JP2019020533A - 擬似剛体化ユニット及び擬似剛体化システム - Google Patents
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Abstract
Description
インシュレータのひとつのタイプは硬質材を用いるものである。近年、前述した緩衝体に代わり、オーディオ機器が発生する振動を効果的に吸収し、外部へ逃すことを目的とした硬質材、たとえば、木材、樹脂、金属、セラミック等を用いたものが考案され商品化されている。硬質インシュレータの場合は、良質な音響素材のキャラクターを利用した再生音のチューニング手段として用いられる。
このタイプのインシュレータは、振動の遮断(シャットアウト)を目的としたもので、剛性の小さい緩衝体が用いられる。緩衝体として、ゴム材を用いたもの、スプリングコイルを用いるもの、空気を封じ込めたエアーフローティング・ボード、磁力の反発力を利用したものなどがある。このフローティング方式において、オーディオ機器と床面間の振動遮断を図る目的は次のようである。スピーカーが設置される民間住宅の床面は、通常20〜100Hzを固有値とする分布振動モードを持っている。床面に伝達されたスピーカーの振動は、床面を含む部屋全体の持つ複雑な固有振動モードを励起させる。原音に複雑に重畳された外乱振動は、再びスピーカーの筺体を振動させる。オーディオ機器と床面間の上記振動の相互干渉が、混変調歪(Inter-modulation distortion)を発生させて、再生音の品位(音質)を低下させる重大な要因となる。この混変調歪の発生は、前述した硬質材料式では基本的に回避できない。しかし、振動遮断による音質向上の代償として、弾性支持されたスピーカーは外力に対して振れ易く、設置が不安定になるという課題があった。
(1)スピーカーが床面から離脱して、かつ転倒しないように床面に安定設置する。
(2)スピーカーの音響特性を劣化させない。
図37は、スピーカーをチューニングベルトを床面固定する方法を示す図である。500はスピーカー、501はスピーカーを支持するスパイク、502は床面、503は転倒防止用チューニングベルト、504はこのチューニングベルトを床面に固定するボルトである。この方法により、上記(1)のスピーカーの転倒防止は図ることはできるが、しかし、上記(2)の再生音のクオリティー(品質)は確実に劣化する。スピーカーの場合、コーンを駆動するボイスコイルの反力がスピーカー・エンクロージャー(筺体)本体を振動させる。すなわち、スピーカーはボイスコイルで駆動されるコーンだけが音源ではなく、筺体全体が音の発生源である。スピーカーの筺体は、多くの高調波の共振周波数を有する、バイオリン、チェロなどの楽器同様の共鳴体である。これらの楽器は、演奏時においてスパイク状のエンドピンで床面に一点で支持される。その理由は共鳴体である楽器の音響特性を損なわないためである。スピーカーの筺体をチューニングベルトで拘束すれば、楽器同様の共鳴体としての特性は失われて、上記(2)の条件は満足できない。
図38は、耐震グッスとして市販されている地震対策用品を用いて、スピーカーの上部側面と壁面を弾性部材で連結する方法である。図38aは上面図、図38bは正面図である。510はスピーカー、511はスピーカーを支持するスパイク、512は床面、513は壁面、514は転倒防止用耐震グッスである。この場合も同様に、スピーカーの転倒防止を図るためには、耐震グッスは十分な強度(剛性)を保たねばならず、スピーカーの共鳴体としてのデリケートな音響特性は維持できない。
図39は、スピーカー底面部と床面間に剛体部材を介在して、スピーカー本体を床面に完全固定する方法である。520はスピーカー、521はスピーカーのコーン、522はスピーカー・エンクロージャー(筺体)、523は床面、524はスピーカーと床面間に設置された剛体部材、525はスピーカーの筺体522と前記剛体部材を連結するボルト、526は前記剛体部材と床面523を連結するボルトである。この方法により、上記(1)のスピーカーの転倒防止は図ることはできるが、しかし、前述した方法と同様に再生音のクオリティー(品質)も確実に劣化する。コーン521を駆動するボイスコイルの反力がスピーカーの筺体522を振動させると、この振動527a、527bは前記剛体部材を介して床面523に伝達される。床面523に伝達されたスピーカーの振動は、床面を含む部屋全体の持つ複雑な固有振動モードを励起させて、再びスピーカーの筺体522を振動させる。すなわち、低周波の床面振動とスピーカー本体の振動の相互干渉がもたらす音質の劣化は、スピーカーを剛体支持する限り基本的に回避できない。
さて、産業機器分野では、振動発生源である圧縮機、トランス、エアコン、発電機などの振動を外部に伝達させないために、防振架台が広く用いられてきた。対象機器の振動を床面に伝えないようにするのが防振であり、床面の振動を対象機器へ伝えないようにするのが除振である。ばねと質量とダンパーで構成される防振と除振は同一の解析モデルで表現できる。そのため、防振と除振の作用を併せ持つ防振架台をスピーカーの支持に使えないかというのは、極めて自然な発想である。
