以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る搬送装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えばリチウムイオン二次電池といった非水電解質二次電池として構成されている。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムFが配置されており、当該絶縁フィルムFによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。電極組立体3の下端は、絶縁フィルムFを介してケース2の内側の底面に接触している。電極組立体3とケース2との間にスペーサSを配置することにより、電極組立体3とケース2との間の隙間が埋められている。スペーサSは、一枚又は複数枚のシートを備えており、当該シートの枚数は電極組立体3の厚さによって変化し得る。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11(電極)として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、シート状の電極であり、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10の長手方向の側縁近傍において、セパレータ10を突き抜けている。タブ14bは、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上、タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム又は硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、シート状の電極であり、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上、タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物又はホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、電極積層体を形成する。その後、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを、導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを、導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
(第1実施形態)
図3を参照して、第1実施形態に係る搬送装置を備える製造設備を説明する。図3は、第1実施形態に係る搬送装置を備える製造設備を示す平面図である。なお、説明の便宜のため、以降の図面には、XYZ直交座標系が示される。すなわち、セパレータ付き正極11及び負極9が後述の積層治具52に導入される方向をX軸、鉛直方向をZ軸、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸として設定する。X軸及びY軸によって規定されるXY平面は、水平面である。
図3に示されるように、製造設備20は、複数のラインにおいて、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層することによって電極積層体21を形成し、電極積層体21を後工程に搬送する。本実施形態では、2つのラインで電極積層体21が形成される。製造設備20は、電極積層装置30A(第1電極積層装置)と、電極積層装置30B(第2電極積層装置)と、搬送装置50と、を備える。なお、電極積層装置30Aと電極積層装置30Bとは、同様の構成を有しているので、ここでは、電極積層装置30Bの説明を行う。
図4〜図6を更に参照して、電極積層装置30Bを説明する。図4は、図3に示された電極積層装置を示す側面図(一部断面を含む)である。図5の(a)、(b)は、図3に示された仕切板及び位置決めプッシャの構成を示す平面図である。図6は、図3に示された仕切板の構成を示す側面図である。
図4に示される電極積層装置30Bは、後述の積層治具52にセパレータ付き正極11と負極9とをZ軸方向(上下方向、第1方向)に沿って交互に積層することによって電極積層体21を形成する装置である。電極積層装置30Bは、正極搬送ユニット31と、負極搬送ユニット32と、正極供給用コンベア33と、負極供給用コンベア34と、押出ユニット35と、押出ユニット36と、積層補助ユニット38と、コントローラ39と、を備えている。また、電極積層装置30Bは、電極供給センサ301,302と、積層位置センサ303,304とを備えている。
正極搬送ユニット31は、セパレータ付き正極11を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット31は、Z軸方向に沿って延びるループ状の循環部材311と、循環部材311の外周面に取り付けられ、セパレータ付き正極11を支持する複数の支持部材312と、循環部材311を駆動する駆動部313と、を有している。
循環部材311は、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材311は、Z軸方向に沿って離間して配置され、Z軸方向に延びる循環用フレームに支持された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材311が回転(周回)することで、各支持部材312が循環移動する。また、循環用フレームは、床面に固定された支持フレームに対し、Z軸方向に摺動可能に取付けられており、これにより、循環部材311は、2つのローラと共にZ軸方向に沿って移動可能である。なお、循環部材311とローラとの位相のずれを防止するためには、循環部材311を歯付きのベルトとし、ローラをプーリとしてもよい。
支持部材312は、底壁と、一対の側壁とを有する断面U字状の部材である。底壁は、循環部材311の外周面に取り付けられる矩形板状部材である。一対の側壁は、循環部材311が循環する方向における底壁の両縁部に立設された板状部材である。本実施形態では一例として、側壁は、二股状に形成されている。ただし、側壁の形状は、セパレータ付き正極11を支持可能な形状であれば何でもよい。一対の側壁は、互いに対向しており、セパレータ付き正極11を収容可能な程度に離間している。底壁及び側壁は、例えばステンレス鋼等の金属により一体的に形成されている。なお、支持部材312は、セパレータ付き正極11が支持される内側が断面U字状であればよく、例えば、2部材により形成されていてもよい。
底壁の内側表面には、スポンジ等の緩衝材が配置されている。正極供給用コンベア33から支持部材312に供給されるセパレータ付き正極11は、正極供給用コンベア33の搬送速度が高速である場合、緩衝材に衝突することになるが、緩衝材によって衝突の衝撃が緩和される。すなわち、緩衝材は、支持部材312がセパレータ付き正極11を受け取る際におけるセパレータ付き正極11への衝撃を緩和する衝撃緩和部として機能する。その結果、セパレータ付き正極11が支持部材312に供給される際において、セパレータ付き正極11の正極活物質層15の剥離を抑制することができる。
駆動部313は、循環部材311を回転させると共に、循環部材311をZ軸方向に沿って移動させる。駆動部313は、循環部材311をY軸方向の電極積層装置30Aとは反対側から見て時計回りに回転させる。従って、正極供給用コンベア33側の支持部材312は循環部材311に対して上昇し、積層治具52側の支持部材312は循環部材311に対して下降する。駆動部313は、特に図示はしないが、ローラを回転させることで循環部材311を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材311をZ軸方向に沿って移動させる昇降用モータとを有する構造としてもよい。
負極搬送ユニット32は、負極9を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット32は、Z軸方向に沿って延びるループ状の循環部材321と、循環部材321の外周面に取り付けられ、負極9を支持する複数の支持部材322と、循環部材321を駆動する駆動部323と、を有している。支持部材322の構成は、支持部材312と同様である。
循環部材321は、上記の循環部材311と同様に、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材321は、Z軸方向に沿って離間して配置され、Z軸方向に延びる循環用フレームに支持された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材321が回転(周回)することで、各支持部材322が循環移動する。また、循環用フレームは、床面に固定された支持フレームに対し、Z軸方向に摺動可能に取付けられており、これにより、循環部材321は、2つのローラと共にZ軸方向に沿って移動可能である。なお、循環部材321とローラとの位相のずれを防止するためには、循環部材321を歯付きのベルトとし、ローラをプーリとしてもよい。
駆動部323は、循環部材321を回転させると共に、循環部材321をZ軸方向に沿って移動させる。駆動部323は、循環部材321をY軸方向の電極積層装置30Aとは反対側から見て反時計回りに回転させる。従って、負極供給用コンベア34側の支持部材322は循環部材321に対して上昇し、積層治具52側の支持部材322は循環部材321に対して下降する。ここで、負極搬送ユニット32の循環部材の支持構造及び駆動機構の構成は、正極搬送ユニット31と同様の構成を採用することができる。なお、例えば、駆動部323は、特に図示はしないが、駆動部313と同様に、ローラを回転させることで循環部材321を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材321をZ軸方向に沿って移動させる昇降用モータとを有する構造としてもよい。
