JP2019019858A - 建設機械の駆動装置 - Google Patents

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Tsukasa Kimitani
司 君谷
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Abstract

【課題】ねじり振動やスラスト振動を抑制して振動音や摩耗等を有効に低減する。【解決手段】駆動装置は、エンジン出力を油圧ポンプに伝達する歯車伝動機構4と、エンジンの出力軸に連結されるフライホイール5と、弾性継手6を備える。歯車伝動機構は、入力軸45に装着される駆動ギヤ46を備え、駆動ギヤはヘリカルギヤである。弾性継手は、フライホイールに固定され内周面に内歯を有するアウター金具61と、歯車伝動機構の入力軸に固定されるインナー金具62と、アウター金具の内周面とインナー金具の外周面との間に配置される弾性体63を備え、弾性体の内周面はインナー金具の外周面に固着されている。弾性体は、外周面に有する外歯がアウター金具の内歯に嵌まり込んでアウター金具に対して軸方向に相対移動可能に係合される。弾性継手は、アウター金具に対する弾性体の軸方向のうちのフライホイール側への相対移動を規制する規制部64を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、クレーンや油圧ショベルなどの建設機械の駆動装置に関する。
従来、この種の建設機械の駆動装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、エンジンの出力を油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構とを備えたものが知られている。
ここで、歯車伝動機構は、具体的には、油圧ポンプの制約で、エンジン回転数を減速又は増速させるために用いられる減速機、あるいはエンジンの出力を多軸に分散させて複数の油圧ポンプに伝達するために用いられるパワーデバイダなどである。また、歯車伝動機構のギヤとしては、噛み合い音を低減するために、ヘリカルギヤが多く採用されている。
また、特許文献2に記載された駆動装置の場合、エンジンの出力軸であるクランクシャフトに連結されるフライホイールと歯車伝動機構(減速逆転機)との間に弾性継手が配置されている。この弾性継手は、フライホイールに同心円状に位置して固定され、内周面に内歯を有する環状のアウター金具と、中央部に歯車伝動機構の入力軸が回転一体にスプライン結合されるスプライン部を有するインナー金具と、アウター金具の内周面とインナー金具の外周面との間に配置される環状の弾性体とを備える。弾性体の内周面はインナー金具の外周面に固着されており、弾性体は、外周面に外歯を有し、この外歯がアウター金具の内歯に嵌まり込んでアウター金具に対して軸方向に相対移動可能に係合されている。そして、エンジンの回転開始時やクラッチの接合初期などにエンジンの出力が衝撃的に歯車伝動機構の入力軸に伝達されるのを弾性継手により抑制するようにしている。
特開2014−201903号公報 実開平6−69445号公報
ところで、エンジンの出力は、燃焼間隔によるトルク変動を起こし、それにより、ねじり振動を生じる。その上、従来の歯車伝動機構では、入力軸とケーシングとの間に、組立性を考慮して隙間が設けられていることと、エンジン出力がヘリカルギヤを介して油圧ポンプに伝達されることに起因して、ねじり振動によって入力軸がスラスト振動を生じる。そして、これらの振動の振動数が、歯車伝動機構の入力軸系の固有振動数に近いと、ねじり振動やスラスト振動が共振するようなことが起こり、振動音や摩耗等が生じるという問題がある。
ここで、前記従来の弾性継手は、エンジンのトルク変動に起因するねじり振動に対しては減衰効果を発揮するが、歯車伝動機構の入力軸のスラスト振動に対しては減衰効果を発揮することができない。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その課題は、特に、フライホイールと歯車伝動機構との間に配置される弾性継手に着目し、この弾性継手を利用して歯車伝動機構の入力軸がスラスト振動するときの振動を抑制することにより、ねじり振動やスラスト振動を抑制して振動音や摩耗等を実施上有効に低減し得る建設機械の駆動装置を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本発明は、建設機械の駆動装置として、エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、前記エンジンの出力を前記油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構と、前記エンジンの出力軸に連結されるフライホイールと、このフライホイールと前記歯車伝動機構との間に配置される弾性継手とを備えることを前提とする。