以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(後述する識別図柄70の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(以下単に保留と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。記憶手段に上記数値(当否判定情報)が記憶されていることは、保留図柄80として表示される(図2参照)。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい(この場合には当否判定結果自体が、当否判定情報に相当することとなる)。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
また、本実施形態では、既に当否判定結果の報知が開始(当該当否判定結果を報知する識別図柄70の変動が開始)されているものの、当該報知が完了していない(当否判定結果を示す態様で識別図柄70の変動が停止していない)当否判定情報が存在することを示す図柄(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄。以下、当該変動図柄81と称することもある)が表示される(図2参照)。当該変動図柄81は、上記保留図柄80と区別することができるようにしておくことが好ましい。なお、本明細書においては、当該変動図柄81は、保留図柄80の一種であるものとする。つまり、以下の説明において、特に明示した場合を除き、単に保留図柄80というときは、当該変動図柄81を含むものとする。詳細を後述する保留図柄80の態様の変化は、当該変動図柄81の態様の変化として発生することがあってもよい。ただし、このような当該変動図柄81が表示されないようにすることを否定するものではない。
本実施形態における保留図柄80は、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる大当たり信頼度。以下単に信頼度と称することもある)を示唆する複数種の態様が設定されている。本実施形態では、形状(外縁)が同じであり、色彩が異なる複数種の態様が設定されている。具体的には、通常態様(デフォルトの態様)として白が、特殊態様として青、緑、赤、虹の四種類が設定されている(各図において、通常態様は無地(文字無)とし、特殊態様の色彩は文字で示す)。信頼度は、白(信頼度が最も低い)、青、緑、赤、虹(信頼度が最も高い)の順で高くなる。なお、各色彩の保留図柄80について、基本的態様(形状)が変化しうるものとしてもよい。例えば、公知の遊技機と同様に、いわゆるモード(ステージ)に応じた保留図柄80の基本的態様が設定された構成とする。より具体的には、あるモードにおいては形状が丸である保留図柄80が表示され、当該あるモードと異なるモードにおいては形状が四角である保留図柄80が表示されるようにするといった構成としてもよい。この場合、形状が丸で色彩が青である保留図柄80が表示されたときと、形状が四角であり色彩が青である保留図柄80が表示されたときとでは、信頼度は同じである。つまり、モードによって保留図柄80の基本的態様が異なるだけであって、実質的には同じ保留図柄80が表示された状態ということである。また、本実施形態のように信頼度を示す色が、保留図柄80の外側にはみ出るように表示される(いわゆるエフェクトにより色が示される)構成とする場合、当該はみ出た部分(色を表している部分)は、保留図柄80の形状に含まれないものとする。つまり、遊技者の視点で、保留図柄80の色彩のみが変化しており、その基本的な形態が変化していないと捉えられるような変化は、保留図柄80の形状は同じであるとする。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄70(図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄70を含む識別図柄群(左識別図柄群、中識別図柄群、右識別図柄群)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群から一の識別図柄70が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群から選択されて停止した識別図柄70の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄70の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。なお、各図においては、識別図柄70を構成する「数字(文字)」のみを図示するが、当該数字とキャラクタ等が組み合わされた図柄を識別図柄70として設定することができる。
本実施形態にかかる遊技機1は、表示装置91を利用した演出の一種として、画像変化演出を実行することが可能である。以下、当該画像変化演出について詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明において「画像」というときは、静止画と動画の両方を含むものとする。
