JP2019025436A - 重金属吸着剤からの担持体の分離回収方法 - Google Patents

重金属吸着剤からの担持体の分離回収方法 Download PDF

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Kenji Sato
賢司 佐藤
小笠原 正裕
Masahiro Ogasawara
正裕 小笠原
努 関川
Tsutomu Sekikawa
努 関川
丈晴 阿部
Takeharu Abe
丈晴 阿部
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Abstract

【課題】排ガス等に含まれる重金属を吸着させる処理に用いた吸着剤(使用済みの吸着剤)から重金属等を効果的に除去して担持体を分離回収し、再度吸着剤として再生させる等の有効なリサイクルを可能にする方法を提供する。【解決手段】本発明は、吸着法により重金属を吸着除去するために用いられ、硫化物と、その硫化物を担持する炭素化合物からなる担持体とにより構成される吸着剤において、重金属を吸着させた後の該吸着剤から担持体を分離回収する方法であって、吸着処理により重金属を置換して生成した重金属の硫化物を表面に有する吸着剤(使用済みの吸着剤)に対して、振動篩を用いた篩分け処理を施す。【選択図】なし

Description

本発明は、非鉄製錬等から排出される酸性の排ガス中に含まれる水銀等の重金属を吸着除去するための重金属吸着剤から担持体を分離回収する方法に関するものであり、重金属を吸着した使用済みの吸着剤から担持体を有効に分離回収してリサイクル可能とする方法に関する。
例えば、非鉄製錬、石炭火力、産業廃棄物焼却、製鉄関連施設等の設備から発生する排ガスには重金属が含まれており、その重金属の除去処理においては、例えば吸着塔や精製塔等が使用されている。
重金属を除去する最も効率的な方法として、吸着法がある(例えば、特許文献1、2等参照)。この吸着法は、吸着剤として、例えばゼオライトや活性炭等の多孔質担持体に金属硫化物を担持させたものを使用し、その吸着剤を充填塔(吸着塔)内に充填して吸着剤層を形成し、排ガスをその吸着剤層に通過させるというものである。
具体的に、この吸着法では、排ガス中に含まれる水銀等の重金属が、吸着剤層を構成する吸着剤における金属硫化物と反応し、重金属の硫化物(例えば硫化水銀等)の形態で固定吸着され、これにより分離除去されることになる。
さて、そのような吸着剤では、金属硫化物が水銀等の重金属に置換されると、重金属の吸着能力が失われるため、廃棄対象となるか、吸着能力を回復させるための再生処理が必要となる。従来、吸着剤の再生においては、水洗や風洗等によって吸着剤の表面に存在する重金属の硫化物を洗浄除去し、残った担持体を回収し、その担持体に再度金属硫化物を担持させることによって再生させていた。
しかしながら、このような水洗や風洗等による処理では、十分な表面洗浄を行うことができず、重金属の硫化物が残存することがあるという問題があった。また、水洗や風洗等の処理では、重金属の硫化物が飛散する可能性があり、高い安全性を確保した上で処理する必要があった。さらに、水洗処理では、必然的に処理後に水分量が多くなってしまい、その水分を除去するのに乾燥する等の多くの手間がかかっていた。
特公昭54−8475号公報 特開平7−328433号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、排ガス等に含まれる重金属を吸着させる処理に用いた吸着剤(使用済みの吸着剤)から重金属等を効果的に除去して担持体を分離回収し、再度吸着剤として再生させる等の有効なリサイクルを可能にする方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、コークス等の炭素化合物からなる担持体とその担持体に担持された硫化物とから構成される吸着剤において、重金属が吸着した吸着剤を振動篩による篩分け処理に供することによって、その吸着剤同士を衝突させ、表面の重金属の硫化物等を篩下に落下させることができ、担持体のみを効率的に分離回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、吸着法により重金属を吸着除去するために用いられ、硫化物と、該硫化物を担持する炭素化合物からなる担持体とにより構成される吸着剤において、重金属を吸着させた後の該吸着剤から担持体を分離回収する方法であって、吸着処理により重金属を置換して生成した重金属の硫化物を表面に有する前記吸着剤に対して、振動篩を用いた篩分け処理を施す、方