JP2019020245A - 複数の変位計を用いた高精度形状計測方法 - Google Patents

複数の変位計を用いた高精度形状計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】標準偏差平均1nm(σ)の再現性を達成可能な高精度形状計測方法を提供する。【解決手段】第1の変位計の位置に超平坦面をセットし、第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルを得る工程と、第4の変位計の位置に超平坦面をセットし、第4の変位計による誤差プロファイルを含む、超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルを得る工程と、第1の変位計の位置に計測対象をセットし、且つ第4の変位計の位置に超平坦面を所定角度傾斜させた状態でセットし、計測対象の計測プロファイルを得る工程と、超平坦面の傾斜させない状態と傾斜させた状態の計測プロファイルとを比較して傾斜に対する位置誤差プロファイルを算出する工程と、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイル、位置誤差プロファイル、および計測プロファイルに基づき、校正された計測対象の形状を得る工程とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、たとえば軟X線集光ミラーの製作型となるマンドレルの形状の高精度な測定
に好適な、複数の変位計を用いた高精度形状計測方法に関する。
可干渉性の高強度軟X線が大型放射光施設などで発振されている。その軟X線を利用し
た顕微鏡において、解析の空間分解能や感度を向上させるため、集光素子が不可欠である。中でも、軟X線の利用効率が高いことや色収差がないことから、ミラーの導入が期待されており、開口が大きく単体で軟X線を10nmサイズに集光可能な回転楕円ミラーが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
10nmサイズに集光するためにはミラー内面にシングルナノメートルの形状精度が要求される。ミラー内面を直接高分解能・高精度に計測・加工することは非常に困難であるため、型となるマンドレルを作製しその表面を転写するという、2段階のプロセスでミラーを作製する。このプロセスにおいてミラー内面の形状精度はマンドレル外面のそれに依存しており、高精度マンドレルの作製がミラー開発のための最も重要な課題の一つである。マンドレルは回転体であるため、真円度測定機を用いて周方向形状プロファイルを計測可能である。一方で、マンドレルの長手方向は急峻な楕円形状であり、それを目標とする精度と分解能で計測する手法は確立されていない。
変位計もしくはマンドレルを走査することで、マンドレルの長手方向の形状プロファイルを測定可能である。その際,走査に伴うステージの運動誤差の影響を考慮する必要がある。一般に、変位計を1つだけ利用する形状計測装置では、予め形状誤差の十分に小さい参照面を計測することでこの誤差を校正している。もしくは、反転法に代表されるマルチステップ法を用いて補正可能である。しかし、ステージの運動誤差の再現性は外乱・複雑な運動機構・環境の変化に依存しており、上記の手法では標準偏差平均1nm(σ)の再現性(reproducibility)を達成することが困難である。
Takahiro Saito, Yoshinori Takei, Hidekazu Mimura, Development of Surface Profile Measurement Method for Ellisoidal X-ray Mirror using Phase retrieval, Proc. SPIE, 8501, 850103, 2012
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、標準偏差平均1nm(σ)の再現性を達成可能な高精度形状計測方法を提供する点にある。
本発明者は、まず置換測定法( Thwaite, E.G.: "A method of obtaining an error free reference line for the measurement of straightness. ", Messtechnik, 10, 317-318 (1973).、および、 艾 暁庸, 清水 毅, 小尾 誠: "改良型置換測定法による真直度測定", 日本機械 学会論文集 C 編 66(646), 2010-2015, (2000).)を参考にして、複数の変位計と参照面を利用した形状計測法を発案した。これによれば、参照面と計測対象の比較計測にすることでステージの運動誤差を補正でき、また温度ドリフトや振動等の外乱の影響を受けにくい計測が可能である。さらに形状プロファイル間の比較であるため、変位計の出力誤差などの偶発誤差の累積が生じない。
具体的には、複数の変位計を走査方向と垂直に並べた計測装置による計測手法を利用した。その手法と、X軸方向に走査した際に生じるステージの6自由度の運動誤差の概略を
図1に示す。計測装置104は、複数の変位計S1、S3、S4が固定治具50に付き当てで設置され、一体となって走査される。計測対象1(本例ではマンドレル10)の形状をf3(x)、2つの参照面21、22の形状をそれぞれf1(x)、f4(x)とした。この方法では、変位計S3を用いてf3(x)を測定し、同時に変位計S1、S4を利用してf1(x)、f4(x)を測定する。これにより測定結果S1(x)、S3(x)、S4(x)が得られる。
X方向に複数の変位計S1、S3、S4を走査した際に生じる6自由度の運動誤差と外
乱のうち、Y軸方向の誤差は計測対象1の稜線の形状偏差計測に影響しない。また、変位計先端のレンズとマンドレル間の距離を短くすることで、複数の変位計のレーザー間のわずかな光軸のずれやステージの運動誤差などによる姿勢誤差も影響しない。一方で、Vertical、ピッチング、ローリング、外乱によるZ軸方向の変位誤差を考慮する必要がある。
