JP2019027383A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費性能を高めつつより短い時間でNOx触媒に吸着したSOxを還元処理できるエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】予め設定された特定運転領域R1において、NOx触媒41のS被毒を解消するための空燃比制御を実施し、エンジンの運転領域が特定運転領域R1からその他の領域に移行すると空燃比制御を制限する。そして、エンジンの運転領域がその他の領域に移行した後再び特定運転領域R1に復帰すると、空燃比制御を再開させるとともに、この空燃比制御の再開時に、リッチステップから先に開始させ、且つ、空燃比制御を制限していた時間が短い方が空燃比制御の再開後に最初に行うリッチステップの実施時間が短くなるようにこの最初に行うリッチステップの実施時間を設定する。
【選択図】図10

Description

本発明は、気筒が形成されたエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気が流通する排気通路に設けられたNOx触媒とを備えるエンジンの制御装置に関する。
従来より、排気の空燃比が理論空燃比よりも大きいリーンな状態(つまり、空気過剰率λがλ>1の状態)において排気中のNOxを吸蔵し、吸蔵したNOxを、排気の空燃比ひいては気筒内の混合気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)において還元する、NOx吸蔵還元型のNOx触媒が知られている。
ここで、前記のようなNOx触媒では、NOxに加えて排気中のSOxも吸着してしまいいわゆるS被毒が生じてしまう。そのため、NOx触媒の浄化機能を維持するために、NOx触媒からSOxを離脱させて前記S被毒を解消する必要がある。
これに対して、例えば特許文献1には、排気通路にNOx触媒とともに酸素を吸蔵することで発熱する酸素吸蔵剤を設けるとともに、気筒内の混合気の空燃比を所定時間ずつ交互にリッチ(理論空燃比よりもリッチ)とリーン(理論空燃比よりもリーン)とに切り替えるものが開示されている。具体的には、この構成では、気筒内の空燃比をリッチにすることで排気に多量の未燃燃料や一酸化炭素を含有させてNOx触媒を還元雰囲気に晒しSOxの還元を可能にし、その後気筒内の空燃比をリーンにすることで排気に多量の酸素を含有させて酸素吸蔵剤を発熱させてNOx触媒の温度をSOxを還元可能な温度に高め、これによりNOx触媒からSOxを離脱させるようにしている。
特開2016−109041号公報
ここで、前記のようなSOxを還元させてNOx触媒から離脱させるための制御の実施時には排気性能が悪化するおそれがあるため、この制御の実施を所定の運転領域以外は制限することが考えらえる。しかしながら、この場合には、SOxの還元処理に必要な時間が長くなるという問題がある。
具体的には、気筒内の混合気の空燃比をリーンにする運転領域へ移行したことに伴ってSOxの還元処理のための制御を中断させた後、SOxの還元処理を単純に再開させると、空燃比がリーンにされる時間が過剰に長くなること、あるいは、NOx触媒の温度が低下することによって、SOxの還元処理に必要な時間が長くなってしまう。具体的には、混合気の空燃比をリーンにする運転領域での運転後に単純にSOxの還元処理のための制御を再開させて混合気の空燃比をリーンにすると、混合気の空燃比がリーンとされる時間が過剰に長くなってSOxが適切に還元されない時間が生じる。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、より短い時間でNOx触媒に吸着したSOxを還元処理できるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、気筒が形成されたエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気が流通する排気通路に設けられて、排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンな状態であるときに排気中のNOxを吸蔵し、且つ、排気の空燃比が理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりもリッチなときに吸蔵したNOxを還元して放出するNOx触媒とを備えるエンジンの制御装置であって、前記気筒内に燃料を供給する燃料供給装置と、前記NOx触媒のS被毒を解消するために、予め設定された特定運転領域において、予め設定された基本リッチ時間だけ排気の空燃比が理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりもリッチになるように前記燃料供給装置を駆動するリッチステップと、予め設定された基本リーン時間だけ前記排気通路に未燃の燃料が排出され且つ排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンになるように前記燃料供給装置を駆動するリーンステップとを交互に行う空燃比制御を実施する、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記空燃比制御の実施中にエンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行すると前記空燃比制御を制限し、前記移行後にエンジンの運転領域が再び前記特定運転領域に復帰すると前記空燃比制御を復帰させ、当該空燃比制御の復帰時には、前記両ステップのうち前記リッチステップから先に復帰させるとともに、エンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行してから前記空燃比制御を制限していた空燃比制御制限時間が短い方が前記空燃比制御の復帰後に最初に行うリッチステップの実施時間が短くなるようにこの最初に行うリッチステップの実施時間を設定することを特徴とするエンジンの制御装置を提供する。
この装置によれば、特定運転領域においてリッチステップとリーンステップとを交互に行う空燃比制御を実施することでNOx触媒に吸着されているSOxを適切に還元および離脱させて(S被毒を解消して)NOx触媒の浄化性能を高く維持できるとともに、その他の領域(特定運転領域を除く領域)において空燃比制御を停止することで、排ガス性能の悪化、例えば、気筒内の温度が高くなりやすい領域で空燃比制御を実施することによって気筒内の温度が過剰に高くなって煤の生成量が増加することや、気筒内の温度が低い領域で空燃比制御を実施することによる未燃燃料が多量に排出されることを防止できる。
しかも、この装置では、エンジンの運転領域が特定運転領域以外の領域(特定運転領域を除く領域)に移行してから空燃比制御が復帰されるときにリッチステップが先に実施される。そのため、気筒内の混合気ひいては排気の空燃比がリッチステップ時の空燃比よりもリーンとされる時間が過剰に長くなるのを回避でき、空燃比制御の復帰後においてより早期にNOx触媒からSOxを離脱させることができる。
また、特定領域以外の領域に移行するのに伴って空燃比制御が制限されていた時間が短い方が、空燃比制御の復帰時に最初に行うリッチステップの実施時間が短くなるように、この最初のリッチステップの実施時間が設定されている。そのため、リッチステップの時間と、排気の空燃比がリッチステップ時の空燃比よりもリーンとされる時間との割合を適切にして、空燃比制御の復帰後においてより早期にNOx触媒からSOxを離脱させることができる。
