JP2019029769A - ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び、情報処理装置 - Google Patents

ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び、情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び情報処理装置において、特に低濃度域における濃度ムラの発生を低減する。【解決手段】ディザマトリクス作成方法は、印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成方法であって、濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成するステップ(S2〜S9)を有し、この各階調値のパターンを作成するステップ(S2〜S9)では、少なくとも低濃度側の一部のパターンを、マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定(S2,S7)されるように作成する。【選択図】図3

Description

本発明は、ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
従来、インクを吐出するノズルがx方向に連なるノズル列を有するインクジェットヘッドを備え、印刷用紙をx方向に直交するy方向に搬送して紙面に画像を形成するインクジェット画像形成装置が知られている。
このインクジェット画像形成装置において、印字解像度を向上させるために、同色のインクを吐出する複数のノズル列をy方向に間隔を隔てて2次元的に配置する方法が知られている。
このような複数のノズル列を備える画像形成装置では、搬送される印字用紙がノズルの配列方向であるx方向に振動すると、ノズル列ごとにインクの着弾位置が異なるずれ方をして、印字面のドットピッチにムラが生じる。このピッチムラが特に低濃度域のベタ印字を行う部分で発生すると、y方向の搬送に伴う経時的なピッチムラの変化が、紙面上にx方向に連なる濃度のスジムラとして形成されてしまう。
この濃度ムラを抑制する方法として、ハーフトーン処理を行うディザマスクについて、ノズルの配列方向であるx方向においてノズル周期付近に空間周波数強度のピークを持たせて、濃度ムラを目立ちにくくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−176543号公報
しかしながら、ノズル周期付近に空間周波数強度のピークを持たせる上述の方法を用いても、ピッチムラの現象そのものは発生し、印字される画像や振動の程度によって、濃度ムラを抑制することができない。特に、低濃度域のベタ印字を行うような場合、濃度ムラが発生しやすい。
本発明は、特に低濃度域における濃度ムラの発生を低減することができる、ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することである。
1つの態様では、ディザマトリクス作成方法は、印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成方法であって、濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成するステップを有し、前記各階調値の前記パターンを作成するステップでは、少なくとも低濃度側の一部の前記パターンを、前記マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成する。
前記態様によれば、特に低濃度域における濃度ムラの発生を低減することができる。
一実施の形態における画像形成システムを示すブロック図である。 濃度ムラの発生を説明するための説明図である。 一実施の形態に係るディザマトリクス作成方法を説明するためのフローチャートである。 一実施の形態における最適化処理を説明するためのフローチャートである。 一実施の形態及び比較例における各階調値のパターンを示す図である。 図5のB部拡大図である。 一実施の形態の変形例に係るディザマトリクス作成方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態に係る、ディザマトリクス作成方法、プログラム、及び情報処理装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における画像形成システム100を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、ユーザ端末1及び画像形成装置101を備える。ユーザ端末1と画像形成装置101とは、インターフェース部50,150を介して無線又は有線により接続される。
ユーザ端末1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、表示部40と、インターフェース部50と、を備え、これらが例えばバスラインを介して接続されている。ユーザ端末1は、例えば、デスクトップパソコンなどの設置型端末であるか、或いは、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型端末である。
