JP2019031180A - 海中輸送機 - Google Patents

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Abstract

【課題】海中で動力を用いず、機体の重量と機体の浮力との差に基づき、自由降下または自由上昇する海中輸送機を、機体への衝撃力を低減し、計画した水深で停止させることを、省エネ、省設備及び省材料で実現する。【解決手段】停止操作開始から停止までの機体の速度変化を、移動速度の変化と流体抗力の変化との関係データを用いて推定し、降下中はバラストの、上昇中は浮力材の、それぞれ一部を機体本体よりラインで接続して分離し、分離する量とタイミングで制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、海底と海面との間で下降と上昇を行い、ものを運ぶ海中輸送機に関する。
従来、海中を自由降下する装置に関して、公知となっているものには次のようなものがある。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、球体が降下して海底に着地後の浮上用として、降下する球体に錘と錘の切離し装置を備えていることが示されているが、着地時の球体への衝撃や海底面に及ぼす影響を緩和する手段に関しては示されていない。また、機体を計画した水深に停止させる手段も示されていない。
特許文献1では、複数の球体を互いに連結し、各球体に電子機器及び制御装置を収容し、球体間で通信を可能とすることも示されているが、複数の球体を停止処理に利用することに関しては示されていない。また、球体間を接続するラインの長さを変更することに関しても示されていない。制御装置を停止の制御で使用することに関して、ならびに、下降速度と流体抵抗の関係データを制御装置で使用することに関しては、どちらも示されていない。
海中で推進器を持たす、機体の姿勢を変更させて降下と浮上させる例としては、次のようなものがある。(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の装置では、機体姿勢の変更にバラスト水の注排水を用いた上で、主翼と尾翼に働く流体力を利用して速度制御を行っている。海中でのバラスト水の注排水では耐圧ポンプと耐圧タンクが必要となる。また、本装置は翼を備えた構造であり、強度を保つための支持材料が多く必要となる。
海底で鉱物資源を採取し、これを海上の支援船に輸送するシステムとして、公知となっているものには次のようなものがある。(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3のシステムでは、海上の支援船、海底での採鉱装置及び両者間の海中輸送装置で構成される。本海中輸送装置は支援船から曳航されており、曳航用ラインと曳航用ライン操作装置が必要になる。
水中の潜水装置で浮力を調節するシステムとして、公知となっているものには次のようなものがある。(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4のシステムでは、油圧ポンプと圧力増幅器とを備えた油圧システムを用いて海水の注排水を行なっている。
従来の技術では、装置重量を低減し、使用動力を低減し、経済性も見合う海中輸送用の装置は実現されていない。このため、海底の鉱物資源を海上に引き上げる装置としては楊鉱管が主たる検討対象となり、海中を移動する輸送機は検討対象となりにくい。
海上と海底との間で物を輸送する装置は、海中での高水圧に耐え、ペイロードを確保し、安全性と経済性も満足させることが要求され、その実現には従来にない技術が必要となる。
海中での高水圧に耐え、高い安全性を持って、海上と海底との間を行き来する装置としては、深海調査用潜水艇の「しんかい6500」がある。(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
ただし、「しんかい6500」は、高い安全性と高い航行性能を保持するために多くの装備品を備えており、必然的にペイロードは小さく、輸送用として量産して利用するには建造コストが大きく経済的に成立しない。
特開2012−245944号公報 特開2007−276609号公報 特表2016−507680号公報 特表2007−503345号公報 海洋科学技術センター試験研究報告 第23号「しんかい6500」耐圧殼の設計・製作 海洋科学技術センター試験研究報告 第23号「しんかい6500 」用海水ポンプの開発
本発明が解決しようとする課題は、海底と海面との間を自由降下と自由浮上により行き来し、海底や海面の近くなど、計画した水深で停止させることを、省エネ、省設備かつ省材料で可能にする海中輸送機を実現することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の発明では、
自由降下を行う海中輸送機において、降下中に計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
バラストを保持するバラスト保持部、
該バラスト保持部の重量を調整するバラスト重量調整機構部、及び、
該バラスト重量調整機構部に重量調整の指示をするバラスト重量調整指示部
を有し、
該重量調整指示部は、
バラストを低減する量とタイミングの指示データを、
機体の下降速度と到達水深の時系列推定結果を基に作成し、
該指示データを該バラスト重量調整機構部に送り
該バラスト重量調整機構部は、
該バラスト重量調整指示部の指示に従い、
該バラスト保持部のバラスト低減を行ない、
停止制御処理を実行することを特徴とする海中輸送機機
とした。
降下中の機体を計画した水深で停止させるためには、上方向へ推力を発生する推進機器を用いるのが一般的であるが、機体に推進機器を設置することは省設備と省エネの要求には不十分なものである。下降力を無くすようにバラスト重量を低減すれば機体を停止させることは可能となるが、計画した水深で停止させることは難しい。
