JP2019026813A - 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤 - Google Patents

樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019026813A
JP2019026813A JP2017150984A JP2017150984A JP2019026813A JP 2019026813 A JP2019026813 A JP 2019026813A JP 2017150984 A JP2017150984 A JP 2017150984A JP 2017150984 A JP2017150984 A JP 2017150984A JP 2019026813 A JP2019026813 A JP 2019026813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
resin
mass
amino
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017150984A
Other languages
English (en)
Inventor
友昭 原田
Tomoaki Harada
友昭 原田
宏子 桜井
Hiroko Sakurai
宏子 桜井
宇佐見 祐章
Sukeaki Usami
祐章 宇佐見
中嶋 道也
Michiya Nakajima
道也 中嶋
蛯名 武雄
Takeo Ebina
武雄 蛯名
石井 亮
Akira Ishii
亮 石井
相澤 崇史
Takashi Aizawa
崇史 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
DIC Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2017150984A priority Critical patent/JP2019026813A/ja
Publication of JP2019026813A publication Critical patent/JP2019026813A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】従来の樹脂組成物に比較して、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性が更に優れた樹脂組成物を提供すること。【解決手段】アミノ樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤に関する。
食品等の包装に用いられる包装材料には、内容物の保護、耐レトルト性、耐熱性、透明性、加工性といった機能が要求される。内容物の品質保持のためには、特にガスバリア性が重要となる。最近では、包装材料だけでなく、太陽電池、半導体等の電子材料に用いられる材料についても、高いガスバリア性が要求されるようになっている。
特許文献1には、水酸基を有する樹脂及びイソシアネート化合物を、粘土鉱物等の板状無機化合物及び光遮断剤と組み合わせることで、ガスバリア性等の特性が向上することが記載されている。
また、特許文献2には変性粘土を主要構成成分とする材料が記載されており、変性粘土を用い、必要に応じて添加剤を用い、変性粘土結晶を配向させ、緻密に積層させることにより、自立膜として利用可能な機械的強度、ガスバリア性、耐水性、熱安定性及びフレキシビリティーを備えた膜材が得られるとされる。
国際公開第2013/027609号 特開2007−277078号公報
特許文献1に記載されているような板状無機化合物は嵩高く、また樹脂との良好な親和性を得ることが困難である。そのために添加量や分散性に限界がある。したがって、更に高いガスバリア性を得ようとして添加量を増加させることが困難であり、また添加量を増やすと分散性の低下につながる。
また、特許文献2に記載されている粘土膜は、製膜後に加熱することによって自立膜としているものである。しかし、製膜後の加熱は、耐熱性が非常に高い樹脂にしか用いることができないため、使用用途が限られてしまうという課題があった。さらに、特許文献2に記載の自立膜は高いガスバリア性を発揮するためにフィラー量を多く配合している。しかし、フィラー量が多すぎると組成物の柔軟性が損なわれるため、例えば軟包装用フィルム用等には柔軟性に不足するという課題があった。そのため、フィラーが高充填であっても低充填であっても高いバリア性を発揮できる樹脂組成物が依然として求められている。
そこで、本発明の目的は、従来の樹脂組成物に比較して、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性が更に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、事前に加熱処理されて得たリチウム部分固定型スメクタイトが、樹脂に対する分散性の向上、樹脂の劣化の抑制や適応可能樹脂の広さなどから、結果としてガスバリア性に優れる樹脂組成物のフィラーとして好適に用いることができることを見出し、更にこのリチウム部分固定型スメクタイトとアミノ樹脂とを組あわせることで優れたガスバリア性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アミノ樹脂とリチウム部分固定型スメクタイトとを含有する樹脂組成物を提供する。本発明の樹脂組成物は、アミノ樹脂にリチウム部分固定型スメクタイトを組み合わせたことから、水蒸気バリア性、酸素バリア性等のガスバリア性が優れるようになる。
アミノ樹脂は、アミノ化合物とアルデヒド化合物との付加縮合物、又は該付加縮合物と1価アルコール化合物との反応物であることが好ましい。これにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
リチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gであることが好ましい。これにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物の不揮発分全量に対し、3〜50質量%であることが好ましい。このような含有量にすることで、水蒸気バリア性及び酸素バリア性に優れるとともに成形性がより一層優れたものとなる。
本発明は更に、上述した樹脂組成物の成形体、及びこの成形体を基材上に備える積層体、を提供する。
本発明の樹脂組成物は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性が優れているため、ガスバリア材、コーティング材、接着剤等の用途に好適に利用可能である。
