JP2019030954A - 工作機械、および、工具の摩耗の度合いを算出する方法 - Google Patents

工作機械、および、工具の摩耗の度合いを算出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを推定することができる工作機械を提供する。【解決手段】工作機械は、ワークを加工するための工具と、ワークまたは工具を回転するための主軸と、工具または主軸にかかる負荷を検知するための検知部と、工作機械を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、工具を用いてワークを加工する際、工具がワークと接触してから非接触状態となるまでの間における負荷の変化の度合いに基づいて、工具の摩耗の度合いを算出する。【選択図】図5

Description

本開示は、工作機械における工具の摩耗の度合いを推定するための技術に関する。
工作機械内の工具の摩耗が進むと様々な問題が生じる。たとえば、所望する加工精度が得られなかったり、工具の破損によって工作機械が故障したりする。これらの問題に対処するために、工具の摩耗の度合いを推定するための技術が開発されている。
工具の摩耗の度合いを推定するための技術に関し、特開2017−24112号公報(特許文献1)は、「予め加工負荷等の事前データを用意する必要がなく、工具の状態を簡単に把握できる」工作機械を開示している。当該工作機械は、工具の摩耗が進むと工具に作用する負荷が増大することに着目して、当該負荷の平均値が所定閾値を超えた場合に工具が摩耗していると判断する。
特開2017−24112号公報
ところで、加工幅などの加工条件が変わると、工具や主軸に作用する負荷も変化する。特許文献1に開示される工作機械は、主軸に作用する負荷に着目して工具が摩耗しているか否かを判断するため、加工条件が変わった場合には工具の摩耗を正確に判断することができない。したがって、加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを推定することが望まれている。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを推定する工作機械を提供することである。他の局面における目的は、加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを算出する算出方法を提供することである。
ある局面に従うと、工作機械は、ワークを加工するための工具と、上記ワークまたは上記工具を回転するための主軸と、上記工具または上記主軸にかかる負荷を検知するための検知部と、上記工作機械を制御するための制御装置とを備える。上記制御装置は、上記工具を用いて上記ワークを加工する際、上記工具が上記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における上記負荷の変化の度合いに基づいて、上記工具の摩耗の度合いを算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記変化の度合いが大きいほど上記摩耗の度合いが大きくなるように当該摩耗の度合いを算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記変化の度合いに基づいて、上記工具の寿命をさらに推定する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記工具が上記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間の所定時間において上記検知部によって検知された負荷の平均値を順次算出し、当該平均値の単位時間当たりの変化量を上記変化の度合いとして算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記検知部によって検知された負荷の単位時間当たりの変化量を上記変化の度合いとして算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記変化の度合いが予め定められた閾値を超えたことに基づいて、上記工作機械を停止する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記工具が上記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における上記負荷の分散値をさらに算出し、当該分散値と上記変化の度合いとに基づいて、上記摩耗の度合いを算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記工具が上記ワークに接触した所定時間後から、上記工具が上記ワークから離れる所定時間前までの間における上記負荷の変化の度合いに基づいて、上記摩耗の度合いを算出する。
ある局面に従うと、上記制御装置による上記摩耗の度合いの算出処理は、上記工具の新品状態からの使用量が所定量を超えた後に実行される。
ある局面に従うと、工具の摩耗の度合いを算出するための算出方法は、ワークまたは工具を回転するための主軸を駆動し、上記工具が上記ワークを加工するステップと、上記工具または上記主軸にかかる負荷を検知するステップと、上記工具が上記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における上記負荷の変化の度合いに基づいて、上記工具の摩耗の度合いを算出するステップとを備える。
