JP7091984B2 - 補正システム、工作機械及び補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、補正システム、工作機械及び補正方法に関する。
工具を用いて、同一仕様の被加工物を、工具の摩耗量を補正して、同一条件で繰り返し加工する工作機械が知られている。このような工作機械は、例えば、特開平8-132332号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1には、工具の作用面を検出する位置を少なくとも3回測定して基準位置と測定位置とのずれ量を測定時刻とともに記憶し、ずれ量と測定時刻との関係に基づいて時刻とずれ量との関係を示す曲線の関数を求めた後、曲線の関数と現在時刻とに基づいてずれ量を求めて工具の指令位置を補正するようにした工作機械における位置ずれ補正方法が開示されている。
特開平8-132332号公報
本発明者は、特許文献1の技術では、求められる工具のずれ量が、補正できる入力値の最低値を下回った場合には、工具の位置を補正しないことに着眼した。この場合でも、工具の摩耗は進行するので、微小のずれ量が累積してしまう。このため、工具の位置のずれが大きくなってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑み、工具の位置精度の低下を抑制することを目的とする。
本発明の第1の観点からの補正システムは、工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、工具の位置を補正するシステムであって、補正量を推定する推定部と、推定部で推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、工具の位置を補正する補正部と、を備える。
本発明の第2の観点からの補正方法は、工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、前記工具の位置を補正する方法であって、補正量を推定する工程と、推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、工具の位置を補正する工程と、を備える。
本発明は、工具の位置精度の低下を抑制する補正システム、工作機械及び補正方法を提供することができる。
図1は、実施の形態における工作機械の模式図である。 図2は、実施の形態における工作機械の制御構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態における工具の経過時間に対する摩耗量を示す図である。 図4は、比較例における補正システムを説明するための図である。 図5は、実施の形態における補正システムを説明するための図である。 図6は、実施の形態における補正システムを説明するための図である。 図7は、実施の形態における補正システムを説明するための図である。 図8は、実施の形態における平均入力値と摩耗速度との関係を示す図である。 図9は、実施の形態における平均入力値の切り替えを説明するための図である。 図10は、実施の形態における補正方法を示すフローチャートである。 図11は、実施例における工具の摩耗量を示す図である。 図12は、図13において正常なデータを抽出した図である。 図13は、実施例における工具の経過時間に対する摩耗量を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
図1~図9を参照して、本発明の一実施の形態である補正システム、工作機械及び補正方法について説明する。
(工作機械)
図1に示すように、工作機械1は、工具2を用いて、被加工物5を加工する。本実施の形態の工作機械1は、工具2を用いて、同一仕様の被加工物5を同一条件で繰り返し加工する。これにより、被加工物を同じ形状の加工物に加工することができる。
「同一仕様の被加工物」とは、製造された条件が同一の被加工物である。なお、被加工物の材料は、特に限定されず、金属であってもよく、金属以外の材料であってもよい。「同一条件で繰り返し加工する」とは、複数の被加工物のそれぞれが同じ形状に加工されるために同じ条件で加工されることを意味する。