前記構成において、前記制御手段は、エンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行してから当該特定運転領域に復帰するまでの時間が予め設定された判定時間未満の状態でエンジンの運転領域が前記特定運転領域に復帰したときは、この特定運転領域への復帰後所定時間だけ前記空燃比制御の制限を継続した後に前記空燃比制御を復帰させるのが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、空燃比制御の復帰時に最初に行うリッチステップの実施時間が他の領域に移行していた時間に応じて過剰に短く設定されて、これにより排気の空燃比が十分にリッチになる前にリーンステップに移行するということを防止できる。
前記構成において、前記排気通路の前記NOx触媒よりも下流側に設けられて排気の微粒子状物質を捕集可能なPMフィルタを備え、前記リーンステップ実施時の排気の空燃比は、前記PMフィルタ内で前記微粒子状物質が燃焼可能な空燃比に設定されているのが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、NOx触媒に吸着されているSOxの還元処理とPMフィルタから微粒子状物質を燃焼除去する処理とを同時に行うことができ、これらを個別に行う場合に比べて未燃の燃料を排気通路に導入せねばならない期間を短く抑えて燃費性能を高めることができる。
前記構成において、エンジン回転数が高い方が、前記基本リッチ時間に対する前記基本リーン時間の割合が小さくなるように設定されているのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、排気通路の各種装置の熱害を抑制できる。
具体的には、エンジン回転数が高い方が排気の流量が多いために排気通路および排気通路に設けられた各種装置が高温になりやすく、排気の空燃比をリーンにする時間が長い方が排気通路内での酸化反応によって排気が高温になりやすい。従って、前記のように構成すれば、エンジン回転数が高い運転条件において、リーンステップの実施に伴って排気の温度ひいては排気通路や排気通路に設けられた各種装置の温度が過度に高くなるのを抑制できる。
前記構成において、エンジン負荷が高い方が、前記基本リッチ時間に対する前記基本リーン時間の割合が小さくなるように設定されているのが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、排気通路の各種装置の熱害を抑制できる。
具体的には、エンジン負荷が高い方が排気通路および排気通路に設けられた各種装置が高温になりやすく、排気の空燃比をリーンにする時間が長い方が、排気通路内での酸化反応によって排気が高温になりやすい。従って、前記のように構成すれば、エンジン負荷が高い運転条件において、排気の空燃比がリーンとされる時間を相対的に短くして排気および排気通路や排気通路に設けられた各種装置が過度に高温になるのを抑制できる。
前記構成において、前記制御手段は、前記空燃比制御の復帰後に最初に行う前記リッチステップの実施時間を、前記基本リッチ時間以下にするのが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、リッチステップの実施時間を適切にすることができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 エンジンシステムの制御系を示すブロック図である。 パッシブDeNOx制御及びアクティブDeNOx制御の制御マップを示した図である。 リッチステップの実施時間に対するリーンステップの実施時間の割合とエンジン回転数との関係を示した図である。 リッチステップの実施時間に対するリーンステップの実施時間の割合とエンジン負荷との関係を示した図である。 DeSOx基本実施フラグの設定手順を示したフローチャートである。 DeSOx制御の制御手順の前半部分を示したフローチャートである。 DeSOx制御の制御手順の前半部分を示したフローチャートである。 本実施形態に係る制御を実施したときの各パラメータの時間変化を模式的に示した図である。 本実施形態に係る制御を実施したときの作用を説明するための図である。 本実施形態に係る制御を実施したときの作用を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るエンジンの制御装置について説明する。
(1)全体構成
図1は、本実施形態のエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステム100の概略構成図である。
エンジンシステム100は、4ストロークのエンジン本体1と、エンジン本体1に空気(吸気)を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1から外部に排気を排出するための排気通路40と、第1ターボ過給機51と、第2ターボ過給機52とを備えている。このエンジンシステム100は車両に設けられ、エンジン本体1は車両の駆動源として用いられる。エンジン本体1は、例えば、ディーゼルエンジンであり、図1の紙面に直交する方向に並ぶ4つの気筒2を有する。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。
ピストン5はクランク軸7と連結されており、ピストン5の往復運動に応じてクランク軸7はその中心軸回りに回転する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6内(気筒2内)に燃料を噴射するインジェクタ(燃料供給装置)10と、燃焼室6内の燃料と空気の混合気を昇温するためのグロープラグ11とが、各気筒2につきそれぞれ1組ずつ設けられている。
図1に示した例では、インジェクタ10は、燃焼室6の天井面の中央に、燃焼室6を上方から臨むように設けられている。また、グロープラグ11は、通電されることで発熱する発熱部を先端に有しており、この発熱部が、インジェクタ10の先端部分の近傍に位置するように燃焼室6の天井面に取り付けられている。例えば、インジェクタ10は、その先端に複数の噴口を備え、グロープラグ11は、その発熱部がインジェクタ10の複数の噴口からの複数の噴霧の間に位置して燃料の噴霧と直接接触しないように、配置されている。
インジェクタ10は、主としてエンジントルクを得るために実施される噴射であって圧縮上死点付近で燃焼する燃料を燃焼室6内に噴射するメイン噴射と、メイン噴射よりも遅角側であって燃焼してもその燃焼エネルギーがエンジントルクにほとんど寄与しない時期に燃焼室6内に燃料を噴射するポスト噴射とを実施できるようになっている。
シリンダヘッド4には、吸気通路20から供給される空気を各気筒2の燃焼室6に導入するための吸気ポートと、吸気ポートを開閉する吸気弁12と、各気筒2の燃焼室6で生成された排気を排気通路40に導出するための排気ポートと、排気ポートを開閉する排気弁13とが設けられている。
吸気通路20には、上流側から順に、エアクリーナ21、第1ターボ過給機51のコンプレッサ51a(以下、適宜、第1コンプレッサ51aという)、第2ターボ過給機52のコンプレッサ52a(以下、適宜、第2コンプレッサ52aという)、インタークーラ22、スロットルバルブ23、サージタンク24が設けられている。また、吸気通路20には、第2コンプレッサ52aをバイパスする吸気側バイパス通路25と、これを開閉する吸気側バイパスバルブ26とが設けられている。吸気側バイパスバルブ26は、駆動装置(不図示)によって全閉の状態と全開の状態とに切り替えられる。
排気通路40には、上流側から順に、第2ターボ過給機52のタービン52b(以下、適宜、第2タービン52bという)、第1ターボ過給機51のタービン51b(以下、適宜、第1タービン51bという)、第1触媒43、DPF(Diesel particulate filter、PMフィルタ)44、DPF44の下流側の排気通路40中に尿素を噴射する尿素インジェクタ45、尿素インジェクタ45から噴射された尿素を用いてNOxを浄化するSCR(Selective Catalytic eduction)触媒46、SCR触媒46から排出された未反応のアンモニアを酸化させて浄化するスリップ触媒47、が設けられている。
