデシルからなる群より選択される。
ここに記載されたいくつかの実施の形態に有用な希釈剤の非限定的例としては、以下が挙げられる:商標名SR506またはSR506AでSARTOMERから市販されている、アクリル酸イソボルニル(IBOA);商標名SR423AでSARTOMERから市販されている、メタクリル酸イソボルニル;商標名SR272でSARTOMERから市販されている、トリエチレングリコールジアクリレート;商標名SR205でSARTOMERから市販されている、トリエチレングリコールジメタクリレート;商標名SR611でSARTOMERから市販されている、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート;および商標名GENOMER1122でRAHNから市販されている、単官能性ウレタンアクリレート。
(メタ)アクリル希釈剤などの希釈剤は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で構築材料中に存在しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、構築材料は、その構築材料の総質量に基づいて、約10質量パーセントから約80質量パーセント、約10質量パーセントから約75質量パーセント、約10質量パーセントから約70質量パーセント、約30質量パーセントから約80質量パーセント、約30質量パーセントから約75質量パーセント、約30質量パーセントから約70質量パーセント、約40質量パーセントから約80質量パーセント、約40質量パーセントから約75質量パーセント、約40質量パーセントから約70質量パーセント、約50質量パーセントから約80質量パーセント、約50質量パーセントから約75質量パーセント、約50質量パーセントから約70質量パーセント、約60質量パーセントから約80質量パーセント、約60質量パーセントから約75質量パーセント、または約65質量パーセントから約75質量パーセントの希釈剤を含む。
ここに記載された構築材料は、いくつかの実施の形態において、その構築材料のオリゴマー硬化性材料または希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を含まない非反応性成分も含む。本発明の目的に矛盾しないどのような非反応性成分を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、非反応性成分は1種類以上のワックスを含む。いくつかの実施の形態において、適切なワックスは、水素化ワックス、パラフィン蝋、ミクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックスまたはそれらの混合物を含む炭化水素ワックスを含む。いくつかの実施の形態において、適切なワックスは1種類以上のウレタンワックスを含む。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の非反応性成分のウレタンワックスは、化学式C18H37NRCOOCnH(2n+1)を有する不活性線状ウレタンワックスの部類から選択され、式中、nは4から16の整数であり、RはHまたはC1〜C20のアルキルである。いくつかの実施の形態において、RはHである。いくつかの実施の形態において、RはC1〜C6アルキルである。いくつかの実施の形態において、RはC1〜C10アルキルである。いくつかの実施の形態において、RはC1〜C20アルキルである。その上、いくつかの実施の形態において、構築材料の非反応性成分のウレタンワックスは、加国、ケベック州、ベーダーフェ(Baie D'Urfe)所在のAmerican Dye Source,Inc.社から市販されている、ADS038[1−ドデシル−N−オクタデシルカルバメート:CH3(CH2)17NHCOO(CH2)11CH3]および/またはADS043[1−ヘキサデシル−N−オクタデシルカルバメート:CH3(CH2)17NHCOO(CH2)15CH3]ワックスを含む。いくつかの実施の形態において、構築材料の非反応性成分は、C10、C12、C14およびC16ウレタンワックスの混合物を含み、式中、Cnは、ウレタン部分の酸素側にある鎖長を示す。いくつかの実施の形態において、その鎖長は、所望の剛性、破断伸び、引張弾性率、高温での安定性、および/または引張強度を有する硬化済み構築材料を得るため;および/または所望の速度で所望の解像度および品質を有する完成部品を製造するのに特定の3Dプリントシステムにおいて使用することのできる構築材料を得るために、未硬化構築材料の所望の粘度および/または剛性に基づいて変えることができる。いくつかの実施の形態において、構築材料の非反応性成分は、約1対1対1対1の質量比で、C10、C12、C14およびC16のウレタンワックスの混合物を含む。いくつかの実施の形態において、その質量比は、約1から10対約1から10対約1から10対約1から10に及ぶ。いくつかの実施の形態において、その質量比は、約1から20対約1から20対約1から20対約1から20に及ぶ。いくつかの実施の形態において、構築材料の非反応性成分は、American Dye Source,Inc.社から市販されている、ADS038およびADS043の混合物を含む。いくつかの実施の形態において、ADS038対ADS043の比率は、約9対1である。いくつかの実施の形態において、ADS038対ADS043の比率は、約8対1、約7対1、約6対1、約5対1、約4対1、約3対1、または約2対1である。いくつかの実施の形態において、ADS038対ADS043の比率は、約9対1から約2対1に及ぶ。