工作機械1は、工具2と、支持部3と、載置部4と、を備える。工具2は、被加工物5を加工する。加工する方法は、特に限定されず、例えば切削加工などである。支持部3は、工具2を支持する。支持部3は、左右(x軸)方向、前後(y軸)方向、及び上下(z軸)方向に移動可能である。支持部3の移動によって、工具2の位置を移動できる。載置部4は、被加工物5を載置する。なお、支持部3は、載置部4に載置された被加工物5に対して、相対的に移動する。このため、載置部4が左右方向、前後方向及び上下方向に移動可能であってもよい。
工作機械1は、NC(numerical control)工作機械であり、工作機械1の動作を制御する数値制御装置をさらに備える。制御装置は、被加工物に対する工具2の経路など加工に必要な作業の工程を、対応する数値情報で指令する。
工作機械1の動作を続けると、工具2による被加工物5の加工によって、工具2は摩耗する。また、工作機械1の動作中、工具2が寿命に達したり、破損したりする。このように、同じ形状の加工物に加工できない時には、同一仕様の別の工具2に交換する。「同一仕様の工具」とは、製造された条件が同一の工具である。
(補正システム)
<補正システムの構成>
図2に示すように、工作機械1の制御装置は、補正システム10を備える。補正システム10は、図1に示す工作機械1において、被加工物5が同じ形状に加工されるために、工具2の摩耗量に応じて工具2の位置を補正するシステムである。
図2に示すように、補正システム10は、測定部11と、算出部12と、記憶部13と、推定部14と、補正部15と、を備える。算出部12、推定部14及び補正部15を含む制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置により実現される。記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置により実現される。
測定部11は、工具2の加工開始時点からの経過時間における摩耗量を測定する。測定部11は、工具の加工面の摩耗量を測定してもよく、加工物の形状を測定することにより工具の摩耗量を求めてもよい。本実施の形態の測定部11は、例えば、工具2による加工後の加工物を空気マイクロメータで測定して、工具2の摩耗量を求める。
算出部12は、工具2の加工開始時点からの経過時間に対する摩耗量の複数の測定値に基づいて、工具2の加工開始時点からの摩耗量をW、経過時間をt、定数をA及びα(<1)としたときに、W=Atαで表される関係式のA及びαを算出する。これにより、工具の摩耗量を表す関係式を決定する。
算出部12は、A及びαを算出して関係式を決定するために、1つの工具2について少なくとも2以上の測定値を用いる。算出部12は、加工開始時点からの全ての加工物を測定した測定値を用いてもよく、加工開始時点からの一部の加工物を測定した測定値を用いてもよく、後述する初期段階(図3参照)の加工物を測定した測定値のみを用いてもよい。
1つの工具2についてA及びαを算出部12が算出することによって、1つの関係式を取得できる。算出部12は、動作中の工具のA及びαを算出してもよく、動作中の工具と別の同一仕様の工具のA及びαを算出してもよい。同一仕様の工具は、1つの工作機械に取り付けられた工具であってもよく、別の同一仕様の工作機械に取り付けられた工具であってもよい。「同一仕様の工作機械」とは、同一の操作によって同一の加工物を製造する工作機械である。
ここで、関係式について図3を参照して説明する。工具2の加工開始時点からの経過時間tに対する摩耗量Wは、図3に示すモデルで表現できる。工具の摩耗時期は、加工開始時点からの経過時間に対して、摩耗量がW以下の初期段階(0<t≦t)、摩耗量がWを超えてW以下の定常段階(t<t≦t)、及び摩耗量がWを超える末期段階(t<t)がある。初期段階は、摩耗量変化の大きい状態である。定常段階は、摩耗量変化が小さくなり安定した状態である。末期段階は、急速に摩耗量が大きくなり、寿命に達する状態である。
工具2が寿命に達するまでの初期段階及び定常段階(0<t≦t)においては、W=Atα(0<α<1)の関係式で表される。このため、異なる時間に対する摩耗量の測定値が2以上あると、A及びαを算出できるので、関係式を決定できる。
経過時間tは、新たな同一仕様の工具を設置して加工を開始した時点を0として、加工を継続中において経過した時間である。この経過時間tは、1つの被加工物5を加工する時間が同じであり、同じペースで連続して加工することを意味する。経過時間tは、工具の交換に要する時間などを含まない。このため、経過時間tと加工数とは、比例する。つまり、工具2の加工開始時点からの摩耗量をW、加工数をx、定数をA’及びα’(<1)としたときに、W=A’xα’で表すこともできる。このように、被加工物及び加工条件が同一であれば、工具の摩耗量は経過時間t、つまり、加工数に依存する。