保護対象機器を搭載する側に設けられた上部部材と、
設置床面側に設けられた下部部材と、
前記上部部材と前記下部部材の間に設けられた前記保護対象機器の質量を支持する弾性支持部材と、
前記上部部材と前記下部部材の間に隙間が形成されるように設けられ、前記上部部材の第1所定量以上の上方向移動を規制する上限値規制部と、
前記上部部材と前記下部部材の間に隙間が形成されるように設けられ、前記上部部材の第2所定量以上の下方向移動を規制する下限値規制部と、を具備し
前記保護対象機器の質量mの取り得る範囲をm 0≦m≦m max、
前記弾性支持部材の剛性をK、
前記弾性支持部材の剛性K、前記保護対象機器の質量mがm 0である場合の共振周波数をf 0、
前記弾性支持部材が質量m maxの前記保護対象機器を支持する場合における、前記弾性支持部材が質量m 0の前記保護対象機器を支持する場合のつり合いの位置からの変位をxn、
この変位xnから決まる前記上限値規制部と前記下限値規制部の平均隙間をδmean、
転倒限界、あるいは、発生衝撃荷重の許容限界から決まる限界隙間をδmax,として、
前記平均隙間δmean<前記限界隙間δmaxを維持すると共に、
前記上限値規制部と前記下限値規制部の各隙間が非接触の状態を維持できるように、前記共振周波数f 0を設定したことを特徴とする擬似剛体化ユニットである。
前記質量がm=m0のときの前記上限値規制部の隙間をδV2mini、
前記質量がm=m maxのときの前記下限値規制部の隙間をδV1min、
δV2min>0、及び、δV1min>0となるように設定したものである。
質量増大率n= m max/m0として、下記条件を満たすように、前記質量増大率n、前記共振周波数f 0を設定したものである。
前記上限値規制部における隙間δV2と前記下限値規制部隙間δV1が概略等しい条件下において、片側平均隙間δmean=δV1=δV2である。ここで、δmaxは擬似剛体化システムが想定される外力(地震波の加速度の大きさ)の条件下で、転倒限界、あるいは、発生衝撃荷重の限界から決まる許容される隙間とする。平衡状態からのスプリング変位の変動幅 xn =上式左辺≒δmeanである。したがって、上記条件を満足すように、前記質量増大率n、前記共振周波数f 0を設定すれば、無調整で設置安定性を維持できる擬似剛体化システムが実現できる。
前記平均隙間1.0×10-3m≦δmean≦2.5×10-3mに設定したものである。
前記上部部材から下方向に伸びた中心部材と、を具備し
前記上限値規制部は、前記中心部材と前記下部部材間の隙間δV2により前記上部部材の上方向の移動量を規制するように構成されており、
前記下限値規制部は、前記中心部材と前記下部部材間の隙間δV1により前記上部部材の下方向の移動量を規制するように構成されており、
かつ、前記上限値規制部と前記下限値規制部は前記中心部材の軸方向に沿って並んで配置されしたものである。
請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
前記上部部材の前記保護対象機器側に設けられたユニット側締結部と、
前記保護対象機器の底面に設けられた保護対象機器側締結部と、
前記ユニット側締結部と前記保護対象機器側締結部と繋ぐ連結部材により、
前記保護対象機器機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化したシステムを構成したものである。
前記擬似剛体化ユニットを前記保護対象機器機器に対して離脱不可の構成にすることにより、従来フローティング式ユニットを装着する場合と比較して、設置安定性のよい擬似剛体化システムが実現できる。
請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
前記保護対象機器の底面よりも面積が大きく、前記複数の擬似剛体化ユニットが締結されたボードと、を備え、
前記保護対象機器が前記複数の擬似剛体化ユニットに締結された状態で搭載されるシステムを提供するものである。
保護対象機器にボードを装着して床面に対する支持幅を増大することにより、ボード装着無しの場合と比べて、保護対象機器の設置安定性を大幅に向上させることができる。
請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
この擬似剛体化ユニットの底面積よりも面積が大きく、前記複数の擬似剛体化ユニットのそれぞれに締結された分割ボード、を備え
前記保護対象機器が前記複数の擬似剛体化ユニットに締結された状態で搭載されるシステムを提供するものである。
たとえば、保護対象機器を4分割ボードで支持する構成にすれば、保護対象機器の設置環境に合わせて、各分割ボードを水平方向に自在に開閉できる。本発明を設置面積が小さいトールボーイ型スピーカーに適用したとき、トールボーイ型の省スペース化の利点を失わないで、設置安定性の特徴を併せ持つ擬似剛体化システムを実現できる。
スピーカーを保護対象機器として支持する擬似剛体化ユニットであって、質量増大率n= m max/m0として、n≧1.5、及び、8Hz≦f0≦15Hzの範囲に設定したものである。
