JP2019025734A - スプレーバー - Google Patents

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Abstract

【課題】噴出流体の量のバラつきを抑制する事のできるスプレーバーを提供する。【解決手段】アウターパイプ12と、インナーバー14と、供給ねじ16と、を備えたスプレーバー10であって、アウターパイプ12には、複数の噴出開口部と、噴出開口部配置側面と異なる位置に複数配置された導入開口部とを備え、インナーバー14は、その配置により、第1圧力室と、第2圧力室と、第1圧力室および第2圧力室よりも容積を小さくしつつ、第1圧力室と第2圧力室とを空間的に接続する接続通路と、を形成する構成とし、第2圧力室へ流体を導く供給流路と、を有する供給ねじ16が配置され、供給ねじ16は、導入開口部に対して供給ねじ16を付勢させた状態で支持するホルダ18に保持されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、輪転印刷機のシリンダを払拭するための洗浄布に対して水や洗浄液等を吹き付けるスプレーバーに関する。
輪転印刷機に適用されるスプレーバーとしては、主にブランケット胴などのシリンダを払拭するための洗浄布に対して洗浄液を吹き付けるためのものが知られている。こうしたスプレーバーにおける共通の課題は、長尺物のスプレーバーでは、洗浄液を導入するスプレーバーの基端側と、基端側から導入された洗浄液が流れて行く先端側とでは圧力差が生じることとなり、噴出開口部から噴出する流体の勢い(流量)にバラつきが生じてしまうといったものであった。
こうした実状に鑑み、種々の研究が成され、特許文献1や特許文献2に開示されているようなスプレーバーが提案されている。特許文献1に開示されているスプレーバー1は図13に示すように、アウターパイプ2の内部に邪魔板部材3を配置し、この邪魔板部材3によりアウターパイプ2内の空間を噴出開口部空間3aと、流体供給空間3bとに分ける構成としている。そして、噴出開口部空間3aよりも流体供給空間3bの容積を大きくし、両者を狭隘な通路で接続するというものである。このような構成のスプレーバー1では、容積の大きな流体供給空間3bを介して流体をアウターパイプ2の先端側まで送り込み、その後に通路を介して噴出開口部空間3aへ流体が流れ込むこととなり、圧力差に起因した噴出流体のバラつきを抑制することができる。
また、特許文献2に開示されているスプレーバー4は、図14に示すように、スプレーバー4を構成する供給管5内に隔壁5aを配置し、この隔壁5aにより内部空間を噴出開口部空間6aと流体供給空間6bとに分断している。噴出開口部空間6aと流体供給空間6bは、隔壁5aに設けられた複数の孔5a1により連通されている。そして、流体供給空間6bは、流体を導入する基端側よりも、流体が流れて行く先端側の容積が小さくなるように構成されている。このような構成のスプレーバー4も、流体供給空間6bを介して内部に導入された流体が、隔壁5aに設けられた孔5a1を介して噴出開口部空間6aに流れ込む事で、基端側と先端側とにおける圧力差の軽減を図っている。また、特許文献2に開示されているスプレーバー4では、流体供給空間6bの容積を基端側から先端側にかけて小さくしているため、その効果が大きくなるものと考えられる。
特開2003−1802号公報 特開2007−145027号公報
上記特許文献に開示されているようなスプレーバーによれば、従来に比べて流体を導入する端部(基端)側と反対側の端部(先端)との間に生じる圧力差に伴う噴出流体の勢いのバラつきを小さくする事ができると考えられる。
しかし、特許文献1、2に開示されているような構成のスプレーバーであっても、基端側と先端側に生じる圧力差を無くす事はできず、依然として噴出流体の勢いのバラつきに関する課題は残されたままである。また、長尺物であるスプレーバーにおいて、特許文献1に開示されているような構成とした場合、邪魔板部材3が流体供給空間3b側からの圧力を受けてしなり、噴出開口部空間3aの一部、すなわち噴出開口部の一部を塞いでしまう可能性もある。
そこで本発明では、長尺物に対する流体の供給形式に工夫を凝らすことで、噴出流体の勢いのバラつきを効果的に抑制する事のできるスプレーバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るスプレーバーは、アウターパイプと、前記アウターパイプ内に配置されるインナーバーと、前記アウターパイプに対して流体を供給するための供給部と、を備えたスプレーバーであって、前記アウターパイプには、長手方向に沿う直線上に配置された複数の噴出開口部と、前記噴出開口部配置側面と異なる位置に、長手方向に沿って複数の前記供給部とが備えられていることを特徴とする。
