JP2019026866A - 銅の電解精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粗銅を高電流密度で電解精製して電気銅を得るのに際して、電解液の銅濃度を上昇してもアノードの不動態化を抑制できる電解精製方法を提供する。【解決手段】 電解液に硫酸酸性溶液を用いる銅の電解精製において、前記電解液中の銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)と電流密度(D)を乗じて得た積値(C×S×D)を電解液温度(T)から係数(α)を減じた値(T−α)で除して得られた値が、予め設定した係数(δ)に対して電解精製における電解条件を表す式である(1)式「C×S×D÷(T−α)≦δ」の関係を満たすように、前記電解液中の硫酸根濃度(S)を調整してアノードの不動態化を抑制することを特徴とする銅の電解精製方法。【選択図】 なし
Description
本発明は、銅の電解精製における不動態化の抑制方法に関する。
工業的に銅の電解精製では、硫酸銅を主成分とする電解液を装入した電解槽の中に、銅製錬の乾式工程で製造された粗銅からなる陽極板(以下、アノードと称する。)と、銅もしくはステンレスやチタンなどで作られた陰極板(以下、カソードと称する。)を交互に一定間隔で対向するように配置し、一定の電流値で通電して行われる。この通電によりアノード側では電解液中に銅イオンとして溶出し、カソード上では銅イオンが電析する。同時に、アノードに含有されたニッケルやアンチモンやヒ素などの不純物、金や銀などの貴金属元素等は電解液中に溶出しなかったり、溶出してもカソードに電析しなかったりするので、カソード上には高純度な銅(電気銅)が得られる特徴がある。
このように、アノードに含まれている不純物元素および貴金属元素は電解液に溶出するものと、電解槽の底部にアノードスライムとして沈積するものとに分類される。沈積したアノードスライムは、電解終了後に電解槽から抜き出し、系外に払い出される。
一方、電解液に溶出したものは、電解液の一部を抜き出し、不純物除去工程で処理して再び電解液として繰り返すなどの処理により、電解液中の不純物濃度を一定に保つ操作が行われる。
一方、電解液に溶出したものは、電解液の一部を抜き出し、不純物除去工程で処理して再び電解液として繰り返すなどの処理により、電解液中の不純物濃度を一定に保つ操作が行われる。
また、電解液の濃度は、不純物除去以外の方法でも一定になるように管理されている。特許文献1に見られるように、電解液は通常170〜200g/Lの硫酸(遊離硫酸)を含んでいるため、この硫酸がアノードに一部含まれる酸化銅を化学的に溶解させる。これにより硫酸が消費され、銅濃度が上昇し、硫酸濃度が低下する。
そこで、この化学溶解に起因する液組成の変化を抑制するために、電解液には水や硫酸を添加したり、余剰の銅を電解採取によって除去したりして調整する方法が行われる。
そこで、この化学溶解に起因する液組成の変化を抑制するために、電解液には水や硫酸を添加したり、余剰の銅を電解採取によって除去したりして調整する方法が行われる。
一方で、銅の電解精製は時間を要する短所がある。
銅の生産量、すなわち電析量は、「通電時の電流密度×電極面積×通電時間」という関係で表される。電解精製においては、電流密度は反応速度と同じ意味となるが、過大な電流密度で通電すると、目的とする銅以外の不純物まで析出したり、銅が粒や瘤や粉状で電析して銅の品質を低下させたり、アノードとカソード間で短絡(ショート)を生じて電流ロスを生じるなどの課題が発生するので、電流密度は工業的に250〜350A/m2前後の比較的低い値でしか操業できない。
銅の生産量、すなわち電析量は、「通電時の電流密度×電極面積×通電時間」という関係で表される。電解精製においては、電流密度は反応速度と同じ意味となるが、過大な電流密度で通電すると、目的とする銅以外の不純物まで析出したり、銅が粒や瘤や粉状で電析して銅の品質を低下させたり、アノードとカソード間で短絡(ショート)を生じて電流ロスを生じるなどの課題が発生するので、電流密度は工業的に250〜350A/m2前後の比較的低い値でしか操業できない。