本発明によれば、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性が更に優れた樹脂組成物の提供が可能となる。水蒸気バリア性については、JIS−K7129に準拠した水蒸気透過率の値を、例えば50(g/m・day)以下にすることが可能であり、酸素バリア性については、JIS−K7126に準拠した酸素透過率の値を、例えば、0%RHにおいて8(cc/m・day・atm)以下、90%RHにおいて110(cc/m・day・atm)以下にすることが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
実施形態の樹脂組成物は、アミノ樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する。
スメクタイトとは、層構造を有するフィロケイ酸塩鉱物(層状粘土鉱物)の一種である。スメクタイトの具体的な構造としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、ソーコナイト等の構造が知られている。これらのうち、粘土材料の構造としてはモンモリロナイト及び/又はスティーブンサイト構造が好ましい。これらの構造は、八面体シートの金属元素の一部に低原子価金属元素との同型置換や欠陥があるために八面体シートが負に帯電している。その結果、これらの構造は八面体シートに空きサイトを有しており、イオンが安定して存在できる。
保有する陽イオンがリチウムイオンであるスメクタイトをリチウム型スメクタイトという。スメクタイトの有する陽イオンをリチウムイオンに交換する方法としては、例えば天然のナトリウム型スメクタイトの分散液に、水酸化リチウム、塩化リチウム等のリチウム塩を添加し、陽イオン交換させる方法が挙げられる。分散液中に添加するリチウムの量を調節することで、得られるリチウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるリチウムイオンの量を適宜に調節することができる。また、リチウム型スメクタイトは、陽イオン交換樹脂をリチウムイオンにイオン交換した樹脂を用いたカラム法、又はバッチ法によっても得ることができる。
実施形態において、リチウム部分固定型スメクタイトとは、リチウム型スメクタイトにおけるリチウムイオンの一部が八面体シートの空きサイトに固定化されたスメクタイトのことをいう。リチウム部分固定型スメクタイトは、例えばリチウム型スメクタイトを加熱処理により、層間のリチウムイオンが八面体シートの空きサイトに固定化される。リチウムイオンが固定化されることで、スメクタイトが耐水化される。
リチウムを部分固定する加熱処理の温度条件は、リチウムイオンを固定化できれば特に制限はない。後述するように、陽イオン交換容量が小さいと、リチウム部分固定型スメクタイトを配合した樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性が向上する。そこで、リチウムイオンを効率的に固定化し、陽イオン交換容量を大きく低下させる観点から、150℃以上に加熱することが好ましい。上記加熱処理の温度は150〜600℃がより好ましく、更に好ましくは180〜600℃であり、特に好ましくは200〜500℃であり、最も好ましくは300〜500℃である。上記温度に加熱することで、陽イオン交換容量をより効率的に低下させることができると同時に、スメクタイト中の水酸基の脱水反応等を抑えることができる。上記加熱処理は開放系の電気炉で実施することが好ましい。この場合、加熱時の相対湿度は5%以下となり、圧力は常圧となる。上記加熱処理の時間も、リチウムを部分的に固定ができれば特に制限はないが、生産の効率性の観点から、0.5〜48時間とすることが好ましく、1〜24時間とすることがより好ましい。
通常、スメクタイトとは陽イオン交換容量が60−150meq/100gの粘土であるが、実施形態のリチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gであることが好ましい。リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、5〜50meq/100gであってもよく、10〜50meq/100gであってもよい。陽イオン交換容量が上述の範囲内であることにより、樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
スメクタイトの陽イオン交換容量は、Schollenberger法(粘土ハンドブック第三版、日本粘土学会編、2009年5月、p.453−454)に準じた方法で測定することができる。より具体的には、日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS−106−77に記載の方法で測定することができる。
スメクタイトの浸出陽イオン量は、スメクタイトの層間陽イオンをスメクタイト0.5gに対して100mLの1M酢酸アンモニウム水溶液を用いて4時間以上かけて浸出させ、得られた溶液中の各種陽イオンの濃度を、ICP発光分析や原子吸光分析等により測定し、算出することができる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、3〜50質量%であることが好ましい。なお、不揮発分とは、樹脂組成物全質量から、希釈溶剤質量、並びに、アミノ樹脂、修飾剤及び各種添加剤に含まれる揮発成分質量を除く質量とする。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が不揮発分全量に対し、3質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。また、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が50質量%以下である場合、樹脂組成物の成形性がより一層優れたものとなり、かつ、基材への密着性が向上する。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、5〜35質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが更に好ましい。