図3に示すように、画像変化演出は、時間経過とともに、第一状態、第二状態、第三状態の順で変化していくものである。なお、各状態にある時間の長さは一定であってもよいし、種々変化しうるものとしてもよい。以下、各状態(画像変化演出の流れ)について説明する。
第一状態(図3(a)参照)は、先の演出画像10が表示装置91の表示領域911に表示される状態である。先の演出画像10は、少なくとも、識別図柄70(基本的には変動中である)、保留図柄80、およびこれら識別図柄70や保留図柄80の背景として表示される背景画像60を含む。先の演出画像10は、後述する後の演出画像30に対応づけて具体的態様が決定される画像であって、その具体的態様は適宜変更可能である。基本的には、先の演出画像10を単体で見れば、従来の遊技機において当否判定結果を報知する演出中に表示される画像と変わりはない。
第二状態(図3(b)参照)は、第一状態と第三状態の間に設定される状態であって、場面の切替わりを示すような切替画像20が表示装置91の表示領域911に表示される状態である。第二状態は、第一状態と第三状態を繋ぐための状態であるともいえる。切替画像20は、「場面の切替わり」を示すような画像であれば具体的態様は適宜設定することができるものである。本実施形態における切替画像20の詳細については後述する。
第三状態(図3(c)参照)は、後の演出画像30が表示装置91の表示領域911に表示される状態である。後の演出画像30は、画像の一部分の態様のみが先の演出画像10と異なる画像である。端的にいえば、先の演出画像10と後の演出画像30は、態様の異なる部分が局所的に設定されたものであって、互いに酷似する画像である。より具体的には、先の演出画像10と後の演出画像30の態様が異なる部分の大きさ(表示領域911において占める範囲)は、態様が同じである部分の大きさ(表示領域911において占める範囲)よりも小さい。後の演出画像30は、このような態様の画像であるため、当該後の演出画像30は、先の演出画像10と同様に、識別図柄70(基本的には変動中である)、保留図柄80、およびこれら識別図柄70や保留図柄80の背景として表示される背景画像60を含むものである。また、先の演出画像10と同様に、後の演出画像30を単体で見れば、従来の遊技機において当否判定結果を報知する演出中に表示される画像と変わりはない。
なお、先の演出画像10および後の演出画像30の「態様が異なる」とは、両画像が動画である場合において、当該動画の基本的態様が変化しないものは、態様が異なるものとはみなさないこととする。つまり、両画像が動画であるとするのであれば、ある時点を切り取った静止画としてみれば、画像の態様は異なるものとなるのは当然であるから、このような態様の違いは上記「態様が異なる」ものに相当しないものとする。例えば、背景画像60が動画(一連の映像が循環するように表示されるもの)である場合、当該背景画像60が含む各種物(キャラクタ等)の基本的態様が異なるものを、「態様が異なる」ものとみなす。また、識別図柄70の変化についていえば、装飾図柄の基本的態様が異なる(例えば、色や形状が異なる)ものを、「態様が異なる」ものとみなす。つまり、遊技者の視点で、動画としての基本的態様が維持されている部分については、態様が同じであるものとみなす。なお、後述するように、本実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30の異なる部分は、静止画である保留図柄80とされるため、このような「動画」であることを前提とした判別は必要ない。
また、画像変化演出が発生した後、それが終了するまでの間に、新たな当否判定情報が取得された場合(保留が増加した場合)には、それに対応する保留図柄80が表示される(保留が増加したタイミングで、先の演出画像10、切替画像20、後の演出画像30のいずれかに含まれるように表示される)ようにするとよい。ただし、当該新たな保留図柄80が表示されることによって生じる先の演出画像10と後の演出画像30の態様の相違は、画像変化演出によって生じる態様の相違とはみなさないものとする。このように、画像変化演出が実行されているときであっても、遊技者による遊技(遊技球の発射)が継続的に行われることで、遊技球が種々の入賞口(始動口)に入賞すること等により生じる事象を画像に反映させることは行われてもよい。ただし、当該事象が画像に反映されることによる態様の相違は、画像変化演出によって生じる態様の相違とはみなさないものとする。
本実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30の異なる部分は、保留図柄80とされる(図3(a)(c)参照)。上述したように、本実施形態における保留図柄80は、信頼度が異なる複数種の態様が設定されているものであるところ、先の演出画像10が表示された第一状態から、後の演出画像30が表示された第三状態に変化することにより、先の演出画像10が含んでいた一または複数の保留図柄80の一つが、後の演出画像30において信頼度が高まる方向に態様変化する。後述するように、画像変化演出は、いわゆる「間違い探し」的な演出効果が発現されることを目的としており、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の差が目立たないようにするため、本実施形態では必ず保留図柄80の一つのみが変化するようにしている。ただし、複数の保留図柄80について、信頼度が高まる方向に態様の変化が発生しうる構成としてもよい。