SCR触媒46は、尿素インジェクタ45から噴射された尿素を加水分解してアンモニアを生成し、このアンモニアを排気中のNOxと反応(還元)させて浄化する。
DPF44は、排気中の微粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する。DPF44に捕集されたPMは、高温に晒され且つ酸素の供給を受けることで燃焼し、DPF44から除去される。PMが燃焼除去する温度は600℃程度と比較的高温である。従って、PMを燃焼させてDPF44から除去するためには、DPF44の温度を比較的高温にする必要がある。
第1触媒43は、NOxを浄化するNOx触媒41と、酸化触媒(DOC: Diesel Oxidation Catalyst)42とを含む。
酸化触媒42は、排気中の酸素を用いて炭化水素(HC)すなわち未燃燃料や一酸化炭素(CO)などを酸化して水と二酸化炭素に変化させる。ここで、酸化触媒42で生じるこの酸化反応は発熱反応であり、酸化触媒42で酸化反応が生じると排気の温度は高められる。
NOx触媒41は、排気の空燃比が理論空燃比よりも大きいリーンな状態(空気過剰率λがλ>1の状態)において排気中のNOxを吸蔵し、この吸蔵したNOxを、排気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)、つまり、NOx触媒41を通過する排気が未燃のHCを多量に含む還元雰囲気下において還元する、NOx吸蔵還元型触媒(NSC:NOx Storage Catalyst)である。第1触媒43は、例えば、DOCの触媒材層の表面に、NSCの触媒材がコーティングされることで形成されている。
なお、本実施形態では、排気通路に別途空気や燃料を供給する装置が設けられておらず、排気の空燃比と燃焼室6内の混合気の空燃比とは対応する。つまり、燃焼室6内の混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンのときに排気の空燃比もリーンとなり、燃焼室6内の混合気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)のときに排気の空燃比も理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)になる。
ここで、NOx触媒41には、NOxに加えてSOxも吸蔵(吸着)される。具体的には、NOx触媒41には、排気の空燃比が理論空燃比よりも大きいリーンな状態(λ>1)において排気中のSOxが吸蔵される。NOx触媒41に吸蔵されたSOxは、排気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)において還元する。
SCR触媒46とNOx触媒41とは、いずれもNOxを浄化可能であるが、これらは浄化率(NOx吸蔵率)が高くなる温度が互いに異なっており、SCR触媒46のNOx浄化率(NOx吸蔵率)は排気の温度が比較的高温のときに高くなり、NOx触媒41のNOx浄化率は排気の温度が比較的低温のときに高くなる。
排気通路40には、第2タービン52bをバイパスする排気側バイパス通路48と、これを開閉する排気側バイパスバルブ49と、第1タービン51bをバイパスするウエストゲート通路53と、これを開閉するウエストゲートバルブ54とが設けられている。これら排気側バイパスバルブ49とウエストゲートバルブ54とは、それぞれ、駆動装置(不図示)によって全閉と全開の状態に切り替えられるとともに、これらの間の任意の開度に変更される。
本実施形態によるエンジンシステム100は、排気の一部を吸気に還流させるEGR装置55を有する。EGR装置55は、排気通路40のうち排気側バイパス通路49の上流端よりも上流側の部分と、吸気通路20のうちスロットルバルブ23とサージタンク24との間の部分とを接続するEGR通路56と、これを開閉する第1EGRバルブ57と、EGR通路56を通過する排気を冷却するEGRクーラー58とを有する。また、EGR装置55は、EGRクーラー58をバイパスするEGRクーラバイパス通路59と、これを開閉する第2EGRバルブ60とを有する。
(2)制御系
図2を用いて、エンジンシステムの制御系について説明する。本実施形態のエンジンシステム100は、主として、車両に搭載されたPCM(パワートレイン制御モジュール)200によって制御される。PCM200は、CPU、ROM、RAM、I/F等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明にかかる制御手段に相当する。
PCM200には、各種センサからの情報が入力される。例えば、PCM200は、クランク軸7の回転数つまりエンジン回転数を検出する回転数センサSN1、エアクリーナ21付近に設けられて吸気通路20を流通する新気(空気)の量である吸入空気量を検出するエアフローセンサSN2、サージタンク24に設けられてターボ過給機51、52によって過給された後のサージタンク24内の吸気の圧力つまり過給圧を検出する吸気圧センサSN3、排気通路40のうち第1ターボ過給機51と第1触媒43との間の部分の酸素濃度を検出する排気O2センサSN4等と電気的に接続されており、これらのセンサSN1〜SN4からの入力信号を受け付ける。また、車両には、運転者により操作されるアクセルペダル(不図示)の開度であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサSN5や、車速を検出する車速センサSN6等が設けられており、これらのセンサSN5、SN6による検出信号もPCM200に入力される。PCM200は、各センサ(SN1〜SN6等)からの入力信号に基づいて種々の演算等を実行して、インジェクタ10等を制御する。
(2−1)通常制御
後述するDeNOx制御、DeSOx制御およびDPF再生制御(フィルタ再生制御)を実施しない通常運転時に実施する通常制御では、燃費性能を高めるべく、燃焼室6内の混合気の空燃比(以下、単に、混合気の空燃比という場合がある)が理論空燃比よりもリーン(λ>1、例えばλ=1.7程度)にされる。例えば、通常制御では、混合気の空気過剰率λはλ=1.7程度とされる。また、通常制御では、ポスト噴射は停止されてメイン噴射のみが実施される。また、通常制御では、グロープラグ11の作動は停止される。また、通常制御では、第1EGRバルブ57、第2EGRバルブ60、吸気側バイパスバルブ26、排気側バイパスバルブ49、ウエストゲートバルブ54は、それぞれ、エンジン本体1の運転状態、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷等に応じて、EGR率および過給圧がそれぞれ適切な値になるように制御される。
(2−2)DeNOx制御
NOx触媒41に吸蔵されたNOx(以下、適宜、吸蔵NOxという)を還元NOx触媒41から放出(離脱)させるための制御であるDeNOx制御について説明する。
前記のように、NOx触媒41では、排気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)において、吸蔵NOxが還元される。従って、本実施形態では、吸蔵NOxを還元するために、燃焼室6内の混合気の空燃比を通常運転時よりも低減させる必要がある。
混合気の空燃比を低減する一つの方法として、燃焼室6に導入される新気(空気)の量を少なくすることが考えられる。しかし、新気の量を単純に少なくするとエンジントルクを適切に得ることができないおそれがある。特に、加速時に新気の量が低減されると加速性が悪化するおそれがある。