制御部10は、ユーザ端末1全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有し、このプロセッサが所定のプログラムを読み出して実行することにより後述するディザマトリクス作成の各処理等を行う。そのため、ユーザ端末1は、本実施の形態におけるコンピュータ(ディザマトリクス作成装置)として機能する。なお、画像形成装置101が画像形成を実行する度にディザマトリクス作成を逐一実施する必要はなく、予め作成したマトリクスをユーザ端末1が保持さえしていれば良い。
記憶部20は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read only memory)、制御部10が各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)、ハーディディスク装置などである。
入力部30は、例えばキーボード装置やマウス装置であり、ユーザによる各種の操作情報の入力を受け付ける。
表示部40は、ユーザに入力操作のための表示画面などを表示する。
インターフェース部50は、画像形成装置101などの他の装置との間での各種情報の授受を行う。
画像形成装置101は、制御部110と、記憶部120と、入力部130と、表示部140と、インターフェース部150と、印刷部160と、を備える。
制御部110は、画像形成装置101全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU)を有する。このプロセッサが所定のプログラムを読み出して実行することにより後述するディザマトリクスを使用したハーフトーン処理等の画像処理を行う。そのため、画像形成装置101は、本実施の形態における情報処理装置として機能する。なお、ハーフトーン処理等の画像処理は、ユーザ端末1によって行われてもよい。この場合、ユーザ端末1は、ディザマトリクス作成装置としてのみならず情報処理装置としても機能する。
記憶部120、入力部130、表示部140、及びインターフェース部150は、ユーザ端末1の記憶部20、入力部30、表示部40、及びインターフェース部50と例えば同様にすることができる。
印刷部160は、ハーフトーン処理等の画像処理が行われた印刷画像に基づき、ノズル列161,162からインクを吐出することによって印字を行う。なお、印刷部160によって印字が行われる被印刷媒体Mは、図示しない供給部(例えば給紙部)によって画像形成装置101内に供給され、搬送部170によって搬送されながら印刷が行われ、図示しない排出部(例えば排紙部)によって画像形成装置101から排出される。搬送部170は、例えば、被印刷媒体Mを搬送するためのローラや、このローラを駆動するモータ等を有する。なお、被印刷媒体Mは、ノズル列161,162に対して搬送方向(y方向)に相対的に移動すればよいため、ノズル列161,162が搬送方向(y方向)に移動してもよい。
図2は、濃度ムラの発生を説明するための説明図である。
ノズル列161,162は、被印刷媒体Mの搬送方向であるy方向に直交するx方向に連なる複数のノズル161a,162aを有する。ノズル列161,162は、y方向に互いに間隔Δyを隔ててノズル161a,162aが位置するように配置されている。なお、複数のノズル列161,162は、単一のインクジェットヘッドに配置されていてもよいし、複数のインクジェットヘッドに各々分かれて配置されていてもよい。
ノズル列161のノズル161aとノズル列162のノズル162aとは、配列方向であるx方向のノズルピッチが半分だけずれるように設けられている。この結果、単一のノズル列を用いる場合よりも倍の解像度で印字を行うことが可能になっている。なお、図2では、ノズル161aと、このノズル161aから被印刷媒体M上に吐出されたインクとを白抜きの黒い円で示し、ノズル162aと、このノズル162aから被印刷媒体M上に吐出されたインクとを黒く塗りつぶした円で示すが、図示上の便宜のためであって、ノズル161aとノズル162aとは同一色のインクを吐出する。
図2に示すノズル161a,162aの配列方向であるx方向に被印刷媒体Mが振動すると、それに伴いインクの着弾位置もx方向にずれる。ノズル列161とノズル列162とはΔyだけy方向に間隔を隔てて配置されているので、被印刷媒体M上の着弾位置の振動はノズル列161,162ごとに位相が異なる。結果、被印刷媒体M上に印字されるドットピッチに周期性のあるピッチムラが生じる。
このピッチムラが発生すると、ヒトの目には印字濃度の変化として認識される。さらに、被印刷媒体M上で隣り合うドットが重なり合って紙面上に占めるドット面積が変化すると、この濃度変化はより顕著になる。このように、ピッチムラの程度が被印刷媒体Mの振動によって変化すると、図2に示すように、ピッチムラが小さいほど濃度が濃くなり、ピッチムラが大きいほど濃度が薄くなるスジムラが振動方向であるx方向に延びるように被印刷媒体Mの印字面に発生する。
そこで、本実施の形態では、ピッチムラによる濃度変化が生じやすい低濃度域において、複数のノズル列161,162のうち一方のみを使用して印字を行うことによって、ノズル列161,162間のピッチムラ現象に起因する被印刷媒体Mの濃度ムラの発生を低減し、良好なプリント出力を実現する。
図3は、本実施の形態に係るディザマトリクス作成方法を説明するためのフローチャートである。