ここで、変位計の各軸方向の設置誤差の計測結果に及ぼす影響が十分に小さければ、3個の変位計S1、S3、S4は直線上に配置されているとみなせる。その場合、図2に示す概略のように、走査中のX軸上の任意の位置でローリングの誤差成分は各変位計のY軸上の位置に応じて線形に影響し、Vertical、ピッチング、外乱の誤差成分は一様に影響する。変位計S13間の距離をa、変位計S34間の距離をb、変位計S1に含まれるステージの運動誤差や外乱による変位誤差成分の大きさの和をα(x)、ローリングがY軸方向1mmの距離に対してZ軸方向に及ぼす誤差の大きさをβ(x)とした場合、変位計S1とS4に含まれる誤差の大きさは、それぞれα(x)+a×β(x)、α(x)+(a+b)×β(x)となる。そこで、変位計S1、S3、S4の出力は式(1)~(3)で表せる。

式(1)~(3)を連立してα(x)とβ(x)を除去することで、式(4)が得られる。なお、参照面の形状誤差に由来する計測誤差をr(x)と表した。
計測対象f3(x)を左辺に移項すると、式(5)が得られる。このように、計測対象1の形状プロファイルの測定結果からステージの運動誤差や外乱の影響を除去することが可能である。
ここで、計測結果にr(x)が含まれるが、1nmレベルで平坦な超平坦ミラー(たとえば、[ref 14]に開示されている、平面に対して40mmの長さに対してPV1nmレベルの作製精度の超平坦面を利用することで、参照面の形状誤差の影響であるr(x)を校正することができる。具体的には、図3に示すように超平坦面30を有する超平坦ミラー3を計測対象として変位計S3の位置に設置し、変位計S1、S3、S4で測定する。ここで、式(4.5)の「f3(x)」は、そもそも超平坦ミラーの形状プロファイルであり、1nmレベルで平坦であることから、式(5)から式(6)が得られ、計測されたプロファイルは実質的にシステムエラープロファイルr(x)であるとみなせる。
このように超平坦ミラー(超平坦面30)を計測して式(6)よりr(x)を求めた後、図1のように計測対象1として超平坦ミラーの代わりにマンドレル10を変位計S3の位置に設置し、変位計S1、S3、S4で測定する。そして、このS1、S3、S4の測定結果、上記r(x)の結果、および式(4.5)より、マンドレルの形状f3(x)を求めることができる。
しかし、この形状計測法は、計測対象1の形状(計測プロファイル)の勾配が小さい場合には図1に示す位置決めの誤差プロファイルp(x)は計測結果に影響しないが、マンドレル10のような急峻に湾曲した形状を計測する場合、図4に示すように走査方向の位置決め誤差が変位方向の計測誤差を生じさせる。例えばマンドレル表面の最も勾配が急峻な位置を計測する際に100nmの計測位置誤差がある場合、1nmより大きい計測誤差が生じる。そこで、本発明者は、目標の計測精度を達成するため、以下に述べる方法で計測対象(マンドレル)の計測結果からステージの位置決め誤差(p(x))の影響を補正する方法をさらに発案した。
本発明の高精度形状計測方法は、追加のレーザー変位計S2と超平坦ミラー3を利用して、ステージの位置決め誤差の逐次補正を行うものである。配置と本手法の概略をそれぞれ図5〜図7に示す。まず、変位計S2の出力プロファイルの一次関数成分が十分に小さくなるように手動ステージを用いて超平坦ミラーをアライメントする。その後、式 (4)と同様に、参照面21、22上の測定ラインf1(x)、f4(x)と比較計測を行うことで、式(7) が得られる。ここで、超平坦ミラーの形状をf2(x)、f1(x)とf4(x)とが計測結果に与える影響をr’(x)とした。また、変位計S12間の距離をc、変位計S24間の距離をdとした。
次に,図6に示すように、超平坦ミラー3を敢えて角度θ傾けて超平坦面30を計測する。この際、図4(a)に示すように計測位置の誤差が計測対象表面の傾きに応じて変位方向の誤差を生じさせる。そのため、得られる結果は、式(8)に示すように、超平坦ミラー(超平坦面30)の形状プロファイルf2(x)と参照面の形状誤差の影響r’(x)と xtanθ、そしてその傾きに対するステージのX方向の計測位置誤差p(x)の
影響の和である。
超平坦ミラー3を傾ける前後の計測結果の差分プロファイルから一次関数を除去したプロファイルが、その傾きθに対してp(x)が影響した結果である。それに 1/tanθを乗算することで、式(9)に示すようにp(x)が算出できる。上記図4(b)は、測定のサンプリング間隔xを0.05mmとし、計測された位置決め誤差p(x)、マンドレルプロファイルを計測した際にp(x)が及ぼす計測誤差プロファイルを示している。
実際の計測は、大きく5つの工程がある。第1の工程は、図7に示すように、計測対象1(本例ではマンドレル10)を設置する位置、すなわちS3の位置に、超平坦ミラー3を設置し、2つの参照面21、22の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が計測対象の計測結果f2(x)に及ぼす影響r(x)をS1(x)、S3(x)及びS4(x)から得る工程である。
第2の工程は、超平坦ミラーを新たな位置であるS2の位置に傾けずに設置し、S1(x)、S2(x)、S4(x)からMbefore(x)を得る工程である。図5の状態からマンドレル10を取り除いた状態で計測する。
第3の工程は、超平坦ミラーをS2の位置に所定の角度θだけ傾けた状態に設置するとともに、S3の位置に計測対象(マンドレル)を設置し、これらを同時に計測することで、S1(x)、S2(x)及びS4(x)からMafter(x)を得るとともに、変位計S1、S2、S3の出力と下記式(10)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第1の変位計による計測結果S3(x)に及ぼす誤差プロファイルr(x)と、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)とを含む、当該計測対象の計測プロファイルf3(x)を得る工程である。
