JP2019028785A - 加工装置及び加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度の高い工作物を高い生産効率で容易に加工できる加工装置及び加工方法を提供する。【解決手段】加工制御装置3は、装置本体2での工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、生産スケジュールで複数の工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンを記憶する補正値変化パターン記憶部34と、工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、生産スケジュールで加工プログラム及び補正値変化パターンに基づいて装置本体2で複数の工作物を加工する加工制御部31と、加工制御部31により加工された複数の工作物の第一寸法測定値に基づいて、補正値変化パターンを修正する補正値変化パターン修正部33と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、加工装置及び加工方法に関するものである。
特許文献1には、複数の加工装置と、複数の加工装置により加工された工作物の寸法を測定する寸法測定装置とを備える加工システムが記載されている。この加工システムでは、寸法測定装置が工作物の寸法を測定し、加工装置が寸法測定値から寸法補正量を求めフィードバックして加工条件を修正する。
特許文献1に記載の加工システムでは、連続で工作物を加工する場合、寸法測定装置が現工作物の寸法を測定しているときに、現工作物の次に加工される次工作物は、加工装置にて既に加工されている。そのため、次工作物に対して、現工作物の測定により得られた寸法補正量をフィードバックできず、例えば現工作物の次々に加工される次々工作物に寸法補正量をフィードバックすることになる。よって、次工作物の加工精度が低下するおそれがある。
さらに、加工装置は、稼働開始から所定数の工作物を加工するまでは、例えばボールねじ等が熱変位するので、フィードバックする現工作物の寸法補正量が次々工作物に適合しない場合がある。この問題を解消するには、加工装置の暖機運転を行って熱変位を安定させればよいが、工作物の加工を行わない無負荷の状態では、熱変位を安定させるのに長時間掛かり、工作物の生産効率が大幅に低下する。
加工装置の暖機運転を行わずに、加工装置を稼働させて直ぐに工作物を高精度に加工するには、加工装置が持つ熱変位傾向を予め計測する方法が考えられる。すなわち、加工装置は、事前に工作物の寸法変化を加工装置の稼働開始から稼働停止まで時系列で把握する。そして、この工作物の経時寸法変化で補正した加工指示寸法で工作物を加工することで、工作物を高精度に加工できる。
しかし、加工装置が持つ熱変位傾向は、例えば通年の外気温の変化や、長期休暇後、昼休み後、昼夜勤交代後等の加工装置の再稼働等の外乱の変化によって変動する。このため、一定の加工指示寸法では対応しきれず、非常に多くの加工指示寸法を用意しなければならず、煩雑となる傾向にある。
本発明は、精度の高い工作物を高い生産効率で容易に加工できる加工装置及び加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る加工装置は、工作物を加工する装置本体と、前記装置本体での前記工作物の加工を加工プログラムに従って制御する加工制御装置と、前記装置本体で加工される前記工作物の寸法を測定する寸法測定装置と、を備える、加工装置であって、前記加工制御装置は、前記装置本体での前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで複数の前記工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンを記憶する補正値変化パターン記憶部と、前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで前記加工プログラム及び前記補正値変化パターンに基づいて前記装置本体で複数の前記工作物を加工する加工制御部と、前記加工制御部により加工された複数の前記工作物の第一寸法測定値に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する補正値変化パターン修正部と、を備える。
本発明に係る加工方法は、上記加工装置における加工方法であって、前記装置本体での前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで前記加工プログラム及び複数の前記工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンに基づいて前記装置本体で複数の前記工作物を加工する加工制御工程と、前記加工制御工程により加工された複数の前記工作物の第一寸法測定値を測定する第一寸法測定工程と、前記第一寸法測定値に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する補正値変化パターン修正工程と、を備える。
