JP2019025277A - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向へ連続し、偏平状のコイル傾斜部を有する外側コイルと内側コイルとを、外側コイルの内側に内側コイルを備えた二層構造のコイルから成るコイルと、外側コイルと内側コイルのコイル傾斜部と接合した先端接合部を、ガイドワイヤの先端部に備えることにより、特に、完全閉塞病変部での通過性と、安全性との双方を飛躍的に向上させることができる。
【選択図】図9
Description
近年、完全閉塞病変部には孔直径が約0.250mm程度のマイクロチャンネルの存在が明らかになってきている。
かかる場合において、血管壁の穿孔を防ぎ、安全性を確保する観点から、完全閉塞病変部に存在するマイクロチャンネルを利用して完全閉塞病変部内を通過させる治療方法が切望されている。
さらに、外側コイル傾斜部のコイル線間に生じる大きな傾斜コイル溝部内へ、ガイドワイヤの進退操作に対応して、性質差のある生体組織の出入りにより、及び、生体組織の出入量の差によって生じるガイドワイヤの操作性の特質差から、閉塞病変部内における術者へのガイドワイヤ先端部の位置の把握を極めて容易にした技術内容については、何ら記載されていない。
そして又、芯線の外側で、外側コイルの内側に、外側コイルと同心状に内側コイルを備えた内側コイルと外側コイルとの、コイルが二層構造から成る場合であっても前記同様である。
内側コイルは、外側コイルの内側で、外側コイルよりも長手方向の長さが短く、外側コイルと同心状に備える。内側コイルと外側コイルとの先端部に先端接合部を備える。
内側コイルの後端部に芯線先端部と接合した内側コイル後端接合部と、外側コイルの後端部に芯線先端部と接合した外側コイル後端接合部とを備える。
外側コイルは、先端側に外側コイル傾斜部と後端側にコイル線どうしが隣接接触して外径が等しい外側コイル等径部とを備える。
内側コイル傾斜部と外側コイル傾斜部とは、一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向へ連続して傾斜し、偏平状である。
内側コイル傾斜部の傾斜角度が、内側コイル等径部のピッチ角を超え72°以下で、外側コイル傾斜部の傾斜角度が、外側コイル等径部のピッチ角を超え60°以下である。
先端接合部は、内側コイルの先端側の内側コイル傾斜部と、外側コイルの先端側の外側コイル傾斜部と、芯線先端部の先端とを接合して成ることを特徴とする。
外側コイル傾斜部は、先端側に傾斜角度が大きな外側コイル大傾斜部と、後端側へ傾斜角度が徐変減少する外側コイル徐変傾斜部とを備える。
外側コイル大傾斜部は、傾斜角度が35°以上60°以下で、外側コイル徐変傾斜部は、傾斜角度が外側コイル等径部のピッチ角を超え、外側コイル大傾斜部の傾斜角度を下回る角度である。
コイルのうちコイル傾斜部を形成する部分を一対の金型の条溝に配置する工程と、
一対の金型のいずれか一方、又は双方を、コイルのコイル中心線に対して傾斜移動させながらコイルの巻き条を傾斜させる押圧加工を行いコイル傾斜部を形成する工程と、
コイル傾斜部を備えたコイルを、一対の金型から取り外す工程から成ることを特徴とする医療用ガイドワイヤに用いるコイル傾斜部を備えたコイルの製造方法である。
内側コイルの後端部に芯線先端部と接合した内側コイル後端接合部と、外側コイルの後端部に芯線先端部と接合した外側コイル後端接合部とを備える。
内側コイルは、先端側に内側コイル傾斜部と後端側にコイル線どうしが隣接接触して外径が等しい内側コイル等径部とを備える。
外側コイルは、先端側に外側コイル傾斜部と後端側にコイル線どうしが隣接接触して外径が等しい外側コイル等径部とを備える。
内側コイル傾斜部と外側コイル傾斜部とは、一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向へ連続して傾斜し、偏平状である。
内側コイル傾斜部の傾斜角度が、内側コイル等径部のピッチ角を超え72°以下で、外側コイル傾斜部の傾斜角度が、外側コイル等径部のピッチ角を超え60°以下である。
先端接合部は、内側コイルの先端側の内側コイル傾斜部と、外側コイルの先端側の外側コイル傾斜部と、芯線先端部の先端とを接合して成ることを特徴とする。
この理由は、傾斜したコイルとの接合で偏平状の先端接合部を形成することにより、完全閉塞病変部に存在する小血管の捕捉を容易にすると共に、完全閉塞病変部内での穿孔性能を向上させる為である。又、先端接合部が、芯線先端部の先端と内側コイルと外側コイルとの二層構造のコイルとの接合により接合強度を高めると共に、先端接合部へ長手方向の引張力が加わった場合に、先端接合部の引張強さを増大させて、完全閉塞病変部内で、安全にガイドワイヤを通過させる為である。
これにより、内側コイルと外側コイルとを同心状に備えた二層構造のコイルでありながら、円筒形(傾斜していない)の2つのコイルから成る二層構造よりも、2方向への剛性(曲げ剛性)変化を大きくすることができる。
つまり、一方向への曲げ剛性を小さくして(柔軟性を高めることができ)、屈曲蛇行血管内での通過性を高めることができると共に、他の一方向への曲げ剛性を大きくして、かつ、手元側を回転させた場合には、2つ備えた偏平状のコイル傾斜部の回転によるドリル作用により、特に石灰化完全閉塞病変部内での穿孔性能を、より向上させることができる。
これにより、内側コイルと外側コイルとを同心状に備えた二層構造のコイルでありながら、円筒形(傾斜していない)の2つのコイルから成る二層構造よりも、2方向への剛性(曲げ剛性とねじり剛性)変化を大きくすることができる。
つまり、一方向への曲げ剛性を小さくして(柔軟性を高めることができ)、屈曲蛇行血管内での通過性を高めることができると共に、他の一方向への曲げ剛性を大きくして、かつ、ねじり剛性をより高くすることができ、手元側を回転させた場合には、2つ備えた偏平状のコイル傾斜部の回転によるドリル作用により、特に石灰化完全閉塞病変部内での穿孔性能を、さらに向上させることができる。
この理由は、手元側をねじり回転させた場合に、内側コイル傾斜部のコイル線と外側コイル傾斜部のコイル線とが、交差状で、この交差部位で手元側からのねじり力を受ける為、コイル傾斜部でのねじり剛性が増大したことによるからである。
外側コイル傾斜部は、先端側に傾斜角度が大きな外側コイル大傾斜部と、後端側へ傾斜角度が徐変減少する外側コイル徐変傾斜部とを備える。
これにより、大傾斜部(内側コイル大傾斜部と外側コイル大傾斜部)を有するコイル傾斜部(内側コイル傾斜部と外側コイル傾斜部)との接合で、より偏平状の先端接合部を得ることができ、完全閉塞病変部の小血管の捕捉をさらに容易にすることができる。
そして、先端側から後端側へ傾斜角度が徐々に減少する内側コイル徐変傾斜部と外側コイル徐変傾斜部との双方を配置することにより、拡径力を増大させ、捕えた小血管の内径を徐々に大きく拡径させることができ、さらに、前方へのガイドワイヤを推し進める力を増大させることができ、完全閉塞病変部内でのガイドワイヤの通過性を、より向上させることができる。
