JP2019032650A - 差引金額算出装置、差引金額算出方法および差引金額算出プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】安全協力会費等の控除を伴う支払処理業務の負担軽減を図れる差引金額算出装置、差引金額算出方法及び差引金額算出プログラムを提供する。【解決手段】差引金額算出装置は、元請業者から下請業者へ支払われる建設工事に係る支払金額から差し引かれる安全協力会費を算出する。所定の金額を安全協力会費とする事を意味する固定区分と所定の金額の組合せ及び支払金額と所定の比率の積を安全協力会費とする事を意味する比率区分と所定の比率の組合せの何れかで定義されるものを下請業者毎に保持するデータから、指定された下請業者に適用される算出方法を取得し、取得した算出方法が固定区分と所定の金額の組合せで定義される場合は、所定の金額を安全協力会費として算出し、取得した算出方法が比率区分と所定の比率の組合せで定義される場合は、指定された下請業者に対する支払金額と所定の比率の積を安全協力会費として算出する。【選択図】図５

Description

本発明は、差引金額算出装置、差引金額算出方法および差引金額算出プログラムに関する。

不動産業および建設業等において、元請業者は工事を依頼した下請業者に対して支払を行う際、支払金額から下請業者側の経費を差し引いて（控除して）支払う事がある。

特許文献１には「振り分けた実績データに基づいて施工業者別に片付清掃作業に要した費用を計算する計算手段１０４と、計算した費用を施工業者の工事代金から控除する控除伝票Ａ３を発行する発行手段１０５で構成する」と記載されている（特許文献１の段落０００９等参照）。

特開２００４−１３７３９号公報

しかしながら、安全協力会費等の控除を伴う支払処理業務において、元請業者は支払金額から安全協力会費を手動で控除し、控除後の支払金額を手動で支払入力システムに入力していたため、当該控除を伴う支払処理業務における負担を軽減するという点において改善の余地が残されている。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、安全協力会費等の控除を伴う支払処理業務における負担の軽減を図ることが出来る差引金額算出装置、差引金額算出方法および差引金額算出プログラムを提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る差引金額算出装置は、制御部を備える差引金額算出装置であって、前記制御部は、或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出手段と、を備えること、を特徴とする。

また、本発明に係る差引金額算出装置は、前記差引金額算出装置において、前記或る金額は、元請業者から前記受取側に相当する下請業者へ支払われる建設工事に係る支払金額であり、前記差引金額は、安全協力会費または法定福利費に相当するものであること、を特徴とする。

また、本発明に係る差引金額算出装置は、前記差引金額算出装置において、前記データは、前記安全協力会費を意味する費目および前記法定福利費を意味する費目のいずれかと前記算出方法を前記受取側毎に保持しているものであり、前記取得手段は、前記指定された前記受取側に適用される前記算出方法および前記費目を取得するものであり、前記算出手段で算出した前記差引金額は、前記取得手段で取得した前記費目が前記安全協力会費を意味するものである場合には前記安全協力会費に相当するものであり、前記取得手段で取得した前記費目が前記法定福利費を意味するものである場合には前記法定福利費に相当するものであること、を特徴とする。

また、本発明に係る差引金額算出装置は、前記差引金額算出装置において、表示部をさらに備え、前記取得手段は、前記表示部に表示されている仕入入力画面からの指示を受けて動作するものであり、前記制御部は、前記算出手段で算出した前記差引金額を前記仕入入力画面内の所定の領域に表示させる表示実行手段をさらに備えること、を特徴とする。

また、本発明に係る差引金額算出方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される差引金額算出方法であって、前記制御部で実行される、或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。

また、本発明に係る差引金額算出プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための差引金額算出プログラムであって、前記制御部に実行させるための、或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。

本発明は、安全協力会費等の控除を伴う支払処理業務における負担の軽減を図ることが出来るという効果を奏する。

図１は、差引金額算出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図２は、仕入データテーブルの一例を示す図である。 図３は、取引先マスタテーブルの一例を示す図である。 図４は、取引先マスタメンテ画面の一例を示す図である。 図５は、本実施形態に係る処理に関するフローチャートの一例を示す図である。 図６は、仕入入力画面の一例を示す図である。 図７は、元請側の仕訳サンプルデータの一例を示す図である。 図８は、下請側の仕訳サンプルデータの一例を示す図である。