いくつかの実施の形態において、構築材料の非反応性成分はウレタンワックスの混合物を含む。1つの実施の形態において、例えば、構築材料の非反応性成分は、C10、C12、C14およびC16などの、炭素鎖長の異なるウレタンワックスの混合物を含む。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された反応性成分は、本発明の目的と矛盾しない任意の比率で、ここに記載された非反応性成分と、ここに記載された構築材料において組み合わされても、または混合されても差し支えない。非反応性成分に対する反応性成分の適切な比率を確立するための一般的ガイドラインとしては、所望の粘度および/または剛性を有する構築材料を得ること;所望の剛性、破断伸び、引張弾性率、高温での安定性、および/または引張強度を有する硬化済み構築材料を得ること;および/または所望の速度で所望の解像度および品質を有する乾性部品を製造するのに3Dプリントシステムにおいて使用することのできる構築材料を得ることが挙げられる。いくつかの実施の形態において、ここに記載された非反応性成分に対する、ここに記載された反応性成分の比率は、質量で約1:1である。いくつかの実施の形態において、ここに記載された非反応性成分に対する、ここに記載された反応性成分の比率は、質量で約10:1、質量で8:1、質量で5:1、質量で4:1、質量で3:1、または質量で2:1である。いくつかの実施の形態において、ここに記載された非反応性成分に対する、ここに記載された反応性成分の比率は、質量で約1:10、質量で1:8、質量で1:5、質量で1:4、質量で1:3、質量で1:2である。
しかしながら、ある場合には、ここに記載された構築材料は、上述した非反応性成分を含まない。特に、いくつかの実施の形態において、構築材料は、炭化水素ワックス、水素化ワックス、パラフィン蝋、ミクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックス、ウレタンワックス、もしくはそれらの組合せまたは混合物などの非反応性成分を含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施の形態において、非反応性ワックスを含まないか、または実質的に含まない構築材料は、その構築材料の総質量に基づいて、ここに記載された炭化水素ワックス、水素化ワックス、パラフィン蝋、ミクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックスおよび/またはウレタンワックスを、約5質量パーセント未満、約1質量パーセント未満、または約0.5質量パーセント未満しか含まない。いくつかの実施の形態において、非反応性ワックスを含まないか、または実質的に含まない構築材料は、ここに記載された炭化水素ワックス、水素化ワックス、パラフィン蝋、ミクロクリスタリンワックス、脂肪酸エステルワックス、またはウレタンワックスをどのような量でも含まない。
ここに記載された構築材料は、いくつかの実施の形態において、1種類以上の添加剤も含む。ある場合には、例えば、ここに記載された構築材料は、構築材料の表面の高速硬化を促進する、および/または不粘着完成部品の製造を促進する添加剤をさらに含む。いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、光開始剤、抑制剤、安定剤、増感剤、およびそれらの組合せからなる群より選択される添加剤を1種類以上さらに含む。本発明の目的に矛盾しないこれらの目的のためのどのような添加剤を使用してもよい。
いくつかの実施の形態において、構築材料の表面の高速硬化を促進する、および/または不粘着完成部品の製造を促進する添加剤は、アミン修飾オリゴマーを含む。ここに記載されたいくつかの実施の形態に有用なアミン修飾オリゴマーの非限定的例に、Cytec Corp.から市販されているアミン修飾アクリレートオリゴマーである、Ebecryl 83がある。いくつかの実施の形態において、追加のオリゴマー種は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で存在してもよい。いくつかの実施の形態において、追加のオリゴマー種は、ここに記載された構築材料中に、約1から約5質量パーセントに及ぶ量で存在する。いくつかの実施の形態において、追加のオリゴマー種は、ここに記載された構築材料中に、約3質量パーセント未満の量で存在する。
ここに記載された構築材料は1種類以上の硬化性化合物を含むので、構築材料は、いくつかの実施の形態において、1種類以上の光開始剤をさらに含む。本発明の目的に矛盾しないどのような光開始剤を、ここに記載された構築材料に使用して差し支えない。いくつかの実施の形態において、適切な光開始剤は、フリーラジカルを生成するために、好ましくは約250nmと約400nmの間、または約300nmと約365nmの間の光を吸収するように作動できる、アルファ開裂型(単分子分解過程)光開始剤または水素引き抜き光増感剤−第三級アミン相乗剤(synergist)を含む。