請求項1では、計画水深で機体を停止させるために、バラスト低減量と共に低減のタイミングを厳密に取ることとした。そのために、重量調整指示部を備え、下降速度と到達水深の時系列変化を推定し、推定結果を基にバラスト重量調整指示データを作成することとした。この指示データに基づき物理的なバラスト調整処理を行うことで、機体の停止水深の高精度化を図っている。
請求項2に記載の発明では、
自由降下を行う海中輸送機において、降下中に計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
機体本体と分離可能なバラストを保持するバラスト分離保持部、
該バラスト分離保持部を該機体本体から分離するバラスト分離機構部、
該バラスト分離機構部に分離処理の指示を行うバラスト分離指示部、
分離処理後の該バラスト分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
を有し、
該バラスト分離指示部は、
該バラスト分離保持部の重量と分離処理実行タイミングの分離指示データを該バラスト分離機構部に送り、
該バラスト分離機構部は、
該分離指示データを用い、該バラスト分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
該ライン長さ調整指示部は、
該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
該ライン長さ調整機構部は、
該調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機、
とした。
請求項2では、計画水深で機体を停止させるために、機体本体と接続ラインを介して繋がったバラスト分離保持部を、機体本体から分離する手段を取る。この時、機体の下降速度と停止計画水深に到達するまでの所要時間を考慮して、バラスト分離保持部の重量、分離タイミング及び接続ラインの長さを設定する。分離処理後、下降する機体本体は、上向きの停止力を得て減速し、停止した後、上昇へと転じる。バラスト分離保持部は、加速し、その加速中、あるいは、加速終了後、海底あるいは着地構造物に着地する。接続ラインは、機体本体に張力を与えない状態と与える状態とを作り出し、機体本体への衝撃が小さい状態で機体本体を停止させる。分離処理の設定には、バラスト分離保持部の着地と機体本体の停止までの、時間経過に伴う速度変化の推定を行い、その結果を利用する。速度変化の推定には、機体本体とバラスト分離保持部、それぞれの下降速度と流体抵抗の関係データを利用する。
請求項3に記載の発明では、
自由浮上を行う海中輸送機において、上昇中に計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
浮力材を保持する浮力材保持部、
該浮力材保持部の容量を調整する浮力材容量調整機構部、及び、
該浮力材容量調整機構部に容量調整の指示をする浮力材容量調整指示部
を有し、
該浮力材容量調整指示部は、
浮力材を低減する量とタイミングの指示データを、
機体の上昇速度と到達水深の時系列推定結果を基に作成し、
該指示データを該浮力材容量調整機構部に送り
該浮力材容量調整機構部は、
該浮力材容量調整指示部の指示に従い、
該浮力材保持部の浮力材低減を行ない、
停止制御処理を実行することを特徴とする海中輸送機、
とした。
請求項3では、計画水深で機体を停止させるために、浮力材低減量と共に低減のタイミングを厳密に取ることとした。そのために、停止操作開始から停止までの機体の時間経過に伴う速度変化を推定し、推定結果を基に浮力材低減のタイミングを取ることとした。機体速度の変化の推定には、推定精度を高めるために、移動速度の変化と流体抗力の変化との関係データを用いることとした。
請求項4に記載の発明では、
自由浮上を行う海中輸送機において、上昇中に計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
機体本体と分離可能な浮力材を保持する浮力材分離保持部、
該浮力材分離保持部を該機体本体から分離する浮力材分離機構部、
該浮力材分離機構部に分離処理の指示を行う浮力材分離指示部、
分離処理後の該浮力材分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
を有し、
該浮力材分離指示部は、
該浮力材分離保持部の浮力と分離処理実行タイミングの分離指示データを該浮力材分離機構部に送り、
該浮力材分離機構部は、
該分離指示データを用い、該浮力材分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
該ライン長さ調整指示部は、
該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
該ライン長さ調整機構部は、
該調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機、
とした。
請求項4では、計画水深で機体を停止させるために、機体本体と接続ラインを介して繋がった浮力材分離保持部を、機体本体から分離する手段を取る。この時、機体の上昇速度と停止計画水深に到達するまでの所要時間を考慮して、浮力材分離保持部の浮力、分離タイミング及び接続ラインの長さを設定する。分離処理後、上昇する機体本体は、下向きの停止力を得て減速し、停止した後、下降へと転じる。浮力材分離保持部は、加速し、その加速中、あるいは、加速終了後、海面へ到達する。接続ラインは、機体本体に張力を与えない状態と与える状態とを作り出し、機体本体への衝撃が小さい状態で機体本体を停止させる。分離処理の設定には、浮力材分離保持部の海面への到達と機体本体の停止までの、時間経過に伴う速度変化の推定を行い、その結果を利用する。速度変化の推定には、機体本体と浮力材分離保持部、それぞれの上昇速度と流体抵抗の関係データを利用する。
請求項5に記載の発明では、
請求項2に記載した海中輸送機で、計画した水深で海中観測を行うために、観測装置を備えたもの、
とした。
請求項5では、観測装置を備えることで、ものの輸送に加え、計画水深で停止して海中観測する手段を与えている。