以下に、本発明に係る差引金額算出装置、差引金額算出方法および差引金額算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。

［１．概要］
本実施形態は、差引金額算出および支払金額算出機能に関するものである。本実施形態において、差引金額とは、例えば控除金額を指し、更に、控除金額とは、例えば安全協力会費や法定福利費などを指す。

不動産業および建設業等において、元請業者は工事を依頼した下請業者に対して支払を行う際、支払金額から下請業者側の経費である安全協力会費などを差し引いて（控除して）支払う事がある。例えば、控除金額の一つである安全協力会費が支払金額に対して1000分の3を乗じて得られた額と業者間で取り決めている場合、取り決めに従って支払金額から控除金額である安全協力会費を控除する必要がある。また、控除する金額(パーセンテージ)は支払先によって異なる場合もある。

従来、元請業者は、支払処理をエクセルで管理しており、支払金額から安全協力会費などを手動で控除し、控除後の支払金額を手動で支払入力システムに入力しているため、当該控除を伴う支払処理業務は負担であった。

そこで、本実施形態では、仕入入力の請求番号展開時に、所定の算出方法区分（「固定」または「比率」）および所定の算出方法区分に応じた数値（「固定」である場合には控除金額、「比率」である場合には請求金額に乗算する比率）を基に、支払金額から控除される金額である控除金額を算出することを可能にする。また、支払金額と控除金額から控除後の支払金額を算出することを可能にする。これにより、従来までの控除を伴う支払処理業務の負担を軽減することが可能となる。ここで、本実施の形態では仕入入力の請求番号展開時の控除計算処理を示しているが、支払依頼入力、契約入力（預り金）および契約入力（販売手数料）であってもよい。また、本実施の形態では、例えば、図７に示すような、元請側（支払側）では安全協力会費分の金額を差し引いた支払の仕訳を作成することが出来る。この場合、差引分は預り金に計上する。また、本実施の形態では、図８に示すような、下請側（入金側）では安全協力会費の金額が差し引かれた入金の仕訳を作成することが出来る。この場合、差引分は費用に計上する。以下、具体的な構成および動作について説明する。

［２．構成］
本実施形態に係る差引金額算出装置の構成の一例について、図１等を参照して説明する。図１は、差引金額算出装置の構成の一例を示すブロック図である。

差引金額算出装置１００は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、差引金額算出装置１００は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。

差引金額算出装置１００は、制御部１０２と通信インターフェース部１０４と記憶部１０６と入出力インターフェース部１０８と、を備えている。差引金額算出装置１００が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。

通信インターフェース部１０４は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、差引金額算出装置１００をネットワーク３００に通信可能に接続する。通信インターフェース部１０４は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク３００は、差引金額算出装置１００とサーバ２００とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ２００に格納されてもよい。

入出力インターフェース部１０８には、入力装置１１２および出力装置１１４が接続されている。出力装置１１４には、モニタ（家庭用テレビを含む）の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置１１２には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置１１４をモニタ１１４とし、入力装置１１２をキーボード１１２またはマウス１１２として記載する場合がある。

記憶部１０６には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部１０６には、ＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）と協働してＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部１０６として、例えば、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）・ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。

記憶部１０６は、仕入データ１０６ａおよび或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法を前記或る金額の受取側毎に保持しているデータとしての取引先マスタ１０６ｂを有する。これらのうち、仕入データ１０６ａは任意の構成要素であり、記憶部１０６に含まれていても含まれていなくてもよい。