外側コイル大傾斜部は、傾斜角度が35°以上60°以下で、外側コイル徐変傾斜部は、傾斜角度が外側コイル等径部のピッチ角を超え、外側コイル大傾斜部の傾斜角度を下回る角度である。
これにより、一定の角度を有する内側コイル大傾斜部と外側コイル大傾斜部との双方を配置することにより、完全閉塞病変部の小血管の捕捉をさらに容易にすると共に、小血管の内径を拡径させながら前方へ推し進める力を増大させて、完全閉塞病変部内でのガイドワイヤの通過性をさらに向上させることができる。
外側コイル傾斜部のコイル線間に生じる大きな傾斜コイル溝部内へ、ガイドワイヤの進退操作に対応して、性質差のある生体組織の出入りにより、及び、生体組織の出入り量の差によって生じるガイドワイヤ操作性の特質差により、閉塞病変部内における術者へのガイドワイヤ先端部の位置の把握を極めて容易にして、偽腔への迷入防止を図ることができる。これにより、完全閉塞病変部内で安全にガイドワイヤを通過させることができる。
コイルのうちコイル傾斜部を形成する部分を、1対の金型の条溝に配置する工程と、
一対の金型のいずれか一方、又は双方を、コイルのコイル中心線に対して傾斜移動させながらコイルの巻き条を傾斜させる押圧加工を行いコイル傾斜部を形成する工程と、
コイル傾斜部を備えたコイルを一対の金型から取り外す工程から成ることを特徴とする医療用ガイドワイヤに用いるコイル傾斜部を備えたコイルの製造方法である。
この理由は、先端側に傾斜部を備えたコイルを用いることにより、通過させることが極めて困難とされている完全閉塞病変部内を通過できるガイドワイヤに用いるコイル傾斜部を備えたコイルを製造する為である。
ガイドワイヤ1は、芯線2と、外側コイル3と、潤滑性被膜5と、親水性被膜6とを有する。
外側コイル3は、芯線先端部2Aの先端側が貫挿し、接合部材を用いて外側コイル3の先端部と芯線先端部2Aの先端とを接合して先端接合部4Aを形成し、外側コイル3の後端部と芯線先端部2Aの後端側とを接合して外側コイル後端接合部4Bを形成している。
潤滑性被膜5は、ふっ素樹脂等を用いて芯線先端部2Aの後端側の外周と芯線後端部2Bの外周に形成されている。
親水性被膜6は、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸等の親水性物質を用いて外側コイル3の外周に形成されている。尚、本発明のガイドワイヤ1は、長さに比べて直径が極めて小さな値となっている。この為、本発明のガイドワイヤ1は、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となる為、一部を誇張したり、省略したりして図示している。
芯線2の外径は、後端側から先端側へ向かって、概ね0.3556mm(0.014インチ)から0.060mmへ徐変減少し、全長は約2900mmである。
先端細径体27は、長手方向の長さが14mm、横断面が円形である。後述する外側コイル傾斜部310(特に外側コイル大傾斜部310A)内での高い挿入性及び組付け性を確保する為には、横断面の形状が円形ではなく、矩形であることが好ましい。
本実施形態では、横断面が外径0.060mmの円形を成した先端細径体27をプレス加工することで、厚さtが0.03mm、幅Sが約0.094mmの矩形(図4参照)である。
又、芯線先端部2Aと芯線後端部2Bとは、異なる線材を溶接接合した芯線2としてもよい。例えば、前記芯線2の材質の組み合わせ(具体的には芯線先端部2AがNi−Ti合金線で、芯線後端部2Bがステンレス鋼線等)等である。
外側第1コイル31は、線直径d1が0.060mmで、金、白金、タングステン、又は、金、白金にニッケル等を含む、金ニッケル合金線、白金ニッケル合金線、若しくは、タングステンにドープ剤(K、Al,Si等)を添加したドープタングステン線等の放射線不透過の線材を用いて巻回成形し、長手方向の長さLbが40mmで、後述する外径を有するコイルから成る。
外側第2コイル32は、線直径d2が0.060mmで、ステンレス鋼線等の放射線透過の線材を用いて、巻回成形して成る。
コイル線どうしが隣接接触して成る外側コイル等径部311の長手方向の長さLeは、130mmのうちの後端側の110mm(La−Lb)が外側第2コイル32で、後述する外径を有するコイルから成る。尚、外側コイル等径部311の先端側の20mmは、前記放射線不透過の線材から成る外側第1コイル31の後端部である。又、ここでいう「コイル線どうしが隣接接触」とは、隣接するコイル線どうしが完全密着(コイル線の全周に亘って線接触)している状態のみを必ずしもさすのではなく、隣接するコイル線どうしが部分的に線接触をして、目視にて隣接コイル線間に隙間が確認できない状態を含むことを意味する。
外側コイル傾斜部310は、先端側に長手方向の長さLc(図1参照)が、10mmでコイルの傾斜角度が最も大きな外側コイル大傾斜部310Aを備え、後端側に長手方向の長さLdが10mmでコイルの傾斜角度が後端側へ向かって徐変減少する外側コイル徐変傾斜部310Bを備える。
外側コイル傾斜部310の傾斜角度は、外側コイル等径部311のピッチ角α(図3参照)を超え、80°を下回る角度である。
この理由は、後述する偏平状の先端接合部4Aを形成することにより、完全閉塞病変部に存在する小血管の捕捉を容易にし、かつ、完全閉塞病変部内で安全にガイドワイヤを通過させる為である。
図5(イ)は、図3で示す外側コイル傾斜部310の外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度等を説明する為の説明図で、図5(ロ)は、図3で示す外側コイル等径部311のピッチ角α等を説明する為の説明図である。
本発明でいう「外側コイル傾斜部」、又は、後述する「内側コイル傾斜部」の、外側コイル、及び、内側コイルの「コイル傾斜部」とは、外側コイル、及び、内側コイルのそれぞれの、一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向(長手方向のコイル中心線に沿った一つの方向)へ連続して傾斜している偏平状のコイルのことをいう。
又、本発明でいう「外側コイル傾斜部の傾斜角度」、又は、後述する「内側コイル傾斜部の傾斜角度」の、外側コイル、及び、内側コイルの「コイル傾斜部の傾斜角度」とは、外側コイル、及び、内側コイルのそれぞれの、傾斜する一つのコイル線(材料)の中心線と、コイルの中心線に垂直な垂直線とで挟まれた鋭角をなす角度のことをいう。
より詳しくは、本発明の実施形態1〜3のガイドワイヤ1、10、20の外側コイル3の場合、外側コイル傾斜部310の短軸方向に沿った長手方向の(外側コイル傾斜部310の長軸と直交する平面で切断した)縦断面形状図(図5(イ)の形状図)において、一つのコイル線の、一方の側の円形断面の中心点e1と、他方の側の円形断面の中心点e2
ここで傾斜角度θは、
cosθ=bo/D10 ・・・(1)
関係式(1)で表すことができる為、関係式(1)を用いて傾斜角度θを算出すると、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θは、約57.3°である。