(1)民生商品であるオーディオ用スピーカーの場合、スピーカー重量に合わせた商品(擬似剛体化ユニット)の品揃え(品種の数)は、n≧1.5の範囲設定が実用上の限界である。(2)固有振動数 f 0>15Hzの場合は、音響特性が床面振動の影響を受け易く、f 0<8Hzの場合はスプリング変位が大幅に増大するため調整レス化が困難である。上記(1)(2)を考慮して、n≧1.5、及び、8Hz≦f0≦15Hzの範囲に設定することで、本発明の特徴が活かせる擬似剛体化システムが実現できる。
スピーカーを保護対象機器として支持する擬似剛体化ユニットであって、スピーカーの最小質量をm 0=15〜25kg、最大質量をm max=30〜50kgの範囲を受け持つように構成したものである。
質量増大率n=2として、オーディオ分野で一般的に普及しているスピーカーの需要から、低荷重用ユニットの質量範囲は、最小質量m 0=15〜25kg、最大質量m max=30〜50kgとする。この場合、擬似剛体化ユニット(商品A)の低荷重用は15〜30Kg、擬似剛体化ユニット(商品B)の低荷重用は25〜50Kgとなる。さらに、擬似剛体化ユニット(商品A)は3種類の品揃えを想定して、中荷重用30〜60Kg、大荷重用60〜120Kgとしてもよい。
オーディオ機器を保護対象機器として支持する請求項1記載の擬似剛体化ユニットであって、
前記オーディオ機器側のスパイク本体部、あるいは、前記スパイク本体部の一部を収納できる容積を有する円柱形状空間を前記上部部材の中央部に形成し、
前記円柱形状空間の側面に形成されたユニット側ねじ部と、
前記オーディオ機器の底面に設けられているスパイク取り付けのためのオーディオ側ねじ部と、
前記ユニット側ねじ溝と前記オーディオ側ねじ部を繋ぐ連結部材により、前記オーディオ機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化したものである。
上部部材にスパイクを収納できる広い空間を形成することのより、請求項12で後述する「フローティング式スパイク受け」として兼用できる。本実施形態における擬似剛体化ユニットは、前述した実施形態同様に、スピーカー質量が許容範囲で変化しても、δV1>0、δV2>0の条件が無調整で維持できる。
前記オーディオ機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化する作業の前段階において、
前記スパイク受け皿を前記円柱形状空間の床面側底面に配置して、音質評価用のスパイク受けとして適用できるように構成したものである。
次の理由により、従来困難だったフローティング式のスパイク支持が可能となる。(1)スパイク受け皿が設置される上部部材の軸方向移動は、狭い隙間で規制されている。(2)スパイク先端部は空隙部に底深く収納されて、かつ、スパイク先端部の高さは床面に対して充分に低く、スパイク本体は容易には、擬似剛体化ユニットから離脱しない。また、スパイクの着脱とユニットのボード設置作業が不要なため、スピーカー、擬似剛体化ユニット、ボードの3者を一体化する前段階で、本インシュレータの音質面での評価が容易にできる。
保護対象機器を搭載する側に設けられた上部部材と、
この上部部材から下方向に伸びた主軸と、
設置床面側に設けられた下部部材と、
前記主軸は軸方向に移動可能に前記下部部材に収納されており、
あるいは、前記主軸は軸方向に移動可能に前記下部部材を収納しており、
前記上部部材と前記下部部材の間に設けられた前記保護対象機器の荷重を支持する弾性支持部材と、
前記主軸とその対向面は静的平衡状態では隙間δSを保ち、
静的平衡状態から外れたときには隙間δDとなるように構成されており、
平常時には前記保護対象機器は隙間δSよりも広い隙間δSを保つことで除振、あるいは、防振作用を得ると共に、
前記保護対象機器が揺動運動する非常時には、前記主軸の軸方向移動により、前記主軸の傾斜角を前記狭い隙間δDで規制することで、前記保護対象機器の揺動運動を抑制する作用を得るように構成したものである。
主軸とスリーブ間の隙間を適切な段付構造に設定することにより、
(i)平常時には、ユニット主軸は非接触状態を保ち、除振・防振性能が得られる。
(ii)保護対象機器の搭載荷重が広い範囲で変化しても、上記非接触状態を調整レスで保つことができる。
(iii)ロッキング振動が発生する非常時には、左右主軸の傾斜角方向を拘束状態にして、保護対象機器全体の揺動運動を抑制する傾斜角抑制作用が働く。
上記(i)〜(iii)が調整レスで実現できる理由は、ロッキング振動により、左右主軸が交互に軸方向相対移動を繰り返す点を利用している、という点が重要なポイントである。すなわち、本ユニットを左右に配置して保護対象機器を搭載することにより、ロッキング振動自身がロッキング振動を自立的に抑制するのである。この自立抑制作用の効果により、搭載荷重の変動に対して安定した除振・防振性能が得られると共に、非常時には最適状態に設置された転倒防止・衝撃荷重低減効果が無調整で得られる。
請求項1、もしくは、請求項12記載の擬似剛体化ユニットと、