仕入データ１０６ａは、図２に示すように、具体的には、仕入を特定するための仕入番号、仕入日、請求を特定するための請求番号、発注を特定するための発注番号、発注先を識別するための発注先CD(コード)、発注先名、プロジェクトを識別するためのプロジェクトCD(コード)、プロジェクト名、下請業者が元請業者に請求する金額である請求金額（請求金額は、次段落で説明する「支払金額」と同額となる）、支払済金額、残額、摘要、支払予定日、決済条件、支払依頼番号、工事を識別するための工事CD(コード)、工事名、工事区分を識別するための工事区分CD（コード）、工事区分名、請求金額から差し引かれる金額である差引金額（控除金額）、支払保留、今回消込額、請求書回収日、支払口座、債務計上事業所を識別するための債務計上事業所CD（コード）、債務計上事業所名、債務計上部門を識別するための債務計上部門CD（コード）および債務計上部門名などを保持するためのものである。

取引先マスタ１０６ｂは、或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法を前記或る金額の受取側毎に保持するためのものである。前記或る金額は、例えば、元請業者から前記受取側に相当する下請業者へ支払われる建設工事に係る支払金額である。また、前記差引金額は、前記或る金額から差し引かれる金額（控除金額）であり、例えば、安全協力会費または法定福利費に相当するものである。前記控除金額の性質としては、毎月の額が固定されている毎月固定金額であってもよいし、額が固定されている固定金額であってもよいし、前記支払金額に一定の比率を乗算した額であってもよい。以下の説明においては、前記或る金額を前記支払金額または前記請求金額とし、前記差引金額を前記控除金額として説明を進める。なお、当然のことながら、下請業者が元請業者に請求する金額（請求金額）と前記請求を受けて元請業者から下請業者へと支払われる金額（支払金額）とは、同額となる。

前記算出方法は、控除金額を算出する方法を特定するための算出方法区分の種類に応じて、以下の（１）の組み合わせおよび（２）の組み合わせのいずれかで定義されるものである。
（１）所定の金額を前記控除金額とすることを意味する算出方法区分である固定区分と前記所定の金額の組み合わせ
（２）前記請求金額と所定の比率の積を前記控除金額とすることを意味する算出方法区分である比率区分と前記所定の比率の組み合わせ

取引先マスタ１０６ｂは、さらに、控除の費目を特定するための控除費目と前記算出方法を前記受取側毎に保持していてもよい。前記控除費目は、例えば、前記安全協力会費を意味する費目および前記法定福利費を意味する費目のいずれかである。

取引先マスタ１０６ｂは、図３に示すように、具体的には、取引先を識別するための取引先CD（コード）、取引先名、前記控除費目、前記算出方法区分（「固定」または「比率」）および控除金額または控除金額を算出するために請求金額に乗算する比率などを保持するためのものである。ここで、前々段落で説明したように、算出方法区分が「固定」である場合には控除金額が保持され、算出方法区分が「比率」である場合には請求金額に乗算する比率が保持される。図４に示す設定例における上の行では、控除費目が安全協力会費であり、算出方法区分が比率であり、比率が１０であることが示されている。また、図４に示す設定例における下の行では、控除費目が法定福利費であり、算出方法区分が比率であり、比率が１０であることが示されている。

制御部１０２は、差引金額算出装置１００を統括的に制御するＣＰＵ等である。制御部１０２は、ＯＳ等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。

制御部１０２は、機能概念的に、（１）或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得手段としての取得部１０２ａと、（２）前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出手段としての算出部１０２ｂと、（３）前記算出手段で算出した前記差引金額を前記仕入入力画面内の所定の領域に表示させる表示実行手段としての表示実行部１０２ｃと、（４）前記或る金額から前記算出手段で算出した前記差引金額を差し引いて得られる額を差引後の前記或る金額として算出する差引手段としての差引部１０２ｄと、を備えている。これらのうち、表示実行部１０２ｃおよび差引部１０２ｄは任意の構成要素であり、制御部１０２に含まれていても含まれていなくてもよい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の［３．処理の具体例］で説明する。

［３．処理の具体例］
以下、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。なお、本具体例において、仕入データ１０６ａにおけるデータ構成例は図２に示すとおりであり、取引先マスタ１０６ｂにおけるデータ構成例は図３に示すとおりであるとする。