正極供給用コンベア33は、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット31に向けてX軸方向(例えば水平方向)に沿って搬送し、正極搬送ユニット31の支持部材312にセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア33は、正極供給用コンベア33の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部33aを有する。爪部33aは、上記循環方向に直交する方向に延び、セパレータ付き正極11の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、セパレータ付き正極11は、正極搬送ユニット31に対して一定の間隔で供給される。
なお、本実施形態では、上流工程において、電極母材から幅方向に2つの電極が切り出される、いわゆる2条取りによって、正極8が製造され、各正極8の向きを変えることなく、セパレータ付き正極11が製造され、電極積層装置30A,30Bに供給される。このため、電極積層装置30Aの正極供給用コンベア33に供給されるセパレータ付き正極11のタブ14bと、電極積層装置30Bの正極供給用コンベア33に供給されるセパレータ付き正極11のタブ14bとは、互いに反対方向に突出している。
負極供給用コンベア34は、負極9を負極搬送ユニット32に向けてX軸方向(水平方向)に沿って搬送し、負極搬送ユニット32の支持部材322に負極9を供給する。負極供給用コンベア34は、負極供給用コンベア34の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部34aを有する。爪部34aは、上記循環方向に直交する方向に延び、負極9の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、負極9は、負極搬送ユニット32に対して一定の間隔で供給される。
なお、本実施形態では、上流工程において、電極母材から幅方向に2つの電極が切り出される、いわゆる2条取りによって、負極9が製造され、各負極9の向きを変えることなく、電極積層装置30A,30Bに供給される。このため、電極積層装置30Aの負極供給用コンベア34に供給される負極9のタブ16bと、電極積層装置30Bの負極供給用コンベア34に供給される負極9のタブ16bとは、互いに反対方向に突出している。
正極供給用コンベア33から正極搬送ユニット31の支持部材312に移載されたセパレータ付き正極11は、循環部材311の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材311の上部においてセパレータ付き正極11の表裏が反転するとともに、支持部材312の基端(根本)側で位置決めされる。負極供給用コンベア34から負極搬送ユニット32の支持部材322に移載された負極9は、循環部材321の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材321の上部において負極9の表裏が反転する。
押出ユニット35は、複数(ここでは6つ)のセパレータ付き正極11を上下複数段(ここでは上下6段)の積層部材523(図8参照)に向けて同時に押し出すことにより、6つのセパレータ付き正極11を6段の積層部材523に同時に積層する。押出ユニット35は、6つのセパレータ付き正極11を一緒に押す1対の押出部材351と、押出部材351を6段の積層部材523側に移動させる駆動部352とを有している。駆動部352は、例えばモータ及びリンク機構から構成されている。
正極搬送ユニット31と積層治具52との間には、Z軸方向に延びる壁部317が配置されている。壁部317には、押出ユニット35により押し出されたセパレータ付き正極11が通過する複数(ここでは6つ)のスリット318が設けられている。各スリット318は、Z軸方向に等間隔で配置されている。なお、本実施形態では一例として、スリット318の上側部分は、正極搬送ユニット31側から積層治具52側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット318の下側部分は、正極搬送ユニット31側から積層治具52側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、セパレータ付き正極11を積層部材523へと適切に案内するとともに、スリット318における入口側(正極搬送ユニット31側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット35により押し出されるセパレータ付き正極11の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット318にセパレータ付き正極11を通過させることが可能となる。押出ユニット35の駆動部352の位置は、壁部317に対し、相対的に固定されている。
押出ユニット36は、複数(ここでは6つ)の負極9を複数段(ここでは上下6段)の積層部材523に向けて同時に押し出すことにより、6つの負極9を6段の積層部材523に同時に積層する。押出ユニット36は、6つの負極9を一緒に押す1対の押出部材361と、押出部材361を6段の積層部材523側に移動させる駆動部362とを有している。駆動部362の構成は、押出ユニット35の駆動部352と同様である。なお、押出ユニット35,36の駆動部は、シリンダ等を有していてもよい。
負極搬送ユニット32と積層治具52との間には、Z軸方向に延びる壁部319が配置されている。壁部319には、押出ユニット36により押し出された負極9が通過する複数(ここでは6つ)のスリット320が設けられている。各スリット320の高さ位置は、各スリット318の高さ位置と同じである。なお、本実施形態では一例として、スリット320の上側部分は、負極搬送ユニット32側から積層治具52側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット320の下側部分は、負極搬送ユニット32側から積層治具52側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、負極9を積層部材523へと適切に案内するとともに、スリット320における入口側(負極搬送ユニット32側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット36により押し出される負極9の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット320に負極9を通過させることが可能となる。押出ユニット36の駆動部362の位置は、壁部319に対し、相対的に固定されている。
積層補助ユニット38は、セパレータ付き正極11及び負極9の積層を補助するユニットであり、具体的にはセパレータ付き正極11及び負極9の同時積層(同時押出し)を可能とする。積層補助ユニット38は、仕切板381と、仕切板382と、位置決めプッシャ383と、位置決めプッシャ384と、駆動部385〜387と、を備える。
仕切板381は、積層部材523の上方に配置され、導入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板381は、導入時におけるセパレータ付き正極11を上面381aに載置させ、負極9を下面381b側に導く。仕切板381は、Z軸方向において、導入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置される。
仕切板381は矩形状の形状を有する板状部材であり、X軸方向(導入方向)に対向する端部381c及び端部381dを備える。このような仕切板381の端部のうち、セパレータ付き正極11が導入される側の端部381cは、仕切板381の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、導入されたセパレータ付き正極11は、当該傾斜した端部381cに沿って仕切板381の上面381aに乗り上げる。また、負極9が導入される側の端部381dは、仕切板381の水平部分から、外側へ向かうに従って、上方へ傾斜している。これにより、導入された負極9は、当該傾斜した端部381dに沿って仕切板381の下面381b側に導かれる。なお、X軸方向における仕切板381の大きさは特に限定されないが、Z軸方向から見てセパレータ付き正極11のタブ14b及び負極9のタブ16bと重なる程度の寸法に設定されてよい。このように、タブ14b,16bを仕切ることができる寸法に仕切板381を設定することで、セパレータ付き正極11及び負極9がタブ14b,16b同士で干渉し合うことを防止することができる。仕切板381は、仕切板381をY軸方向において進退させるための駆動部385に接続される。
仕切板382は、積層部材523の上方であって、且つ、仕切板381の下方に配置され、導入時における負極9を上面382aに載置する部材である。仕切板382は、Z軸方向において、導入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置され、仕切板381から少なくとも負極9の厚み分よりも下方へ離間している。
仕切板382は矩形状の形状を有する板状部材であり、X軸方向に対向する端部382c及び端部382dを備える。このような仕切板382の端部のうち、セパレータ付き正極11が導入される側の端部382cは、傾斜することなく、水平方向に広がっている。また、端部382cは、仕切板381の端部381cよりも、負極搬送ユニット32側に配置される。これにより、仕切板382の端部382cは、下方へ傾斜する仕切板381の端部381cと干渉することが回避される。また、負極9が導入される側の端部382dは、仕切板382の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、導入された負極9は、当該傾斜した端部382dに沿って仕切板382の上面382aへ導かれる。仕切板382は、仕切板382をY軸方向において進退させるための駆動部385に接続される。
