JP2019021774A - バリウムシリサイド太陽電池およびバリウムシリサイド太陽電池の製造方法 - Google Patents

バリウムシリサイド太陽電池およびバリウムシリサイド太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 内部量子効率が改善されたバリウムシリサイド太陽電池およびその製造方法を提供する。【解決手段】 発電層としてバリウムシリサイド層を具備するバリウムシリサイド太陽電池において、前記バリウムシリサイド層の厚さは0.01μm以上2μm以下であり、バリウムシリサイド層は組成式BaSi2+x、−0.2≦x≦+0.2の範囲を満たすことを特徴とする。また、前記バリウムシリサイド層を深さ方向に対し1/3、1/2、2/3入った箇所の組成式の平均値をとったときxは−0.2以上−0.005以下または+0.005以上+0.2以下であることが好ましい。【選択図】 図1

Description

後述する実施形態は、バリウムシリサイド太陽電池およびバリウムシリサイド太陽電池の製造方法に関する。
太陽光を利用した太陽電池はクリーンな電気エネルギーとして注目を集めている。太陽電池としては、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を使ったものが発電効率が優れていることから主に使われている。また、コストダウンのためにシリコン基板を薄膜化した薄膜状アモルファスシリコンを使うことも検討されている。また、これらシリコン系以外の太陽電池としては、ガリウム、砒素、リン、ゲルマニウム、インジウムなどを使った
化合物半導体系の太陽電池も知られている。これまでの太陽電池は、太陽光を受けるシリコン基板の大型化や、化合物の合成プロセスの煩雑さから、コストが高く、思うように普及が進まないといった問題があった。
例えば、国際公開番号WO2014/171146号公報(特許文献1)では多結晶金属シリサイド層の膜厚に対し、結晶粒径を大きくすることが示されている。特許文献1では、これにより、発電効率を向上させている。
国際公開番号WO2014/171146号公報
結晶粒径を大きくすることにより、発電効率は向上する。その一方で、発電効率の向上には限界があった。特に、バリウムシリサイド層を具備した太陽電池の性能向上には限界があった。その原因を追究したところ、バリウムシリサイド層中の組成ばらつきが大きいことに原因があった。本発明が解決しようとする課題は、組成ばらつきが抑制されたバリウムシリサイド層を具備する太陽電池を提供するためのものである。
実施形態にかかるバリウムシリサイド太陽電池は、発電層としてバリウムシリサイド層を具備するバリウムシリサイド太陽電池において、前記バリウムシリサイド層の厚さは0.01μm以上2μm以下であり、バリウムシリサイド層は組成式BaSi2+x、−0.2≦x≦+0.2の範囲を満たすことを特徴とするものである。
実施形態に係るバリウムシリサイド太陽電池を例示する断面図。 バリウムシリサイド層の測定箇所を例示するための断面図。 バリウムシリサイド層の測定箇所を例示するための上面図。 実施形態に係るPN接合構造を具備するバリウムシリサイド太陽電池を例示する断面図。
実施形態にかかるバリウムシリサイド太陽電池は、発電層としてバリウムシリサイド層を具備するバリウムシリサイド太陽電池において、前記バリウムシリサイド層の厚さは0.01μm以上2μm以下であり、バリウムシリサイド層は組成式BaSi2+x、−0.2≦x≦+0.2の範囲を満たすことを特徴とするものである。
図1にバリウムシリサイド太陽電池の断面図を例示した。図中、1はバリウムシリサイド太陽電池、2はバリウムシリサイド層、3は基板、4は裏面側電極、5は実装基板、6は表面側電極、である。
まず、バリウムシリサイド層は厚さtが0.01μm以上2μm以下である。厚さtが0.01μm未満ではバリウムシリサイド層が薄いため起電力が小さくなる。一方、厚さtが2μmを越えて厚いと、組成ばらつきが抑制された膜を形成することが困難となる。このため、バリウムシリサイド層の厚さtは0.01μm以上2μm以下、さらには0.1μm以上1μm以下が好ましい。
また、バリウムシリサイド層は組成式BaSi2+x、−0.2≦x≦+0.2の範囲を満たすことを特徴とするものである。バリウムシリサイド層の組成はRBS分析により行う。