［３−１．取得処理］
本項目では、差引金額算出装置１００が行う取得処理について、図２、図３、図５および図６を用いて詳細に説明する。取得部１０２ａは、取引先マスタ１０６ｂから、以下の手順により、指定された受取側（下請業者）に適用される算出方法を取得する。

まず、取得部１０２ａは、モニタ１１４に表示されている図６に示す仕入入力画面ＭＢからの指示を受けて、以下のように動作する。すなわち、図６に示す仕入入力画面ＭＢにおいて、仕入番号（000000000040）、仕入日（2016/11/18）および請求番号（000000000103）が設定されることにより下請業者が指定されると、取得部１０２ａは、当該設定された仕入番号、仕入日および請求番号と紐づく仕入データ１０６ａのレコード（図２に示す、情報が入力されているレコード）を特定する（図５のステップＳ１）。

次に、取得部１０２ａは、ステップＳ１で特定した図２に示すレコードから、請求金額（９８３，８８０円）を取得する（図５のステップＳ１）。

また、取得部１０２ａは、ステップＳ１で特定した図２に示すレコードに格納された発注先ＣＤ（0000000000）と同じ取引先マスタ１０６ｂ（図３に示す）に格納された取引先ＣＤ（0000000000）に紐づいた算出方法区分（１：比率）および比率（１０％）の組み合わせを取得する（図５のステップＳ１）。このようにして、取得部１０２ａは、前記指定された下請業者（○×会社）に適用される算出方法として、算出方法区分（１：比率）および所定の比率（１０％）の組み合わせで定義される算出方法を取得することができる。

一方で、図３には示していないが、取引先マスタ１０６ｂに算出方法区分（固定）および固定額（９８，３８８円）の組み合わせが格納されている場合、取得部１０２ａは、指定された下請業者に適用される算出方法として、算出方法区分（固定）および所定の金額（９８，３８８円）の組み合わせで定義される算出方法を取得する（図５のステップＳ１）。

なお、取得部１０２ａは、前記指定された前記受取側（下請業者）に適用される前記算出方法および控除費目を取得してもよい。すなわち、取得部１０２ａは、前記指定された前記受取側（下請業者）に適用される前記算出方法に加えて、前記指定された前記受取側（下請業者）に適用される控除費目も取得してよい。例えば、取得部１０２ａは、図３に示すように、下請業者（○×会社）に適用される前記算出方法に加えて、控除費目として安全協力会費を取得することができる。

［３−２．算出処理］
本項目では、差引金額算出装置１００が行う算出処理について、図５を用いて詳細に説明する。

算出部１０２ｂは、取得部１０２ａで取得した算出方法が、比率区分と所定の比率の組み合わせで定義されるものである場合には、前記指定された下請業者に対する請求金額と前記所定の比率の積を控除金額として算出する。具体的には、前記［３−１］で説明したように、前記指定された下請業者（○×会社）に対する請求金額は９８３，８８０円であり、前記所定の比率は１０％であるため、算出部１０２ｂは、９８３，８８０円×１０％＝９８，３８８円を前記控除金額として算出する（図５のステップＳ２）。

一方で、算出部１０２ｂは、取得部１０２ａで取得した算出方法が、固定区分と所定の金額の組み合わせで定義されるものである場合には、前記所定の金額を控除金額として算出する。具体的には、前記［３−１］で説明したように、前記所定の金額は９８，３８８円であるため、算出部１０２ｂは、９８，３８８円そのものを前記控除金額として算出する（図５のステップＳ２）。

なお、算出部１０２ｂで算出した前記控除金額は、取得部１０２ａで取得した控除費目が安全協力会費を意味するものである場合には前記安全協力会費に相当するものであるとしてもよく、また、取得部１０２ａで取得した控除費目が法定福利費を意味するものである場合には前記法定福利費に相当するものであるとしてもよい。例えば、前記［３−１］で説明したように、○×会社について取得部１０２ａで取得した控除費目は安全協力会費を意味するものであるため、○×会社について算出部１０２ｂで算出した控除金額（９８，３８８円）は、安全協力会費に相当するものとなる。