請求項6に記載の発明では、
請求項2に記載した海中輸送機で、計画した水深で採鉱作業を行うために、採鉱装置を備えたもの、
とした。
請求項6は、採鉱装置を備えることで、ものの輸送に加え、計画水深で停止して採鉱作業する手段を与えている。
請求項1の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力はバラスト重量を変更することだけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。降下中には、浮力を増大させずに、バラスト重量の変更を低減だけに限定することで、バラスト重量変更装置には耐圧構造を不要にでき、省材料が実現できる。機体速度の変化と流体抗力の変化の関係データを用いることで、停止性能の精度が向上できる。
請求項2の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力はバラスト重量の変更、接続ライン長さの調整及びバラスト分離保持部の分離だけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。バラスト分離保持部の分離には、機体内の圧力変化の考慮が不要であり、分離処理に関係する部分での耐圧構造が不要であり、省材料が実現できる。接続ライン長さを調整することで、バラスト分離保持部の着地時の衝撃力の緩和、ならびに、機体本体の停止位置の水深の調整が実現できる。
請求項3の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力は浮力材容量を変更することだけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。上昇中には、重量を増大させずに、浮力材容量の変更を低減だけに限定することで、浮力材容量変更装置には耐圧構造を不要にでき、省材料が実現できる。機体速度の変化と流体抗力の変化の関係データを用いることで、停止性能の精度が向上できる。
請求項4の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力は浮力材容量の変更、接続ライン長さの調整及び浮力材分離保持部の分離だけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。浮力材分離保持部の分離には、機体内の圧力変化の考慮が不要であり、分離処理に関係する部分での耐圧構造が不要であり、省材料が実現できる。接続ライン長さを調整することで、浮力材分離保持部の海面への到達時の衝撃力の緩和、ならびに、機体本体の停止位置の水深の調整が実現できる。
請求項5の手段を取ることにより、海中観測機、海底探査機などとして、計画した水深に停止した状態での観測、探査などが可能になる。
請求項6の手段を取ることにより、海中作業機、海底採鉱機などとして、計画した水深に停止した状態での作業、採鉱などが可能になる。
請求項1の実施の形態については、機体の下降開始から下降停止までのバラスト重量調整の処理フローの一実施例を図1に示す。図1では、バラスト重量調整指示部の処理ステップをS11からS16に、バラスト重量調整機構部の処理ステップをS21からS23に、バラスト保持部での重量変更に伴う機体の動きをS01からS06に、それぞれ示した。
図1中のS12の「計画水深で停止するためのバラスト重量の変更量と変更タイミングの決定処理」
には、決定を行うための機体の動きの推定が含まれ、この推定結果を基に停止処理において処理精度を高めている。
図2にはS12での推定処理の一実施例として、(1)で機体の速度の時系列データを、(2)で水深の変化の時系列データを、それぞれ示した。(1)と(2)の横軸は同じ時間軸である。図中のtcは図1のS04「チェックポイントの通過」と、t0はS05「機体減速スタート」と、t1はS06「機体下降停止」と、それぞれ対応している。(2)の縦軸は機体の到達水深を示し、到達水深をD、停止計画水深をDbとし、(Db−D)の表現としている。
(1)では、t0でV0の下降速度がt1で0となり、機体減速スタートから機体停止までの下降時間を、(t1−t0)と推定している。(2)では、この速度変化に対応して、t0でD0の機体位置の水深がt1でD1となり、(t1−t0)の時間での水深変化を(D0−D1)と推定している。
図2の(1)と(2)の推定のベ−スとなるのが、下降速度と流体抵抗の関係データであり、図2の実施例での機体形状と下降姿勢に対応した一例を図3に示した。図3では、下降速度がV0の時の流体抵抗はR0であり、下降速度がVtの時の流体抵抗はRtである。機体の重量と浮力との差が0となるようにバラスト重量を調整後は、Vtに対応したRtが機体の停止力として働く。図3の関係データを用いれば、図2で示すように、V0からVtまでの速度変化が、t0からttまでの変化として推定可能になる。こうして下降速度が0になるt1まで推定した結果が図2の(1)であり、図2の(2)は(1)の下降速度を時間積分することにより求められる。
図1、図2及び図3で示した実施例では、1回の重量調整で行う停止処理の例を示したが、バラスト重量の変更を複数回に分け、順次下降速度を順次低減し、推定と実際とのずれを修正しながら、停止処理を行うことも前提としている。この場合、S12で複数回の重量変更と変更タイミングを決定し、S13、S21,S22及びS05の処理を繰り返す。推定と実際とのずれを修正は、S13の処理の中で行う。
請求項2の実施の形態については、機体本体からのバラスト分離保持部の分離開始から停止水深調整までの時間経過に伴う機体の動き制御の一実施例を図4に示す。図4では、機体本体、バラスト分離保持部及びライン接続部と着地面の相対位置関係を6つの時間経過ステップで示した。(1)のt=t0は分離処理実行時点を、(2)のt=t1は分離処理実行の少し後の時点を、(3)のt=t2はバラスト分離保持部の着地点到達の少し前の時点を、(4)のt=t3はバラスト分離保持部の着地点到達の時点を、(5)のt=t4は機体本体停止の時点を、(6)のt=t5は機体本体の停止位置水深調整後の時点を、それぞれ示した。