そして、前記歯車伝動機構は、少なくとも、ケーシングと、このケーシング内に軸受を介して回転可能に配置される入力軸と、この入力軸に回転一体に設けられる駆動ギヤとを備え、前記駆動ギヤは、ヘリカルギヤである。前記弾性継手は、前記フライホイールに同心円状に位置して固定され、内周面に内歯を有する環状のアウター金具と、前記歯車伝動機構の前記入力軸に固定されるインナー金具と、前記アウター金具の内周面と前記インナー金具の外周面との間に配置される環状の弾性体とを備え、前記弾性体の内周面は前記インナー金具の外周面に固着されており、前記弾性体は、外周面に外歯を有し、この外歯が前記アウター金具の前記内歯に嵌まり込んで前記アウター金具に対して軸方向に相対移動可能に係合されている。また、前記弾性継手は、前記アウター金具に対する前記弾性体の軸方向のうちのフライホイール側への相対移動を規制する規制部を有している構成とする。
この構成では、エンジンのトルク変動に起因するねじり振動だけでなく、歯車伝動機構の入力軸のスラスト振動に対しても弾性継手の弾性体が弾性変形して減衰効果を発揮するようになる。このため、歯車伝動機構の入力軸でねじり振動やスラスト振動を減衰させることができるので、振動音や摩耗等を効果的に低減できる。
その上、弾性継手は、従来の弾性継手に比べて、単にインナー金具を歯車伝動機構の入力軸に固定するとともに、アウター金具に対する弾性体の軸方向のうちのフライホイール側への相対移動を規制する規制部を追加的に有しているに過ぎないので、実施化を容易に図ることができる。また、弾性継手の本来の機能、つまりエンジン出力が衝撃的に歯車伝動機構の入力軸に伝達されるのを抑制するという機能が規制部により損なわれることはないので、この点からも実施化を容易に図ることができる。
ここで、前記規制部としては、例えば前記アウター金具の前記フライホイール側に一体に形成してもよい。この場合、アウター金具の形状変更だけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができるので、実施化をより容易に図ることができる。
また、前記規制部としては、前記アウター金具のフライホイール側側面に取り付けられたリング部材で構成してもよい。この場合、リング部材の追加取付だけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができるので、実施化をより容易に図ることができる。
さらに、前記アウター金具の内周面及び前記弾性体の外周面は、軸方向の前記フライホイール側に向かうに従い中心軸に近づくように傾斜しており、前記規制部は、前記アウター金具の傾斜した内周面により構成してもよい。この場合、アウター金具の内周面と弾性体の外周面とを傾斜させるだけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができる。
また、前記弾性継手は、前記アウター金具に対する前記弾性体の軸方向のうちの前記フライホイール側と反対側への相対移動を規制する別の規制部を有しており、この規制部は、前記アウター金具の前記フライホイール側と反対側側面に着脱可能に取り付けられたリング部材で構成されていることが好ましい。
この場合、アウター金具に対する弾性体の軸方向のうちのフライホイール側への相対移動が規制部により規制されるだけでなく、フライホイール側と反対側への相対移動が別の規制部により規制されるため、歯車伝動機構の入力軸及び弾性継手のインナー金具などがスラスト振動をするとき、このスラスト振動に対して弾性継手の弾性体が減衰効果をより効果的に発揮するようになる。しかも、別の規制部は、アウター金具のフライホイール側と反対側側面に着脱可能に取り付けられたリング部材で構成されているため、この規制部により建設機械の製造時や整備点検時などで作業に支障を来すことはない。