アルファ開裂型光開始剤の例に、Irgacure 184(CAS 947−19−3)、Irgacure 369(CAS 119313−12−1)、およびIrgacure 819(CAS 162881−26−7)がある。光増感剤−アミンの組合せの例に、メタクリル酸ジエチルアミノエチルと組み合わせたDarocur BP(CAS 119−61−9)がある。いくつかの光開始剤の化学構造を以下に提供する:
いくつかの実施の形態において、適切な光開始剤は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテルおよびベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテルおよび酢酸ベンゾインを含むベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノンおよび1,1−ジクロロアセトフェノンを含むアセトフェノン類;ベンジル、ベンジルジメチルケタールおよびベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンおよび2−アミルアントラキノンを含むアントラキノン類;トリフェニルホスフィン、ベンゾイルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin TPO);ベンゾフェノンおよび4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;チオキサントンおよびキサントン;アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、キノキサリン誘導体または1−フェニル−1,2−プロパンジオン、2−O−ベンゾイルオキシム;1−アミノフェニルケトンまたは1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル1−ヒドロキシイソプロピルケトンおよび4−イソプロピルフェニル1−ヒドロキシイソプロピルケトンなどの1−ヒドロキシフェニルケトン類を含む。
いくつかの実施の形態において、適切な光開始剤は、アセトフェノン、都合よくは、2,2−ジアルコキシベンゾフェノンおよび1−ヒドロキシフェニルケトン、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシイソプロピルフェニルケトン(=2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン)を含む、HeCdレーザ放射線源に使用可能なものを含む。それに加え、いくつかの実施の形態において、適切な光開始剤は、ベンジルジメチルケタールなどのベンジルケタールを含む、Arレーザ放射線源に使用可能なものを含む。いくつかの実施の形態において、光開始剤は、α−ヒドロキシフェニルケトン、ベンジルジメチルケタールまたは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドまたはそれらの混合物を含む。
適切な光開始剤の別の部類は、化学線を吸収し、重合開始のためのフリーラジカルを生成することができるイオン性染料−対イオン化合物を含む。いくつかの実施の形態において、イオン性染料−対イオン化合物を含有する組成物は、約400nmから約700nmの調整可能な波長範囲内の可視光でより可変的に硬化させることができる。イオン性染料−対イオン化合物およびそれらの機能様式が、欧州特許出願公開第0223587号、並びに米国特許第4751102号、同第4772530号および同第4772541号の各明細書に開示されている。
光開始剤は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で、構築材料中に存在して差し支えない。いくつかの実施の形態において、光開始剤は、構築材料の総質量に基づいて、約5質量パーセントまでの量で構築材料中に存在する。いくつかの実施の形態において、光開始剤は、約0.1質量パーセントから約5質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。
いくつかの実施の形態は1種類以上の増感剤をさらに含む。本発明の目的に矛盾しないどのような増感剤を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、増感剤はイソプロピルチオキサントン(ITX)を含む。いくつかの実施の形態において、増感剤は2−クロロチオキサントン(CTX)を含む。増感剤は、存在することもある1種類以上の光開始剤の有効性を増大させるために構築材料に加えることができる。増感剤は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で構築材料中に存在しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、増感剤は、構築材料の総質量に基づいて、約0.1質量パーセントから約2質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。増感剤は、いくつかの実施の形態において、約0.5質量パーセントから約1質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。