(1)では、バラスト分離保持部が機体の内部に納まった状態でである。(2)では、バラスト分離保持部が機体本体から少し離れ、ライン接続部に張力は作用していない。(3)では、バラスト分離保持部と機体本体との距離は増加するが、ライン接続部に張力は作用していない。(4)では、バラスト分離保持部が着地し、機体本体は上昇している状態である。(5)では、バラスト分離保持部が着地面で停止し、ライン接続部に張力が作用し、機体本体も停止している状態である。(6)では、ライン接続部の長さを変更し、機体本体の停止位置水深を変更した状態である。
図5には、図4に対応した時間変化での速度変化と到達水深を推定した一実施例を、(1)と(2)にそれぞれ示した。図中、Aはバラスト分離保持部の分離前の機体の速度を、Bはバラスト分離保持部の分離後の機体本体の速度を、Cは分離後のバラスト分離保持部の速度を、それぞれ示している。t0からt4までの各時刻は、図4に示した状態の時刻と一致している。
図5の(1)で、Cのt1、t2及びt3の時点の下降速度をV_C1,V_C2及びV_C3でそれぞれ示す。t0での分離処理後、CはV0からV_C1,V_C2、V_C3と下降速度を増大する。t3でCは着地し、速度はV_C3から0に不連続に変化する。Bのt1、t2及びt4の時点の下降速度をV_B1,V_B2及びV_B4でそれぞれ示す。Bは分離処理後、V_B1,V_B2、V_B4と下降速度を低減する。V_B2は負であり、上向き方向の速度となっている。t3でBは停止し、速度はV_C3から0に不連続に変化する。
図5の(2)では、到達水深を着地面を0として、着地面からの距離Dで表表現した。Cのt1の時点の到達水深をD_C1で示す。t3ではCは着地し、D=0となる。Bのt1、t3及びt4の時点の到達水深をD_B1,D_B3及びD_B4でそれぞれ示す。BとCの下端点間の距離は、t1で(D_B1 − D_C1)、t3でD_B3、t4で接続ラインが伸びきりD_B4となる。
図5の(1)の推定結果から、バラスト分離指示部はバラスト分離保持部の重量と分離タイミングを決定し、これらの分離指示データをバラスト分離機構部に送る。バラスト分離機構部は、受け取った分離指示データを用い、バラスト分離保持部の機体本体からの分離を行う。図5の(2)の推定結果から、ライン長さ調整指示部はライン接続部の長さを決定し、ライン長さ指示データをライン長さ調整機構部に送る。ライン長さ調整機構部は受け取った指示データを用い、ライン接続部の長さの変更を行う。
図6は図5の(1)の推定に用いる下降速度と流体抵抗の関係データの一例である。図中で用いたA,B、C、V0、V_B1、V_B3及びV_C1の示す内容は、図5の(1)と同じとした。機体が分離される前後での対応する流体抵抗を縦軸とした。図5の(1)の推定では、本図から、分離前、速度V0で下降中の機体の流体抵抗はR_A0、分離直後の流体抵抗は、BがR_B0、CがR_C0となることを読み取り、B及びCに働く力の変化を捉え、その後の下降速度の変化を求めることが可能となる。BにはV_B1でR_B1の、CにはV_C1でR_C1の、それぞれ流体抵抗が変化する関係を用い、速度変化による流体抵抗変化を順次考慮し、分離後の時間経過による速度変化画」推定される。本図から、BがV_B3と上向き速度を持てば、R_B3は負の値を取り、Bは下向きの抵抗を受けることも捉えられ、Cの着地前後のBの詳細な速度変化と位置変化の推定も可能となる。Bの動きの把握はBとCの相対位置関係の把握につながり、ライン接続部の長さ決定も可能とする。
図4では、ライン接続部に張力が働くのは、Cの着地後になる場合のの実施例を示したが、Cの着地前にライン接続部に張力が働くようにライン接続部の長さを調整し、Cの着地時にCに作用する衝撃力を低減することも可能である。請求項2の特許は、Cの着地時のBとCとの相対位置関係と、両者に作用する衝撃力を考慮して、計画水深での機体の停止を可能にしている。
請求項3の実施の形態については、機体の上昇開始から上昇停止までの浮力材容量調整の処理フローの一実施例を図7に示す。図7では、浮力材容量調整指示部の処理ステップをS11からS16に、浮力材容量調整機構部の処理ステップをS21からS23に、浮力材保持部での浮力変更に伴う機体の動きをS01からS06に、それぞれ示した。
図7中のS12の「計画で水深で停止するための浮力材容量の変更量と変更タイミングの決定処理」
には、決定を行うための機体の動きの推定が含まれ、この推定結果を基に精度の高い停止処理を行っている。
図8にはS12での推定処理の一実施例として、(1)で機体の速度の時系列データを、(2)で水深の変化の時系列データを、それぞれ示した。(1)と(2)の横軸は同じ時間軸である。図中のtcは図1のS04「チェックポイントの通過」と、t0はS05「機体減速スタート」と、t1はS06「機体下降停止」と、それぞれ対応している。
(1)では、t0でU0の上昇速度がt1で0となり、機体減速スタートから機体停止までの上昇時間を、(t1−t0)と推定している。(2)では、この速度変化に対応して、t0でD0の機体位置の水深がt1でD1となり、(t1−t0)の時間での水深変化を(D0−D1)と推定している。
図8の(1)と(2)の推定のベ−スとなるのが、上昇速度と流体抵抗の関係データであり、図8の実施例での機体形状と上昇姿勢に対応した一例を図9に示した。図9では、上昇速度がU0の時の流体抵抗はR0であり、上昇速度がUtの時の流体抵抗はRtである。機体の重量と浮力との差が0となるように浮力材容量を調整後は、Utに対応したRtが機体の停止力として働く。図9の関係データを用いれば、図8で示すように、U0からUtまでの速度変化が、t0からttまでの変化として推定可能になる。こうして上昇速度が0になるt1まで推定した結果が図2の(1)であり、図8の(2)は(1)の上昇速度を時間積分することにより求められる。
