JP2019029181A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアの排出を抑制できる燃料電池を提供すること。【解決手段】燃料電池1に、電解質層8と、電解質層8の一方側に配置されるアノード電極9と、電解質層8の他方側に配置されるカソード電極10とを備え、アノード電極9に、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する分解層4と、水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する発電層3と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
従来、車両などに搭載される燃料電池として、ヒドラジン類を含有する液体燃料を使用する燃料電池が知られている。
例えば、陰イオン電解質膜からなる電解質層と、電解質層の一方面に形成され、ヒドラジンを酸化する触媒を含有するアノード電極と、電解質層の他方面に形成され、酸素を還元する触媒を含有するカソード電極とを備える燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そのような燃料電池では、アノード電極にヒドラジンを含有する液体燃料が供給され、カソード電極に空気が供給されることによって、下記式(1)および(2)の電気化学反応が生じる。具体的には、アノード電極においてヒドラジンと水酸化物イオンとが直接反応し、カソード電極において酸素が還元されて水酸化物イオンが生じる。これによって、起電力が発生する。
(1)N+4OH→N+4HO+4e(アノード電極での反応)
(2)O+2HO+4e→4OH (カソード電極での反応)
特開2015−144111号公報
しかるに、特許文献1に記載の燃料電池では、アノード電極に供給された液体燃料が、電解質層を透過してカソード電極に漏出する場合があり、これによって、燃料電池の出力および耐久性が低下するという不具合がある。
そこで、アノード電極において、下記式(3)および(4)に示すように、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解した後、水素を水酸化物イオンと反応させることが検討されている。
(3)N→N+2H
(4)2H+4OH→4HO+4e
この場合、アノード電極の近傍に窒素ガスおよび水素ガスを存在させることができるので、液体燃料のカソード電極への漏出を低減することができる。
しかるに、上記式(3)および(4)の電気化学反応を進行させるには、アノード電極に、ヒドラジンを分解するヒドラジン分解触媒と、水素を酸化する水素酸化触媒とを含有させる必要がある。
しかし、そのようなアノード電極では、上記の電気化学反応とともに、ヒドラジンがアンモニアに分解されるなどの副反応が惹起され、燃料電池からアンモニアが排出される場合がある。
本発明は、アンモニアの排出を抑制できる燃料電池を提供する。
本発明は、電解質層と、前記電解質層の一方側に配置されるアノード電極と、前記電解質層の他方側に配置されるカソード電極と、を備え、前記アノード電極は、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する分解層と、水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する発電層とを備える、燃料電池を含む。
本発明の燃料電池では、アノード電極が、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する分解層と、水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する発電層とを、別々の層として備えている。
そのため、ヒドラジン類の分解反応と、水素の酸化または還元とを、互いに異なる層において進行させることができ、アンモニアが発生する副反応を抑制できる。その結果、発電におけるアンモニアの発生を低減でき、燃料電池からのアンモニアの排出を抑制できる。
図1は、本発明の燃料電池の第1実施形態を示す概略構成図である。 図2は、本発明の燃料電池の第2実施形態を示す概略構成図である。 図3は、各製造例におけるアンモニア排出量を示すグラフである。
<第1実施形態>
1.燃料電池
図1に示すように、燃料電池1は、ヒドラジン類を含有する液体燃料が直接供給される固体高分子型燃料電池である。燃料電池1は、プロトン交換形燃料電池であってもよく、アニオン交換型燃料電池であってもよい。第1実施形態および第2実施形態では、燃料電池1がプロトン交換形燃料電池1Aである態様を示し、第3実施形態では、燃料電池1がアニオン交換形燃料電池1Bである態様を示す。
プロトン交換形燃料電池1Aは、膜電極接合体11と、燃料供給部材12と、酸素供給部材13とを備える燃料電池セル(単位セル)が、複数積層されたスタック構造に形成される。なお、図1では、複数の単位セルのうち1つだけを燃料電池1として表し、その他の単位セルについては省略している。
膜電極接合体11は、プロトン成分が移動可能な電解質層(プロトン交換形電解質層)8と、電解質層8の一方側に配置されるアノード電極9と、電解質層8の他方側(電解質層8に対してアノード電極9の反対側)に配置されるカソード電極10とを備えている。つまり、燃料電池1は、電解質層8と、アノード電極9と、カソード電極10とを備えている。