ある局面において、加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを推定することができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
実施の形態に従う工作機械の一例を示す図である。 ワークWの加工態様の一例を示す図である。 図2に示される加工態様をZ方向から表わす図である。 未使用の工具で加工を行った場合における工具負荷の推移を示す図である。 摩耗が進んでいる工具で加工を行った場合における工具負荷の推移を示す図である。 実施の形態に従う工作機械の機能構成の一例を示す図である。 工具の加工回数と、工具にかかる負荷と、負荷変化率との関係をグラフで示す図である。 工具の摩耗の度合いを推定するための推定処理を表わすフローチャートである。 実施の形態に従う工作機械の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<A.工作機械100の構成>
図1を参照して、工作機械100の構成について説明する。図1は、工作機械100の一例を示す図である。
図1には、マシニングセンタとしての工作機械100が示されている。以下では、マシニングセンタとしての工作機械100について説明するが、工作機械100は、マシニングセンタに限定されない。たとえば、工作機械100は、旋盤であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。
図1に示されるように、工作機械100は、主軸頭21を有する。主軸頭21は、主軸22と、ハウジング23とで構成されている。主軸22は、ハウジング23の内部に配置されている。主軸22には、被加工物であるワークを加工するための工具が装着される。図1の例では、エンドミルとしての工具32が主軸22に装着されている。
主軸頭21は、ボールねじ25に沿ってZ軸方向に駆動可能に構成されている。ボールねじ25にはサーボモータなどの駆動源が接続されている。当該駆動源は、ボールねじ25を駆動することで主軸頭21を移動させ、Z軸方向の任意の位置に主軸頭21を移動する。
主軸22には、回転制御のための駆動源(たとえば、主軸モータ)が接続される。当該駆動源は、Z軸方向(鉛直方向)に平行な中心軸AX1を中心に主軸22を回転駆動する。主軸22に装着された工具32は、主軸22の回転に伴って中心軸AX1を中心に回転する。なお、工作機械100が旋盤である場合には、主軸22には、ワークが装着される。この場合、主軸22の回転に伴って、主軸22に装着されたワークが回転する。
工作機械100は、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)30をさらに有する。自動工具交換装置30は、マガジン31と、押出し機構33と、アーム36とで構成されている。マガジン31は、ワークを加工するための種々の工具32を収容するための装置である。マガジン31は、複数の工具保持部34と、スプロケット35とで構成されている。
工具保持部34は、種々の工具32を保持可能なように構成されている。複数の工具保持部34は、スプロケット35の周囲に環状に配列されている。スプロケット35は、モータ駆動により、X軸に平行な中心軸AX2を中心に回転可能に設けられている。スプロケット35の回転に伴って、複数の工具保持部34が中心軸AX2を中心に回転移動する。
自動工具交換装置30は、工具の交換命令を受けたことに基づいて、マガジン31から装着対象の工具32を抜き取り、当該工具32を主軸22に装着する。より具体的には、自動工具交換装置30は、目的の工具32を保持する工具保持部34を押出し機構33の前に移動する。次に、押出し機構33は、アーム36による交換位置に向けて目的の工具32を押し出す。その後、アーム36は、目的の工具32を工具保持部34から抜き取るとともに、現在装着されている工具32を主軸22から抜き取る。その後、アーム36は、これらの工具32を保持した状態で半回転し、目的の工具32を主軸22に装着するとともに、元の工具32を工具保持部34に収容する。これにより、工具32の交換が行われる。
工作機械100は、加工対象のワークをXY平面上で移動するための移動機構50をさらに有する。移動機構50は、ガイド51,53と、ボールねじ52,54と、ワークを設置するためのテーブル55とで構成されている。
ガイド51は、Y軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51上に設けられており、X軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51に沿って駆動可能に構成されている。テーブル55は、ガイド53上に設けられており、ガイド53に沿って駆動可能に構成されている。
ボールねじ52にはサーボモータなどの駆動源が接続されている。当該駆動源は、ボールねじ52を駆動することでガイド53をガイド51に沿って移動し、Y軸方向の任意の位置にガイド53を移動する。同様に、ボールねじ54にもサーボモータなどの駆動源が接続されている。当該駆動源は、ボールねじ54を駆動することでテーブル55をガイド53に沿って移動し、X軸方向の任意の位置にテーブル55を移動する。すなわち、工作機械100は、ボールねじ52,54のそれぞれに接続される駆動源を協働して制御することで、XY平面上の任意の位置にテーブル55を移動する。これにより、工作機械100は、XY平面上でワークを移動させながら加工を行うことができる。