図7、図8及び図9で示した実施例では、1回の浮力材容量調整で行う停止処理の例を示したが、浮力材容量の変更を複数回に分け、順次上昇速度を順次低減し、推定と実際とのずれを修正しながら、停止処理を行うことも前提としている。この場合、S12で複数回の浮力材容量変更と変更タイミングを決定し、S13、S21,S22及びS05の処理を繰り返す。推定と実際とのずれを修正は、S13の処理の中で行う。
請求項4の実施の形態については、機体本体からの浮力材分離保持部の分離開始から停止水深調整までの時間経過に伴う機体の動き制御の一実施例を図10に示す。図10では、機体本体、浮力材分離保持部及びライン接続部と着地面の相対位置関係を6つの時間経過ステップで示した。(1)のt=t0は分離処理実行時点を、(2)のt=t1は分離処理実行の少し後の時点を、(3)のt=t2はバラスト分離保持部の着地点到達の少し前の時点を、(4)のt=t3は浮力材分離保持部の着地点到達の時点を、(5)のt=t4は機体本体停止の時点を、(6)のt=t5は機体本体の停止位置水深調整後の時点を、それぞれ示した。
(1)では、浮力材分離保持部が機体の内部に納まった状態である。(2)では、浮力材分離保持部が機体本体から少し離れ、ライン接続部に張力は作用していない。(3)では、浮力材分離保持部と機体本体との距離は増加するが、ライン接続部に張力は作用していない。(4)では、浮力材分離保持部が着地し、機体本体は下降している状態である。(5)では、浮力材分離保持部が着地面で停止し、ライン接続部に張力が作用し、機体本体も停止している状態である。(6)では、ライン接続部の長さを変更し、機体本体の停止位置水深を変更した状態である。
図11には、図10に対応した時間変化での速度変化と到達水深を推定した一実施例を、(1)と(2)にそれぞれ示した。図中、Aは浮力材分離保持部の分離前の機体の速度を、Bは浮力材分離保持部の分離後の機体本体の速度を、Cは分離後の浮力材分離保持部の速度を、それぞれ示している。t0からt4までの各時刻は、図4に示した状態の時刻と一致している。
図11の(1)で、Cのt1、t2及びt3の時点の上昇速度をU_C1,U_C2及びU_C3でそれぞれ示す。t0での分離処理後、CはU0からU_C1,U_C2、U_C3と上昇速度を増大する。t3でCは着地し、速度はU_C3から0に不連続に変化する。Bのt1、t2及びt4の時点の上昇速度をU_B1,U_B2及びU_B4でそれぞれ示す。Bは分離処理後、U_B1,U_B2、U_B4と上昇速度を低減する。U_B2は負であり、下向き方向の速度となっている。t3でBは停止し、速度はU_C3から0に不連続に変化する。
図11の(2)では、到達水深を着地面を0として、着地面からの距離Dで表表現した。Cのt1の時点の到達水深をD_C1で示す。t3ではCは海面に到達し、D=0となる。Bのt1、t3及びt4の時点の到達水深をD_B1,D_B3及びD_B4でそれぞれ示す。BとCの上端点間の距離は、t1で(D_B1 − D_C1)、t3でD_B3、t4で接続ラインが伸びきりD_B4となる。
図11の(1)の推定結果から、浮力材分離指示部は浮力材分離保持部の重量と分離タイミングを決定し、これらの分離指示データをバラスト分離機構部に送る。浮力材分離機構部は、受け取った分離指示データを用い、浮力材分離保持部の機体本体からの分離を行う。図11の(2)の推定結果から、ライン長さ調整指示部はライン接続部の長さを決定し、ライン長さ指示データをライン長さ調整機構部に送る。ライン長さ調整機構部は受け取った指示データを用い、ライン接続部の長さの変更を行う。
図12は図11の(1)の推定に用いる上昇速度と流体抵抗の関係データの一例である。図中で用いたA,B、C、U0、U_B1、U_B3及びU_C1の示す内容は、図5の(1)と同じとした。機体が分離される前後での対応する流体抵抗を縦軸とした。図11の(1)の推定では、本図から、分離前、速度V0で下降中の機体の流体抵抗はR_A0、分離直後の流体抵抗は、BがR_B0、CがR_C0となることを読み取り、B及びCに働く力の変化を捉え、その後の上昇速度の変化を求めることが可能となる。BにはU_B1でR_B1の、CにはU_C1でR_C1の、それぞれ流体抵抗が変化する関係を用い、速度変化による流体抵抗変化を順次考慮し、分離後の時間経過による速度変化画」推定される。本図から、BがU_B3と下向き速度を持てば、R_B3は負の値を取り、Bは上向きの抵抗を受けることも捉えられ、Cの海面到達前後のBの詳細な速度変化と位置変化の推定も可能となる。Bの動きの把握はBとCの相対位置関係の把握につながり、ライン接続部の長さ決定も可能とする。
図10では、ライン接続部に張力が働くのは、Cの着地後になる場合のの実施例を示したが、Cの着地前にライン接続部に張力が働くようにライン接続部の長さを調整し、Cの着地時にCに作用する衝撃力を低減することも可能である。請求項4の特許は、Cの海面到達地時のBとCとの相対位置関係と、両者に作用する衝撃力を考慮して、計画水深での機体の停止を可能にしている。
請求項5の実施の形態としては、機体本体内に、カメラ、レーダー、センサーなどの搭載に加え、データ処理装置、データ格納装置、通信装置などを搭載することもある。
請求項6の実施の形態としては、機体本体に、マニピュレータ、クレーン、ショベルなどに加え、制御装置、位置測定装置、画像処理装置、各種の建設機械、工具などを搭載することもある。

請求項1の実施形態として、機体の下降開始から下降停止までのバラスト重量調整の処理フローの一実施例を示す。 バラスト重量調整に用いる機体の速度と水深の変化の時系列データの一例を示す。 バラスト重量調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項2の実施形態として、下降中の機体からバラスト分離保持部を分離し、停止するまでの機体本体、バラスト分離保持部及びライン接続部の動きの時間経過の一例を示す。 バラスト分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度とっ到達水深の変化の時系列データの一例を示す。 バラスト分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項3の実施形態として、機体の上昇開始から上昇停止までの浮力材容量調整の処理フローの一実施例を示す。 浮力材容量調整に用いる機体の速度と水深の変化の時系列データの一例を示す。 浮力材容量調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項4の実施形態として、上昇中の機体から浮力材分離保持部を分離し、停止するまでの機体本体、浮力材分離保持部及びライン接続部の動きの時間経過の一実施例を示す。 浮力材分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と到達水深の変化の時系列データの一例を示す。 浮力材分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。