本発明における建設機械の駆動装置によれば、フライホイールと歯車伝動機構との間に配置される弾性継手の弾性体によりエンジンのトルク変動に起因するねじり振動だけでなく、歯車伝動機構の入力軸のスラスト振動に対しても減衰効果が発揮されるため、歯車伝動機構の入力軸でねじり振動やスラスト振動を減衰させることができるので、振動音や摩耗等を効果的に低減できる。その上、構成が従来の弾性継手に比べて、単にインナー金具を歯車伝動機構の入力軸に固定するとともに、規制部を追加するだけの簡単なものであり、弾性継手の本来の機能が損なわれることもないので、実施化を容易に図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る建設機械の駆動装置の全体構成を示す構成図である。 図2は、前記駆動装置の主要部を構成するパワーデバイダ及び弾性継手の縦断側面図である。 図3は、前記弾性継手の反フライホイール側から見た背面図である。 図4は、図3のX−X線における拡大断面図である。 図5は、前記弾性継手の第1の変形例を示す図4相当図である。 図6は、同じく第2の変形例を示す図4相当図である。 図7は、同じく第3の変形例を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建設機械の駆動装置1の全体構成を示す。駆動装置1は、エンジン2と、油圧ポンプ3と、エンジン2の出力を油圧ポンプ3に伝達するための歯車伝動機構としてのパワーデバイダ4とを備える。
エンジン2は、単一又は複数の気筒を有するレシプロエンジンである。建設機械の場合、エンジン2は、通常、上部旋回体に搭載される。また、エンジン2の回転方向は、その出力軸であるクランクシャフト2a側から見て左回転で回転するものと、右回転で回転するものとがある。
油圧ポンプ3は、建設機械の油圧シリンダや油圧モータなどの油圧アクチュエータの油圧源を構成するものであり、本実施形態の場合、複数(例えば図示の如く2つ又は4つ)備える。
パワーデバイダ4は、エンジン2の出力を複数軸に分散して複数の油圧ポンプ3に伝達する装置である。パワーデバイダ4は、図2に示すように、ケーシング41と、複数の軸受42,43,44と、入力軸45と、駆動ギヤ46と、複数の従動ギヤ47と、複数の出力軸48とを備える。
ケーシング41は、複数のパーツからなる。詳しくは、ケーシング41は、エンジン2側である正面側の中央部を除く大部分及び外周面部を構成する第1パーツ411と、正面側の中央部を構成する第2パーツ412と、エンジン2と反対側の裏面側の従動ギヤ47に対向する部分を構成する複数の第3パーツ413と、裏面側の残り部分(中央部など)を構成する第4パーツ414とを備えてなる。
第2パーツ412の中央部には、入力軸45を挿通するための挿通孔415が形成されている。第4パーツ414の内面には、入力軸45の一端部に対応して、円形状の凹部416が形成され、この凹部416は、その内周面の軸方向中間部に段差部を有し、段差部よりも開口側の内径が奥側(底面側)の内径よりも大きくなっている。また、第1パーツ411の内面には、各出力軸48の一端部に対応して、円形状の凹部417が形成され、この凹部417は、その内周面の軸方向中間部に段差部を有し、段差部よりも開口側の内径が奥側(底面側)の内径よりも大きくなっている。各第3パーツ413には、対応する出力軸48の他端部に対応して、円形状の開口部418が形成されている。
軸受(詳しくはころ軸受)42は、ケーシング41内の2箇所にそれぞれ配置されている。そのうちの1箇所は、第2パーツ412の挿通孔415の内周面であり、残り1箇所は、第4パーツ414の凹部416の段差部よりも開口側の内周面である。
軸受(詳しくは球軸受)43及び軸受(詳しくはころ軸受)44は、各々対応する1つの従動ギヤ47及び出力軸48に対して、ケーシング41内の2箇所にそれぞれ配置されている。そのうちの1箇所は、第1パーツ411の凹部417の段差部よりも開口側の内周面であり、残り1箇所は、第3パーツ413の開口部418の内周面である。
入力軸45は、ケーシング41内に2つの軸受42を介して回転自在に配置されている。入力軸45の一端部は、挿通孔415を通してケーシング41外に延出されて、後述する弾性継手6のインナー金具62に固定される。また、ケーシング41外に延出する入力軸45の一端部にはスプライン結合部451が形成されている。
駆動ギヤ46は、入力軸45との間でスプライン結合することで入力軸45に対し回転一体に装着されている。なお、駆動ギヤ46と入力軸45とは、スプライン結合ではなく一体に形成されてもよい。