ここで、上の式(10)の意味について説明する。式(10)は、式(5)のf3(x)に含まれているp(x)の影響を除去した補正後のf3(x)を求める式である。マンドレルは平面ではないため各計測位置xにおいて異なるマンドレルの傾斜tanφが存在する。これはS3(x)から求められる(dS3(x)/dx)。ある位置xaの近傍に着目すると,マンドレルの傾斜がtanφ(xa)であるので,真の計測位置がxa+Δxであった場合、その影響としてS3(x)ではtanφ(xa)×Δxが余分に出力される。全ての計測位置xについて考えると,計測位置誤差p(x)はMbefore(x)とMafter(x)から既知であるので、マンドレル計測結果に加えられる計測誤差は、tanφ(x)×p(x)(=(dS3(x)/dx×p(x))として求められる。したがって、f3(x)=(式4.5の右辺)−tanφ(x)×p(x)、すなわち上記式(10)が、計測位置誤差p(x)の影響も考慮に入れたマンドレル形状となる。なお、S3の出力にはマンドレル形状誤差・運動誤差・計測位置誤差の影響等が含まれているが、これらはマンドレルのプロファイル(PV数十μmの楕円形状)に比べて十分に小さいため、傾斜tanφ(x)算出への影響は無視できる。
第4の工程は、前記第2の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルMbefore(x)と、前記第3の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルMafter(x)とを式(9)に代入し、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)を算出する工程である。
第5の工程は、第1の工程で得た、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルr(x)、前記第4の工程で算出した傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)、および前記第3の工程で得た、前記計測対象の計測プロファイルf3(x)に基づき、校正された計測対象の形状(f3(x))を得る工程である。なお、第1の工程から第3の工程については、工程の順に特に限定はなく、第2の工程の後に第1の工程を行い、その後に第3の工程を行うことや、その他の順でもよい。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 共通の治具に、複数の変位計を走査方向に直交する方向に一列に並べて設置し、前記複数の変位計により計測対象および少なくとも二つの参照面を同時に計測することにより計測対象の測定結果に含まれる変位誤差を校正する形状計測法であって、前記共通の治具に設置される複数の変位計として、前記計測対象を計測するための第1の変位計、および前記二つの参照面を計測するための第2、第3の二つの変位計以外に、面精度PV1ナノレベルの超平坦面を、所定角度傾斜させた状態および傾斜させない状態でそれぞれ計測するための第4の変位計を設け、前記第1の変位計の位置に、計測対象ではなく、同じく面精度PV1ナノレベルの超平坦面をセットし、第1〜第3の変位計により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、超平坦面の形状プロファイルが1ナノレベルで平坦であることから、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルを得る第1の工程と、前記第4の変位計の位置に前記超平坦面を傾斜させない状態でセットし、第2〜第4の変位計により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第4の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルを含む、当該超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルを得る第2の工程と、前記第1の変位計の位置に計測対象をセットし、且つ第4の変位計の位置に前記超平坦面を所定角度傾斜させた状態でセットし、第1〜第4の変位計により前記計測対象、二つの参照面および当該傾斜させた超平坦面を同時に計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第4の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルと、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルとを含む、当該超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルを得るとともに、2つの参照面と当該計測対象とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルと、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルとを含む、当該計測対象の計測プロファイルを得る第3の工程と、前記第2の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルと、前記第3の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルとを比較して、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルを算出する第4の工程と、前記第1の工程で得た、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイル、前記第4の工程で算出した、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイル、および前記第3の工程で得た、前記計測対象の計測プロファイルに基づき、校正された計測対象の形状を得る第5の工程とを備えた高精度形状計測方法。