1:海中輸送機の機体本体
2:ライン接続部
3:バラスト分離保持部
4:海底面または着地面
5:海中輸送機の機体本体
6:ライン接続部
7:浮力材分離保持部
8:海面


請求項1に記載の発明では、
自由降下を行う海中輸送機において、降下中に機体に働く衝撃力を低減した状態で計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
機体本体と分離可能なバラストを保持するバラスト分離保持部、
該バラスト分離保持部を該機体本体から分離するバラスト分離機構部、
該バラスト分離機構部に分離処理の指示を行うバラスト分離指示部、
分離処理後の該バラスト分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
を有し、
該バラスト分離指示部は、
該機体本体と該バラスト分離保持部との分離後の2つの浮体の各々の推定底速度及び2つの浮体間の推定相対距離を考慮して求められた該バラスト分離保持部の重量と分離処理実行タイミングの分離指示データを該バラスト分離機構部に送り、
該バラスト分離機構部は、
該分離指示データを用い、該バラスト分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
該ライン長さ調整指示部は、
該機体が該ライン接続部から衝撃力を伴う張力を受けないような該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
該ライン長さ調整機構部は、
調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
該ライン長さ調整機構部及び該ライン接続部は両者又はどちらか一方で、
停止処理時に該機体が停止状態になるまで該ライン接続部から張力を受けない機構を持ち、
機体へ働く衝撃力を低減する停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機、
とした。
請求項1では、計画水深で機体を停止させるために、機体本体と接続ラインを介して繋がったバラスト分離保持部を、機体本体から分離する手段を取る。この時、機体の下降速度と停止計画水深に到達するまでの所要時間を考慮して、バラスト分離保持部の重量、分離タイミング及び接続ラインの長さを設定する。分離処理後、下降する機体本体は、上向きの停止力を得て減速し、停止した後、上昇へと転じる。バラスト分離保持部は、加速し、その加速中、あるいは、加速終了後、海底あるいは着地構造物に着地する。接続ラインは、機体本体に張力を与えない状態と与える状態とを作り出し、機体本体への衝撃が小さい状態で機体本体を停止させる。分離処理の設定には、バラスト分離保持部の着地と機体本体の停止までの、時間経過に伴う速度変化の推定を行い、その結果を利用する。速度変化の推定には、機体本体とバラスト分離保持部、それぞれの下降速度と流体抵抗の関係データを利用する。
請求項2に記載の発明では、
自由浮上を行う海中輸送機において、上昇中に機体に働く衝撃力を低減した状態で計画した水深で停止させるために、
機体内部に、
機体本体と分離可能な浮力材を保持する浮力材分離保持部、
該浮力材分離保持部を該機体本体から分離する浮力材分離機構部、
該浮力材分離機構部に分離処理の指示を行う浮力材分離指示部、
分離処理後の該浮力材分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
を有し、
該浮力材分離指示部は、
該機体本体と該浮力材分離保持部との分離後の2つの浮体の各々の推定速度及び2つの浮体間の推定相対距離を考慮して求められた該浮力材分離保持部の浮力と分離処理実行タイミングの分離指示データを該浮力材分離機構部に送り、
該浮力材分離機構部は、
該分離指示データを用い、該浮力材分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
該ライン長さ調整指示部は、
該機体が該ライン接続部から衝撃力を伴う張力を受けないような該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
該ライン長さ調整機構部は、
該調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
該ライン長さ調整機構部及び該ライン接続部は両者又はどちらか一方で、
停止処理時に該機体が停止状態になるまで該ライン接続部から張力を受けない機構を持ち、
機体へ働く衝撃力を低減する停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機、
とした。
請求項2では、計画水深で機体を停止させるために、機体本体と接続ラインを介して繋がった浮力材分離保持部を、機体本体から分離する手段を取る。この時、機体の上昇速度と停止計画水深に到達するまでの所要時間を考慮して、浮力材分離保持部の浮力、分離タイミング及び接続ラインの長さを設定する。分離処理後、上昇する機体本体は、下向きの停止力を得て減速し、停止した後、下降へと転じる。浮力材分離保持部は、加速し、その加速中、あるいは、加速終了後、海面へ到達する。接続ラインは、機体本体に張力を与えない状態と与える状態とを作り出し、機体本体への衝撃が小さい状態で機体本体を停止させる。分離処理の設定には、浮力材分離保持部の海面への到達と機体本体の停止までの、時間経過に伴う速度変化の推定を行い、その結果を利用する。速度変化の推定には、機体本体と浮力材分離保持部、それぞれの上昇速度と流体抵抗の関係データを利用する。