第二状態中において表示される上記切替画像20は、先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部を含む画像である(図3(b)参照)。具体的には、第二状態は、第一状態にて表示されていた先の演出画像10が所定方向にスライドしたかのような表示がなされ、それによって生じた領域(表示領域911の一部)に後の演出画像30の一部が表示されるような演出態様が実行されるものである。
なお、先の演出画像10は、第一状態において表示される画像であるから、第二状態において表示される先の演出画像10の一部は、厳密には、第一状態(第一状態の終了時点)にて表示されていた画像の一部であるということがいえる。また、後の演出画像30は、第三状態において表示される画像であるから、第二状態において表示される後の演出画像30の一部は、厳密には、将来的に第三状態(第三状態の開始時点)にて表示される画像の一部であるということがいえる。
本実施形態では、第一状態から第二状態に移行したとき、第一状態にて表示されていた先の演出画像10が上方にスライドするような表示がなされる。つまり、表示領域911の上側に、先の演出画像10の下端縁から上方にかけての一部分が表示された状態となる。これとともに、後の演出画像30(厳密には将来的に後の演出画像30となる画像)の上端縁から下方にかけての一部分が表示された状態となる(図3(b)参照)。つまり、表示領域911の下側に、後の演出画像30の上端縁から下方にかけての一部分が表示された状態となる。このように、切替画像20は、先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部を含むような画像である。切替画像20を構成する先の演出画像10の一部と後の演出画像30の位置(本実施形態では上下)を入れ替えたものを想定すれば、当該画像は通常の演出画像であるといえる。
そして、両演出画像が互いの相対的な位置関係を維持しつつ上方にスライドして(表示領域911における後の演出画像30が表示される範囲が次第に大きくなるように変位して)、最終的には後の演出画像30が表示領域911の全体に表示された第三状態に移行することとなる。
ここで、本実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分(すなわち保留図柄80)は、前記後の演出画像30の下側に設定されている。つまり、本実施形態における保留図柄80は、(通常状態においては)表示領域911の下側縁に沿うように表示されるものであるため、後の演出画像30における下側に表示されるものであるということができる。なお、ここでいう下側とは、表示領域911の全体に表示された後の演出画像30を上下方向に二分する中央線Lよりも下方の部分をいうものとする(図4参照)。上述したように、第二状態において表示される切替画像20は、先の演出画像10の一部が上に、後の演出画像30の一部が下に表示され、それが上方に変位して第三状態に移行することになるため、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分は、第三状態に移行する直前まで視認できないことになる。換言すれば、第二状態に移行してから比較的早い段階で、当該異なる部分が視認されるような状況が発生しないようにすることができる。少なくとも、切替画像20において先の演出画像10が占める範囲が後の演出画像30の占める範囲よりも大きい状態においては、両画像の態様の異なる部分は視認されないことになる。
なお、第二状態において、先の演出画像10の一部を上、後の演出画像30の一部を下に含む切替画像20が表示され、それが上方に変位するという第三状態への移行態様は、あくまで一例である。本実施形態と同様の切替画像20が下方に変位して第三状態に移行するというような態様としてもよい。この場合には、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分は、後の演出画像30の上側(表示領域911の全体に表示された後の演出画像30を上下方向に二分する中央線よりも上方の部分)に表示されるようにするとよい。また、第二状態において、先の演出画像10の一部が左または右、後の演出画像30の一部が右または左に含む切替画像20が表示され、それが左方または右方に変位するという第三状態への移行態様が発生するようにしてもよい。この場合、第三状態への移行態様を、切替画像20が左方に変位するという構成とするのであれば、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分は、後の演出画像30の右側(表示領域911の全体に表示された後の演出画像30を左右方向に二分する中央線よりも右側の部分)に表示されるようにすればよいし、第三状態への移行態様を、切替画像20が右方に変位するという構成とするのであれば、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分は、後の演出画像30の左側(表示領域911の全体に表示された後の演出画像30を左右方向に二分する中央線よりも左側の部分)に表示されるようにすればよい。つまり、第二状態に移行してから比較的早い段階で、当該異なる部分が視認されるような状況が発生しないようにすればよい。