実施形態の樹脂組成物は、アミノ樹脂を含有する。アミノ樹脂とは、少なくともアミノ化合物とアルデヒド化合物との反応(付加縮合反応)により得られる樹脂化合物である。アミノ樹脂は、アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合物)であってよく、該付加縮合物と1価アルコール化合物との反応物(アルキルエーテル化物)であってもよい。アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応では、アミノ化合物中のアミノ基とアルデヒド化合物中のアルデヒド基とが反応し、アミノ基がアルキロール化される。そのため、アミノ化合物とアルデヒド化合物との付加縮合物はN−アルキロール基(−NHROH(式中、Rは炭化水素基を示す。))を有している。また、この付加縮合物と1価アルコール化合物との反応では、付加縮合物中のN−アルキロール基と、1価アルコール化合物中のアルコール性水酸基とが反応(脱水縮合反応)し、N−アルキロール基がアルキルエーテル化されることでアルキルエーテル化物が得られる。
アミノ化合物とは、少なくとも1以上のアミノ基(−NH)を有する化合物である。アミノ化合物におけるアミノ基の数は、特に限定されず、例えば、2〜4である。また、アミノ化合物におけるアミノ基以外の構造は特に限定されない。アミノ化合物の具体例としては、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、エチレン尿素、アセトグアナミン、テトラメチレングアナミン、フタログアナミン、スピログアナミン等が挙げられる。アミノ化合物は、1種類を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いてよい。アミノ化合物の中でも、ガスバリア性に更に優れる観点から、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等が好ましく用いられる。
アルデヒド化合物とは、酸性又は塩基性触媒下、アミノ化合物と付加縮合し得る化合物であり、少なくとも一つのアルデヒド基を有する。アルデヒド化合物は、下記式(1)で表されるアルデヒド構造を有している。なお、本明細書中、アルデヒド基及びアミノ基を有する化合物、並びに、アルデヒド基及びアルコール性水酸基を有する化合物は、アルデヒド化合物に含まれる。
Figure 2019026813

[式(3)中、Rは、水素原子又は1価の基を示す。]
としては、例えば、アルキル基、アルデヒド基、アリール基(フェニル基、フェノール含有基等)、カルボキシル基などが挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、他の官能基によって置換されていてもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されず、例えば、1〜10であってよい。
アルデヒド化合物の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド化合物は、1種類を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いてよい。アルデヒド化合物の中でも、工業的に入手が容易であることから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド又はサリチルアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒドがより好ましい。また、ガスバリア性に更に優れる観点から、ホルムアルデヒド等が好ましい。
1価アルコール化合物は、ROH(式中、Rは炭化水素基を示す。)で表される化合物であり、1つのアルコール性水酸基を有する化合物である。Rの炭素数は、1以上であれば特に限定されないが、好ましくは1〜4である。Rは、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。Rにおける水素原子は他の官能基によって置換されていてもよい。1価アルコール化合物の具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。1価アルコール化合物は、1種類を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いてよい。1価アルコール化合物の中でも、ガスバリア性に更に優れる観点から、メタノール、エタノール等が好ましく用いられる。
アミノ樹脂は、好ましくは、アミノ化合物とアルデヒド化合物とを、1:2〜1:20のモル比で反応させて得られるアミノ樹脂であり、より好ましくは、アミノ化合物とアルデヒド化合物とを1:2〜1:15のモル比で反応させて得られるアミノ樹脂である。アミノ樹脂の合成では、アミノ化合物に対しアルデヒド化合物を当量以上配合することで、アミノ基を完全にアルキロール化(例えばメチロール化)させることができる。
アミノ樹脂は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性により一層優れる点で、アミノ樹脂と、アルデヒド化合物と、1価アルコール化合物との反応物であることが好ましい。このようなアミノ樹脂としては、例えば、アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合物)と、1価アルコール化合物と、の反応物(アルキルエーテル化物)が挙げられる。アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合物)は、アミノ化合物とアルデヒド化合物とを酸性条件下で反応させて得られる反応物(付加縮合物)であってよく、アミノ化合物とアルデヒド化合物とを酸性条件下で反応させて得られる反応物(付加縮合物)であってよい。このようなアミノ樹脂は、例えば、アミノ化合物とアルデヒド化合物を酸性条件下で反応させた後、過剰の1価アルコール化合物を用いて、アルデヒド化合物を除去しながらN−アルキロール基のアルキルエーテル化反応を行う方法、アミノ化合物とアルデヒド化合物とをアルカリ条件下で反応させた後、1価アルコール化合物を用いて、酸性条件下でN−アルキロール基のアルキルエーテル化反応を行う方法等により得ることができる。
アミノ樹脂は、好ましくは、アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合物)とアルコール化合物とを1:3〜1:30のモル比で反応させて得られるアミノ樹脂であり、より好ましくは、アミノ化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合物)とアルコール化合物とを1:3〜1:20のモル比で反応させて得られるアミノ樹脂である。なお、アミノ樹脂の合成において、余剰のアルデヒド化合物は除去して構わない。