このため、工業的には設備を増設あるいは大型化したり、アノードやカソードの入れ替えを機械化・自動化により短時間で行えるように改良したりして、通電時間をできる限り長く確保することで生産量を達成してきた。
しかし、近年は銅の需要が年々上昇し、設備の大型化や通電時間の延長だけでは対応できない状態となってきている。このため、電流密度の上昇による生産性の向上が熱望されてきている。
しかしながら、特許文献1に見られるように、電流密度を単に上昇させるとカソードに析出する銅の表面性状が悪化することがある。その表面性状の悪化は、カソード表面で電析して不足する電極近傍への銅イオンの供給が不足することに起因する。また、銅の供給不足によって不均一な電着や逆に部分的な電析が加速され、アノードとカソードの間が短絡(ショート)して、ショート率の上昇を招き、電流効率が低下することもある。
しかしながら、特許文献1に見られるように、電流密度を単に上昇させるとカソードに析出する銅の表面性状が悪化することがある。その表面性状の悪化は、カソード表面で電析して不足する電極近傍への銅イオンの供給が不足することに起因する。また、銅の供給不足によって不均一な電着や逆に部分的な電析が加速され、アノードとカソードの間が短絡(ショート)して、ショート率の上昇を招き、電流効率が低下することもある。
この表面性状の悪化に対応するべく、従来、35〜45g/Lの範囲で操業してきた電解液中の銅濃度を上昇させることが行われてきた。しかし、銅濃度の上昇は、前述するように、アノードが不動態化する問題を加速するため、銅濃度を上げて電流密度を上昇するには限界があった。
このように、高い銅濃度の電解液の条件下でもアノードの不動態化を発生させない銅の電解精製方法が望まれていた。
このように、高い銅濃度の電解液の条件下でもアノードの不動態化を発生させない銅の電解精製方法が望まれていた。
本発明は、粗銅を高電流密度で電解精製して電気銅を得るのに際して、電解液の銅濃度が上昇してもアノードの不動態化を抑制できる電解精製方法を提供するものである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、電解液に硫酸酸性溶液を用いる銅の電解精製において、電解液中の銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)と電流密度(D)を乗じて得た積値(C×S×D)を電解液温度(T)から係数(α)を減じた値(T−α)にて除して得られる値が、予め設定した係数(δ)に対して電解精製における電解条件を表す式である下記(1)式の関係を満たすように、前記電解液中の硫酸根濃度を調整してアノードの不動態化を抑制することを特徴とする銅の電解精製方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における前記式(1)の各変数が、電解液の銅濃度(C)を40g/L以上、55g/L以下の範囲とし、電解液の温度を50℃以上、80℃以下の範囲とし、電流密度(D)が200A/m2以上、400A/m2以下の範囲であり、前記係数αが20℃であり、前記係数δが140000[g2A/L2m2℃](以下、係数δの単位は略す。)となることを特徴とする銅の電解精製方法である。
本発明によれば、高電流密度で銅の電解精製を行う際に、銅濃度が上昇してもアノードの不動態化を抑制するよう管理でき、生産性を向上させることができる。
本発明者らは、銅の電解精製を行う際に、アノードの不動態化は、アノード表面に非電導性の硫酸銅結晶皮膜が生成することにより発生することを見出し、この硫酸銅結晶を生成させないように処理することで不動態化の発生を効果的に抑制できることを見出した。さらに、その溶解度は、硫酸銅溶液の「銅濃度」と「硫酸根濃度」を乗じた値で決定されることも見出し、この値を指標とすることで、管理できることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
以下、本発明の具体的な内容を詳細に説明する。
1.電流密度(D)の設定