前記保護対象機器の質量をm、前記保護対象機器の重心高さをH、前記保護対象機器の左右支持部の距離をB0、前記保護対象機器の前記支持部と重心位置の距離をR、角度φ=tan-1 (B0/2H)、重力加速度をg、前記ボードの質量をmb、前記ボードの重心位置と前記ボードのコーナー部間の距離をBG、前記支持部と前記ボードの前記コーナー間の距離をB1、前記保護対象機器に水平方向の静荷重が加わったときの最大傾斜角をθrとして、下式でηを定義したとき
また、床面のアンカーボルト施工が難しいオフィス空間、一般住宅などでも、簡素・設置容易な構造で地震対策が図れる。たとえば、本発明による「擬似剛体化ユニット」をオーディオ用スピーカーに適用すれば、永年の未解決課題、すなわち、(i)スピーカーが床面から離脱して、かつ転倒しないように床面に安定設置する、(ii)スピーカーの音響特性を劣化させない。上記(i)(ii)を同時に満足させる抜本的解決手段を提供することができる。その効果は顕著である。
[1] オーディオ用スピーカーへの適用事例
[2] 産業用を含む多用途を想定した適用事例
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態である、「調整レス擬似剛体化ユニット」をオーディオ用スピーカーに適用した場合を示す。図2は、前記調整レス擬似剛体化ユニットの正面断面図である。150は保護対象機器であるスピーカー、151はスピーカーを搭載するボード、152a〜152dは調整レス擬似剛体化ユニットである(152cは図示せず)。前記擬似剛体化ユニットはボード151にボルトより締結される。ボード151は床面にアンカー固定されず、床面に対して水平方向に移動可能で、かつ垂直方向に浮上可能である。
[i]スピーカーが床面から離脱して、かつ転倒しないように床面に安定設置する。
[ii]スピーカーの音響特性を劣化させない。
(1)固有振動数f 0
(2)スピーカー質量の許容変動範囲(質量増大率n)
(3)下記ばらつき要因を考慮した場合
(a)各ユニット搭載質量のばらつき
(b)スプリングコイルの加工精度
上記(1)の固有振動数f 0が隙間設定に与える影響について考察する。ここで、オーディオ用スピーカーの場合、産業機器と比較して、最適な固有振動数範囲が高い領域にある点に注目する。産業機器の場合、通常は固有振動数f 0=4Hz近傍に設定される場合が多い。この理由は、産業機器の場合、保護対象機器本体に低剛性で固有振動数が低い箇所がある場合が多く、この箇所の共振現象がもたらす不具合を考慮するからである。本研究では、産業機器と比べて、スピーカー構造は剛体に近く、固有振動数が高い点に注目した。フローティング式インシュレータで支持されたスピーカーを対象にした試聴実験と振動計測の結果、次の点が明らかとなった。
(i)固有振動数 f 0<5〜6Hzの場合・・・低音域がブーミーになり易い
(ii)固有振動数 f 0>15Hzの場合・・・音響特性が床面振動の影響を受け易い
質量増大率nを大きくする程、品種の数は減らせる。しかし、後述する図9のグラフに示すように、平衡状態からのスプリング変位の変動幅xnが増大する。固有振動数がf0を大きくすれば、変動幅xnは小さくできるが、f0≦15Hzの制約から、n≦3が限界であった。
(iii)固有振動数 f 0<8Hzの場合・・・スプリング変位は大幅に増大
上記(i)〜(ii)の音響特性面からの制約条件、及び、上記(iii)のスプリング変位xnを小さくする条件から、固有振動数範囲は、8Hz≦f 0≦15Hzとするのが好ましい。ここで、前述したように、δmaxを想定される外力(地震波の加速度の大きさ)の条件下で、擬似剛体化システムの転倒限界から決まる片側平均の限界隙間とする。ここで、片側平均とは、(上限値隙間+下限値隙間)/2として定義されるものである。したがって、理想条件下において、δVmean=xn/2=<δmaxの条件を満たすように、共振周波数f 0を設定すれば、無調整で設置安定性を維持できる擬似剛体化システムが実現できる。
スプリングコイルの高さ精度の上記ばらつきは、スプリングコイルは研磨加工を必要とする難加工性部材であることから考慮されるものである。スプリングコイルは加工圧によって容易に弾性変形するため、研磨加工を施した場合でも、軸方向の高さ精度は±0.5mmは見込む必要がある。
上記と同様な考察により、固有振動数をf 0=8〜14Hzに設定した場合について、各隙間の設定値を表2に示す。
ΔY3=0.182mmであり、ΔY1と比べて、ΔY3は充分に小さい。上限値隙間δV2≫ΔY3であるため、保護対象機器の底面が傾斜、あるいは凹凸面を有する場合でも、上限値隙間のばらつき要因を考慮して設定するδV2minに与える影響を僅少にできる。下限値隙間のδV1minの設定与える影響も同様に僅少にできる。上記結果から、本実施形態においては、上記(3)(a)保護対象機器底面の平坦度が隙間の設定に与える影響を無視できるものとする。
[第2実施形態]
図8は本発明の「調整レス・擬似剛体化ユニット」を、産業用を含む多用途を想定した適用事例を示す正面断面図で、前述した実施例同様に、上限値と下限値を規制する箇所をスプリングの内部空間を利用して設けると共に、スプリングの外周部を覆うように防塵皮膜を設けたものである。本実施例は、前述した実施形態が有する機能に加えて、本ユニットを伸縮自在の防塵皮膜(たとえば、蛇腹状に形成された外囲部)で覆うことにより、密閉構造にしたものである。この密閉構造により、ユニット内部に収納した圧縮コイルばね、サージング防止部材等を、風雨や紫外線によって劣化するのを防止することができる。また、上下位置規制部の狭い隙間は、塵埃の影響を受けないために、「調整レス擬似剛体化」の機能を恒久的に維持できる。
