JP2019027531A - 車両の駆動力配分装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機と左右の車軸との間にクラッチを配設することなく、左右の車輪の駆動力を制御することができる車両の駆動力配分装置を提供する。【解決手段】車両100の駆動力配分装置80は、車体に対して回転可能に支持されたステータ4と、ステータ4と相対回転可能なロータ6と、を有し、ステータ4が右輪60に接続され、ロータ6が左輪62に接続された電動機8と、ステータ6と右輪60との間に配設され、ステータ6の回転を逆回転させて右輪60に出力する逆回転機構30と、右輪60と左輪62のそれぞれに対して独立に制動力が付加可能な車輪ブレーキ46、48と、車輪ブレーキ46、48の制動力を制御する配分制御装置56と、を備える。これにより、クラッチが設けられなくとも、配分制御装置56によって、一対の車輪ブレーキ46、48の制動力が制御されることで、左右の車輪60、62への駆動力の配分が制御される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駆動力配分装置に関し、特に、電動機およびブレーキ機構を用いた駆動力配分技術に関する。
左右一対の車輪が電動機で駆動され、左右の車輪への駆動力の配分を制御する装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の駆動力配分装置がそれである。特許文献1に記載の駆動力配分装置では、電動機は、電動機の出力軸と左右の車輪に接続された車軸との間にそれぞれ配設された左右のクラッチを介して、左右の車輪に接続されている。この左右のクラッチの係合力がそれぞれ制御されることにより、電動機から左右の車輪に配分される駆動力が制御される。
特開2003−63265号公報
上記駆動力配分装置では、左右一対の車輪に駆動力を配分するためには、電動機の出力軸と左右の車輪に接続された車軸との間にそれぞれクラッチが配設されることが必要である。この左右それぞれに配設されたクラッチのために、駆動力配分装置の小型化が困難であった。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、電動機の出力軸と左右の車輪に接続された車軸との間にクラッチを配設することなく、左右の車輪に配分される駆動力を制御することができる車両の駆動力配分装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、車両の駆動力配分装置であって、車体に対して回転可能に支持されたステータと、前記ステータと相対回転可能なロータと、を有し、前記ステータが左右一対の車輪のうちの一方の車輪に接続され、前記ロータが前記左右一対の車輪のうちの他方の車輪に接続された電動機と、前記ステータと前記一方の車輪との間または前記ロータと前記他方の車輪との間のいずれか一方に配設され、前記ステータまたは前記ロータの回転を逆回転させて前記一方の車輪または前記他方の車輪に出力する逆回転機構と、前記一方の車輪と前記他方の車輪のそれぞれに対して独立に制動力が付加可能な一対の車輪ブレーキと、前記一対の車輪ブレーキのうちの一方の車輪ブレーキに制動力を付加することにより前記制動力が付加された車輪とは反対側の車輪の駆動力を増加させる配分制御装置と、を備えることにある。
本発明の車両の駆動力配分装置によれば、相対回転可能なステータとロータとが左右一対の車輪のそれぞれに接続された電動機と、ステータと車輪との間またはロータと車輪との間のいずれか一方に配設され、ステータまたはロータの回転を逆回転させて車輪に出力する逆回転機構と、が備えられ、一対の車輪ブレーキにより左右の車輪のそれぞれに対して独立に制動力が付加可能とされ、配分制御装置によって、前記一対の車輪ブレーキのうちの一方の車輪ブレーキに制動力を付加することにより前記制動力が付加された車輪とは反対側の車輪の駆動力が増加させられるようになっている。したがって、クラッチが設けられなくとも、一対の車輪ブレーキによる制動力が制御されることで左右の車輪への駆動力の配分が制御され、駆動力配分装置自体が小型化される。
本発明の一実施例に係る車両の駆動力配分装置の概略構成を説明する図であると共に、駆動力配分装置における制御系統の要部を説明する図である。 図1の駆動力配分装置の直進時における駆動力配分フローである。 図1の駆動力配分装置の直進時における駆動力の説明図である。 図1の駆動力配分装置の旋回時における駆動力配分フローである。 図1の駆動力配分装置の右旋回時における駆動力の説明図である。 図1の駆動力配分装置の直進時および旋回時におけるステータおよびロータの回転速度の説明図である。 本発明の他の実施例に係る車両の駆動力配分装置の概略構成を説明する図であると共に、駆動力配分装置における制御系統の要部を説明する図である。