まず銅の電解精製に必要な電流密度(D)を設定する。電流密度(D)は、電解槽など設備の数、必要な生産量、稼働率など操業能力から決定できる。
工業的には、200〜400A/m2の範囲が実用的となる。実用的には280〜400A/m2の範囲の電流密度において、本発明は、その効果を顕著に発揮する。
1.電流密度(D)の設定
まず銅の電解精製に必要な電流密度(D)を設定する。電流密度(D)は、電解槽など設備の数、必要な生産量、稼働率など操業能力から決定できる。
工業的には、200〜400A/m2の範囲が実用的となる。実用的には280〜400A/m2の範囲の電流密度において、本発明は、その効果を顕著に発揮する。
2.電解液の温度、銅濃度及び硫酸根濃度の選定
上記「1.電流密度(D)の設定」によって電流密度(D)が決定されると、次に電解液温度(T)、銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を選定する。
上記「1.電流密度(D)の設定」によって電流密度(D)が決定されると、次に電解液温度(T)、銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を選定する。
(電解液温度(T)の選定)
電解液温度(T)は一般に高い方が好ましい。しかし、工業的には、電解槽に使用できる材質の耐熱温度や操業時の安全性、使用するエネルギー効率などを考慮すると、電解液温度は約60℃が実用的な温度であり、80℃を超える高温で行う実用的な利点はほとんどない。
また、液温が50℃未満だと銅の溶解度がきわめて低下し、不動態化が著しく加速されるので本発明でも解決し辛くなる。そのため、電解液温度は50℃以上、80℃以下とし、概ね60℃付近で操業されることが多い。
電解液温度(T)は一般に高い方が好ましい。しかし、工業的には、電解槽に使用できる材質の耐熱温度や操業時の安全性、使用するエネルギー効率などを考慮すると、電解液温度は約60℃が実用的な温度であり、80℃を超える高温で行う実用的な利点はほとんどない。
また、液温が50℃未満だと銅の溶解度がきわめて低下し、不動態化が著しく加速されるので本発明でも解決し辛くなる。そのため、電解液温度は50℃以上、80℃以下とし、概ね60℃付近で操業されることが多い。
(電解液の銅濃度(C)及び硫酸根濃度(S)の選定)
ところで、電解液の硫酸根には、電解液の中に銅イオンと対をなして存在する硫酸銅によるものと、電気伝導度を持たせるために硫酸として添加された遊離硫酸(フリー硫酸あるいは「F−硫酸」とも称する)によるものがあるが、さらにニッケルなど銅と同じように硫酸塩の形態を持つものもあり、本発明では、これらの硫酸根の合計(Total SO4、略して「T−SO4」とも表記される)を単に「硫酸根」と称する。
ところで、電解液の硫酸根には、電解液の中に銅イオンと対をなして存在する硫酸銅によるものと、電気伝導度を持たせるために硫酸として添加された遊離硫酸(フリー硫酸あるいは「F−硫酸」とも称する)によるものがあるが、さらにニッケルなど銅と同じように硫酸塩の形態を持つものもあり、本発明では、これらの硫酸根の合計(Total SO4、略して「T−SO4」とも表記される)を単に「硫酸根」と称する。
具体的には、まず銅濃度(C)を40〜55g/L、好ましくは45〜55g/Lの範囲に調整し、次いで、その調整した銅濃度に見合うように硫酸根濃度(S)を調整する。
硫酸根濃度(S)の調整は、硫酸添加量の調整で実施するのが容易であるが、電解液中に含まれるニッケル等の不純物を硫酸塩の形で除去することでも低減可能である。
銅濃度は低い方が不動態化を誘発し難くなるが、電着表面への影響や電流密度などを考慮すると45g/L程度はあった方がよい。
硫酸根濃度(S)の調整は、硫酸添加量の調整で実施するのが容易であるが、電解液中に含まれるニッケル等の不純物を硫酸塩の形で除去することでも低減可能である。
銅濃度は低い方が不動態化を誘発し難くなるが、電着表面への影響や電流密度などを考慮すると45g/L程度はあった方がよい。