記憶部13は、算出部12で推定した関係式を記憶する。本実施の形態の記憶部13は、複数の同一仕様の工具2のそれぞれについて、算出部12で取得した関係式を記憶する。つまり、記憶部13は、同一仕様の工具2について、複数の関係式を記憶する。複数の同一仕様の工具2は、1つの特定の工作機械の工具であってもよく、別の同一仕様の工作機械に取り付けられた工具であってもよい。また、記憶部13は、1つの特定の工作機械の同一仕様の複数の工具の関係式と、別の同一仕様の工作機械の同一仕様の工具の関係式とを分類して記憶してもよい。
本発明者は、αが1以上の場合はノイズであることを特定した。初期段階ではαが1以上と算出される場合があるが、記憶部13は、αが1以上の関係式を含まない。このため、記憶部13にエラーとなる式が記憶されることを防止できる。
推定部14は、工具2の位置を補正する補正量を推定する。推定部14は、推定される摩耗量に基づいて、動作中の工具2を支持する支持部3の位置の補正量を算出する。
推定部14は、単調減少する工具2の摩耗速度の式を取得することが好ましい。本実施の形態の推定部14は、摩耗速度をvとしたときに、v=Aαtα-1で表される式に基づいて、補正量を推定する。この式は、図4~図7の推定式に相当する。この場合、記憶部13から同一仕様の工具2の関係式を読み出して、取得した摩耗速度vの式に基づいて、動作中の工具2を支持する支持部3の位置の補正量を算出する。本発明者が鋭意研究した結果、上述したように、工具の加工開始時点からの経過時間tと、摩耗量Wとの関係をW=Atαで表すことができることを見出した。工具の摩耗速度は一定ではないが、この関係式から、摩耗速度vの式を特定できるので、推定される工具2の補正量の精度を向上できる。
補正部15は、推定された摩耗量に基づいて、動作中の工具2の位置を補正する。補正部15は、支持部3に補正指令を送る。
補正部15は、推定部14で推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、工具2の位置を補正する。「分解能を下回る」とは、推定される補正量が、工作機械1の補正できる入力値の最低値を下回って、通常では補正されないことを意味する。「補正する」とは、分解能以上の値を入力することを意味する。
工作機械において分解能を超える精度の補正ができないので、通常、補正量(入力値)を推定値の分解能の整数倍に近似する。図4~図7では、分解能が0.1μmであり、補正部15は分解能の整数倍の補正量を入力することが可能である。図4~図7において、横軸は、加工数である。
図4では、推定部14で推定された摩耗速度の推定式に基づいて、四捨五入で分解能の整数倍の補正量を入力した状態を示す。この場合、160個目以降の補正量は0になり、それ以降は補正しない。しかし、実際は、工具の摩耗が進行するので、微小のずれ量が累積してしまう。
本発明者が工具2の位置精度の低下を抑制するために鋭意検討した結果、推定される補正量が、補正できる入力値の最低値を下回った後に、工具2の位置を補正することを見出した。そこで、本実施の形態の補正部15は、図5に示すように、計算上の入力値が0になっても、少なくとも1回、分解能の0.1μmの補正量を入力する。このように、推定部14で推定される補正量が分解能以上では、分解能の整数倍の値を入力するとともに、分解能を下回った後には、断続的に、分解能の値を入力する。このように、推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、工具2の位置を補正すると、分解能よりも小さな誤差を補正することができる。したがって、工具2の位置精度の低下を抑制することができる。
続いて、補正部15で補正するタイミングについて説明する。以下、推定部14で推定される補正量の累積を累積誤差Eとし、分解能をMとする。補正量の累積(累積誤差E)は、入力によってリセットされた時点以降に、推定される補正量(誤差)の累積である。
例えば、補正部15は、推定部14で推定される補正量の累積が分解能に達したときに、工具2の位置を補正してもよい。この場合、補正量の累積が分解能以下(0≦E≦M)となるので、工具2の位置精度の低下をより抑制することができる。
また、図6及び図7に示すように、補正部15は、推定部14で推定される補正量の累積が分解能の半分に達したときに、工具2の位置を補正してもよい。この場合、補正量の累積が分解能の絶対値の半分以下(|E|≦M/2)となるので、工具2の位置精度の低下をより抑制することができる。