RBS分析とはラザフォード後方散乱分光法(Rutherford Backscattering Spectrometry)のことである。RBS法は、試料にイオンビームを照射し、ラザフォード散乱によって後方に散乱されてくるイオンのエネルギーおよび強度を測定する方法である。RBS分析は、非破壊で、試料の深さ方向の組成分析を行うことが出来る。
また、バリウムシリサイド層の厚さtに対し、深さ方向に(1/3)t、(1/2)t、(2/3)t、入った箇所の組成分析を行う。(1/3)tを測定点A、(1/2)tを測定点B、(2/3)tを測定点C、とする。測定点A、B、Cのいずれもが−0.2≦x≦+0.2を満たしている。つまり、BaSi1.8〜2.2の範囲内になっている。バリウムシリサイドの理論値は原子比でBa:Si=1:2である。BaとSiの原子比が部分的にずれが生じるとSiの点欠陥が生じやすい。Si点欠陥はキャリア密度や伝導型の変化へとつながるためである。このため、−0.2≦x≦+0.2の範囲、つまりはBaSi1.8〜2.2の範囲内になっていることが必要である。バリウムシリサイド層を深さ方向に入った個所で測定しても、いずれも−0.2≦x≦+0.2の範囲にすることによりSi点欠陥の悪影響を防ぐことができる。
図2に深さ方向の測定点A、B、Cの概念図を示した。深さ方向に組成ずれを抑制することが重要である。また、図3に示したように、バリウムシリサイド層を上から見たときの中心線上の任意の3点を深さ方向に測定することが好ましい。中心線上の任意の3か所にて、それぞれ測定点A,B,Cでの組成を測定するものとする。これにより、測定個所は9個所となる。この測定個所9点の平均値をとったとき、xは−0.2以上−0.005以下または+0.005以上+0.2以下であることが好ましい。xがこの範囲であるということは、BaSi1.8〜1.995またはBaSi2.005〜2.2の範囲内であることを示す。これは実質的にx≠0.00であることを示す。理論値であるBa:Si=1:2をわずかにずれている方が好ましいのである。前述のように、BaとSiの組成ずれはSi点欠陥を生じる。バリウムシリサイド層中の極僅かな組成ずれは、むしろバリウムシリサイド層中の未接合手を終端されるためであると考えられる。これにより、少数キャリア寿命を0.1μsから10μs程度まで向上させることができる。
また、前記バリウムシリサイド層中のSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、の合計が1×1019atom/cm以下であることが好ましい。SrやCaはBaから分離し難い元素である。スパッタリングによりBaSi膜を形成する場合、BaSiスパッタリングターゲットを用いていた。BaSiスパッタリングターゲット中にSrやCaが混入されていると、スパッタ工程でSrやCaが多く混合したBaSi膜が形成されていた。SrやCaが混入しているとバリウムシリサイド層中のx値の制御が困難となる。このため、後述するようにMBE法や真空蒸着などで成膜することが有効である。
また、前記バリウムシリサイド層を搭載する基板3がSi基板であることが好ましい。基板3はSi(シリコン)基板、ガラス基板など様々なものが適用できる。一方、バリウムシリサイド層2の組成ずれを制御するためにはSi基板が有効である。Si基板はSi(111)が好ましい。また、20Ωcm以下(キャリア密度1×1015cm−3以上)のものであることが好ましい。Si(111)基板3はバリウムシリサイド層2との接合界面でトンネル接合を形成する。これにより、電気が取り出しやすくなる。
また、発電層はPN接合型であることが好ましい。図4にPN接合型のバリウムシリサイド太陽電池の一例を示した。図中、10はバリウムシリサイド太陽電池、2−1はP型層、2−2はN型層、3は基板、4は裏面側電極、5は実装基板、6は表面側電極、である。図4ではP型層2−1、N型層2−2の順で積層した構造を示したが、P型層とN型層の順番は逆になってもよい。
また、P型層とN型層の少なくとも一方がバリウムシリサイド層であるものとする。PN接合型構造においても、x値が前記範囲を満たすものとする。つまり、深さ方向の測定点A,B,Cのx値は−0.2〜+0.2の範囲内となる。また、測定点9か所の平均値をxは−0.2以上−0.005以下または+0.005以上+0.2以下となることが好ましい。P型層およびN型層の両方がバリウムシリサイド層であった場合は、どちらの層もx値は前期条件を満たすものとする。