［３−３．表示実行処理］
本項目では、差引金額算出装置１００が行う表示実行処理について、図５および図６を用いて詳細に説明する。

表示実行部１０２ｃは、図６に示すように、算出部１０２ｂで算出した前記控除金額（９８，３８８円）を仕入入力画面ＭＢ内の所定の領域（表示領域ＭＢ１）に表示させる（図５のステップＳ３）。この際、表示実行部１０２ｃは、図６に示すように、前記控除金額に加えて、取得部１０２ａで特定したレコードに含まれるデータ（請求番号、発注番号および発注先等）を仕入入力画面ＭＢ内の所定の領域（表示領域ＭＢ１）に表示させてもよい。

［３−４．差引処理］
本項目では、差引金額算出装置１００が行う差引処理について、図５を用いて詳細に説明する。

オペレータによって、図６の仕入入力画面ＭＢ中にある控除ボタンＭＢ２が選択されると（図５のステップＳ４：ＹＥＳ）、差引部１０２ｄは、前記請求金額（９８３，８８０円）から算出部１０２ｂで算出した前記控除金額（９８，３８８円）を差し引いて得られる額（８８５，４９２円）を控除後の前記請求金額として算出する（図５のステップＳ５）。

表示実行部１０２ｃは、図６には示していないが、ステップＳ５で算出した前記控除後の前記請求金額（８８５，４９２円）を、図６の仕入入力画面ＭＢ内の所定の領域（表示領域ＭＢ１）に表示させてもよい（図５のステップＳ６）。

以上、本実施形態に係る処理の具体例について説明してきたが、仕入入力においては、以下の留意点１〜２が存在する。
１．請求番号展開時に控除自動計算処理を実施する際には、請求金額ではなく、今回消込額で自動計算処理をすることが好ましい。これは、同一請求番号で既に一部仕入（支払）処理されている場合も考えられるためである。本具体例においては、説明を簡便にするため、図６に示すように、今回消込額は前記請求金額（９８３，８８０円）と等しいものとして説明をした。
２．今回支払額が変わった場合には、特に制御を行わない。

また、支払依頼入力においては、以下の留意点１〜４が存在する。
１．行確定得にＪＶ（ジョイントベンチャー）内訳計算処理と同様のタイミングで処理を行う。
２．控除ボタン押下時に自動計算処理を行う。
３．自動計算処理は、初期値を算出するために行うのであって、控除データが既に入っているときには自動計算処理は行わない。
４．支払金額が変更された場合、控除金額の自動計算は行わない。

以上説明してきたように、本実施形態に係る差引金額算出装置１００によれば、安全協力会費等の控除を伴う支払処理業務における負担の軽減を図ることが出来る。すなわち、例えば、従来は、元請業者の下請業者に対する支払金額から控除される金額である控除金額は、元請業者が手動で計算していたため負担が大きかったが、本実施形態に係る差引金額算出装置１００によれば前記控除金額を自動的に算出できるため、前記負担の軽減を図ることが出来る。

また、本実施形態に係る差引金額算出装置１００が表示実行部１０２ｃを備えれば、元請業者は、前記控除金額および控除後の支払金額を迅速かつ正確に把握することが出来る。

そして、本実施形態に係る差引金額算出装置１００が差引部１０２ｄを備えれば、前記支払金額から前記控除金額を差し引いた（控除した）額である控除後の支払金額を自動的に算出することができるため、控除を伴う支払処理業務における負担の更なる軽減を図ることが出来る。

さらに、本実施形態に係る差引金額算出装置１００によれば、例えば、図７に示すような、元請側（支払側）では安全協力会費分の金額（図７では１０円）を差し引いた支払の仕訳を作成することが出来る。この場合、差引分は預り金に計上する。また、本実施形態に係る差引金額算出装置１００によれば、例えば、図８に示すような、下請側（入金側）では安全協力会費の金額（図８では１０円）が差し引かれた入金の仕訳を作成することが出来る。この場合、差引分は費用に計上する。

