JP2019020619A - 画像表示装置、プログラム及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示対象物に対する視認性を好適に向上させることが可能な画像表示装置を提供する。【解決手段】画像表示装置60は、画像閲覧画面上において、個別画像表示欄74に動画として表示させる時系列の撮影画像に対するスタビライズ処理のオン又はオフを指定するスタビライズ処理指定ボタン87を設けている。画像表示装置60は、スタビライズ処理指定ボタン87がオンとなった状態では、個別画像表示欄74に動画として表示させる時系列の撮影画像の各々に対し、撮影画像中のウェル12又は受精卵の位置が撮影画像間でぶれないように、基準画像との撮影範囲のずれ量に基づき、切出して表示する範囲を調整する。【選択図】図4

Description

本発明は、受精卵などの対象物の画像を表示する技術に関する。
不妊治療分野では、治療率や患者のQOL(Quality Of Life)の観点から、胚の着床率を予測し、移植対象の胚を選別することが行われている。従来、胚を非侵襲的に評価する手法として、顕微鏡による形態観察と、その際の形態から発育状況を判定することが行われてきた。
近年、タイムラプス装置の普及により、上記に加えて経時的な変化をも捉えることが可能となっており、大量の画像を用いて、複数の発育予測指標を解析し、発育を予測することも可能となってきた。このような大量の画像を胚培養士が観察し、細胞品質評価をするため、使い勝手の良い画像の閲覧システムが求められている。特許文献1には、複数のウェルが設けられた培養容器の存在を検出した場合に、培養容器の設置方向及びウェルの位置を推定結果に基づいて、占有率が高いウェルを表示する技術が開示されている。
特許第6007182号公報
タイムラプス装置では、通常、1枚の容器には同一患者の受精卵が複数のウェルにそれぞれ収められ、同時に複数枚の容器を収容・観察することが可能である。ここで、胚培養士が受精卵の画像を観察して形態学的に品質を評価する際には、通常、複数枚の容器から特定の患者を選び、さらに、当該容器の中の複数の受精卵の各々に対し、画像を表示させて品質評価をする必要がある。
ここで、受精卵の品質評価の際には、情報量の欠損のない精細な画像を画面上に大きく表示させるのが良く、画面上に大きく1つの受精卵の画像を表示するのが一般的である。この際、多種多様な情報を表示する画面を過大に占有せず、なるべく大きく画像を表示させるため、撮影した画像を切出して表示することがなされてきたが、切出す範囲が狭いほど拡大して表示がさせやすい一方で、切出した画像内から受精卵がフレームアウトしやすいという課題があった。また、タイムラプス観察時のXY位置のずれや、受精卵自体の動きによって時系列での撮影画像内の受精卵等の表示位置がずれる場合、動画再生時に見づらいという課題もあった。
本発明は、表示対象物に対する視認性を好適に向上させることが可能な画像表示装置を提供することを主な目的とする。
本発明の1つの観点では、画像表示装置は、対象物を撮影した撮影画像を取得する取得部と、前記撮影画像の一部を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量に基づき、前記撮影画像の表示範囲を決定する。「撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量」とは、所定の基準となる範囲又は位置に対する撮影画像の撮影範囲のずれ量を指す。
上記画像表示装置の一態様では、前記取得部は、前記対象物を複数時刻で撮影した複数の撮影画像を取得し、前記表示制御部は、前記撮影画像の各々に対して決定した前記表示範囲の画像を、撮影した時系列により前記表示部に表示させる。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記取得部は、前記対象物を複数の焦点位置においてそれぞれ複数時刻で撮影した複数の撮影画像を取得し、前記表示制御部は、外部入力により指定された焦点位置に対応する前記撮影画像の各々に対して決定した前記表示範囲の画像を、撮影した時系列により前記表示部に表示させる。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記表示範囲の決定において基準となる基準画像に対する前記撮影画像のずれ量を算出し、当該ずれ量に基づき、所定サイズとなる前記表示範囲を移動させる。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記対象物は、凹部内に収容されており、前記取得部は、前記凹部を撮影範囲に含む前記撮影画像を取得する。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記撮影画像における前記対象物又は前記対象物が収容される凹部が、前記表示範囲の中央付近に位置するように、前記ずれ量に基づき前記表示範囲を決定する。ここで、「表示範囲の中央付近に位置する」とは、表示範囲の端(例えば四隅)に偏って存在していないことを指す。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記表示制御部は、前記表示範囲内における前記対象物の表示位置と重ならない位置に、前記撮影画像に関連する情報又は前記対象物に関連する情報を、前記表示部に表示させる。
上記画像表示装置の他の一態様では、前記取得部は、複数の対象物を撮影対象となる対象物ごとに撮影部の位置を変えて繰り返し撮影した画像を、前記撮影画像として取得する。
本発明の他の観点では、プログラムは、請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像表示装置としてコンピュータを機能させる。
本発明のさらに別の観点では、画像表示装置が実行する制御方法であって、対象物を撮影した撮影画像を取得する取得工程と、前記撮影画像の一部を表示部に表示させる表示制御工程と、を有し、前記表示制御工程は、前記撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量に基づき、前記撮影画像の表示範囲を決定する。