アミノ樹脂の具体例としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化尿素メラミン樹脂、グリコールウリル樹脂、アセトグアナミン樹脂、シクロヘキシルグアナミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱硬化後の耐疵付き性及び耐薬品性に優れる点から、メラミン樹脂が好ましい。これらの樹脂には、1価アルコール化合物によって変性されたものも包含される。例えば、メラミン樹脂には、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、混合アルキル化メラミン樹脂等が包含される。
アミノ樹脂としては、完全アルキル基タイプ(−N(CHOR)で表される基を有するアミノ樹脂)、メチロール基タイプ(−N(CHOR)(CHOH)で表される基を有するアミノ樹脂)、高イミノ基タイプ(−NH(CHOR)で表される基を有するアミノ樹脂)などが存在する(上記式中、Rは炭化水素基を示し、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)。実施形態では、一般的に市販されているアミノ樹脂及び合成可能なアミノ樹脂を特に限定されることなく使用することができる。市販品としては、アミディア L―105―60(DIC株式会社製)、サイメル370、サイメル325、サイメル327(以上、オルネクスジャパン社製)等のメチル化メラミン樹脂;アミディア L―109―65(DIC株式会社製)、ユーバン20SE60(三井化学社製)等のブチル化メラミン樹脂;サイメル285、サイメル232、サイメル254(以上、オルネクスジャパン社製)等のメチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂;ウォーターゾールS―695(DIC株式会社製)等の水性メラミン樹脂;マイコート105、106(以上、オルネクスジャパン社製)等のメチル化ベンゾグアナミン樹脂;アミディアP―196―M、アミディアG―1850(以上、DIC株式会社製)等のブチル化尿素樹脂などが挙げられる。
アミノ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは400〜7000であり、より好ましくは800〜6000である。重量平均分子量が400以上であれば、加熱時にアミノ樹脂の揮発を抑制することができる。また、重量平均分子量が7000以下であれば、樹脂粘度が低下し、取扱いやすくなる。ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。
アミノ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、50〜97質量%であってよく、70〜93質量%であってもよく、80〜95質量%であってもよい。すなわち、アミノ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、50質量%以上、70質量%以上又は80質量%以上であってよく、97質量%以下、93質量%以下又は95質量%以下であってよい。アミノ樹脂の含有量が50質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。また、アミノ樹脂の含有量が97質量%以下である場合、樹脂組成物の成形性がより一層優れたものとなる。
樹脂組成物は、更に修飾剤を含有してもよい。修飾剤としては、カップリング剤、シラン化合物、酸無水物等が挙げられる。樹脂組成物がこれらの修飾剤を含有する場合、リチウム部分固定型スメクタイトの濡れ性が向上し、樹脂組成物への分散性が向上する。修飾剤は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカップリング剤としては、例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、例えば、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、フッ化ジルコニウム等が挙げられる。
アルミカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
シラン化合物としては、アルコキシシラン、シラザン、シロキサン等が挙げられる。アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シラザンとしてはヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。シロキサンとしては加水分解性基含有シロキサン等が挙げられる。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸アルケニル無水コハク酸等が挙げられる。
修飾剤の配合量としては、リチウム部分固定型スメクタイト全量に対し、0.1〜50質量%であることが好ましい。修飾剤の配合量は、0.1質量%以上であればリチウム部分固定型スメクタイトの樹脂組成物への分散性がより良好なものとなる。また、修飾剤の配合量は、50質量%以下であれば樹脂組成物に対する修飾剤の機械物性への影響をより抑えることができる。修飾剤の配合量は、好ましくは0.3〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜15質量%である。
樹脂組成物は、使用用途に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤(アミノ樹脂、リチウム部分固定型スメクタイト及び修飾剤に該当する化合物は除く)を含有してもよい。添加剤としては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤等が例示できる。これらの各種添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
添加剤のうち、無機フィラーとしては、金属、金属酸化物、樹脂、鉱物等の無機物及びこれらの複合物が挙げられる。無機フィラーの具体例としては、シリカ、アルミナ、チタン、ジルコニア、銅、鉄、銀、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、粘土鉱物等が挙げられる。これらの中でも、ガスバリア性を向上させる目的で、粘土鉱物を使用することが好ましく、粘土鉱物の中でも膨潤性無機層状化合物を使用することがより好ましい。
膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)などが挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。
酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
粘着付与剤としては、キシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。粘着付与剤を添加することで塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させることができる。粘着性付与剤の添加量は樹脂組成物全量100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
実施形態の成形体は、上述した樹脂組成物を成形して得ることができる。成形体は、樹脂組成物の硬化物からなっていてよい。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体の形状に制限はなく、板状、シート状、又はフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
板状、シート状の成形体を製造する場合、例えば押し出し成形法、平面プレス、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いて樹脂組成物を成形する方法が挙げられる。また、フィルム状の成形体を製造する場合、例えば溶融押出法、溶液キャスト法、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形が挙げられる。
樹脂組成物が液状である場合、塗工により成形してもよい。塗工方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
実施形態の積層体は、上述した成形体を基材上に備えるものである。積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚さ等にも制限はない。
積層体は、基材上に上述した成形体を積層することで得ることができる。基材上に積層する成形体は、基材に対し直接塗工又は直接成形により形成してもよく、樹脂組成物の成形体を積層してもよい。直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。樹脂組成物の硬化物からなる成形体を積層する場合、未硬化又は半硬化の樹脂組成物層を基材上に積層してから硬化させてもよく、樹脂組成物を完全硬化した硬化物層を基材上に積層してもよい。
また、積層体は、樹脂組成物の硬化物に対して基材の前駆体を塗工して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は樹脂組成物が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させることで得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性樹脂組成物等が挙げられる。また、実施形態の樹脂組成物を接着剤として用いることで積層体を作成してもよい。
樹脂組成物は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性が優れているため、ガスバリア材として好適に用いることができる。
樹脂組成物は、コーティング材として好適に用いることができる。コーティング材は、上述した樹脂組成物を含むものであればよい。コーティング材のコーティング方法は特に限定されない。具体的な方法としては、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティング装置についても特に限定されない。樹脂組成物は、高いガスバリア性を有することから、ガスバリア用コーティング材として好適に利用可能である。
樹脂組成物は、接着性に優れるため、接着剤として好適に用いることができる。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。樹脂組成物は、高いガスバリア性を有することから、この接着剤はガスバリア用接着剤として好適に利用可能である。
液状又はペースト状の接着剤の場合は、使用方法としては特に限定はないが、接着面に塗布後又は接着面の界面に注入後、接着し、硬化させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂組成物に含有するフィラーとしてはリチウム部分固定型スメクタイト又はリチウム部分固定でないスメクタイトを用いた。リチウム部分固定型スメクタイトは、クニミネ工業株式会社製のモンモリロナイト分散スラリー(商品名:RCEC−W、陽イオン交換容量39.0meq/100g)を用いた。この分散スラリー中のリチウム部分固定型スメクタイトの含有量(w/w%)は20w/w%であった。また、リチウム部分固定でないスメクタイトは天然モンモリロナイト(商品名:クニピアF、陽イオン交換容量108meq/100g、クニミネ工業株式会社製)を用いた。
アミノ樹脂としては、メチル化メラミン樹脂(商品名:アミディアL―105―60、DIC株式会社製、不揮発分60%)及び、水性メラミン樹脂(商品名:ウォーターゾールS―695、DIC株式会社製、不揮発分65%)を用いた。
修飾剤としては、シランカップリング剤である3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503、信越化学工業株式会社製)を用いた。
(実施例1)
メチル化メラミン樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイト分散スラリー65.8質量部、アセトニトリル172.9質量部、水19.2質量部、2−プロパノール67.7質量部及び修飾剤溶液10.3質量部を加え、8時間撹拌保持し、実施例1の樹脂組成物を得た。これを塗工液1とした。なお、修飾剤溶液は、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン3.0質量部、水0.66質量部、2−プロパノール6.6質量部及び0.1mol/lの塩酸0.1質量部からなる溶液を2時間撹拌することにより調製した。