構築材料は、いくつかの実施の形態において、1種類以上の重合抑制剤または安定剤をさらに含む。いくつかの実施の形態において、重合抑制剤はメトキシヒドロキノン(MEHQ)を含む。重合抑制剤は、組成物に追加の熱安定性を与えるために構築材料に加えることができる。いくつかの実施の形態において、安定剤は1種類以上の酸化防止剤を含む。安定剤は、本発明の目的に矛盾しないどのような酸化防止剤を含んでも差し支えない。いくつかの実施の形態において、例えば、適切な酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む様々なアリール化合物が挙げられ、これは、いくつかの実施の形態において重合抑制剤としても使用できる。
重合抑制剤および/または安定剤は、本発明の目的に矛盾しない任意の量で構築材料中に存在して差し支えない。いくつかの実施の形態において、重合抑制剤は、構築材料の総質量に基づいて、約0.1質量パーセントから約2質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。重合抑制剤は、いくつかの実施の形態において、約0.5質量パーセントから約1質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。いくつかの実施の形態において、安定剤は、約0.1質量パーセントから約5質量パーセントまたは約0.5質量パーセントから約4質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。いくつかの実施の形態において、安定剤は、約1質量パーセントから約3質量パーセントに及ぶ量で構築材料中に存在する。
ここに記載された構築材料は、本発明の目的に矛盾しない、ここに記載された成分のどのような組合せも含んで差し支えない。例えば、ここに記載されたどのオリゴマー硬化性材料を、本発明の目的に矛盾しない任意の量で、ここに記載されたどの反応性成分、ここに記載されたどの希釈剤、および/またはここに記載されたどの非反応性成分と組み合わせても差し支えない。ここに記載された構築材料の成分の化学的同一性および/または量は、構築材料の所望の粘度、硬化した構築材料の所望の破断伸び、硬化した構築材料の所望の引張弾性率、硬化した構築材料の所望の引張強度、および硬化した構築材料の所望の耐変形性の1つ以上に基づいて選択することができる。いくつかの実施の形態において、例えば、高い引張弾性率および/または高い引張強度を有する構築材料は、10〜40質量パーセントのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;30〜80質量パーセント(メタ)アクリル希釈剤;3〜15質量パーセントのイソシアヌレート(メタ)アクリレート;および0〜5質量パーセントの非反応性ワックス成分を含む。他の実施の形態において、高剛性構築材料は、15〜30質量パーセントのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;50〜80質量パーセント(メタ)アクリル希釈剤;3〜15質量パーセントの非オリゴマーウレタン(メタ)アクリレート、尿素(メタ)アクリレート、またはイソシアヌレート(メタ)アクリレート;および0〜3質量パーセントの非反応性ワックス成分を含む。
その上、ここに記載された構築材料は、本発明の目的に矛盾しないどのような適切な凝固点および融点も有し得る。いくつかの実施の形態において、構築材料は、いくつかの3Dプリントシステムに使用される温度に矛盾しない凝固点および融点を有する。いくつかの実施の形態において、構築材料の凝固点は約40℃より高い。いくつかの実施の形態において、例えば、構築材料は、約45℃から約55℃に及ぶ温度を中心とする凝固点を有する。いくつかの実施の形態において、構築材料は、約50℃から約80℃に及ぶ温度を中心とする融点を有する。構築材料は、いくつかの実施の形態において、約50℃から約65℃に及ぶ融点を有する。いくつかの実施の形態において、構築材料の凝固点は、約40℃未満または約25℃未満である。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、1種類以上の3Dプリントシステムの要件およびパラメータと整合する粘度を有する。いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、約65℃の温度で、約8.0cPから約18.0cPに及ぶ動的粘度を有する。いくつかの実施の形態において、構築材料は、約65℃の温度で、約8.0cPから約14.0cP、約9.5cPから約12.5cP、または約10.5cPから約12.5cPに及ぶ粘度を有する。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、約80℃の温度で、約8.0cPから約19.0cPに及ぶ動的粘度を有する。いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、約80℃の温度で、約8.0cPから約13.5cP、約11.0cPから約14.0cP、約11.5cPから約13.5cP、または約12.0cPから約13.0cPに及ぶ粘度を有する。
いくつかの実施の形態において、非硬化状態にある構築材料は、以下の性質の1つ以上を有する:
1.約45℃から約65℃の融点(MPは、吐出温度より低くなければならない);
2.約33℃から約60℃の凝固点;
3.70〜95℃での約8から約18cPの吐出粘度;および