「保護対象機器の図形中心≒重心位置」で各ユニットに加わる荷重が均一であり、かつスプリングコイルなどの部品精度にばらつきが無い理想条件を想定する。この場合は、前述したように、δVmean=xn/2=<δmaxの条件を満たすように、記質量増大率n、前記共振周波数f 0を設定すればよい。
溶接加工で本体の枠組みを構成する産業用防振架台と比べて、本発明の擬似剛体化ユニットの場合は、適用する対象の要請に応えて、部品単体精度と組み立て精度を充分に高くできる。そのため、変位規制機構における許容される隙間δmaxの下限値=1.0mmは可能であった。したがって、擬似剛体化ユニットの場合の平均隙間は、δmax=1.0〜2.5mmに設定すればよい。
図10、図11はスピーカーを剛体ブロックとみなして、その転倒限界を求めるモデル図である。図10は従来スピーカーの場合、図11は本発明の擬似剛体化ユニットを適用した場合を示す。図10において、169は床面、170はスピーカー150の底面右端部、171は底面左端部である。支持幅がB0、重心高さがH、重量Wの剛体ブロックの重心に水平力Fαが作用した場合、この水平力によって生じる転倒モーメントはFα×Hである。これに対して、重力は転倒モーメントを打ち消す方向に抵抗モーメントW×B0/2を生じる。物体の転倒は、転倒モーメントが抵抗モーメントを上回ったときに生じるとすれば、静的な転倒条件は
図13はボード幅BWをパラメータとして、剛体ブロックの傾斜角θr [(δV1+δV2)/B0]に対する浮上開始加速度αsを式(14)により求めたものである。B1はボード幅BW(=B1+B0+B2)、B1=B2として計算している。剛体ブロックの質量m=30Kg、重心高さH=710mm、φ=5.43deg、R=713mm、剛体ブロックの支持幅B0=135mmである。但し、ボードの質量mbは考慮していない。BW=135mmのグラフは、ボード装着無し(BW= B0)の特性であり、αs≒1m/s2(100Gal)近傍(鎖線円BB)でブロックは浮上開始する。
ここで、擬似剛体化ユニットを装着して、かつボード幅BW =500mm、上限値と下限値の隙間を共にδV1=δV2=2.35mmに設定した場合を想定する。このとき、剛体ブロックの傾斜角θr=2degである。浮上開始加速度は、ボードを装着しない場合(BB点)に対して3.2倍(CC点)に向上することが分る。
図14はボード幅BWをパラメータとして、ボードと剛体ブロックの質量比mb/m
に対する浮上開始加速度αsを式(14)により求めたものである。質量比mb/mに対する浮上開始加速度αsの勾配は、ボード幅BWが大きい程大きい。この理由は、ボードの慣性モーメントはボードの重心位置とボードコーナー間の距離BGの2乗に比例するからである。ボード幅BW=500mmの場合、質量mb=12Kg(0.4×30)のボードを装着(EE点)すれば、mb≒0Kgの軽量ボード(DD点)に対して、静的転倒条件は1.6倍向上する。
通常の剛体ブッロクの浮上開始条件αs0=g×tan(φ)として、式(14)をαs0で割ると
(i)剛体支持の場合と同等、あるいはそれ以上の静的転倒裕度を得ることができる。即ち、スプリング式(あるいは、バネなどの弾性体で構成されるフローティング式)の欠点である設置不安定性を改善できる。
(ii)スプリング支持であるが故の効果、すなわち、産業機器の場合の徐振・防振効果、 あるいは、オーディオ機器の場合における、床面との相互干渉による混変調歪みの発生を回避する効果が得られる。
例えば断面4角形の剛体ブロックの静的転倒基準を、式(15)を用いて評価する場合、剛体ブロックの前後方向と左右方向は転倒し易い条件を選択すればよい。即ち、ボードの前後・左右の各コーナーを支点とする4つの回転モーメントMを算出して、Mが最も小さくなる条件を選択すればよい。剛体ブロック断面形状が断面4角形ではなく、3角形の場合、あるいは多角形の場合でも、回転モーメントMが最も小さくなる条件を選択すればよい。第7実施形態で後述する「4分割ボード方式」の場合も同様である。
[第3実施形態]
図16は本発明である「調整レス・擬似剛体化ユニット」の第3実施形態を示す正面断面図である。上部スリーブにスパイクを収納できる広い空間を形成することのより、図23で後述するように、「フローティング式スパイク受け」として兼用できる構造を示す。250はスピーカー、251はボード、252は調整レス擬似剛体化ユニットである。253は上部スリーブ(風鈴部材)、254は下部ハウジング(下部部材)、255は中心軸(中心部材)、256はスプリングコイル、257、258は前記スプリングコイル256の位置決め部、259はサージング防止部材、260a、260cはボード151に締結するボルトである。261は留め具、263は連結部材、263aは前記連結部材のスピーカー側ねじ部、263bは前記連結部材のユニット側ねじ部、264aは上部スリーブ253の上面凸部、264bは外周部である。265は変位規制部であり、変位規制部265の下端面266と留め具261の間隙が、上部スリーブ253の上方向に移動可能な隙間(上限値隙間)δV2となる。また変位規制部265の上端面267と上部スリーブ側対向面268の間隙が、上部スリーブ253の下方向に移動可能な隙間(下限値隙間)δV1となる。269は図17で後述するスパイクを収納できる空隙部である。本実施形態における擬似剛体化ユニットは、実施形態1と同様に、スピーカー質量が許容範囲で変化しても、δV1>0、δV2>0の条件が無調整で維持できるように構成されている。
