JP2019031406A - 硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献2には、水酸化アルミニウムと塩酸とを加圧下で反応させて塩基度が40〜60%の塩基性塩化アルミニウムを得たのちに、これに、アルミン酸アルカリを原料としたアルミナゲルを添加して塩基度が40〜80%である塩基性塩化アルミニウムを製造する方法が開示されているが、一般的にアルミナゲルの製造においては高せん断力攪拌または高速攪拌できる特殊な装置を必要とし、また、この製造方法では、その実施例に記載されている通り、アルミナゲル中のナトリウム含有量及び硫酸根含有量を低減するために、アルミナゲルを固液分離、洗浄する操作が必要であることから、操作が煩雑になるだけでなく、工程数が増加することが懸念される。
そこで、本願の発明者らは、従来からの製造方法を見直して、塩基度が70%を超えるような凝集力が高い高塩基度の塩基性塩化アルミニウムを、より工程数や製造時間を抑えた簡便な方法で、安価に大量生産できる製造方法について鋭意検討した結果、驚くべきことには、塩基度を高めていく工程において、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤を添加する操作を断続的に行うこと、すなわち、当該アルカリ剤を添加処理する全工程の中において、アルカリ剤の添加を中断しながらも攪拌混合する操作を一定割合設けることを必須とすることにより、前述のような塩基度が70%を超えつつも、水に溶解しない成分の生成を可及的に抑えることができ、しかも熟成工程を省略できることから結果的に製造時間を短縮化できるだけでなく、凝集力にも優れた塩基度の高い塩基性塩化アルミニム(硫酸イオンを含む硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム)が得られることを新たに見出して、本発明を完成させた。
[1]水酸化アルミニウムと塩酸とを高温高圧下で反応させて塩基性塩化アルミニウムを得る第1の段階と、この得られた塩基性塩化アルミニウムと硫酸塩とを混合して、塩基性塩化アルミニウムに硫酸イオンを含有させる第2の段階と、得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウムに炭酸塩及び/又は炭酸水素塩からなるアルカリ剤を添加して塩基度を高めた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを得る第3の段階とを備え、
第3の段階では、温度を40〜65℃とすると共に、アルカリ剤の添加を断続的に行うことを特徴とする硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
[2]前記第3の段階における断続的なアルカリ剤の添加として、
i)予め、アルカリ剤の必要添加量の2〜8割を添加する段階と、
ii)次いで、そのアルカリ剤の添加に要した時間の2〜8割の時間を、アルカリ剤の添加を行わず攪拌混合操作を行う段階と
を1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返して、アルカリ剤の添加を完了するようにすることを特徴とする[1]に記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
[3]前記第3の段階で用いられるアルカリ剤は、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
[4]塩基度が67〜75%である硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを得ることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
[5]前記第1の段階では、得られる塩基性塩化アルミニウムの塩基度を40〜60%とすることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
本発明の製造方法は、少なくとも以下の3つの段階からなる。すわなち、(1)水酸化アルミニウムと塩酸とを高温高圧下で反応させて塩基性塩化アルミニウムを得る第1の段階と、この得られた塩基性塩化アルミニウムに硫酸塩を添加して硫酸イオンを含有させる第2の段階と、さらに、得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウムに対して、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩からなるアルカリ剤を添加して塩基度を高めることにより、硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを得る第3の段階とを備える。以下、各段階について詳しく説明する。
当該第1の段階では、水酸化アルミニウムと塩酸とを高温高圧下で反応させて塩基性塩化アルミニウムを得るが、この方法は常法に従って行うことができ、構造単位の反応式は以下の式(1)の通りに表すことができる。
2Al(OH)3+(6-n)HCl → Al2(OH)nCl6-n+(6-n)H2O ・・・(1)
この段階の反応によって得られる塩基性塩化アルミニウムについては、現実的な反応条件では、反応が塩基度40〜60%、より詳細には、40〜55%程度までしか進行しない。そのため、後述する第3の段階によって、塩基度をさらに向上させる工程を設ける必要がある。公知の種々の方法のうち、本発明においてこのように水酸化アルミニウムと塩酸とを高温高圧下での反応による方法を採用している理由としては、原料となる水酸化アルミニウムや塩酸は工業的に大量生産されており比較的入手が容易であることと、他の公知の反応と比較して工業スケールの生産が容易であることが挙げられる。
この第2の段階では、第1の段階で得られた上記の塩基性塩化アルミニウムと、水中で硫酸イオンを放出するような化合物とを混合することにより、塩基性塩化アルミニウムに硫酸イオンを導入する。この方法についても常法に従って行うことができ、硫酸イオンは塩基性塩化アルミニウム同士を繋ぐ架橋イオンとして働くことが期待される。
このような混合する化合物としては、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸などの硫酸塩が挙げられ、好ましくは、塩基性塩化アルミニウムのAl濃度の低下を抑える理由から、硫酸アルミニウムを用いる。このような硫酸イオン導入のための操作は、同時注加でも一方注加でもかまわない。このような硫酸塩の混合量としては、混合後のAl2O3換算のアルミニウム含有量に対する比率(モル比、SO4/Al2O3)が0.1〜0.35となる量が好ましい。また、混合する際の温度としては、次の第3の段階での反応時間の短縮のためや、或いは、保存安定性の低下を防ぐために、40〜100℃の温度が好ましく、60〜85℃であることがより好ましい。
そして、この第3の段階では、前記第2の段階で得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウムに対して、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩からなるアルカリ剤を添加することにより、硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム分子中のCl分を減らしてOH分を増加させて、塩基度の上昇を図る。
本発明では、これにより塩基度を67〜75%とすることが好ましく、より好ましくは、塩基度が70%以上となるまでアルカリ剤を添加することがよい。75%を超えるような塩基度まで上昇させると、凝集性能が低下する場合や保存安定性が低下する場合があるため好ましくない。
[1]凝集試験