図3に示す各処理は、ユーザ端末1の制御部10が所定のプログラムを読み出して実行することにより行う。
制御部10は、N×Mのマトリクスを用意する処理(ステップS1)の後、初期濃度giに対応する初期濃度パターンを作成する処理(ステップS2,S3の「初期パターン作成」)、並びに、初期濃度giよりも高濃度の階調値のパターンを漸次作成する処理(ステップS4〜S6の「シャドー側作成」)及び初期濃度giよりも低濃度の階調値のパターンを漸次作成する処理(ステップS7〜S9の「ハイライト側作成」)を行う。なお、低濃度の階調値のパターンの作成処理(ステップS7〜S9)のタイミングは、初期濃度パターンを作成する処理(ステップS2,S3)の後であれば、高濃度の階調値のパターンの作成処理(ステップS4〜S6)よりも先に行ってもよい。
まず、制御部10は、ディザマトリクスを記憶部20に格納するための配列を定義し、記憶部20にマトリクスを格納する領域を確保することで、M×N(例えば、32×32)のマトリクスを用意する(ステップS1)。
ここで、本実施の形態の特徴の1つは、初期濃度giのパターン(マスク)の作成条件にあり、この作成条件の一例としては、ノズル列161,162の数に合わせて、マトリクスを偶数列と奇数列との2つの領域に分け、いずれか一方の領域を禁則領域としてドットを配置しないという条件である。この条件下で、制御部10は、初期濃度giに対応する数のドット(例えば、256階調のマトリクスを作成する場合、gi×(N×M)/256個)をマトリクス上にランダムに配置し(ステップS2)、最適化処理を実行する(ステップS3)。
初期濃度giは、例えば予めユーザが決めておいた値であるが、本実施の形態で説明する一例では、256の階調値のうち96である。図5及びそのB部拡大図である図6に示すように、初期濃度のパターンP(96)は、同濃度の比較例のパターンP1(96)とは異なり、偶奇列の一方(すなわちx方向に2列間隔)に禁則領域Aが設けられている。初期濃度giは、パターンP(gi)の禁則領域にドットが配置されないように、例えば、256の階調値の中間の128又はそれよりも低濃度側の値とするとよい(gi≦256/2)。
図4は、最適化処理(図3のステップS3,S5,S8)を説明するためのフローチャートである。
図4に示す制御部10の各処理は、パターンの品質を評価値Eとして定量化し、この評価値Eが例えば最良となるパターンを探索するプロセスである。なお、評価値Eの評価方法は、公知の任意の手法により行えばよい。
まず、制御部10は、ステップS2,S4,S7においてランダムに加えられる(又は間引かれる)ドットのうち一部のドットの位置を変更する(ステップS11)。
次に、制御部10は、ドットの位置を変更した前後で評価値Eの変化量ΔEが改善するかを判定する(ステップS12)。制御部10は、変化量ΔEが改善していれば(ステップ12:YES)、変更後のパターンを採用し(ステップS13)、変化量ΔEが改善していなければ(ステップ12:NO)、変更後のパターンを採用しない。
そして、制御部10は、ステップS11〜S13の処理を評価値Eが収束するまで繰り返すことで(ステップS14)、粒状感が最小となる空間周波数特性を持つパターン、すなわち印字品質が最良のパターンを導き出す。なお、変化量ΔEによる変更の採用判断と評価値Eの収束は、山登り法、シミュレーテッド・アニーリング、遺伝的アルゴリズムなどの公知の任意の手法により判定すればよい。また、印字品質が最良のパターンを導き出す過程で、変化量ΔEが改善していない場合(ステップS12:NO)でも変更後のパターンの採用(ステップS13)を行ってもよい。
なお、初期濃度giに対応する数のドットを禁則領域以外にランダムに配置する処理(S2)に対応する最適化処理(ステップS3)においては、制御部10は、配置するドットの位置を変更する処理(ステップS11)を行う場合、変更後のドット位置は禁則領域Aを除外するようにする。
図3のフローチャートに戻り、制御部10は、初期濃度giのマトリクス(パターン)に1階調分の差分数のドットをランダムに配置して濃度g+1のパターンを作成する(ステップS4)。また、制御部10は、配置するドットの位置を適宜変更しながら上述の最適化処理(ステップS11〜S14)を行う(ステップS5)。そして、制御部10は、ステップS4,S5の処理を最大濃度のパターンを作成するまで繰り返す(ステップS6)。なお、図5の、初期濃度よりも高濃度の階調値のパターンP(128),P(160),P(192),P(224)に示すように、差分ドットは禁則領域Aにも配置されていき、比較例のパターンP1(128),P1(160),P1(192),P1(224)と同様に、粒状感の少ないパターンになる。
次に、制御部10は、初期濃度giのマトリクスから差分数のドットをランダムに間引いて濃度g−1のパターンを作成する(ステップS7)。また、制御部10は、間引くドットの位置を適宜変更しながら上述の最適化処理(ステップS11〜S14)を行う(ステップS8)。そして、制御部10は、ステップS7,S8の処理を最小濃度のパターンを作成するまで繰り返す(ステップS9)。なお、図5の、初期濃度よりも低濃度の階調値のパターンP(64),P(32)に示すように、差分ドットは間引かれていくため、比較例のパターンP1(64),P1(32)とは異なり、禁則領域Aには差分ドットは配置されない。