前記同様に、図5(ロ)を用いて外側コイル等径部311のピッチ角αを求めると、外側コイル等径部311の、一つのコイル外径D01が0.3556mm(0.014インチ)で線直径d2が0.060mmであることから、一つのコイルの中心径Doは、前記同様に0.2956mmとなる。
一つのコイルの中心径Doが0.2956mmであることから、コイル平均径Do2は約0.2941mm{(0.29562―0.032)の平方根}となる。
前記関係式(1)を用いると、関係式(1)のboがDo(0.2956mm)、D10がD02(0.2941mm)、傾斜角度θがα7に相当することから、外側コイル等径部311のピッチ角αは約5.8°となる。尚、全長に亘って均等に外径が等しい円筒状の一般的なコイルばね(押し引きばね等)と本発明の偏平状の傾斜コイルとは、技術概念が異なる為、一般的なコイルばねに用いるピッチ角の定義を、本発明のコイル傾斜部では、外側コイル、及び、内側コイルの「コイル傾斜部の傾斜角度」として新たに設けた。
又、図4において、接合部材として共晶合金を用いて形成した先端接合部4Aは、接合部材がコイル線間、及び、コイル内に入り込んで溶融固着する為、先端接合部4Aの短軸方向の外径b1は、前記図5(イ)で示す短軸直径b1と同じ0.2195mmである。
長軸直径a1は、前記同様図5(イ)で示すコイル外径D11と同じ0.3556mmである。従って、図3の左側面図(ガイドワイヤ1を先端側から見た図)である図4の先端接合部4Aは、短軸直径b1が0.2195mm、長軸直径a1が0.3556mmの楕円形状である。
a1×b1=do2 ・・・(2)
関係式(2)で表すことができる。
関係式(2)を用いて、長軸直径a1が0.3556mm、短軸直径b1が0.2195mmとして円の直径doを求めると、円の直径doは約0.2794mm(0.011インチ)となる。
これは、図4の先端接合部4Aの楕円形状の面積と等しい面積をもつ円の直径doは、約0.2794mm(0.011インチ)であることを意味する。
つまり、コイル外径(D01、D11)が0.014インチのコイルを用いながら、コイルを傾斜して、傾斜したコイルと接合した先端接合部4Aを図4に示すような楕円形状にすれば、この楕円形状の面積と等しい面積をもつ円の直径doは0.011インチとなる。
従って、本発明の先端接合部4Aを備えたガイドワイヤ1を用いれば、外側第1コイル31のコイル外径が0.014インチであっても、数サイズ、ダウンサイズした孔直径が0.011インチまでの小血管内を通過できることを意味する。
このことは、先端接合部4Aの先端が楕円形状の1/2の面積を有する位置まで通過した場合には、コイル外径(D01、D11)が0.3556mm(0.014インチ)を有するコイルを備えた外側第1コイル31を用いながら、孔直径が0.1976mm(約0.00778インチ)までの小血管を容易に捕捉できることを意味する。
補足すれば、コイル外径が0.3556mmよりも小さい外径のコイルを用いて、本発明のような前記外側コイル傾斜部310を形成し、この外側コイル傾斜部310と接合した先端接合部4Aを用いれば、さらに小さな孔直径を有する小血管内を通過させることが可能となる。
例えば、特許文献2の特開2010−2145054号公報に示すようなコイル外径が0.010インチ(0.254mm)を用いて、本発明の実施形態1の外側コイル傾斜部310の傾斜角度を57.3°とし、前記関係式(1)、(2)から本発明の偏平状の先端接合部4Aの楕円面積と同一面積を有する円形の孔直径doを求めると、孔直径doは約0.2045mm(約0.008インチ)となる。
つまり、コイル外径が0.014インチよりも小さい外径の0.010インチのコイルを用いて、本発明の実施形態1と同様にすれば、0.011インチよりも小さい孔直径doが約0.008インチまでの小血管内を通過させることができる。
この理由は、前記下限値を下回れば、先端接合部4Aの楕円形状の短軸直径b1が大きくなって、小血管内を通過させることが容易ではなくなるからである。又、前記上限値を上回れば、先端細径体27の先端と接合して先端接合部4Aを形成する場合に、外側コイル傾斜部310内を貫挿する先端細径体27の外径を大きくすることが困難となり、先端細径体27の曲げ剛性を高めることができなくなるからである。
補足すれば、本発明の実施形態1の場合、先端細径体27と外側コイル大傾斜部310Aとの組付け性について、外側コイル大傾斜部310Aの短軸直径b1が0.2195mmで外側コイル3の線直径d1が0.060mmであることから、外側コイル大傾斜部310Aの短軸側のコイル内径は、0.0995mm(0.2195−0.06×2)となる。
従って、本発明の実施形態の先端細径体27は、厚さtが0.030mmであることから、外側コイル大傾斜部310Aの短軸側のコイル内径0.0995mm内の貫挿が充分可能であり、先端細径体27と外側コイル大傾斜部310Aとの良好な組付け性を確保することができる。
この理由は、先端接合部4Aの偏平状の最先端で小血管の入口部を捕捉して、小血管内へ外側コイル大傾斜部310Aを導き、外側コイル徐変傾斜部310Bで小血管の内径を徐々に大きく拡径させながらガイドワイヤ1を前方へ押し進めて行き、ガイドワイヤ1の先端部の通過性をより高める為である。
図5(イ)は、外側コイル傾斜部310の外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度の説明図であると共に、外側コイル大傾斜部310Aのコイル線間に生じる傾斜コイル溝部Qの説明図である。
図5(ロ)は、外側コイル等径部311のピッチ角αの説明図であると共に、外側コイル等径部311の隣接接触するコイル線間に生じる等径コイル溝部Rの説明図である。
ここでいう「コイル線間に生じる各溝部の縦断面積比」とは、外側コイル傾斜部310の短軸直径b1の長手方向に沿った縦断面形状において、外側コイル傾斜部310における外側コイル大傾斜部310Aの隣接する2つのコイル線間のそれぞれの外周線との間に生じる傾斜コイル溝部Qの縦断面積と、外側コイル等径部311の隣接接触する2つのコイル線間のそれぞれの外周線との間に生じる等径コイル溝部Rの縦断面積との縦断面積比(傾斜コイル溝部Qの縦断面積/等径コイル溝部Rの縦断面積)のことをいう。
又、等径コイル溝部Rは、図5(ロ)において、隣接接触する2つの等径コイル(符号m、n)の外形を示す外形線を長手方向へ延長した二点鎖線で示す仮想外形線(符号p)と、隣接接触する2つのコイル(符号m、n)のそれぞれの外周線との間に形成される略デルタ形状の溝部をさす。
前記同様に、図5(ロ)において、本発明の実施形態における外側コイル等径部311の等径コイル溝部Rの縦断面積を算出すると、概ね0.000387mm2となる。
傾斜コイル溝部Qの縦断面積と、等径コイル溝部Rの縦断面積との縦断面積比(傾斜コイル溝部Qの縦断面積/等径コイル溝部Rの縦断面積)は、約4.88となる。
本発明の実用範囲を考慮すると、前記縦断面積比(傾斜コイル溝部Qの縦断面積/等径コイル溝部Rの縦断面積)は、好ましくは、2.55以上14.95以下で、より好ましくは2.94以上14.95以下である。