(2) 前記第1の変位計および前記第4の変位計を、前記共通の治具における前記第2の変位計と前記第3の変位計との間の位置に設置してなる(1)記載の高精度形状計測方法。
(3) (2)記載の高精度形状計測方法であって、X軸方向を走査方向、Y軸方向を
変位計の並び方向、Z軸方向を変位計の変位方向、S1(x)を第2の変位計の出力、S2(x)を第4の変位計の出力、S3(x)を第1の変位計の出力、S4(x)を第3の変位計の出力、f1(x)〜f4(x)を変位計S1〜S4で計測されるもの(計測対象/参照面/超平坦面)の各形状プロファイル、aを第2の変位計S1と第1の変位計S3の間の距離、bを第1の変位計S3と第3の変位計S4の間の距離、cを第2の変位計S1と第4の変位計S2の間の距離、dを第4の変位計S2と第3の変位計S4の間の距離として、前記第1の工程が、第1〜第3の変位計S1、S3、S4により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測し、各変位計の出力と上述の式(6)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第1の変位計による計測結果S3(x)に及ぼす誤差プロファイルr(x)を求める工程であり、前記第2の工程が、第2〜第4の変位計S1、S2、S4により前記二つの参照面と同時に前記傾斜させない状態の超平坦面を計測し、各変位計の出力と上述の式(7)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第4の変位計による計測結果S2(x)に及ぼす誤差プロファイルr’(x)を含む、当該超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルMbefore(x)を得る工程であり、前記第3の工程が、第1〜第4の変位計S1、S2、S3、S4により前記計測対象、二つの参照面および当該傾斜させた超平坦面を同時に計測し、変位計S1、S2、S4の出力と上述の式(8)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第4の変位計による計測結果S2(x)に及ぼす誤差プロファイルr’(x)と、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)とを含む、当該超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルMafter(x)を得るとともに、変位計S1、S2、S3の出力と上述の式(10)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第1の変位計による計測結果S3(x)に及ぼす誤差プロファイルr(x)と、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)とを含む、当該計測対象の計測プロファイルf3(x)を得る工程であり、前記第4の工程が、前記第2の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルMbefore(x)と、前記第3の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルMafter(x)と、上述の式(9)とより、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)を算出する工程であり、前記第5の工程が、前記第1の工程で得た、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルr(x)、前記第4の工程で算出した傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)、および前記第3の工程で得た、前記計測対象の計測プロファイルf3(x)に基づき、校正された計測対象の形状(f3(x))を得る工程である、高精度形状計測方法。
以上にしてなる本願発明によれば、マンドレルの長手方向の形状計測の際に、傾けた超平坦面を同時に計測することで、逐次位置決め補正を行うことができ、外乱やステージの他の運動誤差の影響を受けることなく簡便かつリアルタイムにステージの位置決め誤差プロファイルを計測することができ、これによりマンドレルのような急峻に湾曲した形状を計測対象として計測する場合であっても、走査方向の位置決め誤差に基づく変位方向の計測誤差の影響を校正し、高精度に形状計測することができる。
3つの変位計を設けた計測装置の例を示す概略図。 各変位計の出力値に含まれる変位誤差を示す説明図。 超平坦面を用いてシステムエラーを計測する様子を示す説明図。 マンドレル表面を計測する際の位置決め誤差の影響を示す説明図であり、(a)は位置決め誤差による計測誤差の概略図、(b)は走査ステージの位置決め誤差プロファイルとその位置決め誤差により生じる計測誤差を示すグラフ。 本発明にかかる計測装置の例を示す概略図。 (a),(b)は位置決め誤差を検出する方法を示す説明図。 超平坦面を用いてシステムエラーを計測する様子を示す説明図。 マンドレルの長手方向の計測された形状プロファイルと形状誤差プロファイルを示すグラフ。 マンドレルのみ3箇所にずらして計測した際の再現性(reproducibility)を示し、(a)は各位置で計測された形状プロファイルと形状誤差プロファイル、(b)はデータ上で計測位置を合わせた形状プロファイルと形状誤差プロファイルを示すグラフ。 本発明にかかる計測装置の他の例を示す概略図。 超平坦面を用いてシステムエラーを計測する様子を示す説明図。 レーザー変位計を用いて周方向形状プロファイルを繰り返し5回計測した結果を示すグラフ。 接触式変位計を用いて周方向形状プロファイルを繰り返し5回計測した結果を示すグラフ。 