本発明の一実施形態において、前記逆回転機構は、前記電動機のケース内に配設されているものである。
本発明の一実施形態において、前記逆回転機構は、遊星歯車装置からなるものである。
本発明の一実施形態において、前記ステータと前記一方の車輪との間の回転軸および前記ロータと前記他方の車輪との間の回転軸には、それぞれの回転軸の回転位相センサが設けられているものである。
以下、本発明の一実施例である駆動力配分装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る車両100の駆動力配分装置80の概略構成を説明する図であると共に、駆動力配分装置80における制御系統の要部を説明する図である。
図1に示すように、駆動力配分装置80は、電動機8、逆回転機構30、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とからなる一対の車輪ブレーキ、および配分制御装置56を備えている。図1では、電動機8は回転中心線を含む平面での断面図で示され、逆回転機構30、右輪ブレーキ46、および左輪ブレーキ48は回転中心線を含む平面での断面における骨子図で示され、配分制御装置56はブロック図で示されている。
電動機8の外殻を形成するケース2は、車両100の非回転部材である、例えば車体に固定されている。ケース2は、その内部領域において転がり軸受16、18を介してステータ4を回転可能に支持する。ステータ4は、内部が空洞の円筒形状であり、その内周側においてコイル巻線が周方向に複数配置されている。
ステータ4の外周とケース2の内周との間には、スリップリング20が設けられている。スリップリング20は、ステータ4と電源22とを電気的に接続させ、電源22からステータ4内のコイル巻線へ電源供給させる。ステータ4がケース2に対して相対回転している際には、スリップリング20が摺動しつつ、スリップリング20は電源22からコイル巻線へ通電させる。
ステータ4の回転中心線方向の両端の一方の端部では、ステータ4は、すべり軸受14を介してロータ6を回転可能に支持する。ロータ6がステータ4で支持されているのとは反対側のロータ6の端部では、ケース2は、転がり軸受12を介してロータ6を回転可能に支持する。ロータ6は、永久磁石を複数備え、ロータ6の永久磁石およびステータ4内のコイル巻線間の電磁的作用によってトルクが発生し、ステータ4に対してロータ6は相対回転する。電動機8には図示しないホール素子がステータ4と共に一体となって回転するように配設され、ホール素子からはステータ4に対するロータ6の相対位置情報が検出されるようになっている。このロータ6の相対位置情報に応じてステータ4のコイル巻線への電流が切り替えられることで、ステータ4に対してロータ6(永久磁石)が吸引または反発させられ、ステータ4とロータ6とが互いに相対回転させられる。つまり、ステータ4とロータ6との関係では、電動機8は、所謂ブラシレスDCモータである。
このように、非回転部材である車体に対して、電動機8のステータ4およびロータ6はいずれも回転可能であり、ステータ4とロータ6とは相対回転可能とされている。なお、ステータ4およびロータ6の回転軸に接続された負荷(抵抗)が等しい場合には、作用反作用の法則により、ステータ4およびロータ6は同じ回転速度(rpm)で逆向きに回転する。
ステータ4からの回転出力は、ステータ出力軸40を介して、逆回転機構30に入力される。
逆回転機構30は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびサンギヤS1とリングギヤR1とに噛み合ったピニオンギヤP1からなるシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、サンギヤS2、リングギヤR1、およびサンギヤS2とピニオンギヤP1とに噛み合ったピニオンギヤP2からなるダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、からなる。なお、第1遊星歯車装置のリングギヤと第2遊星歯車装置のリングギヤとは、互いに連結され、リングギヤR1とされており、リングギヤR1は非回転部材である車体に固定されている。また、第1遊星歯車装置のピニオンギヤP1は、第2遊星歯車装置のピニオン対の外側のピニオンギヤを兼ねている。これにより、逆回転機構30の入力部である第1遊星歯車装置のサンギヤS1と逆回転機構30の出力部である第2遊星歯車装置のサンギヤS2とは、互いに逆回転となる。第1遊星歯車装置および第2遊星歯車装置の各ギヤの歯数を適宜設定することで、第1遊星歯車装置のサンギヤS1と第2遊星歯車装置のサンギヤS2とは、回転速度が等しく、回転方向が逆転したもの、すなわち逆回転機構30の回転入力と回転出力とは回転速度が等しく、回転方向が逆転したものとされる。