この理由は、前記下限値を下回れば、閉塞病変部内において、コイル線間に生じる溝部へ出入りする、後述する生体組織の性質差に起因する手元操作の特質差が、術者にとって認識し難くなり、閉塞病変部内でのガイドワイヤ先端部の位置の把握が困難になる。
前記上限値を上回れば、傾斜コイル溝部Qが長手方向へ拡張・増大することとなって、外側コイル傾斜部310はより高い柔軟性を得られる反面、曲げ剛性が低下して、前方への押し込み特性の低下を招くことになるからである。
閉塞病変部は、血栓の器質化が進行して線維性組織に置換され、カルシウム塩等の沈着により石灰化が進行して固くなり、閉塞病変部の両端部では、器質化が早く、中央部では遅れる現象がある。
そして、血栓の器質化が進行する過程で、孔直径が0.250mm程度の小血管を形成することが判明している。
そして又、術者によれば、内膜内にガイドワイヤの先端が位置する場合には、ザラザラゴツゴツした感触が手元側に伝わり、中膜内にガイドワイヤの先端が位置する場合には、粘りつき吸い付くような感触が手元側へ伝わることも判明している。
術者は、通常ガイドワイヤの先端部を2mmから3mm前方へ進めては後退させ、この進退操作を繰り返しながらガイドワイヤ先端部の偽腔(真腔外)への迷入を防ぎ、本来の血管腔である真腔を通過させて手技を進めている。かかる場合に、閉塞病変部でのガイドワイヤ先端部の位置の把握は、手技を進める上で術者にとって重要課題である。
このような大きな傾斜コイル溝部Q内へ、術者の進退操作(通常2mmから3mm前進・後退させる操作)に対応して閉塞病変部の生体組織が出入りする。
そして、大きな傾斜コイル溝部Q内へ生体組織が出入りすることにより、ガイドワイヤ1の先端が内膜内に位置する場合には、ザラザラ・ゴツゴツした感触を、又、中膜内に位置する場合には、粘りつき吸い付くような感触を、術者に伝え易くなる。
これにより、術者は、閉塞病変部の血管壁内でのガイドワイヤ先端部の位置の把握を極めて容易にして、偽腔への迷入を防いで安全に手技を進めることができる。
かかる場合において、本発明のガイドワイヤ1は、小血管の周辺部が硬質か軟質かに拘わらず、小血管の入口部を偏平状の先端接合部4Aの最先端で捕捉して、外側コイル3の外側コイル大傾斜部310Aが小血管内へ侵入した後、外側コイル徐変傾斜部310Bで小血管の内径を徐変拡径させながら前方へガイドワイヤを押し進めることにより、閉塞病変部の小血管内での通過性を容易に高めることができる。
完全閉塞病変部は、病変部の両端部のうち、近位端部(血液が勢いよく直接的に流れてくる側に近い病変端)では、血栓の器質化が早く硬化し易く硬質の小血管が存在する。
その一方で、遠位端部(近位端部とは反対側)では、血栓の器質化の進行が遅く半硬化状態の比較的軟質の小血管が存在する。
この逆行性アプローチ手技は、完全閉塞病変部の遠位端部に比較的軟質の小血管が存在していることに着目して、遠位端部からガイドワイヤを通過させる手技である。
かかる場合の問題点として、完全閉塞病変部の遠位端部からガイドワイヤを通過させる為には、屈曲蛇行の大きな大屈曲部(コークスクリューと呼ばれている側副血行路等)を通過させる必要がある。
これらにより、短軸直径b1側の高い柔軟性と、長軸直径a1側の低い柔軟性との2方向性による高い操作性とを備えている。
つまり、本発明のガイドワイヤ1を用いれば、操作特性が2方向性であることを利用して、血管内での導入操作(柔軟性の高低差を利用して進行方向を変える操作等)が容易となって、特に、屈曲蛇行の大きな大屈曲部である側副血行路での通過が容易となる。
さらに、前記したように、本発明のガイドワイヤ1は、小血管の周辺が硬質か軟質かに拘わらず、小血管の捕捉が容易で、かつ、小血管内での通過性をより高めている為、広範囲の手技に多用することができる特段の作用効果を生じる。
尚、ここでいう「操作特性が2方向性」とは、2方向(短軸方向と長軸方向)に剛性(曲げ剛性)が変化することを意味し、一方向(短軸方向)への曲げ剛性を小さくすることができると同時に(柔軟性を高めることができ)、他の一方向(一方向と直交する、長軸方向))へ曲げ剛性を高めることができることをいう。
この操作特性の2方向性は、前記偏平状のコイル傾斜部を含め、実施形態2、3で詳述する。
図6(イ)において、外側コイル傾斜部310の一巻きのコイル(同図の実線部分)をeとし、一方の側の円形断面の中心点をe1、他方の側の円形断面の中心点をそれぞれe2、e3とし、中心点e2と中心点e3との中点をeoとする。
図6(ロ)において、外側コイル等径部311の一巻きのコイルをmとし、一方の側の円形断面の中心点をm1、他方の側の円形断面の中心点を、それぞれm2、m3とし、中心点m2と中心点m3との中点をmoとする。
とを示している。
へ傾斜している(本発明でいう傾斜角度を有している)のに対して、外側コイル等径部31
発明でいう傾斜角度を有していない)、直交している。
このような前記コイルの傾斜については、当業者であれば自明な事項です。
前記特許文献3には、「該コイル体3Aの先端部30と、前記コアシャフト2の先端部20とが固着され、略半球体形の最先端部4が形成されている。」ことが記載され(段落[0026])、又、「該最先端部4の基端部の外観形状とコイル体3Aの先端部の外観形状とが一致することとなる。」と記載されている。
この記載に基けば、最先端部4が略半球体形であることから、基端部を含む最先端部4の横断面の形状は円形で、最先端部4の基端部の外観形状とコイル体3Aの先端部30の外観形状が一致することから、最先端部4の基端部の凸部14Aを構成するコイルと、コイル体3Aの先端部30、及び、コイル体3A等の外観形状は円筒状である、と推測できる。
つまり、前記特許文献3のコイル(コイル体3A、コイル体3Aの先端部30等)は、一般的な円筒状のコイルです。
これに対して、本発明は、前記特許文献3の最先端部4に相当する先端接合部4Aが、「コイル傾斜部の傾斜構造に起因する偏平状」であり、かつ、前記特許文献3のコイル体3等に相当する外側コイル3は、先端側に前記「一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向へ連続して傾斜し、偏平状のコイル傾斜部を備えた構造」である。
従って、本発明のコイル傾斜部を備えたコイル(外側コイル、及び、後述する内側コイル)と前記特許文献3のコイル体とは、大きく相違する。
図10は、図9で示すガイドワイヤ10の、先端接合部41Aの要部拡大左側面図である。
図11は、図9で示す内側コイル傾斜部71と内側コイル等径部72との傾斜角度を説明する為の説明図である。尚、図8、図9の先端接合部41Aの図は、一部内部構造を示した図である。又、同一構成部材には、同一符号が付してあり、図7を除き親水性被膜6は省略している。本発明の実施形態3のガイドワイヤ20については、後述する。
又、視認性を高める為に、外側第1コイル31に用いる金、白金、又は、金、白金にニッケル等を含む、金ニッケル合金線、白金ニッケル合金線等を用いてもよい。
そして、視認性と高い引張強さとの双方を得る為には、タングステン線、ドープタングステン線等を用いる。好ましくは、引張強さが2000MPa以上5000MPa以下のドープタングステン線等を用いる。