また、P型層とN型層のどちらか一方のみがバリウムシリサイド層であった場合、他材料のヘテロ型、タンデム型が挙げられる。また、PN接合型バリウムシリサイド層とPN接合型Si層のタンデム構造も有効である。
いずれの場合であっても、バリウムシリサイド層2の厚さtは0.01μm以上2μm以下となる。PN接合型バリウムシリサイド層であっても、合計厚さは0.01μm以上2μmとなる。つまり、発電層の中でバリウムシリサイド層の厚さが0.01μm以上2μmとなる。
また、バリウムシリサイド層2は多結晶であることが好ましい。また、膜厚tよりも平均結晶粒径が大きいことが好ましい。
また、裏面側電極4は導電性を有する材料であればよい。材料としては、Pt(白金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)などの金属材料が好ましい。また、表面側電極6は透光性のある材料であればよい。材料としては、ITO、IZO、GZO、FTOなどの透明電極を用いることが好ましい。
また、実装基板5は、ガラス基板、セラミックス基板、絶縁層を設けた金属基板などが挙げられる。
以上のようなバリウムシリサイド層は大きな組成ずれを無くしている。その上で平均値を理論値からわずかにずらした組成となっている。これにより、バリウムシリサイド層の内部量子効率を向上させることができる。具体的には、450nmから750nmまでの内部量子効率を75%以上とすることができる。バリウムシリサイドは950nm以下に高い吸収効果を持っている。幅広い波長域で内部量子効率を向上させることは発電効率の向上につながる。
なお、内部量子効率の測定方法は、分光感度Q(λ)を測定して計算により求めるものとする。分光感度Q(λ)の測定は、外部印加電圧無し(0V)、測定温度25℃、測定波長間隔10nm、測定点ごとの待ち時間1秒(sec)、測定開始波長は1200nm、測定終了波長は300nmとする。
分光感度Q(λ)=A(λ)/W(λ)。ここで、A(λ)は出力電流(A)、W(λ)は照射強度(W)を示す。また、内部量子効率I(λ)は、I(λ)= 100×Q(λ)/E(λ)にて求めるものとする。ここでE(λ)(eV)は波長λ(nm)のエネルギー換算値である。また、E(λ)=(c×h)/(λ×10−9)、ここでcは光速(m/sec)、hはプランク定数(eV・sec)で表される。
また、発電効率は下記の式から計算される。
発電効率(%)=100×(光子‐キャリア変換効率)×(内部量子効率)×(電圧効率)×(光取出し効率)×FF。
ここで、光子‐キャリア変換効率は、太陽光から入射した光子のうち、発光層の材料のバンドギャップ相当の波長より長波長の光子は吸収できないこと、また熱エネルギーにより一部のエネルギーが損失することを考慮した効率である。内部量子効率は、発生したキャリアに対して、電流として取出せたキャリアの割合を表す。電圧効率は、qVoc/Egで表され(q:電荷素量、Voc:太陽電池の開放電圧、Eg:発光層材料のバンドギャップ)、バンドギャップに対する、太陽電池で得られた電圧の割合を示す。また、光取出し効率には、素子構造や電極、発光層の材料等に起因する反射や光遮断、光透過による光損失が考慮される。FFはフィルファクターであり、発光層や電極などの膜内や界面の品質に影響する。
上記のように内部量子効率の向上は発電効率の向上につながる。また、内部量子効率の良い高品質なバリウムシリサイド層を得ることは、膜内でのキャリアの再結合を減らすことができる。これにより、励起したキャリアによって生じる太陽電池の電圧やFFの向上にも繋がる。
次に、バリウムシリサイド太陽電池の製造方法について説明する。実施形態にかかるバリウムシリサイド太陽電池は上記構成を有していれば、その製造方法については特に限定されるものではないが歩留まり良く得るための方法として次の方法がある。
まず、実装基板5を用意する。実装基板はガラス基板、セラミックス基板、絶縁層を設けた金属基板などが挙げられる。
次に、実装基板5の表面上に裏面側電極4を設けるものとする。裏面側電極は、Pt(白金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)などの金属材料が好ましい。金属材料をスパッタリング法などにより成膜する。予め、パターン形状に成膜してもよいし、ベタ膜をエッチング加工してもよい。