本発明に係る画像表示装置によれば、対象物を撮影した撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量に基づき、撮影画像の表示範囲を決定することで、対象物が撮影画像から外れてしまうフレームアウトなどを防ぎ、観察性を向上させることができる。また、撮影画像を時系列により表示部に動画として表示させた場合には、動画としてガタつきなく滑らかに表示することができるため、観察性に優れるという効果も奏する。
実施形態に係る受精卵の画像表示システムの構成を示す。 培養容器及び受精卵の撮影画像の例を示す。 受精卵の撮影方法を説明する図である。 画像閲覧画面の表示例である。 基準画像を用いたスタビライズ処理の概要を示す。 Z位置を考慮したスタビライズ処理の第1及び第2の例の概要を示す。 Z位置を考慮したスタビライズ処理の第3及び第4の例の概要を示す。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
[システム構成]
図1は、実施形態に係る受精卵の画像表示システムの構成を示す。図示のように、画像表示システム100は、大別して、1または複数の撮影装置50と、記憶装置55と、画像表示装置60とを備える。
撮影装置50は、インキュベータ9を有し、インキュベータ9に設けられた図示しないチャンバ(室)に載置された培養容器10内の受精卵の画像を撮影し、記憶する。各培養容器10内には複数の受精卵が載置されており、撮影装置50は受精卵を識別するための識別情報、例えば、受精卵が収容されているウェルの識別情報などと対応付けて撮影画像を記憶装置55に送信する。ウェルは、本発明の「凹部」の一例である。具体的には、撮影画像50は、予め培養容器10内の各ウェル位置に対応したXY座標を記録しており、そのXY座標情報から、各ウェルを識別してもよいし、撮影開始時などに、各ウェル位置に対応付けるXY座標を微調整して、個別にウェル位置として座標登録をしてもよい。
撮影装置50は、照明装置51と、カメラ52と、制御部53と、通信部54とを備える。照明装置51は、撮影のために培養容器10内の受精卵を上方から照明する。照明装置51は、点光源であっても面光源であっても、複数の点光源、面光源であってもよい。照明装置51による照明は、制御部53により制御される。
カメラ52は、培養容器10の下方に移動可能に配置され、照明装置51により照明された状態の受精卵を撮影する。カメラ52は図示しないアクチュエータなどにより移動する。アクチュエータによるカメラ52の移動、及び、カメラ52による撮影は、制御部53により制御される。カメラ52は、同じ培養容器10内の複数の受精卵を、異なる時刻で撮影する。また、インキュベータ9内に複数の培養容器10が載置されている場合、カメラ52は、制御部53によるアクチュエータの制御に基づき、それぞれの培養容器10内の各受精卵を撮影可能な位置に移動して撮影を行う。カメラ52により撮影された受精卵は、本発明の「対象物」の一例である。なお、同じ培養容器10内の複数の受精卵を撮影する場合、カメラ52が移動する代わりに培養容器10が移動する構造でもよい。
制御部53は、照明装置51による照明、カメラ52の移動及びカメラ52による撮影を制御する。また、制御部53は、カメラ52から撮影画像を取得した場合、通信部54を制御することで、撮影画像を記憶装置55に送信する。
記憶装置55は、図示しない制御部、記憶部、通信部などを有し、各撮影装置50から送信される撮影画像を受信し、受信した撮影画像を記憶する。この場合、例えば、記憶装置55は、撮影装置50に設けられたインキュベータ9ごとにフォルダを設け、撮影画像を対応するフォルダに対応付けて記憶する。なお、記憶装置55は、上述のフォルダに対してチャンバごとのサブフォルダをさらに設け、撮影画像をチャンバごとに分類して記憶してもよい。また、記憶装置55は、画像表示装置60から撮影画像の取得要求を受信した場合に、当該取得要求により指定された撮影画像を画像表示装置60へ送信する。
画像表示装置60は、PC(Personal Computer)などにより構成され、胚培養士などのユーザが指定した受精卵の撮影画像を所定の表示画面(「画像閲覧画面」とも呼ぶ。)に表示する。画像表示装置60は、主に、通信部61と、入力部62と、記憶部63と、表示部64と、制御部65とを備える。
通信部61は、制御部65の制御に基づき、記憶装置55から撮影画像を受信する。入力部62は、キーボード、マウス、回転操作が可能なホイールデバイス、タッチパネル、音声入力装置などであり、表示すべき撮影画像を指定する入力信号などを生成して制御部65へ供給する。記憶部63は、制御部65が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部63は、画像閲覧画面の表示処理に必要なプログラムを記憶する。表示部64は、制御部65の制御に基づき、画像閲覧画面を表示する。制御部65は、画像表示装置60の全体の制御を行う。制御部65は、本発明の「取得部」、「表示制御部」の一例である。また、制御部65は、本発明のプログラムを実行する「コンピュータ」の一例である。
[撮影画像]
図2は、培養容器10及び受精卵の撮影画像の例を示す。培養容器10は円形の容器であり、中央部に収容部11が形成されている。収容部11内には、複数(図2の例では5×5=25個)のウェル12が形成されている。ウェル12は受精卵を収容するための窪みであり、1つのウェル12に1つの受精卵が収容される。図2(A)に示すように、収容部11は培養液13で満たされている。
図2(B)には、1つのウェル12の部分の撮影画像20が示されている。ウェル12内に受精卵が収容されている場合、撮影画像20は、ウェル12と、ウェル12内にある受精卵30とを含む。撮影装置50は、同一の受精卵(即ち、同一のウェル12)についての撮影画像を所定時間間隔で複数生成し、記憶する。なお、撮影装置50は、ウェル12毎に画像を撮影するものとする。