テーブル55上のワークWの設置部分には、動力計110が設けられる。動力計110は、工具32がワークWに及ぼす力を検知することで、主軸22または工具32にかかる負荷を間接的に検知する。詳細については後述するが、検知された負荷は、工具32の摩耗を推定するために用いられる。なお、主軸22または工具32にかかる負荷を検知するためのセンサは、動力計110に限定されず、種々のセンサ(検知部)が採用される。
<B.ワークの加工態様>
図2および図3を参照して、工具32によるワークWの加工態様について説明する。図2は、ワークWの加工態様の一例を示す図である。図3は、図2に示される加工態様をZ方向から表わす図である。
図2および図3には、エンドミルとしての工具32が示されている。工具32は、その側面に複数の刃を有し、回転しながらワークWに接触することでワークWを削りながら加工を行う。
図2および図3の例では、工具32は、加工経路Lに沿ってワークWを繰り返し切削している。より具体的には、ワークWは、Y軸方向における加工幅wyごとに区分されており、Z軸方向において加工幅wzごとに区分されている。工具32は、加工幅wy,wzの領域ごとに繰り返しワークWを切削している。このように、工具32は、加工経路Lに沿ってワークWを順次切削することでワークWを任意の形状に加工する。
以下では、説明の便宜のために、工具32がワークWに接触してから非接触状態となるまでの間において、工具32がワークWに対して移動する相対的な経路を「加工パス」ともいう。異なる言い方をすれば、「加工パス」とは、工具32がワークWに食いついてから工具32がワークWを抜けるまでの相対的な経路のことをいう。また、工具32とワークWとが非接触の状態で、工具32がワークWに対して移動する相対的な経路を「非加工パス」ともいう。図3には、加工パスLA1〜LA4と、非加工パスLB1〜LB4とが示されている。工具32の回転中心が加工パスLA1〜LA4を通過する際には、工具32はワークWと接触する。工具32の回転中心が非加工パスLB1〜LB4を通過する際には、工具32はワークWと接触しない。
<C.工具の摩耗度合いの算出処理>
発明者は、加工パスを通過中に工具32(または主軸22)にかかる負荷の変化の度合い(以下、「負荷変化率」ともいう。)が工具32の摩耗の度合いに相関することを新たに発見した。加えて、発明者は、加工幅などの加工条件が変化した場合であっても、工具32の送り量が同じであれば、負荷変化率に関しては変化しないことを新たに発見した。すなわち、工具32が加工パスを通過する際における負荷変化率に着目すると、加工条件の変化の影響を受けずに工具32の摩耗の度合いを推定することができる。このような負荷変化率に着目したこと自体が新規であり、発明者らの功績と言える。
なお、ここでいう「負荷」とは、主軸22または工具32に作用する力の大きさのことをいう。以下では、説明の便宜のために、主軸22または工具32に作用する負荷を「工具負荷」ともいう。工具負荷は、たとえば、被加工物であるワークを1mm除去する際に工具32の刃面1mm当たりに作用する力で表わされる。
「負荷変化率」とは、単位時間当たりにおける工具負荷の変化量のことをいう。当該単位時間の長さは任意である。負荷変化率は、たとえば、工具32(または主軸22)にかかる負荷の微分値(すなわち、傾き)に相当する。
以下では、図4および図5を参照して、負荷変化率に基づいた工具32の摩耗度合いの算出処理について説明する。
図4は、未使用の工具32で加工を行った場合における工具負荷の推移を示す図である。図4(A)には、加工中における工具負荷の時間的推移が示されている。図4(B)には、加工中における負荷変化率の時間的推移が示されている。
図4に示されるように、工具32が非加工パスLB1を通過する際、工具負荷は、略ゼロとなる。このとき、負荷変化率も、略ゼロとなる。
その後、工具32は、ワークWに接触する。その瞬間、工具負荷が急激に増大し、負荷変化率が急激に変化する。その後、工具32が加工パスLA1を通過する際、工具負荷は、多少の増減を繰り返しながら推移する。このとき、負荷変化率は、略ゼロとなる。このように、摩耗していない工具32を用いた場合には、加工パスLA1における負荷変化率が略ゼロとなる。
その後、工具32は、ワークWから離れる。その瞬間、工具負荷が急激に減少し、負荷変化率が急激に変化する。
その後、工具32が非加工パスLB2を通過する際、工具負荷は、略ゼロとなる。このとき、負荷変化率も、略ゼロとなる。
図5は、摩耗が進んでいる工具32で加工を行った場合における工具負荷の推移を示す図である。より詳細には、図5(A)には、加工中において工具負荷の時間的推移が示されている。図5(B)には、加工中における負荷変化率の時間的推移が示されている。
図5に示されるように、工具32が非加工パスLB1を通過する際、工具負荷は、略ゼロとなる。このとき、負荷変化率も、略ゼロとなる。
その後、工具32は、ワークWに接触する。その瞬間、工具負荷が急激に増大し、負荷変化率が急激に変化する。その後、工具32が加工パスLA1を通過する際、工具負荷は、多少の増減を繰り返しながら増大していく。すなわち、負荷変化率は、ゼロよりも大きい所定値で推移する。このように、摩耗が進んでいる工具32で加工を行った場合における負荷変化率は、摩耗が進んでいない工具32で加工を行った場合における負荷変化率よりも大きくなる。一方で、加工幅などの加工条件が変化したことによっては、負荷変化率は変化しない。
この点に着目して、工作機械100は、工具32が加工パスを通過している間における負荷変化率に基づいて、工具32の摩耗の度合いを算出する。すなわち、工作機械100は、工具32を用いてワークWを加工する際、工具32がワークWと接触してから非接触状態となるまでの間における負荷変化率に基づいて、工具32の摩耗の度合いを算出する。典型的には、工作機械100は、負荷変化率が大きいほど工具32の摩耗の度合いが大きくなるように当該摩耗の度合いを算出する。