先端接合部41Aは、内側コイル傾斜部71の先端側と、外側コイル傾斜部310の先端側と、芯線先端部の先端とを接合して成り、前記実施形態1のガイドワイヤ1の先端接合部4Aと同様に、接合部材を用いて溶融固着する。
又、内側コイル後端接合部4Dは、前記実施形態1の外側コイル後端接合部4Bと同様に、接合部材を用いて溶融固着する。
内側コイル7は、長手方向の長さLfが22mmで、先端側から後端側へ、長手方向の長さ20mmの内側コイル傾斜部71と、長手方向の長さLiが2mmの内側コイル等径部72とを備える(図9参照)。
内側コイル傾斜部71は、先端側に長手方向の長さLgが10mmで、コイル傾斜部の傾斜角度が最も大きな内側コイル大傾斜部71Aを備え、後端側に長手方向の長さLhが10mmで、コイルの傾斜角度が後端側へ向かって徐変減少する内側コイル徐変傾斜部71Bを備える。
従って、コイルの傾斜方向が同じ方向であれば足り、傾斜角度が同一の場合のみをさすのではなく、傾斜角度は異なっていてもよい。
そして、内側コイル傾斜部71の傾斜角度θ7は、内側コイル等径部72のピッチ角α7(図11参照)を超え、72°以下である。
この理由は、外側コイル3の内径の大きさと先端細径体27の大きさ(厚さt、幅S)とを考慮しながら、完全閉塞病変部の小血管の捕捉をさらに容易にすると共に、小血管の内径を拡径させながら前方へ推し進める力を増大させて、完全閉塞病変部内でのガイドワイヤの通過性をさらに向上させる為である。詳細については、後述する。
図11(イ)は、図9で示す内側コイル傾斜部71の内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度θ7を説明する為の説明図で、図11(ロ)は、図9で示す内側コイル等径部72のピッチ角α7を説明する為の説明図である。
内側コイル7の、「内側コイル傾斜部71」と「内側コイル傾斜部71の傾斜角度」とは、前記実施形態1の外側コイル3の、前記「コイル傾斜部」と「コイル傾斜部の傾斜角度」と同様である。
内側コイル7の「コイル傾斜部の傾斜角度」とは、より詳しくは、内側コイル傾斜部71の短軸方向に沿った長手方向の(内側コイル傾斜部71の長軸と直交する平面で切断した)縦断面図(図11(イ)の縦断面図)において、一つのコイル線の、一方の側の円形断面の中心点e11と、他方の側の円形断面の中心点e21とを結んだコイル線の中心線
鋭角をなす角度θ7のことをいう。
ここで傾斜角度θ7は、前記関係式(1)を用いて算出すると、関係式(1)のboがbo1(0.0645mm)、D10がD72(0.175mm)、傾斜角度θがθ7に相当することから、内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度θ7は、約68.4°である。
前記同様に、図11(ロ)を用いて内側コイル等径部72のピッチ角α7を求めると、内側コイル等径部72の、一つのコイル外径D71が0.200mmで線直径d11が0.025mmであることから、一つのコイルの中心径D70は、前記同様に0.175mmとなる。
一つのコイルの中心径D70が0.175mmであることから、コイル平均径D74は約0.1745mm{(0.1752―0.01252)の平方根}となる。
前記関係式(1)を用いると、関係式(1)のboがD74(0.1745mm)、D10がD70(0.175mm)、傾斜角度θがα7に相当することから、内側コイル等径部72の傾斜角度α7は、約4.3°である。
図8、9で示すように、接合部材の共晶合金が、外側コイル3と内側コイル7のそれぞれの、傾斜方向が同方向のコイル内、及び、コイル線間に入り込んで、溶融固着する。
外側コイル3のみならず、内側コイル7の先端部と芯線先端部2Aの先端とが共に、接合部材によって溶融固着されている為、先端接合部41Aへ長手方向の引張力が加わった場合に、内側コイル7が加わったアンカー効果により、先端接合部41Aの引張強さを、前記実施形態1よりも、より向上させることができる。
mmから1.00mm、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θが約57.3°、短軸直径b1が0.2195mm、長軸直径a1が0.3556mmの楕円形状であることから、小血管の捕捉容易性、及び、完全閉塞病変部での穿孔性能と安全な通過性等については、前記実施形態1のガイドワイヤ1と同様の作用効果を発揮する。
又、内側コイル7の外側に配置された外側コイル3の、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θは、内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度θ7の上限値よりも小さくすることが望ましく、好ましくは、35°以上60°以下で、より好ましくは40°以上60°以下である。
外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θを、内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度θ7の上限値よりも小さくすることが望ましいとする理由は、内側コイル大傾斜部71Aを外側コイル大傾斜部内へ配置するのに必要な、外側コイル大傾斜部310Aの内径寸法(特に、短軸側の内径寸法)を確保し、内側コイル大傾斜部71Aと外側コイル大傾斜部310Aとの干渉を防ぐ為である。
そして、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度と、内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度の、それぞれの前記下限値を下回れば、前記実施形態1と同様に、先端接合部4Aの楕円形状の短軸直径b1が大きくなって、小血管内を通過させることが容易ではなくなるからである。又、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度の前記上限値を上回れば、前記したように内側コイル大傾斜部71Aと外側コイル大傾斜部310Aとの干渉が発生し易くなるからである。
そして又、内側コイル大傾斜部71Aの傾斜角度の前記上限値を上回れば、内側コイル傾斜部71A内を貫挿する先端細径体27の外径を大きくすることが困難となり、先端細径体27の曲げ剛性を高めることができなくなるからである。
つまり、外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部71との2つを備えた偏平状のコイル傾斜部により、剛性特性に方向性を有しない円筒形の2つのコイルから成る二層構造よりも、一方向(短軸方向)への曲げ剛性を小さくして(柔軟性を高めることができ)、屈曲蛇行血管内での通過性を高めることができると共に、他の一方向(一方向と直交する、長軸方向)へ曲げ剛性を大きくして、前記操作特性が2方向性であることを利用して、血管内での導入操作(柔軟性の高低差を利用して進行方向を変える操作等)がより容易となって、特に、屈曲蛇行の大きな大屈曲部である側副血行路での通過が、より容易となる。