そこで、本実施形態では、新気の量を低減させることなく、あるいは、新気の量の低減量を少なく抑えつつ、混合気の空燃比を低減させるべく、ポスト噴射を実施する。つまり、PCM200は、インジェクタ10にメイン噴射に加えてポスト噴射を実施させることで排気の空燃比を低減する。例えば、DeNOx制御では、混合気および排気の空気過剰率λをλ=0.94〜1.06程度にする。
本実施形態では、このように吸蔵NOxを還元するためにポスト噴射を実施するDeNOx制御を、図3に示す第1領域R1と第2領域R2とでのみ実施する。第1領域R1は、エンジン回転数が予め設定された第1基準回転数N1以上且つ予め設定された第2基準回転数N2以下で、エンジン負荷が予め設定された第1基準負荷Tq1以上且つ予め設定された第2基準負荷Tq2以下の領域である。第2領域R2は、第1領域R1よりもエンジン負荷が高い領域であって、エンジン負荷が予め設定された第3基準負荷Tq3以上となる領域である。
また、PCM200は、第1領域R1では、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼するタイミングでポスト噴射を実施するアクティブDeNOx制御を実施する。ポスト噴射の噴射タイミングは予め設定されており、例えば、膨張行程の前半であって、圧縮上死点後30〜70°CAの間の時期に設定されている。本実施形態では、アクティブDeNOx制御では、ポスト噴射された燃料の燃焼を促進するためにグロープラグ11を通電して混合気を加熱する。また、アクティブDeNOx制御では、第1EGRバルブ60は全閉とされ、第2EGRバルブ57は開弁されるもののその開度が通常運転時よりも小さくされる。
一方、PCM200は、第2領域R2では、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼しないタイミング(膨張行程の後半、例えば、圧縮上死点後110°CA)でポスト噴射を実施するパッシブDeNOx制御を実施する。また、パッシブDeNOx制御では、ポスト噴射された未燃燃料に起因するデポジットによってEGRクーラー58等が閉塞するのを回避するべく、第1EGRバルブ57および第2EGRバルブ60を全閉にする。
前記のように、第1領域R1と第2領域R2とでDeNOx制御の制御内容を変更しているのは、次の理由による。
エンジン負荷が低い、あるいは、エンジン負荷は比較的高いがエンジン回転数が低い領域では、排気の温度が低いことに伴ってNOx触媒41の温度が吸蔵NOxを還元できる温度よりも低くなりやすい。そこで、本実施形態では、この領域ではDeNOx制御を停止する。
また、前記のようにDeNOx制御ではポスト噴射を実施するが、ポスト噴射された燃料が燃焼せずにそのまま排気通路40に排出されると、この未燃燃料に起因するデポジットによってEGRクーラー58等が閉塞するおそれがある。そのため、ポスト噴射された燃料は燃焼室6内で燃焼させるのが好ましい。しかしながら、エンジン負荷が高い、あるいは、エンジン負荷は比較的低いがエンジン回転数が高い領域では、燃焼室6内の温度が高いこと、あるいは、1クランク角度あたりの時間が短いことに伴って、燃焼室6内のガスが排気されるまでの間にポスト噴射された燃料と空気とを十分に混合させることが難しく、ポスト噴射された燃料を燃焼室6内で十分に燃焼させることができないおそれがある。また、前記混合が不十分でることによって煤が増大するおそれがある。従って、このような領域では基本的にDeNOx制御を停止する。
ただし、エンジン負荷が非常に高い第2領域R2では、メイン噴射の噴射量(以下、適宜、メイン噴射量という)が多いことに伴って通常運転時であっても混合気の空燃比が小さく抑えられる。そのため、第2領域R2では、吸蔵NOxを還元するために必要なポスト噴射の噴射量(以下、適宜、ポスト噴射量という)を小さくして、未燃燃料が排気通路40に排出されることによる前記影響を小さく抑えることができる。
そこで、本実施形態では、エンジン負荷およびエンジン回転数のいずれもが低すぎず且つ高すぎない第1領域R1では、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼するアクティブDeNOx制御を実施し、第2領域R2では、ポスト噴射された燃料を燃焼室6内で燃焼させないパッシブDeNOx制御を実施する。なお、第2領域R2は、排気の温度が十分に高くDOC触媒42が十分に活性化する領域である。そのため、排気通路40に排出された未燃燃料はこのDOC触媒42によって浄化される。また、このように、中回転中負荷域でのみDeNOx制御を許可することで、DeNOx制御実施時のポスト噴射の燃焼安定性を確保して排気性能の悪化を抑制することができる。
アクティブDeNOx制御およびパッシブDeNOx制御は、それぞれ、SCR触媒46の温度が所定の温度未満、NOx触媒41の温度が所定の温度以上、かつ、NOx触媒41が吸蔵しているNOx量であるNOx吸蔵量が所定量以上であると、実施が許可される。ただし、前記のように、アクティブDeNOx制御は、エンジン本体1が第1領域R1で運転されているときにのみ実施され、パッシブDeNOx制御は、エンジン本体1が第2領域R2で運転されているときにのみ実施される。また、本実施形態では、実施が許可されるNOx吸蔵量の最小値は、パッシブDeNOx制御の方がアクティブDeNOx制御よりも小さい値に設定されている。
(2−3)DPF再生制御
本実施形態では、DPF44に捕集されたPMを除去してDPF44の浄化能力を再生するための制御であるDPF再生制御を実施する。
DPF再生制御は、酸化触媒42が所定の温度となり酸化反応が可能となり、且つ、DPF44に捕集されているPMの量(以下、単に、PM堆積量という)が予め設定された再生開始量以上になると、PM堆積量が再生開始量よりも小さい値に設定された再生終了量以下になると終了される。PM堆積量は、例えば、DPF44の上流側および下流側に設けられた圧力センサから算出されるDPF44の前後差圧(DPF44よりも上流側の圧力と下流側の圧力との差)等から算出される。
DPF44に捕集されているPMは、高温下で燃焼させることでDPF44から除去することができる。これに対して、DPF44の上流側に設けられた第1触媒43に含まれる酸化触媒42においてHC等つまり未燃の燃料を酸化反応させれば、DPF44に流入する排気の温度を高めることができる。
そこで、本実施形態では、DPF再生制御として、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンとしつつポスト噴射を行って、酸化触媒42に空気と未燃燃料とを流入させてこれらを酸化触媒42で酸化させる制御を実施する。具体的には、DPF再生制御では、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼しないタイミング(膨張行程の後半であって、例えば、圧縮上死点後110°CA)でポスト噴射を実施する。例えば、DPF再生制御では、混合気および排気の空気過剰率λがλ=1.2〜1.4程度とされる。
また、DPF再生制御では、未燃燃料がEGR通路56およびEGRクーラー58に流入してこれらが閉塞されるのを回避するべく第1EGRバルブ57および第2EGRバルブ60を全閉とする。また、DPF再生制御では、ポスト噴射を燃焼させる必要がないためグロープラグ11への通電は停止する。
(2−4)DeSOx制御
NOx触媒41に吸蔵されたSOx(以下、適宜、吸蔵SOxという)を還元して除去するための制御であるDeSOx制御(空燃比制御)について次に説明する。