工具32の摩耗の度合いは、たとえば、所定の演算式に基づいて算出される。当該演算式は、少なくとも負荷変化率を説明変数とし、工具32の摩耗の度合いを目的変数とする。一例として、当該演算式は、下記式(1)で規定される。
w=a・x+z・・・(1)
式(1)に示される「w」は、工具32の摩耗の度合いを表わす。「x」は、加工パスの通過中における負荷変化率を表わす。「a」は、正数の定数を表わす。「z」は、定数を表わす。定数「a」,「z」は、学習処理などで予め最適化されてもよいし、設計時などに予め設定されていてもよい。定数「z」はゼロであってもよい。
なお、上述では、負荷変化率と工具32の摩耗の度合いとの相関関係が演算式で規定されている前提で説明を行ったが、これらの相関関係は、テーブル形式で予め規定されていてもよい。この場合、当該テーブルには、負荷変化率ごとに工具32の摩耗の度合いが関連付けられる。
また、上述では、負荷変化率が工具負荷から直接的に算出される例について説明を行ったが、負荷変化率は、工具負荷の移動平均から算出されてもよい。より具体的には、工作機械100は、工具32がワークWと接触してから非接触状態となるまでの間の所定時間において工具負荷の平均値を順次算出し、当該平均値の単位時間当たりの変化量を負荷変化率として算出する。異なる言い方をすれば、工作機械100は、工具32が加工パスを通過中に検知された工具負荷の移動平均を算出し、当該移動平均の微分値を負荷変化率として算出する。これにより、工作機械100は、突発的な工具負荷の変化を吸収することができ、工具32の摩耗の度合いを算出する際にノイズの影響を受けにくくなる。
また、上述では、エンドミルとしての工具32で加工を行う前提で説明を行ったが、工具32は、エンドミルに限定されない。工具32は、平面加工を行うための切削工具であればよく、たとえば、フライスであってもよい。
<D.変形例>
上述では、式(1)が1つの説明変数で規定されている前提で説明を行ったが、上記式(1)は、工具32の摩耗の度合いに相関する様々な説明変数を含んでもよい。一例として、当該説明変数として、加工パスの通過中に検知された工具負荷の分散値が追加されてもよい。この場合、工具32の摩耗の度合いは、たとえば、下記式(2)に基づいて算出される。
w=a・x+b・y+z・・・(2)
式(2)に示される「w」は、工具32の摩耗の度合いを表わす。「x」は、工具32が加工パスを通過している間における負荷変化率を表わす。「y」は、加工パスの通過中における工具負荷の分散値を表わす。「a」,「b」は、正数の定数を表わす。「z」は、定数を表わす。定数「a」,「b」,「z」は、学習処理などで予め最適化されてもよいし、設計時などに予め設定されていてもよい。定数「z」はゼロであってもよい。
このように、工作機械100は、加工パスの通過中に検知された工具負荷の分散値を算出し、当該分散値と負荷変化率とに基づいて、工具32の摩耗の度合いを算出する。典型的には、工作機械100は、当該分散値および負荷変化率が大きいほど工具32の摩耗の度合いが大きくなるように当該摩耗の度合いを算出する。工具32の摩耗の度合いに相関する様々な指標を総合的に考慮することにより、工作機械100は、工具32の摩耗の度合いをより正確に推定することができる。
<E.除去処理1>
図4および図5で説明したように、工具32がワークWに接触したとき、および、工具32がワークWから離れるときにおいて、負荷変化率は大きく変化する。このような負荷変化率は、工具の摩耗を算出する上ではノイズになり得る。そのため、工作機械100は、工具32がワークWに接触したタイミングを含む所定時間における負荷変化率と、工具32がワークWから離れるタイミングを含む所定時間における負荷変化率とを工具32の摩耗の度合いを算出する指標から除去する。
より具体的には、まず、工作機械100は、工具32がワークWに接触したタイミングを特定する。一例として、工作機械100は、負荷変化率が予め定められた閾値th1を超えたことに基づいて、工具32がワークWに接触したと判断する。図4および図5の例では、工具32がワークWに接触したタイミングとしてタイミングT1が特定される。工作機械100は、タイミングT1を含む時間ΔT1の間に算出された負荷変化率については工具32の摩耗の度合いを算出する指標としては用いない。
同様に、工作機械100は、工具32がワークWから離れるタイミングを特定する。一例として、工作機械100は、負荷変化率が予め定められた閾値th2を下回ったことに基づいて、工具32がワークWから離れたと判断する。図4および図5の例では、工具32がワークWから離れたタイミングとしてタイミングT2が特定される。工作機械100は、タイミングT2を含む時間ΔT2の間に算出された負荷変化率については工具32の摩耗の度合いを算出する指標としては用いない。
このように、工作機械100は、時間ΔT1の間に検知された負荷変化率と、時間ΔT2の間に検知された負荷変化率とを工具32の摩耗の度合いを算出するための指標から除去する。すなわち、工作機械100は、工具32がワークWに接触した所定時間後から、工具32がワークWから離れる所定時間前までの間における負荷変化率に基づいて、摩耗の度合いを算出する。これにより、工作機械100は、摩耗の度合いをより正確に推定することができる。
好ましくは、工作機械100は、負荷変化率と、工具負荷の分散値とを用いて工具32の摩耗の度合いを算出する場合(すなわち、上記式(2)を用いる場合)、負荷の分散値についても上述の除去処理を行う。より具体的には、時間ΔT1の間に検知された負荷分散値と、時間ΔT2の間に検知された負荷分散値とを工具32の摩耗の度合いを算出するための指標から除去する。これにより、工作機械100は、摩耗の度合いをさらに正確に推定することができる。