請求項3に記載の発明では、
請求項1に記載した海中輸送機で、計画した水深で海中観測を行うために、観測装置を備えたもの、
とした。
請求項3では、観測装置を備えることで、ものの輸送に加え、計画水深で停止して海中観測する手段を与えている。
請求項4に記載の発明では、
請求項1に記載した海中輸送機で、計画した水深で採鉱作業を行うために、採鉱装置を備えたもの、
とした。
請求項4は、採鉱装置を備えることで、ものの輸送に加え、計画水深で停止して採鉱作業する手段を与えている。
請求項1の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力はバラスト重量の変更、接続ライン長さの調整及びバラスト分離保持部の分離だけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。バラスト分離保持部の分離には、機体内の圧力変化の考慮が不要であり、分離処理に関係する部分での耐圧構造が不要であり、省材料が実現できる。接続ライン長さを調整することで、バラスト分離保持部の着地時の衝撃力の緩和、ならびに、機体本体の停止位置の水深の調整が実現できる。
請求項2の手段を取ることにより、推進用機器を必要とせず、動力は浮力材容量の変更、接続ライン長さの調整及び浮力材分離保持部の分離だけに限定でき、省設備と省エネが実現できる。浮力材分離保持部の分離には、機体内の圧力変化の考慮が不要であり、分離処理に関係する部分での耐圧構造が不要であり、省材料が実現できる。接続ライン長さを調整することで、浮力材分離保持部の海面への到達時の衝撃力の緩和、ならびに、機体本体の停止位置の水深の調整が実現できる
請求項3の手段を取ることにより、海中観測機、海底探査機などとして、計画した水深に停止した状態での観測、探査などが可能になる。
請求項4の手段を取ることにより、海中作業機、海底採鉱機などとして、計画した水深に停止した状態での作業、採鉱などが可能になる。
請求項1のベースとなる実施の形態については、機体の下降開始から下降停止までのバラスト重量調整の処理フローの一実施例を図1に示す。図1では、バラスト重量調整指示部の処理ステップをS11からS16に、バラスト重量調整機構部の処理ステップをS21からS23に、バラスト保持部での重量変更に伴う機体の動きをS01からS06に、それぞれ示した。
請求項1の実施の形態については、機体本体からのバラスト分離保持部の分離開始から停止水深調整までの時間経過に伴う機体の動き制御の一実施例を図4に示す。図4では、機体本体、バラスト分離保持部及びライン接続部と着地面の相対位置関係を6つの時間経過ステップで示した。(1)のt=t0は分離処理実行時点を、(2)のt=t1は分離処理実行の少し後の時点を、(3)のt=t2はバラスト分離保持部の着地点到達の少し前の時点を、(4)のt=t3はバラスト分離保持部の着地点到達の時点を、(5)のt=t4は機体本体停止の時点を、(6)のt=t5は機体本体の停止位置水深調整後の時点を、それぞれ示した。
図4では、ライン接続部に張力が働くのは、Cの着地後になる場合のの実施例を示したが、Cの着地前にライン接続部に張力が働くようにライン接続部の長さを調整し、Cの着地時にCに作用する衝撃力を低減することも可能である。請求項1の特許は、Cの着地時のBとCとの相対位置関係と、両者に作用する衝撃力を考慮して、計画水深での機体の停止を可能にしている。
請求項2のベースとなる実施の形態については、機体の上昇開始から上昇停止までの浮力材容量調整の処理フローの一実施例を図7に示す。図7では、浮力材容量調整指示部の処理ステップをS11からS16に、浮力材容量調整機構部の処理ステップをS21からS23に、浮力材保持部での浮力変更に伴う機体の動きをS01からS06に、それぞれ示した。
請求項2の実施の形態については、機体本体からの浮力材分離保持部の分離開始から停止水深調整までの時間経過に伴う機体の動き制御の一実施例を図10に示す。図10では、機体本体、浮力材分離保持部及びライン接続部と着地面の相対位置関係を6つの時間経過ステップで示した。(1)のt=t0は分離処理実行時点を、(2)のt=t1は分離処理実行の少し後の時点を、(3)のt=t2はバラスト分離保持部の着地点到達の少し前の時点を、(4)のt=t3は浮力材分離保持部の着地点到達の時点を、(5)のt=t4は機体本体停止の時点を、(6)のt=t5は機体本体の停止位置水深調整後の時点を、それぞれ示した。
図10では、ライン接続部に張力が働くのは、Cの着地後になる場合の実施例を示したが、Cの着地前にライン接続部に張力が働くようにライン接続部の長さを調整し、Cの着地時にCに作用する衝撃力を低減することも可能である。請求項2の特許は、Cの海面到達地時のBとCとの相対位置関係と、両者に作用する衝撃力を考慮して、計画水深での機体の停止を可能にしている。
請求項3の実施の形態としては、機体本体内に、カメラ、レーダー、センサーなどの搭載に加え、データ処理装置、データ格納装置、通信装置などを搭載することもある
請求項4の実施の形態としては、機体本体に、マニピュレータ、クレーン、ショベルなどに加え、制御装置、位置測定装置、画像処理装置、各種の建設機械、工具などを搭載することもある。
