JP2018135929A - 建設機械の駆動装置 - Google Patents

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司 君谷
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Abstract

【課題】ねじり振動やスラスト振動の共振を防止して振動音や摩耗等を効果的に低減し得る建設機械の駆動装置を提供する。【解決手段】駆動装置1は、エンジン2と、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプ3と、エンジン2の出力を油圧ポンプ3に伝達するための歯車伝動機構4とを備える。歯車伝動機構4は、少なくとも、ケーシング41と、ケーシング41内に配置されるベアリング42と、ケーシング41内にベアリング42を介して回転自在に配置される入力軸44と、入力軸44に装着される駆動ギヤ45とを備える。駆動ギヤ45は、ヘリカルギヤである。歯車伝動機構4は、当該歯車伝動機構の入力軸44に沿った方向のスラスト振動を抑制するための所定のばね定数を有する振動抑制体48をさらに備える。【選択図】図1

Description

本発明は、クレーンや油圧ショベルなどの建設機械の駆動装置に関する。
従来、この種の建設機械の駆動装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、エンジンの出力を油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構とを備えたものが知られている。
ここで、歯車伝動機構は、具体的には、油圧ポンプの制約で、エンジン回転数を減速又は増速させるために用いられる減速機、あるいはエンジンの出力を複数軸に分散させて複数の油圧ポンプに伝達するために用いられるパワーデバイダである。また、歯車伝動機構のギヤとしては、噛み合い音を低減するために、ヘリカルギヤが多く採用されている。
特開2014−201903号公報
ところで、エンジンの出力は、燃焼間隔によるトルク変動を起こし、それにより、ねじり振動を生じる。その上、従来の歯車伝動機構では、入力軸とケーシングとの間に、組立性を考慮して隙間が設けられていることと、エンジン出力がヘリカルギヤを介して油圧ポンプに伝達されることに起因して、ねじり振動によって入力軸がスラスト振動を生じるほか、音が発生したり、入力軸とベアリングに摩耗等が発生する。そして、これらの振動の振動数が、歯車伝動機構の入力軸系の固有振動数に近いと、ねじり振動やスラスト振動が共振するようなことが起こり、振動音や摩耗等が大きく増幅されるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題は、歯車伝動機構の入力軸がスラスト振動するときその振動を抑制することにより、ねじり振動やスラスト振動の共振を防止して振動音や摩耗等を効果的に低減し得る建設機械の駆動装置を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本発明は、建設機械の駆動装置として、エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、前記エンジンの出力を前記油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構とを備えることを前提とする。そして、前記歯車伝動機構は、少なくとも、ケーシングと、このケーシング内に配置されるベアリングと、前記ケーシング内に前記ベアリングを介して回転自在に配置される入力軸と、この入力軸に装着される駆動ギヤとを備え、前記駆動ギヤは、ヘリカルギヤである。また、前記歯車伝動機構は、当該歯車伝動機構の前記入力軸に沿った方向のスラスト振動を抑制するための所定のばね定数を有する振動抑制体をさらに備える構成にする。
この構成では、エンジン出力がトルク変動を起こし、ねじり振動を生じるときには、従来の歯車伝動機構の場合と同様に、入力軸とケーシングとの間に、組立性を考慮して隙間が設けられていることと、エンジン出力が歯車伝動機構の駆動ギヤなどのヘリカルギヤを介して油圧ポンプに伝達されることに起因して、歯車伝動機構の入力軸などが、ねじり振動によってスラスト振動を生じる。このとき、歯車伝動機構の入力軸などのスラスト振動は、所定のばね定数を有する振動抑制体により抑制されるため、従来の如くねじり振動やスラスト振動が共振するようなことはなく、振動音や摩耗等を効果的に低減できる。