反転法の説明図。 反転法の実験結果を示し、(a)は反転前の計測プロファイル、(b)は反転後の計測プロファイル、(c)はマンドレルの各断面の周方向形状プロファイル、(d)は回転テーブルの各高さにおけるX方向の運動誤差プロファイルを示すグラフ。 参照面の形状誤差の影響r(Z’)の計測結果を示し、(a)は各変位計の出力プロファイル、(b)はステージの運動誤差や外乱を除去する演算を行った結果を示すグラフ。 Z’軸ステージの位置決め誤差p(z’)の計測実験を示し、(a)は超平坦ミラーを敢えて傾斜させる前後の形状プロファイル、(b)は算出されたp(z’)およびマンドレル計測結果から除かれるp(z’)の影響の補正プロファイルを示すグラフ。 マンドレルの長手方向形状プロファイルの計測結果を示すグラフ。 (a)は静止状態におけるマンドレルの半径の経時変化の計測結果を示すグラフ、(b)はその際のマンドレル付近の大気の温度変化を示すグラフ。 マンドレル3次元形状偏差分布の作成手法を示す説明図。 Δa、Δb、Δr の算出過程を示し、(a)は周方向の各位置における長手方向プロファイル、(b)は多断面の周方向形状プロファイルから得られる疑似長手方向プロファイル、(c)は算出されたΔa,Δb,Δr のプロファイルを示すグラフ。 計測されたマンドレル表面の誤差分布を示し、(a)は多断面の周方向形状プロファイル分布、(b)はマンドレル3次元形状偏差分布を示す図。 本発明にかかる計測装置の更に他の例を示す概略図。
本発明の高精度形状計測方法の用いる計測装置4の一例を、図5に基づき、より詳しく説明する。本装置は、図1に示した従来の装置に比べて、変位計を一つ増やし(S2)、該変位計S2で超平坦面を測定するためのアライメント機構41を同じく追加したものである。具体的には、基台40上に、4つの変位計S1〜S4の各対応する位置にそれぞれアライメント機構41を計4つ設けたものであり、変位計S1〜S4はステージ5により走査方向(X軸方向)に移動する共通の固定治具50に、前記走査方向と直交するY軸方
向に沿って間隔をあけてそれぞれ固定されている。本例では直線状に一列になるように配置されているが、走査方向にずれた位置に設けることもできる。
変位計S1〜S4は固定治具50とともに一体となって走査方向に移動し、それぞれアライメント機構41のうえに設置された平面ミラー2A(参照面21),超平坦ミラー3(超平坦面30)、計測対象1(本例ではマンドレル10)、平面ミラー2B(参照面22)の各形状を同時に測定可能とされている。変位計S1は、参照面21を計測する第2の変位計、変位計S2は、超平坦面を計測する第4の変位計、変位計S3は、計測対象1を計測する第1の変位計、変位計S4は、参照面22を計測するための第3の変位計である。
第1の変位計S3および第4の変位計S2を、第2の変位計S1と前記第3の変位計S4との間の位置に設置しているが、このような順でなくてよい。ただし、本例の配置が誤差の影響を小さくできる点で好ましい。変位計S1〜S4は、それぞれ接触式/非接触式の公知の変位計を用いることができる。互いに異なる種類の変位計でもよい。アライメント機構41は、手動、自動の機構が設けられ、平面ミラー2A,2Bの参照面21、22がそれぞれ可能な限り水平になるように、また、超平坦ミラー3の超平坦面を水平から所定角度の傾斜した状態に変更できるように、また、計測対象1についても可能な限り変位が小さくなるよう傾斜させることができるように構成されている。
走査は相対移動であり、変位計側(固定治具50)と計測対象側(基台40)のどちらを動かしてもよい。いずれでも補正によりステージの運動誤差や外乱を計測結果から取り除くことができる。ただし、計測対象側を動かす場合は、基台40やアライメント機構41の歪みにより計測対象と参照面それぞれに対して異なる変位が発生するため、基台40、アライメント機構41の全ての剛性を考慮しなければならない。一方で、本例のように変位計S1〜S4側を動かす場合は、複数の変位計S1〜S4を固定する固定治具50の剛性のみ考慮すればよく、ステージの歪みの影響は受けない。したがって、変位計S1〜S4側を動かす方が好ましい。
(マンドレル形状誤差計測)
次に、図5に示した本例の計測装置4を用いて、マンドレル長手方向の形状計測を行った結果について説明する。
装置の変位計S13間の距離aは150mm、変位計S34の間の距離bは90mm、変位計S12間の距離cは90mm、変位計S24の間の距離dは150mmである。変位計S1〜S4には、キーエンス社製レーザー変位計SI−01を用いた。出力
の変位分解能とサンプリング周期はそれぞれ1nmと5kHzである。測定のサンプリング間隔xは0.05mmとし、計測は±0,1度で温度制御された環境下で行った。その他の条件を表4.1 に示す。

そして、計測プロファイルf(x)は、上述した本発明に係る計測方法の第1の工程から第5の工程の工程に沿って、式(6)、式(7)、式(8)、式(10)、および式(9)を用いて誤差校正を行った。超平坦ミラー3(超平坦面30)の傾斜角θは、7.5mradとした。なお、超平坦ミラーの計測ラインとマンドレルの計測ライン間の距離は本実験では60mmであり、ヨーイングによる位置決め誤差の差が計測誤差に及ぼす影響は十分に小さいため、この結果をマンドレル計測ライン上における位置決め誤差プロファイルとして取り扱うことができる。
5回繰り返して計測したプロファイルの平均を図8に示す。また、その計測プロファイルf(x)から設計楕円プロファイルを除去することで得られた形状誤差プロファイルを図8に示す。本手法の計測の空間分解能はレーザーのスポット径と同程度であり、>0.1mm周期の表面凹凸も検出されている。標準偏差平均は0.14nm(σ)であり,マンドレル計測の場合であっても十分に高い繰り返し性が得られた。
さらに,走査ステージや参照面に対してマンドレルの位置のみを3mm、7mmずらして同様の計測を行った。図9(a)に示すように、いずれの場合もシングルナノメートルレベルで同様の結果が得られた。そして、図9(b)に示すように、データ上で各プロファイルの計測位置を合わせて比較した際の標準偏差平均は0.41nm(σ)であった。以上のように、マンドレルの長手方向の形状誤差計測において、目標とする1nm(σ)を達成した。