図3は、受精卵の撮影方法を説明する図である。図3(A)は、1つの培養容器10内の収容部11を上方から見た図である。収容部11には、横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に5個ずつ、合計25個のウェル12が形成されている。以下、X方向の位置を「1」〜「5」で示し、Y方向の位置を「A」〜「E」で示すことにすると、図3(A)の左上のウェル12は、位置「A1」のウェル(以下、「ウェルA1」とも記す。)となる。図3(A)の例では、ウェルA1〜C3までの13個のウェル12に受精卵30が収容されている。なお、培養容器10に形成されるウェル12の配置は、図3(A)に示す配置に限らず、異なる数のウェル12が培養容器10に所定の配置により形成されていてもよい。
受精卵の撮影時には、例えばチャンバごとに設けられた照明装置51が予め決められた固定位置に配置され、カメラ52が移動して各ウェル12内の受精卵を撮影する。例えば、カメラ52は、まずウェルA1を撮影し、次にX方向に移動してウェルA2を撮影し、さらにX方向に移動してウェルA3を撮影し、という具合に各ウェル12を撮影する。X方向に移動してウェルA1〜A5の撮影が終わると、カメラ52はY方向に移動して、ウェルB1〜B5の撮影を行う。こうして、カメラ52はX方向及びY方向に移動しつつ、受精卵が収容されている全てのウェル12の撮影を行う。そして、カメラ52は、上述した移動を繰り返すことで、各ウェル12内の受精卵を所定時間間隔により繰り返し撮影する。
ここで、カメラ52は、所定時間後に再び同一のウェル12を撮影する場合、撮影位置が前回と僅かにずれる場合があり、これにより、撮影画像を時系列により動画表示する際に、受精卵及びウェルの表示位置がぶれる原因となる。本実施形態では、画像表示装置60は、このようなカメラ52の位置再現性を考慮し、撮影画像の動画像を表示する際に後述するスタビライズ処理を行う。
撮影装置50はカメラ52を培養容器10の上下方向(Z方向)にも移動することができる。撮影装置50は、カメラ52をZ方向に移動することにより、受精卵に対するカメラ52の焦点位置を調整し、1つのウェル12内の受精卵を異なる焦点位置で撮影することができる。図3(B)は、受精卵に対するカメラ52の焦点位置の例を示す。図3(B)において、位置「M」は受精卵の略中心を通る面内のカメラ52の焦点位置を示し、撮影画像としてはZ方向の位置Mで受精卵をスライスした画像が得られる。位置「H」は受精卵の上部よりを通る面内のカメラ52の焦点位置を示し、撮影画像としてはZ方向の位置Hで受精卵をスライスした画像が得られる。位置「L」は受精卵の下部よりを通る面内のカメラ52の焦点位置を示し、撮影画像としてはZ方向の位置Lで受精卵をスライスした画像が得られる。この例では、撮影装置50は、各ウェル12内の受精卵を「H」、「M」、「L」の3つの焦点位置(スライス面)で撮影した画像を生成する。
なお、好適には、各ウェル12の底面は、図3(B)に示す平面形状に代えて、図3(C)に示すように、底面の中心に向かって窪むように傾斜している形状を有するとよい。これにより、受精卵の動きを抑制することができ、後述する画像閲覧画面での動画の観察性や画像閲覧画面において表示する撮影画像から受精卵が外れてしまうフレームアウトの現象を好適に抑制することができる。
撮影装置50の制御部53は、カメラ52による撮影画像に対して、上記のようにX方向、Y方向、Z方向の位置情報に基づくファイル名を付加して記憶部54に記憶する。例えば、ある容器IDを有する培養容器10について、ウェルA1の受精卵を、Z方向のMの焦点位置で時刻t1に撮影した場合、制御部53はその画像に、
「容器ID−ウェル位置−焦点位置−撮影時刻」、
というファイル名、例えば、「容器ID−A1−M−t1」などのファイル名を付与して記憶部54に記憶する。これにより、記憶部54に記憶された多数の撮影画像をファイル名に基づいて識別することができる。
同様に、制御部53は、上述のファイル名に、撮影対象となった培養容器10上でのウェル12の配置に関する識別情報をさらに付与して記憶部54に記憶してもよい。例えば、制御部53は、ウェル12が25個配置されている培養容器10の受精卵を撮影した撮影画像のファイル名に、当該培養容器10内のウェル12の配列の識別情報(例えば「25」の文字)を、容器ID等と同様に付加するとよい。ウェル12の配列の識別情報は、後述する画像閲覧画面の表示処理において好適に用いられる。同様に、制御部53は、撮影対象となった培養容器10が載置されたチャンバを特定する情報を、撮影画像のファイル名に付与して記憶部54に記憶してもよい。チャンバ位置は、カメラ52のXY座標位置で判別することができるため、制御部53は、例えば、カメラ52のXY座標位置から特定されるチャンバの番号を撮影画像のファイル名に付与してもよい。
画像表示装置60は、記憶装置55とデータ通信を行い、上述の規則に基づき決定されたファイル名等を参照することで、後述する画像閲覧画面の表示に必要な撮影画像を取得し、画像閲覧画面の表示を行う。そして、画像表示装置60のユーザである胚培養士は、画像閲覧画面に表示させた受精卵の撮影画像に基づき、形態観察及び品質評価などを行う。そして、胚培養士は、上述の品質評価の結果に基づき、受精卵の処置(移植、凍結、培養中止など)を決定し、当該受精卵に対して決定した処理を実行する。
[画像閲覧画面の表示]
図4は、画像表示装置60が表示する画像閲覧画面の表示例である。図4に示すように、画像表示装置60は、画像閲覧画面上に、培養容器指定欄70と、患者情報表示欄71と、容器情報表示欄72と、一覧画像表示欄73と、個別画像表示欄74と、操作説明表示欄75とを設けている。
培養容器指定欄70は、撮影画像を表示させる対象となる培養容器10が収容されたインキュベータを指定するための複数のインキュベータ指定ボタン78と、撮影画像を表示させる対象となる培養容器10が収容されたチャンバを指定するための複数のチャンバ指定ボタン79とを含む。