駆動ギヤ46の軸方向両端は、2つの軸受42(詳しくはインナレース)により挟持されている。なお、インナレースは、入力軸45に対し圧入して装着されているため、入力軸45がスラスト振動するときには、インナレースと2つの軸受42のインナレースで挟持された駆動ギヤ46とが入力軸45と一体的にスラスト振動する。このため、入力軸45、駆動ギヤ46及び2つの軸受42のインナレースは、以下の説明でこれを全体として呼ぶとき入力軸系49という。
各従動ギヤ47は、いずれも駆動ギヤ46と噛み合っており、そのギヤ比は1.0であるが、ギヤ比は1.0でなくてもよく、ギヤ比は限定されない。各従動ギヤ47とこれに対応する出力軸48とは一体に形成されている。
各出力軸48は、いずれもケーシング41内に2つの軸受43又は44を介して回転自在に配置されている。各出力軸48の第3パーツ413側端部には、その中心線に沿って延びるスプライン結合穴481が形成されている。そして、各出力軸48は、このスプライン結合穴481を利用して、油圧ポンプ3の駆動軸3a(図1参照)に回転一体に連結される。つまり、油圧ポンプ3の駆動軸3aの一端部又はこれに連結される連結軸の一端部にスプライン結合部が形成され、このスプライン結合部は、第3パーツ413の開口部418を通してスプライン結合穴481に嵌め込んで結合される。
駆動ギヤ46及び各従動ギヤ47は、図1に示すように、いずれもヘリカルギヤである。特に、本実施形態の場合、駆動ギヤ46は、左ねじれのヘリカルギヤであり、各従動ギヤ47は、右ねじれのヘリカルギヤである。このため、エンジン2の回転方向がクランクシャフト2a側から見て左回転で回転するものの場合、パワーデバイダ4の入力軸45は、エンジン2側に向いた方向の力F1を受けることになり、スラスト振動を生じる。また、エンジン2の回転方向が逆に右回転で回転するものの場合、パワーデバイダ4の入力軸45は、エンジン2側と反対側に向いた方向の力F2を受けることになり、スラスト振動を生じる。
駆動装置1は、図1及び図2に示すように、さらに、エンジン2のクランクシャフト2aに連結されるフライホイール5と、フライホイール5とパワーデバイダ4との間に配置される弾性継手6と、この両部材5,6を覆うフライホイールハウジング7とを備える。
フライホイールハウジング7は、図2に示すように、ハウジング本体71と、ハウジング本体71をパワーデバイダ4のケーシング41の第2パーツ412に固定するための固定部材72とを有する。
固定部材72は、環状の部材であって、第2パーツ412の周縁部に当接してスタッドボルト721などにより固定される外側垂直リング部722と、外側垂直リング部722の内端部からパワーデバイダ4側と反対側(反パワーデバイダ4側)に水平に突出する水平リング部723と、水平リング部723の反パワーデバイダ4側の一端部から内側(パワーデバイダ4の入力軸45寄り)に向かって延出する内側垂直リング部724とを有する。内側垂直リング部724は、その反パワーデバイダ4側側面をハウジング本体71の端面(詳しくは後述する周壁部711のパワーデバイダ4側の端面)に当接した状態でボルト725によりハウジング本体71と固定されている。
ハウジング本体71は、フライホイール5の外周を囲繞する大きさの略円筒状の周壁部711と、周壁部711の一端を塞ぐように周壁部711と一体に形成された側壁部712とを有する。側壁部712の中央部には開口部713が設けられ、この開口部713を通して、クランクシャフト2aの一端がフライホイール5の中心部にボルト714により固定される。
弾性継手6は、図3及び図4にも示すように、環状のアウター金具61と、インナー金具62と、アウター金具61の内周面とインナー金具62との間に配置される環状のゴムなどの弾性体63とを備える。
アウター金具61は、外周面のフライホイール5側の部位に外方に突出する環状の鍔部611を有している。この鍔部611の複数箇所(図3では8箇所)にはそれぞれ軸方向に平行なボルト挿通孔612が設けられている。そして、鍔部611をフライホイール5に当接した状態で六角穴付きのボルト613をボルト挿通孔612に挿通して、フライホイール5の周縁部に設けたねじ穴にねじ込むことにより、アウター金具61がフライホイール5に同心円状に位置して固定される。
また、アウター金具61は、内周面615に沿って凹凸を形成してなる内歯614を有している。なお、本実施形態では、内歯614の歯先が側面視で半円形状に形成され、内歯614の歯底が側面視で矩形の凹状に形成されているが、内歯614の形状としてはこれに限定されない。また、アウター金具61の内周面615は、図4に示すように、弾性継手6の中心軸681を切断面に含む断面で見ると、中心軸681と平行になる。