さらに、手元側を回転させた場合には、外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部71との2つを備えた偏平状のコイル傾斜部の回転によるドリル作用により、特に石灰化完全閉塞病変部内での穿孔性能を、より向上させることができる。
このように、偏平状のコイル傾斜部を2つ備えた二層構造のコイルによる前記操作特性の2方向性により、特段の作用効果を発揮する。
好ましくは、外側コイル大傾斜部310Aと内側コイル大傾斜部71Aとを長手方向の重複する位置に同心状に配置し、かつ、外側コイル徐変傾斜部310Bと内側コイル徐変傾斜部71Bとを長手方向の重複する位置に同心状に配置することである。
最も好ましくは、図8、9で示すように、外側コイル大傾斜部310Aと内側コイル大傾斜部71Aとを長手方向の同一位置に同心状に配置し、かつ、外側コイル徐変傾斜部310Bと内側コイル徐変傾斜部71Bとを長手方向の同一位置に同心状に配置することである。この双方を前記のように配置することにより、前記特段の作用効果を発揮する。
そして、完全閉塞病変部内での穿孔性能をより向上させることができ、より安全に完全閉塞病変部内を通過させることができる。
補足すれば、本発明の実施形態2の場合、内側コイル大傾斜部71Aと外側コイル大傾斜部310Aとの組付け性について、外側コイル大傾斜部310Aの短軸直径b1が0.2195mm、外側コイル3の線直径d1が0.060mmであることから、外側コイル大傾斜部310Aの短軸側のコイル内径は、0.0995mm(0.2195−0.06×2)となる。
内側コイル大傾斜部71Aの短軸直径b11が0.0895mmであることから、外側コイル大傾斜部310A内へ内側コイル大傾斜部71Aの挿入が可能である。又、内側コイル大傾斜部71Aの短軸直径b11が0.0895mmで、線直径d11が0.025mmであることから、内側コイル大傾斜部71Aの短軸側の内径は、0.0395mm(0.0895−0.025×2)となる。
従って、本発明の実施形態2の先端細径体27は前記実施形態1と同様に厚さtが0.03mmであることから、この短軸側の内側コイル大傾斜部71Aの内径0.0395mm内への貫挿が可能であり、内側コイル大傾斜部71Aと外側コイル大傾斜部310Aとの組付け性を確保することができる。
この理由は、前記実施形態1と同様に、先端接合部41Aの偏平状の最先端で小血管の入口部を捕捉して、小血管内へ、内側に内側コイル大傾斜部71Aを備えた外側コイル大傾斜部310Aを導き、内側に備えた内側コイル徐変傾斜部71Bと共に、外側コイル徐変傾斜部310Bで小血管の内径を徐々に大きく拡径させながら、二層構造のコイルにより増大させた前進力でガイドワイヤ10を前方へ押し進めて行き、ガイドワイヤ10の先端部の完全閉塞病変部内での通過性をさらに高める為である。
図15は、図13で示す内側コイル傾斜部81と内側コイル等径部82との傾斜角度を説明する為の説明図である。尚、図12、図13の先端接合部42Aの図は、一部内部構造を示した図である。又、同一構成部材には、同一符号が付してあり、図7を除き親水性被膜6は省略している。
先端接合部42Aは、内側コイル傾斜部81の先端側と、外側コイル傾斜部310の先端側と、芯線先端部の先端とを接合して成り、前記実施形態1のガイドワイヤ1の先端接合部4Aと同様に、接合部材を用いて溶融固着する。
又、内側コイル後端接合部4Dは、前記実施形態1の外側コイル後端接合部4Bと同様に、接合部材を用いて溶融固着する。
内側コイル8は、長手方向の長さLfが22mmで、先端側から後端側へ、長手方向の長さ20mmの内側コイル傾斜部81と、長手方向の長さLiが2mmの内側コイル等径部82とを備える(図13参照)。
内側コイル傾斜部81は、先端側に長手方向の長さLgが10mmで、コイル傾斜部の傾斜角度が最も大きな内側コイル大傾斜部81Aを備え、後端側に長手方向の長さLhが10mmで、コイルの傾斜角度が後端側へ向かって徐変減少する内側コイル徐変傾斜部81Bを備える。
従って、内側コイル傾斜部81と外側コイル傾斜部310のそれぞれのコイル線どうしが交差状(図13の要部拡大正面図でみられるような、外観上コイル線どうしが交差しているように見える状態)の、コイルの傾斜方向が逆方向であれば足り、傾斜角度が同一の場合のみをさすのではなく、傾斜角度は異なっていてもよい。
そして、内側コイル傾斜部81の傾斜角度θ8は、前記実施形態2の内側コイル7と同様に、内側コイル等径部82のピッチ角α8(図15参照)を超え、72°以下である。
この理由は、前記実施形態2と同様である。尚補足すれば、内側コイル傾斜部81の傾斜方向と外側コイル傾斜部310の傾斜方向とが、逆方向でそれぞれのコイル線どうしが交差状である為、コイル傾斜部でのねじり剛性を高くすることができ、手元側を回転させた場合には、2つ備えた偏平状のコイル傾斜部の回転によるドリル作用により、完全閉塞病変部内でのガイドワイヤの穿孔性能と、それに伴う通過性さらに向上させることができる。詳細については、後述する。
図15(イ)は、図13で示す内側コイル傾斜部81の内側コイル大傾斜部81Aの傾斜角度θ8を説明する為の説明図で、図15(ロ)は、図13で示す内側コイル等径部82のピッチ角α8を説明する為の説明図である。
内側コイル8の、「内側コイル傾斜部81」と「内側コイル傾斜部81の傾斜角度」とは、前記実施形態1の外側コイル3の、前記「コイル傾斜部」と「コイル傾斜角度」と同様である。
内側コイル8の「コイル傾斜部の傾斜角度」とは、より詳しくは、前記実施形態2と同様に、内側コイル傾斜部81の短軸方向に沿った長手方向の(内側コイル傾斜部81の長軸と直交する平面で切断した)縦断面図(図15(イ)の縦断面図)において、一つのコイル線の、一方の側の円形断面の中心点e12と、他方の側の円形断面の中心点e22と
ここで傾斜角度θ8は、前記関係式(1)を用いて算出すると、関係式(1)のboがbo2(0.0645mm)、D10がD82(0.175mm)、傾斜角度θがθ8に相当することから、内側コイル大傾斜部81Aの傾斜角度θ8は、前記実施形態2と同様に、約68.4°である。
前記実施形態2と同様に、図15(ロ)を用いて内側コイル等径部82のピッチ角α8を求めると、内側コイル等径部82の、一つのコイル外径D81が0.200mmで線直径d12が0.025mmであることから、一つのコイルの中心径D80は、前記同様に0.175mmとなる。
一つのコイルの中心径D80が0.175mmであることから、コイル平均径D84は約0.1745mm{(0.1752―0.01252)の平方根}となる。
前記関係式(1)を用いると、関係式(1)のboがD84(0.1745mm)、D10がD80(0.175mm)、傾斜角度θがα8に相当することから、内側コイル等径部82の傾斜角度α8は、前記実施形態2と同様に、約4.3°である。
従って、コイルの傾斜方向が逆方向の内側コイル8を備えた点が、前記実施形態2と異なる。
図12、13で示すように、接合部材の共晶合金が、外側コイル3と内側コイル8のそれぞれの、傾斜方向が逆方向のコイル内、及び、コイル線間に入り込んで、溶融固着する。
