JP2019027810A - 電気機器の余寿命診断方法および余寿命診断装置 - Google Patents

電気機器の余寿命診断方法および余寿命診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の絶縁物診断では、寿命に関わる評価項目の実測が必要であり、電気機器の停電や現地実測のために時間や手間がかかるという問題があった。【解決手段】 絶縁物劣化に影響する評価項目を検出する検知センサを電気機器に設置(S1)。次に、既設の受変電機器の情報を蓄積した「実績データベース」から類似事例を抽出(S2)。類似事例の値から検知センサ設置時の表面抵抗率を推定。推定値と使用年数0年のデータから使用年数—表面抵抗率の関係式を取得(S3)。評価項目と表面抵抗率との相関を蓄積した「基礎実験データベース」と検知センサが得るデータとS3により、使用年数に対する表面抵抗率を逐次算出(S4)。S4で求めた相関関係と所定の閾値から寿命年数を算出(S5)。S5で算出した寿命年数から、検知センサ設置時の電気機器の使用年数を減算し、余寿命を算出(S6)。【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、受配電機器で使用する絶縁物の余寿命を診断するための方法および装置に関する。より詳しくは、この発明は、例えば、稼動中の受配電機器に使用される固体絶縁物の絶縁抵抗の低下に対応して余寿命を精度よく診断するための技術に関する。
受配電機器は電気エネルギーを工場や建物へ供給する役割を担っている設備であり、長期にわたり信頼性、安定性を確保して稼動することが求められる。長期間にわたる受配電機器の使用によって、受配電機器に用いられる絶縁物は劣化し、それにより電気的トラブルが発生した場合には、生産での損失あるいは機器の保修といったような、生産機器あるいは建物に与える影響が大きくなる。このため、受配電機器に用いられる絶縁物の劣化を精度よく診断するための技術が望まれている。
受配電機器に用いられる絶縁物の劣化は次のプロセスで進行すると考えられている。
(1)絶縁物の設置環境に浮遊する塵埃やガス(NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物))が付着することで、絶縁物の表面抵抗率が低下する。また、湿度が高い場合や温度が高い場合も、絶縁物の表面抵抗率が低下する。(2)漏れ電流によるジュール熱により、局所的な乾燥帯が絶縁物に形成される。(3)乾燥帯への電圧集中によって、シンチレーション放電が発生する。(4)放電によって絶縁物の有機物が炭化して導電路が形成され、絶縁破壊に至る。
絶縁破壊の発生により、電気的トラブルが起こることを未然に防止するためには、受配電機器に用いられる絶縁物の劣化状態を把握し、保全・更新を計画的に実施することが必要である。そこで、受配電機器に用いられている絶縁物の劣化度を定量的に精度よく把握し、受配電機器の余寿命診断をすることが重要である。
従来の余寿命診断方法としては、たとえば特許文献1(特開2012−141146号公報)に開示されている。これによれば、受配電機器に用いられている絶縁物の劣化診断装置は推定手段と診断手段を具備し、推定手段では、絶縁物に対して予め設定されている評価項目(イオン含有量、色相、光沢度、反射率など)の係数と、評価項目の実測値とに基づいて、多変量解析により表面抵抗率を推定する。次に、診断手段では、推定手段によって推定された表面抵抗率と、絶縁物の使用期間とに基づいて、表面抵抗率の使用期間に対する変化を表す推定曲線を求め、推定曲線が予め設定されている閾値以下となる時点に基づいて、絶縁物の有効期間を求める。
特開2012−141146号公報(図1〜図11)
特許文献1のような従来の受配電機器に用いられている絶縁物の余寿命診断方法では、イオン含有量や色相などの評価項目の実測をする必要がある。実測では受配電機器が設置されている現地に赴いて、余寿命診断に必要な評価項目の測定や、その値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析しなければならず、診断に時間や手間がかかるという問題があった。また、受配電機器の状況を実測する場合、作業の安全確保のために当該受配電機器を停電させる必要があるが、工場・事務所等の操業停止を伴うため簡単には対応できず、場合によっては数年に一度の保守点検時点までは対応ができないという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、受配電機器などの電気機器が設置されている現地における余寿命診断に必要な評価項目の測定を省略しても、容易に診断をすることが出来る余寿命診断方法あるいは余寿命診断装置を得ることを目的とする。
本発明のある局面に係る電気機器の余寿命診断方法は、絶縁物を含む電気機器の余寿命診断方法である。余寿命診断方法は、絶縁物の劣化に影響を与える評価項目を検出する検知センサを前記電気機器に設置するステップと、前記検知センサの設置環境と類似する既設の電気機器の絶縁物の表面抵抗率を、既設の電気機器の設置環境及び絶縁物劣化状況のデータを蓄積した実績データベースから抽出するステップと、前記抽出により得た類似設置環境における過去診断時の絶縁物の表面抵抗率の値を基に前記検知センサ設置時の表面抵抗率を推定して推定表面抵抗率を得るとともに、前記推定表面抵抗率と基礎実験データベースから抽出した当該絶縁物の使用年数0年の表面抵抗率との間を結び、診断対象の電気機器の使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を得るステップと、前記基礎実験データベースを用いて、前記検知センサにより連続して得られる前記評価項目の値に対応する実測評価項目対応の表面抵抗率を抽出し、前記実測評価項目対応の表面抵抗率を用いて前記ステップで得た前記使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を補正した使用年数―表面抵抗率の第2の関係式を得るステップと、