前記のように、NOx触媒41では、排気の空燃比が理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)において、吸蔵SOxが還元される。これに伴い、DeSOx制御でも、混合気の空燃比を理論空燃比近傍である状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチな状態(λ<1)にするべく、メイン噴射に加えてポスト噴射を実施する。
ただし、SOxはNOxに比べて結合力が強いため、吸蔵SOxを還元するためには、DeNOx制御時よりもNOx触媒41の温度ひいてはこれを通過する排気の温度をより高温(600℃程度)にする必要がある。これに対して、前記のように、酸化触媒42において未燃の燃料を酸化反応させれば第1触媒43ひいてはNOx触媒41を通過する排気の温度を高めることができる。
そこで、本実施形態では、DeSOx制御として、DeNOx制御と同様にポスト噴射を行って排気の空燃比を通常運転時よりもリッチにして理論空燃比近傍あるいはこれよりも小さくする(以下、適宜、単にリッチにするという)リッチステップと、排気の空燃比を理論空燃比よりもリーンとしつつ(以下、適宜、単にリーンにするという)ポスト噴射を行って酸化触媒42に空気と未燃の燃料とを供給してこれらを酸化触媒42で酸化させるリーンステップとを、交互に実施する。
本実施形態では、基本的な1サイクルの時間、つまり、リッチステップ1回の実施時間とリーンステップ1回の実施時間とを合わせた基本的な(後述するようなDeSOx制御の中断時および第1領域R1への復帰時を除く条件での)時間が予め設定されるとともに(例えば、60〜80秒)、リッチステップの実施時間に対するリーンステップの実施時間の割合が予め設定されている。本実施形態では、この割合が、図4に示すようにエンジン回転数が低いほど大きくなるように、また、図5に示すようにエンジン負荷が低いほど大きくなるように設定されている。そして、これに伴い、リッチステップ1回の基本的な実施時間である基本リッチ時間と、リーンステップ1回の基本的な実施時間である基本リーン時間とが決められている。
リッチステップでは、アクティブDeNOx制御と同様に、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼するタイミング(膨張行程の前半であって、例えば、圧縮上死点後30〜70°CA)でポスト噴射を実施する。そして、リッチステップでは、混合気および排気の空気過剰率λを1.0程度として混合気および排気の空燃比を理論空燃比近傍にする。例えば、リッチステップでは、混合気および排気の空気過剰率λをλ=0.94〜1.06程度とする。なお、リッチステップでは、PCM200は、アクティブDeNOx制御と同様に、第1EGRバルブ57を全閉にする一方、第2EGRバルブ60を開弁させるもののその開度を通常運転時よりも小さくする。また、リッチステップでは、PCM200は、スロットルバルブ23、排気側バイパスバルブ49およびウエストゲートバルブ54を、それぞれ、吸入空気量が通常運転時よりも減少する方向に制御する。
一方、リーンステップでは、ポスト噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼しないタイミング(膨張行程の後半であって、例えば、圧縮上死点後110°CA)でポスト噴射を実施する。そして、混合気および排気の空気過剰率λを1以上として混合気および排気の空燃比を理論空燃比よりもリーンにする。例えば、リーンステップでは、混合気および排気の空気過剰率λをλ=1.2〜1.4程度とする。また、リーンステップでは、未燃燃料に起因するデポジットによってEGRクーラー等が閉塞するのを防止するべく、第1EGRバルブ57および第2EGRバルブ60を全閉にする。
このようにDeSOx制御では燃焼室6内の混合気の空燃比をリーンにする必要がある。そのため、エンジン負荷が高く混合気の空燃比を十分にリーンにできない第2領域ではDeSOx制御を実施するのは難しい。一方、前記のように、ポスト噴射を燃焼させる制御は第1領域R1で行われるのが好ましい。そこで、本実施形態では、第1領域(特定運転領域)R1でエンジン本体1が運転されているときにのみDeSOx制御を実施する。
PCM200は、次のようにポスト噴射量を算出する。まず、PCM200は、第1触媒43(NOx触媒41)の上流側に設けられた排気O2センサSN4によって検出された排気の酸素濃度と、エアフロセンサSN2によって検出された吸入空気量と、燃焼室6に導入されるEGRガスの量とに基づいて燃焼室6内の酸素濃度(燃焼前の酸素濃度)を推定する。そして、推定した燃焼室6内の酸素濃度つまり吸気の酸素濃度に基づいてポスト噴射量の基本的な値を算出する。なお、EGRガスの量はエンジンの運転状態やEGRバルブ57、60の前後差圧等から推定される。次に、PCM200は、この基本的なポスト噴射量を、排気O2センサSN4によって検出された排気の酸素濃度とメイン噴射の量等に基づいてフィードバック補正する。つまり、PCM200は、検出された排気の酸素濃度に対応する排気の空燃比が目標の空燃比となるようにポスト噴射量をフィードバック制御し、これにより排気の空燃比を適切な値にする。
ここで、前記のように、燃焼室6内の混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーンとし且つポスト噴射をその燃料を燃焼させることなく実施すれば、PMを燃焼除去することができるため、リーンステップの実施時にPMの燃焼除去が可能となる。そして、本実施形態では、リーンステップの実施時にPMの燃焼除去が可能となるように、リーンステップにおける混合気の空燃比を、前記のように、DPF再生制御時の空燃比と同じ値となるように(空気過剰率λがλ=1.2〜1.4となるように)している。
(2−5)制御の流れ
(i)DeSOx基本フラグ
図6のフローチャートを用いてDeSOx基本フラグの設定手順について説明する。
DeSOx基本フラグは、DeSOx制御を実施する基本的な条件が成立すると1とされ、DeSOx制御を停止する基本的な条件が成立すると0とされるフラグである。
まず、PCM200は、ステップS11にて、SOx吸蔵量が予め設定された第1SOx吸蔵量以上であるか否かを判定する。第1SOx吸蔵量は、DeSOx制御をする必要がないSOx吸蔵量の最大値であり、0付近の値に設定されている。
ステップS11の判定がNOであって、SOx吸蔵量が第1SOx吸蔵量未満であれば、DeSOx制御を実施する必要がないので、ステップS22に進みDeSOx基本フラグを0に設定する。
一方、ステップS11の判定がYESの場合は、ステップS12に進み、PCM200は、DPF再生制御実施フラグが1であるか否かを判定する。DPF再生制御実施フラグは、DPF再生制御が実施されているか否かを表すフラグであり、DPF再生制御の実施時に1となりそれ以外で0となる。DPF再生制御実施フラグは、前記のように、酸化触媒42が所定の温度となり、且つ、PM堆積量が再生開始量以上になると、1に設定され、その後PCM堆積量が再生終了量以下になると0とされる。
ステップS12の判定がNOのときは、ステップS22に進みDeSOx基本フラグを0に設定する。一方、ステップS12の判定がYESの場合は、ステップS13に進み、PCM200は、PM堆積量が予め設定されたDeSOx開始堆積量以下であるか否かを判定する。DeSOx開始堆積量は、前記の再生開始量よりも小さい値に設定されている。例えば、DeSOx開始許可量は再生開始量のおよそ半分の値に設定されている。
ステップS13の判定がNOのときは、PCM200は、ステップS21に進み、DeSOx基本フラグの値を現在の値に維持する。一方、ステップS13の判定がYESの場合は、ステップS14に進み、PCM200は、SOx吸蔵量が予め設定された第2SOx吸蔵量以上であるか否かを判定する。第2SOx吸蔵量はDeSOx制御を開始すべきSOx吸蔵量の最小値であり、例えば、NOx触媒41が吸蔵可能なSOx量よりもわずかに小さい値に設定されている。