外側コイル3と内側コイル8とのコイルの傾斜方向が逆方向で、かつ、芯線先端部2Aの先端とが共に、接合部材によって溶融固着されている為、先端接合部42Aへ長手方向の引張力が加わった場合に、逆向きの内側コイル8が加わったアンカー効果により、先端接合部42Aの引張強さを、前記実施形態1よりも、さらに向上させることができる。
0mmから1.00mm、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θが約57.3°、短軸直径b1が0.2195mm、長軸直径a1が0.3556mm)の楕円形状であることから、小血管の捕捉容易性、及び、完全閉塞病変部での穿孔性能と安全な通過性等については、前記実施形態1、2のガイドワイヤ1、10と同様の作用効果を発揮する。
又、内側コイル8の外側に配置された外側コイル3の、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θは、前記実施形態2と同様に、内側コイル大傾斜部81Aの傾斜角度θ8の上限値よりも小さくすることが望ましく、好ましくは、35°以上60°以下で、より好ましくは40°以上60°以下である。
外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θを、内側コイル大傾斜部81Aの傾斜角度θ8の上限値よりも小さくすることが望ましいとする理由、及び、前記傾斜角度を前記上下限値の範囲とする理由は、前記実施形態2と同様である。
本実施形態3においては、外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部81との、それぞれのコイルの傾斜方向が逆方向で、外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部81との2つ備えた偏平状のコイル傾斜部により、剛性特性に方向性を有しない円筒形の2つのコイルから成る二層構造よりも、2方向に剛性(曲げ剛性)の変化を大きくすることができる。
前記操作特性が2方向性であることを利用して、血管内での導入操作(柔軟性の高低差を利用して進行方向を変える操作等)がより容易となって、特に、屈曲蛇行の大きな大屈曲部である側副血行路での通過が、より容易となる。
さらに、本発明の実施形態3の場合には、コイル傾斜部でのねじり剛性を高くすることができ、手元側を回転させた場合に、外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部81との2つを備えた偏平状のコイル傾斜部の回転によるドリル作用により、特に石灰化完全閉塞病変部内での穿孔性能を、さらに向上させることができる。
この理由は、手元側をねじり回転させた場合に、内側コイル傾斜部81のコイル線と外側コイル傾斜部310のコイル線とが、交差状で、この交差部位で手元側からのねじり力を受ける為、偏平状のコイル傾斜部でのねじり剛性が増大したことによるからである。
補足すれば、内側コイル傾斜部81と外側コイル傾斜部310との、それぞれのコイル傾斜部の傾斜方向が逆方向である為、内側コイル傾斜部81と外側コイル傾斜部310とのコイル線間に、コイル線どうしが噛み合うことが無いからである。
そして、本発明の実施形態3の場合、前記実施形態2とコイル傾斜部の傾斜方向のみが異なる為、前記実施形態2と同様に、内側コイル大傾斜部81Aと外側コイル大傾斜部310Aとの組付け性を確保することができる。
この理由は、前記実施形態1と同様に、先端接合部4Aの偏平状の最先端で小血管の入口部を捕捉して、小血管内へ、内側に内側コイル大傾斜部81Aを備えた外側コイル大傾斜部310Aを導き、内側に備えた内側コイル徐変傾斜部81Bと共に、外側コイル徐変傾斜部310Bで小血管の内径を徐々に大きく拡径させながら、二層構造のコイルにより増大させた前進力でガイドワイヤ20を前方へ押し進めて行き、ガイドワイヤ20の先端部の完全閉塞病変部内でのガイドワイヤ20の通過性をさらに高める為である。
本発明の実施形態3は、前記実施形態2と異なり、内側コイル傾斜部81のコイルの傾斜方向が外側コイル傾斜部310のコイルの傾斜方向とが逆方向である為、特に、手元側をねじり回転させた場合に、先端側へのねじり剛性を前記実施形態2よりも大きくすることができる。
この理由は、コイル傾斜部を重複位置に2つ(内側コイル傾斜部81と外側コイル傾斜部310)備えた構造において、内側コイル傾斜部81のコイル線と外側コイル傾斜部310のコイル線とが、交差状で、交差するように相互接触して、偏平状のコイル傾斜部でのねじり剛性を大きくすることができ、先端側での回転力を増大させることができるからである。
これにより、内側にコイルの傾斜方向が逆方向の内側コイル徐変傾斜部81Bを備えた外側コイル徐変傾斜部310Bで、小血管の内径を徐々に拡径する拡径力をさらに高めることができる。補足すれば、内側コイルと外側コイルとのコイル線間に、コイル線が噛み合うことが無いからである。
図16は、ガイドワイヤに用いる本発明のコイル傾斜部(310等)を備えたコイル300の製造方法を示す工程図である。
又、図17は、ガイドワイヤに用いる本発明のコイル傾斜部(310等)を備えたコイル300を製造する為の金型図(一対の上型と下型)である。
コイル傾斜部(310等)を形成する位置に、コイル30を上型101と下型102の金型(本発明の一対の金型に相当する)の条溝103に配置する工程(工程B)と、
上型101と下型102の金型のいずれか一方、又は双方(本実施形態では上型101のみ)を、コイル30のコイル中心線に対して傾斜移動(図示左上から右斜め下方向の矢印方向、即ち、コイルの中心線と斜めに交差する方向へ移動)させながらコイル30の巻き条を傾斜させる押圧加工を行う工程(工程C)と、
コイル傾斜部(310等)を備えたコイル300を、上型101と下型102との一対の金型から取り外す工程(工程D)から成ることを特徴とするガイドワイヤに用いるコイル傾斜部(310等)を備えたコイル300の製造方法である。
この理由は、外側コイル傾斜部310と接合し、又は、内側に内側コイル傾斜部71、81、を同心状に配置した外側コイル傾斜部310と内側コイル傾斜部71、81との双方を接合し、偏平状の先端接合部4A、41A、42Aを形成することにより、通過させることが極めて困難とされている完全閉塞病変部内の小血管の捕捉を容易にし、かつ、小血管の内径を大きく拡径させながら前方へ推し進める力を増大させることができるコイル傾斜部(310等)を備えたコイル300を製造し、ガイドワイヤに用いる為である。
又、コイル傾斜部(外側コイル傾斜部310)のコイル線間に生じる大きな傾斜コイル溝部Q内へ生体組織の出入り量を拡大させ、生体組織の性質差の起因する術者への接触感知性を高めて偽腔への迷入を防ぎ、閉塞病変部内で安全に通過できるコイル傾斜部を備えたコイル300を製造し、ガイドワイヤに用いる為である。
共晶合金としては、溶融温度が210℃から450℃の金錫系合金材、溶融温度が220℃から470℃の銀錫系合金材等である。
図17は、外側コイル3の外側コイル傾斜部310を製造する為の上型101と下型102との一対の金型図である。