インナー金具62は、中心部にスプライン結合穴621を有するインナーハブ622と、インナーハブ622の外周面に内周面が接触する環状のアウターハブ623とを備える。インナーハブ622の外周面とアウターハブ623の内周面とは、軸方向の一部分でフライホイール5側(図4で左側)に向かうに従って直径が次第に小さくなる円錐面状に形成されている。
インナーハブ622のスプライン結合穴621には入力軸45のスプライン結合部451がスプライン結合される。このスプライン結合では、入力軸45は、インナーハブ622に対して軸方向に相対移動可能であるが、これを固定状態にするために、前述の如くインナーハブ622の外周面とアウターハブ623の内周面とが円錐面状に形成されているとともに、インナーハブ622の反フライホール5側端面の2箇所にスリット溝624(図3参照)が設けられている。そして、アウターハブ623のフライホイール5側端面から六角穴付きのボルト625をアウターハブ623のボルト挿通孔626を通してインナーハブ622のネジ穴627にねじ込むと、インナーハブ622がスプライン結合穴621を縮径するように変形して入力軸45がインナーハブ622ないしインナー金具62に固定される。なお、スリット溝624の個数は、2個に限定されず、1個又は3個以上設けてもよい。
弾性体63は、断面形状が等辺台形状のものであり、内周面の横幅(軸方向長さ)は、外周面の横幅よりも大きい。弾性体63の内周面は、インナー金具62のアウターハブ623の外周面に接着剤を介して、あるいは溶着などにより固着されている。また、弾性体63は、外周面632に沿って凹凸を形成してなる外歯631を有し、この外歯631がアウター金具61の内歯614に嵌まり込んでアウター金具61に対して軸方向に相対移動可能に係合されている。なお、弾性体63の外周面632は、アウター金具61の内周面615と同じく、図4に示すように、弾性継手6の中心軸681を切断面に含む断面で見ると、中心軸681と平行になる。
さらに、弾性継手6は、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動を規制する環状の規制部64を有している。本実施形態では、規制部64は、アウター金具61のフライホイール5側に一体に形成されている。規制部64の内周縁部は、弾性体63の外周面632から弾性体63の厚み寸法(弾性体63の内周面と外周面632との間の寸法)の1/3〜1/2程度延出して弾性体63のフライホイール5側側面と接触している。
次に、前記実施形態の作用・効果、特に、弾性継手6の作用・効果について説明する。
フライホイール5とパワーデバイダ4との間に配置された弾性継手6は、エンジン2のトルク変動に起因するねじり振動に対しては、従来の場合と同じく、アウター金具61とインナー金具62との間に配置された弾性体63が軸心回りにねじり方向に弾性変形して減衰効果を発揮する。
また、弾性継手6は、パワーデバイダ4の入力軸系49のスラスト振動に対しても弾性体63が弾性変形して減衰効果を発揮する。すなわち、弾性継手6のインナー金具62は、パワーデバイダ4の入力軸45に固定されて入力軸系49と一体にスラスト振動をするが、弾性継手6のアウター金具61は、フライホイール5に同心円状に位置して固定されているため、スラスト振動をしない。また、弾性継手6の弾性体63は、その内周面がインナー金具62の外周面に固着され、外周面632に有する外歯631がアウター金具61の内歯614に嵌まり込んでアウター金具61に対して軸方向に相対移動可能に係合されているが、このアウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動が規制部64により規制されるため、パワーデバイダ4の入力軸系49と弾性継手6のインナー金具62がスラスト振動をするとき、このスラスト振動に対して弾性継手6の弾性体63が軸方向と平行なせん断力による弾性変形をして減衰効果を発揮する。
このように、エンジン2のトルク変動に起因するねじり振動だけでなく、パワーデバイダ4の入力軸系49のスラスト振動に対しても弾性継手6の弾性体63が弾性変形して減衰効果を発揮するため、パワーデバイダ4の入力軸45でねじり振動やスラスト振動を減衰させることができるので、振動音や摩耗等を効果的に低減できる。