4.吐出温度での少なくとも3日間の熱安定性。
いくつかの実施の形態において、非硬化状態にある構築材料は、以下の性質の1つ以上を有する:
1.約25℃未満の融点(融点は、いくつかの実施の形態において、吐出温度より低くなければならないが、室温以上である必要はない);
2.約25℃未満の凝固点;
3.70〜95℃での約8から約19cPの吐出粘度;および
4.吐出温度での少なくとも3日間の熱安定性。
さらに、ここに記載された構築材料は、いくつかの実施の形態において、硬化状態において、以下の性質の1つ以上を有し得る:
1.少なくとも約35MPa、少なくとも約50MPa、または少なくとも約60MKPaの引張強度(ASTM D638により測定して);
2.少なくとも約1380MPa、少なくとも約2250MPa、または少なくとも約2400MPaの引張弾性率(ASTM D638により測定して);
3.少なくとも約10%の破断伸び(ASTM D638により測定して);
4.少なくとも60のショアD硬度(ASTM D2240により測定して);
5.少なくとも0.2ft・lb/in(10.7N・cm/cm)の衝撃強度(ノッチ付きアイゾット、ASTM D256により測定して);
6.少なくとも10MPaの曲げ強度(ASTM D638により測定して);および
7.少なくとも17MPaの曲げ弾性率(ASTM D792により測定して)。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1380〜3150MPaの引張弾性率を示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1500〜3150MPa、約1500〜2200MPa、約1500〜1900MPa、約1550〜1850MPa、約1750〜1850MPa、約1700〜1800MPa、約2000〜3150MPa、約2000〜3000MPa、約2200〜3150MPa、約2200〜3000MPa、約2250〜3150MPa、約2250〜3000MPa、約2250〜2800MPa、約2300〜3150MPa、約2300〜3000MPa、約2300〜2800MPa、約2400〜3150MPa、約2400〜3000MPa、または約2400〜2800MPaの引張弾性率を示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2200MPa超または約2400MPa超の引張弾性率を示す。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約5〜24%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約5〜20%、約10〜20%、約10〜18%、約10〜15%、約12〜22%、約12〜18%、または約14〜20%の破断伸びを示す。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約24〜76MPa、約35〜76MPa、約35〜42MPa、約36〜40MPa、約38〜40MPa、約44〜76MPa、約44〜70MPa、約44〜65MPa、約46〜76MPa、約46〜70MPa、約46〜65MPa、約50〜76MPa、約50〜70MPa、約50〜65MPa、約55〜76MPa、約55〜70MPa、または約55〜65MPaの引張強度を示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約42MPa超、約46MPa超、約50MPa超、約55MPa超、約60MPa超、または約65MPa超の引張強度を示す。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ここに記載されたような引張弾性率およびここに記載されたような破断伸びの両方を示す。本発明の目的に矛盾しないここに記載された性質のどのような組合せを使用してもよい。さらに、ここに記載された1つ以上の機械的性質の値は、ある場合には、オリゴマー硬化性材料の化学的同一性および量、希釈剤の化学的同一性および量、反応性成分の化学的同一性および量、並びに非反応性成分の化学的同一性および量の1つ以上に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、約10から30質量パーセントのオリゴマー硬化性材料;約50から75質量パーセントの少なくとも1種類の希釈剤;約3から15質量パーセントの反応性成分;および約5質量パーセント未満の非反応性ワックスを含む構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2300〜3150MPaの引張弾性率および約5〜20%の破断伸びを示し得る。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1500〜2200MPaの引張弾性率および約10〜24%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1500〜1900MPaの引張弾性率および約12〜22%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1550〜1850MPaの引張弾性率および約14〜20%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1750〜1850MPaの引張弾性率および約14〜20%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約1700〜1800MPaの引張弾性率および約12〜22%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2250〜3150MPaの引張弾性率および約5〜20%の破断伸びを示す。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2400〜3000MPaの引張弾性率および約10〜20%の破断伸びを示す。
いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ここに記載されたような引張弾性率、ここに記載されたような破断伸び、およびここに記載されたような引張強度を示す。本発明の目的に矛盾しないここに記載された性質のどのような組合せを使用してもよい。さらに、ここに記載された1つ以上の機械的性質の値は、ある場合には、オリゴマー硬化性材料の化学的同一性および量、希釈剤の化学的同一性および量、反応性成分の化学的同一性および量、並びに非反応性成分の化学的同一性および量の1つ以上に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、約10から30質量パーセントのオリゴマー硬化性材料;約50から75質量パーセントの少なくとも1種類の希釈剤;約3から15質量パーセントの反応性成分;および約5質量パーセント未満の非反応性ワックスを含む構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2300〜3150MPaの引張弾性率、約46〜75MPaの引張強度、および約5〜20%の破断伸びを示し得る。
その上、ここに記載された構築材料は、高温で所望の性質を示すことができる。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D648にしたがって試験した場合、約45℃から約100℃に及ぶ熱撓み温度(HDT)を示すことができる。いくつかの実施の形態において、構築材料は、硬化したときに、ASTM D648にしたがって試験した場合、約45℃から約90℃、約45℃から約80℃、約60℃から約100℃、約60℃から約80℃、約70℃から約100℃、約70℃から約90℃、または約70℃から約80℃に及ぶHDTを示すことができる。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料は、構築材料の全成分を反応槽に入れ、結果として生じた混合物を、撹拌しながら、約75℃から約85℃に及ぶ温度に加熱することによって生成される。この加熱と撹拌は、混合物が実質的に均一な溶融状態に達するまで続けられる。この溶融混合物を、流動性状態にある間に濾過して、吐出を妨げるかもしれない、どのような大きい望ましくない粒子も除去する。次いで、濾過した混合物を、インクジェットプリンター内で加熱されるまで、周囲温度に冷却する。
別の態様において、三次元プリント物品または物体を構成する組成物がここに記載されている。三次元プリント物品または物体は、ここに記載された構築材料のどの実施の形態から構成されても差し支えない。いくつかの実施の形態において、組成物は、オリゴマー硬化性材料、25℃で固体である反応性成分、および少なくとも1種類の希釈剤を含む構築材料を含む三次元プリント物品を構成し、その反応性成分は、オリゴマー硬化性材料および/または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を少なくとも1つ有する。いくつかの実施の形態において、ここに記載された組成物の構築材料は、オリゴマー硬化性材料または少なくとも1種類の希釈剤中に含まれる化学的部分と重合可能な化学的部分を有さない非反応性成分をさらに含む。
他の実施の形態において、組成物は、約10から30質量パーセントのオリゴマー硬化性材料、約50から75質量パーセントの少なくとも1種類の希釈剤、約3から15質量パーセントのイソシアヌレート(メタ)アクリレート、および約5質量パーセント未満の非反応性ワックス成分を含む構築材料を含む三次元プリント物品を構成する。さらに、ある場合には、その構築材料は、硬化したときに、ASTM D638にしたがって測定した場合、約2200MPa超の引張弾性率を示す。
いくつかの実施の形態において、組成物は、ここに記載された構築材料を含み、支持材料をさらに含む三次元プリント物品を構成する。3Dプリント過程中に構築材料の少なくとも1つの層を支持するために、支持材料を使用することができる。いくつかの実施の形態において、ここに記載された三次元プリント物品は構築材料の複数の層を含み、この構築材料の層は、コンピュータ可読フォーマットのデータにしたがって堆積される。いくつかの実施の形態において、構築材料の堆積された層の少なくとも1つは支持材料によって支持されている。いくつかの実施の形態において、その支持材料は、三次元プリント物品または物体の製造を完了するために、取り外し可能である。