以上により、初期濃度のパターンP(96)及びこの初期濃度よりも低濃度のパターン(例えばP(64),P(32))の禁則領域Aにドットが配置されないディザマトリクスが作成される。
図1に示す画像形成装置101の制御部110(又はユーザー端末1の制御部10)は、作成されたディザマトリクスを使用して、元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、被印刷媒体M上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定する。なお、ハーフトーン処理は、公知の任意の手法により行えばよい。
そして、制御部110(又は制御部10)は、上記のドット形成状態に基づき、印刷部160のノズル列161,162のノズル161a,161bによるインクの吐出を制御する。
ここで、制御部110(又は制御部10)は、所定の頻度で、画像データに対してディザマトリクスをノズル161a,161bの配列方向であるx方向に例えば1ピクセルずつずらしてハーフトーン処理を行うか或いは禁則領域Aの位置が偶奇列逆転した他のディザマトリクスに切り替えてハーフトーン処理を行うとよい。上記所定の頻度は、例えば、画像形成装置101のカウンタから取得される所定印刷枚数ごと(例えば、100枚ごと、1枚ごとなど)、印刷ジョブごとなどである。また、制御部10は、画像形成装置101の機種(特性)ごと、或いは、画像形成装置101に設定される印刷モード(例えば、写真モード又は文書モード)ごとなど、用途ごとに複数のディザマトリクスを作成するとよい。この複数のディザマトリクスは、例えば、互いに異なる初期濃度のマトリクス(パターン)から作成されたものである。
なお、本実施の形態では、印刷部160が2つのノズル列161,162を有する例を説明しているため、禁則領域Aを2列ごとに設定する例を説明したが、禁則領域Aは、禁則領域A以外の非禁則領域がノズル列161,162の数の列ごとになるように設定されるとよい。あるいは、非禁則領域が2以上の列ごとになるようにさえ設定されれば、後述する効果は十分に得られる。
例えば、禁則領域Aは、ノズル列が3列であれば2列ごと又は3列ごとに2列ずつ設定され、ノズル列が4列であれば2列ごと又は3列ごとに2列ずつまたは4列ごとに3列ずつに設定されるとよい。
図7は、変形例に係るディザマトリクス作成方法を説明するためのフローチャートである。
上述の説明では、初期濃度のパターンP(96)の禁則領域Aにドットが配置されない例を説明したが、本変形例では、初期濃度において、比較例のパターンP1(96)のように禁則領域Aにもドットが配置され、低濃度側のパターンを作成する過程で、禁則領域Aから優先的にドットが間引かれる。
すなわち、図7に示す各処理(ステップS21〜S29)では、ステップS22,S23において、制御部10は、初期濃度giに対応する数のドットを、図3に示すステップS2,S23のように禁則領域A以外にランダムに配置するのではなく、禁則領域Aを除外せずにランダムに配置する。
また、制御部10は、ステップS27において、差分数のドットを間引く際に、禁則領域Aから優先的にドットをランダムに間引くようにする。なお、最適化処理(ステップS28)における間引くドットの位置を変更する処理(ステップS11)を行う場合にも、間引くドットは禁則領域Aから優先的に間引くようにする。
その他のステップS21,S24〜S26,S29は、上述のステップS1,S4〜S6,S9と同様にすることができるため、詳細な説明は省略する。
本変形例のように、低濃度側のパターンを作成する際に禁則領域Aから優先的に差分ドットを間引くことによって、初期濃度のパターンに禁則領域Aを設定しなくとも、低濃度側のパターンの禁則領域Aに対応する領域にドットの配置が抑制され、低濃度側のパターンを順次作成していく過程で途中から、禁則領域Aにドットの配置が禁止されたパターンを作成することができる。
以上説明した本実施の形態では、ディザマトリクス作成方法は、印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成方法であって、濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成するステップ(S2〜S9又はS22〜S29)を有し、この各階調値のパターンを作成するステップ(S2〜S9又はS22〜S29)では、少なくとも低濃度側の一部のパターンを、マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域Aが設定されるように作成する。これにより、文書のベタ部分などの低濃度側のパターンに対応する印字を行う際に、禁則領域Aに対応するノズル列161及びノズル列162のうち一方を用いずに印字を行うことができるため、ノズル161a,162aの配列方向であるx方向の振動に起因するノズル161aによる印字位置とノズル162aによる印字位置との間のピッチムラの発生を防ぐことができる。よって、本実施の形態によれば、特に低濃度域における濃度ムラの発生を低減することができる。一方、文書の文字や線などの高濃度側のパターン、すなわち禁則領域Aにドットが配置されたパターンに対応する印字を行う際には、ノズル列161及びノズル列162の両方を用いて印字を行うことになるため、ノズル列161,162を複数配置することによる高解像度化を活かすことができる。