ステップS14の判定がNOのときは、PCM200は、ステップS21に進み、DeSOx基本フラグの値を現在の値に維持する。一方、ステップS14の判定がYESの場合は、ステップS15に進み、PCM200は、エンジン本体1が第1領域R1で運転されているか否かを判定する。
ステップS15の判定がNOのときは、PCM200は、ステップS21に進み、DeSOx基本フラグの値を現在の値に維持する。一方、ステップS15の判定がYESのときは、PCM200は、ステップS16に進み、DeSOx基本フラグを1に設定する。
このように、SOx吸蔵量が第2SOx吸蔵量および第1SOx吸蔵量以上であり、DPF再生実施フラグが1であり、PM堆積量がDeSOx開始堆積量以下であり、第1領域R1でエンジン本体1が運転されていると、DeSOx基本フラグは1となる。そして、SOx吸蔵量が第1SOx吸蔵量未満に低下する、あるいは、DPF再生実施フラグが0になると、DeSOx基本フラグは0となる。
(ii)DeSOx制御の制御手順
図7および図8のフローチャートを用いてDeSOx制御の制御手順について説明する。
PCM200は、まず、ステップS31にてDeSOx基本フラグが0から1に変化したか否かを判定する。そして、この判定がYESになると、ステップS32に進み、PCM200はDeSOx制御を開始する。なお、図6に示したように、DeSOx基本フラグが0から1に変化した時点においてエンジンは第1領域R1で運転されている状態にある。
本実施形態では、DeSOx制御の開始時において、まず、リッチステップを開始するようになっており、PCM200は、噴射された燃料が燃焼室6内で燃焼するタイミングでポスト噴射を実施して、混合気および排気の空燃比をリッチにする。
ステップS32の後はステップS33に進み、PCM200は、エンジンが第1領域R1で運転されているか否か、つまりDeSOx制御の開始後にエンジンの運転領域が第1領域R1から外れて他の領域に移行したか否かを判定する。この判定がYESの場合は、ステップS37に進む。一方、この判定がNOの場合はステップS34に進む。
ステップS37では、PCM200は、直前に実施したリッチステップの実施時間であるリッチ継続時間が基本リッチ時間以上である、あるいは、直前に実施したリーンステップの実施時間であるリーン継続時間が基本リーン時間以上であるか否かを判定する。つまり、一方のステップの継続時間が予め設定された所定の時間以上となったか否かを判定する。この判定がYESであれば、PCM200は、ステップ39に進み、リッチステップとリーンステップとを切り替える。一方、この判定がNOであれば、PCM200は、ステップS38に進み、現在のステップを維持する。ステップS38またはステップS39の後は、ステップS40に進む。このようにして、エンジンが継続して第1領域R1で運転されている場合は、リッチステップとリーンステップとがそれぞれ基本リッチ時間および基本リーン時間ずつ交互に実施される。
ステップS40では、PCM200は、DeSOx基本フラグが1か否かを判定し、この判定がYESであればステップS33に戻る。一方、ステップS40の判定がNOであればそのまま処理を終了する(ステップS31に戻る)。つまり、DeSOx制御は終了となる。
ステップS33の判定がNOの場合に進むステップS34では、PCM200は、DeSOx制御を中断する(DeSOx制御が停止中のときはその停止を維持する)。本実施形態では、前記のように、DeSOx制御はDPF再生制御の実施中に実施される。そのため、DeSOx制御が中断されるとDPF再生制御に切り替わり、混合気の空燃比がリーンにされるとともにポスト噴射のタイミングがその燃料が燃焼しないタイミングとされる。ただし、本実施形態では、DPF再生制御とDeSOx制御のリーンステップの制御内容は同じであるため、リーンステップ実施時にこれが中断されたときは、具体的な制御内容は変化しない。ステップS34の後はステップS35に進む。
ステップS35では、PCM200は、第1領域R1に復帰したか否かを判定する。この判定がNOであれば、PCM200はステップS34に戻る。つまり、ステップS35の判定がYESとなって第1領域R1に復帰するまで、ステップS34が実施されてDeSOx制御が中断される。そして、ステップS35の判定がYESになると、ステップS42に進み、ステップS42〜ステップS50を実施する。
図8は、ステップS42からステップS45までの制御の流れを示したフローチャートである。
ステップS42では、PCM200は、他領域つまり第1領域R1以外の運転領域に滞在した時間である他領域滞在時間(第1領域R1から他の領域に移行してから第1領域R1に復帰するまでの時間)が予め設定された基準滞在時間(判定時間)以上であるか否かを判定する。この基準滞在時間は、基本リーン時間よりも短い時間に設定されており、例えば、5〜10秒程度に設定されている。
ステップS42の判定がYESであって、他領域滞在時間が基準滞在時間以上の場合は、ステップS46に進む。ステップS46では、PCM200は、他領域滞在時間を中断時間として設定する。ステップS46の後は、ステップS47に進む。
ステップS47では、PCM200は、中断時間に基づいて目標リッチ時間を設定する。
目標リッチ時間は、基本リッチ時間を上限として、中断時間が短い方が短い値になるように設定される。本実施形態では、前記のように現在のエンジン本体1のエンジン回転数とエンジン負荷とから決まる基本リッチ時間に対する基本リーン時間の割合と、中断時間とに基づいて、目標リッチ時間が設定される。具体的には、目標リッチ時間に対する領域滞在時間の割合が、基本リッチ時間に対する基本リーン時間の割合と一致するように、目標リッチ時間が設定され、これにより、同じ運転条件(エンジン回転数、エンジン負荷)において中断時間が短い方が目標リッチ時間が短い値とされる。ステップS47の後は、ステップS48に進む。
ステップS48では、PCM200は、リッチステップを実施して、DeSOx制御を再開(復帰)する。ステップS48の後はステップS49に進む。ステップS49では、直前に実施したリッチステップの継続時間であるリッチ継続時間が、ステップS47で設定した目標リッチ時間以上か否かを判定する。この判定がNOであってリッチステップがまだ目標リッチ時間だけ実施されていないときは、ステップS48に戻る。このようにして、PCM200は、リッチ継続時間が目標リッチ時間以上となるまでリッチステップを継続する。
そして、ステップS49の判定がYESになると、PCM200は、ステップS50に進み、リーンステップに切り替える。ステップS50の後は、図7に示すステップS37に進む。そして、通常のDeSOx制御(リッチステップとリーンステップとを基本リッチ時間および基本リーン時間ずつ実施する制御)に戻る。
一方、ステップS42の判定がNOであって、他領域滞在時間が基準滞在時間未満の場合は、PCM200はステップS43に進む。ステップS43では、PCM200は、DeSOx制御の中断を継続する。本実施形態では、前記のようにDPF再生制御が継続される。
ステップS43の次はステップS44に進む。ステップS44では、PCM200は、第1領域R1に復帰してからの時間(R1への復帰時間)が所定時間以上となったか否かを判定する。ステップS44の判定がNOの場合は、ステップS43に戻りPCM200はDeSOx制御の中断を継続する。
このように、第1領域R1に復帰した場合であっても、第1領域R1に滞在していた時間(他領域滞在時間)が基準滞在時間未満の場合は、第1領域R1に復帰してからの時間が所定時間以上となるまでDeSOx制御の中断を継続する。本実施形態では、所定時間は、基準滞在時間から他領域滞在時間を引いた値に設定されるようになっており、エンジンの運転領域が第1領域R1から他の領域に移行した後、少なくとも基準滞在時間が経過するまではDeSOx制御が中断されることになる。なお、所定時間は、別途、予め設定された一定値等に設定されてもよい。