図17は、図16で示した「調整レス・擬似剛体化ユニット」の締結部材263を取り外して、フローティング式スパイク支持構造として、本ユニットを適用した場合を示す。
本実施形態は、スピーカー、擬似剛体化ユニット、ボードの3者を一体化する第3実施形態の前段階で、音質評価用として構成したものである。270は空隙部269の底面271に設置されたスパイク受け皿、272はスピーカー250に固定されたスパイク本体部、272aはスパイク先端部である。スピーカーのようなオーディオ機器をスパイク支持する場合、通常、スパイク先端部272aを受けるスパイク受け皿は、剛体床面に直接配置される場合が多い。スプリング式、エアー式、マグネット式などの背の高いフローティング式インシュレータの上に、スパイク受け皿を配置するのは、設置不安定さゆえに通常は敬遠される。スピーカーに加わる外力によって、スパイク先端部がスパイク受け皿から離脱すると、各支持箇所の落差の大きさから、スピーカーは容易に傾斜して転倒するからである。 本実施形態の擬似剛体化ユニットでは、次の理由により、従来困難だったフローティング式のスパイク支持が可能となった。
(1)スパイク受け皿270が設置される上部スリ−ブ253の軸方向移動は、狭い隙間
で規制されている。
(2)スパイク先端部272aは空隙部269に底深く収納されて、かつ、スパイク先端部272aの高さ(Hs)は床面に対して充分に低く、スパイク本体272は容易には、擬似剛体化ユニットから離脱しない。
図18は本発明の第5実施形態を示すもので、図18(a)は図18(b)のAA矢視図、図18(b)は図18(a)のBB矢視図である。本実施形態における擬似剛体化ユニットは、垂直方向剛性はスプリングコイルによる高剛性支持、水平方向はワーヤー吊り下げ方式の低剛性支持を併せ持つものである。さらに、擬似剛体化を図るために、狭い隙間で軸方向変位を規制する変位規制部が設けられている。ワーヤー吊り下げ方式に関しては、特開2011-27249号による先行技術があるが、狭い隙間で軸方向変位を規制する方法については、同文献には開示されていない。
図19〜図21は、本発明の実施形態6に係るフローティング式の「傾斜角・自立抑制型」の調整レス・擬似剛体化ユニットを示すもので、ユニット主軸とスリーブ間の隙間を適切な段付構造に設定することにより、
(i)平常時には、ユニット主軸は非接触状態を保ち、除振・防振性能が得られる。
(ii)保護対象機器の搭載荷重が広い範囲で変化しても、上記非接触状態を調整レスで保つことができる。
(iii)ロッキング振動が発生する非常時には、左右主軸の傾斜角方向を拘束状態にして、保護対象機器全体の揺動運動を抑制する傾斜角抑制作用が働く。
図22(a)、図22(b)は本発明の第7実施形態である、「調整レス・擬似剛体化ユニット」をオーディオ用スピーカーに適用した場合を示す。図23は、図21(a)の部分拡大図である。350はスピーカー、351a〜351dは調整レス擬似剛体化ユニット、352a〜352dは前記擬似剛体化ユニットを搭載する4分割ボード、353は床面(図23参照)である。前記各擬似剛体化ユニットは前記分割ボードのそれぞれにボルトより締結される。前記各ボードは床面にアンカー固定されず、床面に対して水平方向に移動可能で、かつ垂直方向に浮上可能である。分割ボード352a〜352dのそれぞれは、擬似剛体化ユニット351a〜351d各々に独立して設けられており、各分割ボードは前記擬似剛体化ユニットの中心軸を軸芯として、矢印Aに示すように、水平方向に自在に開閉できる。左右分割ボードの開閉状態で決まる有効ボード幅をBWとすれば、図22(a)は有効ボード幅が最も広いBW=BWmaxの状態、図22(b)はBW=BWminの状態を示す。
[1-1]ロッキング振動に関する従来研究例
地震時に発生する構造物のロッキング振動に関する研究例は多い。たとえば、非特許文献1において、小林らは剛体を2つ積み重ねた2自由度ロッキング系の地震時における構造物の転倒条件を、数値シュミュレーションにより求めている。非特許文献3において、鄭らは構造物とベース(設置面)間に滑り運動を考慮した非線形ロッキングモデルを提案し、その力学モデルの妥当性を実験により評価している。非特許文献4において、古川らは最大加速度に対して転倒する墓石の高さ幅比の最小値を振動数毎に求め、転倒基準を作成している。上記研究はいずれも拘束の無い剛体ブロックに、外力が加わったときの動力学的な特性を求めるものであった。
(i)剛体ブロックはバネで支持されている。