本発明に係る加工装置及び加工方法では、装置本体の熱変位の影響を含む補正値変化パターンに従って工作物の加工を開始しているので、装置本体での工作物の生産スケジュールの休止解除直後から高精度な工作物を高い生産効率で加工できる。そして、補正値変化パターンを随時修正して工作物の加工に反映しているので、装置本体の熱変位の急激な変動に対して対応可能となり、高精度な工作物を容易に加工できる。
(1.加工装置の構成)
本実施形態の加工装置について、図1を参照して説明する。この加工装置1は、装置本体2と、加工制御装置3と、寸法測定装置4とを備える。装置本体2は、一般的な数値制御旋盤であり、工作物をバイト等の加工用工具で切削加工する。
本実施形態の加工装置について、図1を参照して説明する。この加工装置1は、装置本体2と、加工制御装置3と、寸法測定装置4とを備える。装置本体2は、一般的な数値制御旋盤であり、工作物をバイト等の加工用工具で切削加工する。
加工制御装置3は、数値制御装置であり、加工プログラムに従って装置本体2の駆動部を駆動して工作物の加工を制御する。加工制御装置3は、加工制御部31と、補正値変化パターン作成部32と、補正値変化パターン修正部33と、補正値変化パターン記憶部34等とを備える。また、加工制御装置3は、工作物の加工数をカウントするカウンタ機能を有する。
加工制御部31は、補正値変化パターン記憶部34に記憶されるメインの加工プログラムに従って工作物を加工する。また、加工制御部31は、補正値変化パターン記憶部34に記憶されるメインの加工プログラム及びサブの加工プログラムに従って工作物を加工する。加工制御部31の工作物の加工の詳細については後述する。
補正値変化パターン作成部32は、メイン加工プログラムに従って装置本体2での工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、生産スケジュールで加工される複数の工作物の寸法測定装置4での寸法測定値(初期寸法測定値)に基づいて、工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンを作成する。そして、補正値変化パターン作成部32は、作成する補正値変化パターンをサブ加工プログラムに書き込む。補正値変化パターン作成部32の補正値変化パターンの作成の詳細については後述する。
ここで、「装置本体2での工作物の生産スケジュール」とは、装置本体2を稼働開始して複数の工作物を加工して稼働停止するまでのスケジュールや、装置本体2に工作物を搬入し加工して搬出する動作を複数の工作物に対して行うスケジュール等である。そして、「生産スケジュールの休止」とは、初めて現生産スケジュールを開始する前の間のこと、もしくは現生産スケジュールが終了してから次生産スケジュールを開始するまでの間のことであり、「生産スケジュールの休止解除直後」とは、当該間が終了した直ぐ後のことである。生産スケジュールには、同種の工作物を加工する場合や多品種の工作物を加工する場合も含まれる。
「稼働開始」及び「稼働停止」とは、加工装置1が複数の工作物を連続して加工する場合において、装置本体2の動作開始及び装置本体2の動作終了をいう。加工装置1が1つの工作物を加工する場合は除外する。例えば、連続して加工する複数の工作物において、最初の工作物の加工開始を「稼働開始」とし、最後の工作物の加工終了を「稼働停止」としてもよい。また、複数の工作物を連続して加工する場合において、連続加工の開始指令を取得した場合を「稼働開始」とし、連続加工の終了指令を取得した場合を「稼働停止」としてもよい。
より具体的には、1日において、午前に複数の工作物の連続加工を行った後に、昼休憩を挟んで、午後に複数の工作物の連続加工を行うとする。この場合、最初の稼働開始は、午前の連続加工における最初の工作物の加工を開始した場合、又は午前の連続加工の開始指令を取得した場合であり、最初の稼働停止は、午前の連続加工における最後の工作物の加工を終了した場合、又は午前の連続加工の終了指令を取得した場合である。
さらに、次の稼働開始は、午後の連続加工における最初の工作物の加工を開始した場合、又は午後の連続加工の開始指令を取得した場合であり、次の稼働停止は、午後の連続加工における最後の工作物の加工を終了した場合、又は午後の連続加工の終了指令を取得した場合である。