電解質層8は、ヒドラジン類から生成されるプロトン(H)が移動可能な媒体であって、例えば、プロトン交換形固体高分子膜、ゼオライト、セラミックス、ガラスなどが挙げられ、好ましくは、プロトン交換形固体高分子膜が挙げられる。プロトン交換形固体高分子膜として、具体的には、パーフルオロスルホン酸膜(例えば、商品名Nafion(Du pont社製)など)などのプロトン導電性イオン交換膜などが挙げられる。
アノード電極9は、詳しくは後述するが、発電層3と分解層4とを、別々の層として備えている。発電層3は、電解質層8の厚み方向一方側の面に形成されている。
分解層4は、第1実施形態において、2つのアノード側拡散シート49に挟まれた状態で、発電層3の一方側(発電層3に対して電解質層8の反対側)に配置されている。
2つのアノード側拡散シート49は、発電層3と分解層4との間に配置される第1アノード側拡散シート49Aと、分解層4に対して第1アノード側拡散シート49Aの反対側に配置される第2アノード側拡散シート49Bとを含んでいる。
各アノード側拡散シート49は、ガスを透過させるための気孔を有するガス拡散層(GDL)としてのアノード側GDL51を備えており、好ましくは、アノード側GDL51からなる。
アノード側GDL51は、ガス透過性材料から形成されている。
ガス透過性材料として、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、炭素繊維不織布などが挙げられ、好ましくは、カーボンクロスが挙げられる。また、ガス透過性材料は、必要によりフッ素処理される。
また、アノード側GDL51は、ガスを透過させるための気孔を有している。また、このようなアノード側GDL51は、集電体としても作用する。
アノード側GDL51の厚みは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.10mm以上、例えば、0.60mm以下、好ましくは、0.50mm以下である。
カソード電極10は、電解質層8の厚み方向の他方側の面に形成されている。カソード電極10は、例えば、カソード触媒を含有する。
カソード触媒として、例えば、金属単体、遷移金属錯体などが挙げられる。
金属単体として、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素、例えば、亜鉛(Zn)などが挙げられる。金属単体は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属錯体は、遷移金属元素(中心金属)に有機化合物が配位した金属錯体である。遷移金属元素として、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)が挙げられる。遷移金属は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属元素に配位する有機化合物として、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミン、ナイカルバジン、ピペミド酸系化合物、アミノベンズイミダゾール、アミノアンチピリン、またはこれらの重合体が挙げられる。有機化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
カソード触媒のなかでは、好ましくは、金属単体が挙げられ、好ましくは、白金族元素が挙げられ、さらに好ましくは、白金が挙げられる。
このようなカソード触媒は、好ましくは、触媒担体に担持される。なお、カソード触媒は、触媒担体を用いずに、直接、カソード電極10として形成することもできる。
触媒担体として、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。カーボンとして、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。カーボンのなかでは、好ましくは、ケッチェンブラックが挙げられる。触媒担体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、カソード電極10は、好ましくは、バインダを含有する。
バインダとして、例えば、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂などが挙げられる。バインダは、単独使用または2種以上併用することができる。
陰イオン交換樹脂として、例えば、アニオン交換基(例えば、四級アンモニウム基、ピリジニウム基など)を有するアニオン交換形アイオノマーなどが挙げられ、より具体的には、アニオン交換形炭化水素系アイオノマー、アニオン交換形フッ素系アイオノマー、アニオン交換形ウレタン系アイオノマーなどが挙げられる。アニオン交換形アイオノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
陽イオン交換樹脂として、例えば、プロトン交換基(例えば、スルホ基、リン酸基、カルボキル基など)を有するプロトン交換形アイオノマーなどが挙げられ、より具体的には、プロトン交換形炭化水素系アイオノマー、プロトン交換形フッ素系アイオノマー、プロトン交換形ウレタン系アイオノマーなどが挙げられる。プロトン交換形アイオノマーは、単独使用または2種以上併用することができる。