<F.除去処理2>
上述のように、工作機械100は、工具32が加工パスを通過している間における負荷変化率に基づいて、工具32の摩耗の度合いを算出する。このとき、工具32が新品の状態においては、負荷変化率が工具32の摩耗の度合いに相関しないことがある。このような負荷変化率は、工具32の摩耗の度合いを算出する上ではノイズになり得る。そのため、工作機械100は、工具32の新品状態からの使用量が所定量を超えるまでに得られた負荷変化率を、工具32の摩耗の度合いを算出する指標から除去する。言い方を変えれば、工作機械100は、工具32の新品状態からの使用量が所定量を超えた後に工具32の摩耗の度合いを算出する処理を開始する。れにより、工作機械100は、摩耗の度合いをさらに正確に推定することができる。
以下では、図7を参照して、工具32の新品状態において検知された負荷変化率の除去処理の具体例について説明する。図7は、工具32の加工回数と、工具32にかかる負荷と、負荷変化率との関係をグラフで示す図である。
図7に示されるグラフの横軸は、工具32の新品状態からの累積の加工回数を表わす。当該加工回数は、工具32の使用量を表わす1つの指標である。一例として、加工回数は、工具32がワークWに接触してから非接触状態となるまでを1回の加工回数としてカウントされる。すなわち、当該加工回数は、工具32が1つの加工パス(たとえば、図3に示される加工パスLA1〜LA4の1つ)を通過する度にカウントアップされる。
図7に示されるグラフの左側の縦軸は、工具32の負荷変化率を表わす。図7に示されるグラフの右側の縦軸は、工具32にかかる負荷を表わす。
図7に示されるように、新品状態時の使用量ΔN1の間に検知された負荷変化率は、安定しておらず、加工回数と相関していない。一方で、使用量ΔN2の間に検知された負荷変化率は、加工回数に応じて増加しており、工具32の摩耗の度合いと相関している。
このように、工具32が新品状態であるときに検知された負荷変化率は、工具32の摩耗の度合いを算出する上ではノイズになり得る。そのため、工作機械100は、工具32の新品状態からの使用回数が所定回数(たとえば、18回〜20回)を超えるまでに得られた負荷変化率を、工具32の摩耗の度合いを算出する指標から除去する。
工具32が新品状態であるか否かは、種々の方法で判断される。一例として、工作機械100は、加工停止時において、マガジン31(図1参照)に工具32が装着されたことに基づいて、新品の工具32に交換されたと判断する。あるいは、工作機械100は、新品の工具32に交換されたことを示すユーザ操作(たとえば、工具32の交換完了操作)を受け付けたことに基づいて、新品の工具32に交換されたと判断してもよい。工作機械100は、新品の工具32に交換されたことを検知したことに基づいて、工具32についてカウントしている累積の加工回数をリセットする。
なお、上述では、除去対象の負荷変化率が工具32の累積の加工回数に基づいて決定される例について説明を行ったが、工具32の使用量を示す指標であれば、その他の指標が用いられてもよい。一例として、工具32の使用量を示す指標として、工具32の使用時間が用いられてもよい。この場合、摩耗の度合いの算出処理は、工具32の新品状態からの使用時間量が所定時間を超えた後に実行される。
<G.工作機械100の機能構成>
図6を参照して、工作機械100の機能について説明する。図6は、工作機械100の機能構成の一例を示す図である。
工作機械100は、制御装置101と、記憶装置120とを含む。制御装置101は、たとえば、NC(Numerical Control)プログラムを実行可能なNC制御装置である。NC制御装置は、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、負荷取得部152と、除去部154と、変化量算出部156と、摩耗推定部158と、寿命推定部160と、異常判断部162とを含む。
負荷取得部152は、動力計110(図1参照)などの負荷検知部から工具負荷を取得する。取得された工具負荷は、カウント値などの時間を表わす情報に対応付けられた上で工具負荷(t)として除去部154に出力される。
除去部154は、負荷取得部152によって取得された工具負荷(t)の内から、工具32の摩耗の度合いを算出する際にノイズとなるような工具負荷(t)を除去する。当該除去処理については上述の「E.除去処理1」および「F.除去処理2」で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。
変化量算出部156は、除去部154によって除去されなかった工具負荷(t)に基づいて、単位時間当たりの工具負荷(t)の変化量として負荷変化率(t)を算出する。負荷変化率(t)は、工具負荷(t)から直接的に算出されてもよいし、工具負荷(t)の移動平均から算出されてもよい。算出された負荷変化率(t)は、摩耗推定部158、寿命推定部160、および異常判断部162のそれぞれに出力される。
摩耗推定部158は、負荷変化率と工具32の摩耗の度合いとの関係を規定する相関関係124を参照して、負荷変化率(t)から工具32の摩耗の度合いを算出する。相関関係124は、たとえば、上記式(1)で規定されている。この場合、摩耗推定部158は、上記式(1)に示される説明変数「x」に負荷変化率(t)を代入することで、工具32の摩耗の度合いを算出する。好ましくは、相関関係124は、工具32の種類ごとに準備されている。