次に、基板3を配置する。基板3はSi(シリコン)基板やガラス基板などを用いる。また、Si基板、さらにはSi(111)基板を用いることが好ましい。シリコン単結晶の結晶面はミラー指数によって指定される。ミラー指数が(111)となる格子面に沿って切断した切断面がSi(111)面となる。Si(111)面上にバリウムシリサイド層を設けた方が良好なトンネル接合を形成することができる。Siにおいては(100)面や(001)面などがある。基板3の厚さは0.1〜100μm程度のものが好ましい。
次に、基板3上にバリウムシリサイド層を形成する。バリウムシリサイド層は真空蒸着法を用いることが好ましい。特に、MBE法を用いることが好ましい。
真空蒸着法は、真空中で蒸着源を加熱蒸発させて基材上に成膜する技術である。真空度を10−3Pa以下の真空中にすることにより、吸蔵不純物による影響を低減することができる。また、蒸着源の加熱蒸発を利用することから、共蒸着法も使うことが出来る。共蒸着とは2つ以上の蒸着源を用いた方法である。例えば、バリウムとシリコンの2つの蒸着源を用意する。それぞれ加熱蒸発させて、反応させながら成膜させることができる。 これにより、バリウムとシリコンの微妙な組成ずれを制御することができる。また、バリウム単体またはシリコン単体の蒸着源を用いることができるので、高純度化した蒸着源を用いることが出来る。例えば、BaSiスパッタリングターゲットは純度99.5%程度が限界といわれている。これは、BaとSiの原子比を1:2を維持したままバルク化するのが困難なためである。それに対し、Ba単体およびSi単体であれば99.99%程度まで高純度化できる。これにより、分離困難であったSrおよびCaの量を低減することもできる。
また、真空蒸着法の中ではMBE法が好ましい。MBE法は分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy;MBE)のことである。MBE法は、高真空中で導いた原子(または分子)のビームを制御しながら、下地結晶表面に、下地と一定の方位関係を持った結晶を成長させる成膜技術である。下地結晶としてSi(111)基板を使ったときに特に有効な成膜技術である。また、真空度は10−7Pa以下の高真空であることが好ましい。真空度を上げることにより、不純物の影響を低減することができる。また、Ba単体およびSi単体の蒸着源を用いることも出来る。このため、BaとSiのそれぞれの蒸着量を制御しながら成膜することができる。また、真空度を10−9〜10−7Paにすることにより不純物が混入するのを防ぐことが出来る。
また、MBE法は、高真空中で成膜レートを遅く出来る。このため、BaとSiの組成ずれを制御した膜を形成することが出来る。
また、Si(111)基板を使うとき、基板を400〜750℃程度に加熱しながら、Baのみを堆積させる。これにより、バリウムシリサイドのテンプレート層を形成させることができる。その後、基板を加熱しながら、BaとSiを同時に堆積させることが好ましい。また、基板加熱温度を500〜600℃にすることにより、BaとSiの反応を均一化することができる。これにより、組成ずれを制御することが出来る。
また、真空蒸着やMBE法は蒸着源を加熱蒸発させる手法であるため、蒸着源をバルク状にする必要がない。このため、バルク化が困難なBaを蒸着源とすることができる。この点からも、バリウムシリサイド層の形成に有効な方法である。
また、PN接合型の場合は、必要な不純物をドープするものとする。また、バリウムシリサイド以外のものでPN接合する場合は、必要な層を設けてからバリウムシリサイド層を形成するものとする。
また、バリウムシリサイド層を形成後、必要に応じ、熱処理を加えて平均結晶粒径を膜厚より大きくしてもよいものとする。
バリウムシリサイド層上に表面側電極を設ける工程を行うものとする。表面側電極は、透明電極であることが好ましい。表面側から光を受光して発電する。表面側電極を透明電極とすることにより、光がバリウムシリサイド層全面で受光できるようにすることができる。
また、必要に応じ、封止処理を行うものとする。
(実施例)
(実施例1〜4、比較例1)
実装基板上に裏面電極を形成し、その上に基板を配置した。基板としてSi(111)基板を用意した。その上に、MBE法によりBaとSiの組成比を変えたバリウムシリサイド層を形成したものを実施例とした。実施例は、Ba単体蒸着源(純度99.99%)およびSi単体蒸着源(純度99.99%)のものを用いた。
また、ドープする不純物を変えることによりPN接合構造とした。また、実施例3はN型層をN型Siで形成した。
比較例1は、BaSi2スパッタリングターゲット(純度99.5%)を用いてスパッタリングにより成膜したものである。