前記第2の関係式に所定の閾値を設定し、寿命年数を算出するステップと、前記ステップで算出した寿命年数から、検知センサ設置時あるいは検知センサの測定時点の電気機器の使用年数を減算し、余寿命を算出するステップ、を備える。
本発明のある局面に係る電気機器の余寿命診断装置は、絶縁物を含む電気機器の余寿命診断装置である。余寿命診断装置は、絶縁物を含む電気機器の余寿命診断装置であって、前記電気機器に設置されて絶縁物の劣化に係る評価項目を検知する検知センサと、前記検知センサの設置環境と類似する既設の電気機器の絶縁物の表面抵抗率を、既設の電気機器の設置環境及び絶縁物劣化状況のデータを蓄積した実績データベースから抽出する類似案件抽出部と、前記抽出により得た類似設置環境における過去診断時の絶縁物の表面抵抗率の値を基に前記検知センサ設置時の表面抵抗率を推定して推定表面抵抗率を得るとともに、前記推定表面抵抗率と基礎実験データベースから抽出した当該絶縁物の使用年数0年の表面抵抗率との間を結び、診断対象の電気機器の使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を作る使用年数―表面抵抗率の関係式作成部と、前記基礎実験データベースを用いて、前記検知センサにより連続して得られる前記評価項目の値に対応する実測評価項目対応の表面抵抗率を抽出し、前記実測評価項目対応の表面抵抗率を用いて前記使用年数―表面抵抗率の関係式作成部で作成した前記使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を補正し使用年数―表面抵抗率の第2の関係式を作成する使用年数―表面抵抗率関係式の補正部と、前記第2の関係式に所定の閾値を設定し、寿命年数を算出する寿命年数算出部と、前記寿命年数算出部が算出した寿命年数から、検知センサ設置時あるいは検知センサの測定時点の電気機器の使用年数を減算し、余寿命を算出する余寿命算出部、を備える。
この発明は、類似の設置環境事例における絶縁物の劣化特性情報を基に使用年数―表面抵抗率の関係式を作成し、検知センサが測定した評価項目値と絶縁物劣化特性に係る基礎実験データベースからの絶縁物表面抵抗率を用いて前記使用年数―表面抵抗率の関係式を補正し、寿命年数や余寿命を算出するようにしたため、電機機器が設置されている現地測定を省略しても、確実な診断をすることが出来る絶縁物の余寿命診断方法あるいは余寿命診断装置を得ることができる。
受配電機器の一例であるスイッチギヤの構成を概略的に示した断面図である。 この発明の実施の形態1の余寿命診断の手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の余寿命診断において使用年数―表面抵抗率の第1の関係式作成の過程及び第2の関係式の作成の考え方を示すグラフである。 この発明の実施の形態1の余寿命診断における基礎実験データベースに収録するデータの事例である相対湿度(RH%)と表面抵抗率との関係を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る余寿命診断方法を実行するシステムの概略構成図である。 図5に示した制御部の機能ブロック図である。 実績データベースの収録データを示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
実施の形態1.
図1は、受配電機器の一例として示したスイッチギヤの構成を概略的に示した断面図である。スイッチギヤ49は、絶縁体により支持される遮断器、断路器、母線・導体などの主回路構成品と計測機器とから構成される。
図1を参照して、スイッチギヤ49は、操作機構51a、51bとモールドフレーム55a、55bとを備えた遮断器と50、碍子58にて支持された接続導体53a、54a、53b、54bと、三相交流の各相に対応した3本の水平母線52を一括して支持する母線支持板56等を備えている。
遮断器の50の操作機構51aおよび遮断部(図示せず)を内蔵したモールドフレーム55aは台車61aに搭載された形に構成されており、図1において左右に移動可能に配置されている。上側の接続導体53aは、その一端をケーブル57aに、他方は上側の前記遮断器50の上側端子に電気的に接続される。接続導体54aは、一端が上側の前記遮断器50の下側端子に接続され、他端が母線支持板56に支持された水平母線を介して下側の接続導体53bに電気的に接続される。下側の接続導体54bは、一端が下側の前記遮断器50の下側端子に接続され、他端はケーブル57bに電気的に接続される。
本発明における、余寿命診断対象の絶縁物すなわち、モールドフレーム55a、55b、母線支持板56あるいは碍子58の材料は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
検知センサ10は、診断の対象とする絶縁物の近傍に配置する。図1においてはスイッチギヤ49の下部のモールドフレーム55bの近くに設置している。この実施の形態1では、余寿命の診断対象となる絶縁物は、モールドフレーム55a、55b、母線支持板55あるいは碍子58となる。
本発明の実施の形態1に関わる受配電機器に用いられている絶縁物の余寿命診断方法は、受配電機器の据付場所での現地測定やサンプル採取・分析を実施することなく、データベースに蓄積された既設の多数の受配電機器の情報及び上記とは別のデータベースに蓄積された絶縁物の特性に関する情報を、現地測定データ値に相当する推定値として活用して受配電機器の余寿命を求める余寿命診断方法である。