また、本実施の形態では、各階調値のパターンを作成するステップ(S2〜S9又はS22〜S29)は、任意の初期濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、初期濃度パターンP(96)を作成するステップ(S2,S3又はS22,S23)と、初期濃度パターンP(96)から漸次差分ドットを追加配置し、最適化処理を実行することによって、初期濃度よりも高濃度の階調値のパターン(P(128)、P(160)、P(192)、P(224)など)を漸次作成するステップ(S4〜S6又はS24〜S26)と、初期濃度パターンP(96)から漸次差分ドットを間引き、最適化処理を実行することによって、初期濃度よりも低濃度の階調値のパターン(P(64)、P(32)など)を漸次作成するステップ(S7〜S9又はS27〜S29)と、を含み、禁則領域Aを、初期濃度パターンP(96)に設定するか(ステップS2)、或いは、初期濃度パターンから差分ドットを優先的に間引く領域として設定する(ステップS27)。これにより、初期濃度パターンP(96)に禁則領域Aを設定した場合、初期濃度よりも低濃度側のパターン(例えばP(64)、P(32))では初期濃度パターンP(96)からドットが間引かれていくため禁則領域Aにドットが配置されず、低濃度域における濃度ムラの発生を低減することができる。また、禁則領域Aが設定されない初期濃度パターンから差分ドットを間引く際に、優先的に禁則領域Aからドットを間引く場合でも、同様に、低濃度域における濃度ムラの発生を低減することができる。更には、初期濃度を変更して複数のディザマトリクスを作成する場合、ピッチムラの抑制効果と高解像度印字とを、画像形成装置101の特性ごと、或いは、画像形成装置101に設定される印刷モード(例えば、写真モード又は文書モード)ごとなど、用途ごとに調整することができる。
また、本実施の形態では、情報処理装置の一例である画像形成装置101(又はユーザ端末1)は、被印刷媒体Mの搬送方向(y方向)に直交する配列方向(x方向)にノズル161a又は162aが連なるノズル列161,162が搬送方向(y方向)に互いに間隔を隔てて配置された複数のノズル列によって印刷される印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのにディザマトリクスを使用する。また、画像形成装置101(又はユーザ端末1)は、元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してディザマトリクスを使用してハーフトーン処理を行う制御部110(又は制御部10)を備え、ディザマトリクスは、少なくとも低濃度側の一部のパターンにおいて、マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域Aが設定されるように作成され、禁則領域Aは、2列ごと以上の頻度になるように設定され、制御部110(又は制御部10)は、所定の頻度で、画像データに対してディザマトリクスをノズル161a,162aの配列方向(x方向)にずらしてハーフトーン処理を行うか或いは禁則領域Aの位置が異なる複数のディザマトリクスを切り替えてハーフトーン処理を行う。これにより、低濃度側のパターンに対応する印字を行う際に、ノズル列161及びノズル列162のうち禁則領域Aに対応する一方を用いずに印字を行う場合でも、他方のノズル列の使用頻度が高くなって早く磨耗することを防ぐことができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成方法であって、
濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成するステップを有し、
前記各階調値の前記パターンを作成するステップでは、少なくとも低濃度側の一部の前記パターンを、前記マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成する、
ことを特徴とするディザマトリクス作成方法。
[付記2]
前記各階調値の前記パターンを作成するステップは、
任意の初期濃度に対応する数のドットを前記マトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、初期濃度パターンを作成するステップと、
前記初期濃度パターンから漸次差分ドットを追加配置し、最適化処理を実行することによって、前記初期濃度よりも高濃度の階調値のパターンを漸次作成するステップと、
前記初期濃度パターンから漸次差分ドットを間引き、最適化処理を実行することによって、前記初期濃度よりも低濃度の階調値のパターンを漸次作成するステップと、を含み、
前記禁則領域を、前記初期濃度パターンに設定するか、或いは、前記初期濃度パターンから前記差分ドットを優先的に間引く領域として設定する、
ことを特徴とする付記1記載のディザマトリクス作成方法。
[付記3]
印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成をコンピュータに行わせるプログラムであって、
濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成する機能と、