寿命推定部160は、負荷変化率に基づいて、工具32の寿命を推定する。ここでいう工具32の寿命とは、工具32の交換推奨タイミングまたは故障タイミングが到来するまでの期間の長さを意味する。あるいは、工具32の寿命とは、工具32の交換推奨タイミングまたは故障タイミングが到来するまでの使用可能回数を意味する。
上述のように、負荷変化率は、工具32の摩耗の度合いに相関する指標であるため、工具32の寿命にも相関する指標である。この点に着目して、寿命推定部160は、負荷変化率に基づいて、工具32の寿命を推定する。より具体的には、負荷変化率と工具32の寿命との相関関係125が予め規定されており、寿命推定部160は、当該相関関係125に基づいて、工具32の寿命を推定する。当該相関関係125は、少なくとも負荷変化率を説明変数とし、工具32の寿命を目的変数とする相関式で規定されてよいし、負荷変化率ごとに工具32の寿命が関連付けられたテーブル形式で規定されてもよい。寿命推定部160は、負荷変化率を指標とすることで、加工条件の変化の影響を受けずに工具32の寿命を推定することができる。
異常判断部162は、負荷変化率(t)が予め定められた閾値th3を超えた場合に、工具32の摩耗の度合いが限界値を超えたと判断し、工作機械100を停止する。閾値th3は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に設定されてもよい。工具32の摩耗の度合いが限界値を超えた状態で加工が行われると、工具32が破損する可能性が高くなり、その破損によって工作機械100が故障する可能性がある。このような故障が異常判断部162によって未然に防がれる。
<H.工作機械100の制御構造>
図8を参照して、工作機械100の制御構造について説明する。図8は、工具32の摩耗の度合いを推定するための推定処理を表わすフローチャートである。図8の処理は、工作機械100の制御装置101がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS10において、制御装置101は、工具32がワークWに接触したか否かを判断する。一例として、制御装置101は、負荷変化率が閾値th1(図4,図5参照)を超えた場合に、工具32がワークWに接触したと判断する。制御装置101は、工具32がワークWに接触したと判断した場合(ステップS10においてYES)、制御をステップS12に切り替える。そうでない場合には(ステップS10においてNO)、制御装置101は、ステップS10の処理を再び実行する。
ステップS12において、制御装置101は、上述の負荷取得部152(図6参照)として、動力計110(図1参照)などの負荷検知部から工具負荷を取得する。
ステップS20において、制御装置101は、工具32がワークWから離れたか否かを判断する。一例として、制御装置101は、負荷変化率が閾値th2(図4,図5参照)を下回った場合に、工具32がワークWから離れたと判断する。制御装置101は、工具32がワークWから離れたと判断した場合(ステップS20においてYES)、制御をステップS22に切り替える。そうでない場合には(ステップS20においてNO)、制御装置101は、制御をステップS12に戻す。
ステップS12,S20の処理が繰り返されることで、制御装置101は、工具32が加工パスを通過している間に検知された工具負荷を順次取得することができる。
ステップS22において、制御装置101は、上述の除去部154(図6参照)として、ステップS12で取得された工具負荷の内から、工具32の摩耗の度合いを算出する際にノイズとなるような工具負荷を除去する。当該除去処理については上述の「E.除去処理1」および「F.除去処理2」で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。
ステップS24において、制御装置101は、上述の変化量算出部156(図6参照)として、単位時間当たりの工具負荷の変化量(すなわち、負荷変化率)を算出する。
ステップS30において、制御装置101は、上述の異常判断部162(図6参照)として、ステップS24で算出された負荷変化率が予め定められた閾値を超えているか否かを判断する。制御装置101は、負荷変化率が予め定められた閾値を超えていると判断した場合(ステップS30においてYES)、制御をステップS32に切り替える。そうでない場合には(ステップS30においてNO)、制御装置101は、制御をステップS34に切り替える。
ステップS32において、制御装置101は、工作機械100の停止処理を実行する。これにより、工具32の摩耗の度合いが限界値を超えた状態での加工が停止され、工具32の破損やそれによって生じる工作機械100の故障などが未然に防がれる。
ステップS34において、制御装置101は、上述の摩耗推定部158(図6参照)として、負荷変化率に基づいて、工具32の摩耗の度合いを推定する。当該推定方法については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
ステップS36において、制御装置101は、上述の寿命推定部160(図6参照)として、負荷変化率に基づいて、工具32の寿命を推定する。当該推定方法については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
ステップS40において、制御装置101は、ワークの加工が終了したか否かを判断する。制御装置101は、ワークの加工が終了したと判断した場合(ステップS40においてYES)、図8に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS40においてNO)、制御装置101は、制御をステップS10に戻す。