駆動部385は、仕切板381,382をY軸方向において駆動する。従って、駆動部385は、積層部材523の上方に配置された仕切板381,382を、Y軸方向において積層治具52から離れる方向に移動することで、仕切板381,382を積層部材523から引き抜く(図5の(b)参照)。また、駆動部385は、引き抜いた仕切板381,382を、Y軸方向において積層治具52に向けて移動することで、再び積層部材523の上方に配置する(図5の(a)参照)。なお、仕切板381と仕切板382とは、同一の駆動部によって駆動されてよく、互いに異なる駆動部によって駆動されてもよい。
位置決めプッシャ383及び位置決めプッシャ384は、仕切板381に載置されたセパレータ付き正極11及び仕切板382に載置された負極9の、Y軸方向における位置決めを行う部材である。すなわち、位置決めプッシャ383及び位置決めプッシャ384は、当該積層部材523に積層される直前におけるセパレータ付き正極11及び負極9のY軸方向における位置決めを行うことができる。また、位置決めプッシャ383,384は、仕切板381,382を積層部材523から引き抜く際に、セパレータ付き正極11及び負極9を支持する。位置決めプッシャ383,384は、積層治具52の壁部521とは反対側に配置されているため、仕切板381に載置されたセパレータ付き正極11の上縁11a、及び仕切板382に載置された負極9の上縁9aと当接する。
位置決めプッシャ383は、X軸方向において、仕切板381,382よりも正極搬送ユニット31側に配置される。また、位置決めプッシャ383は、仕切板381に載置されたセパレータ付き正極11のタブ14bよりも正極搬送ユニット31側に配置される。従って、位置決めプッシャ383は、セパレータ付き正極11の上縁11aのうち、タブ14bよりも正極搬送ユニット31側の部分を押すことができる(図5の(b)参照)。位置決めプッシャ383は、セパレータ付き正極11の下縁11bを壁部521(図8参照)に当接させるように、上縁11aを押し込む。
位置決めプッシャ384は、X軸方向において、仕切板381,382よりも負極搬送ユニット32側に配置される。また、位置決めプッシャ384は、仕切板382に載置された負極9のタブ16bよりも負極搬送ユニット32側に配置される。従って、位置決めプッシャ384は、負極9の上縁9aのうち、タブ16bよりも負極搬送ユニット32側の部分を押すことができる(図5の(b)参照)。位置決めプッシャ384は、負極9の下縁9bを壁部521に当接させるように、上縁9aを押し込む。なお、位置決めプッシャ383,384は、Z軸方向に延びる棒状の形状を有している。従って、位置決めプッシャ383,384は、複数段の積層部材523における、それぞれのセパレータ付き正極11及び負極9の位置決めを行う。
位置決めプッシャ383は、当該位置決めプッシャ383をY軸方向において進退させるための駆動部386に接続される。位置決めプッシャ384は、当該位置決めプッシャ384をY軸方向において進退させるための駆動部387に接続される。駆動部386,387は、位置決めプッシャ383,384をY軸方向において駆動する。従って、駆動部386,387は、位置決めプッシャ383,384をY軸方向において積層治具52に向けて移動させることで、セパレータ付き正極11及び負極9と当接してY軸方向における位置決めをする(図5の(b)参照)。また、駆動部386,387は、セパレータ付き正極11及び負極9と当接した位置決めプッシャ383,384をY軸方向において積層治具52から離れるように移動させて元の位置に戻す(図5の(a)参照)。
電極積層装置30Bでは、積層補助ユニット38は、駆動部388及び駆動部389を更に備える。駆動部388は、位置決めプッシャ383をX軸方向において進退させる。駆動部388は、駆動部386に接続される。駆動部388は、位置決めプッシャ383及び駆動部386をX軸方向において駆動する。従って、駆動部388は、位置決めプッシャ383及び駆動部386をX軸方向に移動させることで、位置決めプッシャ383を位置決め動作可能な位置に配置する。また、駆動部388は、位置決めプッシャ383及び駆動部386をX軸方向に移動させることで、積層治具52の移動を妨げないように、位置決めプッシャ383及び駆動部386を退避させる。
駆動部389は、仕切板381,382及び位置決めプッシャ384をX軸方向において進退させる。駆動部389は、駆動部385及び駆動部387に接続される。駆動部389は、仕切板381,382、位置決めプッシャ384、及び駆動部385,387をX軸方向において駆動する。従って、駆動部389は、仕切板381,382、位置決めプッシャ384、及び駆動部385,387をX軸方向に移動させることで、仕切板381,382を仕切り動作可能な位置に配置するとともに、位置決めプッシャ384を位置決め動作可能な位置に配置する。また、駆動部389は、仕切板381,382、位置決めプッシャ384、及び駆動部385,387をX軸方向に移動させることで、積層治具52の移動を妨げないように、仕切板381,382、位置決めプッシャ384、及び駆動部385,387を退避させる。なお、電極積層装置30Aでは、積層補助ユニット38は、駆動部388及び駆動部389を備えていない。
コントローラ39は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ39は、電極積層装置30Bの各部を制御する。また、コントローラ39は、電極供給センサ301,302及び積層位置センサ303,304と接続されており、これらのセンサからの検知信号を受信可能となっている。コントローラ39は、各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、電極積層装置30Bの各部を制御する。
電極供給センサ301は、正極供給用コンベア33の正極搬送ユニット31側の端部付近に配置され、爪部33a又はセパレータ付き正極11の有無を検知する。電極供給センサ301は、爪部33a又はセパレータ付き正極11の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ39に送信する。
電極供給センサ302は、負極供給用コンベア34の負極搬送ユニット32側の端部付近に配置され、爪部34a又は負極9の有無を検知する。電極供給センサ302は、爪部34a又は負極9の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ39に送信する。
積層位置センサ303は、支持部材312に支持されたセパレータ付き正極11が予め定められた積層位置(例えば、積層治具52の最下段の積層部材523と挟持部材524との間に対応する位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ303は、循環部材311の上下動とは独立しており、例えば循環用フレームに取付けられることで、その高さ位置が固定されている。積層位置センサ303は、支持部材312に支持されたセパレータ付き正極11が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ39に送信する。
積層位置センサ304は、支持部材322に支持された負極9が予め定められた積層位置(例えば、積層治具52の最下段の積層部材523と挟持部材524との間に対応する位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ304は、循環部材321の上下動とは独立しており、例えば、循環用フレームに取付けられることで、その高さ位置が固定されている。積層位置センサ304は、支持部材322に支持された負極9が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ39に送信する。
続いて、図3、及び図7〜図11を参照して、搬送装置50を説明する。図7は、図3に示された搬送装置を示す側面図である。図8は、図3に示された積層治具を示す側面図である。図9は、図3に示された積層治具を示す平面図である。図10の(a)は、図8に示された挟持部材を示す斜視図であり、図10の(b)は、図8に示された積層部材を示す斜視図である。図11は、図3に示された積層治具を示す斜視図である。図12の(a)は、図3に示されたパレットを示す平面図であり、図12の(b)は、図3に示されたパレットを示す側面図である。
搬送装置50は、電極積層体21が形成された積層治具52を後工程に向けて搬送する装置である。搬送装置50は、搬送機構51と、複数(ここでは、2つ)の積層治具52と、搬出コンベア53と、コントローラ54と、を備える。
搬送機構51は、積層治具52を搬送する機構である。本実施形態では、搬送機構51は、電極積層装置30A,30Bによってセパレータ付き正極11及び負極9の積層が行われる積層位置P1からY軸方向(水平方向)に沿って積層治具52を搬送する。積層位置P1とは、積層治具52に対して電極積層装置30A,30Bがセパレータ付き正極11及び負極9を導入可能な位置であって、ここでは、正極搬送ユニット31と負極搬送ユニット32との間の位置である。
搬送機構51は、回転体511と、複数(ここでは、2本)のアーム部512と、複数(ここでは、2本)のアーム部513と、駆動部514〜516と、を備える。回転体511は、円柱状の部材である。回転体511は、Z軸方向に延びる中心軸511a周りに回転可能に構成されている。アーム部512は、回転体511の外周面から水平方向に延びている。アーム部512は、回転体511の外周面に対して進退可能に構成されている。アーム部512は、回転体511と共に中心軸511a周りに回転する。2本のアーム部512は、積層治具52を回転可能に支持する。一方のアーム部512の先端が積層治具52の回転軸52aの上端に接続され、他方のアーム部512の先端が積層治具52の回転軸52aの下端に接続されている。回転軸52aは、Z軸方向に沿って壁部521を貫通する。また、アーム部512は、Z軸方向に移動可能に構成されている。