本発明の余寿命診断方法の概略の手順は次のようになる。
絶縁物の劣化に影響を与える評価項目(温度、湿度、NOx量、SOx量、漏れ電流、放電電流)のいずれかもしくは複数を検出可能な検知センサを受配電機器に設置する(S1)。次に、検知センサの設置環境に関する情報((イ)受配電機器を設置している事業所の業種、(ロ)周辺地域の特徴、(ハ)受配電機器に使用されている絶縁物の種類、(ニ)受配電機器の定格電圧、(ホ)受配電機器設置場所の空調設備、(へ)設置建屋内の環境、(ト)対象受配電機器内の環境、(チ)受配電機器の清掃状態、(リ)受配電機器の使用年数)を、過去に余寿命診断を実施した絶縁物の情報を設置環境と関連付けた実績データベース116と照合し、類似している設置環境を検索する(S2)。類似している設置環境での過去診断時における絶縁物の表面抵抗率の値から、検知センサ設置時の表面抵抗率を推定する。推定値と使用年数0年のデータを結び、使用年数―表面抵抗率の関係式を得る(S3)。検知センサで評価する項目と、表面抵抗率との相関を記録している基礎実験データベース117を利用し、検知センサにより連続して得られるデータと前記S3により、使用年数に対する表面抵抗率を逐次求める(S4)。前記S4で求めた相関関係と所定の閾値より、寿命年数を算出。なお、所定の閾値は、所定湿度において放電発生する絶縁物の表面抵抗率のうちの最高値に予め設定される(S5)。前記S5で算出した寿命年数から、検知センサ設置時あるいは検知センサの測定時点の受配電機器の使用年数を減算し、余寿命を算出する(S6)。
次に、図2、図3、図4を用いて、実施の形態1に関わる余寿命診断方法の詳細について説明する。図2は本発明の基本的な余寿命診断のフローチャートを示している。本発明ではステップS1〜ステップS6の6つのステップにて、受配電機器に用いている絶縁物の余寿命を診断する。
実施の形態1においては、ステップS1では絶縁物の劣化に影響を与える項目のひとつである、「湿度」を検出可能な「検知センサ(湿度センサ)」10をスイッチギヤ49内に設置する。
ステップS2では、検知センサ(湿度センサ)10の設置環境に関する情報((イ)受配電機器を設置している事業所の業種、(ロ)周辺地域の特徴、(ハ)受配電機器に使用されている絶縁物の種類、(ニ)受配電機器の定格電圧、(ホ)受配電機器設置場所の空調設備、(へ)設置建屋内の環境、(ト)対象受配電機器内の環境、(チ)受配電機器の清掃状態、(リ)受配電機器の使用年数)を、多数のユーザ向けに出荷し、過去に余寿命診断を実施した多数の受配電機器に用いられている絶縁物の情報を設置環境と関連付けてデータベース化している実績データベース116と照合(9項目の条件を入力し、テーブル(表)検索)し、類似している設置環境を検索し抽出する。
ステップS3では、類似している設置環境での過去診断時における絶縁物の表面抵抗率の値から、検知センサ10設置時の表面抵抗率(図3のア)を推定する(推定表面抵抗率)。次いで、図3に示すように、検知センサ10設置時の表面抵抗率の推定値(ア)と使用年数0年の表面抵抗率(イ)を結び、使用年数―表面抵抗率の関係直線(a)、すなわち「使用年数―表面抵抗率の第1の関係式」を作成する。
ステップS4では、過去の実験により、検知センサ10で検知する評価項目(実施の形態1では湿度)と表面抵抗率との相関に関するデータを蓄積している基礎実験データベース117を利用し、検知センサ10により連続して得られる評価項目データ(湿度)と前記ステップS3で作成した図3の特性図(使用年数―表面抵抗率の第1の関係式)を使用して、使用年数に対して表面抵抗率を逐次に求める。
図3、図4を用いて具体的に説明する。図3において、ある使用年数Xにおける表面抵抗率の値Aは、実績データベース116を検索することで得られたもので、受配電機器の設置環境に類似した環境における実績データからの推定値(推定表面抵抗率)である。また図4において、この推定値Aは、過去の診断時のある一定の基準的な評価項目(湿度)の値C(例えば、相対湿度50%RH)における値であることから、実際の設置環境(湿度の大小の影響)は考慮されていない。
そこで、劣化度合いの異なる幾つかの絶縁物について、相対湿度100%RHから所定の相対湿度(例えば0%RH)までの間で変化させた場合の表面抵抗率の変化特性(評価項目(湿度)の値と表面抵抗率の相関)をデータベース化した基礎実験データベース117を利用する。この、絶縁物の劣化度合いと評価項目(湿度)の大小に相関した表面抵抗率に関して、前記基礎実験データベース117に登録している幾つかのパターンについて、そのイメージを図4に示す。
図4は、相対湿度(RH%)と表面抵抗率との関係を説明する図である。図4に示すように、絶縁物の表面抵抗率は相対湿度により大きく変化する。図4には3本の曲線を記載しているが、上方の曲線(C1)は劣化が少ないもの、下方の曲線(C3)は劣化が進展したものを示す。図4から、同じ相対湿度でも劣化が進展した絶縁物ほど表面抵抗率が低くなることがわかる。また、同じ絶縁物であっても相対湿度が高くなると表面抵抗率が下がる傾向にある。例えば、図4の曲線(C2)で湿度Cにおける表面抵抗率はAであるが、湿度が曲線(C2)のDまで上昇すると表面抵抗率はBに低下する。
検知センサ(湿度センサ)10を利用することで、スイッチギヤ49の設置環境での実際の湿度を検知し、基礎実験データベース117を利用することで、その時の検知センサ10の評価項目の値(湿度)Dに対応するその環境における表面抵抗率Bを求めることができる。このようにして求めた表面抵抗率Bを用いて、前記ステップS3の関係(図3のグラフの直線(a))を逐次に補正し、実環境(湿度)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関(使用年数―表面抵抗率の第2の関係式)を得る。