なお、図8の例では、工具32が1つの加工パスを通過する度に工具32の摩耗の度合いや工具32の寿命を算出する例について説明を行ったが、工具32の摩耗の度合いや工具32の寿命は、ワークWの加工が終了した後に算出されてもよい。
<I.工作機械100のハードウェア構成>
図9を参照して、工作機械100のハードウェア構成の一例について説明する。図9は、工作機械100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
工作機械100は、主軸22と、ボールねじ25,52,54と、制御装置101と、ROM102と、RAM103と、通信インターフェイス104と、表示インターフェイス105と、入力インターフェイス109と、動力計110と、サーボドライバ111A〜111Dと、サーボモータ112A〜112Dと、エンコーダ113A〜113Dと、記憶装置120とを含む。
制御装置101は、工作機械100の加工プログラム122(NCプログラム)などの各種プログラムを実行することで工作機械100の動作を制御する。制御装置101は、加工プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からROM102に加工プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104には、LANやアンテナなどが接続される。工作機械100は、通信インターフェイス104を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、サーバーや、その他の通信端末などを含む。工作機械100は、当該通信端末から加工プログラム122をダウンロードできるように構成されてもよい。
表示インターフェイス105は、ディスプレイ130などの表示機器と接続され、制御装置101などからの指令に従って、ディスプレイ130に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ130は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。一例として、ディスプレイ130は、工具32の摩耗の度合いや、工具32の寿命や、工具32の摩耗の度合いが限界値を超えた場合の警告などを表示する。
入力インターフェイス109は、入力デバイス131に接続され得る。入力デバイス131は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザ操作を受け付けることが可能なその他の入力機器である。
サーボドライバ111Aは、制御装置101から目標回転数(または目標位置)の入力を逐次的に受け、サーボモータ112Aが目標回転数で回転するようにサーボモータ112Aを制御する。より具体的には、サーボドライバ111Aは、エンコーダ113Aのフィードバック信号からサーボモータ112Aの実回転数(または実位置)を算出し、当該実回転数が目標回転数よりも小さい場合にはサーボモータ112Aの回転数を上げ、当該実回転数が目標回転数よりも大きい場合にはサーボモータ112Aの回転数を下げる。このように、サーボドライバ111Aは、サーボモータ112Aの回転数のフィードバックを逐次的に受けながらサーボモータ112Aの回転数を目標回転数に近付ける。サーボドライバ111Aは、ボールねじ54に接続されるテーブル55(図1参照)をX軸方向に沿って移動し、テーブル55をX軸方向の任意の位置に移動する。
同様のモータ制御により、サーボドライバ111Bは、ボールねじ52に接続されるガイド53(図1参照)をY軸方向に沿って移動し、ガイド53上のテーブル55(図1参照)をY軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Cは、ボールねじ25に接続される主軸頭21(図1参照)をZ軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Dは、主軸22の回転数を制御する。
サーボドライバ111Dがサーボモータ112Dに出力する制御信号(電流値)は、工具負荷の大きさに相関する。そのため、制御装置101は、動力計110の出力値の代わりに、サーボドライバ111Dから出力される制御信号から工具負荷を検知してもよい。典型的には、制御装置101は、サーボドライバ111Dから出力される電流値をサーボモータ112Dの回転数で除算した結果を工具負荷として算出する。このように、工具負荷を検知するための構成には、動力計110やサーボドライバ111Dなど種々の検知部が採用され得る。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置120は、本実施の形態に従う加工プログラム122、上述の相関関係124,125(図6参照)、上述の閾値th1〜th3(図6参照)などを格納する。加工プログラム122、相関関係124,125、および閾値th1〜th3の格納場所は、記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュ領域など)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