ここで、前記振動抑制体は、前記ケーシングと前記ベアリングとの間に設置することが好ましい。この場合、ケーシングとベアリングとの間の位置という設計変更が比較的容易な箇所に振動抑制体を設置することができるので、実施化を図る上で有利である。
また、前記振動抑制体のばね定数k(N/mm)は、前記入力軸、前記駆動ギヤ及び前記ベアリングのインナレースの各質量の合計である入力軸系の慣性質量をm(kg)、前記エンジンの回転数をN(rpm)、前記エンジンの気筒数をnとすると、下記の式
k≧8π×m×{(N/60)×(n/2)}
を満たすように設定することが好ましい。この場合、歯車伝動機構の入力軸系の固有振動数は、入力軸系のねじり振動及びスラスト振動の振動数の√2倍以上離れることになるため、入力軸系がねじり振動及びスラスト振動に共振することはなく振動の減衰が得られ、振動音や摩耗等をより効果的に低減できる。
本発明における建設機械の駆動装置によれば、歯車伝動機構の入力軸などがねじり振動によってスラスト振動を生じるとき、そのスラスト振動が振動抑制部材により効果的に抑制されるため、従来の如くねじり振動やスラスト振動が共振するようなことはなく、振動音や摩耗等を有効に低減することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る建設機械の駆動装置の全体構成を示す構成図である。 図2は、前記駆動装置の構成要素であるパワーデバイダの縦断側面図である。 図3は、図2のX付近の拡大図である。 図4は、本発明の第2の実施形態を示す図1相当図である。 図5は、同じく図3相当図である。 図6は、本発明の第3の実施形態を示す図3相当図である。
以下、本発明を実施するための形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る建設機械の駆動装置1の全体構成を示す。駆動装置1は、エンジン2と、油圧ポンプ3と、エンジン2の出力を油圧ポンプ3に伝達するための歯車伝動機構としてのパワーデバイダ4とを備える。
エンジン2は、単一又は複数の気筒を有するレシプロエンジンである。建設機械の場合、エンジン2は、通常、上部旋回体に搭載される。また、エンジン2は、その出力軸2a側から見て左回転で回転する。
油圧ポンプ3は、建設機械の油圧シリンダや油圧モータなどの油圧アクチュエータの油圧源を構成するものであり、本実施形態の場合、複数(例えば図示の如く2つ又は4つ)備える。
パワーデバイダ4は、エンジン2の出力を複数軸に分散して複数の油圧ポンプ3に伝達する装置である。パワーデバイダ4は、図2に示すように、ケーシング41と、複数のテーパーベアリング42及びボールベアリング43と、入力軸44と、駆動ギヤ45と、複数の従動ギヤ46と、複数の出力軸47とを備える。
ケーシング41は、複数のパーツからなる。詳しくは、ケーシング41は、エンジン2側である正面側の中央部を除く大部分及び外周面部を構成する第1パーツ411と、正面側の中央部を構成する第2パーツ412と、エンジン2と反対側の裏面側の従動ギヤ46に対向する部分を構成する複数の第3パーツ413と、裏面側の残り部分(中央部など)を構成する第4パーツ414とを備えてなる。
第2パーツ412の中央部には、入力軸44を挿通するための挿通孔415が形成されている。第4パーツ414の内面には、入力軸44の一端部に対応して、円形状の凹部416が形成され、この凹部416は、その内周面の軸方向中間部に段差部を有し、段差部よりも開口側の内径が奥側(底面側)の内径よりも大きくなっている。また、第1パーツ411の内面には、各出力軸47の一端部に対応して、円形状の凹部417が形成され、この凹部417は、その内周面の軸方向中間部に段差部を有し、段差部よりも開口側の内径が奥側(底面側)の内径よりも大きくなっている。各第3パーツ413には、対応する出力軸47の他端部に対応して、円形状の開口部418が形成されている。