得られた塗工液1を12.5μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトンフィルム、カプトンは登録商標)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工厚さが2μmになるように塗工した。塗工後のポリイミドフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱処理し、その後、150℃の乾燥機中で2時間加熱処理した。これにより、ポリイミドフィルム上に実施例1の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例1の積層フィルムを得た。
上記実施例1の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であり、修飾剤の配合量(修飾剤量)はリチウム部分固定型スメクタイト全量に対して5質量%であった。
(実施例2)
水性メラミン樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイトスラリー71.3質量部、アセトニトリル187.3質量部、水20.8質量部及び2−プロパノール83.2質量部を加え、8時間撹拌保持し、実施例2の樹脂組成物を得た。これを塗工液2とした。
塗工液1に代えて塗工液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例2の積層フィルムを得た。
上記実施例2の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であった。
(実施例3)
水性メラミン樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイトスラリー71.3質量部、アセトニトリル187.3質量部、水20.8質量部、2−プロパノール82.3質量部及び修飾剤溶液11.2部を加え、8時間撹拌保持し、実施例3の樹脂組成物を得た。なお、修飾剤溶液は、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン3.0質量部、水0.66質量部、2−プロパノール6.6質量部及び0.1mol/lの塩酸0.1質量部からなる溶液を2時間撹拌することにより調製した。
塗工液1に代えて塗工液3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例3の積層フィルムを得た。
上記実施例3の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であり、修飾剤の配合量(修飾剤量)はリチウム部分固定型スメクタイト全量に対して5質量%であった。
(実施例4)
水性メラミン樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイトスラリー758.3質量部、アセトニトリル1870質量部、水208質量部及び2−プロパノール832質量部を加え、8時間撹拌保持し、実施例4の樹脂組成物を得た。これを塗工液4とした。
塗工液1に代えて塗工液4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例4の積層フィルムを得た。
上記実施例4の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して70質量%であった。
(比較例1)
水性メラミン樹脂100質量部に対して、天然モンモリロナイト151.7質量部、アセトニトリル1870質量部、水208質量部及び2−プロパノール832質量部を加え、8時間撹拌保持し、比較例1の樹脂組成物を得た。これを比較塗工液1とした。
塗工液1に代えて比較塗工液1を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例1の積層フィルムを得た。
上記比較例1の樹脂組成物及び成形体において、天然モンモリロナイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して70質量%であった。
(比較例2)
水性メラミン樹脂100質量部に対して、1―プロパノール160質量部を加え、20分撹拌保持し、比較例2の樹脂組成物を得た。これを比較塗工液2とした。
塗工液1に代えて比較塗工液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例2の積層フィルムを得た。なお、上記比較例2の樹脂組成物及び成形体はフィラーを含有していない。
<評価>
実施例1〜4及び比較例1〜2の積層フィルムについて、成膜性、酸素透過性及び水蒸気透過性を評価した。評価結果は表1及び表2に示す。なお、成膜性、酸素透過性及び水蒸気透過性の評価は以下の方法で実施した。
(成膜性)
成膜性は、積層フィルムの塗工面が平滑である場合は「○」、塗工面が平滑でない場合は「×」と評価した。
(酸素透過率)
酸素透過率の測定は、JIS−K7126(等圧法)に準じ、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いて、温度23℃、湿度0%RHの雰囲気下、及び、温度23℃、湿度90%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。
(水蒸気透過率)
水蒸気透過率の測定は、JIS−K7129に準じ、イリノイ社製水蒸気透過率測定装置7001を用いて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で測定した。
Figure 2019026813
Figure 2019026813
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性に優れることから、包装材料を始め、電子材料、建築材料等、様々な分野に好適に使用可能である。

Claims (9)

  1. アミノ樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトと、を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記アミノ樹脂は、アミノ化合物とアルデヒド化合物との付加縮合物、又は該付加縮合物と1価アルコール化合物との反応物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記リチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、前記樹脂組成物の不揮発分全量に対し、3〜50質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の成形体。