バインダの含有割合は、カソード触媒(金属換算)1質量部に対して、例えば、0.2質量部以上、好ましくは、0.4質量部以上、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.6質量部以下である。
カソード電極10の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、10μm以下である。
また、カソード電極10の表面(電解質層8と接触する一方面に対する他方面)には、カソード側拡散シート50が積層されている。
カソード側拡散シート50は、ガスを透過させるための気孔を有するガス拡散層(GDL)としてのカソード側GDL52を備えている。
カソード側GDL52として、例えば、アノード側GDL51として例示したガス透過性材料などが挙げられ、好ましくは、カーボンクロスが挙げられる。
また、カソード側GDL52は、アノード側GDL51と同様に、ガスを透過させるための気孔を有している。また、カソード側GDL52は、アノード側GDL51と同様に、集電体としても作用する。
カソード側GDL52の厚みは、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.10mm以上、例えば、0.60mm以下、好ましくは、0.50mm以下である。
燃料供給部材12は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面がアノード側拡散シート49(第2アノード側拡散シート49B)に対向接触されている。燃料供給部材12には、分解層4の全体に液体燃料を接触させるための燃料側流路16が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。また、燃料供給部材12には、その上流側端部および下流側端部に、燃料側流路16に連通する供給口15および排出口14が形成されている。
酸素供給部材13は、燃料供給部材12と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面がカソード側拡散シート50に対向接触されている。酸素供給部材13には、カソード電極10の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素側流路18が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。酸素側流路18には、その上流側端部および下流側端部に、酸素側流路18に連通する供給口19および排出口20が形成されている。
2.アノード電極の詳細
アノード電極9は、上記したように、発電層3と分解層4とを備えており、好ましくは、発電層3と分解層4とのみから構成される。
(2−1)発電層
発電層3は、電解質層8の一方側の面に形成されており、電解質層8と分解層4との間に配置されている。発電層3の一方面(電解質層8と反対側の面)には、第1アノード側拡散シート49Aが積層されている。つまり、発電層3は、電解質層8と第1アノード側拡散シート49Aとの間に、それらと直接接触するように挟まれている。
発電層3は、水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する。なお、発電層3は、ヒドラジン分解触媒(後述)を含有しておらず、好ましくは、金属成分として水素反応触媒のみを含有する。また、第1実施形態では、燃料電池1がプロトン交換形燃料電池1Aであるため、水素反応触媒は、水素を還元させる水素還元触媒として作用する。
水素反応触媒として、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)などが挙げられる。水素反応触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
水素反応触媒のなかでは、好ましくは、白金族元素の金属単体、さらに好ましくは、パラジウムの金属単体(Pd単体)および白金の金属単体(Pt単体)、とりわけ好ましくは、Pt単体が挙げられる。
このような水素反応触媒は、好ましくは、触媒担体に担持される。なお、水素反応触媒は、触媒担体を用いずに、直接、発電層3として形成することもできる。
触媒担体として、例えば、カソード電極の触媒担体として例示したカーボンなどの多孔質物質などが挙げられ、好ましくは、ケッチェンブラックが挙げられる。触媒担体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
水素反応触媒の担持割合は、水素反応触媒と触媒担体との総和100質量%に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
また、発電層3は、好ましくは、バインダを含有し、さらに好ましくは、水素反応触媒、触媒担体およびバインダのみからなる。
発電層3のバインダは、例えば、陽イオン交換樹脂を含有する。陽イオン交換樹脂として、例えば、プロトン交換形アイオノマーが挙げられる。
プロトン交換形アイオノマーは、例えば、カソード電極のバインダとして例示したプロトン交換形アイオノマーなどが挙げられ、好ましくは、プロトン交換形フッ素系アイオノマーが挙げられる。プロトン交換形アイオノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
陽イオン交換樹脂(プロトン交換形アイオノマー)の含有割合は、水素反応触媒(金属換算)1質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