また、図8に示すように、補正部15は、摩耗速度が分解能Mの1/nになる時刻tにおいて、平均入力値がM/nとなるように、工具2の位置を補正してもよい。つまり、時刻t近傍では、被加工物n個の加工につき1回の補正をする。この場合、入力間隔の変動を低減できるので、工具2の位置精度の低下を容易に抑制できる。入力間隔の一例を下記の表1に示す。
Figure 0007091984000001
なお、図8及び表1において、時刻t以降(t<t)では、推定部14で推定される補正量が分解能を下回る。
この場合、補正部15は、時刻tの経過後に、つまり平均入力値がM/kの状態で、時刻tでの摩耗速度をv(t)としたときに、下記の式1で表される時刻sにおいて、平均入力値を切り替える。
Figure 0007091984000002
ただし、上記式1において、kは2以上の整数である。この場合、誤差をより低減できるので、工具2の位置精度の低下をより低減できる。
上記式1について、図9を参照して説明する。図9に示すように、時刻tからtk+1の、正方向及び負方向の累積誤差は、下記の式2及び式3で表される。
Figure 0007091984000003
Figure 0007091984000004
正方向の累積誤差と負方向の累積誤差とを下記の式4のように同じ値にすると、時刻tからtk+1の累積誤差値を0にできる。
Figure 0007091984000005
式2~式4を展開すると、以下の式5及び式6に変形されるので、上記式1が得られる。
Figure 0007091984000006
Figure 0007091984000007
なお、式1は、下記の式7に変形することができる。
Figure 0007091984000008
上記式7の累積摩耗量w(t)は、加工開始時点から推定される摩耗量の累積である。
なお、入力時刻を離散的にしか制御できない場合には、離散最適化により同様の考え方でsを決定する。
<補正方法>
続いて、主に図10を参照して、補正方法について説明する。
まず、測定部11により、工具2の加工開始時点からの経過時間に対する摩耗量を複数測定する(ステップS1)。
次に、算出部12により、複数の測定値に基づいて、W=Atαで表される関係式のA及びα(<1)を算出する(ステップS2)。これにより、1つの工具についての関係式W=Atαを取得できる。取得した関係式を記憶部13に記憶する。
次に、記憶部13から関係式を読み出して、摩耗速度の式v=Aαtα-1を特定する(ステップS3)。
次に、推定部14により、補正量を推定する(ステップS4)。上述したように、摩耗速度の式に基づいて、支持部3の位置の補正量を算出する。
次に、補正部15により、補正量に応じて工具2の位置を補正する(ステップS5)。このステップS5では、推定部14で推定される補正量が分解能以上である場合には、通常の補正と同様に行う。推定される補正量が分解能を下回る場合には、上述したように、分解能を下回った後に、少なくとも1回、工具2の位置を補正する。補正部15は、上述したようなタイミングで、支持部3の位置を変更するように、支持部3の位置決め手段に補正指令を送る。
以上のステップS1~S5を実施することにより、支持部3の位置を補正できるので、摩耗量に応じて工具2の位置を補正できる。
なお、本実施の形態では、W=Atαで表される関係式を算出して摩耗速度v=Aαtα-1で表される式に基づいて、補正量を推定する補正システム及び補正方法について説明した。本発明の補正システム及び補正方法は、関係式を算出する算出部を省略してもよい。つまり、推定部による補正量の推定は、関係式からの推定に限定されない。
本実施例では、工具の加工開始時点からの経過時間tと、摩耗量Wとの関係式について説明する。
まず、1つの工作機械1において、工具2を用いて、同一仕様の金属の被加工物5を同一条件で繰り返し加工し、摩耗量を測定した。9個の同一仕様の工具について測定したデータを図11に示す。図11において、領域Aでは、工具4に異常が発生した。領域Bでは、工作機械1を停止した。
図11から、領域A及びBのように、異常が生じた測定点を除いて、正常に動作している測定値を抜き出したものを図12に示す。
次に、図12において、各工具を交換した時点を加工開始時点として0に揃え、縦軸を反転したものを図13に示す。本発明者は、図13で表すデータを蓄積し、鋭意研究した結果、工具の加工開始時点からの経過時間tと摩耗量Wとの関係を、W=Atα(A及びα(<1)は定数)の関係式で表すことができることを見出した。なお、図13に示す関係式は、9個の関係式の相乗平均を求めたものである。