このように本発明によれば、マンドレル計測において0.14nm(σ)の十分な高い繰り返し性が得られる。また、計測装置上でマンドレルの設置位置を変えて再計測しても、0.41nm(σ)の精度で同じプロファイルが得られた。このように本発明の計測方法を用いることで、マンドレル長手方向の楕円形状を高い再現性(reproducibility)で計測可能となることが分かる。
次に、計測装置の変形例を、図10に基づき説明する。本計測装置4Aは、マンドレルを置き直すことなく、一度のアライメントでマンドレルの周方向形状プロファイルと長手方向形状プロファイルの両方を計測可能としたものである。本装置4Aにより、多断面の周方向形状プロファイルと複数の周方向位置での長手方向形状プロファイルとを用いて各断面の中心位置偏差と半径偏差を拘束し、マンドレルの3次元形状偏差分布を要求精度で計測可能となる。
本例の計測装置4Aは、重力の影響を無視するため、マンドレルを回転テーブル42上に縦置きで設置する構成とされている。また、基台40のZ軸ステージをマンドレルのテーパー角に合わせて傾けることができる図示しない調整機構が設けられている。ここでは、調整機構で傾斜させた後の直交座標系をX’Y’Z’と表現している。参照面21、22、および傾斜前の超平坦面30は、走査方向であるZ’軸に平行になるようにアライメント機構で調整する。その他の構成については、基本的に上述した計測装置4と同様であり、同一構造は同一符号を付し、説明を省略する。
(周方向の形状プロファイルの計測)
本例の計測装置4Aを用いて周方向の形状プロファイルを計測した結果について説明する。周方向形状プロファイルを1nm(σ)の再現性で計測するために、次の処理を行う。回転するマンドレル10の半径の変化を変位計S3で測定する際に、同時に変位計S1とS4を用いて、変位計S3の位置における温度ドリフトなどの外乱を計測し、S3の計測結果から外乱の影響を除去する。さらに、計測結果に含まれる回転テーブルの運動誤差を反転法を用いて補正する。
具体的には、本例では周方向の形状計測には接触式変位計を用いた。この接触式変位計のスタイラス先端の触針の材質は、滑らかでない摩耗を懸念して、焼結材WCではなくダイヤモンドとした。
まず、レーザー変位計を用いた計測の繰り返し性の評価のために、表2に示す条件でマンドレルの同断面の周方向形状プロファイルを繰り返し5回計測した。ステージの回転速度を1.2rpmとし、約50秒間かけて1回の測定を行った。その際の温度ドリフトの影響は、参照面の計測結果を利用して補正し,さらに,計測開始位置と終了位置が等しいという拘束条件も利用して補正した。図12に計測プロファイルを示す。繰り返し性は標準偏差平均0.7nmであった。
次に,接触式変位計を用いた計測の繰り返し性の評価のために,表3に示す条件で、マンドレルの同断面の周方向形状プロファイルを繰り返し5回計測した。装置周りの温度環境が良く安定しているため、図13に示すように、温度ドリフトの影響補正を行わなくても標準偏差平均1.2nm(σ)を確認した。反転法を行う際には、各断面を複数回繰り返し計測し、その結果の平均プロファイルを利用することで計測値のばらつきをさらに低減する。
次に、回転テーブルのX軸方向の運動誤差を、複数のZ位置において反転法を用いて計
測した。実験の概略を図14に示す。回転テーブル42の複数の運動誤差のうち、周方向形状プロファイル計測に影響するのはX軸に平行な方向およびピッチングの2つの運動誤
差である。反転前後の各断面を表3の条件で25回測定した際の平均プロファイルを図15(a),(b)に示す。
また、図15(c),(d)に算出した各断面のマンドレルの周方向形状プロファイルとテーブルのX軸方向の運動誤差プロファイルを示す。いづれのZ位置においても約RM
S2.5nmの運動誤差プロファイルであり、本装置の回転テーブルのピッチング誤差成分が小さいことがわかる。本例では、この誤差プロファイルを補正したものをマンドレルの周方向形状プロファイルとして取り扱った。
(長手方向の形状プロファイル計測)
本例の装置を用いて長手方向の形状プロファイルを1nm(σ)の再現性で計測するために、上述した本発明に係る計測方法の第1の工程から第5の工程の工程に沿って、式(6)、式(7)、式(8)、式(10)、および式(9)を用いて誤差校正を行う。ここで、上述の工程の説明、式では、走査方向をX’軸とし、センサーの並び方向をY軸、変位
方向をZ軸としていたので、X’軸を本例ではZ’軸、Y軸を本例ではY’軸、Z軸をXX’軸として、変換して校正を行う。
装置の変位計S13間の距離aは150mm、変位計S34の間の距離bは90mm、変位計S12間の距離cは60mm、変位計S24の間の距離dは90mmである。変位計S1〜S4には、キーエンス社製レーザー変位計SI−01を用いた。出力の
変位分解能とサンプリング周期はそれぞれ1nmと5kHzである。測定のサンプリング間隔xは0.05mmとし、計測は±0,1度で温度制御された環境下で行った。その他の条件を表4に示す。超平坦ミラー3(超平坦面30)の傾斜角θは、4.9mradとした。
参照面の形状誤差の影響r(z’)の計測結果を図16に示す。図16(a)は各変位計の出力プロファイルを示し、図16(b)にr(z’)の演算結果を示す。繰り返し性は、標準偏差平均で0.33nm(σ)であった。また、Z’軸ステージの位置決め誤差p(z’)の計測結果を図17に示す。図17(a)は超平坦ミラー3を傾ける前後の形状プロファイル計測結果であり、図17(b)は、主軸に算出されたp(z’)を、副軸にp(z’)の影響を補正するためのプロファイルを示す。