逆回転機構30の回転出力は、右輪側車軸42を介して、右輪60に伝達される。また、ロータ6からの回転出力は、左輪側車軸44を介して、左輪62に伝達される。
ステータ4の回転出力は、レゾルバ等の回転速度センサ50(回転位相センサ)で回転速度と位相とが検出され、その回転速度と位相を表すステータ回転信号Nstが配分制御装置56に入力される。また、ロータ6の回転出力は、レゾルバ等の回転速度センサ52(回転位相センサ)で回転速度と位相とが検出され、その回転速度と位相を表すロータ回転信号Nroが配分制御装置56に入力される。
右輪側車軸42には右輪ブレーキ46が配設され、左輪側車軸44には左輪ブレーキ48が配設されている。右輪ブレーキ46および左輪ブレーキ48は、例えば車軸と一体となって回転する円盤をブレーキパッドで挟み付け、その摩擦力で制動力を得る、所謂ディスクブレーキであり、一対の車輪ブレーキを構成する。
右輪ブレーキ46および左輪ブレーキ48は、ブレーキアクチュエータ54を介して配分制御装置56によって制御されている。ブレーキアクチュエータ54は、ディスクブレーキの円盤へのブレーキパッドの押し付け力を、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とで異ならせることが可能である。したがって、配分制御装置56は、右輪60と左輪62のそれぞれに対して独立に制動力を付加することが可能である。
ブレーキアクチュエータ54は、例えば配分制御装置56からの指令に従って、右輪ブレーキ46および左輪ブレーキ48のそれぞれのブレーキパッドを円盤に押し付けるキャリパーが内蔵するピストンやシリンダーへ供給する油圧の大きさを制御することで、右輪60と左輪62のそれぞれに対して独立に制動力の大きさを制御できるようになっている。
なお、右輪ブレーキ46、左輪ブレーキ48、およびブレーキアクチュエータ54は、車両100のアンチロックブレーキシステムのような制動制御のために通常設けられているものを利用すれば良く、新たに別途設けられる必要はない。
図2は、駆動力配分装置80の直進時における駆動力配分フローであり、図3は、駆動力配分装置80の直進時における駆動力の説明図である。
図2に示すように、車両100の直進時では、まず電動機8で駆動力が発生する。直進時では、右輪60および左輪62が路面から受ける抵抗は同じであるので、電動機8において相対回転しているステータ4およびロータ6は、同速度で逆方向に回転する。したがって、このとき、逆回転機構30の働きにより、右輪60および左輪62は同方向に同速度で回転し、車両100は直進することとなる。
図3の破線矢印で示すように、車両100の直進時では、電動機8で発生した駆動力は右輪60および左輪62に均等に配分される。
図4は、駆動力配分装置80の旋回時における駆動力配分フローであり、図5は、駆動力配分装置80の右旋回時における駆動力の説明図である。
図4に示すように、車両100の旋回時では、まず電動機8で駆動力が発生する。旋回時では、右輪60および左輪62が路面から受ける抵抗は異なり、移動距離が短い内輪は、外輪よりも大きな抵抗を受ける。そのため、電動機8において相対回転しているステータ4およびロータ6は、内輪に接続された方の回転が遅くなる一方、外輪に接続された方の回転が速くなる。つまり、ステータ4およびロータ6は、異なる速度で逆方向に回転する。このとき、逆回転機構30の働きにより、右輪60および左輪62は路面から受ける抵抗、つまり移動距離の差に応じて同方向に異なる速度で回転する。
例えば、右旋回しているときには、右輪60が内輪となり、左輪62が外輪となるが、このとき、図5の破線矢印で示すように、電動機8から右輪60、左輪62に伝達される駆動力は、回転速度の遅い内輪の右輪60に比較して、回転速度が速い外輪の左輪62の方が大きい。ここで、図5の一点鎖線矢印で示すように、配分制御装置56によって、内輪の右輪60に右輪ブレーキ46の制動力が付加され、外輪の左輪62には左輪ブレーキ48の制動力が付加されないようにされると、右輪60の駆動力は、電動機8から配分された駆動力から右輪ブレーキ46による制動力を減じたものとなる。これにより、内輪の右輪60の回転速度が減少させられるとともに、外輪の左輪62の回転速度が増加させられる。したがって、配分制御装置56によって、内輪の右輪60の右輪ブレーキ46に制動力を付加することにより制動力が付加された右輪60とは反対側の車輪、すなわち左輪62の回転数が増加させられ左輪62の駆動力が増加させられる。