ステップS44の判定がYESとなった後は、ステップS45に進み、PCM200は、他領域滞在時間(第1領域R1に滞在していた時間)と所定時間(第1領域R1に復帰してからDeSOx制御の中断を継続していた時間)とを合わせた時間を中断時間として算出する。ステップS45の後はステップS47に進む。本実施形態では、前記のように、ステップS45において、中断時間の値は基準滞在時間の値と同じとされる。
ステップS47では、前記のように中断時間に基づいて目標リッチ時間を設定する。
このように、本実施形態では、第1領域R1に復帰した場合において、他領域滞在時間が基準滞在時間以上の場合は、他領域滞在時間に応じて目標リッチ時間を設定し、他領域滞在時間が基準時間未満の場合は、この他領域滞在時間と所定時間とを合わせた時間に応じて目標リッチ時間を設定する。ただし、他領域滞在時間中であっても前記の所定時間中であってもDeSOx制御が中断されて混合気および排気の空燃比はリーンとされている。従って、前記のいずれの場合であっても、DeSOx制御が中断されていた時間であって混合気の空燃比がリーンとされていた時間に応じて目標リッチ時間が設定されることになる。
図9は、前記の制御を実施したときの各種パラメータの時間変化を模式的に表したものである。
図9では時刻t1まで混合気(および排気)の空燃比が理論空燃比よりもリーンとされる通常運転が実施されて、時刻t1にてDPF再生フラグが0から1に切り替わる場合を例示している。また、図9における第1領域運転フラグは、エンジン本体1が第1領域R1で運転されているときを1とし、その他の領域でエンジン本体1が運転されているときを0として表したものである。
時刻t1でDPF再生フラグが0から1に切り替わると、混合気の空燃比がリーンとされつつポスト噴射が実施される。これにより、PM堆積量が低減されていく。時刻t2でPM堆積量がDeSOx開始堆積量まで低下すると、DeSOx基本フラグは1となる。これに伴いDeSOx制御が開始される。具体的には、時刻t2以後、排気の空燃比がリッチにされ且つポスト噴射が行われるリッチステップと、排気の空燃比がリーンにされるとともにポスト噴射が行われるリーンステップとが交互に実施される。そして、主としてリッチステップの実施時に吸蔵SOxが離脱されてSOx吸蔵量が低下し、主としてリーンステップの実施時にPMが燃焼除去されてPM堆積量が低減する。
ここで、時刻t3で開始されたリッチステップの途中の時刻t4においてエンジン本体1の運転領域が第1領域R1以外の領域に移行する(例えば、エンジンの運転領域が、図3の矢印Y1のように変化する)と、時刻t4において、DeSOx制御が中断されてDPF再生制御に移行し、これに伴って排気の空燃比はリーンとされる。
その後、時刻t5において、エンジン本体1の運転領域が第1領域R1に復帰する(例えば、エンジンの運転領域が、図3の矢印Y2のように変化する)。図9の例では、他領域滞在時間である時刻t4から時刻t5までの時間△t2が基準滞在時間以上である。そのため、時刻t5では第1領域R1への復帰に伴ってDeSOx制御再開される。このとき、まず、リッチステップが行われ、排気の空燃比はリッチとされる。そして、その後、時刻t6までリッチステップが継続される。
ここで、前記のように、時刻t5から時刻t6までの時間であって第1領域R1への復帰後のリッチステップの継続時間△t3は、他領域滞在時間△t2に基づいて設定される。そのため、図例では、他領域滞在時間△t2が比較的短いことに対応して、リッチステップ継続時間△t3も短くされる。
時刻t6にて第1領域R1への復帰後の最初のリッチステップが終了すると再び通常の(基本リーン時間および基本リッチ時間ずつ継続される)リーンステップとリッチステップとが繰り返される。
また、図9の例では、時刻t8においてリーンステップの実施途中に再びエンジン本体1の運転領域が第1領域R1から外れ、時刻t9にて第1領域R1に復帰する。ただし、このときの他領域滞在時間△t4は基本リッチ時間△t1よりも長い。そのため、時刻t9にてリッチステップが再開されたときのリッチステップの継続時間△t5は、基本リッチ時間△t1と同じとされる。
なお、図9の例では、時刻t9からのリッチステップの実施によって時刻t10にてSOx吸蔵量が第1SOx吸蔵量未満に低下したことに伴い、時刻t10にてDeSOx基本フラグが0となってDeSOx制御が停止される。一方、図9の例では、時刻t10においてPM堆積量が再生終了量以下に低下していないことに伴い、時刻t11までDPF再生制御が実施される。そして、PM堆積量が再生終了量以下に低下した時刻t11にてDPF再生フラグが0とされてDPF再生制御が停止され、通常制御に復帰する。
(3)作用等
以上のように、本実施形態では、エンジンの運転領域が第1領域R1以外の領域に移行してから第1領域R1に復帰してDeSOx制御が再開される際にリッチステップを先に開始させている。そのため、排気の空燃比がリーンとされる時間が過剰に長くなるのを回避することができる。
図10を用いて具体的に説明する。図10は、DeSOx制御実施時における第1領域運転フラグと排気の空燃比の時間変化を模式的に示した図である。図10において上から2番目の実線で示した排気の空燃比は本実施形態における排気の空燃比である。一方、この図において一番下の破線で示した排気の空燃比は、比較例であってDeSOx制御の再開時にリーンステップを先に開始させたときの空燃比である。
図10に示すように、時刻t10でエンジン本体1の運転領域が第1領域R1から外れて排気の空燃比がリーンとされた後、時刻t11で第1領域R1に復帰すると、時刻t11からDeSOx制御が再開されるが、このときに、破線で示したようにリーンステップを先に再開させると、時刻t10から時刻t12でリーンステップが終了するまでの長い時間、排気の空燃比がリーンとされる。そのため、時刻t10から時刻t12までの間、吸蔵SOxを十分に還元させることができず、吸蔵SOxの還元にかかる時間が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、第1領域R1に復帰したときにリッチステップを先に再開させているため、時刻t11から吸蔵SOxの還元が可能となり吸蔵SOxの還元にかかる時間を短く抑えることができる。
また、本実施形態では、通常リッチ時間を上限として、DeSOx制御の再開時に最初に行うリッチステップの実施時間を、DeSOx制御が中断されていた時間が短い方が短くなるように設定している。そのため、DeSOx制御が中断されて混合気および排気の空燃比がリーンとされていた時間に合わせて、DeSOx再開時のリッチステップの時間を適切に短くすることができる。そのため、リッチステップの時間が長くなってNOx触媒の温度が過度に低下するのを回避し、この温度低下に伴ってSOxの還元処理にかかる時間を長くなるのを抑制できる。
図11を用いて具体的に説明する。図11は、図10と同様に、第1領域運転フラグと排気の空燃比の時間変化(実線:本実施形態に係る排気の空燃比、破線:比較例に係る排気の空燃比)を模式的に示した図である。なお、この図の比較例は、本実施形態と同様に第1領域R1への復帰時にリッチステップを先に開始させる一方、このときのリッチステップの継続時間を基本リッチ時間とした例である。