また、1日目の昼勤時間帯において、複数の工作物の連続加工を行った後に、夜間の休憩を挟んで、2日目の昼勤時間帯において、複数の工作物の連続加工を行うとする。この場合、最初の稼働開始は、1日目の連続加工における最初の工作物の加工を開始した場合、又は1日目の連続加工の開始指令を取得した場合であり、最初の稼働停止は、1日目の連続加工における最後の工作物の加工を終了した場合、又は1日目の連続加工の終了指令を取得した場合である。
さらに、次の稼働開始は、2日目の連続加工における最初の工作物の加工を開始した場合、又は2日目の連続加工の開始指令を取得した場合であり、次の稼働停止は、2日目の連続加工における最後の工作物の加工を終了した場合、又は2日目の連続加工の終了指令を取得した場合である。
以上のように、複数の工作物の連続加工毎に稼働開始及び稼働停止は存在し、これは週単位、月単位、季節単位等においても同様である。なお、複数の工作物を連続して加工した後に装置本体2の電源を必ずオフにする場合においては、装置本体2の電源をオンした場合を「稼働開始」とし、装置本体2の電源をオフした場合を「稼働停止」としてもよい。
補正値変化パターンは、加工装置1が複数の工作物を連続して加工する場合の加工位置の補正、すなわち、工作物に対する加工用工具の位置を補正するためのものである。補正値変化パターンは、複数の工作物の連続加工に適用されるものであり、工作物の種類毎又は加工用工具の種類毎に適用されるものではない。
具体的には、補正値変化パターンは、装置本体2で加工される工作物の加工数と、工作物に対する加工用工具の位置の補正値との関係で表される。この工作物の加工数と加工位置の補正値との関係で表される補正値変化パターンは、特に同種の工作物を加工する場合に適している。
また、別例の補正値変化パターンは、装置本体2での工作物の加工開始からの経過時間と、工作物に対する加工用工具の位置の補正値との関係で表される。この工作物の加工開始からの経過時間と加工位置の補正値との関係で表される補正値変化パターンは、特に多品種の工作物を加工する場合に適している。
補正値変化パターン修正部33は、メイン加工プログラム及び補正値変化パターンを含むサブ加工プログラムに従って装置本体2で加工される工作物の寸法測定装置4での寸法測定値(第一寸法測定値)に基づいて、サブ加工プログラムに書き込まれている補正値変化パターンを修正する。補正値変化パターン修正部33の補正値変化パターンの修正の詳細については後述する。
寸法測定装置4は、CCDカメラ等を備え、装置本体2で加工され図略のロボット等を介して搬入される工作物を撮像する。そして、寸法測定装置4は、撮像した画像を処理して工作物の所定箇所の寸法を自動的に測定し、寸法測定値を加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に自動的に記憶する。
(2.加工制御装置の処理)
次に、加工制御装置3の処理について、図を参照して説明する。ここで、発明が解決しようとする課題で述べたように、加工装置1の装置本体2の暖機運転を行わずに、装置本体2を稼働させて直ぐに工作物を高精度に加工するには、装置本体2が持つ熱変位傾向を予め計測する方法が考えられる。
次に、加工制御装置3の処理について、図を参照して説明する。ここで、発明が解決しようとする課題で述べたように、加工装置1の装置本体2の暖機運転を行わずに、装置本体2を稼働させて直ぐに工作物を高精度に加工するには、装置本体2が持つ熱変位傾向を予め計測する方法が考えられる。
しかし、装置本体2が持つ熱変位傾向は、例えば通年の外気温の変化や、長期休暇後、昼休み後、昼夜勤交代後等の装置本体2の再稼働等の外乱の変化によって変動する。このため、一定の加工指示寸法では対応しきれず、非常に多くの加工指示寸法を用意しなければならず、煩雑となる傾向にある。
そこで、本実施形態では、先ず、加工プログラムに指示される加工指示寸法に従って工作物を加工することで装置本体2が持つ熱変位傾向を計測して加工指示寸法の補正値変化パターンを作成する。次に、作成した補正値変化パターンに従って工作物を加工し、上記変動要因の影響が発生したら補正値変化パターンを修正する。そして、修正した補正値変化パターンに従って工作物を加工する。
具体的には、装置本体2は、例えば1日目の朝一に稼働開始して工作物を加工し、所定の加工数に達したら稼働停止する。この加工と並行して、寸法測定装置4は、装置本体2の稼働開始から稼働停止までに加工される工作物の寸法を初期寸法測定値D1として測定する。
加工制御装置3の補正値変化パターン作成部32は、測定した工作物の初期寸法測定値D1と工作物の加工数Nとの関係を求める。そして、補正値変化パターン作成部32は、工作物の初期寸法測定値D1と工作物の加工数Nとの関係から経時寸法変化の傾向(モード)を求め、求めた経時寸法変化のモードから加工指示寸法の補正値変化パターンを作成する。この加工指示寸法は、例えば設計値が用いられる。