例えば図3において上記の方法で求めた「使用年数―表面抵抗率の第1の関係式」(図3のグラフの直線(a))は仮の関係式であり、その後、図3で示すような方法で、検知センサ10で実際に検知した評価項目の値(湿度)Dに対応するその環境における表面抵抗率Bを得る。
このようにして、図3にS4で示す4つのプロット点(ウ1、エ1、オ1、カ1)は、使用年数―表面抵抗率の関係直線(a)に対して上または下方向にずれて分布する(ウ2、エ2、オ2、カ2)。このずれの分布を考慮して、図3において、検知センサ10設置時の表面抵抗率(ア)を基点として使用年数に対応して右下がりとなる直線すなわち上側直線(b)あるいは下側直線(c)を引く。この直線(b)あるいは直線(c)が新たに「使用年数―表面抵抗率の第2の関係式」となる。
この「使用年数―表面抵抗率の第2の関係式」は、その後も継続して、図4に示すように検知センサ10で実際に検知した評価項目の値(湿度)Dに対応するその環境における表面抵抗率B(基礎実験データベース117のデータを用いて補正)を求め、図3上のプロット状況により適宜に補正され、新たな「使用年数―表面抵抗率の第2の関係式」を得る。
このように、図3において、使用年数と表面低効率の関係を示す直線(a)(b)(c)は関係式の概念に含むものとする。
ステップS5では、ステップS4で求めた相関関係と所定の閾値より、寿命年数を算出する。具体的には、図3において、グラフの左右方向に走る破線(閾値)で示した値と直線(a)(b)(c)とが交差する点が寿命点である。この寿命点とグラフ左端の縦軸との距離が寿命年数である。
なお、所定の閾値は、所定湿度において放電発生する絶縁物の表面抵抗率のうちの最高値に予め設定される。
最後にステップS6では、ステップS5で算出した寿命年数から、検知センサ10の設置時の受配電機器の使用年数を減算し、余寿命を算出する。なお、検知センサ10の設置時の受配電機器の使用年数は、図3において、ア点からグラフ左端の縦軸との距離となる。このため、求める余寿命は、グラフの左右方向に走る破線(閾値)で示した値と直線(a)(b)(c)とが交差する点とア点との水平距離となる。
以上のステップを経ることで、湿度センサ10を用いて、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、受配電機器を停電させることが不要となり、また、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなくなるため、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を容易に実施することが可能となる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る余寿命診断方法を実行するシステムの概略構成図である。図5を参照して、余寿命診断装置は、たとえばROM等の記録媒体に記録されたプログラムによってその動作が制御される制御ボードの形態で実現される。ただし制御ボードは余寿命診断装置の一実現例であって、余寿命診断装置のハードウェア構成は特に限定されるものではない。
余寿命診断装置100は、入力部101と、記憶部102と、制御部103と、出力部104とを備える。
入力部101は、たとえばキーボードおよびマウス、あるいはタブレット等の入力デバイスを含む。入力部101は、診断対象の絶縁体55(たとえばモールドフレーム55a)の余寿命の診断に必要な各種データの入力を受け付けるとともに、その入力されたデータを記憶部102へ送る。たとえば湿度−表面抵抗率特性のデータが、余寿命の診断に先立って入力される。また、センサ10には所定の電圧(たとえば100V)が測定器20によって印加され、センサ10からの出力値が測定器20によって計測される。測定器20から送られた計測値が入力部101に入力される。
記憶部102は、たとえばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどを含むメモリデバイスであり、余寿命診断方法を実施するためのプログラム、湿度−表面抵抗率特性、計測値から表面抵抗率を計算するためのセンサ10に関するデータなどの各種データを記憶する。また、記憶部102は、入力部101に入力された各種のデータを記憶する。
制御部103は、たとえばマイクロプロセッサ(MPU)によって実現され、記憶部102に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに記述された手順に従って余寿命診断に関する処理を実行する。出力部104は、制御部103による余寿命の診断結果を外部の出力装置に出力する。たとえば出力装置は、無線装置、プリンタ、ディスプレイまたはこれらの両方を含みうる。
図6は、図5に示した制御部の機能ブロック図である。
図6を参照して、制御部103は、類似案件抽出部111と、使用年数―表面抵抗率の関係式作成部112と、使用年数―表面抵抗率の関係式補正部113と、寿命年数算出部114と、余寿命算出部115とを含む。
類似案件抽出部111は、検知センサ(湿度センサ)10の設置環境に関する情報((イ)受配電機器を設置している事業所の業種、(ロ)周辺地域の特徴、(ハ)受配電機器に使用されている絶縁物の種類、(ニ)受配電機器の定格電圧、(ホ)受配電機器設置場所の空調設備、(へ)設置建屋内の環境、(ト)対象受配電機器内の環境、(チ)受配電機器の清掃状態、(リ)受配電機器の使用年数)を、多数のユーザ向けに出荷し、過去に余寿命診断を実施した多数の受配電機器に用いられている絶縁物の情報を設置環境と関連付けてデータベース化している実績データベース116と照合(9項目の条件を入力し、テーブル(表)検索)し、類似している設置環境を検索し抽出する。すなわち、ステップ2の処理を実行する。