加工プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う加工プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、加工プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが加工プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で工作機械100が構成されてもよい。
<J.利点>
以上のようにして、本実施の形態に従う工作機械100は、工具32を用いてワークWを加工する際、工具32がワークWと接触してから非接触状態となるまでの間における負荷の変化の度合い(すなわち、負荷変化率)に基づいて、工具32の摩耗の度合いを算出する。この間に検知される負荷変化率は、工具32の種類が同じであり、工具32の送り量(一刃が除去する被加工物の量)が同じであれば、加工幅などの加工条件が変化した場合であっても変化しない。工作機械100は、加工条件の変化の影響を受けにくい指標を用いて工具の摩耗の度合いを推定することで、工具32の摩耗の度合いを加工条件に関わらず正確に推定することができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
21 主軸頭、22 主軸、23 ハウジング、25,52,54 ボールねじ、30 自動工具交換装置、31 マガジン、32 工具、33 押出し機構、34 工具保持部、35 スプロケット、36 アーム、50 移動機構、51,53 ガイド、55 テーブル、100 工作機械、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、105 表示インターフェイス、109 入力インターフェイス、110 動力計、111A〜111D サーボドライバ、112A〜112D サーボモータ、113A〜113D エンコーダ、120 記憶装置、122 加工プログラム、124,125 相関関係、130 ディスプレイ、131 入力デバイス、152 負荷取得部、154 除去部、156 変化量算出部、158 摩耗推定部、160 寿命推定部、162 異常判断部。

Claims (10)

  1. 工作機械であって、
    ワークを加工するための工具と、
    前記ワークまたは前記工具を回転するための主軸と、
    前記工具または前記主軸にかかる負荷を検知するための検知部と、
    前記工作機械を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記工具を用いて前記ワークを加工する際、前記工具が前記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における前記負荷の変化の度合いに基づいて、前記工具の摩耗の度合いを算出する、工作機械。
  2. 前記制御装置は、前記変化の度合いが大きいほど前記摩耗の度合いが大きくなるように当該摩耗の度合いを算出する、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記制御装置は、前記変化の度合いに基づいて、前記工具の寿命をさらに推定する、請求項1または2に記載の工作機械。
  4. 前記制御装置は、前記工具が前記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間の所定時間において前記検知部によって検知された負荷の平均値を順次算出し、当該平均値の単位時間当たりの変化量を前記変化の度合いとして算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械。
  5. 前記制御装置は、前記検知部によって検知された負荷の単位時間当たりの変化量を前記変化の度合いとして算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械。
  6. 前記制御装置は、前記変化の度合いが予め定められた閾値を超えたことに基づいて、前記工作機械を停止する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 前記制御装置は、前記工具が前記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における前記負荷の分散値をさらに算出し、当該分散値と前記変化の度合いとに基づいて、前記摩耗の度合いを算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の工作機械。
  8. 前記制御装置は、前記工具が前記ワークに接触した所定時間後から、前記工具が前記ワークから離れる所定時間前までの間における前記負荷の変化の度合いに基づいて、前記摩耗の度合いを算出する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の工作機械。
  9. 前記制御装置による前記摩耗の度合いの算出処理は、前記工具の新品状態からの使用量が所定量を超えた後に実行される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の工作機械。
  10. 工具の摩耗の度合いを算出するための算出方法であって、
    ワークまたは工具を回転するための主軸を駆動し、前記工具が前記ワークを加工するステップと、
    前記工具または前記主軸にかかる負荷を検知するステップと、
    前記工具が前記ワークと接触してから非接触状態となるまでの間における前記負荷の変化の度合いに基づいて、前記工具の摩耗の度合いを算出するステップとを備える、算出方法。
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