図3は、工作物の内径の設計値dを加工指示寸法としたときの初期寸法測定値D1と工作物の加工数Nとの関係を示し、内径の設計値dに対する公差±Δd、並びに公差±Δd内における上限閾値tu及び下限閾値tdを合わせて示す。上限閾値tu及び下限閾値tdは、後述する第一寸法測定値D2が上限閾値tu及び下限閾値tdを超えたとき、補正値変化パターンの修正を行うことで、内径の寸法を公差±Δd内に収めるために設定される。なお、工作物の外径を加工する場合も同様である。
図3から明らかなように、初期寸法測定値D1と加工数Nとの関係には大きく3つの経時寸法変化のモードがある。すなわち、加工数1(稼働開始)から加工数Naまでは、内径は急に小さくなる経時寸法変化のモードであり、加工数Naから加工数Nbまでは、内径は急に大きくなる経時寸法変化のモードである。加工数Nbから加工数Nc(稼働停止)までは、内径は緩やかに大きくなる経時寸法変化のモードである。
そして、各経時寸法変化のモードにおいて直線近似を行う。加工数1(稼働開始)から加工数Naまでは、大きな負の傾きを有する直線aとなり、加工数Naから加工数Nbまでは、大きな正の傾きを有する直線bとなり、加工数Nbから加工数Nc(稼働停止)までは、小さな正の傾きを有する直線cとなる。
よって、図4に示すように、加工数1(稼働開始)から加工数Naまでの加工指示寸法の第一補正値変化パターンは、直線aの傾きを反転させた直線Aとなり、加工数Naから加工数Nbまでの加工指示寸法の第二補正値変化パターンは、直線bの傾きを反転させた直線Bとなり、加工数Nbから加工数Nc(稼働停止)までの加工指示寸法の第三補正値変化パターンは、直線cの傾きを反転させた直線Cとなる。
そして、装置本体2は、例えば2日目の朝一に稼働開始し第一補正値変化パターンAで工作物を加工する。この加工と並行して、寸法測定装置4は、装置本体2の稼働開始から加工される工作物の寸法を第一寸法測定値D2として測定する。
加工制御装置3の補正値変化パターン修正部33は、工作物の第一寸法測定値D2が予め設定されている上限閾値tuを上回ったとき又は下限閾値tdを下回ったとき、当該第一寸法測定値D2から加工指示寸法に対する補正値を求め、この補正値と第一補正値変化パターンAとの偏差を求める。そして、求めた偏差及び当該偏差を求めたときまでの工作物の加工数に基づいて、第一補正値変化パターンAを修正する。
図5は、第一補正値変化パターンAで工作物を加工したときの、工作物の加工穴の内径の第一寸法測定値D2と工作物の加工数Nとの関係を示す。第一寸法測定値D2は、稼働開始直後は設計値dであったが、加工数が増加するにつれて小さくなり、加工数Ndで下限閾値tdを下回ってd−vdとなった。
すなわち、図6に示すように、第一寸法測定値D2から求まる補正値は、第一補正値変化パターンAに対し加工数が増加するにつれて小さくなり、加工数Ndで補正値と第一補正値変化パターンAとの偏差はvdとなる。そして、偏差vdと加工数Nとの比vd/Ndを修正傾きとして求め、図7に示すように、この修正傾きvd/Ndとなるように第一補正値変化パターンAの傾きを修正する。
修正した第一補正値変化パターンAAは、例えば3日目の朝一からの稼働に適用する。このように第一補正値変化パターンAを修正することにより、装置本体2の熱変位傾向が通年の外気温の変化や外乱の変化によって変動しても、高精度な工作物の加工を行うことができる。そして、装置本体2の暖機運転は不要となるので、高効率な工作物の加工を行うことができる。
なお、上述では、第一寸法測定値D2が下限閾値tdを下回った回数が、1回のときに第一補正値変化パターンAを修正する例を説明したが、任意の回数が生じたときに第一補正値変化パターンAを修正するようにしてもよい。また、第一寸法測定値D2が下限閾値tdを下回った場合を説明したが、上限閾値tuを上回った場合も同様に適用できる。また、第一補正値変化パターンAを修正する例を説明したが、第二、第三補正値変化パターンB,Cも同様に適用できる。
また、補正値変化パターン作成部32が、実際の工作物の加工による工作物の測定寸法に基づいて補正値変化パターンを作成する場合を説明した。しかし、例えば、作業者が経験則に基づいて補正値変化パターン(例えば、補正値ゼロを含む)を作成して補正値変化パターン記憶部34に記憶しておくようにしてもよい。この補正値変化パターンを修正していくことで、徐々に、高精度な補正値とすることができる。この場合、補正値変化パターン作成部32は不要となり、加工制御装置3を簡易な構成とすることができる。
また、加工制御装置3の補正値変化パターン作成部32は、工作物の加工穴の内径Dの初期寸法測定値と工作物の加工数との関係を直線近似するようにしたが、初期寸法測定値と加工数との関係をマップにして補正値変化パターン記憶部34に記憶するようにしてもよい。また、初期寸法測定値と加工数との関係を2次以上の曲線近似するようにしてもよい。
(3.加工装置の動作)