使用年数―表面抵抗率の関係式作成部112は、類似している設置環境での過去診断時における絶縁物の表面抵抗率の値から、検知センサ10設置時の表面抵抗率(図3のア)を推定する(推定表面抵抗率)。次いで、図3に示すように、検知センサ10設置時の表面抵抗率の推定値(ア)と使用年数0年の表面抵抗率(イ)を結び、使用年数―表面抵抗率の関係直線(a)、すなわち「使用年数―表面抵抗率の第1の関係式」を作成する。すなわち、ステップ3の処理を実行する。
使用年数―表面抵抗率の関係式補正部113は、過去の実験により、検知センサ10で検知する評価項目(実施の形態1では湿度)と表面抵抗率との相関に関するデータを蓄積している基礎実験データベース117を利用し、検知センサ10により連続して得られる評価項目データ(湿度)と前記ステップS3で作成した図3の特性図(使用年数―表面抵抗率の第1の関係式)を使用して、使用年数に対して表面抵抗率を逐次に求める。これを適宜に繰り返して、ステップ3で作成した「使用年数―表面抵抗率の第1の関係式」を適宜に補正して、「使用年数―表面抵抗率の第2の関係式」を作成する。すなわち、ステップ4の処理を実行する。
寿命年数算出部114は、前記の使用年数―表面抵抗率の関係式補正部113で補正して作成した、「使用年数―表面抵抗率の第2の関係式」と所定の閾値より、寿命年数を算出する。すなわち、ステップ5の処理を実行する。
余寿命算出部115は、前記寿命年数算出部114が算出した寿命年数から、検知センサ10の設置時の受配電機器の使用年数を減算し、余寿命を算出する。すなわち、ステップ6の処理を実行する。
また、図7は、実績データベースに収録している収録データの事例を示す。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2を説明する。本発明の実施の形態1では、検知センサとして湿度センサを使用することで、時間や手間をかけることなく余寿命診断する方法を挙げたが、検知センサとして、NOx量を定量できるNOxセンサを用いても良い。
余寿命診断フローは図2と同様に実施するが、ステップS4のみ下記要領で実施する。
NOxセンサを用いた場合、ステップS4では、ある使用年数Xにおける表面抵抗率がAだとすると、この値Aは、実績データベース116より検索することで得られたS3の使用年数―表面抵抗率からの推定値である。この推定値Aは、過去の診断時のある一定の評価項目(NOx量)の値Cにおける値であることから、実際の設置環境(NOxの影響)は考慮されていない。そこで、検知センサでの評価項目の値と表面抵抗率の相関を記録している基礎実験データベース117を利用する。NOxセンサを利用することで、実際の設置環境でのNOx量を検知し、その時の検知センサの評価項目の値(NOx量)Dより、その環境での表面抵抗率Bが求まる。求まったBを用いて、S3の関係を逐次補正し、実環境(NOx量)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関を得る。
以上のステップを経ることで、検知センサとしてNOxセンサを用いた場合においても、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなく、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を高効率で実施可能となる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。本発明の実施の形態1では、検知センサとして湿度センサ、実施の形態2では、NOxセンサを使用することで、時間や手間をかけることなく余寿命診断する方法を挙げたが、検知センサとして、SOx量を定量できるSOxセンサを用いても良い。
余寿命診断フローは図2と同様に実施するが、ステップS4のみ下記要領で実施する。
SOxセンサを用いた場合、ステップS4では、ある使用年数Xにおける表面抵抗率がAだとすると、この値Aは、実績データベース116より検索することで得られたS3の使用年数―表面抵抗率からの推定値である。この推定値Aは、過去の診断時のある一定の評価項目(SOx量)の値Cにおける値であることから、実際の設置環境(SOxの影響)は考慮されていない。そこで、検知センサでの評価項目の値と表面抵抗率の相関を記録している基礎実験データベース117を利用する。SOxセンサを利用することで、実際の設置環境でのSOx量を検知し、その時の検知センサの評価項目の値(SOx量)Dより、その環境での表面抵抗率Bが求まる。求まったBを用いて、S3の関係を逐次補正し、実環境(SOx量)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関を得ることができる。
以上のステップを経ることで、検知センサとしてSOxセンサを用いた場合においても、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなく、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を高効率で実施可能となる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。本発明の実施の形態1では、検知センサとして湿度センサ、実施の形態2では、NOxセンサ、実施の形態3ではSOxセンサを使用することで、時間や手間をかけることなく余寿命診断する方法を挙げたが、検知センサとして、漏れ電流を定量できる漏れ電流センサを用いても良い。