(ii)剛体ブロックの変位は、 狭い隙間の範囲で規制されている。
上記(i)(ii)の条件下で、剛体ブロックの動的挙動(ダイナミクス)を理論的に解明した研究例は、現段階では本発明の研究以外には見当たらない。
[1-2-1] 基礎式
ボードに締結された擬似剛体化ユニット(減震ユニット)に保護対象機器を搭載して、かつボードと床面間がアンカーなどにより完全固定された場合において、前記保護対象機器の支持部に加わる衝撃荷重を求める解析を行う。以下、上限値・下限値の変位規制機構を組み入れて、スプリング支持された剛体ブロック重心の垂直方向変位と、ブロックのコーナーを支点とする傾斜角θに関する基礎式を導出する。
ここで、mは剛体ブロックの質量、Rはブロック底面コーナーと重心位置G間の距離、B0はブロック左右支持部間の距離、I0は底面コーナーを支点とする剛体ブロックの回転モーメント、剛体ブロックの重心高さをHとして、tan(φ)=B0/2Hである。鎖線円BBで示す箇所が、上限値と下限値を調整する変位規制機構とスプリングで構成される。
図26において、剛体ブロック重心の変位をY、静的釣合点からの左右コーナー部の変位をy1、y2とおくと
以下、剛体ブロックに水平方向加速度が加わった場合、ロッキング振動の回転角と支持部の発生力を求める解析を行う。解析条件は、ブロック支持幅B0=282mm、重心高さH=710mm、R=0.274m、ブロック質量m=30Kg、ブロックの慣性モーメント I0=21.0Nms2、支持部ばね剛性K1=K2=5.92×104N/m、上記mとK1、K2で決まる垂直方向の共振周波数f0H =10Hz、回転方向の共振周波数f0R=1.3Hzである。剛体ブロックにロッキング振動を与える水平方向加速度を図29a、図29bに示す。すなわち、時間30秒の間で、一定振幅a=3m/s2、周波数f=6Hz→0.4Hzの範囲で変化するSweep波形を床面に与えた場合を仮定する。
たとえば、保護対象機器に精密部品が搭載された場合において、上記発生力Fmaxの大きさは、精密部品に加わるダメージの大きさを示す重要な評価指標となる。
本発明による「調整レス・擬似剛体化ユニット」は、産業用、民生用を問わず、適用対象のニーズに対応してアレンジすることで適用できる。たとえば、高価・重要・貴重品を保護することを目的として、病院内に設置されている医療機器、危険薬品の保管棚、鉄道運行制御盤、消防署・警察の緊急時コンピュータ・システム、半導体向上におけるウエハ関連装置などの地震対策として適用できる。あるいは、5〜10tonの大荷重支持が必要な変圧設備、自家発電装置などに適用できる。また、調整レス・擬似剛体化ユニットとボード(あるいは、分割ボード)で構成される減震システムが、極めて簡素な構成で実現できるために、オフィス環境に設置されたコンピュータ・サーバのラック、本格免震までは必要としない美術品、キャスタ付き精密機器などを保護対象として、アンカー固定を省略した簡易減震装置として適用できる。
本発明の擬似剛体化ユニットと、従来防振架台などで用いられる変位規制機構(図40bのA)を独立して並列配置して、保護対象機器を支持する構成でもよい。この場合、たとえば一例として、前記変位規制機構Aの隙間は前記擬似剛体化ユニットのそれよりも若干大きめに設定する。かつ前記変位規制機構Aにはゴム等の減衰材を設けて、想定以上の加速度入力に対して、衝撃荷重を大幅に低減できる「2重防御構成」でもよい。
153・・・上部部材
154・・・下部部材
156・・・弾性支持部材
165・・・上限値規制部
165・・・下限値規制部
Claims (14)
- 保護対象機器を搭載する側に設けられた上部部材と、
設置床面側に設けられた下部部材と、
前記上部部材と前記下部部材の間に設けられた前記保護対象機器の質量を支持する弾性支持部材と、
前記上部部材と前記下部部材の間に隙間が形成されるように設けられ、前記上部部材の第1所定量以上の上方向移動を規制する上限値規制部と、
前記上部部材と前記下部部材の間に隙間が形成されるように設けられ、前記上部部材の第2所定量以上の下方向移動を規制する下限値規制部と、を具備し
前記保護対象機器の質量mの取り得る範囲をm 0≦m≦m max、
前記弾性支持部材の剛性をK、
前記弾性支持部材の剛性K、前記保護対象機器の質量mがm 0である場合の共振周波数をf 0、
前記弾性支持部材が質量m maxの前記保護対象機器を支持する場合における、前記弾性支持部材が質量m 0の前記保護対象機器を支持する場合のつり合いの位置からの変位をxn、
この変位xnから決まる前記上限値規制部と前記下限値規制部の平均隙間をδmean、
転倒限界、あるいは、発生衝撃荷重の許容限界から決まる限界隙間をδmax,として、
前記平均隙間δmean<前記限界隙間δmaxを維持すると共に、
前記上限値規制部と前記下限値規制部の各隙間が非接触の状態を維持できるように、前記共振周波数f 0を設定したことを特徴とする擬似剛体化ユニット。 - 前記質量がm=m0のときの前記上限値規制部の隙間をδV2mini、
前記質量がm=m maxのときの前記下限値規制部の隙間をδV1min、