また、本実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30の間には、両者の境界を明確にするための別の画像(境界画像S)が表示される。上述したように、第二状態において切替画像20が上方に向かって変位して、後の演出画像30が表示領域911の全体に表示された第三状態に移行することとなるが、いわゆる「煽り演出」が発生するようにしてもよい。すなわち、第二状態において、切替画像20を構成する先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部の境界(本実施形態では境界画像S)が、上下に往復動するかのような表示を行い、先の演出画像10が後の演出画像30に変化するのではないかということを遊技者に示唆するような構成としてもよい。
また、先の演出画像10および後の演出画像30を「動画」とする場合には、切替画像20を構成する先の演出画像10の一部および後の演出画像30の一部も動画とすることが好ましい。具体的には、第一状態から第二状態に移行するときには、先の演出画像10の一部については当該状態の変化を跨いでそのまま表示され続けることになるところ、当該表示され続ける部分については、「動画」の連続性が確保されるように制御するとよい。また、第二状態から第三状態に移行するときには、後の演出画像30の一部については当該状態の変化を跨いでそのまま表示され続けることになるところ、当該表示され続ける部分については、「動画」の連続性が確保されるように制御するとよい。図3に示す例においても、装飾図柄の変動の連続性、背景画像60の一部である飛行体Pの動きの連続性が保たれるように制御されていることが把握される。
このように構成される画像変化演出による作用は次のようなものである。第一状態から第二状態を経て第三状態に変化した場合、第一状態にて表示される先の演出画像10と第三状態にて表示される後の演出画像30は、その一部分のみが相違するという酷似した画像である。したがって、遊技者の視点でいえば、「間違い探し」をしているかのような印象を受ける演出となり、遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30の相違は、信頼度が高まる方向に保留図柄80の態様が変化することにより実現される。したがって、遊技者にとっては、「間違い探し」のような感覚で相違点を見つけ出した喜びと、信頼度が高まる方向に保留図柄80の態様が変化した喜びが同時に訪れる演出となる。
また、上記保留図柄80の態様の変化は、その形状が変化せずに色彩が変化するというものである。このように、保留図柄80の態様の変化を色彩の変化に留めれば、保留図柄80の形状を変化させた場合等に比してその変化に気づきにくくなるため、「間違い探し」としての演出効果が保たれる。
また、本実施形態では、複数の保留図柄80が表示されている場合であっても、画像変化演出において態様が変化する保留図柄80は一つのみである。複数の保留図柄80の態様が一度に変化するものとすると、当該変化を見つけることが容易になるから「間違い探し」としての演出効果が低下する。よって、態様が変化する保留図柄80は一つのみとしている。
また、本実施形態では、先の演出画像10が表示される第一状態、後の演出画像30が表示される第三状態との間に、切替画像20が表示される第二状態が発生する。当該切替画像20は、先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部を含むものであるため、同じような画像が表示される第一状態から第三状態への切替わり分かりやすくすることが可能となる。
また、本実施形態では、切替画像20は、先の演出画像10の一部が表示領域911の一方側に、後の演出画像30の一部が表示領域911の他方側に表示され、両演出画像が相対位置を維持しつつ一方側(先の演出画像10側)に変位して後の演出画像30の大きさが次第に大きくなるように変化していく。そして、先の演出画像10と後の演出画像30の態様が異なる部分は、後の演出画像30の他方側に設定される。このようにすることで、切替画像20が表示されてから比較的早い時点で、後の演出画像30における先の演出画像10と態様が異なる部分が遊技者に視認可能となってしまうことで、演出の趣向性が低下してしまうのを抑制することが可能である。
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術的事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30には、態様が異なる部分が生じることを説明したが、先の演出画像10と後の演出画像30に態様が異なる部分が生じないケースが生じうる構成としてもよい。つまり、先の演出画像10と後の演出画像30の態様が同じであるケースが生じうる構成としてもよい。