なお、バインダは、さらに、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むこともできる。
発電層3の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
(2−2)分解層
分解層4は、発電層3の一方側(発電層3に対して電解質層8の反対側)に、発電層3に対して間隔を空けて配置されている。発電層3と分解層4との間には、第1アノード側拡散シート49Aが配置され、分解層4の一方面(発電層3と反対側の面)には、第2アノード側拡散シート49Bが配置されている。
つまり、分解層4は、第1アノード側拡散シート49Aと第2アノード側拡散シート49Bとの間に、それらと直接接触するように挟まれている。このように、発電層3、第1アノード側拡散シート49A、分解層4および第2アノード側拡散シート49Bは、順に積層されている。
分解層4は、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する。なお、分解層4は、水素反応触媒(後述)を含有しておらず、好ましくは、金属成分としてヒドラジン分解触媒のみを含有する。
ヒドラジン分解触媒として、例えば、白金(Pt)とニッケル(Ni)との合金(PtNi合金)などが挙げられる。ヒドラジン分解触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
ヒドラジン分解触媒のなかでは、好ましくは、PtNi合金が挙げられる。
PtNi合金における白金の含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、例えば、1mol%以上、好ましくは、5mol%以上、例えば、70mol%以下、好ましくは、60mol%以下である。
PtNi合金におけるニッケルの含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、例えば、30mol%以上、好ましくは、40mol%以上、例えば、99mol%以下、好ましくは、95mol%以下である。
このようなヒドラジン分解触媒は、好ましくは、触媒担体に担持される。なお、ヒドラジン分解触媒は、触媒担体を用いずに、直接、分解層4として形成することもできる。
触媒担体として、例えば、カソード電極の触媒担体として例示したカーボンなどの多孔質物質などが挙げられ、好ましくは、ケッチェンブラックが挙げられる。触媒担体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ヒドラジン分解触媒の担持割合は、ヒドラジン分解触媒と触媒担体との総和100質量%に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上、例えば、50質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
また、分解層4は、好ましくは、バインダを含有し、さらに好ましくは、ヒドラジン分解触媒、触媒担体およびバインダのみからなる。
分解層4のバインダとしては、例えば、発電層3のバインダと同様のものが挙げられる。分解層4のバインダとして、好ましくは、上記の陽イオン交換樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、発電層3に含有されるプロトン交換形アイオノマーと同じプロトン交換形アイオノマーが挙げられ、とりわけ好ましくは、プロトン交換形フッ素系アイオノマーが挙げられる。
陽イオン交換樹脂(プロトン交換形アイオノマー)の含有割合は、ヒドラジン分解触媒(金属換算)1質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
分解層4の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
(2−3)アノード電極の調製
このようなアノード電極9を調製するには、まず、水素反応触媒が溶媒中に分散する水素反応触媒インク(分散液)と、ヒドラジン分解触媒が溶媒中に分散するヒドラジン分解触媒インク(分散液)とを準備する。
溶媒として、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなど)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフランなど)などの有機溶媒、例えば、水などが挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
溶媒のなかでは、好ましくは、アルコール類と水との混合溶媒が挙げられ、さらに好ましくは、プロパノールと水との混合溶媒が挙げられる。
次いで、水素反応触媒インクを、公知の方法により、電解質層8の表面(アノード電極9と反対側の表面)に塗工(塗布)し、その後、乾燥し、必要によりプレスする。
これによって、水素反応触媒が電解質層8の表面に担持される。その結果、電解質層8の表面に定着した発電層3が調製される。
水素反応触媒(金属換算)の担持量は、電解質層8に対して、例えば、0.1mg/cm以上、好ましくは、0.5mg/cm以上、例えば、3mg/cm以下、より好ましくは、2mg/cm以下である。