本発明では、先ず硫酸銅と硫酸根を様々な濃度で混合して硫酸酸性溶液の飽和濃度を求めた。その際、飽和しない限界となる硫酸酸性溶液では、その「硫酸酸性溶液の銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を乗じた積値E(=C×S)」が、その溶液の温度ごとにほぼ一定の値となることを見出した。
具体的には、硫酸酸性溶液温度(TS)を40℃、60℃、80℃の状態で、「溶解度ぎりぎりとなる硫酸酸性溶液の銅濃度Cmax T(g/L)と硫酸根濃度Smax T(g/L)の積値」(以下「溶解上限値Emax」と称する)」は、図1のように各溶液の温度ではほぼ一定の値を採る。
具体的には、硫酸酸性溶液温度(TS)を40℃、60℃、80℃の状態で、「溶解度ぎりぎりとなる硫酸酸性溶液の銅濃度Cmax T(g/L)と硫酸根濃度Smax T(g/L)の積値」(以下「溶解上限値Emax」と称する)」は、図1のように各溶液の温度ではほぼ一定の値を採る。
つまり、積値Eの値が、この溶解上限値Emaxを超えた液組成、例えば液温が60℃の際に、Eが40000を超えると、アノードから溶出した銅が銅イオンとして電解液の中に拡散することができず、過飽和となってアノード表面で硫酸銅の結晶として析出し、その結果電流が流れることが妨げられ、不動態化を発生させてしまうと考える。
そこで、上記銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を調整し、その積値Eが、それぞれの溶液温度(TS)での溶解上限値Emax以下になるように管理することで、不動態化発生を抑制できる。
そこで、上記銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を調整し、その積値Eが、それぞれの溶液温度(TS)での溶解上限値Emax以下になるように管理することで、不動態化発生を抑制できる。
しかし、上述のように溶解上限値Emaxは溶液温度により種々の値を取るため、その液温ごとの溶解上限値Emaxを求めなければならず、手間と素早い対応に欠けていた。
そこで、図1から判るように溶液温度範囲40℃から80℃において、Emaxは溶液温度(TS)に対してほぼ線形関係を示すことから、そのEmaxを温度の関数で除して規格化した規格化溶解上限値E’maxを設定し、そのE’maxが一定値以下を維持するように管理することで、不動態化発生を抑止する方法を見出した。
そこで、図1から判るように溶液温度範囲40℃から80℃において、Emaxは溶液温度(TS)に対してほぼ線形関係を示すことから、そのEmaxを温度の関数で除して規格化した規格化溶解上限値E’maxを設定し、そのE’maxが一定値以下を維持するように管理することで、不動態化発生を抑止する方法を見出した。
具体的には、下記(2)式に示すように、40℃、60℃、80℃におけるEmaxの値を、液温(TS)(40℃、60℃、80℃)から20℃を減じた値で除した値を規格化溶解上限値E’maxとした時に、そのE’maxが約1000の一定値として得られることを見出した。なお、上記液温(TS)から減じる係数αは、18〜22℃の範囲での各温度を用いて上記(1)式を計算し、標準偏差が最小となった温度、すなわち20℃を選定した。
次いで、銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を調整し、その積値Eを、それぞれの液温(TS)から20℃(すなわちαを20℃に設定)を減じた値で除した値が、規格化溶解上限値E’max以下になるように管理することで、不動態化の発生を抑制できることを、下記表1から確認した。
次いで、銅濃度(C)と硫酸根濃度(S)を調整し、その積値Eを、それぞれの液温(TS)から20℃(すなわちαを20℃に設定)を減じた値で除した値が、規格化溶解上限値E’max以下になるように管理することで、不動態化の発生を抑制できることを、下記表1から確認した。
[溶解度]
硫酸銅五水和物と硫酸および純水を混合した場合の溶解度を調査した。溶解度における各濃度を表1に示し、その結果を図2に図示した。
図2に、溶解上限値Emaxと電解液温度の関係を示し、図3に規格化溶解上限値E’maxと電解液温度の関係を示す。