なお、内輪の右輪60の制動力がゼロから電動機8から伝達された駆動力までの範囲内で制御されることで、内輪の右輪60の駆動力と外輪の左輪62の駆動力との差の大きさが変更される。このように、配分制御装置56によって、内輪の右輪60に制動力を付加するのに伴い、電動機8において相対回転しているステータ4およびロータ6は、内輪の車輪に接続された方の回転が、路面から受ける抵抗以上により遅くなる一方、外輪の車輪に接続された方の回転がより速くなる。
上記のように、内輪の右輪60の駆動力よりも、外輪の左輪62の駆動力を大きくすることで、車両100には旋回方向に回転させる力、すなわちヨーモーメントが発生する。例えば、運転者の意思より車両100の旋回がされないアンダーステアの場合には、上述のように外輪の左輪62の駆動力を大きくしてヨーモーメントを発生させることで、アンダーステアの傾向が緩和させられる。なお、左旋回時の駆動力も、内輪、外輪との関係において右旋回時における駆動力の挙動と同様である。
図6は、駆動力配分装置80の直進時および旋回時におけるステータ4およびロータ6の回転速度の説明図である。
図6に示すように、直進時には、ステータ4およびロータ6がそれぞれ右輪60および左輪62を介して路面から受ける抵抗は同じであるので、相対回転しているステータ4およびロータ6は、互いに逆方向で同じ回転速度となる。例えば、ロータ6の回転速度(rpm)がNxの場合には、ステータ4の回転速度(rpm)は−Nxとなり、ステータ4およびロータ6は互いに逆向きで同じ回転速度となる。
右旋回時には、図6の白丸で示すように、内輪の右輪60に接続されたステータ4は、外輪の左輪62に接続されたロータ6よりも、路面から受ける抵抗が大きくなるので、ステータ4は回転速度が直進時よりも減少し、逆にロータ6の回転速度は直進時よりも増加する。したがって、ステータ4の回転速度は−Nxよりも減少し、ロータ6の回転速度はNxよりも増加する。ここで、配分制御装置56によって、内輪の右輪60に右輪ブレーキ46の制動力が付加されると、図6の黒丸で示すように、ステータ4の回転速度はさらに減少し、逆にロータ6の回転速度はさらに増加する。
左旋回時には、図6の白丸で示すように、内輪の左輪62に接続されたロータ6は、外輪の右輪60に接続されたステータ4よりも、路面から受ける抵抗が大きくなるので、ロータ6は回転速度が直進時よりも減少し、逆にステータ4の回転速度は直進時よりも増加する。したがって、ロータ6の回転速度はNxよりも減少し、ステータ4の回転速度は−Nxよりも増加する。ここで、配分制御装置56によって、内輪の左輪62に左輪ブレーキ48の制動力が付加されると、図6の黒丸で示すように、ロータ6の回転速度はさらに減少し、逆にステータ4の回転速度はさらに増加する。
配分制御装置56は、例えば、所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、予め記憶されたプログラムに従って入力信号の処理を行うことにより車両100の各種制御を実行する。配分制御装置56は、走行中の車両100の挙動を安定化するために、例えば図示しない走行制御用電子制御装置から出力される左右一対の車輪の駆動力配分要求を満足するように右輪ブレーキ46および左輪ブレーキ48の制動力を調節して、右輪60および左輪62の駆動力の配分を制御する。なお、走行制御用電子制御装置は、配分制御装置56の他、右輪60および左輪62の駆動力に関わる電動機8の回転速度の制御も行う。また、配分制御装置56は、回転速度センサ50および回転速度センサ52から入力された、ステータ4の回転速度と位相を表すステータ回転信号Nstとロータ6の回転速度と位相を表すロータ回転信号Nroと、を監視する。直進時でも旋回時でも、配分制御装置56は、ステータ回転信号Nstとロータ回転信号Nroからステータ4とロータ6の回転出力の位相を監視し、右輪60、左輪62のそれぞれに対して、右輪ブレーキ46および左輪ブレーキ48により制動力を付加する制御を行ったりすることで、右輪60および左輪62が逆方向の回転とならないように制御する。
本実施例の車両100の駆動力配分装置80によれば、相対回転可能なステータ4とロータ6が右輪60および左輪62のそれぞれに接続された電動機8と、ステータ4と右輪60との間に配設され、ステータ4の回転を逆回転させて右輪60に出力する逆回転機構30と、が備えられ、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とからなる一対の車輪ブレーキにより右輪60、左輪62のそれぞれに対して独立に制動力が付加可能とされ、配分制御装置56によって、前記一対の車輪ブレーキ46、48のうちの一方の車輪ブレーキに制動力を付加することにより前記制動力が付加された車輪とは反対側の車輪の駆動力が増加させられるようになっている。したがって、クラッチが設けられなくとも、一対の車輪ブレーキ46、48による制動力が制御されることで右輪60、左輪62への駆動力の配分が制御され、駆動力配分装置80自体が小型化される。