また、ヒドラジン分解触媒インクを、公知の方法により、第1アノード側拡散シート49A(アノード側GDL51)の表面に塗工(塗布)し、その後、乾燥し、必要によりプレスする。
これによって、ヒドラジン分解触媒が第1アノード側拡散シート49Aの表面に担持される。その結果、第1アノード側拡散シート49Aの表面に定着した分解層4が調製される。
ヒドラジン分解触媒(金属換算)の担持量は、アノード側拡散シート49に対して、例えば、0.5mg/cm以上、好ましくは、1.0mg/cm以上、例えば、5mg/cm以下、より好ましくは、3mg/cm以下である。
次いで、分解層4が設けられた第1アノード側拡散シート49Aを、第1アノード側拡散シート49Aが発電層3と分解層4との間に挟まれるように、発電層3の一方面(電解質層8と反対側の面)に貼り付ける。
その後、第2アノード側拡散シート49Bを、分解層4が第1アノード側拡散シート49Aと第2アノード側拡散シート49Bとの間に挟まれるように、分解層4の一方面(第1アノード側拡散シート49Aと反対側の面)に貼り付ける。
なお、分解層4が設けられた第1アノード側拡散シート49Aを発電層3に貼り付ける前に、分解層4に第2アノード側拡散シート49Bを貼り付け、その後、第1アノード側拡散シート49Aを発電層3に貼り付けることもできる。
また、電解質層8に水素反応触媒インクを塗工した後、塗工された水素反応触媒インク上に第1アノード側拡散シート49Aを配置し、次いで、第1アノード側拡散シート49A上にヒドラジン分解触媒インクを塗工し、塗工されたヒドラジン分解触媒インク上に第2アノード側拡散シート49Bを配置し、その後、それらを一括して乾燥およびプレスして、発電層3および分解層4を形成することもできる。
以上によって、アノード電極9が調製される。
3.燃料電池による発電
上記したプロトン交換形燃料電池1Aでは、発電時において、ヒドラジン類を含有する液体燃料が燃料側流路16に供給され、空気が酸素側流路18に供給される。
より具体的には、液体燃料は、ヒドラジン類と、水とを含有している。
ヒドラジン類として、例えば、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、塩酸ヒドラジン(NHNH・HCl)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などが挙げられる。
ヒドラジン類は、単独または2種類以上併用することができる。ヒドラジン類のなかでは、好ましくは、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなどが挙げられ、さらに好ましくは、水加ヒドラジンが挙げられる。
液体燃料に対するヒドラジン類の濃度は、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下である。
また、液体燃料は、好ましくは、支持電解質として、アルカリ金属水酸化物を含有する。
アルカリ金属水酸化物として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ金属水酸化物は、単独使用または2種類以上併用することができる。アルカリ金属水酸化物として、好ましくは、水酸化カリウムが挙げられる。
液体燃料に対するアルカリ金属水酸化物の濃度は、例えば、0.25mol/L以上、好ましくは、0.5mol/L以上、例えば、2.0mol/L以下、好ましくは、1.5mol/L以下である。
燃料側流路16にヒドラジン類を含む液体燃料が供給されると、その液体燃料は、第2アノード側拡散シート49Bを介して分解層4と接触しながら燃料側流路16を通過する。これにより、分解層4において、下記(A)に示す電気化学反応が生じる。
具体的には、分解層4において、ヒドラジン分解触媒が作用して、下記式(A)に示すように、ヒドラジン類を窒素と水素とに分解する。
(A)N→N+2H(分解層4での反応)
そして、ヒドラジンの分解により生じた水素は、第1アノード側拡散シート49Aを通過して、発電層3に接触する。すると、発電層3において、水素反応触媒(水素還元触媒)が作用して、下記式(B)に示すように、ヒドラジンの分解により生じた水素を還元する。
(B)N+2H→N+4H+4e(発電層3での反応)
一方、酸素側流路18に供給される空気は、カソード電極10と接触しながら酸素側流路18を通過する。これにより、カソード電極10において、下記(C)に示す電気化学反応が生じる。
具体的には、上記式(A)および(B)により生成したプロトン(H)は、電解質層8を通過してカソード電極10に向かう。また、上記式(A)および(B)により生成した電子(e)は、外部回路(図示せず)に流出する。
そして、電解質層8を通過したプロトンH、および、外部回路を通過した電子eは、下記(C)に示すように、カソード電極10において酸素と反応する。
(C)O+4H+4e→2HO(カソード電極10での反応)
つまり、プロトン交換形燃料電池1A全体として下記式(D)に示す反応が連続的に生じて、プロトン交換形燃料電池1Aに起電力が発生する。
(D) N+O→N+2HO(燃料電池1A全体での反応)
4.作用効果
燃料電池1(プロトン交換形燃料電池1A)では、アノード電極9が、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する分解層4と、水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する発電層3とを、別々の層として備えている。