硫酸銅五水和物と硫酸および純水を混合した場合の溶解度を調査した。溶解度における各濃度を表1に示し、その結果を図2に図示した。
図2に、溶解上限値Emaxと電解液温度の関係を示し、図3に規格化溶解上限値E’maxと電解液温度の関係を示す。
アノード表面における「銅濃度と硫酸根濃度の積値」以下となる領域では、硫酸銅の結晶が析出しないことを意味し、すなわち不動態化が発生しないことになる。
Emaxを基準とし不動態化が発生しない領域を検討するには、温度ごとにその値が変化するため、表1や図2の値を確認する必要があった。しかし、Emaxを液温(T)の関数で除した規格化溶解上限値E’maxを導入することで、その値は一定値となり、不動態化が発生しない条件を、より簡便に選定することが可能となった。
Emaxを基準とし不動態化が発生しない領域を検討するには、温度ごとにその値が変化するため、表1や図2の値を確認する必要があった。しかし、Emaxを液温(T)の関数で除した規格化溶解上限値E’maxを導入することで、その値は一定値となり、不動態化が発生しない条件を、より簡便に選定することが可能となった。
このように、本発明では、実際のアノード表面での銅濃度や硫酸根濃度など局部的に測定することが困難な不動態化要因を、電解液平均の銅濃度や硫酸濃度および電解液温度の値をもとにして推定できる。
[係数δの決定、不動態が発生しない条件の確認]
次に、電流密度の影響が加味された状態における不動態の発生条件を求めた。
銅濃度(C)を50g/L、硫酸根濃度(S)が320g/Lとなる電解液を作製した。電解液温度(T)を60℃に維持し、電流密度(D)を200〜400A/m2の間で変えて銅の電解精製を実施した。
各電流密度で100時間通電した。その結果、下記(1)式の関係で表される不動態の発生条件が得られた。
次に、電流密度の影響が加味された状態における不動態の発生条件を求めた。
銅濃度(C)を50g/L、硫酸根濃度(S)が320g/Lとなる電解液を作製した。電解液温度(T)を60℃に維持し、電流密度(D)を200〜400A/m2の間で変えて銅の電解精製を実施した。
各電流密度で100時間通電した。その結果、下記(1)式の関係で表される不動態の発生条件が得られた。
上記(1)式における「銅濃度[g/L]×硫酸根濃度[g/L]×電流密度[A/m2]÷(電解液温度T[℃]−係数α)の値δ」が、係数αを20℃とした場合に、係数δが140000を境にし、その値以下の場合では不動態化せず、逆にその値を超えた場合では不動態化することが分かった。
上記(1)式の検証として、銅濃度50g/L、硫酸根濃度350g/Lとなるように作製した電解液を用い、その電解液温度を60℃に調整し、電流密度350A/m2で銅の電解精製を100時間通電して実施した。
100時間通電後のアノード表面は不動態が発生していた。
そこで、上記と同じように係数αを20℃とした場合の係数δを求めると、約150000となり、140000を超過した、「不動態の発生条件領域」で電解精製が行われていたことを示していた。
100時間通電後のアノード表面は不動態が発生していた。
そこで、上記と同じように係数αを20℃とした場合の係数δを求めると、約150000となり、140000を超過した、「不動態の発生条件領域」で電解精製が行われていたことを示していた。
Claims (2)
- 前記(1)式の各変数の範囲が、
電解液の銅濃度(C)を40g/L以上、55g/L以下の範囲とし、
電解液の温度(T)を50℃以上、80℃以下の範囲とし、
電流密度(D)が200A/m2以上、400A/m2以下の範囲とし、
前記係数αが20℃で、
前記係数δが140000となることを特徴とする請求項1記載の銅の電解精製方法。
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2017
- 2017-07-25 JP JP2017143986A patent/JP2019026866A/ja active Pending
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