この例では、画像表示装置60は、培養容器指定欄70上に、No.1からNo.4までの識別番号が付された4つのインキュベータ指定ボタン78を表示すると共に、1番から9番までの識別番号が付された9つのチャンバ指定ボタン79を表示している。そして、画像表示装置60は、ユーザ入力により選択されたNo.1のインキュベータ指定ボタン78に対し、赤枠f1を付して強調表示すると共に、ユーザ入力により選択された1番のチャンバ指定ボタン78に対し、赤枠f2を付して強調表示している。この場合、画像表示装置60は、後述する一覧画像表示欄73及び個別画像表示欄74に、No.1に対応するインキュベータの1番のチャンバで保管された培養容器10内の受精卵の撮影画像を表示する。
また、画像表示装置60は、各インキュベータ指定ボタン78を、対応するインキュベータの状態によって色分け表示している。ここでは、画像表示装置60は、カメラ52により培養容器10の撮影中であるインキュベータに対応するNo.1のインキュベータ指定ボタン78を緑色に着色して表示し、撮影が終了して培養容器10が既に取り出された状態のインキュベータに対応するNo.2のインキュベータ指定ボタン78を青色に着色して表示している。なお、画像表示装置60は、これらの緑と青の色分けを、例えば、各インキュベータに対応するフォルダ内の最も新しい撮影画像の撮影日時と現在日時とを比較することで判定してもよく、撮影終了の有無を示すフラグの存否等に基づき判定してもよい。また、画像表示装置60は、存在を確認できないインキュベータに対応するNo.3及びNo.4のインキュベータ指定ボタン78を、背景色と同一であって選択できない非アクティブ状態にして表示する。例えば、画像表示装置60は、インキュベータ指定ボタン78に対応するインキュベータのフォルダが記憶装置55において確認できない場合、当該インキュベータの存在を確認できないと判定する。
また、画像表示装置60は、各チャンバ指定ボタン79に、対応するチャンバの情報を表示させている。ここでは、画像表示装置60は、チャンバ指定ボタン79に、対応するチャンバの番号に加えて、当該チャンバに収容された培養容器10に対応する患者情報(ここでは、氏名及び患者ID)を表示させている。なお、チャンバ指定ボタン79に表示する患者情報は、氏名、患者IDの他、治療開始日などの患者のステータスを含んでもよい。この場合、画像表示装置60は、例えば、赤枠f1が付されたインキュベータ指定ボタン78に対応するインキュベータの番号及び各チャンバ指定ボタン79に対応するチャンバの番号に基づき、記憶装置55又は記憶部63等に記憶された患者情報のデータベースを参照することで、各チャンバ指定ボタン79の表示に必要な患者情報を取得する。
患者情報表示欄71には、画像表示装置60は、培養容器指定欄70において指定されたチャンバに収容された培養容器10に対応する患者の氏名及び患者ID(PID)を表示する。容器情報表示欄72には、画像表示装置60は、培養容器指定欄70において指定されたチャンバに収容された培養容器10の容器IDを表示する。一般的に、同一の培養容器10には同一の患者の受精卵が収容される。なお、容器IDは、培養容器10に貼り付けたバーコードシールやICタグにより付与することができる。
一覧画像表示欄73には、画像表示装置60は、培養容器指定欄70において指定されたチャンバに収容された培養容器10の各ウェル12の撮影画像を各ウェル12の配置に従い並べて表示した画像(「一覧画像Image List(以下「IL」)」とも呼ぶ。)を表示する。一覧画像ILは、同一の培養容器10の各ウェル12内の受精卵の撮影画像から構成され、これらの撮影画像の配置は、培養容器10内での対応するウェル12の配置と等しい。ここで、画像表示装置60は、例えば、表示対象となる培養容器10の各ウェル12に対応する時系列の撮影画像群のうち、記憶装置55に記憶されている最新の(即ち最も撮影時刻が遅い)撮影画像をウェル12ごとに記憶装置55から取得することで、一覧画像ILを生成する。この場合、画像表示装置60は、一定時間間隔により、一覧画像ILを更新するとよい。他の例では、画像表示装置60は、表示対象となる培養容器10の各ウェル12に対応する時系列の撮影画像群のうち、記憶装置55に記憶されている最も撮影時刻が早い初期の撮影画像をウェル12ごとに記憶装置55から取得することで、一覧画像ILを生成してもよい。
また、画像表示装置60は、各撮影画像に対応するウェル12のX方向の位置(1〜5)及びY方向の位置(A〜E)を、一覧画像ILにおいて明示している。これにより、観察者である胚培養士は、一覧画像IL内の各撮影画像に対応するウェル12の識別番号を容易に把握することができる。
さらに、一覧画像IL内の各撮影画像は、それぞれ選択可能であり、画像表示装置60は、ユーザ入力により選択された一覧画像ILの撮影画像を、個別画像表示欄74において個別に表示する。なお、上述のユーザ入力による選択は、マウスによるクリック操作、マウスオーバー、表示部64にタッチパネルが積層されている場合のタッチ操作などの任意の操作に基づく選択であってもよい。図4の例では、ウェルA1に対応する一覧画像IL内の撮影画像がユーザ入力により選択されていることから、画像表示装置60は、当該撮影画像に対して赤枠f3を付して強調表示する。この場合、画像表示装置60は、赤枠f3により強調表示されたウェルA1の撮影画像を個別画像表示欄74上に表示させる。本実施形態では、画像表示装置60は、個別画像表示欄74上に、対象となるウェル12の受精卵の撮影画像を撮影時刻に従い時系列に切り替えた動画を表示する。ここで、個別画像表示欄74に表示される撮影画像の表示サイズは、胚培養士が細胞の品質評価を実行できるように、一覧画像ILに含まれる撮影画像の表示サイズよりも十分に大きい。