別の態様において、三次元物品または物体をプリントする方法がここに記載されている。三次元物品をプリントする方法の実施の形態は、ここに記載された構築材料のどの実施の形態を含んでも差し支えない。いくつかの実施の形態において、構築材料の層は、コンピュータ可読フォーマットにある、三次元物品の画像にしたがって堆積される。いくつかの実施の形態において、その構築材料は、事前選択されたコンピュータ支援設計(CAD)パラメータにしたがって堆積される。
いくつかの実施の形態において、三次元物品をプリントする方法は、構築材料の層の少なくとも1つを支持材料で支持する工程をさらに含む。いくつかの実施の形態において、三次元物品をプリントする方法は、構築材料を硬化させる工程をさらに含む。いくつかの実施の形態において、三次元物品をプリントする方法は、構築材料に、構築材料を硬化させるのに十分な波長と強度の電磁放射線を施す工程をさらに含む。三次元物品をプリントするいくつかの実施の形態において、堆積された構築材料の層は、構築材料の別の層または隣接する層の堆積の前に硬化される。
いくつかの実施の形態において、ここに記載された構築材料の事前選択された量が、適切な温度に加熱され、適切なインクジェットプリンターのプリントヘッドまたは複数のプリントヘッドを通して吐出されて、構築槽内の構築支持台上に層を形成する。いくつかの実施の形態において、構築材料の各層は、事前選択されたCADパラメータにしたがって堆積される。いくつかの実施の形態において、構築材料を堆積させるための適切なプリントヘッドは、オレゴン州、ウィルソンビル所在のXerox CorporationのOffice Products Business Unitから得られる圧電式Z850プリントヘッドである。ここに記載された構築材料および支持材料の堆積のための追加の適切なプリントヘッドは、様々なインクジェットプリント装置の製造業者から市販されている。いくつかの実施の形態において、例えば、Xerox社から得られるTaipanプリントヘッドまたはRicoh社のプリントヘッドも使用してよい。
ここに記載された構築材料を含む三次元物品をプリントする方法を含むいくつかの実施の形態において、前記構築材料は、堆積された際に固化する。いくつかの実施の形態において、前記構築材料は、堆積された際に、実質的に流体のままである。いくつかの実施の形態において、構築環境の温度は、吐出された構築材料の液滴が、受容面と接触した際に固化するように制御することができる。他の実施の形態において、吐出された構築材料の液滴は、受容面と接触した際に固化せず、実質的に流体の状態のままである。いくつかの実施の形態において、各層が堆積された後、堆積された材料は、次の層が堆積される前に、平坦化され、電磁(例えば、UV)放射線により硬化される。必要に応じて、平坦化と硬化の前に、いくつかの層を堆積させても差し支えない、または多数の層を堆積させ、硬化させ、その後、一層以上を堆積させ、次いで、硬化させずに平坦化させても差し支えない。平坦化は、分配された材料を平らにして過剰な材料を除去し、プリンターの支持台上に均一で滑らかな露出面または平らな上向き面を形成することによって、材料を硬化させる前に1つ以上の層の厚さを修正する。いくつかの実施の形態において、平坦化はローラなどの掃引装置により行われる。この掃引装置は、1つ以上のプリント方向に逆回転することがあるが、1つ以上の他のプリント方向には逆回転しないことがある。いくつかの実施の形態において、その掃引装置は、ローラと、そのローラから過剰の材料を除去するワイパーとを備えている。いくつかの実施の形態において、その掃引装置は加熱される。その過程は、有用な完成した三次元設計が調製されるまで続けられる。硬化前の、本発明の吐出済み構築材料の粘稠度は、形状を維持するのに十分であるが、平坦化装置からの過剰な粘性抵抗に曝されてはならないことに留意すべきである。
さらに、支持材料は、いくつかの実施の形態において、構築材料についてここに記載された様式に矛盾しない様式で堆積させることができる。支持材料は、例えば、支持材料が構築材料の1つ以上の層に隣接するまたは連続するように、事前選択されたCADパラメータにしたがって堆積させることができる。吐出された支持材料の液滴は、いくつかの実施の形態において、受容面との接触の際に固化するまたは凝固する。いくつかの実施の形態において、堆積された支持材料にも平坦化が行われる。
構築材料および支持材料の層状堆積は、三次元物品が形成されるまで繰り返すことができる。いくつかの実施の形態において、三次元物品をプリントする方法は、構築材料から支持材料を除去する工程をさらに含む。その支持材料は、本発明の目的に矛盾しない、当業者に公知のどのような手段で除去しても差し支えない。
ここに記載された実施の形態を、以下の非限定的実施例において、さらに説明する。
実施例1
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表Iの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(20.47グラム)、反応性成分(5.90グラム)、希釈剤(61.43グラム)、非反応性成分(5.96グラム)、硬化/粘着性に関する添加剤(1.83グラム)、光開始剤(4.29グラム)、増感剤(0.10グラム)、および抑制剤(0.02グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。表Iに与えた構築材料の粘度は、65℃の温度で12.0センチポアズであった。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、1701MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、19.9%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、38.8MPaの引張強度を示した。さらに、硬化した構築材料は、ASTM D648にしたがって試験した場合、約70℃より高い熱歪み温度(HDT)を示した。