テーパーベアリング42は、ケーシング41内の2箇所にそれぞれ配置されている。そのうちの1箇所は、第2パーツ412の挿通孔415の内周面であり、残り1箇所は、第4パーツ414の凹部416の段差部よりも開口側の内周面である。なお、以下の説明で2つのテーパーベアリング42を区別する必要がある場合には、第2パーツ412側のテーパーベアリングを符号42aで表示し、第4パーツ414側のテーパーベアリングを符号42bで表示する。
ボールベアリング43は、1つの従動ギヤ46及び出力軸47毎に、ケーシング41内の2箇所にそれぞれ配置されている。そのうちの1箇所は、第1パーツ411の凹部417の段差部よりも開口側の内周面であり、残り1箇所は、第3パーツ413の開口部418の内周面である。
入力軸44は、ケーシング41内に2つのテーパーベアリング42を介して回転自在に配置されている。入力軸44の一端部は、挿通孔415を通してケーシング41外に延出されており、この入力軸44の一端部には、エンジン2の出力軸2a(図1参照)がカップリングなどを介して連結される。
駆動ギヤ45は、入力軸44との間でスプライン結合することで入力軸44に対し回転一体に装着されている。なお、駆動ギヤ45と入力軸44とは、スプライン結合ではなく一体に形成されてもよい。駆動ギヤ45の軸方向両端は、図3に拡大詳示するように、2つのテーパーベアリング42(詳しくは後述のインナレース421)により挟持されている。テーパーベアリング42は、入力軸44に装着されたインナレース421と、第2パーツ412の挿通孔415の内周面又は第4パーツ414の凹部416の開口側内周面に嵌め込まれたアウタレース422と、インナレース421とアウタレース422との間に介在される複数のころ423と、複数のころ421を円周方向に所定間隔毎に保持するための保持器424とを備える。なお、インナレース421は、入力軸44に対し圧入して装着されているため、入力軸44がスラスト振動するときには、インナレース421と2つのテーパーベアリング42のインナレース421で挟持された駆動ギヤ45とが入力軸44と一体的にスラスト振動する。このため、入力軸44、駆動ギヤ45及び2つのテーパーベアリング42のインナレース421は、以下の説明でこれを全体として呼ぶとき入力軸系49という。
各従動ギヤ46は、いずれも駆動ギヤ45と噛み合っており、そのギヤ比は1.0であるが、ギヤ比は1.0でなくてもよく、ギヤ比は限定されない。各従動ギヤ46とこれに対応する出力軸47とは一体的に形成されている。
各出力軸47は、いずれもケーシング41内に2つのボールベアリング43を介して回転自在に配置されている。各出力軸47の第3パーツ413側端部には、その中心線に沿って延びるスプライン結合穴471が形成されている。そして、各出力軸47は、このスプライン結合穴471を利用して、油圧ポンプ3の駆動軸3a(図1参照)に回転一体に連結される。つまり、油圧ポンプ3の駆動軸3aの一端部又はこれに連結される連結軸の一端部にスプライン結合部が形成され、このスプライン結合部は、第3パーツ413の開口部418を通してスプライン結合穴471に嵌め込んで結合される。
駆動ギヤ45及び各従動ギヤ46は、図1に示すように、いずれもヘリカルギヤである。特に、本実施形態の場合、駆動ギヤ45は、右ねじれのヘリカルギヤであり、各従動ギヤ46は、左ねじれのヘリカルギヤである。このため、エンジン2の回転時には、パワーデバイダ4の入力軸44は、エンジン2側に向いた方向の力F1を受けることになり、スラスト振動を生じる。
このことに対応して、パワーデバイダ4は、図3に示すように、その入力軸44に沿った方向のスラスト振動を抑制するための振動抑制体48をさらに備える。振動抑制体48は、ケーシング41とテーパーベアリング42との間、詳しくは、ケーシング41の第2パーツ412における挿通孔415のテーパーベアリング42a配置箇所の段差部415aと第2パーツ側のテーパーベアリング42aのアウタレース422端面との間に設置されている。振動抑制体48は、全体としてリング状に形成されている。振動抑制体48は、皿ばね、板ばね、コイルばねやエアばねなどのばね、ゴムや樹脂などの弾性体、隙間に注入されるグリースなどの粘性流動体、又は油などの液体を封入した袋状のものである。このように、入力軸系49のねじり振動の振動抑制体48を有した構造を、入力軸系49のスラスト方向に沿う一部に設置することで、設計自由度が増す。