次に、加工装置1の動作(加工方法)について、図2を参照して説明する。なお、補正値変化パターンは、予め作成しておくものとする。すなわち、加工制御装置3の加工制御部31は、例えば1日目の朝一にメイン加工プログラムに従って装置本体2を稼働開始して工作物を加工する。
次に、加工装置1の動作(加工方法)について、図2を参照して説明する。なお、補正値変化パターンは、予め作成しておくものとする。すなわち、加工制御装置3の加工制御部31は、例えば1日目の朝一にメイン加工プログラムに従って装置本体2を稼働開始して工作物を加工する。
寸法測定装置4は、この加工と並行して、装置本体2を稼働開始してから稼働停止するまでに加工される工作物の寸法を初期寸法測定値として測定し、測定した初期寸法測定値を加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に記憶する。
加工制御装置3の補正値変化パターン作成部32は、補正値変化パターン記憶部34に記憶されている初期寸法測定値を読み出し、読み出した初期寸法測定値に基づいて工作物の加工を制御する際の補正値変化パターンを作成する。そして、作成した補正値変化パターンを補正値変化パターン記憶部34に記憶されているサブ加工プログラムに書き込む。以上により、補正値変化パターンの作成が完了する。
加工制御装置3の加工制御部31は、例えば2日目の朝一に装置本体2を稼働開始してメイン加工プログラム及び補正値変化パターンを含むサブ加工プログラムに従って工作物を加工する(図2のステップS1,S2、加工制御工程)。
寸法測定装置4は、この加工と並行して、装置本体2の稼働開始により加工される工作物の寸法を第一寸法測定値として測定し、測定した第一寸法測定値を補正値変化パターン記憶部34に記憶する(図2のステップS3、第一寸法測定工程)。
加工制御装置3の補正値変化パターン修正部33は、補正値変化パターン記憶部34に記憶されている第一寸法測定値を読み出し、読み出した第一寸法測定値に基づいてサブ加工プログラムに書き込まれている補正値変化パターンを修正する(図2のステップS4、補正値変化パターン修正工程)。
そして、2日目の工作物の加工が完了したか否かを判断し(図2のステップS5)、当該加工が完了していない場合は、ステップS2に戻って上述の処理を繰り返し、当該加工が完了した場合は、装置本体2を稼働停止して(図2のステップS6)、全ての処理を終了する。
以後、加工制御部31は、例えば3日目の朝一にメイン加工プログラム及び修正した補正値変化パターンを含むサブ加工プログラムに従って装置本体2を稼働開始して工作物の加工を開始し、寸法測定装置4は、第一寸法測定値を測定し、補正値変化パターン修正部33は、補正値変化パターンを修正する処理を行う(図2のステップS1−図2のステップS4)。
(4.その他)
上述の実施形態では、加工制御装置3の補正値変化パターン修正部33が、工作物の第一寸法測定値が予め設定されている上限閾値tuを上回ったとき又は下限閾値tdを下回ったとき、補正値変化パターンを修正するための寸法補正量を算出する構成とした。しかし、寸法測定装置4が、工作物の第一寸法測定値が予め設定されている上限閾値tuを上回ったか又は下限閾値tdを下回ったかを監視し、補正値変化パターンを修正するための寸法補正量を算出して加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に記憶する構成としてもよい。
上述の実施形態では、加工制御装置3の補正値変化パターン修正部33が、工作物の第一寸法測定値が予め設定されている上限閾値tuを上回ったとき又は下限閾値tdを下回ったとき、補正値変化パターンを修正するための寸法補正量を算出する構成とした。しかし、寸法測定装置4が、工作物の第一寸法測定値が予め設定されている上限閾値tuを上回ったか又は下限閾値tdを下回ったかを監視し、補正値変化パターンを修正するための寸法補正量を算出して加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に記憶する構成としてもよい。
また、寸法測定装置4は、ロボット等を介して搬入される工作物を撮像して工作物の寸法を自動的に測定し、寸法測定値を加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に自動的に記憶する構成とした。しかし、作業者が、装置本体2で加工される工作物を寸法測定装置4に搬入し、工作物の所定箇所の寸法を手動で測定し、工作物の第一寸法測定値が予め設定されている上限閾値tuを上回ったか又は下限閾値tdを下回ったかを監視し、補正値変化パターンを修正するための寸法補正量を手動で算出して加工制御装置3の補正値変化パターン記憶部34に記憶する構成としてもよい。この場合、補正値変化パターンを修正することで、作業者による寸法補正量の入力頻度を低減できる。