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記吸着剤が、前記硫化物の粒径が0.1mm〜1mmであり、前記炭素化合物の粒径が5mm〜15mmである、方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記篩分け処理では、目開きが1mm〜4mmの振動篩を用いる、方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記硫化物が、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化鉄、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化錫、及び硫化ニッケルからなる群から選ばれる1種以上である、方法である。
本発明によれば、使用済みの吸着剤から重金属等を効果的に除去して担持体を分離回収することができ、回収した担持体を再度吸着剤として再生させる等、有効にリサイクルすることを可能にする。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.概要≫
本実施の形態に係る吸着剤から担持体を分離回収する方法は、重金属を吸着除去するために用いられる吸着剤であって、重金属を吸着させた後のいわゆる使用済み吸着剤から重金属等(重金属の硫化物等)を除去し、担持体を分離して回収する方法である。
具体的に、この吸着剤は、排ガス等に含まれる水銀等の重金属を吸着法により吸着除去するものであり、硫化物と、その硫化物を担持する炭素化合物からなる担持体とにより構成されている。重金属の吸着に際しては、例えば下記の反応式に示すように、吸着剤を構成する硫化銅、硫化鉛、硫化鉄、硫化錫等の硫化物と水銀等の重金属とが反応し、重金属と硫化物との酸化還元電位の差により、硫化物のカチオンとの置換が生じて重金属の硫化物(硫化水銀等)を生成させる。これにより、水銀等の重金属が吸着除去される。
Hg+PbS → HgS+Pb
Hg+CuS → HgS+Cu
Hg+FeS → HgS+Fe
Hg+SnS → HgS+Sn
したがって、重金属吸着後の吸着剤、つまり使用済みの吸着剤においては、吸着剤を構成する炭素化合物からなる担持体の表面に、硫化水銀等の重金属の硫化物が付着した状態となっている。そのため、吸着剤を再生させるためには、表面に付着した重金属の硫化物を効率的にかつ効果的に除去することが必要となる。なお、従来では、この再生処理に際して、水洗や風洗等の処理を行っていた。
本実施の形態に係る方法では、使用済みの吸着剤、すなわち、吸着処理により重金属を置換して生成した重金属の硫化物を表面に有する吸着剤に対して、振動篩を用いた篩分け処理を施すことを特徴としている。
このような方法によれば、振動篩による振動によって、固体である使用済みの吸着剤同士が適度な強さで衝突し合うようになり、これにより、担持体の表面に付着した重金属の硫化物を有効に剥離除去することができる。剥離した重金属の硫化物は、所定の目開きを有する振動篩の篩下に落下するようになるため、篩上に担持体のみを効果的に分離することができる。その後、篩上の担持体を回収することにより、例えば再度硫化銅等の硫化物を担持させる等、有効にリサイクルすることができる。
また、このような方法では、従来のような水洗や風洗等の再生処理と異なり、簡易な方法で、しかも飛散等を防ぎながら行うことができるため、安全性高く効率的に担持体を回収することができる。さらに、水洗を行った場合のように回収した担持体を乾燥させるといった処理を施すことなく、次の用途へとリサイクルすることができる。
≪2.吸着剤について≫
まず、吸着剤から担持体を分離回収する方法の詳細な説明に先立ち、処理対象の吸着剤の構成についてより詳細に説明する。
<2−1.構成>
上述したように、吸着剤は、例えば非鉄製錬の酸性排ガス中に含まれる重金属を吸着除去するためのものであり、重金属吸着剤ともいう。吸着対象の重金属としては、水銀、砒素、カドミウム、鉛、バナジウム等が挙げられる。この重金属吸着剤は、特に、非鉄製錬の排ガス等の酸性排ガス中に、ミスト状やガス状等で含まれる水銀を吸着除去するための水銀吸着剤として好適に用いられる。なお、排ガスとしては、上述した重金属が複数種含まれているものであってもよい。以下では、この重金属吸着剤が、水銀を吸着除去するための水銀吸着剤である場合を例にして説明する。
重金属吸着剤(水銀吸着剤)は、硫化物と、その硫化物を担持する炭素化合物からなる担持体とを含有して構成される。また、重金属吸着剤には、所定量の界面活性剤が含まれていてもよい。硫化物の粒径としては、0.1mm〜1mm程度であることが好ましく、担持体である炭素化合物の粒径としては、5mm〜15mm程度であることが好ましい。