また、バリウムシリサイド層上に透明電極(表面側電極)を形成した。これにより、実施例および比較例に係るバリウムシリサイド太陽電池を作製した。
バリウムシリサイド層に対して、深さ方向のBaとSiの組成比を求めた。組成比の分析はRBS分析により行った。RBS分析は6MVタンデム加速器を用いて、He(1.6MeV)により行った。
まず、バリウムシリサイド層の厚さtの深さ方向において、(1/3)t、(1/2)t、(2/3)tのBaとSiの組成比(atom%)を求めた。この作業を任意の3箇所について行った(1試料につき測定点は9箇所)。これをBaSi2+xに換算したときのx値の上限値、下限値、平均値を示した。この作業を任意の3箇所について行った。
また、バリウムシリサイド層中のSrおよびCaの含有量の分析をICP−massにより行った。その結果を表1示す。
表から分かる通り、実施例に係るバリウムシリサイド太陽電池はBaSi2+xのx値が−0.2〜+0.2の範囲内であった。それに対し、比較例1は部分的な組成ずれが大きくx=−0.28となる箇所があった。
次に、実施例および比較例に係るバリウムシリサイド太陽電池の内部量子効率を求めた。室温25℃にて、分光感度Q(λ)の測定を行った。分光感度Q(λ)の測定は分光計器株式会社製SM−1700AおよびRU−60Nを用いた。測定は、測定波長間隔10nm、測定点ごとの待ち時間1秒(sec)、測定開始波長は1200nm、測定終了波長は300nmとした。得られた分光感度Q(λ)から波長450〜750nmの内部量子効率を求めた。その結果の上限値と下限値を示した。その結果を表2に示す。
表から分かる通り、実施例に係るバリウムシリサイド太陽電池は波長450〜750nmの内部量子効率が75%以上であった。幅広い波長域での内部量子効率の向上は太陽電池としての発電効率向上につながるものである。
それに対し、比較例は組成ばらつきが大きいため、内部量子効率の改善効果は見られなかった。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1、10…バリウムシリサイド太陽電池
2…バリウムシリサイド層
2−1:P型バリウムシリサイド層(またはN型バリウムシリサイド層)
2−2:N型バリウムシリサイド層(またはP型バリウムシリサイド層)
3…基板
4…裏面側電極
5…実装基板
6…表面側電極



Claims (7)

  1. 発電層としてバリウムシリサイド層を具備するバリウムシリサイド太陽電池において、
    前記バリウムシリサイド層の厚さは0.01μm以上2μm以下であり、バリウムシリサイド層は組成式BaSi2+x、−0.2≦x≦+0.2の範囲を満たすことを特徴とするバリウムシリサイド太陽電池。
  2. 前記バリウムシリサイド層を深さ方向に対し1/3、1/2、2/3入った箇所の組成式の平均値をとったときxは−0.2以上−0.005以下または+0.005以上+0.2以下であることを特徴とする請求項1記載のバリウムシリサイド太陽電池。
  3. 前記バリウムシリサイド層の厚さが0.1μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のバリウムシリサイド太陽電池。
  4. 前記バリウムシリサイド層中のSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、の合計が
    1×1019atom/cm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバリウムシリサイド太陽電池。
  5. 前記バリウムシリサイド層を搭載する基板がSi基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のバリウムシリサイド太陽電池。
  6. 前記発電層はPN接合型であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のバリウムシリサイド太陽電池。
  7. 前記バリウムシリサイド層をMBE法、真空蒸着法のいずれかにより形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のバリウムシリサイド太陽電池の製造方法。


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