カオリン(和光純薬工業社製)0.5g、フミン質(和光純薬工業社製)0.2gを水道水10Lに添加して調整した高濁度水(50ppm)を用い、JWWA K 154:2016−2水道水用ポリ塩化アルミニウムに準拠して凝集性試験を実施した。凝集性能は平均除濁率60%以上が可(〇)、60%未満を不可(×)として評価した。
[2]化学分析:
(1)アルミニウム含有量(Al2O3換算)〔質量%〕:JWWA K 154:2016−2水道水用ポリ塩化アルミニウムに準拠して行った。
(2)ナトリウム含有量(Na2O換算)〔mg/L〕:原子吸光光度法により測定した。具体的には、硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム0.5gと濃硫酸1mLを100mLメスフラスコに入れて希釈し、得られた試料を原子吸光光度計(HITACHI Z-2310)により分析した。
(3)硫酸イオン含有量(SO4換算)〔質量%〕:JWWA K 154:2016−2水道水用ポリ塩化アルミニウムに準拠して行った。
(4)塩素含有量(Cl)〔質量%〕:試料を硝酸で煮沸分解した後、一定量過剰の硝酸銀溶液を加え、塩素イオンを塩化銀として沈殿させ、残った硝酸銀をチオシアン酸アンモニウム溶液で逆滴定することで分析した。
[3]塩基度〔%〕:JWWA K 154:2016−2水道水用ポリ塩化アルミニウムに準拠して行った。
以下の手順により、本発明に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを製造した。
オートクレーブを用いて、水酸化アルミニウム(Al2O3換算:62.9%)4794gを温度100〜150℃、圧力0.2〜0.4MPaで濃塩酸(36.6%)9365gに溶解することにより、塩基性塩化アルミニウム溶液(Al2O3換算:19.8質量%、Cl:22.3質量%、塩基度:46.1%)を14159g得た(第1の段階)。次いで、この得られた塩基性塩化アルミニウム溶液80.0gを採取して、硫酸アルミニウム(Al2O3:8.04%、SO4:22.7%)10.5gに0.5時間かけて添加し、Al2O3換算:18.4質量%、Cl濃度:19.7質量%、組成Cl/Al2O3(モル比)=3.07、SO4/Al2O3(モル比)=0.15であって、尚且つ塩基度が48.9%の硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を90.5g得た(第2の段階)。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液28.7gを60分かけて徐々に添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで30分撹拌し、その後、再び21%炭酸ナトリウム溶液28.7gを60分かけて添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで30分攪拌した(第3の段階)。添加終了後に、攪拌液中には水に不溶解の固形分等の存在は殆ど確認されなかった。なお、この第3の段階における添加量〔28.7g×2=57.4g、溶液中の炭酸ナトリウム(21%)のモル数=0.11mol〕については、第2の段階での硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム分子中のCl原子のモル数0.50molと、第3の段階での目標塩基度71%に対応した硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム分子中のCl原子のモル数0.28molとの差分から算出し、これ以降の実施例及び比較例についても同様に設定した。
添加終了後、ろ過した後に水18.0gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで、塩基度が70.5%である実施例1に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を160.8g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は10.0質量%で、Na濃度は3.25質量%、SO4濃度は1.48質量%であった。また、ろ滓量は0.4gであった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液43.0gを90分かけて徐々に添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで30分撹拌し、その後、再び21%炭酸ナトリウム溶液14.3gを30分かけて添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで30分攪拌した。添加終了後に、攪拌液中には水不溶解の固体分等の存在は殆ど確認されなかった。
添加終了後、ろ過した後に水17.5gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで、塩基度が70.7%である実施例2に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を160.3g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は10.1質量%で、Na濃度が3.26質量%、SO4濃度が1.49質量%であった。また、ろ滓量は0.4gであった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液に液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液28.7gを60分かけて徐々に添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで30分撹拌した。その後、再び21%炭酸ナトリウム溶液14.3gを30分かけて添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで15分攪拌し、この30分の添加と15分の攪拌とをもう1サイクル行った。添加終了後に、攪拌液中には水不溶解の固体分等の存在は殆ど確認されなかった。
添加終了後、ろ過した後に水17.5gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで、塩基度が70.2%である実施例3に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を160.3g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は10.1質量%で、Na濃度が3.26質量%、SO4濃度が1.49質量%であった。また、ろ滓量は0.4gであった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液に液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液14.3gを30分かけて徐々に添加した後に、炭酸ナトリウム溶液を添加しないで15分撹拌してこれを1つのサイクルとし、このサイクルをさらに3サイクル行った。添加終了後に、攪拌液中には水不溶性の固体分等の存在は殆ど確認されなかった。