しかるに、アノード電極が1層として形成され、1層のアノード電極がヒドラジン分解触媒および水素反応触媒を含有する場合、アノード電極が多層(発電層3および分解層4)として形成される場合と比較して、ヒドラジン分解触媒および水素反応触媒が、互いに近くに位置する。
すると、燃料電池の発電時において、アノード電極中のヒドラジン分解触媒および水素反応触媒が相互に作用し、ヒドラジン類をアンモニアに分解する副反応が促進される場合がある。
一方、アノード電極9では、発電層3および分解層4が別々の層であるので、ヒドラジン分解触媒および水素反応触媒を比較的離して位置させることができる。そのため、燃料電池1の発電時において、ヒドラジン分解触媒および水素反応触媒が相互に作用することを抑制でき、ヒドラジン類の分解反応と、水素の酸化または還元とを、互いに異なる層において進行させることができる。
その結果、アンモニアが発生する副反応を抑制でき、発電反応におけるアンモニアの発生を低減できる。これによって、燃料電池1(プロトン交換形燃料電池1A)からのアンモニアの排出を抑制できる。
<第2実施形態>
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
第1実施形態では、分解層4が2つのアノード側拡散シート49の間に配置されているが、分解層4の配置はこれに限定されない。
図2に示すように、第2実施形態では、分解層4が、発電層3と直接接触するように、発電層3の一方面(電解質層8と反対側の面)に配置されており、発電層3、分解層4およびアノード側拡散シート49が順に積層されている。
このようなアノード電極9を調製するには、第1実施形態と同様にして発電層3を電解質層8上に調製した後、発電層3上に、ヒドラジン分解触媒インクを塗工および乾燥して、分解層4を形成する。そして、分解層4の一方面(発電層3と反対側の面)にアノード側拡散シート49を貼り付ける。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。一方、第1実施形態は、図1および図2に示すように、第2実施形態よりも発電層3と分解層4とが離れているために、発電反応のアンモニアの発生低減の観点からより好ましい。
<第3実施形態>
第3実施形態では、燃料電池1がアニオン交換形燃料電池1Bである場合について説明する。
燃料電池1がアニオン交換形燃料電池1Bである場合、電解質層8は、アニオン成分が移動可能な電解質層(アニオン交換形電解質層)であり、例えば、アニオン交換形固体高分子膜などが挙げられる。また、発電層3および分解層4のそれぞれに含有されるバインダは、例えば、カソード電極10のバインダとして例示した陰イオン交換樹脂、好ましくは、アニオン交換形アイオノマーを含有する。
そして、そのようなアニオン交換形燃料電池1Bでは、ヒドラジン類を含有する液体燃料が燃料側流路16に供給され、空気が酸素側流路18に供給されると、分解層4において、下記(E)に示す電気化学反応が生じる。具体的には、分解層4において、ヒドラジン分解触媒が作用して、上記式(A)と同様にヒドラジン類を窒素と水素とに分解する。
(E)N→N+2H(分解層4での反応)
その後、発電層3において、下記(F)に示す電気化学反応が生じる。具体的には、発電層3において、水素反応触媒が水素酸化触媒として作用し、下記式(F)に示すように、ヒドラジン類の分解により生じた水素を酸化する。
(F)2H+4OH→4HO+4e(発電層3での反応)
一方、カソード電極10では、下記(G)に示す電気化学反応が生じる。
具体的には、下記(G)に示すように、酸素と水と電子とが反応し、アニオン(OH)を生成する。なお、下記式(G)により生成したアニオン(OH)は、カソード電極10および電解質層8を順次通過して、発電層3に向かう。
(G)O+2HO+4e→4OH(カソード電極10での反応)
つまり、アニオン交換形燃料電池1B全体として下記式(H)に示す反応が連続的に生じて、アニオン交換形燃料電池1Bに起電力が発生する。
(H) N+O→N+2HO(燃料電池1B全体での反応)
このような第3実施形態は、図1および図2のいずれの構成においても適用することができる。また、第3実施形態によっても、第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、第1実施形態〜第3実施形態は、適宜組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1(PtNi担持担体の調製)
カーボン(ケッチェンブラック、商品名ECP600JD、ライオン社製)0.5gを、0.4Lの純水に分散させた。次いで、その分散液に、硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO、キシダ化学社製)と、ヘキサクロロ白金(IV)酸(H(PtCl)・6HO、キシダ化学社製)とを、NiとPtとの原子数比率が1:1になり、触媒全質量に対して金属質量が20質量%になるように添加して、24時間撹拌した。
次いで、ろ過により、ろ液と触媒原料とに分離した。触媒原料は、カーボンと、硝酸ニッケルと、ヘキサクロロ白金(IV)酸とを含有していた。
次いで、触媒原料を、純水で洗浄した後、100℃で10時間乾燥させた。その後、乾燥させた触媒原料を、空気中で600℃、2時間焼成した。