余寿命診断フローは図2と同様に実施するが、ステップS4のみ下記要領で実施する。
漏れ電流センサを用いた場合、ステップS4では、ある使用年数Xにおける表面抵抗率がAだとすると、この値Aは、実績データベース116より検索することで得られたS3の使用年数―表面抵抗率からの推定値である。この推定値Aは、過去の診断時のある一定の評価項目(漏れ電流量)の値Cにおける値であることから、実際の設置環境(漏れ電流の影響)は考慮されていない。そこで、検知センサでの評価項目の値と表面抵抗率の相関を記録している基礎実験データベース117を利用する。漏れ電流センサを利用することで、実際の設置環境での漏れ電流量を検知し、その時の検知センサの評価項目の値(漏れ電流量)Dより、その環境での表面抵抗率Bが求まる。求まったBを用いて、S3の関係を逐次補正し、実環境(漏れ電流量)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関を得る。
以上のステップを経ることで、検知センサとして漏れ電流センサを用いた場合においても、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなく、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を高効率で実施可能。
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。本発明の実施の形態1では、検知センサとして湿度センサ、実施の形態2では、NOxセンサ、実施の形態3ではSOxセンサ、実施の形態4では漏れ電流センサを使用することで、時間や手間をかけることなく余寿命診断する方法を挙げたが、検知センサとして、温度を定量できる温度センサ(温度計)を用いても良い。余寿命診断フローは図1と同様に実施するが、ステップS4のみ下記要領で実施する。
温度センサ(温度計)を用いた場合、ステップS4では、ある使用年数Xにおける表面抵抗率がAだとすると、この値Aは、実績データベース116より検索することで得られたS3の使用年数―表面抵抗率からの推定値である。この推定値Aは、過去の診断時のある一定の評価項目(温度)の値Cにおける値であることから、実際の設置環境(温度の影響)は考慮されていない。そこで、検知センサでの評価項目の値と表面抵抗率の相関を記録している基礎実験データベース117を利用する。温度センサ(温度計)を利用することで、実際の設置環境での温度を検知し、その時の検知センサの評価項目の値(温度)Dより、その環境での表面抵抗率Bが求まる。求まったBを用いて、S3の関係を逐次補正し、実環境(温度)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関を得る。
以上のステップを経ることで、検知センサとして温度センサ(温度計)を用いた場合においても、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなく、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を高効率で実施可能。
実施の形態6.
次に、実施の形態6について説明する。本発明の実施の形態1では、検知センサとして湿度センサ、実施の形態2では、NOxセンサ、実施の形態3ではSOxセンサ、実施の形態4では漏れ電流センサ、実施の形態5では温度センサ(温度計)を使用することで、時間や手間をかけることなく余寿命診断する方法を挙げたが、検知センサとして、放電を検出できる放電センサ(放電検出器)を用いても良い。放電センサ(放電検出器)としては、放電電流を定量できる放電電流センサあるいは、放電により放出される電磁波を検出する放電感知センサがある。
放電電流センサ(放電検出器)を用いた場合は、NOxセンサ、SOxセンサ、漏れ電流センサ、温度センサ(温度計)と同様の方法で診断する。余寿命診断フローは図2と同様に実施するが、ステップS4のみ下記要領で実施する。
なお、放電感知センサを用いる場合には放電電流の測定はできないが、放電の発生・存在を把握することが可能となり、放電発生を把握することで絶縁物の劣化監視内容に反映させることが可能となる。
放電電流センサ(放電検出器)を用いた場合、ステップS4では、ある使用年数Xにおける表面抵抗率がAだとすると、この値Aは、実績データベース116より検索することで得られたS3の使用年数―表面抵抗率からの推定値である。この推定値Aは、過去の診断時のある一定の評価項目(放電電荷量)の値Cにおける値であることから、実際の設置環境(放電電流の影響)は考慮されていない。そこで、検知センサでの評価項目の値と表面抵抗率の相関を記録している基礎実験データベース117を利用する。放電電流センサ(放電検出器)を利用することで、実際の設置環境での放電電荷量を検知し、その時の検知センサの評価項目の値(放電電荷量)Dより、その環境での表面抵抗率Bが求まる。求まったBを用いて、ステップS3の関係を逐次補正し、実環境(放電電荷量)を考慮した使用年数―表面抵抗率の相関を得る。なお,放電電流センサ(放電検出器)を用いた場合,検出開始時点は部分放電開始時点となるため,閾値は絶縁破壊が発生する絶縁物の表面抵抗率とすることも可能である。
以上のステップを経ることで、検知センサとして放電電流センサ(放電検出器)を用いた場合においても、受配電機器の余寿命診断を実施する際に、現地測定やその値を入手するためにサンプルを採取し、持ち帰った後に分析するとった時間や手間をかけることなく、受配電機器に使用される絶縁物の余寿命診断を高効率で実施可能。
実施の形態7.