マンドレルの長手方向の形状プロファイルは5回繰り返し計測した。その際に含まれる参照面の形状誤差の影響r(z’)や走査Z’ステージの位置決め誤差 p(z’)が及ぼす影響は、本発明に係る上述の方法で得られる補正プロファイルを用いて計測結果から取り除いた。図18に、計測プロファイルと形状誤差プロファイルを示す。繰り返し性は標準偏差平均で0.83nm(σ)であった。
(マンドレル3次元形状偏差分布の作成)
マンドレルの3次元形状偏差分布を作成するためには、Z’軸方向に変位計を走査し、各Z’位置における周方向形状プロファイルを計測し、かつそれらを組み合わせる必要がある。周方向の計測プロファイルには、形状プロファイルと誤差に加えて1周期のSinカーブが含まれる。そのSinカーブから、回転テーブルの軸に対する計測プロファイルの最小二乗円の中心位置を求められる。
多断面の周方向の計測を行うことで、その位置の平均に対する各断面における最小二乗円中心のX軸方向の偏差Δa(Z’)とY軸方向の偏差Δb(Z’)および各断面の半径
の偏差Δr(Z’)が得られる。しかしながら、数百の断面プロファイルを必要とした場合、計測に数時間を要するため、Δa(Z’)、Δb(Z’)Δr(Z’)にはそれぞれ温度ドリフトの影響が含まれ、目標とする1nm (σ)の再現性を達成することが困難である。
図10に示し本例の装置において、静止状態におけるΔrの経時変化を計測した。温度環境安定化のために4時間待機した後の3時間分の結果を図19(a)に示す。また、その際のマンドレル付近の大気の温度変化を図19(b)に示す。図19(a)のグラフの一次関数成分は、最終的な3次元形状偏差分布においてテーパー角誤差に相当するため無視できる。しかしそれ以外の成分が3次元的な形状偏差分布作成の際の誤差として影響する。
そこで、図20に概略を示すように、各Z位置における周方向の計測プロファイルから、1周期のSinカーブを除去する。その後、次の手順で計測される複数の長手方向プロファイルを用いて、各Z’位置における相対関係を表すΔa(z’),Δb(z’),Δr(z’)を計算し、多断面の周方向形状プロファイルを拘束する。0度の位置の計測された長手方向プロファイルをL0(z’)とする。一方で、各z’位置の周方向形状プロファイルの0度の位置を結ぶ長手方向の疑似プロファイルをR0(z’)とする。同様に、L90(z’)、R90(z’)、L180(z’)、R180(z’)、L270(z’)、R270(z’)を定義する。
それらのプロファイルから,式(11)〜式(13)のようにして、Δa(z’),Δb(z’),Δr(z’)を算出可能である。この際、反転法を参考にした。1180度対向する位置の長手方向プロファイルの差分を演算することで、参照面の誤差などのシステムエラーの影響を受けることなくΔa(z’),Δb(z’)を求められる。図21に、実際に計測および算出された各プロファイルを示す。そして、各断面の周方向形状プロファイルに対して、算出した1周期のSinカーブと0次関数成分を足したものが、マンドレルの3次元形状偏差分布である。図22(a)に多断面の周方向形状プロファイル分布を、図22(b)に作成されたマンドレルの3次元形状偏差分布を示す。
次に、計測装置の他の変形例を、図23に基づき説明する。本例の計測装置4Bは、計測対象1として筒状体の内面(たとえば回転楕円ミラー11の内面)の3次元形状偏差を計測することを可能としたものである。すなわち、図10に示した計測装置4Aのレーザー変位計S3の替わりに、S3として接触式変位計のスタイラスを用い、それを計測対象1(回転楕円ミラー11)の内面に挿入する。接触式変位計S3の直線性はレーザー変位計の直線性と一致するように補正することが好ましい。また、計測対象1(回転楕円ミラー11)内面の長手方向を計測する際に生じるスタイラスのたわみの影響に関しては、敢えて傾けた超平坦ミラーを接触式変位計と複数のレーザー変位計で計測することで予め補正データを取得することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
S1〜S4 変位計
1 計測対象
2A,2B 平面ミラー
3 超平坦ミラー
4,4A,4B 計測装置
5 ステージ
10 マンドレル
11 回転楕円ミラー
21,22 参照面
30 超平坦面
40 基台
41 アライメント機構
42 回転テーブル
50 固定治具
104 計測装置

Claims (3)

  1. 共通の治具に、複数の変位計を走査方向に直交する方向に一列に並べて設置し、前記複数の変位計により計測対象および少なくとも二つの参照面を同時に計測することにより計測対象の測定結果に含まれる変位誤差を校正する形状計測法であって、
    前記共通の治具に設置される複数の変位計として、前記計測対象を計測するための第1の変位計、および前記二つの参照面を計測するための第2、第3の二つの変位計以外に、面精度PV1ナノレベルの超平坦面を、所定角度傾斜させた状態および傾斜させない状態でそれぞれ計測するための第4の変位計を設け、
    前記第1の変位計の位置に、計測対象ではなく、同じく面精度PV1ナノレベルの超平坦面をセットし、第1〜第3の変位計により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、超平坦面の形状プロファイルが1ナノレベルで平坦であることから、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルを得る第1の工程と、
    前記第4の変位計の位置に前記超平坦面を傾斜させない状態でセットし、第2〜第4の変位計により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第4の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルを含む、当該超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルを得る第2の工程と、