アーム部513は、回転体511の外周面から水平方向に延びている。アーム部513は、回転体511を挟んでアーム部512とは反対方向に延びている。アーム部513は、回転体511の外周面に対して進退可能に構成されている。アーム部513は、回転体511と共に中心軸511a周りに回転する。2本のアーム部513は、積層治具52を回転可能に支持する。一方のアーム部513の先端が積層治具52の回転軸52aの上端に接続され、他方のアーム部513の先端が積層治具52の回転軸52aの下端に接続されている。また、アーム部513は、Z軸方向に移動可能に構成されている。
駆動部514は、回転体511を中心軸511a周りに回転させる。駆動部514は、例えば、モータである。駆動部515は、アーム部512を水平方向に往復運動させる。駆動部515は、例えば、シリンダである。駆動部516は、アーム部513を水平方向に往復運動させる。駆動部516は、例えば、シリンダである。
積層治具52は、電極積層装置30A,30Bによって形成される電極積層体21を保持するユニットである。電極積層装置30Aによって導入されるセパレータ付き正極11のタブ14bと、電極積層装置30Bによって導入されるセパレータ付き正極11のタブ14bとは、互いに反対方向に突出している。同様に、電極積層装置30Aによって導入される負極9のタブ16bと、電極積層装置30Bによって導入される負極9のタブ16bとは、互いに反対方向に突出している。積層治具52は、Z軸方向に沿って延びる回転軸52aを有し、回転軸52a周りに回転可能に構成されている。積層治具52は、積層部520A(第1積層部)と、積層部520B(第2積層部)と、壁部521と、を備えている。
壁部521は、Z軸方向に沿って延び、Y軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状部材である。壁部521は、積層部520Aと積層部520Bとを隔てている。壁部521には、積層部材523を壁部521に固定するための複数のねじ穴(不図示)が形成されている。
積層部520Aは、電極積層装置30Aによって形成される電極積層体21を保持する。積層部520Bは、電極積層装置30Bによって形成される電極積層体21を保持する。積層部520Aと積層部520Bとは、壁部521を介して互いに一体化されている。積層部520A,520Bは、複数の積層部材523と、複数の挟持部材524と、複数の弾性部材525と、を備えている。
複数の積層部材523のそれぞれには、Z軸方向に沿ってセパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層される。複数の積層部材523は、壁部521のY軸方向の両側においてZ軸方向に沿って配列されている。複数の積層部材523のそれぞれは、壁部521に固定されている。積層部材523は、積層部材523の固定に用いられる平板状の固定部523cと、セパレータ付き正極11及び負極9の積層に用いられる平板状の積層部523dと、によってX軸方向からみてL字板状に形成されている。固定部523c及び積層部523dは一体的に形成されている。
固定部523cは、Y軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状を呈している。固定部523cは、Y軸方向からみて四角形状を呈している。X軸方向における固定部523cの幅は、X軸方向における壁部521の幅と略同等である。X軸方向における固定部523cの両側面には、挟持部材524と係合する凸部523eが形成されている。凸部523eは、Z軸方向に沿って延びている。固定部523cには、積層部材523を壁部521に固定するための複数のねじ孔523fが形成されている。複数のねじ孔523fは、壁部521の複数のねじ穴に対応している。積層部材523は、例えば、壁部521のねじ穴及びねじ孔523fを介して、ねじ等によって壁部521に固定されている。積層部材523は、Z軸方向において同間隔で壁部521に固定されている。
積層部523dは、Z軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状を呈している。積層部523dは、Z軸方向からみて四角形状を呈している。X軸方向における積層部523dの両縁部には、Z軸方向に沿って積層部523dを貫通する切欠き523g(第1切欠き)が形成されている。つまり、積層部材523の外縁には、Z軸方向に沿って積層部材523を貫通する切欠き523gが形成されている。また、X軸方向における積層部523dの固定部523c側の縁部には、固定部523cの両側において、Z軸方向に沿って積層部523dを貫通する切欠き523hが形成されている。積層部523dは、セパレータ付き正極11及び負極9が積層される上面523aと、上面523aの反対側の下面523bと、を含んでいる。上面523a及び下面523bは、Z軸方向に交差(直交)している。
挟持部材524は、積層部材523に形成された電極積層体21をZ軸方向に沿って挟持するための部材である。複数の挟持部材524は、壁部521のY軸方向の両側においてZ軸方向に沿って配列されている。複数の挟持部材524のそれぞれは、対応する駆動部527に接続されている。複数の挟持部材524は、Z軸方向に沿って互いに独立して移動(スライド)可能である。挟持部材524は、Z軸方向に沿って延びる一対の平板状の延在部524cと、電極積層体21の挟持に用いられる挟持部524dと、によってX軸方向からみてL字板状に形成されている。延在部524c及び挟持部524dは一体的に形成されている。
延在部524cは、Y軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状を呈している。延在部524cは、X軸方向における固定部523cの両側に配置される。延在部524cは、X軸方向に沿って並んで配置されている。すなわち、延在部524cは、X軸方向からみて、固定部523cに重複している。X軸方向における延在部524cの内側の側面には、積層部材523の凸部523eと係合する凹部524eが形成されている。凹部524eは、Z軸方向に沿って延在部524cの全体にわたって延びている。延在部524cには、挟持部材524を駆動部527に接続するための複数のねじ孔524fが形成されている。挟持部材524は、ねじ孔524fを介して、例えば、ねじによって駆動部527に固定されている。挟持部材524が積層部材523に積層されたセパレータ付き正極11及び負極9(電極積層体21)を挟持した際には、Z軸方向に沿って互いに隣り合う挟持部材524のそれぞれの延在部524cは、互いに離間している。
挟持部524dは、Z軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状を呈している。挟持部524dは、Z軸方向からみて四角形状を呈している。X軸方向における挟持部524dの両縁部には、Z軸方向に沿って挟持部524dを貫通する切欠き524g(第2切欠き)が形成されている。つまり、挟持部材524の外縁には、Z軸方向に沿って挟持部材524を貫通する切欠き524gが形成されている。切欠き523g及び切欠き524gは、Z軸方向に沿って互いに重複している。ここでは、一例として、Z軸方向からみて、切欠き523gの全体が切欠き524gに含まれている。挟持部524dは、積層部523dの上面523aとの間において電極積層体21を挟持するための下面524aと、下面524aの反対側の上面524bと、を含んでいる。下面524a及び上面524bは、Z軸方向に交差(直交)している。
積層部材523と挟持部材524とは、Z軸方向に沿って互いに対向するように交互に配置されている。これにより、Z軸方向に沿って互いに隣り合う一対の積層部材523の上側の積層部材523と当該一対の積層部材523の間の挟持部材524とにおいて、下面523bと上面524bとが互いに対向する。また、Z軸方向に沿って互いに隣り合う一対の挟持部材524の上側の挟持部材524と当該一対の挟持部材524の間の積層部材523とにおいて、上面523aと下面524aとが互いに対向する。Z軸方向に沿って互いに隣り合う一対の挟持部材524の上側の挟持部材524と当該一対の挟持部材524の間の積層部材523とにおいて、挟持部材524の下面524aと、積層部材523に形成された電極積層体21の最上面との距離D1は、当該挟持部材524の延在部524cの底面と当該挟持部材524に隣り合う他の挟持部材524の上面524bとの距離D2よりも短い。これにより、複数組の積層部材523及び挟持部材524間において、電極積層体21の厚さにばらつきがある場合であっても、延在部524c同士が干渉することなく、電極積層体21が確実に挟持される。
積層部材523と挟持部材524とは、Z軸方向に沿って延びる凸部523e及び凹部524eによって互いに係合されている。したがって、積層部材523と挟持部材524とは、Z軸方向に沿って互いにスライド可能である。複数の駆動部527で、それぞれの挟持部材524をZ軸方向に移動することにより、積層部材523及び挟持部材524がZ軸方向において互いにスライドする。これにより、上面523aと下面524aとの間隔が拡大され、又は、積層部材523上に形成された電極積層体21を上面523aと下面524aとで挟み込む。
弾性部材525は、積層部材523及び挟持部材524のスライドに伴って弾性変形される。これにより、弾性部材525は、積層部材523に形成された電極積層体21を積層部材523との間において挟持部材524が挟持するように挟持部材524に弾性力を付与する。すなわち、挟持部材524は、弾性部材525の弾性力によって電極積層体21を挟持する。弾性部材525は、互いに対向する下面523b及び上面524bの間に配置されている。弾性部材525は、積層部材523に取り付けられた一端と、挟持部材524に取り付けられた他端と、を有している。