実施の形態1〜6は、受配電機器に用いられている絶縁物の絶縁性能に影響を与える項目を考慮した余寿命診断方法であるが、それぞれの検知センサを単体で必ず使用する必要はない。複数の検知センサを設置することで、絶縁物の絶縁性能に影響を与える複数の項目を考慮することができ、より環境に対応した高精度な余寿命診断が可能になる。また、1つの検知センサで複数の絶縁性能に影響を与える項目を検知できるセンサを用いた場合も、より環境に対応した高精度な余寿命診断が可能になる。
本発明の実施の形態として、いくつかの例を示したが、これらはあくまで例であり、発明の範囲を限定することは意図していない。
上記の実施の形態1〜6説明では、受配電機器としてスイッチギヤを例に説明をしたが、電気機器の通電部の対地間あるいは相間の絶縁に絶縁物を使用しており、かつ当該絶縁物の絶縁性能の劣化状況の診断を行うものであれば、受配電機器あるはスイッチギヤに限定されるものではなく、全ての電気機器に適用できるものであり、上記の実施の形態1〜6のものと同様の効果を得ることが可能となる。
なお、電気機器としては、例えば、スイッチギヤなどの受配電機器、変圧器、モータコントロールセンタのようなコントロールギヤ、発電機、電動機、給電のための電源装置(交流電源装置、直流電源装置、整流器)などがある。
これらの実施形態は、発明の内容を逸脱しない範囲で、省略、置き換え、変更を行うことで、その他の様々な形態で実施されても良い。省略、置き換え、変更を行った実施の形態も、発明の範囲や内容に含まれ、特許請求の範囲に記載された発明と、その内容と同等の範囲に含まれる。
10 検知センサ
20 測定器
49 スイッチギヤ
50 遮断器
51a,51b 操作機構
52 水平母線
53a,54a,53b,54b 接続導体
55 絶縁体(診断対象の絶縁体)
55a,55b モールドフレーム
56 母線支持板
57a,57b ケーブル
58 碍子
61a,61b 台車
100 寿命診断装置
101 入力部
102 記憶部
103 制御部
104 出力部
105 出力装置
111 類似案件抽出部
112 使用年数―表面抵抗率の関係式作成部
113 使用年数―表面抵抗率の関係式補正部
114 寿命年数算出部
115 余寿命算出部
116 実績データベース
117 基礎実験データベース
X 使用年数
a、b、c 使用年数―表面抵抗率の関係直線
S1〜S6 ステップ。
ア 検知センサ10設置時の表面抵抗率の推定値
イ 使用年数0年の表面抵抗率

Claims (14)

  1. 絶縁物を含む電気機器の余寿命診断方法であって、
    絶縁物の劣化に影響を与える評価項目を検出する検知センサを前記電気機器に設置するステップと、
    前記検知センサの設置環境と類似する既設の電気機器の絶縁物の表面抵抗率を、既設の電気機器の設置環境及び絶縁物劣化状況のデータを蓄積した実績データベースから抽出するステップと、
    前記抽出により得た類似設置環境における過去診断時の絶縁物の表面抵抗率の値を基に前記検知センサ設置時の表面抵抗率を推定して推定表面抵抗率を得るとともに、前記推定表面抵抗率と基礎実験データベースから抽出した当該絶縁物の使用年数0年の表面抵抗率との間を結び、診断対象の電気機器の使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を得るステップと、
    前記基礎実験データベースを用いて、前記検知センサにより連続して得られる前記評価項目の値に対応する実測評価項目対応の表面抵抗率を抽出し、前記実測評価項目対応の表面抵抗率を用いて前記ステップで得た前記使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を補正した使用年数―表面抵抗率の第2の関係式を得るステップと、
    前記第2の関係式に所定の閾値を設定し、寿命年数を算出するステップと、
    前記ステップで算出した寿命年数から、検知センサ設置時あるいは検知センサの測定時点の電気機器の使用年数を減算し、余寿命を算出するステップ、
    を備えた電気機器の余寿命診断方法。
  2. 前記評価項目は、温度、湿度、NOx量、SOx量、漏れ電流、放電電流のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  3. 前記実績データベースは、既に使用場所に設置された個々の電気機器に関する絶縁物の表面抵抗率及びその背景となる電気機器の設置環境や使用状態に関する情報を蓄積したものであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  4. 