このような重金属吸着剤では、その硫化物と炭素化合物とが良好な密着性でもって密着し、また、炭素化合物に対して偏りなく均一に分散して硫化物が担持される。これにより、水銀の吸着除去の能力を高めることができ、また、ポットライフが向上して、長期に亘って安定的に水銀を吸着除去することができる。また、硫化物と炭素化合物と高い密着性でもって密着しているため、充填塔に重金属吸着剤を充填する際にも、担体である炭素化合物から硫化物が剥離してしまうことを防ぐことができ、充填密度や充填量を増やすことができる。
[硫化物]
硫化物は、水銀を吸着する吸着剤として作用する。具体的に、硫化物としては、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化鉄、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化錫、硫化ニッケル等が挙げられ、これらの硫黄化合物を1種単独で用いて、あるいは2種以上を併用して構成される。
その中でも、硫化物としては、特に、硫化鉛、硫化銅、硫化錫が好適に用いられる。これらの硫化物は、例えば非鉄製錬の酸性排ガス中に含まれるSO、SO等の酸により分解されにくいという性質を有する。また、硫化銅は、水に溶解されにくく、特に水銀の吸着性能が高い。したがって、これらの硫化物により重金属吸着剤を構成することにより、強度が向上し、またより優れた吸着能力を発揮させることができる。
硫化物の粒径(平均粒径)は、上述したように、0.1mm〜1mm程度であることが好ましく、0.2mm〜0.8mm程度であることがより好ましく、0.3mm〜0.6mm程度であることが特に好ましい。硫化物の粒径が0.1mm未満であると、十分に水銀を吸着させることができない。
一方で、硫化物の粒径が1mmを超えると、担体である炭素化合物との密着性が低下して良好に担持されにくくなり、また、嵩が高くなって、吸着槽(充填槽)にこの重金属吸着剤を充填させると充填密度が減少し、水銀の吸着性能が低下する。なお、平均粒径は、例えば粒度分布測定装置を用いて測定することができる(以下も同様である)。
さらに、硫化物の粒径が1mmを超えると、使用済みの吸着剤から振動篩を用いた篩分け処理により担持体を回収するに際して、重金属の硫化物を、篩目を通して篩下に効果的に落下せずに、篩上での残存量が多くなる可能性がある。このような場合、リサイクルの対象となる担持体である炭素化合物を効率的に分離できないことがある。なお、振動篩の篩目の大きさ(目開き)等については、後で詳述するが、1mm〜4mm程度とすることが好ましい。
このような硫化物は、特に限定されないが、鉱山等から産出される硫化精鉱を用いることができる。また、金属塩と硫化水素とを反応させ、上述した粒径を有するものを人工的に生成させて用いることもできる。
また、重金属吸着剤中における硫化物の含有量としては、特に限定されないが、10質量%〜40質量%の割合とすることが好ましく、20質量%〜35質量%の割合とすることがより好ましい。硫化物の含有量が10質量%〜40質量%の範囲であることにより、水銀をより効果的に吸着除去することができる。
[炭素化合物]
炭素化合物は、吸着剤である硫化物を担持する担持体(担体)として作用する。このように、炭素化合物は、硫化物を担持する担持体であることから、硫化物の粒径よりも大きい粒径を有するものである。
具体的に、炭素化合物としては、特に限定されないが、活性炭、コークス等の多孔質のものを用いることが好ましい。このような多孔質の炭素化合物は、その孔部に吸着剤として作用する硫化物を効率的に保持することができ、炭素化合物の担体に硫化物が担持された重金属吸着剤を構成することができる。なお、多孔質の炭素化合物は、多くの微細孔を有するため、その微細孔による毛管現象によって水銀を吸着させることもできる。
例えば、炭素化合物としては、50nmを超える孔径のマクロポアと、2nm〜50nmの孔径のメソポアと、2nm未満の孔径のマイクロポアとを有する多孔質のものを用いることがより好ましい。これにより、より効率的に硫化物を担持することができるとともに、水銀を吸着する能力をより一層に向上させることができる。
炭素化合物の粒径(平均粒径)は、上述したように、担持対象の硫化物の粒径よりも大きく、5mm〜15mm程度であることが好ましく、7mm〜14mm程度であることがより好ましく、10mm〜13mm程度であることが特に好ましい。炭素化合物の粒径が5mm未満であると、吸着剤である硫化物を担持することができず、水銀を十分に効果的に吸着させることができない。