  6. 請求項5に記載の成形体を基材上に備える積層体。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むガスバリア材。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むコーティング材。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む接着剤。
JP2017150984A 2017-08-03 2017-08-03 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤 Pending JP2019026813A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017150984A JP2019026813A (ja) 2017-08-03 2017-08-03 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017150984A JP2019026813A (ja) 2017-08-03 2017-08-03 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019026813A true JP2019026813A (ja) 2019-02-21

Family

ID=65477783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017150984A Pending JP2019026813A (ja) 2017-08-03 2017-08-03 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019026813A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019038871A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤

Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5443941A (en) * 1977-09-14 1979-04-06 Gosei Kagaku Kenkyusho Fireproofing aqueous coating
JPS6445477A (en) * 1987-04-15 1989-02-17 Basf Corp Polyurethane resin for water-dilutable undercoating having low temperature flash and quick driness
JPH05177782A (ja) * 1991-06-14 1993-07-20 Imperial Chem Ind Plc <Ici> ポリマーフィルム
JPH09151265A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Toray Ind Inc ガスバリアフィルム
JP2005538225A (ja) * 2002-09-09 2005-12-15 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 迅速低温硬化性高ガスバリア性塗料
JP2007277078A (ja) * 2006-03-11 2007-10-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 変性粘土を用いた膜
JP2008247719A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Hitachi Chem Co Ltd 粘土フィルム及びその製造方法
WO2010147147A1 (ja) * 2009-06-19 2010-12-23 独立行政法人産業技術総合研究所 電子デバイス用防湿フィルム
JP2011051845A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 粘土の層間イオンをリチウムイオンと交換したリチウム交換粘土の製造方法
WO2011152500A1 (ja) * 2010-06-03 2011-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 水蒸気バリア性フィルム及びその製造方法
JP2017031015A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 クニミネ工業株式会社 リチウム固定型有機修飾モンモリロナイトの製造方法
WO2018123734A1 (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168945A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168947A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168862A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤
JP2019026676A (ja) * 2017-07-26 2019-02-21 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP2019038871A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP2020002188A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤

Patent Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5443941A (en) * 1977-09-14 1979-04-06 Gosei Kagaku Kenkyusho Fireproofing aqueous coating
JPS6445477A (en) * 1987-04-15 1989-02-17 Basf Corp Polyurethane resin for water-dilutable undercoating having low temperature flash and quick driness
JPH05177782A (ja) * 1991-06-14 1993-07-20 Imperial Chem Ind Plc <Ici> ポリマーフィルム