図17において、図17(イ)は正面図、図17(ロ)は図17(イ)の左側面図、図17(ハ)は図17(イ)の右側面図を示す。
上型101と下型102とは、一対の条溝103を備え、条溝103は、全長の1/2が短軸直径b1部位に対応する小さな小径条溝103aと、残部が後端側へ徐変拡径する部位に対応する傾斜条溝103bとを備える。
条溝103へ配置された円筒状のコイル30は、上型101が円筒状のコイル30の中心線に対して傾斜移動(図示左上から斜め右斜め下方向の矢印方向、即ち、コイルの中心線と斜めに交差する方向へ移動)させながら、小径溝部103aで外側コイル大傾斜部310Aを形成し、傾斜条溝103bで外側コイル徐変傾斜部310Bを形成する押圧加工を行い、外側コイル傾斜部310を形成する。
これにより、外側コイル傾斜部310を備えた外側コイル3を製造することができる。尚、外側コイル傾斜部310のコイル傾斜角度が一定の場合には、全長に亘って一定の溝径を有する条溝103としてもよい。尚、符号104は、金型を固定する為の凸部である。
10 医療用ガイドワイヤ(実施形態2)
20 医療用ガイドワイヤ(実施形態3)
2 芯線
2A 芯線先端部
2B 芯線後端部
3 外側コイル
310 外側コイル傾斜部
311 外側コイル等径部
4A 先端接合部(実施形態1)
41A 先端接合部(実施形態2)
42A 先端接合部(実施形態3)
7 内側コイル (実施形態2)
71 内側コイル傾斜部(実施形態2)
72 内側コイル等径部(実施形態2)
8 内側コイル (実施形態3)
81 内側コイル傾斜部(実施形態3)
82 内側コイル等径部(実施形態3)
ここで傾斜角度θは、
cosθ=bo/D10 ・・・(1)
関係式(1)で表すことができる為、関係式(1)を用いて傾斜角度θを算出すると、外側コイル大傾斜部310Aの傾斜角度θは、約57.3°である。
前記同様に、図5(ロ)を用いて外側コイル等径部311のピッチ角αを求めると、外側コイル等径部311の、一つのコイル外径D01が0.3556mm(0.014インチ)で線直径d2が0.060mmであることから、一つのコイルの中心径Doは、前記同様に0.2956mmとなる。
一つのコイルの中心径Doが0.2956mmであることから、コイル平均径Do2は約0.2941mm{(0.29562―0.032)の平方根}となる。
前記関係式(1)を用いると、関係式(1)のboがDo2(0.2941mm)、D10がDo(0.2956mm)、傾斜角度θがαに相当することから、外側コイル等径部311のピッチ角αは約5.8°となる。尚、全長に亘って均等に外径が等しい円筒状の一般的なコイルばね(押し引きばね等)と本発明の偏平状の傾斜コイルとは、技術概念が異なる為、一般的なコイルばねに用いるピッチ角の定義を、本発明のコイル傾斜部では、外側コイル、及び、内側コイルの「コイル傾斜部の傾斜角度」として新たに設けた。
Claims (7)
- 後端側から先端側へ外径が徐変減少する部分を有する芯線の芯線先端部の先端側を内側コイルと外側コイルへ貫挿し、
前記内側コイルは、前記外側コイルの内側で、前記外側コイルよりも長手方向の長さが短く、前記外側コイルと同心状に備え、
前記内側コイルと前記外側コイルとの先端部に先端接合部と、前記内側コイルの後端部の前記芯線先端部と接合した内側コイル後端接合部と、前記外側コイルの後端部の前記芯線先端部と接合した外側コイル後端接合部とを備えた医療用ガイドワイヤであって、
前記内側コイルは、先端側に内側コイル傾斜部と後端側にコイル線どうしが隣接接触して外径が等しい内側コイル等径部とを備え、
前記外側コイルは、先端側に外側コイル傾斜部と後端側にコイル線どうしが隣接接触して外径が等しい外側コイル等径部とを備え、
前記内側コイル傾斜部と前記外側コイル傾斜部とは、一巻きのコイルが傾斜角度を有して長手一方向へ連続して傾斜し、偏平状で、
前記内側コイル傾斜部の傾斜角度が、前記内側コイル等径部のピッチ角を超え72°以下で、
前記外側コイル傾斜部の傾斜角度が、前記外側コイル等径部のピッチ角を超え60°以下であり、
前記先端接合部は、前記内側コイルの先端側の前記内側コイル傾斜部と、前記外側コイルの先端側の前記外側コイル傾斜部と、前記芯線先端部の先端とを接合して成ることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 請求項1に記載した医療用ガイドワイヤであって、
前記内側コイル傾斜部の傾斜方向と前記外側コイル傾斜部の傾斜方向とが、同方向であることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 請求項1に記載した医療用ガイドワイヤであって、
前記内側コイル傾斜部の傾斜方向と前記外側コイル傾斜部の傾斜方向とが、逆方向であることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 前記内側コイル傾斜部は、先端側に傾斜角度が大きな内側コイル大傾斜部と、後端側へ傾斜角度が徐変減少する内側コイル徐変傾斜部とを備え、
前記外側コイル傾斜部は、先端側に傾斜角度が大きな外側コイル大傾斜部と、後端側へ傾斜角度が徐変減少する外側コイル徐変傾斜部とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤ。 - 前記内側コイル大傾斜部は、傾斜角度が35°以上72°以下で、
前記内側コイル徐変傾斜部は、傾斜角度が前記内側コイル等径部のピッチ角を超え、前記内側コイル大傾斜部の傾斜角度を下回る角度で、
前記外側コイル大傾斜部は、傾斜角度が35°以上60°以下で、
前記外側コイル徐変傾斜部は、傾斜角度が前記外側コイル等径部のピッチ角を超え、前記外側コイル大傾斜部の傾斜角度を下回る角度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤ。 - 前記外側コイルは、前記外側コイル傾斜部の傾斜コイル溝部の縦断面積と前記外側コイル等径部の等径コイル溝部の縦断面積との縦断面積比(傾斜コイル溝部の縦断面積/等径コイル溝部の縦断面積)が、2.55以上14.95以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の医療用ガイドワイヤ。
- 医療用ガイドワイヤに用いるコイル傾斜部を備えたコイルの製造方法であって、
円筒状のコイルを巻回成形する工程と、
前記コイルのうち前記コイル傾斜部を形成する部分を一対の金型の条溝に配置する工程と、
前記一対の金型のいずれか一方、又は双方を、前記コイルのコイル中心線に対して傾斜移動させながら前記コイルの巻き条を傾斜させる押圧加工を行い前記コイル傾斜部を形成する工程と、
前記コイル傾斜部を備えた前記コイルを、前記一対の金型から取り外す工程から成ることを特徴とする医療用ガイドワイヤに用いるコイル傾斜部を備えたコイルの製造方法。
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2017
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