さらに、炭素化合物の粒径が5mm未満であると、使用済みの吸着剤から振動篩を用いた篩分け処理により担持体を回収するに際して、重金属の硫化物が篩目を通して篩下に落下すると同時に、その硫化物が表面から剥離された炭素化合物までも篩下に落下する可能性がある。このような場合、リサイクルの対象となる担持体である炭素化合物を効率的に分離して回収できないことがある。なお、振動篩の篩目の大きさ(目開き)等については、後で詳述するが、1mm〜4mm程度とすることが好ましい。
一方で、炭素化合物の粒径が15mmを超えると、強度が低下することがあり、また、例えば0.1mm〜1mm程度の粒径の硫化物を良好に分散させて担持することができず、これによっても、水銀を効果的に吸着できない可能性がある。なお、重金属吸着剤においては、炭素化合物の5mm〜15mmの粒径の範囲内でその粒径が大きいほど、圧力損失が低くなり、水銀の除去率も高くなる。
また、重金属吸着剤中における炭素化合物の含有量としては、特に限定されないが、40質量%〜80質量%の割合とすることが好ましく、50質量%〜60質量%の割合とすることがより好ましい。炭素化合物の含有量が40質量%〜80質量%の範囲であることにより、水銀をより効果的に吸着除去することができる。
[その他の成分]
重金属吸着剤においては、硫化物と、担持体である炭素化合物の他にも、水銀に対する吸着能力を低減させない範囲で、添加剤等の成分を含有させることができる。具体的には、例えば、0.1質量%〜1質量%程度の割合で界面活性剤を含有させることができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、高分子系界面活性剤、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性の界面活性剤のいずれも使用することができる。
高分子界面活性剤としては、例えば、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、ポリカルボン酸誘導体等が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤として、例えば、ノニルフェノール類、アルキルフェノール類、高級アルコール類、ポリアルキレングリコール類、アルキロールアミド、脂肪酸エステル類、アルキルアミンエチレンオキサイド付加体、アルキルアミドエチレンオキサイド付加体、アルキルアミンエチレンオキサイドポリプロピレン付加体等が挙げられる。また、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、アミン塩類等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾール誘導体等が挙げられる。なお、これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、重金属吸着剤の製造過程において、硫化物と炭素化合物とを混合するに際して添加される。この界面活性剤は、炭素化合物と硫化物との混合物において、それぞれの粒子が良好に分散するように作用し、炭素化合物に均一に硫化物が担持されるようにする。また、このとき、界面活性剤は、炭素化合物に対する硫化物の密着性を向上させるように作用する。
重金属吸着剤中における界面活性剤の含有量としては、上述したように、0.1質量%〜1質量%の割合とすることが好ましく、0.2質量%〜0.9質量%の割合とすることがより好ましく、0.3質量%〜0.8質量%の割合とすることが特に好ましい。
<2−2.重金属吸着剤の製造方法>
重金属吸着剤は、例えば、粒径が0.1mm〜1mmの硫化物と、粒径が5mm〜15mmの炭素化合物とをそれぞれ所望とする割合で秤量し、それを混合して混練することによって得ることができる。また、硫化物と炭素化合物とを混合するに際しては、所定の含有量で界面活性剤を添加することができる。
混合・混練に際しては、例えば、ロールミル、ボールミル、ホモジナイザー、ライカイ機、ニーダー、プラネタリーミキサー等の装置を使用することができる。また、必要に応じて、加熱処理や冷却処理等を行うこともできる。
なお、硫化物や炭素化合物については、例えば粉砕等を行うことによって、上述した粒径に調整することができる。また、例えば、金属塩と硫化水素とを反応させ硫化物を生成させる際に、得られる硫化物の粒径を制御しながら生成させて得ることができる。
<2−3.重金属吸着剤を用いた重金属の除去方法>