また、本実施例の車両100の駆動力配分装置80によれば、電動機8の相対回転可能なステータ4とロータ6とを、右輪60と左輪62とからなる左右一対の車輪のそれぞれに接続しており、電動機から1つの回転出力を左右の車輪に分配する既存のディファレンシャルギヤは不要であり、ディファレンシャルギヤの廃止により信頼性が向上し、駆動力配分装置自体が小型化される。
また、本実施例の車両100の駆動力配分装置80によれば、逆回転機構30は、遊星歯車装置からなるものである。したがって、電動機8および逆回転機構30の回転中心線が同じにされることで、電動機8と逆回転機構30との連結が容易となる。
以下の実施例2に係る車両101の駆動力配分装置81は、実施例1に係る車両100の駆動力配分装置80と略同じであるが一部異なる部分があるので、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を適宜省略する。
図7は、本発明の他の実施例に係る車両101の駆動力配分装置81の概略構成を説明する図であると共に、駆動力配分装置81における制御系統の要部を説明する図である。
図7に示すように、駆動力配分装置81は、電動機9、逆回転機構31、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とからなる一対の車輪ブレーキ、および配分制御装置57を備えている。図7では、電動機9は回転中心線を含む平面での断面図で示され、逆回転機構31、右輪ブレーキ46、および左輪ブレーキ48は回転中心線を含む平面での断面における骨子図で示され、配分制御装置57はブロック図で示されている。本実施例の電動機9、逆回転機構31、配分制御装置57は、実施例1の電動機8、逆回転機構30、配分制御装置56にそれぞれ略同じである。
本実施例では、実施例1と異なり、逆回転機構31は、電動機9の外部ではなく、電動機9の内部に配設されている。具体的には、逆回転機構31は、ステータ4の回転中心線方向の外側かつケース3の内部に収容されている。逆回転機構31は、実施例1における逆回転機構30と略同じであり、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置とで互いに連結されたリングギヤR1は、非回転部材に固定されたケース3に固定されている。
電動機9からは、逆回転機構31によりステータ4の回転出力が逆方向の回転に変換されて右輪側車軸42を介して右輪60に伝達され、ロータ6の回転出力が左輪側車軸44を介して左輪62に伝達される。
本実施例では、実施例1と異なり、ステータ4の出力の回転速度と位相とを検出する回転速度センサ50およびロータ6の出力の回転速度と位相とを検出する回転速度センサ52が設けられていない。その代りに、右輪60の右輪側車軸42には、車輪速センサ51(回転位相センサ)が配設され、左輪62の左輪側車軸44には、車輪速センサ53(回転位相センサ)が配設されている。
車輪速センサ51は、右輪60の回転速度および位相に応じた車輪速パルス信号Nwrを配分制御装置57へ出力する。車輪速センサ53は、左輪62の回転速度および位相に応じた車輪速パルス信号Nwlを配分制御装置57へ出力する。
配分制御装置57は、車輪速センサ51および車輪速センサ53から入力された、右輪60の回転速度および位相を表す車輪速パルス信号Nwrと左輪62の回転速度および位相を表す車輪速パルス信号Nwlと、を監視する。直進時でも旋回時でも、配分制御装置57は、車輪速パルス信号Nwrと車輪速パルス信号Nwlから右輪60と左輪62の回転の位相を監視し、実施例1と同様に、右輪60および左輪62が逆方向の回転とならないように制御する。
本実施例の車両101の駆動力配分装置81によれば、逆回転機構31が電動機9の内部に配設されているため、実施例1での効果に加え、駆動力配分装置81を車両101に組み付ける際の作業性が向上する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、電動機8、9のステータ4のコイル巻線への電源22からの電源供給は、スリップリング20を介して行われたが、これに限らない。例えば、電磁誘導その他の非接触の方法によって、電動機8、9のステータ4のコイル巻線へ電源22から電源供給が行われても良い。これにより、摩耗部品であるスリップリング20がなくなり、電動機8、9の寿命が長くなる。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、逆回転機構30、31は、遊星歯車装置で構成されていたが、これに限らない。