    前記第1の変位計の位置に計測対象をセットし、且つ第4の変位計の位置に前記超平坦面を所定角度傾斜させた状態でセットし、第1〜第4の変位計により前記計測対象、二つの参照面および当該傾斜させた超平坦面を同時に計測して、2つの参照面と当該超平坦面とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第4の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルと、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルとを含む、当該超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルを得るとともに、2つの参照面と当該計測対象とを比較し、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルと、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルとを含む、当該計測対象の計測プロファイルを得る第3の工程と、
    前記第2の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルと、前記第3の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルとを比較して、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルを算出する第4の工程と、
    前記第1の工程で得た、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイル、前記第4の工程で算出した、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイル、および前記第3の工程で得た、前記計測対象の計測プロファイルに基づき、校正された計測対象の形状を得る第5の工程と、
    を備えた高精度形状計測方法。
  2. 前記第1の変位計および前記第4の変位計を、前記共通の治具における前記第2の変位計と前記第3の変位計との間の位置に設置してなる請求項1記載の高精度形状計測方法。
  3. 請求項2記載の高精度形状計測方法であって、
    X軸方向を走査方向、Y軸方向を変位計の並び方向、Z軸方向を変位計の変位方向、S
    1(x)を第2の変位計の出力、S2(x)を第4の変位計の出力、S3(x)を第1の変位計の出力、S4(x)を第3の変位計の出力、f1(x)〜f4(x)を変位計S1〜S4で計測されるもの(計測対象/参照面/超平坦面)の各形状プロファイル、aを第2の変位計S1と第1の変位計S3の間の距離、bを第1の変位計S3と第3の変位計S4の間の距離、cを第2の変位計S1と第4の変位計S2の間の距離、dを第4の変位計S2と第3の変位計S4の間の距離として、
    前記第1の工程が、
    第1〜第3の変位計S1、S3、S4により前記二つの参照面と同時に当該超平坦面を計測し、各変位計の出力と下記式(6)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第1の変位計による計測結果S3(x)に及ぼす誤差プロファイルr(x)を求める工程であり、
    前記第2の工程が、
    第2〜第4の変位計S1、S2、S4により前記二つの参照面と同時に前記傾斜させない状態の超平坦面を計測し、各変位計の出力と下記式(7)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第4の変位計による計測結果S2(x)に及ぼす誤差プロファイルr’(x)を含む、当該超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルMbefore(x)を得る工程であり、
    前記第3の工程が、
    第1〜第4の変位計S1、S2、S3、S4により前記計測対象、二つの参照面および当該傾斜させた超平坦面を同時に計測し、変位計S1、S2、S4の出力と下記式(8)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第4の変位計による計測結果S2(x)に及ぼす誤差プロファイルr’(x)と、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)とを含む、当該超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルMafter(x)を得るとともに、変位計S1、S2、S3の出力と下記式(10)により、2つの参照面の形状プロファイルf1(x)、f4(x)が第1の変位計による計測結果S3(x)に及ぼす誤差プロファイルr(x)と、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)とを含む、当該計測対象の計測プロファイルf3(x)を得る工程であり、
    前記第4の工程が、
    前記第2の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させない状態の計測プロファイルMbefore(x)と、前記第3の工程で得た、前記超平坦面の傾斜させた状態の計測プロファイルMafter(x)と、下記式(9)とより、前記傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)を算出する工程であり、
    前記第5の工程が、
    前記第1の工程で得た、2つの参照面の形状プロファイルが第1の変位計による計測結果に及ぼす誤差プロファイルr(x)、前記第4の工程で算出した傾斜に対するステージの走査方向の位置誤差プロファイルp(x)、および前記第3の工程で得た、前記計測対象の計測プロファイルf3(x)に基づき、校正された計測対象の形状(f3(x))を得る工程である、
    高精度形状計測方法。




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