このような重金属吸着剤を用いた水銀の吸着除去処理においては、吸着剤を充填させる充填塔を備えた重金属の除去装置を用いて行う。具体的には、硫化物と、その硫化物を担持した炭素化合物とにより構成される重金属吸着剤を、カラム等からなる充填塔(吸着塔)に充填し、その充填塔に充填された重金属吸着剤の層(吸着剤層)を形成する。
そして、このようにして充填塔に構成した吸着剤層に、例えば、水銀を含む酸性排ガスを通過させることによって、その吸着剤層に水銀を吸着させて除去する。排ガスを吸着剤層に流す際の流速としては、例えば、0.05m/s〜0.50m/s程度とする。
≪3.使用済みの吸着剤から担持体を分離回収する方法≫
<3−1.分離回収方法>
上述したような構成を有する重金属吸着剤において、吸着処理後の吸着剤、すなわち使用済みの吸着剤には、炭素化合物からなる担持体の表面に、硫化水銀(重金属の硫化物)が付着生成した状態となっている。
そこで、本実施の形態においては、使用済みの吸着剤から担持体である炭素化合物を分離回収してリサイクル可能とするために、その使用済みの吸着剤に対して振動篩を用いた篩分け処理を実行する。このような振動篩を用いた篩分け処理を施すことにより、振動篩による振動によって、固体である使用済みの吸着剤同士が適度な強さで衝突し合うようになり、これにより、担持体の表面に付着した水銀硫化物を有効に剥離除去できる。
そして、剥離した重金属の硫化物は、所定の目開きを有する振動篩の篩下に落下するようになるため、篩上において担持体のみを効果的に分離することができる。その後、篩上の担持体を回収することにより、例えば再度硫化銅等の硫化物を担持させる等、有効にリサイクルすることができる。
また、このような方法では、従来のような水洗や風洗等の再生処理と異なり、簡易な方法で、しかも飛散等を防ぎながら行うことができるため、効率的に担持体である炭素化合物を回収することができる。さらに、水洗を行った場合のように回収した炭素化合物を乾燥させるといった処理を施すことなく、次の用途へとリサイクルすることができる。
篩分け処理に用いる振動篩は、特に限定されず、公知の振動篩装置を用いることができる。振動篩装置(以下、「振動篩」と称する)は、水平設置式、傾斜式、円運動式、電磁式等が知られているが、いずれであっても好適に用いることができる。
なお、振動篩は、少なくとも、所定の大きさの篩目を有する篩網と、その篩網に所定の振動を付与する振動駆動機構とを備えて構成されている。振動篩を構成する篩網の下方を篩下といい、篩網の上方(篩網上)を篩上という。また、篩下、篩上との用語は、篩分け処理により、篩網の上方又は下方に残留又は移行した成分そのものをいうこともある。
振動篩の篩目の大きさ(目開き)としては、1mm〜4mm程度の大きさとすることが好ましい。吸着剤において、硫化物の粒径が0.1mm〜1mm程度であり、炭素化合物の粒径が5mm〜15mm程度であることから、目開きが1mm〜4mm程度の大きさの振動篩を用いることにより、担持体である炭素化合物に表面に付着した水銀硫化物を剥離した後に、その水銀硫化物を篩下に落下させ、一方で、炭素化合物を篩上に有効に残存させることができ、効果的に炭素化合物のみを篩分けて分離することができる。
篩目の大きさが1mm未満であると、振動により担持体の表面から剥離した水銀硫化物が有効に篩下に移行しない可能性があり、篩上に残存して、炭素化合物を効率的に分離回収できないことがある。一方で、篩目の大きさ4mmを超えると、篩上に残存させて分離回収すべき炭素化合物までもが篩下に移行する可能性があり、回収率を低下させる。
また、振動篩としては、例えば上段、中段、下段等で複数の篩網を備えたものを用いることができ、各段の篩網の目開きを異ならせるように設けて段階的に篩分けを行うようにしてもよい。例えば、上段に目開きが4mmの篩網、中段に目開きが3mmの篩網、下段に目開きが2mmの篩網を備えた振動篩を構成し、このような振動篩を用いて篩分け処理を施す。このような方法によれば、振動篩の振動によって炭素化合物自体が粉砕する等して粒径が小さくなった場合でも、中段、下段の篩網において分離対象の炭素化合物を確実に回収することができ、回収率の低下を抑えることができる。
振動篩の篩目の形状としては、特に限定されず、例えば長方形状のものを用いることができる。なお、篩目の目開きとは、例えば長方形状の篩目の場合、短辺の長さをいう。
篩分け処理において、振動篩の振動数(rpm)としては、特に限定されないが、1000rpm〜2500rpm程度であることが好ましく、1250rpm〜2000rpm程度であることがより好ましい。振動数が1000rpm未満であると、吸着剤同士の衝突が有効に生じず、固体同士のぶつかり合いによる水銀硫化物の表面からの剥離が生じない可能性がある。一方で、振動数が2500rpmを超えると、篩網に載置させた吸着剤が跳ね上がり、飛散してしまう可能性がある。