なお、画像表示装置60は、記憶装置55から取得した撮影画像を個別画像表示欄74に表示する場合、記憶装置55から取得した撮影画像に対して切出し処理(即ちトリミング)を行った画像を、個別画像表示欄74に表示させる。これにより、画像表示装置60は、品質評価等にとって重要な受精卵を好適に拡大して表示する。この切出し処理による切出し範囲は、後述するスタビライズ処理指定ボタン87のオン又はオフの状態によって異なる。また、画像表示装置60は、一覧画像表示欄73に表示させる撮影画像についても、同様に切出し処理を行ったものを表示させてもよい。
操作説明表示欄75には、画像表示装置60は、個別画像表示欄74上で再生する動画に対するキーボード又は/及びマウスによる操作方法の概要を表示する。
また、画像表示装置60は、上述した各欄70〜75以外の画像閲覧画面の領域に、個別画像表示欄74上で表示させる受精卵の撮影画像の撮影時刻を示す時間制御バー80と、受精卵をスライスする位置(Z方向の位置)を指定するスライス制御バー81と、表示倍率制御バー82と、エクスポートボタン83と、輝度制御バー84と、コントラスト制御バー85と、再生制御ボタン86と、スタビライズ処理指定ボタン87とを設けている。時間制御バー80、スライス制御バー81、表示倍率制御バー82、輝度制御バー84及びコントラスト制御バー85の各カーソル位置は、マウス操作などのユーザ入力により調整自在となっている。
画像表示装置60は、時間制御バー80のカーソル位置を、個別画像表示欄74での動画の再生時において、表示対象となる撮影時刻の遷移に従い右へ移動させる。また、画像表示装置60は、時間制御バー80のカーソル位置を変更するユーザ入力を受け付けた場合、変更後のカーソル位置に対応する撮影時刻を基準とした撮影画像の動画又は静止画像を個別画像表示欄74に表示する。スライス制御バー81は、カーソルの移動により、個別画像表示欄74上で表示させる受精卵の撮影画像のZ位置を段階的に指定可能となっている。例えば図3(B)の例に基づき位置「H」、「M」、「L」の各Z位置で撮影が行われた受精卵の撮影画像を対象とする場合、スライス制御バー81において、位置「H」、「M」、「L」のいずれかを指定することが可能となっている。画像表示装置60は、スライス制御バー81により指定されたZ位置で撮影された受精卵の撮影画像を、一覧画像表示欄73及び個別画像表示欄74において表示する。ユーザによるスライス制御バー81を用いた入力は、本発明における「外部入力」の一例である。
表示倍率制御バー82、輝度制御バー84、コントラスト制御バー85は、それぞれ、個別画像表示欄74上に表示させる撮影画像の倍率、輝度、コントラストをカーソル移動により指定可能となっている。画像表示装置60は、表示倍率制御バー82、輝度制御バー84、コントラスト制御バー85のカーソル位置に対応する表示倍率、輝度、コントラストになるように、一覧画像表示欄73及び個別画像表示欄74に表示される撮影画像を調整する。また、エクスポートボタン83は、個別画像表示欄74において表示対象となっている撮影画像をエクスポートする際の出力形式(動画形式又は静止画像形式)を指定するボタンである。画像表示装置60は、ユーザ入力によりいずれかのエクスポートボタン83が選択された場合、例えば、選択されたエクスポートボタン83に対応する出力形式により撮影画像を記憶部63の所定のフォルダ内に出力する。再生制御ボタン86は、個別画像表示欄74上で表示させる受精卵の撮影画像を撮影開始時刻の撮影画像へ切り替えるボタン、動画の再生を開始するボタン、個別画像表示欄74上で表示させる受精卵の撮影画像を撮影終了時刻の撮影画像へ切り替えるボタンから構成されている。画像表示装置60は、ユーザ入力によりいずれかの再生制御ボタン86が選択された場合、選択された再生制御ボタン86に対応する機能を実行するように、個別画像表示欄74に表示する撮影画像の表示制御を行う。
スタビライズ処理指定ボタン87は、個別画像表示欄74に動画として表示させる時系列の撮影画像に対するスタビライズ処理のオン又はオフを指定するボタンである。画像表示装置60は、スタビライズ処理指定ボタン87がオフとなった状態では、例えば、個別画像表示欄74に表示させる時系列の撮影画像の各々に対し、切出す前の各撮影画像の中心と切出した後の画像の中心とが一致するように、撮影画像の中心に対して上下及び左右においてそれぞれ均等な幅により切出した画像を、個別画像表示欄74に表示させる。一方、画像表示装置60は、スタビライズ処理指定ボタン87がオンとなった状態では、個別画像表示欄74に動画として表示させる時系列の撮影画像の各々に対し、撮影画像中のウェル又は受精卵の位置が撮影画像間でぶれないように、切出し範囲(即ち、元の撮影画像から切出して表示する範囲)の位置を調整する。これにより、画像表示装置60は、受精卵のフレームアウト、及び、動画として表示する各撮影画像間でのウェル12又は受精卵の位置ぶれが生じるのを抑制し、胚培養士による品質評価時などでの動画の観察性を好適に向上させる。
また、図4の例では、スタビライズ処理により受精卵が略中心に表示されており、その結果、個別画像表示欄74に表示された画像の四隅にウェル及び受精卵と重ならないスペースが形成されている。そして、画像表示装置60は、スタビライズ処理により形成される上述のスペースに、表示された撮影画像及び当該撮影画像に表示された受精卵に関連する各種情報を表示させている。具体的には、画像表示装置60は、個別画像表示欄74に表示された撮影画像の左上のスペースに、表示対象の受精卵に対応する患者の名前、PID、及び当該受精卵が収容されたウェル12の識別番号を表示している。また、画像表示装置60は、培養容器指定欄70に表示された撮影画像の左下のスペースに、当該撮影画像の表示倍率を表示している。また、画像表示装置60は、個別画像表示欄74に表示された撮影画像の右上のスペースに、当該撮影画像に表示された前核の数(ここでは2個)の情報を表示している。