前記各階調値の前記パターンを作成する際に、少なくとも低濃度側の一部の前記パターンを、前記マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成する機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
[付記4]
被印刷媒体の搬送方向に直交する配列方向にノズルが連なるノズル列が前記搬送方向に互いに間隔を隔てて配置された複数のノズル列によって印刷される印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのにディザマトリクスを使用する情報処理装置であって、
元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対して前記ディザマトリクスを使用してハーフトーン処理を行う制御部を備え、
前記ディザマトリクスは、少なくとも低濃度側の一部のパターンにおいて、マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成され、
前記禁則領域は、2列ごと以上の頻度になるように設定され、
前記制御部は、所定の頻度で、前記画像データに対して前記ディザマトリクスを前記配列方向にずらして前記ハーフトーン処理を行うか或いは前記禁則領域の位置が異なる複数の前記ディザマトリクスを切り替えて前記ハーフトーン処理を行う、
ことを特徴とする情報処理装置。
1 ユーザ端末
10 制御部
20 記憶部
30 入力部
40 表示部
50 インターフェース部
100 画像形成システム
101 画像形成装置
110 制御部
120 記憶部
130 入力部
140 表示部
150 インターフェース部
160 印刷部
161,162 ノズル列
161a,162a ノズル
170 搬送部
A 禁則領域
M 被印刷媒体
P(g) パターン

Claims (4)

  1. 印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成方法であって、
    濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成するステップを有し、
    前記各階調値の前記パターンを作成するステップでは、少なくとも低濃度側の一部の前記パターンを、前記マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成する、
    ことを特徴とするディザマトリクス作成方法。
  2. 前記各階調値の前記パターンを作成するステップは、
    任意の初期濃度に対応する数のドットを前記マトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、初期濃度パターンを作成するステップと、
    前記初期濃度パターンから漸次差分ドットを追加配置し、最適化処理を実行することによって、前記初期濃度よりも高濃度の階調値のパターンを漸次作成するステップと、
    前記初期濃度パターンから漸次差分ドットを間引き、最適化処理を実行することによって、前記初期濃度よりも低濃度の階調値のパターンを漸次作成するステップと、を含み、
    前記禁則領域を、前記初期濃度パターンに設定するか、或いは、前記初期濃度パターンから前記差分ドットを優先的に間引く領域として設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載のディザマトリクス作成方法。
  3. 印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのに使用されるディザマトリクスの作成をコンピュータに行わせるプログラムであって、
    濃度に対応する数のドットをマトリクスに配置し、最適化処理を実行することによって、各階調値のパターンを作成する機能と、
    前記各階調値の前記パターンを作成する際に、少なくとも低濃度側の一部の前記パターンを、前記マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成する機能と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  4. 被印刷媒体の搬送方向に直交する配列方向にノズルが連なるノズル列が前記搬送方向に互いに間隔を隔てて配置された複数のノズル列によって印刷される印刷画像の各印刷画素へのドット形成状態を決定するのにディザマトリクスを使用する情報処理装置であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対して前記ディザマトリクスを使用してハーフトーン処理を行う制御部を備え、
    前記ディザマトリクスは、少なくとも低濃度側の一部のパターンにおいて、マトリクスの所定間隔の列ごとにドットの配置が禁止される禁則領域が設定されるように作成され、
    前記禁則領域は、2列ごと以上の頻度になるように設定され、
    前記制御部は、所定の頻度で、前記画像データに対して前記ディザマトリクスを前記配列方向にずらして前記ハーフトーン処理を行うか或いは前記禁則領域の位置が異なる複数の前記ディザマトリクスを切り替えて前記ハーフトーン処理を行う、
    ことを特徴とする情報処理装置。
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