このように、先の演出画像10と後の演出画像30に態様が異なる部分が生じることが確定しないようにすると、遊技者は態様が異なる部分が存在することを前提として態様が異なる部分を探すことができなくなる(態様が異なる部分が存在しないのではないかということを念頭に置くことになる)から、態様が異なる部分が生じたとしても当該部分を見つけ出すことが困難になり、「間違い探し」としての演出効果を高めることが可能となる。
○第二具体例
上記実施形態では、先の演出画像10と後の演出画像30とで、保留図柄80の態様が異なることを説明したが、保留図柄80以外のものについて、態様の変化が発生しうるようにしてもよい。つまり、「間違い探し」の対象が保留図柄80以外のものであってもよい。
例えば、図5に示すように、変動する識別図柄70(識別図柄群)の態様が変化する構成とすることが考えられる。識別図柄70の態様として、表示されたときの信頼度が異なる複数種の態様(色、形状、大きさ等が異なる複数種の態様)が設定されたものとする。そして、先の演出画像10が表示された第一状態から、後の演出画像30が表示された第三状態に変化することにより、当該識別図柄70の態様が、信頼度が高まる方向に変化するようにする(図5(a)(c)参照。当該図に示した例は、識別図柄70の大きさが大きくなることで、信頼度が高まったことが示されるものである)このようにしても、上記実施形態と同様の作用効果が奏されるものとなる。
図示しないが、保留図柄80や識別図柄70ではなく、背景画像60の態様が変化するような構成としてもよい。例えば、後の演出画像30において、先の演出画像10においては表示されていなかったキャラクタ等が表示されるような構成とする。当該キャラクタ等の表示は、信頼度が高まったこと示唆するいわゆるチャンスアップの表示であることが好ましい。
○第三具体例
上記実施形態では、画像変化演出は、第一状態から第二状態、第二状態から第三状態というように推移していくものであることを説明したが、図6に示すように、第一状態から第二状態への変化に留まり、第三状態に移行しないという態様が発生しうるようにしてもよい。具体的には、切替画像20に相当する画像が表示される第二状態(図6(b)参照)に遷移した後、後の演出画像30が表示される第三状態に遷移することなく、先の演出画像10が表示された状態(第一状態に相当する状態)に戻る(図6(c)参照)ような態様が発生しうるものとする。このようにすれば、第二状態(切替画像20の表示)というものが、第三状態に移行するか否かを示す分岐の演出となるような設定となる。なお、第三状態に遷移しないということは、当該第三状態にて後の演出画像30が表示された状態に遷移しないということであるが、第二状態にて表示される切替画像20を構成する後の演出画像30の一部は、第三状態に移行していれば表示されたであろう後の演出画像30の一部であるとみなすことができる。
第三状態に推移するということは、遊技者にとって喜ばしい事象(上記実施形態では信頼度が高まる方向に保留図柄80の態様が変化する事象)が発生するということであるから、第二状態にて当該喜ばしい事象が発生するか否かを「煽る」ような構成とすることで、演出の趣向性をさらに向上させることが可能となる。
○第四具体例
上記実施形態では、第二状態において表示される切替画像20は、先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部を含むものであることを説明したが、このような態様の画像でなくてもよい。先の演出画像10や後の演出画像30の一部を含まないような画像が、切替画像20として設定されていてもよい。つまり、切替画像20として、先の演出画像10や後の演出画像30と共通する部分を有さない専用の画像が設定され、当該画像により場面の切り替え(第一状態から第三状態への変化)が示される(図7(特に図7(b)参照))ようにしてもよい。
本例のような構成とすれば、第二状態にて先の演出画像10の一部や後の演出画像30の一部を含むような画像が表示されない、すなわち、先の演出画像10の全体が表示された状態から後の演出画像30の全体が表示された状態に一気に切替わることになるから、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分を見つけることが困難になる。つまり、「間違い探し」の難易度を高めることができるという利点がある。ただし、上記実施形態のように、切替画像20として先の演出画像10の一部と後の演出画像30の一部を含むような画像が表示されるようにすれば、先の演出画像10と後の演出画像30が関連した画像であるということ(「間違い探し」の対象であること)を分かりやすく示すことが可能であるという利点がある。
○第五具体例
第三状態に移行した後、すなわち後の演出画像30が表示された後、先の演出画像10と異なる態様の部分がどの部分であるかを示すことを遊技者に対して求める(「間違い探し」の解答を遊技者に求める)ような演出態様とする。例えば、後の演出画像30が表示された後、先の演出画像10と態様が異なる部分と、同じである部分を含む複数の選択肢を提示した上で、遊技機1に設けられた操作手段(押しボタンや十字キーなど、周知の操作手段を適用することができるため詳細な説明は省略する)により、態様が異なる部分がいずれであるのかを、当該選択肢のうちから選択させる演出とする(図8(a)参照)。