［４．他の実施形態］
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。

例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。

また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。

また、差引金額算出装置１００に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。

例えば、差引金額算出装置１００が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、ＣＰＵおよび当該ＣＰＵにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて差引金額算出装置１００に機械的に読み取られる。すなわち、ＲＯＭまたはＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの記憶部などには、ＯＳと協働してＣＰＵに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、ＲＡＭにロードされることによって実行され、ＣＰＵと協働して制御部を構成する。

また、このコンピュータプログラムは、差引金額算出装置１００に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。

また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ、ＳＤ（Ｓｅｃｕｒｅ Ｄｉｇｉｔａｌ）カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｏ−Ｏｐｔｉｃａｌ ｄｉｓｋ）、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ）、および、Ｂｌｕ−ｒａｙ（登録商標） Ｄｉｓｃ等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。

また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、ＯＳに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。

記憶部に格納される各種のデータベース等は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。

また、差引金額算出装置１００は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、差引金額算出装置１００は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア（プログラムまたはデータ等を含む）を実装することにより実現してもよい。

更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。

本発明は、不動産業や建設業などにおいて特に有用である。

１００ 差引金額算出装置
１０２ 制御部
１０２ａ 取得部
１０２ｂ 算出部
１０２ｃ 表示実行部
１０２ｄ 差引部
１０４ 通信インターフェース部
１０６ 記憶部
１０６ａ 仕入データ
１０６ｂ 取引先マスタ
１０８ 入出力インターフェース部
１１２ 入力装置
１１４ 出力装置
２００ サーバ
３００ ネットワーク

Claims (6)

1. 制御部を備える差引金額算出装置であって、
   前記制御部は、
   或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得手段と、
   前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得手段で取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出手段と、
   を備えること、
   を特徴とする差引金額算出装置。
2. 前記或る金額は、元請業者から前記受取側に相当する下請業者へ支払われる建設工事に係る支払金額であり、
   前記差引金額は、安全協力会費または法定福利費に相当するものであること、
   を特徴とする請求項１に記載の差引金額算出装置。
3. 前記データは、前記安全協力会費を意味する費目および前記法定福利費を意味する費目のいずれかと前記算出方法を前記受取側毎に保持しているものであり、
   前記取得手段は、前記指定された前記受取側に適用される前記算出方法および前記費目を取得するものであり、
   前記算出手段で算出した前記差引金額は、前記取得手段で取得した前記費目が前記安全協力会費を意味するものである場合には前記安全協力会費に相当するものであり、前記取得手段で取得した前記費目が前記法定福利費を意味するものである場合には前記法定福利費に相当するものであること、
   を特徴とする請求項２に記載の差引金額算出装置。
4. 表示部をさらに備え、
   前記取得手段は、前記表示部に表示されている仕入入力画面からの指示を受けて動作するものであり、
   前記制御部は、前記算出手段で算出した前記差引金額を前記仕入入力画面内の所定の領域に表示させる表示実行手段をさらに備えること、
   を特徴とする請求項２または３に記載の差引金額算出装置。
5. 制御部を備える情報処理装置で実行される差引金額算出方法であって、
   前記制御部で実行される、
   或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得ステップと、
   前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出ステップと、
   を含むこと、
   を特徴とする差引金額算出方法。
6. 制御部を備える情報処理装置に実行させるための差引金額算出プログラムであって、
   前記制御部に実行させるための、
   或る金額から差し引かれる差引金額の算出方法であって所定の金額を前記差引金額とすることを意味する固定区分と前記所定の金額の組み合わせおよび前記或る金額と所定の比率の積を前記差引金額とすることを意味する比率区分と前記所定の比率の組み合わせのいずれかで定義されているものを前記或る金額の受取側毎に保持しているデータから、指定された前記受取側に適用される前記算出方法を取得する取得ステップと、
   前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記固定区分と前記所定の金額の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記所定の金額を前記差引金額として算出し、前記取得ステップで取得した前記算出方法が、前記比率区分と前記所定の比率の前記組み合わせで定義されているものである場合には、前記指定された前記受取側に対する前記或る金額と前記所定の比率の積を前記差引金額として算出する算出ステップと、
   を含むこと、
   を特徴とする差引金額算出プログラム。

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