また、振動抑制体48は、所定のばね定数を有するものである。この振動抑制体48のばね定数k(N/mm)は、入力軸44、駆動ギヤ45及び2つのテーパーベアリング42のインナレース421の各質量の合計である入力軸系49の慣性質量をm(kg)、エンジン2の回転数をN(rpm)、エンジン2の気筒数をnとすると、下記の(1)式
k≧8π×m×{(N/60)×(n/2)} (1)
を満たすように設定されている。
ここで、前記の(1)式の意義について説明するに、エンジン2の燃焼行程で発生するパワーデバイダ4の入力振動(ねじり振動及びスラスト振動)の振動数Fは、
F=(N/60)×(n/2)[Hz] (2)
である。
式(2)に示されるように、振動数Fは、従動ギヤ46と駆動ギヤ45のギヤ比には依存しない。
また、パワーデバイダ4の入力軸系49の固有振動数fは、
f=(1/2π)×√(k/m)[Hz] (3)
である。
パワーデバイダ4の入力振動の振動数Fと入力軸系49の固有振動数fとが近いと共振が発生するため、入力軸系49の固有振動数fを、入力振動の振動数Fの√2倍以上に大きくすること、つまり下記の(4)式
f≧√2×F (4)
を満たすことが必要である。
(4)式に、(2)式と(3)式を代入して整理すると、(1)式が得られる。
次に、駆動装置1の作用効果について説明する。エンジン2の出力がトルク変動を起こし、ねじり振動を生じるときには、パワーデバイダ4においては、従来の場合と同様に、入力軸44とケーシング41との間に、組立性を考慮して隙間が設けられていることと、駆動ギヤ45及び従動ギヤ46がヘリカルギヤであることに起因して、パワーデバイダ4の入力軸系49(つまり入力軸44、駆動ギヤ45及び2つのテーパーベアリング42のインナレース421)が、ねじり振動によってスラスト振動を生じる。このとき、パワーデバイダ4の入力軸系49のスラスト振動は、所定のばね定数を有する振動抑制体48により抑制されるため、従来の如くねじり振動やスラスト振動が共振するようなことはなく、振動音や摩耗等を効果的に低減することができる。
特に、本実施形態の場合、振動抑制体48は、ケーシング41とテーパーベアリング42との間に設置されている。この設置箇所は、設計変更が比較的容易な箇所であるため、その分実施化を容易に図ることができる。
その上、エンジン2の回転時には、パワーデバイダ4の入力軸44は、エンジン2側に向いた方向の力F1を受けて、スラスト振動を生じることに対応して、振動抑制体48は、ケーシング41の第2パーツ412における挿通孔415のテーパーベアリング42a配置箇所の段差部415aと第2パーツ側のテーパーベアリング42aのアウタレース422端面との間に設置されている。このため、振動抑制体48によるスラスト振動に対する抑制効果を高めることができる。
また、振動抑制体48のばね定数k(N/mm)は、(1)式を満たすように設定されており、パワーデバイダ4の入力軸系49の固有振動数fは、入力軸系49のねじり振動及びスラスト振動の振動数の√2倍以上離れる。このため、入力軸系がねじり振動及びスラスト振動に共振することはなく、振動音や摩耗等をより効果的に低減することができる。
図4は本発明の第2の実施形態に係る建設機械の駆動装置11の全体構成を示す。駆動装置11の基本的な構成は、第1の実施形態に係る建設機械の駆動装置1のそれと同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
駆動装置11が第1の実施形態の場合のそれと異なる点は、パワーデバイダ4の駆動ギヤ55及び各従動ギヤ56と、パワーデバイダ4に装備される振動抑制体58の設置位置である。
すなわち、パワーデバイダ4の駆動ギヤ55及び各従動ギヤ56は、第1の実施形態の場合のそれと同じく、いずれもヘリカルギヤであるが、駆動ギヤ55は、左ねじれのヘリカルギヤであり、各従動ギヤ56は、右ねじれのヘリカルギヤである。このため、エンジン2の回転時には、パワーデバイダ4の入力軸44は、エンジン2側と反対側に向いた方向の力F2を受けることになり、スラスト振動を生じる。
このことに対応して、パワーデバイダ4に装備される振動抑制体58は、ケーシング41とテーパーベアリング42との間、詳しくは、図5に示すように、ケーシング41の第4パーツ414における凹部416の段差部416aと第4パーツ側のテーパーベアリング42bのアウタレース422端面との間に設置されている。