遊技者の解答が正解である場合(図8(b)参照)には、それにより演出上の特典(いわゆる出玉に直結するような特典ではない)が付与されるようにする。当該特典としては、対象の当否判定結果を示唆するような表示(示唆表示40)を行うことが考えられる。例えば、対象の当否判定結果が大当たりとなるか否かを踏まえ、「?」「チャンス」「激熱」(右にいくほど信頼度が高い)のいずれかを表示する(図8(c)参照)。このようにすることで、「間違い探し」に正解することで、対象の当否判定結果の信頼度を知ることができる。なお、対象の当否判定結果は、画像変化演出が実行されているときにおけるいわゆる当該変動に対応するものであってもよいし、当該演出が実行されているときには未だ当否判定結果を報知する演出(識別図柄70の変動)が開始されていないものに対応するものであってもよい。後者の場合には、「間違い探し」に正解することによって示される表示は、いわゆる先読み演出の一種として機能するということになるといえる。また、先の演出画像10と後の演出画像30の態様の異なる部分が、一つの保留図柄80の態様の変化によって生じるものとする場合には、示唆表示40は、当該態様が変化した保留図柄80に対応する当否判定結果の信頼度を示すものとするとよい(図8の場合には、「チャンス」の示唆表示40は、後の演出画像30において色彩が緑となった保留図柄80に対応する当否判定結果の信頼度を示す)。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を前提としたものを除き、演出用の表示装置を備えた遊技機であれば、回動式遊技機等の異なる遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1
先の演出画像が表示手段の表示領域に表示される第一状態と、
当該第一状態の後、場面の切替わりを示すような切替画像が前記表示領域に表示される第二状態と、
当該第二状態の後、画像の一部分の態様が前記先の演出画像と異なり、それ以外の部分の態様が前記先の演出画像と同じである後の演出画像が前記表示領域に表示される第三状態と、
を含む画像変化演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、第一状態にて表示される先の演出画像と、第三状態にて表示される後の演出画像は、一部分のみが異なるというものであるため、いわゆる「間違い探し」のような演出を遊技者に提供することができ、遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
・手段2
前記先の演出画像と前記後の演出画像の態様が異なる部分は、態様が同じである部分に比して小さいことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
「間違い探し」のような演出態様を実現するため、先の演出画像と後の演出画像の態様が異なる部分は、態様が同じである部分に比して小さくすることが望ましい。
・手段3
前記切替画像は、前記先の演出画像の一部と前記後の演出画像の一部を含む画像であることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
第二状態にて表示される切替画像の態様を上記のようにすることで、同じような画像が表示される第一状態から第三状態への変化を分かりやすくすることが可能となる。
・手段4
前記切替画像は、前記先の演出画像の一部が前記表示領域の一方側に、前記後の演出画像の一部が前記表示領域の他方側に表示され、両演出画像が相対位置を維持しつつ一方側に変位して前記後の演出画像の大きさが次第に大きくなるように変化していくものであり、
前記先の演出画像と前記後の演出画像の態様が異なる部分は、前記後の演出画像の他方側に設定されることを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、切替画像が表示されてから比較的早い時点で、後の演出画像における先の演出画像と態様が異なる部分が遊技者に視認可能となってしまうことで、演出の趣向性が低下してしまうのを抑制することが可能である。
・手段5
前記表示領域には、対応する当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報の存在を示す保留図柄が表示され、
前記画像変化演出として、前記保留図柄の態様が変化し、対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が高まったことが示唆される演出が発生しうることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このように、保留図柄の態様の変化(信頼度上昇)を、先の演出画像と後の演出画像の相違点として設定することで、演出の趣向性を向上させることが可能となる。
・手段6
前記画像変化演出として発生する前記保留図柄の態様の変化は、その形状が変化せずに、色彩が変化するものであることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
このようにすることで、先の演出画像と後の演出画像の違いが気付きにくくなる(保留図柄の形状を変化させた場合に比して気づきにくくなる)ため、演出の趣向性を向上させることが可能となる。