また、このような特徴を有するスプレーバーにおいて前記インナーバーは、前記アウターパイプ内に配置される事で、前記噴出開口部の内側開口部を覆う範囲に設けられる第1圧力室と、前記供給部の内側開口部を覆う範囲に設けられる第2圧力室と、前記第1圧力室および前記第2圧力室よりも容積を小さくしつつ、前記第1圧力室と前記第2圧力室とを空間的に接続する接続通路と、を形成するように構成すると良い。このような特徴により、洗浄布に浸透可能な適切な量の流体を溜めることができ、過剰な量の流体により装置や周辺機器に影響を及ぼすことがない。
また、このような特徴を有するスプレーバーにおいて前記供給部は、前記内側開口部から外側開口部にかけて開口面積が広くなる傾斜面を有し、前記傾斜面には、前記傾斜面に当接する当接面と、前記第2圧力室へ流体を導く流路とを有する供給ねじが配置され、前記供給ねじは、前記供給部に対して前記供給ねじを付勢させた状態で支持するホルダにより保持されるようにすると良い。このような特徴を有することにより、薄物のアウターパイプに対して側面から加圧流体を供給する場合に、継手となる供給ねじを容易に取り付けることができる。
また、このような特徴を有するスプレーバーにおいて前記ホルダは、アウターパイプ保持部と、供給ねじ保持部とを備え、前記供給ねじ保持部には、雌ねじ孔が形成され、前記供給ねじには、前記雌ねじ孔に螺合可能な雄ねじが備えられている構成とすることもできる。このような特徴により、供給ねじを締付ける事で、供給ねじは、アウターパイプに付勢することとなり、アウターパイプの回り止めや位置決めにも寄与することとなる他、係合部からの流体の漏れ抑制にも寄与することとなる。
さらに、上記のような特徴を有するスプレーバーでは、前記アウターパイプ保持部と前記供給ねじ保持部は直交配置されており、前記アウターパイプ保持部には、前記供給ねじ保持部の配置位置を挟んだ両側部に、止水用のパッキンが備えられるようにすると良い。このような特徴を有することにより、アウターパイプと供給ねじとの接触面から流体の漏れが生じたとしても、これらを支持するホルダの外部に流体が漏れ出る虞が無い。
上記のような特徴を有するスプレーバーによれば、スプレーバーを構成するアウターパイプの側面から流体を供給する事が可能となる。これにより、噴出流体の勢いのバラつきを効果的に抑制することが可能となる。
実施形態に係るスプレーバーの断面構成と配置形態を示す図である。 スプレーバーを構成するアウターパイプにおける噴出開口部形成側面を示す図である。 スプレーバーを構成するアウターパイプにおける導入開口部形成側面を示す図である。 アウターパイプの構成を示す拡大断面図である。 インナーバーの構成を示す拡大断面図である。 アウターパイプにインナーバーを挿入した状態を示す拡大断面図である。 供給ねじの構成を示す側面図である。 図7における右側面を示す図である。 図7における左側面を示す図である。 ホルダの構成を示す側面図である。 図10における平面構成を示す平面図である。 図10における右側面を示す図である。 特許文献1に係る従来のスプレーバーの構成を示す斜視図である。 特許文献2に係る従来のスプレーバーの構成を示す断面図である。
以下、本発明のスプレーバーに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[概要構成]
本実施形態に係るスプレーバー10は、図1に示すように、シリンダ30の洗浄に用いる払拭パッド32の近傍に配置され、水、あるいは洗浄液などの流体を洗浄布34に対して噴出する役割を担う。スプレーバー10は、アウターパイプ12とインナーバー14、供給ねじ16、およびホルダ18を備える事を基本として構成されている。
[アウターパイプ]
アウターパイプ12は、長尺の筒状部材により構成される。好ましくは円筒形とし、その一側面には、流体を噴出するための噴出開口部12aが設けられている。噴出開口部12aは、アウターパイプ12の長手方向に沿って複数配置されている貫通孔である。噴出開口部12aの配置間隔は、特に限定するものでは無いが、被塗布物に対する塗布割合を考慮した場合には、等間隔に配置する事が望ましい。