さらに、画像表示装置60は、個別画像表示欄74に表示された撮影画像の右下のスペースに、撮影日時の情報と、Z位置インジケータ90とを表示させている。ここでは、画像表示装置60は、撮影日時の情報として、撮影年月日(2017年9月8日)及び日時(5時30分)と共に、撮影を開始してからの経過時間(ここでは0秒)及び表示中の撮影画像に対する通し番号であるフレーム番号(第1フレーム)などを表示している。また、画像表示装置60は、Z位置インジケータ90として、各Z位置(ここでは7段階の各Z位置)にそれぞれ対応するバーを並べ、かつ、スライス制御バー81において指定されたZ位置に対応するバーを強調表示している。
このように、画像表示装置60は、個別画像表示欄74に表示する撮影画像の左下及び右下スペースに当該撮影画像に関する情報を重ねて表示すると共に、左上及び右上スペースに表示対象の受精卵に関する情報を重ねて表示している。これにより、例えば、エクスポートボタン83などで撮影画像又はその動画像を記憶部63等に出力した後、ユーザがその画像を閲覧した場合に当該画像に対してなされた画像処理の内容や当該画像により表示する受精卵を好適に識別することができ、画像の管理が簡易となる。
[スタビライズ処理]
次に、スタビライズ処理指定ボタン87がオンの場合に実行するスタビライズ処理について説明する。
図5(A)は、スタビライズ処理の概要を示す図である。図5(A)において、「基準画像」は、スタビライズ処理において基準となる画像を示し、「位置合わせ対象画像」は、個別画像表示欄74において表示対象となる受精卵を時系列により撮影した各撮影画像を示す。ここで、基準画像は、受精卵のフレームアウト等が生じていない受精卵及びウェルの画像であり、位置合わせ対象画像と縦横が等しい画素数を有する。基準画像は、位置合わせ対象画像から所定の規則により選択された1つの画像(例えば対象の受精卵に対し最初に撮影された第1フレームの撮影画像)であってもよく、受精卵又は/及びウェルの重心が画像の中心と重なるように加工又は別途撮影された画像であってもよい。後者の場合、画像表示装置60は、基準画像を記憶部63に予め記憶しておく。また、基準画像は、受精卵ごとに異なるものであってもよく、全ての受精卵に共通のものであってもよい。
画像表示装置60は、個別画像表示欄74において表示対象となる受精卵に対し、位置合わせ対象画像と、基準画像との撮影範囲のずれ量を、フレームごとに(即ち異なる撮影時刻の撮影画像ごとに)算出する。以下では、基準画像及び位置合わせ画像の画素位置の2次元座標を「(x、y)」、基準画像及び任意の位置合わせ対象画像の輝度をそれぞれ「P(x、y)」、「Q(x、y)」、基準画像と位置合わせ対象画像との横軸における撮影範囲のずれ量を「dx」、縦軸における撮影範囲のずれ量を「dy」と表記する。この場合、画像表示装置60は、例えば、各位置合わせ対象画像について、基準画像と位置合わせ対象画像との画素ごとの輝度差の合計値が最小となるずれ量dx、dyを算出する。即ち、画像表示装置60は、以下の式(1)に基づき、各位置合わせ対象画像に対し、ずれ量dx、dyを算出する。
minΣ(P(x,y)−Q(x−dx,y−dy)) 式(1)
そして、画像表示装置60は、各位置合わせ対象画像に対するずれ量dx、dyに基づき、各位置合わせ対象画像に対する切出し範囲の位置を決定する。
図5(B)は、基準画像に対し、ずれ量dx、dyが共に0である場合の切出し範囲を破線枠91により明示した図である。ここでは、基準画像の中央付近に受精卵及びウェルが表示されており、破線枠91に示される切出し範囲は、切出し前の画像と左右及び上下における中心が一致している。そして、ずれ量dx、dyが共に0である場合の切出し範囲は、基準画像の受精卵及びウェルがフレームアウトしないサイズ及び位置に設定される。なお、破線枠91により示される切出し範囲のサイズは、本発明における「所定サイズ」の一例である。
図5(C)は、ずれ量dx、dyがそれぞれ0以外の「dx1」、「dy1」である位置合わせ画像に対する切出し範囲を一点鎖線枠92により示した図である。また、図5(C)は、説明便宜上、図5(B)に示した破線枠91の切出し範囲についても明示している。
この場合、画像表示装置60は、対象となる位置合わせ対象画像の切出し範囲(一点鎖線枠92参照)を、ずれ量dx、dyが共に0である場合の切出し範囲(破線枠91参照)と同一サイズ(即ち縦横をそれぞれ同じ幅)に設定し、かつ、算出したずれ量dx1、dy1に応じた位置に設定する。具体的には、図5(C)に示すように、画像表示装置60は、ずれ量dx、dyが共に0である場合の切出し範囲(破線枠91参照)を横方向にずれ量dx1、縦方向にずれ量dy1だけずらした位置に、対象の位置合わせ画像に対する切出し範囲(一点鎖線枠92参照)を設定する。ここで、対象の位置合わせ画像に対して設定された切出し範囲を示す一点鎖線枠92内には、受精卵及びウェルが表示されている。従って、この場合、画像表示装置60は、対象の位置合わせ画像において受精卵及びウェルの表示位置のずれが生じている場合であっても、受精卵及びウェルがフレームアウトしない切出し範囲を適切に設定している。
このように、画像表示装置60は、各位置合わせ対象画像に対して基準画像を基準としたずれ量dx、dyを算出することで切出し範囲を設定し、設定した切出し範囲に基づき各位置合わせ対象画像を切り出した撮影画像を、時系列により個別画像表示欄74上に表示させる。これにより、受精卵及びウェルの表示位置のぶれが好適に低減された時系列の受精卵の撮影画像を個別画像表示欄74に表示させることができる。
また、本実施形態では、画像表示装置60は、上述したように、スライス制御バー81によりユーザが指定した任意のZ位置に対応する撮影画像を個別画像表示欄74に表示させることから、各Z位置に対応する撮影画像に対してスタビライズ処理を行う必要がある。以下では、Z位置を考慮したスタビライズ処理の具体例(第1の例〜第4の例)について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、一例として、Z位置は、図3(B)の例と同様、「H」、「M」、「L」の3段階存在するものとする。