前記実績データベースに収録する電気機器の設置環境や使用状態に関する情報は、少なくとも、(イ)電気機器を設置している事業所の業種、(ロ)周辺地域の特徴、(ハ)電気機器に使用されている絶縁物の種類、(ニ)電気機器の定格電圧、(ホ)電気機器設置場所の空調設備、(へ)設置建屋内の環境、(ト)対象電気機器内の環境、(チ)電気機器の清掃状態、(リ)電気機器の使用年数)、のいずれかの情報あるいはその組合せであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  5. 基礎実験データベースは、少なくとも、絶縁物の種類と各劣化段階に対応した各種絶縁物について前記評価項目の値を変化させてそれに対応した表面抵抗率との相関に関するデータを蓄積したものであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  6. 検知センサは、湿度センサ、NOxセンサ、SOxセンサ、漏れ電流センサ、温度センサ、放電電流センサ、のうちのいずれか、あるいはこれらを幾つかを組み合わせて使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  7. 電気機器は、受配電機器、変圧器、コントロールギヤ、発電機、電動機、給電のための電源装置のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電気機器の余寿命診断方法。
  8. 絶縁物を含む電気機器の余寿命診断装置であって、
    前記電気機器に設置されて絶縁物の劣化に係る評価項目を検知する検知センサと、
    前記検知センサの設置環境と類似する既設の電気機器の絶縁物の表面抵抗率を、既設の電気機器の設置環境及び絶縁物劣化状況のデータを蓄積した実績データベースから抽出する類似案件抽出部と、
    前記抽出により得た類似設置環境における過去診断時の絶縁物の表面抵抗率の値を基に前記検知センサ設置時の表面抵抗率を推定して推定表面抵抗率を得るとともに、前記推定表面抵抗率と基礎実験データベースから抽出した当該絶縁物の使用年数0年の表面抵抗率との間を結び、診断対象の電気機器の使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を作る使用年数―表面抵抗率の関係式作成部と、
    前記基礎実験データベースを用いて、前記検知センサにより連続して得られる前記評価項目の値に対応する実測評価項目対応の表面抵抗率を抽出し、前記実測評価項目対応の表面抵抗率を用いて前記使用年数―表面抵抗率の関係式作成部で作成した前記使用年数―表面抵抗率の第1の関係式を補正し使用年数―表面抵抗率の第2の関係式を作成する使用年数―表面抵抗率関係式の補正部と、
    前記第2の関係式に所定の閾値を設定し、寿命年数を算出する寿命年数算出部と、
    前記寿命年数算出部が算出した寿命年数から、検知センサ設置時あるいは検知センサの測定時点の電気機器の使用年数を減算し、余寿命を算出する余寿命算出部、
    を備えた電気機器の余寿命診断装置。
  9. 前記評価項目は、温度、湿度、NOx量、SOx量、漏れ電流、放電電流のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の電気機器の余寿命診断装置。
  10. 前記実績データベースは、既に使用場所に設置された個々の電気機器に関する絶縁物の表面抵抗率及びその背景となる電気機器の設置環境や使用状態に関する情報を蓄積したものであることを特徴とする請求項8に記載の電気機器の余寿命診断装置。
  11. 前記実績データベースに収録する電気機器の設置環境や使用状態に関する情報は、少なくとも、(イ)電気機器を設置している事業所の業種、(ロ)周辺地域の特徴、(ハ)電気機器に使用されている絶縁物の種類、(ニ)電気機器の定格電圧、(ホ)電気機器設置場所の空調設備、(へ)設置建屋内の環境、(ト)対象電気機器内の環境、(チ)電気機器の清掃状態、(リ)電気機器の使用年数)、のいずれかの情報あるいはその組合せであることを特徴とする請求項8に記載の電気機器の余寿命診断装置。
  12. 基礎実験データベースは、少なくとも、絶縁物の種類と各劣化段階に対応した各種絶縁物について前記評価項目の値を変化させてそれに対応した表面抵抗率との相関に関するデータを蓄積したものであることを特徴とする請求項8に記載の電気機器の余寿命診断装置。
  13. 検知センサは、湿度センサ、NOxセンサ、SOxセンサ、漏れ電流センサ、温度センサ、放電電流センサ、のうちのいずれか、あるいはこれらを幾つかを組み合わせて使用することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電気機器の余寿命診断装置。
  14. 電気機器は、受配電機器、変圧器、コントロールギヤ、発電機、電動機、給電のための電源装置のいずれかであることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の電気機器の余寿命診断装置。
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