その上、弾性継手6は、従来の弾性継手に比べて、単にインナー金具62をパワーデバイダ4の入力軸45に固定するとともに、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動を規制する規制部64を追加的に有しているに過ぎないので、実施化を容易に図ることができる。また、弾性継手6の本来の機能、つまりエンジン出力が衝撃的にパワーデバイダ4の入力軸45に伝達されるのを抑制するという機能が規制部64により損なわれることはないので、この点からも実施化を容易に図ることができる。
特に、本実施形態の場合、規制部64は、アウター金具61のフライホイール5側に一体に形成されており、アウター金具61の形状変更だけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができるので、実施化をより容易に図ることができる。
図5〜図7は本発明の実施形態に係る建設機械の駆動装置1に用いられる弾性継手6の第1〜第3の変形例を示す。これらの変形例の場合、弾性継手6は、規制部の構成などが異なるだけであり、その他の構成は、実施形態の場合と同一であるので、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
すなわち、図5に示す第1の変形例の場合、弾性継手6は、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動を規制する環状の規制部65を有しているが、規制部65は、アウター金具61のフライホイール5側側面に止めネジ651又はボルトなどにより取り付けられたリング部材652で構成されている。リング部材652の内周縁部は、弾性体63の外周面632から弾性体63の厚み寸法の1/3〜1/2程度延出して弾性体63のフライホイール5側側面と接触している。
第1の変形例の場合、リング部材652の追加取付だけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができるので、実施化をより容易に図ることができる。
また、図6に示す第2の変形例の場合、弾性継手6は、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動を規制する環状の規制部66を有するとともに、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側と反対側への相対移動を規制する別の環状の規制部67を有している。規制部67は、アウター金具61のフライホイール5側と反対側側面の内周面側部位に形成された凹部673に止めネジ671又はボルトなどにより着脱可能に取り付けられたリング部材672で構成されている。規制部67の内周縁部は、弾性体63の外周面632から弾性体63の厚み寸法の1/3〜1/2程度延出して弾性体63のフライホイール5側と反対側側面と接触している。なお、規制部66は、第1の変形例の場合と同じく、アウター金具61のフライホイール5側側面に止めネジ661により取り付けられたリング部材662で構成されているが、アウター金具61のフライホイール5側に一体に形成してもよい。
第2の変形例の場合、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動が規制部66により規制されるだけでなく、フライホイール5側と反対側への相対移動が別の規制部67により規制されるため、パワーデバイダ4の入力軸系49(図2参照)及び弾性継手6のインナー金具62などがスラスト振動をするとき、このスラスト振動に対して弾性継手6の弾性体63が減衰効果をより効果的に発揮するようになる。しかも、別の規制部67は、アウター金具61のフライホイール5側と反対側側面に着脱可能に取り付けられたリング部材672で構成されているため、この規制部67により建設機械の製造時や整備点検時などで作業に支障を来すことはない。
さらに、図7に示す第3の変形例の場合、アウター金具61の内周面615及び弾性体63の外周面632は、いずれも軸方向のフライホイール5側(図で左側)に向かうに従い中心軸681に近づくように傾斜している。弾性継手6は、アウター金具61に対する弾性体63の軸方向のうちのフライホイール5側への相対移動を規制する規制部68を有しているが、規制部68は、アウター金具61の傾斜した内周面615により構成されている。