弾性部材525の他端は、上面524bに形成された穴524h内に配置されている。すなわち、弾性部材525の他端は、上面524bに取り付けられている。また、弾性部材525の一端は、下面523bに形成された穴(図示せず)内に配置されている。すなわち、弾性部材525の一端は、下面523bに取り付けられている。これにより、水平方向における弾性部材525の位置が定められている。なお、穴524hは、挟持部524dを貫通していない。また、下面523bに形成された穴は、積層部523dを貫通していない。ここでは、弾性部材525は、例えばコイルバネである。ただし、弾性部材525は、例えばゴム等であってもよい。弾性部材525は、互いに対向する複数組の下面523b及び上面524bの間において、4つずつ配置されている。弾性部材525は、互いに対向する下面523b及び上面524bの間の全体に亘って設けられてもよい。また、弾性部材525は、設けられなくてもよい。
搬出コンベア53は、電極積層体21を製造ラインの後工程に搬送する。本実施形態では、搬出コンベア53は、ベルトコンベア又はローラコンベアであり、複数のガイド付きパレット60を搬送する。
図12の(a)及び(b)に示されるように、ガイド付きパレット60は、載置台61と、複数のガイド部材62と、を備える。載置台61は、矩形板状部材である。載置台61の上面61aに電極積層体21が載置される。複数のガイド部材62は、電極積層体21の位置決めを行う部材であり、円柱の形状を有している。複数のガイド部材62のそれぞれは、載置台61の上面61aに立設され、上面61aに載置される電極積層体21の外周縁に沿うように配置される。電極積層体21は、ガイド部材62によって囲まれる領域内に載置されることで、位置決めされた状態で、後工程に搬出される。
コントローラ54は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ54は、搬送装置50の各部を制御する。コントローラ54は、ROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、搬送装置50の各部を制御する。
次に、図13〜図16を参照して、製造設備20の動作を説明する。図13〜図16は、図3に示された製造設備の動作を説明するための図である。
まず、図13に示されるように、積層開始時には、空の積層治具52が積層位置P1に配置される。具体的には、アーム部512に支持されている空の積層治具52が電極積層装置30A,30B側に配置されるように、回転体511が回転し、アーム部512が回転体511から離れる方向に伸びる。そして、アーム部512がZ軸方向に移動されることによって、積層部材523が押出ユニット35,36によって導入されるセパレータ付き正極11及び負極9を導入可能な高さに配置されて、積層治具52の位置が固定される。これにより、空の積層治具52が積層位置P1に配置される。そして、挟持部材524が上方に移動され、上面523aと下面524aとの間隔が拡大される。一方、下面523bと上面524bとの間隔が縮小され、弾性部材525が圧縮するように弾性変形する。
また、電極積層装置30Bの仕切板381,382が仕切り動作可能な位置に配置され、電極積層装置30Bの位置決めプッシャ383,384が、位置決め動作可能な位置に配置される。
続いて、積層動作が行われる。つまり、アーム部512に支持されている積層治具52の積層部520Aに電極積層装置30Aによって電極積層体21が形成され、アーム部512に支持されている積層治具52の積層部520Bに電極積層装置30Bによって電極積層体21が形成される。具体的には、正極搬送ユニット31及び負極搬送ユニット32により搬送された複数のセパレータ付き正極11及び負極9が、上面523aに交互に積層されるように、押出ユニット35,36によって上面523aと下面524aとの間に導入される。なお、アーム部512は、積層されたセパレータ付き正極11及び負極9により新しいセパレータ付き正極11及び負極9の導入が妨げられないように、壁部521を少しずつ下降することで、積層部材523を下降する。この際、弾性部材525は更に圧縮される。
続いて、セパレータ付き正極11及び負極9の積層が完了すると、挟持部材524の下面524aが積層部材523に形成された電極積層体21の上面に当接するまで、挟持部材524が下降される。これにより、積層部材523の上面523aに形成された電極積層体21は、弾性部材525の弾性力(復元力)によって、積層部材523と挟持部材524とによって挟持される。
続いて、搬送装置50による搬送動作が行われる。搬送動作は、電極積層体21が形成された積層治具52を搬出位置P2に配置するとともに、空の積層治具52を積層位置P1に配置する動作である。搬出位置P2とは、積層治具52に形成された電極積層体21を、搬出コンベア53に搬出可能な位置であって、ここでは、搬出コンベア53と隣り合う位置である。具体的には、まず、図14に示されるように、電極積層装置30Bの積層補助ユニット38が、積層治具52の搬送を妨げない位置に退避される。そして、アーム部512が回転体511に向かって縮み、積層治具52が積層位置P1からY軸方向に沿って回転体511側に移動される。続いて、図15に示されるように、回転体511が180度回転し、アーム部512が搬出コンベア53側、アーム部513が電極積層装置30A,30B側に配置される。このとき、アーム部512によって支持されている積層治具52は、搬出位置P2に位置する。そして、アーム部513が回転体511から離れる方向に伸びることによって、アーム部513によって支持されている空の積層治具52は、積層位置P1に配置される。
続いて、積層動作及び搬出動作が行われる。つまり、アーム部513によって支持されている積層治具52に電極積層体21が形成されるとともに、アーム部512によって支持されている積層治具52から電極積層体21が搬出される。積層動作については、上述と同様であるので、ここでは、搬出動作を具体的に説明する。
まず、積層部520Aに形成された電極積層体21が1つずつ搬出コンベア53に移載される。このとき、不図示のロボットハンド等の取出装置が、積層部材523の切欠き523g及び挟持部材524の切欠き524gを通じて電極積層体21を把持する。その後、取出装置に把持されている電極積層体21を挟持している挟持部材524が上昇され、積層部材523と挟持部材524とによる電極積層体21の挟持が解消される。このとき、他の電極積層体21は、積層部材523及び挟持部材524によって挟持されている。そして、取出装置は、電極積層体21を把持した状態で、搬出コンベア53の載置面53a上に配置されたガイド付きパレット60に電極積層体21を載置する。そして、取出装置は、次の電極積層体21を同様に取り出し、搬出コンベア53(ガイド付きパレット60)に移載する。
そして、積層部520Aに形成された全ての電極積層体21が搬出コンベア53に移載されると、図16に示されるように、積層治具52が回転軸52a周りに180度回転される。そして、積層部520Bに形成された電極積層体21が搬出コンベア53に移載される。なお、積層部520Aに形成された電極積層体21と比較して、積層部520Bに形成された電極積層体21は、1つずつ搬出コンベア53(ガイド付きパレット60)に移載される点では同様であるが、移載の途中で上下(表裏)を反転させる点において異なる。これは、積層部520Aに形成された電極積層体21と、積層部520Bに形成された電極積層体21とは、正極のタブ14b及び負極のタブ16bの位置が、積層直後では左右逆(X軸方向において逆)になることによる。以降、搬送動作と、積層動作及び搬出動作と、が繰り返される。
このように搬送装置50の搬送動作及び搬出動作によれば、電極積層体21の固定が解除されることなく、積層治具52が積層位置P1から搬出位置P2まで搬送され、積層治具52から電極積層体21が取出装置に受け渡されて、搬出コンベア53に移載される。このため、セパレータ付き正極11及び負極9(電極積層体21)の位置ずれが抑制される。
以上説明したように、搬送装置50では、電極積層装置30Aによって積層治具52の積層部520Aに電極積層体21が形成され、電極積層装置30Bによって積層治具52の積層部520Bに電極積層体21が形成される。そして、電極積層体21が形成された積層治具52が、搬送機構51によって後工程に向けて搬送される。積層部520Aと積層部520Bとが一体化されているので、電極積層装置30A,30Bごとに搬送機構を設ける必要がなく、電極積層装置30A,30Bに対して、搬送機構51を共通化することができる。その結果、搬送装置50の小型化が可能となる。
例えば、積層位置P1から鉛直方向上側に積層治具52を搬送した場合、電極(負極9)に付着している活物質粒子等の異物が電極積層装置30A,30Bに落下するおそれがある。これに対し、搬送機構51は、積層位置P1から水平方向に沿って積層治具52を搬送する。このため、異物は床面に落下するので、異物が電極積層装置30A,30Bに落下することを抑制することができ、電極積層体21に不良が生じる可能性を低減することが可能となる。
積層部520A,520Bに形成された電極積層体21は、積層部材523と挟持部材524とによってZ軸方向に沿って挟持される。このため、電極積層体21の位置ずれを抑制することが可能となる。
積層治具52は、Z軸方向に沿った回転軸52a周りに回転可能である。このため、積層部520A及び積層部520Bの一方に形成された電極積層体21を搬出した後、積層治具52を回転軸52a周りに回転させることで、積層部520A及び積層部520Bの他方に形成された電極積層体21を搬出することができる。これにより、積層部520A及び積層部520Bに形成された電極積層体21を共通の搬送経路を用いて後工程に搬送することができる。このため、搬送経路の合流が不要となり、搬送経路の簡易化が可能となる。
複数の挟持部材524は、Z軸方向に沿って互いに独立して移動可能である。このため、積層治具52に形成された電極積層体21を積層治具52から取り出す際に、他の電極積層体21の挟持を解除することなく、取り出し対象の電極積層体21の挟持だけを解除することができる。このため、積層治具52に形成された電極積層体21を1つずつ取り出す際に、他の電極積層体21の位置ずれを抑制することが可能となる。