図6(A)は、Z位置を考慮したスタビライズ処理の第1の例の概要を示す図である。第1の例では、画像表示装置60は、位置合わせ対象画像である全てのZ位置に対応する撮影画像に対して1つの基準画像を設定し、各位置合わせ対象画像に対してずれ量dx、dyを算出している。この場合、画像表示装置60は、図5(B)、(C)の説明と同様、算出したずれ量dx、dyに基づき、対応する位置合わせ対象画像の切出し範囲を設定する。これにより、画像表示装置60は、全てのZ位置に対応する撮影画像に対するスタビライズ処理を好適に実行することができる。
図6(B)は、Z位置を考慮したスタビライズ処理の第2の例の概要を示す図である。第2の例では、画像表示装置60は、Z位置の違いによるずれ量dx、dyの変化はないと見なし、あるZ位置に対応する位置合わせ対象画像に対して算出したずれ量dx、dyを、他のZ位置に対応する位置合わせ対象画像に対しても適用する。
具体的には、画像表示装置60は、全てのZ位置に対応する位置合わせ対象画像に対して1つの基準画像を設定し、あるZ位置(ここでは位置M)の各位置合わせ対象画像を対象として基準画像とのずれ量dx、dyを算出し、位置Mの各位置合わせ対象画像の切出し範囲を設定する。さらに、画像表示装置60は、位置M以外のZ位置の位置合わせ対象画像に対して、位置Mの位置合わせ対象画像に対して算出したずれ量dx、dyを用いて切出し範囲を設定する。例えば、画像表示装置60は、位置Mの第Xフレーム(Xは任意の正の整数)に対してずれ量dx、dyを算出した場合、他のZ位置である位置L、Hの第Xフレームに対して上述のずれ量dx、dyを適用してこれらのフレームの切出し範囲を設定する。これにより、第1の例と比較してスタビライズ処理の処理負荷を好適に低減させることができる。
また、カメラ52の駆動機構の機械的な構造上、Z位置によってずれ量dx、dyが変化する場合、画像表示装置60は、図6(B)に示す処理に加えて、Z位置の違いに起因したずれ量をさらに算出し、切出し範囲を補正してもよい。例えば、画像表示装置60は、図6(B)の場合、第Xフレームについて、位置Mと位置Hとのフレーム間のずれ量と、位置Mと位置Lとのフレーム間のずれ量とをそれぞれ算出する。そして、画像表示装置60は、位置Hの各位置合わせ対象画像の切出し範囲の位置を、算出した位置Mと位置Hとのフレーム間のずれ量だけ補正する。同様に、画像表示装置60は、位置Lの各位置合わせ対象画像の切出し範囲を、算出した位置Mと位置Lとのフレーム間のずれ量だけ補正する。これにより、カメラ52の駆動機構の機械的な構造上、Z位置によってずれ量dx、dyが変化する場合であっても、全てのZ位置に対する撮影画像のスタビライズ処理を高精度に実行することができる。
図7(A)は、Z位置を考慮したスタビライズ処理の第3の例の概要を示す図である。第3の例では、画像表示装置60は、Z位置ごとに基準画像を設定し、同一のZ位置に対応する基準画像と位置合わせ対象画像とのずれ量dx、dyを算出し、当該位置合わせ対象画像に対する切出し範囲を設定する。これにより、Z位置の違いに起因したピントずれ等が生じた場合であっても、各Z位置に対する撮影画像のスタビライズ処理を高精度に実行することができる。
図7(B)は、Z位置を考慮したスタビライズ処理の第4の例の概要を示す図である。第4の例は、Z位置ごとに基準画像を設定する点で第3の例と共通し、各Z位置に共通したずれ量dx、dyを算出する点で第3の例と異なる。ここで、Z位置を表す変数を「z」とし、位置zに対応する基準画像の輝度を「P(x,y、z)」、位置zに対応する位置合わせ対象画像の輝度を「Q(x,y、z)」とすると、画像表示装置60は、例えば、以下の式(2)に基づき、各Z位置に対応する基準画像と位置合わせ対象画像との画素ごとの輝度差の合計値が最小となるずれ量dx、dyを算出する。
minΣ(P(x,y、z)−Q(x−dx,y−dy、z)) 式(2)
このように、画像表示装置60は、全てのZ位置の位置合わせ対象画像に共通したずれ量dx、dyをフレームごとに算出し、当該ずれ量dx、dyに基づき対象となる位置合わせ対象画像の切出し範囲を設定する。これによっても、画像表示装置60は、全てのZ位置に対応する撮影画像に対するスタビライズ処理を好適に実行することができる。
[変形例]
次に、上記の画像表示システムの変形例について説明する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実施することができる。
(変形例1)
上記の画像表示システムでは、培養容器10に複数のウェル12が形成され、受精卵は各ウェル12に収容されているが、培養容器10にウェルが形成されていることは上述したスタビライズ処理において必須ではない。
ウェルが形成されていない容器を使用する場合でも、画像表示装置60は、スタビライズ処理において、例えば、受精卵の重心が画像の中心となる画像又は第1フレームの撮影画像を基準画像として用い、上述した式(1)等に基づき、画素ごとの輝度の差に基づき基準画像と位置合わせ対象画像との受精卵の位置に基づくずれ量dx、dyを算出する。これにより、画像表示装置60は、位置合わせ対象画像である各撮影画像の切出し範囲を好適に設定し、個別画像表示欄74において受精卵のブレが少ない動画を好適に表示させることができる。
(変形例2)
上記の実施例では、1つのウェルに1つの受精卵が収容されているが、その代わりに、1つのウェルに複数(例えば2つ)の受精卵を収容してもよい。また、ウェルが形成されていない培養容器10を使用する場合でも、複数の受精卵を1つのグループとして容器に収容してもよい。なお、1つのウェルに1つの受精卵を収容する方が、個別管理の観点ではより好ましい。
(変形例3)
図1に示される画像表示システム100の構成は一例であり、本発明を適用可能な構成は、図1に示す構成に限られない。