δV2min>0、及び、δV1min>0となるように設定したことを特徴とする請求項1記載の擬似剛体化ユニット。 - 質量増大率n= m max/m0として、下記条件を満たすように、前記質量増大率n、前記共振周波数f 0を設定したことを特徴とする請求項2記載の擬似剛体化ユニット。
- 前記平均隙間1.0×10-3m≦δmean≦2.5×10-3mであることを特徴とする請求項1記載の擬似剛体化ユニット。
- 前記上部部材が、下方向に伸びる中心部材を具備し
前記上限値規制部は、前記中心部材と前記下部部材間の隙間δV2により前記上部部材の上方向の移動量を規制するように構成されており、
前記下限値規制部は、前記中心部材と前記下部部材間の隙間δV1により前記上部部材の下方向の移動量を規制するように構成されており、
かつ、前記上限値規制部と前記下限値規制部は前記中心部材の軸方向に沿って並んで配置されていることを特徴とする請求項1記載の擬似剛体化ユニット。 - 請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
前記上部部材の前記保護対象機器側に設けられたユニット側締結部と、
前記保護対象機器の底面に設けられた保護対象機器側締結部と、
前記ユニット側締結部と前記保護対象機器側締結部と繋ぐ連結部材により、
前記保護対象機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化したことを特徴とする
擬似剛体化システム。 - 請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
前記保護対象機器の底面よりも面積が大きく、前記複数の擬似剛体化ユニットが締結されたボードと、を備え、
前記保護対象機器が前記複数の擬似剛体化ユニットに締結された状態で搭載されることを特徴とする擬似剛体化システム。 - 請求項1記載の複数の擬似剛体化ユニットと、
この擬似剛体化ユニットの底面積よりも面積が大きく、前記複数の擬似剛体化ユニットのそれぞれに締結された分割ボード、を備え
前記保護対象機器が前記複数の擬似剛体化ユニットに締結された状態で搭載されることを特徴とする擬似剛体化システム。 - スピーカーを保護対象機器として支持する擬似剛体化ユニットであって、質量増大率n= m max/m0として、n≧1.5、及び、8Hz≦f0≦15Hzの範囲であることを特徴とする請求項1記載の擬似剛体化ユニット。
- 前記保護対象機器が、スピーカーであり、
スピーカーの最小質量をm 0=15〜25kg、最大質量をm max=30〜50kgの範囲を支持することを特徴とする請求項1記載の擬似剛体化ユニット。 - オーディオ機器を保護対象機器として支持する請求項1記載の擬似剛体化ユニットであって、
前記オーディオ機器側のスパイク本体部、あるいは、前記スパイク本体部の一部を収納できる容積を有する円柱形状空間を前記上部部材の中央部に形成し、
前記円柱形状空間の側面に形成されたユニット側ねじ部と、
前記オーディオ機器の底面に設けられているスパイク取り付けのためのオーディオ側ねじ部と、
前記ユニット側ねじ溝と前記オーディオ側ねじ部を繋ぐ連結部材により、前記オーディオ機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化したことを特徴とする擬似剛体化システム。 - 前記オーディオ機器と前記擬似剛体化ユニットを一体化する作業の前段階において、
前記スパイク受け皿を前記円柱形状空間の床面側底面に配置して、音質評価用のスパイク受けとして適用できるように構成されたことを特徴とする請求項11記載の擬似剛体化システム。 - 保護対象機器を搭載する側に設けられた上部部材と、
この上部部材から下方向に伸びた主軸と、
設置床面側に設けられた下部部材と、
前記主軸は軸方向に移動可能に前記下部部材に収納されており、
あるいは、前記主軸は軸方向に移動可能に前記下部部材を収納しており、
前記上部部材と前記下部部材の間に設けられた前記保護対象機器の荷重を支持する弾性支持部材と、
前記主軸とその対向面は静的平衡状態で隙間δSを保ち、
静的平衡状態から外れたときには隙間δSよりも狭い隙間δDとなるように構成されており、
平常時には前記保護対象機器は前記隙間δSを保つことで除振、あるいは、防振作用を得ると共に、
前記保護対象機器が揺動運動する非常時には、前記主軸の軸方向移動により、前記主軸の傾斜角を前記隙間δDで規制することで、前記保護対象機器の揺動運動を抑制する作用を得ることを特徴とする擬似剛体化ユニット。 - 請求項1又は13記載の擬似剛体化ユニットと、
前記保護対象機器の質量をm、前記保護対象機器の重心高さをH、前記保護対象機器の左右支持部の距離をB0、前記保護対象機器の前記支持部と重心位置の距離をR、角度φ=tan-1 (B0/2H)、重力加速度をg、前記ボードの質量をmb、前記ボードの重心位置と前記ボードのコーナー部間の距離をBG、前記支持部と前記ボードの前記コーナー間の距離をB1、前記保護対象機器に水平方向の静荷重が加わったときの最大傾斜角をθrとして、下式でηを定義したとき
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