また、アウターパイプ12の側面には、導入開口部(供給部)12bも備えられている。導入開口部12bは、噴出開口部12aの配置側面とは異なる位置に備えられる貫通孔であり、図4に拡大断面図を示すように、内側開口部から外側開口部にかけて、開口面積が広くなるような傾斜面12b1を有する。導入開口部12bも噴出開口部12aと同様に、アウターパイプ12の長手方向に沿って複数配置されている。
[インナーバー]
インナーバー14は、アウターパイプ12の内部に挿入され、アウターパイプ12の内部空間の仕切りを構成する要素である。インナーバー14は、アウターパイプ12の内側に収まる柱状、あるいは筒状部材により構成されていれば良い。例えばアウターパイプ12の形状を円筒形としている場合、インナーバー14の形状も円柱、あるいは円筒形を基本としつつ、その外周上には、少なくとも2箇所の切欠き部14a,14bを備える構成とする。切欠き部14a,14bの配置箇所は、アウターパイプ12における噴出開口部12aの配置位置と、導入開口部12bの配置位置に対応する位置である。
この2つの切欠き部14a,14bの位置をアウターパイプ12における噴出開口部12aの配置位置と導入開口部12bの配置位置に合わせてアウターパイプ12に挿入することで、切欠き部14a,14bを形成した部位には図6に示すように、第1圧力室20と、第2圧力室22が形成されることとなる。ここで、第1圧力室20は、噴出開口部12aの内側開口部を覆う範囲に設けられることとなり、第2圧力室22は、導入開口部12bの内側開口部を覆う範囲に設けられることとなる。第1圧力室20と第2圧力室22の容積(断面においては面積)は、ほぼ等しくなるように構成されると良い。
インナーバー14は、アウターパイプ12の端部に設けられるエンドキャップ(不図示)により、アウターパイプ12内においてアウターパイプ12とほぼ同心となる位置で固定される。これにより、第1圧力室20と第2圧力室22との間には、接続通路24が形成される(図6中では、微小であるため詳細に表れていない)。接続通路24は、第1圧力室20および第2圧力室22よりも、その容積(断面においては面積)が小さくなるように構成されている。
このような構成とする事で、導入開口部12bから供給された流体は、一旦、第2圧力室22に貯留され、接続通路24を介して第1圧力室20に供給され、その後に噴出開口部12aから噴出されることとなる。このように、第2圧力室22に貯留された流体を容積の狭い接続通路24を介して第1圧力室20に供給する構成とする事で、第1圧力室20に供給、貯留される流体の圧力、および噴出開口部12aからの噴出圧力を安定させることができる。
また、インナーバー14に切欠き部14aと切欠き部14bを形成し、アウターパイプ12との間に第1圧力室20と第2圧力室22を形成したことで、例えインナーバー14にしなりが生じたとしても、噴出開口部12aや、導入開口部12bが閉塞される虞が無い。
また、アウターパイプ12の内径容積に比べて第1圧力室20と第2圧力室22の容積を小さなものとする事で、洗浄布に浸透可能な適切な液体量を溜めることができ、過剰な液体量により装置や周辺機器に影響を及ぼす事がない。さらに、エアリフトによる流体(液体)噴出後のスプレーバー10内部に残留する液体を無くす事ができ、使用後の液ダレ等を生じさせる虞が無い。
[供給ねじ]
供給ねじ16は、導入開口部12bから第2圧力室22へ流体を供給するための要素である。供給ねじ16の全体形状は円筒形とし、その内部空間は、供給流体を挿通させるための供給流路16aを構成している。また、導入開口部12bとの接触部には、導入開口部12bに形成された傾斜面12b1と対応する角度の傾斜面16bが形成されている。なお、接触部に形成される傾斜面16bの傾斜角度は、導入開口部12bの傾斜面12b1の傾斜角度と同一とする事が望ましい。
また、供給ねじ16の外周には、雄ねじ16cが形成されている。図7に示す形態の場合、雄ねじ16cは、供給ねじ16の長手方向全域にわたって形成されている。このため、傾斜面16bを備えない端部側の供給流路16aを構成する内部空間には、供給ねじ16を回転させるための工具との嵌合形状が形成されている。嵌合形状の具体例としては、六角レンチを嵌め込むための六角穴16d(図8参照)や、マイナスドライバーを係合させるための直線溝(不図示)などとすれば良い。
[ホルダ]
ホルダ18は、アウターパイプ12と供給ねじ16とを接続、保持するための要素である。ホルダ18には、アウターパイプ保持部18aと、供給ねじ保持部18bが備えられている。アウターパイプ保持部18aは、アウターパイプ12を挿通可能な貫通孔とされている。