JPH09151265A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Toray Ind Inc ガスバリアフィルム
JP2005538225A (ja) * 2002-09-09 2005-12-15 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 迅速低温硬化性高ガスバリア性塗料
JP2007277078A (ja) * 2006-03-11 2007-10-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 変性粘土を用いた膜
JP2008247719A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Hitachi Chem Co Ltd 粘土フィルム及びその製造方法
WO2010147147A1 (ja) * 2009-06-19 2010-12-23 独立行政法人産業技術総合研究所 電子デバイス用防湿フィルム
JP2011051845A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 粘土の層間イオンをリチウムイオンと交換したリチウム交換粘土の製造方法
WO2011152500A1 (ja) * 2010-06-03 2011-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 水蒸気バリア性フィルム及びその製造方法
JP2017031015A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 クニミネ工業株式会社 リチウム固定型有機修飾モンモリロナイトの製造方法
WO2018123734A1 (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168945A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168947A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
WO2018168862A1 (ja) * 2017-03-14 2018-09-20 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤
JP2019026676A (ja) * 2017-07-26 2019-02-21 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP2019038871A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP2020002188A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019038871A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 Dic株式会社 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101399260B1 (ko) 금속 알콕시드 축합 생성물, 유기 실란 화합물 및 붕소 화합물을 포함하는 중합체 조성물
KR102008550B1 (ko) 경화성 수지 조성물, 수지 조성물, 이들을 사용하여 이루어지는 수지 시트, 및 이들의 경화물
JP7072806B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤
EP2873701A1 (en) Organic-inorganic complex, and forming composition thereof
Huang et al. Preparation and anticorrosive properties of hybrid coatings based on epoxy‐silica hybrid materials
US20140170403A1 (en) Inorganic polymer material, method for forming the same, and inorganic polymer coating produced therefrom
CN104428135A (zh) 具有自组织化膜的薄膜层合体
JP7276398B2 (ja) 樹脂組成物、硬化物、成形体及びその製造方法、並びに、フィルムコンデンサ及びその製造方法
WO2018123734A1 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP2019026813A (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP7123336B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、コーティング材及び接着剤
CN114222796B (zh) 环氧树脂组合物、阻气性薄膜和层叠体
JP7528941B2 (ja) ガスバリア性包装材
JP2011256369A (ja) コーティング組成物、及びシリカ−エポキシ樹脂複合材料
JP6960629B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材、接着剤及び積層体の製造方法
JP6901086B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
JP7127771B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
CN109983052B (zh) 密封用膜及其固化物、以及电子装置
KR101091339B1 (ko) 전기전도성 및 방열특성이 우수한 강판
TWI856137B (zh) 環氧樹脂組成物、氣體阻隔性薄膜及疊層體
KR102308735B1 (ko) 내열성 코팅 조성물 및 이를 이용한 코팅체의 제조 방법
JP2010258462A (ja) 配線板用複合材料とその製造方法
KR20210030017A (ko) 밀봉 시트 및 이를 포함하는 반도체 장치
JP2009067988A (ja) 高耐熱性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211207