電極積層装置30Aによって導入されるセパレータ付き正極11のタブ14bと、電極積層装置30Bによって導入されるセパレータ付き正極11のタブ14bとは、互いに反対方向に突出している。また、電極積層装置30Aによって導入される負極9のタブ16bと、電極積層装置30Bによって導入される負極9のタブ16bとは、互いに反対方向に突出している。上流工程において、いわゆる2条取りによって、電極(正極8及び負極9)が製造された場合に、製造された電極の向きを変えることなく電極の積層を行うことができる。これにより、電極の搬送経路の簡易化が可能となる。
(第2実施形態)
次に、図17及び図18を参照して、第2実施形態に係る搬送装置を説明する。図17は、第2実施形態に係る搬送装置を備える製造設備を示す平面図である。図18は、図17に示された積層治具を示す側面図である。
図17に示されるように、第2実施形態に係る製造設備20Aは、搬送装置50に代えて搬送装置50Aを備える点において、第1実施形態に係る製造設備20と主に相違している。搬送装置50Aは、積層治具52に代えて積層治具52Aを備える点、及び受取治具55を更に備える点において、搬送装置50と主に相違している。
図18に示されるように、積層治具52Aは、一対の壁部522A、一対の壁部522B、及び弾性部材526を更に備える点、並びに挟持部材524の駆動方法において、積層治具52と主に相違している。一対の壁部522Aは、積層部520Aに配置され、一対の壁部522Bは、積層部520Bに配置される。壁部522A,522Bのそれぞれは、Z軸方向に沿って延びる板状部材である。一対の壁部522Aは、X軸方向において壁部521を挟むように配置されている。一対の壁部522Bは、X軸方向において壁部521を挟むように配置されている。壁部522A,522Bには、挟持部材524を壁部522A,522Bに固定するための複数のねじ穴が形成されている。一対の壁部522Aは、一対の壁部522AをZ軸方向に移動する駆動部528Aに接続されている。一対の壁部522Bは、一対の壁部522BをZ軸方向に移動する駆動部528Bに接続されている。
積層部520Aの複数の挟持部材524は、Z軸方向に沿って一体的に移動可能に構成されている。具体的には、挟持部材524は、ねじ孔524f及び壁部522Aのねじ穴を介して、例えば、ねじによって壁部522Aに固定されている。積層部520Aでは、挟持部材524は、Z軸方向において等間隔で壁部522Aに固定されている。すなわち、複数の挟持部材524は、それぞれの延在部524cが壁部522Aに固定されることにより互いに一体化されている。複数の挟持部材524は、それぞれの延在部524cを介して互いに一体化されている。このため、積層部520Aでは、複数の挟持部材524は、壁部522Aに接続された駆動部528Aによって、一体的にZ軸方向に移動する。
積層部520Bの複数の挟持部材524は、Z軸方向に沿って一体的に移動可能に構成されている。具体的には、挟持部材524は、ねじ孔524f及び壁部522Bのねじ穴を介して、例えば、ねじによって壁部522Bに固定されている。積層部520Bでは、挟持部材524は、Z軸方向において等間隔で壁部522Bに固定されている。すなわち、複数の挟持部材524は、それぞれの延在部524cが壁部522Bに固定されることにより互いに一体化されている。複数の挟持部材524は、それぞれの延在部524cを介して互いに一体化されている。このため、積層部520Bでは、複数の挟持部材524は、壁部522Bに接続された駆動部528Bによって、一体的にZ軸方向に移動する。
弾性部材526は、Z軸方向において電極積層体21の上面に接触するように挟持部材524に設けられている。具体的には、弾性部材526は、それぞれの下面524aに設けられている。弾性部材526としては、例えば、スポンジ、及びゴム等が用いられ得る。
受取治具55は、積層治具52に形成された電極積層体21を受け取るユニットである。受取治具55は、壁部551と、一対の側壁部552と、複数の把持部553と、を備えている。
壁部551は、Z軸方向に沿って延び、Y軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状部材である。壁部551は、Z軸方向に延びる中心軸55a周りに回転可能に構成されている。中心軸55aは、Z軸方向に沿って壁部551を貫通する。壁部551は、壁部551を回転するための駆動部(不図示)に接続される。壁部551は、X軸方向において一対の側壁部552に挟まれている。側壁部552は、Z軸方向に沿って延び、X軸方向に交差(直交)する面に沿って広がる板状部材である。側壁部552のY軸方向の中央付近に壁部551が位置している。
壁部551によって、受取部550Aと受取部550Bとに隔てられる。受取部550Aは、積層部520Aから複数の電極積層体21を受け取る。受取部550Bは、積層部520Bから複数の電極積層体21を受け取る。受取部550Aと受取部550Bとは、壁部551を介して互いに一体化されている。受取部550A,550Bのそれぞれは、電極積層体21を把持するための複数(ここでは、6つ)の把持部553を備えている。
複数の把持部553は、壁部551のY軸方向の両側において、Z軸方向に沿って配列されている。把持部553は、電極積層体21を挟持する積層部材523及び挟持部材524の組に対応して設けられている。複数の把持部553のそれぞれは、対応する駆動部(不図示)に接続され、互いに独立して動作可能に構成されている。各把持部553は、一方の側壁部552に設けられる把持部材553aと、他方の側壁部552に設けられる把持部材553bと、を備える。把持部材553a,553bは、一対の側壁部552の互いに対向する面に設けられ、一対の側壁部552の対向方向に沿って配置されている。把持部材553a,553bは、Z軸方向に沿って電極積層体21を把持可能に構成されている。
複数の駆動部で、それぞれの把持部553を個別に動作させることにより、把持部553は、電極積層体21を把持し、又は電極積層体21の把持を解除する。把持部553は、切欠き523g及び切欠き524gを介して電極積層体21を把持する。つまり、把持部材553aは、一方の切欠き523g及び切欠き524gに対応する形状を有し、把持部材553bは、他方の切欠き523g及び切欠き524gに対応する形状を有する。
次に、図19の(a)〜(c)、図20の(a)及び(b)、図21の(a)及び(b)、並びに図22の(a)及び(b)を参照して、製造設備20Aの動作を説明する。図19の(a)〜(c)、図20の(a)及び(b)、図21の(a)及び(b)、並びに図22の(a)及び(b)は、図17に示された製造設備の動作を説明するための図である。なお、製造設備20Aの動作は、搬出動作において製造設備20の動作と主に相違している。製造設備20Aの搬出動作では、積層治具52Aから受取治具55に電極積層体21を受け渡し、受取治具55から搬出コンベア53(ガイド付きパレット60)に電極積層体21を移載する。以下、具体的に説明する。なお、アーム部512によって支持されている積層治具52Aが搬出コンベア53側に配置され、アーム部513によって支持されている積層治具52Aが電極積層装置30A,30B側に配置されているものとする。
まず、積層部520Aに形成された電極積層体21が一括で受取治具55(受取部550A)に受け渡される。より具体的には、受取部550Aの各把持部553が動作し、電極積層体21を挟持している積層部材523及び挟持部材524が挿入可能な程度に、受取部550Aの把持部材553a,553bのZ軸方向における間隔が拡大される。そして、図19の(a)に示されるように、アーム部512が回転体511から受取治具55に向かって伸び、電極積層体21を挟持している積層部材523及び挟持部材524が把持部材553a,553bの間に挿入される。
続いて、図19の(b)に示されるように、把持部553が動作し、積層部材523の切欠き523g及び挟持部材524の切欠き524gを通じて電極積層体21を把持する。これにより、積層部520Aに形成された電極積層体21の全てがそれぞれ把持部553によって把持された状態となる。そして、積層部520Aの挟持部材524が上昇され、積層部材523と挟持部材524とによる電極積層体21の挟持が解消される。このとき、積層部520Bの電極積層体21は、積層部材523及び挟持部材524によって挟持されている。そして、図19の(c)に示されるように、アーム部512が回転体511に向かって縮み、Y軸方向において、積層治具52Aの積層部520Aが受取部550Aから離れる。このようにして、積層部520Aに形成された電極積層体21の全てが、積層治具52Aから受取治具55に受け渡される。
続いて、図20の(a)に示されるように、アーム部512によって支持されている積層治具52Aが回転軸52a周りに180度回転する。これにより、積層部520Bが受取治具55側に位置する。また、受取治具55が中心軸55a周りに180度回転する。これにより、電極積層体21を把持している受取部550Aが搬出コンベア53側に位置し、空の受取部550Bが積層治具52A側に位置する。
続いて、図20の(b)、及び図21の(a)に示されるように、積層部520Bに形成された電極積層体21が一括で受取治具55(受取部550B)に受け渡される。この受け渡し動作は、積層部520Aに形成された電極積層体21の受け渡しと同様である。このとき、受取部550Aに把持されている電極積層体21が、1つずつ搬出コンベア53に移載される。取出装置56が、把持部553によって把持されていない部分を通じて電極積層体21を把持する。本実施形態では、取出装置56は、搬出コンベア53を跨ぐようにアーム56aを伸ばして、ロボットハンド56bによって電極積層体21を把持する。その後、取出装置56に把持されている電極積層体21を把持している把持部553が動作し、把持部553による電極積層体21の把持が解消される。このとき、他の電極積層体21は、把持部553によって把持されている。そして、取出装置56は、電極積層体21を把持した状態で、搬出コンベア53の載置面53a上に配置されたガイド付きパレット60に電極積層体21を載置する。そして、取出装置56は、次の電極積層体21を同様に取り出し、搬出コンベア53(ガイド付きパレット60)に移載する。