添加終了後、ろ過した後に水17.5gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで、塩基度が70.0%である実施例4に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を160.3g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は10.1質量%で、Na濃度が3.26質量%、SO4濃度が1.50質量%であった。また、ろ滓量は0.3gであった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を液温50℃にして撹拌しながら18%炭酸ナトリウム溶液63.5gを一気に添加したところ、液が噴出して溢れて、発泡が確認され、鎮静後に固形物が生成していることを確認した。
炭酸ナトリウム溶液の添加終了後、熟成工程として液温を50℃に保ちながら300分撹拌して、未溶解のアルミナゲル、あるいは固形分を溶解させようとしたが、熟成工程を行っても、反応液中には未溶解のアルミナゲルと思われる未溶解物が多量に存在したままだった。
熟成後、ろ過により未溶解水酸化アルミニウムを除去した後に水68.2gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで塩基度が70.8%である比較例1に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を217.5g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は7.41質量%で、Na濃度が2.28質量%、SO4濃度が1.10質量%であった。また、ろ滓量は16.1gであり、実施例1と比較して約40倍も多かった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価は表1に示す。そして、この比較例1で得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液は粘性が高く、正確な量を滴定できないために、凝集性試験を実施できなかった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液に液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液57.3gを120分かけて連続で添加した。この時、反応液中には未溶解のアルミナゲルと思われる未溶解物が多量に存在していた。
添加終了後、ろ過により未溶解のアルミナゲルと思われる未溶解物を除去した後に水を23.2g加えてAl2O3換算濃度を調整することで、塩基度が67.4%である比較例2に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を166.0g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は9.71質量%で、Na濃度が3.15質量%、SO4濃度が1.44質量%であった。また、ろ滓量は10.2gであり、実施例1と比較して約25倍も多かった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液57.3gを120分かけて連続で添加した。
添加終了後、熟成工程として液温を50℃に保ちながら60分撹拌して、未溶解のアルミナゲル、あるいは固形分を溶解させようとしたが、反応液中には未溶解のアルミナゲルが多量に存在したままだった。
熟成終了後、ろ過により未溶解のアルミナゲルと思われる未溶解物を除去した後に水20.9gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで塩基度が70.1%である比較例3に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を163.7g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は9.85質量%で、Na濃度が3.19質量%、SO4濃度が1.46質量%であった。また、ろ滓量は4.0gと、実施例1と比較して10倍も多かった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「可」であった。
第1の段階と第2の段階とを、実施例1と同様の方法により実施し、第2の段階により得られる硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を同じように90.5g得た。
そして、この得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウム溶液を液温50℃にして撹拌しながら21%炭酸ナトリウム溶液57.4gを120分かけて連続で添加した。
添加終了後、熟成工程として液温を50℃に保ちながら240分撹拌して、未溶解のアルミナゲル、あるいは固形分を溶解させようとしたが、反応液中には未溶解のアルミナゲルが多量に存在したままだった。
熟成終了後、ろ過により未溶解のアルミナゲルと思われる未溶解物を除去した後に水19.2gを加えてAl2O3換算濃度を調整することで塩基度が69.6%である比較例4に係る硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液を162.7g得た。この硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウム溶液のAl2O3換算濃度は10.0質量%で、Na濃度が3.23質量%、SO4濃度が1.47質量%であった。また、ろ滓量は1.9gと、実施例1と比較して約5倍も多かった。得られた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの特性および評価を表1に示す。凝集性試験の結果は「不可」であった。
Claims (5)
- 水酸化アルミニウムと塩酸とを高温高圧下で反応させて塩基性塩化アルミニウムを得る第1の段階と、この得られた塩基性塩化アルミニウムと硫酸塩とを混合して、塩基性塩化アルミニウムに硫酸イオンを含有させる第2の段階と、得られた硫酸イオン含有塩基性塩化アルミニウムに炭酸塩及び/又は炭酸水素塩からなるアルカリ剤を添加して塩基度を高めた硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを得る第3の段階とを備え、
第3の段階では、温度を40〜65℃とすると共に、アルカリ剤の添加を断続的に行うことを特徴とする硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。 - 前記第3の段階における断続的なアルカリ剤の添加として、
i)予め、アルカリ剤の必要添加量の2〜8割を添加する段階と、
ii)次いで、そのアルカリ剤の添加に要した時間の2〜8割の時間を、アルカリ剤の添加を行わず攪拌混合操作を行う段階と
を1サイクルとして、これを複数サイクル繰り返して、アルカリ剤の添加を完了するようにすることを特徴とする請求項1に記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。 - 前記第3の段階で用いられるアルカリ剤は、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
- 塩基度が67〜75%である硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムを得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
- 前記第1の段階では、得られる塩基性塩化アルミニウムの塩基度を40〜60%とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硫酸イオン含有高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
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