また、加工制御装置3は、加工プログラムとしてメインの加工プログラムとサブの加工プログラムを持って加工を制御する構成としたが、それらを統合した加工プログラムを持って加工を制御する構成としてもよい。
1:加工装置、 2:装置本体、 3:加工制御装置、 4:寸法測定装置、 31:加工制御部、 32:補正値変化パターン作成部、 33:補正値変化パターン修正部、 34:補正値変化パターン記憶部
Claims (8)
- 工作物を加工する装置本体と、
前記装置本体での前記工作物の加工を加工プログラムに従って制御する加工制御装置と、
前記装置本体で加工される前記工作物の寸法を測定する寸法測定装置と、
を備える、加工装置であって、
前記加工制御装置は、
前記装置本体での前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで複数の前記工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンを記憶する補正値変化パターン記憶部と、
前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで前記加工プログラム及び前記補正値変化パターンに基づいて前記装置本体で複数の前記工作物を加工する加工制御部と、
前記加工制御部により加工された複数の前記工作物の第一寸法測定値に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する補正値変化パターン修正部と、
を備える、加工装置。 - 前記加工制御装置は、さらに、前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで前記加工プログラムに従って前記装置本体で加工される複数の前記工作物の初期寸法測定値に基づいて、前記補正値変化パターンを作成する補正値変化パターン作成部を備える、請求項1に記載の加工装置。
- 前記補正値変化パターン記憶部は、前記装置本体を稼働開始して複数の前記工作物を加工して稼働停止するまでに関して、複数の前記工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンを記憶し、
前記加工制御部は、前記加工プログラム及び前記補正値変化パターンに基づいて前記装置本体を稼働開始して複数の前記工作物を加工して稼働停止する、請求項1又は2に記載の加工装置。 - 前記補正値変化パターンは、前記工作物の加工数と前記加工位置の補正値との関係である、請求項1−3の何れか一項に記載の加工装置。
- 前記補正値変化パターン修正部は、前記工作物の第一寸法測定値が予め設定されている閾値を超えたとき、前記閾値を超えた前記第一寸法測定値から求まる補正値と前記補正値変化パターンとの偏差を求め、求めた偏差及び当該偏差を求めたときまでの前記工作物の加工数に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する、請求項4に記載の加工装置。
- 前記補正値変化パターンは、前記工作物の加工開始からの経過時間と前記加工位置の補正値との関係である、請求項1−3の何れか一項に記載の加工装置。
- 前記補正値変化パターン修正部は、前記工作物の第一寸法測定値が予め設定されている閾値を超えたとき、前記閾値を超えた前記第一寸法測定値から求まる補正値と前記補正値変化パターンとの偏差を求め、求めた偏差及び当該偏差を求めたときまでの前記工作物の加工開始からの経過時間に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する、請求項6に記載の加工装置。
- 加工装置による工作物の加工方法であって、
前記加工装置は、
工作物を加工する装置本体と、
前記装置本体での前記工作物の加工を加工プログラムに従って制御する加工制御装置と、
前記装置本体で加工される前記工作物の寸法を測定する寸法測定装置と、
を備え、
前記加工方法は、
前記装置本体での前記工作物の生産スケジュールの休止解除直後に、前記生産スケジュールで前記加工プログラム及び複数の前記工作物の加工を制御する際の加工位置の補正値変化パターンに基づいて前記装置本体で複数の前記工作物を加工する加工制御工程と、
前記加工制御工程により加工された複数の前記工作物の第一寸法測定値を測定する第一寸法測定工程と、
前記第一寸法測定値に基づいて、前記補正値変化パターンを修正する補正値変化パターン修正工程と、
を備える、加工方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023008631A1 (ko) * | 2021-07-29 | 2023-02-02 | 한화정밀기계 주식회사 | 선반 제어 장치 및 방법 |
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