そして、図21の(b)に示されるように、受取部550Aに把持された全ての電極積層体21が搬出コンベア53(ガイド付きパレット60)に移載されると、図22の(a)に示されるように、受取治具55が中心軸55a軸周りに180度回転される。そして、図22の(b)に示されるように、受取部550Bに把持されている電極積層体21が、1つずつ搬出コンベア53に移載される。このとき、取出装置56は、電極積層体21を把持した状態で、電極積層体21を上下反転(つまり、Y軸方向に沿った回転軸周りに180度回転)して、搬出コンベア53の載置面53a上に配置されたガイド付きパレット60に電極積層体21を載置する。
このように搬送装置50Aによれば、電極積層体21の固定が解除されることなく、積層治具52が積層位置P1から受渡位置P3まで搬送され、積層治具52から受取治具55に受け渡され、搬出コンベア53に移載される。このため、セパレータ付き正極11及び負極9(電極積層体21)の位置ずれが抑制される。
以上の搬送装置50Aによっても、搬送装置50と同様の効果が奏される。
複数の挟持部材524をZ軸方向に互いに独立して移動可能とするためには、挟持部材524のそれぞれに駆動部が個別に設けられる等、積層治具52が大型化するおそれがある。そして、積層治具52の重量等に応じて搬送機構51の駆動部等が大型化するおそれがある。これに対し、搬送装置50Aでは、積層治具52Aの複数の挟持部材524をZ軸方向に沿って一体的に移動可能とすることで、例えば、駆動部を共通化することができ、積層治具52Aの小型化が可能となる。これにより、搬送機構51の更なる小型化が可能となる。一方、受取治具55の複数の把持部553は、互いに独立して動作可能であるので、電極積層体21を受取治具55から取り出す際に、他の電極積層体21の把持を解除することなく、取り出し対象の電極積層体21の把持だけを解除することができる。このため、受取治具55から電極積層体21を1つずつ取り出す際に、他の電極積層体21の位置ずれを抑制することが可能となる。
積層部材523の外縁に形成された切欠き523gと挟持部材524の外縁に形成された切欠き524gとは、Z軸方向に沿って互いに重複している。このため、積層治具52Aに形成された電極積層体21を受取治具55に受け渡す際に、積層部材523及び挟持部材524により電極積層体21を挟持している状態のままで、把持部553は積層部材523の切欠き523g及び挟持部材524の切欠き524gを通じて電極積層体21を把持することができる。つまり、電極積層体21の受け渡しに際して、把持部553によって電極積層体21が把持される前に、電極積層体21の挟持を解除する必要が無い。これにより、電極積層体21の位置ずれを抑制することが可能となる。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、搬送機構51は、積層位置P1からZ軸方向に積層治具52を搬送してもよい。
(第3実施形態)
図23及び図24を参照して、第3実施形態に係る搬送装置を説明する。図23は、第3実施形態に係る搬送装置を備える製造設備を示す平面図である。図24は、図23に示された搬送装置を示す側面図(一部断面を含む)である。
図23及び図24に示されるように、第3実施形態に係る製造設備20Bは、搬送装置50に代えて搬送装置50Bを備える点、及び電極積層装置30Bの積層補助ユニット38が駆動部388及び駆動部389を備えていない点において、製造設備20と主に相違している。
搬送装置50Bは、搬送機構51に代えて搬送機構51Bを備える点において、搬送装置50と主に相違している。搬送機構51Bは、積層位置P1からZ軸方向(鉛直方向)に沿って積層治具52を搬送する。搬送機構51Bは、積層治具52をZ軸方向に沿って搬送した後、Y軸方向に沿って積層治具52を搬送する。搬送機構51Bは、積層位置P1、搬出位置P2、及び待機位置P4の順に積層治具52を循環的に移動させる。待機位置P4とは、平面視において電極積層装置30A,30Bを挟んで搬出位置P2と反対側の位置である。なお、ここでは、搬出位置P2及び待機位置P4は、Z軸方向において積層位置P1及び積層補助ユニット38よりも高い位置である。
搬送機構51Bは、昇降機構71A(第1昇降機構)、昇降機構71B(第2昇降機構)、移動機構72A(第1移動機構)、及び移動機構72B(第2移動機構)を備える。
移動機構72Aは、昇降機構71Aを水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って移動可能な機構である。移動機構72Aは、Z軸方向において正極搬送ユニット31及び負極搬送ユニット32よりも高い位置に設けられる。移動機構72Aは、レール721Aとスライダ722Aとを備える。レール721Aは、Y軸方向に沿って搬出位置P2から待機位置P4まで延びる。スライダ722Aは、レール721AにY軸方向に沿って移動可能に保持される部材である。移動機構72Aでは、例えば、レール721Aの上面にラックが設けられ、スライダ722Aに設けられたピニオンがラックに噛み合わされ、スライダ722Aに設けられた駆動部がピニオンを回転駆動することにより、スライダ722Aがレール721Aに沿って移動する。スライダ722Aがレール721Aに沿って移動することで、移動機構72Aは昇降機構71AをY軸方向に移動する。
移動機構72Bは、昇降機構71Bを水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って移動可能な機構である。移動機構72Bは、Z軸方向において正極搬送ユニット31及び負極搬送ユニット32よりも高い位置に設けられる。移動機構72Bは、レール721Bとスライダ722Bとを備える。レール721Bは、Y軸方向に沿って搬出位置P2から待機位置P4まで延びる。移動機構72Bは、スライダ722Bの下面に昇降シリンダ711Bが設けられる点を除き、移動機構72Aと同様な構成を有するので詳細な説明を省略する。
移動機構72A及び移動機構72Bは、X軸方向に並列に配置される。具体的には、移動機構72A及び移動機構72Bは、平面視において(Z軸方向からみて)積層治具52の積層位置P1、搬出位置P2及び待機位置P4を挟むように設けられる。レール721Aとレール721Bとは、互いに略平行に配置され、平面視において積層治具52の積層位置P1、搬出位置P2及び待機位置P4を挟むように設けられる。移動機構72Aは、負極搬送ユニット32側に設けられ、移動機構72Bは、正極搬送ユニット31側に設けられる。
昇降機構71Aは、積層治具52をZ軸方向に沿って昇降可能な機構である。昇降機構71Aは、積層治具52を支持するとともに、移動機構72AにY軸方向に沿って移動可能に保持される。昇降機構71Aは、昇降シリンダ711A、アーム部712A、延在部713A、及び回転機構714Aを備える。
昇降シリンダ711Aは、アーム部712AをZ軸方向に沿って往復運動させるシリンダである。昇降シリンダ711Aは、スライダ722Aの下面に設けられる。アーム部712Aは、昇降シリンダ711Aの下面からZ軸方向に沿って延びる。アーム部712Aの下端は、延在部713Aの一端に接続される。延在部713Aは、アーム部712Aの下端が接続された一端からレール721Bに向かってX軸方向に沿って延びる。回転機構714Aは、延在部713Aの上面に設けられる。回転機構714Aには、Z軸方向に沿って延在部713Aを貫通して延びる回転軸52aが接続される。回転機構714Aは、例えばモータであり、積層治具52を回転軸52a周りに回転させる。このように、昇降機構71Aは、積層治具52を回転軸52a周りに回転可能に支持する。
アーム部712AがZ軸方向に沿って上下に伸縮することによって、昇降機構71Aは積層治具52をZ軸方向に沿って昇降させる。なお、昇降機構71Aにおいて、昇降シリンダ711Aによってアーム部712AがZ軸方向に沿って伸縮することに代えて、スライダ722Aがアーム部712Aを昇降させることによって、積層治具52が昇降してもよい。具体的には、昇降機構71Aにおいて、昇降シリンダ711Aが備えられず、アーム部712Aがスライダ722AをZ軸方向に沿って貫通し、スライダ722Aに昇降可能に保持されてもよい。
昇降機構71Bは、積層治具52をZ軸方向に沿って昇降可能な機構である。昇降機構71Bは、積層治具52を支持するとともに、移動機構72BにY軸方向に沿って移動可能に保持される。昇降機構71Bは、昇降シリンダ711B、アーム部712B、延在部713B、及び回転機構714Bを備える。
昇降シリンダ711Bは、アーム部712BをZ軸方向に沿って往復運動させるシリンダである。昇降シリンダ711Bは、スライダ722Bの下面に設けられる。アーム部712Bは、昇降シリンダ711Bの下面からZ軸方向に沿って延びる。アーム部712Bの下端は、延在部713Bの一端に接続される。延在部713Bは、アーム部712Bの下端が接続された一端からレール721Aに向かってX軸方向に沿って延びる。回転機構714Bは、延在部713Bの上面に設けられる。別の積層治具52の回転軸52aがZ軸方向に沿って延在部713Bを貫通して延びており、回転機構714Bには、延在部713Bを貫通した回転軸52aが接続される。回転機構714Bは、例えばモータであり、積層治具52を回転軸52a周りに回転させる。このように、昇降機構71Bは、積層治具52を回転軸52a周りに回転可能に支持する。
アーム部712BがZ軸方向に沿って上下に伸縮することによって、昇降機構71Bは積層治具52をZ軸方向に沿って昇降させる。なお、昇降機構71Bにおいて、昇降シリンダ711Bによってアーム部712BがZ軸方向に沿って伸縮することに代えて、スライダ722Bがアーム部712Bを昇降させることによって、積層治具52が昇降してもよい。具体的には、昇降機構71Bにおいて、昇降シリンダ711Bが備えられず、アーム部712Bがスライダ722BをZ軸方向に沿って貫通し、スライダ722Bに昇降可能に保持されてもよい。
昇降機構71Aに支持されている積層治具52は、アーム部712Aがスライダ722Aに向かって縮んでいる状態で、移動機構72AによってY軸方向に沿った搬出位置P2と待機位置P4との間の移動経路を移動される。この移動経路は、Z軸方向からみて正極搬送ユニット31と負極搬送ユニット32との間に位置する。同様に、昇降機構71Bに支持された積層治具52は、アーム部712Bがスライダ722Bに向かって縮んでいる状態で、移動機構72Bによって上記移動経路を移動される。