例えば、画像表示装置60は、記憶装置55又は図示しないサーバ装置が生成した表示情報に基づき画像閲覧画面を表示してもよい。この場合、記憶装置55又はサーバ装置は、実施形態で画像表示装置60が行ったスタビライズ処理を含む画像閲覧画面の表示処理を実行することで、画像閲覧画面の表示情報を生成し、生成した表示情報を画像表示装置60に送信する。そして、画像表示装置60は、受信した表示情報に基づき、画像閲覧画面を表示する。また、画像表示装置60は、画像閲覧画面上でのユーザ入力に対応する入力情報を、上述の記憶装置55又はサーバ装置へ送信することで、当該入力情報が示す入力内容を反映した画像閲覧画面の表示情報を受信する。この態様によっても、画像表示装置60は、画像閲覧画面を好適に表示することができる。なお、この態様では、上述の記憶装置55又はサーバ装置は、本発明における「画像表示装置」として機能し、画像表示装置60は、本発明における「表示装置」として機能する。また、記憶装置55又はサーバ装置のCPUなどは、本発明におけるプログラムを実行する「コンピュータ」として機能する。
他の例では、記憶装置55に記憶される撮影画像は、撮影装置50又は画像表示装置60のいずれかの記憶部に記憶されていてもよい。この場合であっても、画像表示装置60は、撮影装置50又は記憶部63から撮影画像を取得することで、好適に画像閲覧画面を表示することができる。
(変形例4)
上記の実施形態では、撮影装置50は、撮影画像に対して患者ID、ウェル位置、カメラの焦点位置、撮影時刻などを示す属性情報をファイル名などに付加して記憶装置55に送信しているが、その際に、CRCコード、チェックサムデータなどを付加してもよい。これにより、撮影後に撮影画像のデータが改変されたり、誤ってファイル名が変更されたりして撮影画像の取り違えなどが生じることを防止することが可能となる。
(変形例5)
同一の培養容器10から生成される同一患者の受精卵画像グループを識別する方法として、画像の撮影時刻から判定してもよい。
一般に、ウェル12間のカメラ52の移動は短時間であるが、培養容器10間のカメラ52の移動は長時間を要する。言い換えると、培養容器I内のウェル12を観察する際の移動距離は小さいため、撮影間隔が短いが、培養容器Iから培養容器IIに移動するときには移動距離が長くなり、撮影間隔が長くなる。よって、画像表示装置60は、撮影時刻の間隔が所定時間未満となる撮影画像のグループを、同一の培養容器10から生成される同一患者の受精卵画像グループとみなすとよい。この態様によっても、画像表示装置60は、同一の培養容器10から生成される同一患者の受精卵画像グループを好適に識別することができる。
10 培養容器
12 ウェル
20 撮影画像
30 受精卵
50 撮影装置
51 照明
52 カメラ
53 制御部
54 通信部
55 記憶装置
60 画像表示装置

Claims (11)

  1. 対象物を撮影した撮影画像を取得する取得部と、
    前記撮影画像の一部を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
    前記表示制御部は、前記撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量に基づき、前記撮影画像の表示範囲を決定することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記取得部は、前記対象物を複数時刻で撮影した複数の撮影画像を取得し、
    前記表示制御部は、前記撮影画像の各々に対して決定した前記表示範囲の画像を、撮影した時系列により前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記取得部は、前記対象物を複数の焦点位置においてそれぞれ複数時刻で撮影した複数の撮影画像を取得し、
    前記表示制御部は、外部入力により指定された焦点位置に対応する前記撮影画像の各々に対して決定した前記表示範囲の画像を、撮影した時系列により前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記表示制御部は、前記表示範囲の決定において基準となる基準画像に対する前記ずれ量を算出し、当該ずれ量に基づき、所定サイズに定められた前記表示範囲の位置を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  5. 前記対象物は、凹部内に収容されており、
    前記取得部は、前記凹部を撮影範囲に含む前記撮影画像を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  6. 前記表示制御部は、前記撮影画像における前記対象物又は前記対象物が収容される凹部が、前記表示範囲の中央付近に位置するように、前記ずれ量に基づき前記表示範囲を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  7. 前記表示制御部は、前記表示範囲内における前記対象物の表示位置と重ならない位置に、前記撮影画像に関連する情報又は前記対象物に関連する情報を、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  8. 前記取得部は、複数の対象物を対象物ごとに撮影部の位置を変えて繰り返し撮影した画像を、前記撮影画像として取得することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  9. 前記表示制御部は、前記撮影画像の一部を表示するための表示情報を、前記表示部を有する表示装置に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像表示装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 画像表示装置が実行する制御方法であって、
    対象物を撮影した撮影画像を取得する取得工程と、
    前記撮影画像の一部を表示部に表示させる表示制御工程と、を有し、
    前記表示制御工程は、前記撮影画像に表示された撮影範囲のずれ量に基づき、前記撮影画像の表示範囲を決定することを特徴とする制御方法。
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