振動抑制体58の素材及びばね定数は、第1の実施形態の場合と同じである。また、それにより、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができるのは勿論である。
図6は本発明の第3の実施形態に係る建設機械の駆動装置のパワーデバイダの要部の縦断側面図である。駆動装置の基本的な構成は、第1の実施形態に係る建設機械の駆動装置1のそれと同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
駆動装置が第1の実施形態の場合のそれと異なる点は、パワーデバイダの駆動ギヤ65及び各従動ギヤと、パワーデバイダに装備される振動抑制体68の設置位置である。
すなわち、パワーデバイダの駆動ギヤ65及び各従動ギヤは、第1の実施形態の場合のそれと同じく、いずれもヘリカルギヤであり、入力軸44は、スラスト振動を生じる。
このことに対応して、パワーデバイダに装備される振動抑制体68は、駆動ギヤ65とインナレース421との間に設置されている。
振動抑制体68の素材及びばね定数は、第1の実施形態の場合と同じである。第3の実施形態では、入力軸系49の慣性質量mが、駆動ギヤ45及びインナレース421の各質量の合計である点で、第1の実施形態と異なる。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は前記第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば前記各実施形態では、ケーシング41内に配置されるベアリングを介して入力軸44をケーシング41内に回転自在に配置するに当たり、ベアリングとしてテーパーベアリング42を用いたが、本発明は、ボールベアリングなどその他のベアリングを用いてもよいのは勿論である。
また、前記第1の実施形態では、歯車伝動機構としてのパワーデバイダ4の各従動ギヤ46と、これに対応する出力軸47とが一体的に形成されている場合について述べたが、本発明は、従動ギヤと出力軸とが別体で形成され、かつ出力軸がケーシング41外に延出するパワーデバイダなどにも同様に適用することができる。
さらに、本発明は、歯車伝動機構として、前記各実施形態の如きパワーデバイダ4に限らず、エンジン出力を減速又は増速させて油圧ポンプに伝達する減速機を備える建設機械の駆動装置にも同様に適用できるのは言うまでもない。
1,11 駆動装置
2 エンジン
3 油圧ポンプ
4 パワーデバイダ(歯車伝動機構)
41 ケーシング
42 テーパーベアリング
421 インナレース
422 アウタレース
44 入力軸
45,55 駆動ギヤ
48,58 振動抑制体
49 入力軸系
エンジン2は、単一又は複数の気筒を有するレシプロエンジンである。建設機械の場合、エンジン2は、通常、上部旋回体に搭載される。また、エンジン2は、その出力軸2a側から見て回転で回転する。

Claims (3)

  1. エンジンと、油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプと、前記エンジンの出力を前記油圧ポンプに伝達するための歯車伝動機構とを備えた建設機械の駆動装置において、
    前記歯車伝動機構は、少なくとも、ケーシングと、このケーシング内に配置されるベアリングと、前記ケーシング内に前記ベアリングを介して回転自在に配置される入力軸と、この入力軸に装着される駆動ギヤとを備え、前記駆動ギヤは、ヘリカルギヤであり、前記歯車伝動機構は、当該歯車伝動機構の前記入力軸に沿った方向のスラスト振動を抑制するための所定のばね定数を有する振動抑制体をさらに備えることを特徴とする建設機械の駆動装置。
  2. 前記振動抑制体は、前記ケーシングと前記ベアリングとの間に設置されていることを特徴とする請求項1記載の建設機械の駆動装置。
  3. 前記振動抑制体のばね定数k(N/mm)は、前記入力軸、前記駆動ギヤ及び前記ベアリングのインナレースの各質量の合計である入力軸系の慣性質量をm(kg)、前記エンジンの回転数をN(rpm)、前記エンジンの気筒数をnとすると、下記の式
    k≧8π×m×{(N/60)×(n/2)}
    を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の建設機械の駆動装置。
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