供給ねじ保持部18bは、アウターパイプ保持部18aを構成する貫通孔に直交する方向に配置された雌ねじ孔であり、供給ねじ16を螺合可能な構成とされている。本実施形態のホルダ18では、アウターパイプ保持部18aにおける供給ねじ保持部18bの配置位置の両側部に、シール溝18a1が形成されており、止水用のパッキン(不図示)を配置可能な構成としている。
このような構成のホルダ18によれば、アウターパイプ保持部18aにインナーバー14を挿入したアウターパイプ12を挿通させ、供給ねじ保持部18bに供給ねじ16を螺合することで、アウターパイプ12に形成された導入開口部12bの傾斜面12b1に供給ねじ16の傾斜面16bが押し付けられることとなる。傾斜面同士の接触によりアウターパイプ12と供給ねじ16との止水面の確保が図られると共に、ホルダ18に対するアウターパイプ12の回り止めも図られる。また、仮にアウターパイプ12と供給ねじ16との接触面から流体が漏れたとしても、ホルダ18とアウターパイプ12との間に配置されたパッキンにより流体が外部への流出することを防ぐ事ができる。
このような構成のスプレーバー10によれば、アウターパイプ12の側面から加圧流体を供給することが可能となる。このため、長尺物のアウターパイプ12に対して、複数個所から加圧流体を供給する事が可能となり、噴出流体の勢いのバラつきを抑制することが可能となる。
また、流体を貯留する内部容積を、アウターパイプ12自体の内部容積に比べて十分に小さなものとした事で、洗浄布に浸透可能な適切な液体量を溜めることができ、過剰な液体量により装置や周辺機器に影響を及ぼす事がない。さらに、エアリフトによる流体(液体)噴出後にスプレーバー10の内部に残留する液体が無くなり、使用後の液ダレ等を生じさせることがなくなる。
10………スプレーバー、12………アウターパイプ、12a………噴出開口部、12b………導入開口部、12b1………傾斜面、14………インナーバー、14a,14b………切欠き部、16………供給ねじ、16a………供給流路、16b………傾斜面、16c………雄ねじ、16d………六角穴、18………ホルダ、18a………アウターパイプ保持部、18a1………シール溝、18b………供給ねじ保持部、20………第1圧力室、22………第2圧力室、24………接続通路、30………シリンダ、32………払拭パッド、34………洗浄布。

Claims (5)

  1. アウターパイプと、前記アウターパイプ内に配置されるインナーバーと、前記アウターパイプに対して流体を供給するための供給部と、を備えたスプレーバーであって、
    前記アウターパイプには、長手方向に沿う直線上に配置された複数の噴出開口部と、前記噴出開口部配置側面と異なる位置に、長手方向に沿って複数の前記供給部とが備えられていることを特徴とするスプレーバー。
  2. 前記インナーバーは、前記アウターパイプ内に配置される事で、前記噴出開口部の内側開口部を覆う範囲に設けられる第1圧力室と、前記供給部の内側開口部を覆う範囲に設けられる第2圧力室と、前記第1圧力室および前記第2圧力室よりも容積を小さくしつつ、前記第1圧力室と前記第2圧力室とを空間的に接続する接続通路と、を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプレーバー。
  3. 前記供給部は、前記内側開口部から外側開口部にかけて開口面積が広くなる傾斜面を有し、
    前記傾斜面には、前記傾斜面に当接する当接面と、前記第2圧力室へ流体を導く流路とを有する供給ねじが配置され、
    前記供給ねじは、前記供給部に対して前記供給ねじを付勢させた状態で支持するホルダにより保持されていることを特徴とする請求項2に記載のスプレーバー。
  4. 前記ホルダは、アウターパイプ保持部と、供給ねじ保持部とを備え、
    前記供給ねじ保持部には、雌ねじ孔が形成され、
    前記供給ねじには、前記雌ねじ孔に螺合可能な雄ねじが備えられていることを特徴とする請求項3に記載のスプレーバー。
  5. 前記アウターパイプ保持部と前記供給ねじ保持部は直交配置されており、
    前記アウターパイプ保持部には、前記供給ねじ保持部の配置位置を挟んだ両側部に、止水用のパッキンが備えられていることを特徴とする請求項4に記載のスプレーバー。
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