逆回転機構30、31は、遊星歯車装置ではない平歯車や傘歯車など他の歯車を組み合わせて構成されたものであっても良いし、歯車で構成されたものでなくても良い。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、電動機8、9のステータ4とロータ6との間の回転機構はブラシレスDCモータ形式であったが、これに限らない。ステータ4とロータ6とがケース2、3のような非回転部材に対して互いに逆方向に回転可能な電動機であれば、DCモータ形式、交流モータ形式などであっても良い。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、逆回転機構30、31は、ステータ4側に配設されていたが、これに限らず、ロータ6側に配設されても良い。要は、ステータ4の回転出力およびロータ6の回転出力のうちの一方が車輪に伝達する回転と、他方が車輪に伝達する回転と、が同じ回転方向となるように逆回転機構が設けられれば良い。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、内輪に対して車輪ブレーキにより制動力が付加された例を説明したが、これに限らない。駆動力配分装置80、81において、配分制御装置56、57によって、外輪に対して車輪ブレーキにより制動力が付加された場合には、ヨーモーメントが弱められ、オーバーステアの傾向が緩和させられる。このように本発明の駆動力配分装置では、配分制御装置56、57によって、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とからなる一対の車輪ブレーキのうちの一方の車輪ブレーキにより制動力が付加されることにより、制動力が付加された車輪とは反対側の車輪の回転速度が増加させられ、その駆動力も増加させられる。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81により電動機8、9の駆動力が伝達される右輪60と左輪62とからなる一対の車輪のみが記載されていたが、これ以外の車輪に対しても別途駆動力が伝達されても良い。例えば、この右輪60と左輪62とからなる一対の車輪が車両100、101の後輪の左右輪である場合、車両100、101の前輪の左右輪に対して別途内燃機関であるエンジンから駆動力が伝達されても良く、あるいはエンジンと電動機とからなるハイブリッド機構から駆動力が伝達されても良い。
前述の実施例1、2では、駆動力配分装置80、81において、右輪ブレーキ46と左輪ブレーキ48とからなる一対の車輪ブレーキにより、左右一対の車輪への駆動力の配分の制御が行われていたが、この制御がされなくとも車両100、101の旋回時には、路面から受ける抵抗、つまり移動距離の差に応じて左右の車輪60、62は同方向に異なる速度で回転する。すなわち、車両100、101は外輪の方が内輪よりも回転速度が速くなるため、右輪60および左輪62に無理がかからずに旋回できる。したがって、一対の車輪ブレーキによる制動力の制御がされない駆動力配分装置80、81においても、既存のディファレンシャルギヤは不要であり、ディファレンシャルギヤの廃止により信頼性が向上し、駆動力配分装置自体が小型化される。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
2、3:ケース
4:ステータ
6:ロータ
8、9:電動機
30、31:逆回転機構
46:右輪ブレーキ(一対の車輪ブレーキ)
48:左輪ブレーキ(一対の車輪ブレーキ)
50、52:回転速度センサ(回転位相センサ)
51、53:車輪速センサ(回転位相センサ)
56、57:配分制御装置
60:右輪(一対の車輪)
62:左輪(一対の車輪)
80、81:駆動力配分装置
100、101:車両

Claims (1)

  1. 車体に対して回転可能に支持されたステータと、前記ステータと相対回転可能なロータと、を有し、前記ステータが左右一対の車輪のうちの一方の車輪に接続され、前記ロータが前記左右一対の車輪のうちの他方の車輪に接続された電動機と、
    前記ステータと前記一方の車輪との間または前記ロータと前記他方の車輪との間のいずれか一方に配設され、前記ステータまたは前記ロータの回転を逆回転させて前記一方の車輪または前記他方の車輪に出力する逆回転機構と、
    前記一方の車輪と前記他方の車輪のそれぞれに対して独立に制動力が付加可能な一対の車輪ブレーキと、
    前記一対の車輪ブレーキのうちの一方の車輪ブレーキに制動力を付加することにより前記制動力が付加された車輪とは反対側の車輪の駆動力を増加させる配分制御装置と、を備えた
    ことを特徴とする車両の駆動力配分装置。
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