図11に示すように、リッチステップの実行途中に時刻t20でエンジン本体1の運転領域が第1領域R1から外れ、その後、時刻t20からの経過時間が比較的短い時刻t21にて第1領域R1に復帰してDeSOx制御が再開されたときに、比較例のようにリッチステップを基本リッチ時間△t1だけ実施してしまうと、排気の空燃比がリーンとされていた時間に対してリッチにされていた時間が過度に長くなる。そのため、この場合には、酸化触媒42での酸化反応による排気の昇温効果を適切に得ることができず、排気およびNOx触媒41の温度が大きく低下してしまう。そして、これに伴い、吸蔵SOxを十分に還元できず、吸蔵SOxの還元にかかる時間が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、時刻t21から実施するリッチステップの継続時間△10を、排気の空燃比がリーンとされていた時間に対応した短い時間に抑えて、早期にリーンステップを開始させることができる。そのため、酸化触媒42において適切に酸化反応を生じさせてより早期に排気を昇温させることができ、排気およびNOx触媒41の温度低下を抑制できる。従って、吸蔵SOxの還元にかかる時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、他領域滞在時間が基準滞在時間未満と短い場合には、第1領域R1に復帰してもDeSOx制御を中断させて、第1領域R1に復帰してからの時間が所定時間以上になった後にDeSOx制御を再開させている。そのため、短い他領域滞在時間に合わせてDeSOx制御再開時の最初のリッチステップの実施時間が過剰に短くなるのを抑制することができ、排気の空燃比が十分にリッチになる前にリーンステップが開始されるのを防止することができる。
特に、本実施形態では、前記のように、ポスト噴射量を、検出された排気の酸素濃度に対応する排気の空燃比が目標の空燃比となるようにフィードバック制御している。そのため、リッチステップを再開させても、排気の空燃比をすぐさま十分にリッチにすることができないおそれあり、前記のように、リッチステップの実施時間が短いと排気の空燃比が比較的リーンとされる時間が過剰に長くなってNOx触媒41の温度が低くなってしまうおそれがある。従って、前記のように他領域滞在時間が基準滞在時間未満の場合において第1領域R1に復帰してからの時間が判定時間以上になった後にDeSOx制御を再開させれば、リッチステップの時間を確保して排気の空燃比を十分にリッチにして、その後で排気の空燃比を適切にリーンにすることができる。
(4)変形例
ここで、前記実施形態では、DPF再生制御の実施時にDeSOx制御を実施する場合について説明したが、DPF再生制御が実施中であるか否かに関わらずDeSOx制御を実施するように構成してもよい。ただし、前記のように、DeSOx制御のリーンステップ時における排気の空燃比をPMを燃焼除去可能な空燃比として、吸蔵SOxの還元とPMの燃焼除去とを同時に行うようにすれば、効率よくNOx触媒41およびDPF44の浄化性能を高める(回復させる)ことができる。なお、DPF再生制御の実施状態によらずDeSOx制御を実施させるようにした場合には、DeSOx制御の中断に伴って通常制御が実施される。そして、ステップS48では通常制御の実施によって空燃比がリーンとされる。
また、前記実施形態では、基本リッチ時間に対する基本リーン時間の割合を、エンジン回転数とエンジン負荷とに応じて変更した場合について説明したが、前記割合はエンジン回転数あるいはエンジン負荷によらず一定であってもよい。ただし、エンジン回転数が高い方が、また、エンジン負荷が高い方が、排気通路および排気通路に設けられた各種装置が高温になりやすい。そのため、エンジン回転数が高い方が、また、エンジン負荷が高い方が、酸化触媒での酸化反応によって排気が高温になりやすいリーンステップの比率を小さくすれば、排気および排気通路や排気通路に設けられた各種装置が過度に高温になるのを抑制できる。
1 エンジン本体
2 気筒
6 燃焼室
10 インジェクタ(燃料供給装置)
40 排気通路
41 NOx触媒
42 酸化触媒
44 DPF(PMフィルタ)
200 PCM(制御手段)
R1 第1領域(特定運転領域)

Claims (6)

  1. 気筒が形成されたエンジン本体と、当該エンジン本体から排出された排気が流通する排気通路に設けられて、排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンな状態であるときに排気中のNOxを吸蔵し、且つ、排気の空燃比が理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりもリッチなときに吸蔵したNOxを還元して放出するNOx触媒とを備えるエンジンの制御装置であって、
    前記気筒内に燃料を供給する燃料供給装置と、
    前記NOx触媒のS被毒を解消するために、予め設定された特定運転領域において、予め設定された基本リッチ時間だけ排気の空燃比が理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりもリッチになるように前記燃料供給装置を駆動するリッチステップと、予め設定された基本リーン時間だけ前記排気通路に未燃の燃料が排出され且つ排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンになるように前記燃料供給装置を駆動するリーンステップとを交互に行う空燃比制御を実施する、制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記空燃比制御の実施中にエンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行すると前記空燃比制御を制限し、前記移行後にエンジンの運転領域が再び前記特定運転領域に復帰すると前記空燃比制御を復帰させ、当該空燃比制御の復帰時には、前記両ステップのうち前記リッチステップから先に復帰させるとともに、エンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行してから前記空燃比制御を制限していた時間が短い方が前記空燃比制御の復帰後に最初に行うリッチステップの実施時間が短くなるようにこの最初に行うリッチステップの実施時間を設定することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、エンジンの運転領域が前記特定運転領域から他の領域に移行してから当該特定運転領域に復帰するまでの時間が予め設定された判定時間未満の状態でエンジンの運転領域が前記特定運転領域に復帰したときは、この特定運転領域への復帰後所定時間だけ前記空燃比制御の制限を継続した後に前記空燃比制御を復帰させる、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記排気通路の前記NOx触媒よりも下流側に設けられて排気の微粒子状物質を捕集可能なPMフィルタを備え、
    前記リーンステップ実施時の排気の空燃比は、前記PMフィルタ内で前記微粒子状物質が燃焼可能な空燃比に設定されている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの制御装置において、
    エンジン回転数が高い方が、前記基本リッチ時間に対する前記基本リーン時間の割合が小さくなるように設定されている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの制御装置において、
    エンジン負荷が高い方が、前記基本リッチ時間に対する前記基本リーン時間の割合が小さくなるように設定されている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記空燃比制御の復帰後に最初に行う前記リッチステップの実施時間を、前記基本リッチ時間以下にすることを特徴とするエンジンの制御装置。
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