また、振動篩の振動幅(振幅、mm)としては、特に限定されないが、1mm〜30mm程度とすることが好ましく、7mm〜15mm程度とすることが好ましい。振動数の好ましい範囲と同様に、振幅を1mm〜30mm程度の範囲とすることで、吸着剤同士のぶつかり合いを有効に生じさせ、表面に付着した水銀硫化物を有効に剥離して、担持体である炭素化合物のみを効率的に分離回収することができる。
振動篩を用いた篩分け処理においては、篩網の篩面の全面積に対して60%以下の投影面積となるような量で処理対象の吸着剤を拡散させて載置させて処理することが好ましい。篩面の全面積に対して60%を超える投影面積となるような量の吸着剤を載置させると、隣接する吸着剤が障害となって振動を妨げる可能性があり、振動による吸着剤同士の衝突と、その衝突による水銀吸着剤の剥離が有効に生じないことがある。なお、下限値としては、特に限定されないが、有効に吸着剤同士の衝突を生じさせる観点から、篩面の全面積に対して30%以上の投影面積となるような量の吸着剤を載置させることが好ましい。
なお、篩面上に吸着剤を載置させるに際しては、吸着剤の高さ方向の重なりを無くし、水平方向に拡げて載置させることが好ましい。
上述したように、このような振動篩を用い篩分け処理により、使用済みの吸着剤の表面に付着した水銀硫化物が有効に剥離され、その後、所定の目開きの篩目を通過して篩下へと移行することになる。一方で、水銀硫化物が除去された炭素化合物は、篩上に残存して有効に分離される。そして、このように篩上に残存した担持体である炭素化合物を、公知の回収手段により回収することで、炭素化合物のみを効率的に回収することができる。
<3−2.回収した炭素化合物のリサイクル>
回収した炭素化合物は、例えば、活性炭、コークス等の多孔質の化合物であり、水銀灯の重金属が有効に除去されているものであるため、有効にリサイクルすることができる。
具体的には、例えば、回収した炭素化合物と、硫化銅等の硫化物とを混合させて、その硫化銅等を担持させた重金属吸着剤として再生利用することができる。また、回収した炭素化合物を、別の用途の触媒成分として活用することができる。
なお、リサイクルにあたっては、回収した炭素化合物に対して純水や洗浄液等を用いて洗浄処理を施してもよい。また、乾燥処理や粉砕処理等の前処理を適宜施してもよい。

Claims (4)

  1. 吸着法により重金属を吸着除去するために用いられ、硫化物と、該硫化物を担持する炭素化合物からなる担持体とにより構成される吸着剤において、重金属を吸着させた後の該吸着剤から担持体を分離回収する方法であって、
    吸着処理により重金属を置換して生成した重金属の硫化物を表面に有する前記吸着剤に対して、振動篩を用いた篩分け処理を施す
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記吸着剤は、前記硫化物の粒径が0.1mm〜1mmであり、前記炭素化合物の粒径が5mm〜15mmである
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記篩分け処理では、目開きが1mm〜4mmの振動篩を用いる
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記硫化物は、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化鉄、二硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化錫、及び硫化ニッケルからなる群から選ばれる1種以上である
    請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021060377A1 (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 Dic株式会社 硫化モリブデン粉体及びその製造方法、重金属吸着剤、光熱変換材料、蒸留方法、酸素還元触媒、並びに触媒インク
CN114275868A (zh) * 2022-01-18 2022-04-05 长沙千河环保科技有限责任公司 一种重金属靶向去除剂及其制备方法和应用
WO2023190445A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 三井金属鉱業株式会社 吸着材の製造方法

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