請求項1のベースとなる実施形態として、機体の下降開始から下降停止までのバラスト重量調整の処理フローの一実施例を示す。 バラスト重量調整に用いる機体の速度と水深の変化の時系列データの一例を示す。 バラスト重量調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項1の実施形態として、下降中の機体からバラスト分離保持部を分離し、停止するまでの機体本体、バラスト分離保持部及びライン接続部の動きの時間経過の一例を示す。 バラスト分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度とっ到達水深の変化の時系列データの一例を示す。 バラスト分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項2のベースとなる実施形態として、機体の上昇開始から上昇停止までの浮力材容量調整の処理フローの一実施例を示す。 浮力材容量調整に用いる機体の速度と水深の変化の時系列データの一例を示す。 浮力材容量調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。 請求項2の実施形態として、上昇中の機体から浮力材分離保持部を分離し、停止するまでの機体本体、浮力材分離保持部及びライン接続部の動きの時間経過の一実施例を示す。 浮力材分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と到達水深の変化の時系列データの一例を示す。 浮力材分離処理とライン長さ調整に用いる機体の速度と流体抵抗の関係データの一例を示す。

Claims (6)

  1. 自由降下を行う海中輸送機において、降下中に計画した水深で停止させるために、
    機体内部に、
    バラストを保持するバラスト保持部、
    該バラスト保持部の重量を調整するバラスト重量調整機構部、及び、
    該バラスト重量調整機構部に重量調整の指示をするバラスト重量調整指示部
    を有し、
    該重量調整指示部は、
    バラストを低減する量とタイミングの指示データを、
    機体の下降速度と到達水深の時系列推定結果を基に作成し、
    該指示データを該バラスト重量調整機構部に送り
    該バラスト重量調整機構部は、
    該バラスト重量調整指示部の指示に従い、
    該バラスト保持部のバラスト低減を行ない、
    停止制御処理を実行することを特徴とする海中輸送機。
  2. 自由降下を行う海中輸送機において、降下中に計画した水深で停止させるために、
    機体内部に、
    機体本体と分離可能なバラストを保持するバラスト分離保持部、
    該バラスト分離保持部を該機体本体から分離するバラスト分離機構部、
    該バラスト分離機構部に分離処理の指示を行うバラスト分離指示部、
    分離処理後の該バラスト分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
    該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
    該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
    を有し、
    該バラスト分離指示部は、
    該バラスト分離保持部の重量と分離処理実行タイミングの分離指示データを該バラスト分離機構部に送り、
    該バラスト分離機構部は、
    該分離指示データを用い、該バラスト分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
    該ライン長さ調整指示部は、
    該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
    該ライン長さ調整機構部は、
    該調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
    停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機。
  3. 自由浮上を行う海中輸送機において、上昇中に計画した水深で停止させるために、
    機体内部に、
    浮力材を保持する浮力材保持部、
    該浮力材保持部の容量を調整する浮力材容量調整機構部、及び、
    該浮力材容量調整機構部に容量調整の指示をする浮力材容量調整指示部
    を有し、
    該浮力材容量調整指示部は、
    浮力材を低減する量とタイミングの指示データを、
    機体の上昇速度と到達水深の時系列推定結果を基に作成し、
    該指示データを該浮力材容量調整機構部に送り
    該浮力材容量調整機構部は、
    該浮力材容量調整指示部の指示に従い、
    該浮力材保持部の浮力材低減を行ない、
    停止制御処理を実行することを特徴とする海中輸送機。
  4. 自由浮上を行う海中輸送機において、上昇中に計画した水深で停止させるために、
    機体内部に、
    機体本体と分離可能な浮力材を保持する浮力材分離保持部、
    該浮力材分離保持部を該機体本体から分離する浮力材分離機構部、
    該浮力材分離機構部に分離処理の指示を行う浮力材分離指示部、
    分離処理後の該浮力材分離保持部と該機体本体とをラインで接続するライン接続部、
    該ライン接続部のライン長さを調整するライン長さ調整機構部、ならびに、
    該ライン長さ調整機構部に長さ調整の指示を行うライン長さ調整指示部
    を有し、
    該浮力材分離指示部は、
    該浮力材分離保持部の浮力と分離処理実行タイミングの分離指示データを該浮力材分離機構部に送り、
    該浮力材分離機構部は、
    該分離指示データを用い、該浮力材分離保持部の該機体本体からの分離を行い、
    該ライン長さ調整指示部は、
    該ライン接続部のライン長さと調整処理タイミングの調整指示データを該ライン長さ調整機構部に送り、
    該ライン長さ調整機構部は、
    該調整指示データを用い、該ライン接続部のライン長さ調整を行い、
    停止制御処理の実行と共に、停止後の停止位置水深の微調整を可能にすることを特徴とする海中輸送機。
  5. 請求項2に記載した海中輸送機で、計画した水深で海中観測を行うために、観測装置を備えたもの。
  6. 請求項2に記載した海中輸送機で、計画した水深で採鉱作業を行うために、採鉱装置を備えたもの。
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