以上のように、経過時間と摩耗量との関係の基本となる式を特定するために本発明者が鋭意研究した結果、W=Atαという関係式を見出した。補正システム、工作機械及び補正方法が、見出した関係式を用いて、工具2の摩耗量を推定する場合、推定される工具の摩耗量の精度を向上できるので、推定される補正量の精度を向上できる。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :工作機械
2 :工具
3 :支持部
4 :載置部
5 :被加工物
10 :補正システム
11 :測定部
12 :算出部
13 :記憶部
14 :推定部
15 :補正部

Claims (7)

  1. 工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、被加工物に対する前記工具の位置を補正するシステムであって、
    補正量を推定する推定部と、
    前記工作機械の補正できる入力値の最低値を分解能とし、前記推定部で推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、前記工具の位置を補正する補正部と、
    を備え
    前記補正部は、前記推定部で推定される補正量の累積が分解能の半分に達したときに、前記工具の位置を補正する、補正システム。
  2. 前記補正部は、前記推定部で推定される補正量の累積が分解能に達したときに、前記工具の位置を補正する、請求項1に記載の補正システム。
  3. 工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、被加工物に対する前記工具の位置を補正するシステムであって、
    補正量を推定する推定部と、
    前記工作機械の補正できる入力値の最低値を分解能とし、前記推定部で推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、前記工具の位置を補正する補正部と、
    を備え、
    前記補正部は、分解能をMとしたときに、摩耗速度が分解能Mの1/nになる時刻tにおいて、平均入力値がM/nとなるように、前記工具の位置を補正する、補正システム。
  4. 前記補正部は、時刻tの経過後に、時刻tでの摩耗速度をv(t)としたときに、下記の式1(kは2以上の整数)で表される時刻sにおいて、平均入力値を切り替える、請求項に記載の補正システム。
    Figure 0007091984000009
  5. 工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、被加工物に対する前記工具の位置を補正するシステムであって、
    補正量を推定する推定部と、
    前記工作機械の補正できる入力値の最低値を分解能とし、前記推定部で推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、前記工具の位置を補正する補正部と、
    を備え、
    前記工具の加工開始時点からの経過時間に対する摩耗量の複数の測定値に基づいて、前記工具の加工開始時点からの摩耗量をW、経過時間をt、定数をA及びα(<1)としたときに、W=Atαで表される関係式のA及びαを算出する算出部をさらに備え、
    前記推定部は、摩耗速度をvとしたときに、v=Aαtα-1で表される式に基づいて、補正量を推定する、補正システム。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の補正システムと、
    前記被加工物を加工する前記工具と、
    前記被加工物を載置する載置部と、
    を備える、工作機械。
  7. 工具を用いて、被加工物を加工する工作機械において、被加工物に対する前記工具の位置を補正する方法であって、
    補正量を推定する工程と、
    前記工作機械の補正できる入力値の最低値を分解能とし、推定される補正量が分解能を下回った後に、少なくとも1回、前記工具の位置を補正する工程と、
    推定された補正量の累積が分解能の半分に達したときに、前記工具の位置を補正する工程と、
    を備える、補正方法。
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