これにより、PtNi合金がカーボン(触媒担体)に担持されたPtNi担持担体を調製した。PtNi合金における白金の含有割合は、白金およびニッケルの総モル数に対して、50mol%であった。
調製例2(ヒドラジン分解触媒インクの調製)
調製例1のPtNi担持担体0.47gを、ジルコニアボール(アズワン社製、直径5mm)67gの存在下において撹拌した。
次いで、そのPtNi担持担体と、プロトン交換形アイオノマー(陽イオン交換樹脂、商品名2質量%Nafion分散液、Du pont社製)17gと、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、商品名ネオフロンND−110、ダイキン工業社製)0.3637gとを混合して、ヒドラジン分解触媒スラリーを調製した。
次いで、ヒドラジン分解触媒スラリーを、遊星ボールミル(商品名P−5/4S、フリッチュ社製)にて、回転数60rpmで10分間混錬した後、回転数250rpmで50分間混錬した。
次いで、そのヒドラジン分解触媒スラリーに混合溶媒(1−プロパノール:2−プロパノール:水=36:44:20)4.89gを混合して、ヒドラジン分解触媒インクを調製した。
調製例3(水素反応触媒インクの調製)
Pt単体がカーボン(触媒担体)に担持されたPt単体担持担体(商品名TEC10E50E、田中貴金属社製、Pt単体の担持割合50質量%)0.23gを、ジルコニアボール(アズワン社製、直径5mm)33gの存在下において撹拌した。
次いで、そのPt単体担持担体と、上記のプロトン交換形アイオノマー(商品名2質量%Nafion分散液、Du pont社製)8.3gと、上記のFEP(商品名ネオフロンND−110、ダイキン工業社製)0.1819gとを混合して、水素反応触媒スラリーを調製した。
次いで、水素反応触媒スラリーを、遊星ボールミル(商品名P−5/4S、フリッチュ社製)にて、回転数60rpmで10分間混錬した後、回転数250rpmで50分間混錬した。
次いで、その水素反応触媒スラリーに混合溶媒(1−プロパノール:2−プロパノール:水=36:44:20)2.44gを混合して、水素反応触媒インクを調製した。
調製例4(アノード触媒インクの調製)
調製例1のPtNi担持担体0.47gと、上記の単体担持担体(商品名TEC10E50E、田中貴金属社製)0.23gとを、ジルコニアボール(アズワン社製、直径5mm)100gの存在下において混合した。
次いで、その混合物と、上記のプロトン交換形アイオノマー(商品名2質量%Nafion分散液、Du pont社製)25gと、上記のFEP(商品名ネオフロンND−110、ダイキン工業社製)0.5456gとを混合して、アノード触媒スラリーを調製した。
次いで、アノード触媒スラリーを、遊星ボールミル(商品名P−5/4S、フリッチュ社製)にて、回転数60rpmで10分間混錬した後、回転数250rpmで50分間混錬した。
次いで、そのアノード触媒スラリーに混合溶媒(1−プロパノール:2−プロパノール:水=36:44:20)7.33gを混合して、アノード触媒インクを調製した。
調製例5(カソード触媒インクの調製)
上記のPt単体担持担体(商品名TEC10E50E、田中貴金属社製)1gを、ジルコニアボール(アズワン社製、直径5mm)100gの存在下において撹拌した。
次いで、そのPt単体担持担体と、上記のプロトン交換形アイオノマー(商品名2質量%Nafion分散液、Du pont社製)12.5gと、混合溶媒(エタノール:水=80:20)9gとを混合して、カソード触媒スラリーを調製した。
次いで、カソード触媒スラリーを、遊星ボールミル(商品名P−5/4S、フリッチュ社製)にて、回転数60rpmで10分間混錬した後、回転数250rpmで50分間混錬した。
次いで、そのカソード触媒スラリーに混合溶媒(エタノール:水=80:20)5.5gを混合して、カソード触媒インクを調製した。
製造例1(膜電極接合体の製造)
(発電層の調製)
ダブル吐出式スプレー塗工機(ノードソン社製)に、調製例3の水素反応触媒インクをセットした。
また、電解質膜(電解質層、商品名プロトン交換形ナフィオン膜NR211、Du pont社製)を、表面温度70℃に設定した塗工ステージに設置した。
次いで、電解質膜の一方の表面における5×5cmの範囲に、水素反応触媒インクを、水素反応触媒(Pt単体(金属換算))の担持量が0.73mg/cmとなるように、ダブル吐出式スプレー塗工機によって塗工した。
次いで、塗工された水素反応触媒インクを、140℃で3分間、1MPaの圧力でプレスして、電解質膜上に発電層を形成した。
(分解層の調製)
また、ダブル吐出式スプレー塗工機に、調製例4のヒドラジン分解触媒インクをセットした。
次いで、第1ガス拡散層(第1アノード側拡散シート、商品名クロスGDL、ゾルテック社製)を、表面温度70℃に設定した塗工ステージに設置した。
次いで、第1ガス拡散層の一方の表面における5×5cmの範囲に、ヒドラジン分解触媒インクを、ヒドラジン分解触媒(PtNi合金(金属換算))の担持量が1.45mg/cmとなるように、ダブル吐出式スプレー塗工機によって塗工した。
次いで、塗工されたヒドラジン分解触媒インクを、140℃で3分間、1MPaの圧力でプレスして、第1ガス拡散層上に分解層を形成した。
次いで、分解層が設けられた第1ガス拡散層を、第1ガス拡散層が発電層と分解層との間に位置するように、発電層の一方面(電解質膜と反対側の表面)に貼り付けた。