昇降機構71Aに支持されている積層治具52は、昇降機構71Aによって、Z軸方向に沿って搬送経路における積層位置P1の上方位置と積層位置P1との間を昇降される。このとき、昇降機構71Aのアーム部712Aは、Z軸方向からみて電極積層装置30Aの負極搬送ユニット32と電極積層装置30Bの負極搬送ユニット32とに挟まれる位置でZ軸方向に沿って伸縮する。同様に、昇降機構71Bに支持されている積層治具52は、昇降機構71Bによって、Z軸方向に沿って搬送経路における積層位置P1の上方位置と積層位置P1との間を昇降される。このとき、昇降機構71Bのアーム部712Bは、Z軸方向からみて電極積層装置30Aの正極搬送ユニット31と電極積層装置30Bの正極搬送ユニット31とに挟まれる位置でZ軸方向に沿って伸縮する。
昇降機構71Aに支持されている積層治具52が積層位置P1に位置しているとき、延在部713A(回転機構714A)の上端は、移動経路を移動する積層治具52の下端よりも、下方に位置している。このため、積層治具52を支持している昇降機構71Bは、昇降機構71Aに干渉することなく移動経路を移動可能である。同様に、昇降機構71Bに支持されている積層治具52が積層位置P1に位置しているとき、積層治具52を支持している昇降機構71Aは、昇降機構71Bに干渉することなく移動経路を移動可能である。
次に、図25の(a)及び(b)並びに図26の(a)及び(b)を参照して、製造設備20Bの動作を説明する。図25の(a)及び(b)並びに図26の(a)及び(b)は、図23に示された製造設備の動作を説明するための図である。製造設備20Bの動作は、搬送動作において製造設備20の動作と主に相違している。以下、具体的に説明する。なお、積層開始時には、昇降機構71Aによって支持されている積層治具52が積層位置P1に配置され、昇降機構71Bによって支持されている積層治具52が待機位置P4に配置されているものとする。
まず、積層動作が行われる。つまり、昇降機構71Aに支持されている積層治具52の積層部520Aに電極積層装置30Aによって電極積層体21が形成され、昇降機構71Aに支持されている積層治具52の積層部520Bに電極積層装置30Bによって電極積層体21が形成される。具体的には、正極搬送ユニット31及び負極搬送ユニット32により搬送された複数のセパレータ付き正極11及び負極9が、上面523aに交互に積層されるように、押出ユニット35,36によって上面523aと下面524aとの間に導入される。電極積層体21が形成される際に、昇降機構71Aは、Z軸方向に沿って積層治具52の位置を調整する。具体的には、昇降機構71Aは、積層されたセパレータ付き正極11及び負極9により新しいセパレータ付き正極11及び負極9の導入が妨げられないように、壁部521を少しずつ下降することで、積層部材523を下降する。
続いて、搬送装置50Bによる搬送動作が行われる。搬送動作には、電極積層体21が形成された積層治具52を搬出位置P2に配置するとともに、空の積層治具52(別の積層治具)を待機位置P4から積層位置P1に配置する動作が含まれる。さらに搬送動作には、電極積層体21の搬出が終わった積層治具52を待機位置P4に配置する動作が含まれる。具体的には、まず、図25の(a)に示されるように、アーム部712Aがスライダ722Aに向かって縮み、積層治具52が積層位置P1からZ軸方向に沿ってスライダ722Aに向かって移動されることで、積層治具52が上昇する。
続いて、図25の(b)に示されるように、昇降機構71Aに支持されている積層治具52が、移動機構72Aによって搬出位置P2に向かってY軸方向に沿って移動される。これにより、昇降機構71Aに支持されている積層治具52は、搬出位置P2に位置する。昇降機構71Aに支持されている積層治具52の移動と並行して、昇降機構71Bに支持されている空の積層治具52が、移動機構72Bによって待機位置P4からY軸方向に沿って移動される。これにより、昇降機構71Bに支持されている積層治具52は、積層位置P1の上方に位置する。
続いて、図26の(a)に示されるように、アーム部712Bがスライダ722Bから離れる方向に向かって伸びることによって、昇降機構71Bに支持されている空の積層治具52が下降し、空の積層治具52が積層位置P1に配置される。続いて、積層動作及び搬出動作が行われる。つまり、昇降機構71Bに支持されている積層治具52に電極積層体21が形成されるとともに、昇降機構71Aに支持されている積層治具52から電極積層体21が搬出される。ここでは、積層部520Bから先に電極積層体21が搬出される。なお、昇降機構71Bに支持されている積層治具52が、積層位置P1に移動されている間に、昇降機構71Aに支持されている積層治具52における搬出動作が開始されてもよい。積層部520Bに形成された全ての電極積層体21が搬出コンベア53に移載されると、回転機構714Aによって積層治具52が回転軸52a周りに180度回転される。そして、積層部520Aに形成された電極積層体21が搬出コンベア53に移載される。
続いて、図26の(b)に示されるように、昇降機構71Aに支持されている積層治具52から全ての電極積層体21が搬出された後、昇降機構71Aに支持されている積層治具52が移動機構72Aによって搬出位置P2から待機位置P4に向かって移動される。これにより、昇降機構71Aに支持されている積層治具52は、待機位置P4に位置する。以降、搬送動作と、積層動作及び搬出動作と、が繰り返される。
なお、本実施形態では、搬送機構51Bは、電極積層装置30A及び電極積層装置30Bの上方に設けられているが、電極積層装置30A及び電極積層装置30Bの下方に設けられてもよい。この場合、積層位置P1から下方に向かって積層治具52が搬送される。
昇降機構71Aは、積層治具52を着脱自在に把持できる構成を有していてもよい。昇降機構71Aは積層治具52を把持することで、積層治具52を支持する。この場合、昇降機構71B及び移動機構72Bが設けられずに、昇降機構71A及び移動機構72Aによって、複数の積層治具52のそれぞれが、積層位置P1、搬出位置P2、及び待機位置P4の間で移動されてもよい。
搬送装置50Bは、積層治具52に代えて積層治具52Aを備えてもよい。また、搬送装置50Bは、受取治具55を更に備えてもよい。この場合、受取治具55は、移動機構72A及び移動機構72BのY軸方向における搬出位置P2側の端部と、搬出コンベア53との間に配置され、Z軸方向において搬出位置P2と同じ高さに配置される。
以上、説明したように、本実施形態では、電極積層体21が形成された積層治具52が積層位置P1からZ軸方向(鉛直方向)に沿って搬送される。そのため、積層位置P1から水平方向の位置に設けられる積層補助ユニット38を退避させて、積層治具52を搬送する必要がなくなる。このため、第1実施形態と比較して電極積層装置30Bを簡略化することが可能となる。
搬送機構51Bは、積層治具52をZ軸方向に沿って昇降可能な昇降機構71Aと、昇降機構71AをY軸方向に沿って移動可能な移動機構72Aと、を有している。そのため、積層治具52をZ軸方向(鉛直方向)に沿って搬送した後に、さらに積層治具52をY軸方向(水平方向)に沿って搬送することができる。このため、積層治具52が積層位置P1からZ軸方向に沿って搬送されるとともに、積層治具52に形成された電極積層体21を積層治具52から搬出する後工程(搬出動作)を、平面視において電極積層装置30A及び電極積層装置30Bが設置された位置とは異なる位置で行うことが可能となる。例えば、積層位置P1の上方において搬出動作が行われる場合、電極(負極9)に付着している活物質粒子等の異物が電極積層装置30A,30Bに落下するおそれがある。これに対し、平面視において電極積層装置30A,30Bとは異なる位置で搬出動作が行われることで、異物が電極積層装置30A,30Bに落下することを抑制することができる。そのため、電極積層体21に不良が生じる可能性を低減することが可能となる。
搬送機構51Bは、昇降機構71Aに支持された積層治具52とは別の積層治具52をZ軸方向に沿って昇降可能な昇降機構71Bと、昇降機構71BをY軸方向に沿って移動可能な移動機構72Bと、を有している。さらに、移動機構72Aと移動機構72Bとは、平面視において積層位置P1、搬出位置P2、及び待機位置P4を挟むようにX軸方向に沿って並列に配置されている。そのため、昇降機構71A及び昇降機構71Bの一方に支持された積層治具52を積層位置P1から搬送した後、電極積層体21を積層治具52から取り出している間に、昇降機構71A及び71Bの他方に支持された積層治具52を積層位置P1に配置し、積層治具52に電極積層体21を形成することができる。このため、電極積層体21を積層治具52から搬出する工程(搬出動作)と、積層治具52に電極積層体21を形成する工程(積層動作)とを並行して行うことが可能となる。
昇降機構71A及び昇降機構71Bは、Z軸方向(第1方向)に沿って、電極積層体21が形成される際の積層治具の位置を調整する。そのため、積層治具52を搬送するための搬送方向と、電極積層体21が形成される際の積層治具の位置を調整するための方向とが一致する。このため、昇降機構71A,71Bとは別に、電極積層体21が形成される際の積層治具52の位置を調整するための機構を設ける必要がないので、搬送装置50Bを簡略化することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。挟持部材524には、切欠き524gが形成されていなくてもよい。この場合には、例えば、Z軸方向からみて挟持部材524が切欠き523gに重複しないようなサイズとすることにより、電極積層体21の挟持を解除することなく電極積層体21を把持することが可能である。
上記実施形態では、蓄電装置1はリチウムイオン二次電池であるが、搬送装置50,50A,50Bは、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極積層体の搬送にも適用可能である。