第3の変形例の場合、アウター金具61の内周面615と弾性体63の外周面632とを傾斜させるだけでスラスト振動に対して減衰効果を発揮することができる。
なお、本発明は前述した実施形態及び弾性継手6の第1〜第3の変形例に限定されるものではなく、その種々の形態などを包含するものである。例えば前記実施形態の場合、パワーデバイダ4の入力軸45にスプライン結合部451を設け、このスプライン結合部451上で弾性継手6のインナー金具62を固定するように構成したが、本発明は、パワーデバイダ4の入力軸45に、スプライン結合部を設けることなく、弾性継手6のインナー金具62を固定するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、歯車伝動機構としてのパワーデバイダ4の各従動ギヤ47と、これに対応する出力軸48とが一体に形成されている場合について述べたが、本発明は、従動ギヤと出力軸とが別体に形成され、かつ出力軸がケーシング41外に延出するパワーデバイダなどにも同様に適用することができる。
さらに、本発明は、歯車伝動機構として、前記実施形態の如きパワーデバイダ4に限らず、エンジン出力を減速又は増速させて油圧ポンプに伝達する減速機を備える建設機械の駆動装置にも同様に適用できるのは言うまでもない。
1 駆動装置
2 エンジン
2a クランクシャフト(出力軸)
3 油圧ポンプ
4 パワーデバイダ(歯車伝動機構)
41 ケーシング
42 軸受
45 入力軸
46 駆動ギヤ
5 フライホイール
6 弾性継手
61 アウター金具
614 内歯
615 内周面
62 インナー金具
63 弾性体
631 外歯
632 外周面
64〜68 規制部
652,662,672 リング部材
681 中心軸

Claims (5)

  1. エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、前記エンジンの出力を前記油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構と、前記エンジンの出力軸に連結されるフライホイールと、このフライホイールと前記歯車伝動機構との間に配置される弾性継手とを備えた建設機械の駆動装置であって、
    前記歯車伝動機構は、少なくとも、ケーシングと、このケーシング内に軸受を介して回転可能に配置される入力軸と、この入力軸に回転一体に設けられる駆動ギヤとを備え、前記駆動ギヤは、ヘリカルギヤであり、
    前記弾性継手は、前記フライホイールに同心円状に位置して固定され、内周面に内歯を有する環状のアウター金具と、前記歯車伝動機構の前記入力軸に固定されるインナー金具と、前記アウター金具の内周面と前記インナー金具の外周面との間に配置される環状の弾性体とを備え、前記弾性体の内周面は前記インナー金具の外周面に固着されており、前記弾性体は、外周面に外歯を有し、この外歯が前記アウター金具の前記内歯に嵌まり込んで前記アウター金具に対して軸方向に相対移動可能に係合されており、
    また、前記弾性継手は、前記アウター金具に対する前記弾性体の軸方向のうちのフライホイール側への相対移動を規制する規制部を有していることを特徴とする建設機械の駆動装置。
  2. 前記規制部は、前記アウター金具の前記フライホイール側に一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の建設機械の駆動装置。
  3. 前記規制部は、前記アウター金具のフライホイール側側面に取り付けられたリング部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載の建設機械の駆動装置。
  4. 前記アウター金具の内周面及び前記弾性体の外周面は、いずれも軸方向の前記フライホイール側に向かうに従い中心軸に近づくように傾斜しており、
    前記規制部は、前記アウター金具の傾斜した内周面により構成されていることを特徴とする請求項1記載の建設機械の駆動装置。
  5. 前記弾性継手は、前記アウター金具に対する前記弾性体の軸方向のうちの前記フライホイール側と反対側への相対移動を規制する別の規制部を有しており、この規制部は、前記アウター金具の前記フライホイール側と反対側側面に着脱可能に取り付けられたリング部材で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の建設機械の駆動装置。
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