次いで、第2ガス拡散層(第2アノード側拡散シート、商品名クロスGDL、ゾルテック社製)を、分解層が第1ガス拡散層と第2ガス拡散層との間に位置するように、分解層の一方面(第1ガス拡散層と反対側の表面)に貼り付けた。
(カソード電極の調製)
また、ダブル吐出式スプレー塗工機に、調製例5のカソード触媒インクをセットした。
また、電解質膜の他方の表面(発電層と反対側の表面)が上向きになるように、電解質膜を、表面温度70℃に設定した塗工ステージに設置した。
次いで、電解質膜の他方の表面における5×5cmの範囲に、カソード触媒インクを、カソード触媒(Pt単体(金属換算))の担持量が1mg/cmとなるように、ダブル吐出式スプレー塗工機によって塗工した。
次いで、塗工されたカソード触媒インクを、室温(25℃)で30秒間、3.25MPaの圧力でプレスして、電解質膜上にカソード電極を形成した。
以上によって、膜電極接合体を製造した。
この膜電極接合体では、分解層が第1ガス拡散層および第2ガス拡散層の間に挟まれていた。
製造例2(膜電極接合体の製造)
製造例1における(発電層の調製)と同様にして、電解質膜上に発電層を形成した。
次いで、ダブル吐出式スプレー塗工機に、調製例3のヒドラジン分解触媒インクをセットした。
また、発電層が上向きになるように、発電層が設けられた電解質膜を表面温度70℃に設定した塗工ステージに設置した。
次いで、発電層の一方の表面における5×5cmの範囲に、ヒドラジン分解触媒インクを、ヒドラジン分解触媒(PtNi合金(金属換算))の担持量が1.45mg/cmとなるように、ダブル吐出式スプレー塗工機によって塗工した。
次いで、発電層上に塗工されたヒドラジン分解触媒インクを、140℃で3分間、1MPaの圧力でプレスして、発電層上に分解層を形成した。
次いで、ガス拡散層(アノード側拡散シート、商品名クロスGDL、ゾルテック社製)を、分解層の一方面(発電層と反対側の表面)に貼り付けた。
次いで、製造例1における(カソード電極の調製)と同様にして、電解質膜上にカソード電極を形成した。
以上によって、膜電極接合体を製造した。
この膜電極接合体では、発電層と分解層とが直接積層されていた。
製造例3(膜電極接合体の製造)
ダブル吐出式スプレー塗工機(ノードソン社製)に、調製例4のアノード触媒インクをセットした。
また、上記の電解質膜(商品名プロトン交換形ナフィオン膜NR211、Du pont社製)を、表面温度70℃に設定した塗工ステージに設置した。
次いで、電解質膜の一方の表面における5×5cmの範囲に、アノード触媒インクを、アノード触媒(PtNi合金およびPt単体(金属換算))の担持量が2.18mg/cmとなるように、ダブル吐出式スプレー塗工機によって塗工した。
次いで、塗工されたアノード触媒インクを、140℃で3分間、1MPaの圧力でプレスして、電解質膜上にアノード電極を形成した。
次いで、ガス拡散層(アノード側拡散シート、商品名クロスGDL、ゾルテック社製)を、アノード電極の一方面(電解質膜と反対側の表面)に貼り付けた。
次いで、製造例1の(カソード電極の調製)と同様にして、電解質膜上にカソード電極を形成した。
以上によって、膜電極接合体を製造した。
この膜電極接合体では、アノード電極に、PtNi合金およびPt単体が含有されていた。
評価方法
<アンモニア排出量の測定>
製造例1〜3の膜電極接合体を、日本自動車研究所(JARI)標準セルにセットして、セル温度を80℃、燃料温度を80℃、空気温度を80℃、加湿温度を75℃に設定した。
次いで、アノード電極に、液体燃料として2質量%水加ヒドラジン水溶液(水酸化カリウム1mol/L含有)を6.3cc/minの流速で供給した。また。カソード電極に、酸素および窒素の混合ガス(酸素20体積%、窒素80体積%)を400cc/minの流速で供給した。
そして、電流密度を200mA/cmに設定し、アノード電極からの排液および排気ガスと、カソード電極からの排液および排気ガスと、濃度5g/Lのホウ酸溶液40gで捕集し、その中に含まれるアンモニア量をイオンクロマトグラフィー(商品名881 Compact IC Pro、メトロームジャパン社製)で定量分析した。その結果を図3に示す。
考察
図3に示す評価結果から、アノード電極が、ヒドラジン分解触媒を含有する分解層と、水素反応触媒を含有する発電層とに分けられる製造例1および製造例2の膜電極接合体は、アノード電極がヒドラジン分解触媒および水素反応触媒を含有する1層である製造例3の膜電極接合体と比較して、アンモニア排出量を低減できることが確認された。
特に、分解層が2つのガス拡散層で挟まれる製造例1の膜電極接合体は、分解層と発電層とが直接積層される製造例2の膜電極接合体よりも、アンモニア排出量の低減に優れることが確認された。
1 燃料電池
3 発電層
4 分解層
8 電解質層
9 アノード電極
10 カソード電極

Claims (1)

  1. 電解質層と、
    前記電解質層の一方側に配置されるアノード電極と、
    前記電解質層の他方側に配置されるカソード電極と、を備え、
    前記アノード電極は、
    ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒を含有する分解層と、
    水素を酸化または還元させる水素反応触媒を含有する発電層と、を備えることを特徴とする、燃料電池。
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