実施例2
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表IIの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(14.15グラム)、反応性成分(8.65グラム)、希釈剤(74.05グラム)、光開始剤(3.09グラム)、および抑制剤(0.07グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、2455MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、10.28%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、60.63MPaの引張強度を示した。
実施例3
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表IIIの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(20.36グラム)、反応性成分(10.18グラム)、希釈剤(65.13グラム)、光開始剤(4.28グラム)、および抑制剤(0.07グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、2427MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、16.04%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、53.13MPaの引張強度を示した。
実施例4
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表IVの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(21.28グラム)、反応性成分(5.32グラム)、希釈剤(69.16グラム)、光開始剤(4.17グラム)、および抑制剤(0.07グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、2523MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、11.51%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、63.11MPaの引張強度を示した。
実施例5
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表Vの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(16.84グラム)、反応性成分(6.81グラム)、希釈剤(72.03グラム)、光開始剤(4.23グラム)、および抑制剤(0.10グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、1862MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、6.41%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、43.42MPaの引張強度を示した。
実施例6
構築材料
ここに記載された実施の形態に整合する構築材料を、表VIの配合にしたがって提供した。
オリゴマー硬化性材料(16.11グラム)、反応性成分(11.76グラム)、希釈剤(68.26グラム)、光開始剤(3.80グラム)、および抑制剤(0.08グラム)を、機械式撹拌装置および加熱ユニットを備えた槽に入れた。次いで、その混合物を約80℃〜90℃に加熱した。混合物が溶融した後、撹拌を開始し、混合物を80℃〜90℃で約1〜2時間に亘り混ぜ合わせた。次いで、その液体を1マイクロメートルのフィルタで濾過して、固体粒子を除去した。
得られた構築材料を、Xeroz Z850プリントヘッドを使用した、3D SystemsからのProJet 3000 Systemを通じて、約65℃〜68℃で吐出して、三次元部品を形成した。その硬化した構築材料は、ASTM D638にしたがって試験した場合、2779MPaの引張弾性率、ASTM D638にしたがって試験した場合、7.09%の破断伸び、およびASTM D638にしたがって試験した場合、67.8MPaの引張強度を示した。
ここに挙げられた全ての特許文献は、引用により全てが含まれる。本発明の様々な実施の形態を、本発明の様々な目的の遂行において記載してきた。これらの実施の形態は、本発明の原理の単なる説明であることが認識されよう。本発明の精神および範囲から逸脱せずに、その様々な改変および適用が当業者に容易に明白であろう。