JP2019019744A - インペラ、送風装置及び掃除機 - Google Patents

Abstract

【課題】送風効率を向上させることが可能なインペラを提供する。【解決手段】インペラ３は、中心軸に対して径方向に拡がる主板と、前記主板の上面において周方向に配列された複数の羽根と、複数の前記羽根の上部に接続され、上側に開口する吸気口を有するシュラウドと、前記主板の上面において径方向外端よりも内側に配置された台状部と、を有し、前記台状部が、前記台状部の上面から下側に向かって窪み、前記中心軸から離れる方向に延びる凹部を有する。【選択図】図４

Description

本発明は、インペラ、送風装置及び掃除機に関する。

従来の、送風装置に用いられるインペラが、特許文献１に開示されている。特許文献１の電動送風機が有するインペラは、ナットによって、モータ軸に取り付けられる。そして、インペラは、前面シュラウドと、後面シュラウドと、ブレードとを有する。

前面シュラウドは、傘型であり、空気の流入側に配置される。後面シュラウドは、平板から成り、前面シュラウドに対してインペラの内部の空気流通空間を隔てて配置される。ブレードは、複数が設けられ、前面シュラウドと後面シュラウドとによって挟持される。空気は、前面シュラウドの中央部からインペラの内部に流入する。インペラの内部に流入した空気は、９０°偏向され、インペラの径方向外側に向かって吐出される。

特開２０１５−２０６２７１公報

特許文献１に記載された従来のインペラは、ブレードの径方向内端の近傍において、乱流が発生することが課題であった。これにより、送風効率が低下する虞があった。

上記の点に鑑み、本発明は、送風効率を向上させることが可能なインペラを提供することを目的とする。

本発明の例示的なインペラは、上下方向に延びる中心軸回りに回転するインペラであって、前記中心軸に対して径方向に拡がる主板と、前記主板の上面において周方向に配列された複数の羽根と、複数の前記羽根の上部に接続され、上側に開口する吸気口を有するシュラウドと、前記主板の上面において径方向の外端よりも内側に配置された台状部と、を有し、前記台状部が、前記台状部の上面から下方に向かって窪み、前記中心軸から離れる方向に延びる凹部を有する。

本発明の例示的なインペラによれば、送風効率を向上させることが可能である。

図１は、本発明の実施形態に係る掃除機の一例の全体斜視図である。 図２は、本発明の実施形態に係る掃除機の送風装置の全体斜視図である。 図３は、本発明の実施形態に係る送風装置の縦断面図である。 図４は、本発明の実施形態に係る送風装置のインペラの縦断面図である。 図５は、本発明の実施形態に係るインペラの上面図である。 図６は、本発明の実施形態に係るインペラの部分拡大上面図である。 図７は、本発明の実施形態に係るインペラの、シュラウドを取り外した状態を示す上面図である。 図８は、本発明の実施形態に係るインペラの縦断面斜視図である。 図９は、本発明の実施形態に係るインペラのワッシャの斜視図である。 図１０は、本発明の実施形態に係るインペラの第１変形例の、シュラウドを取り外した状態を示す上面図である。 図１１は、本発明の実施形態に係るインペラの第２変形例のワッシャの上面図である。 図１２は、本発明の実施形態に係るインペラの第２変形例のワッシャの部分縦端面図である。 図１３は、本発明の実施形態に係るインペラの第３変形例のワッシャの縦断面図である。 図１４は、本発明の実施形態に係るインペラの第４変形例の縦断面図である。

以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本書では、インペラの中心軸が延びる方向を単に「軸方向」と呼び、インペラの中心軸を中心として中心軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、インペラの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を単に「周方向」と呼ぶ。送風装置の中心軸は、インペラの中心軸に一致する。また、本書では、説明の便宜上、軸方向を上下方向とし、図３及び図４における上下方向をインペラ及び送風装置の上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。インペラ及び送風装置の「上側」が「吸気側」であり、「下側」が「排気側」である。なお、この上下方向の定義がインペラ及び送風装置の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。

また、本書では、掃除機に関して、床面に近づく方向を「下」と呼び、床面から離れる方向を「上」と呼び、各部の形状及び位置関係を説明する。なお、これらの方向の定義は、掃除機の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。また、送風装置を駆動させた際に吸気側から排気側へと流れる空気の流通方向に関して、「上流側」、「下流側」として位置関係を説明する場合がある。また、本書で用いる「平行」、「垂直」は、厳密な意味で平行、垂直を表すものではなく、略平行、略垂直を含む。

＜１．掃除機の全体構成＞
図１は、本発明の実施形態に係る掃除機の一例の全体斜視図である。掃除機１００は、所謂スティック型の電気掃除機であり、下面及び上面にそれぞれ吸気部１０３及び排気部１０４を開口する筐体１０２を有する。筐体１０２の一面からは電源コード（不図示）が導出される。電源コードは、居室の壁面に設けられた電源コンセント（不図示）に接続され、掃除機１００に電力を供給する。なお、掃除機１００は所謂ロボット型、キャニスター型またはハンディ型のいずれの電気掃除機でも良い。

筐体１０２の内部には、吸気部１０３と排気部１０４とを連結する空気通路（不図示）が設けられる。空気通路の内部には、空気流通方向の上流側から下流側に向かって、集塵部（不図示）、フィルタ（不図示）及び送風装置１が順に配置される。空気通路の内部を流通する空気に含まれる塵埃等のゴミは、フィルタにより捕集され、容器状の集塵部に貯留される。これにより、掃除機１００は、床面Ｆを清掃することが可能である。なお、集塵部及びフィルタは、筐体１０２に対して着脱可能に構成される。

筐体１０２の上部には、把持部１０５及び操作部１０６が設けられる。使用者は、把持部１０５を把持して掃除機１００を移動させることが可能である。操作部１０６は、複数のボタン１０６ａを有する。使用者は、ボタン１０６ａを操作することで、掃除機１００の動作指示及び動作設定を行うことが可能である。例えば、ボタン１０６ａの操作により、送風装置１の駆動開始、駆動停止、及び回転数の変更等を指示することが可能である。

吸気部１０３には、略直線状に延びる吸引管１０７の下流端（図１における吸引管１０７の上端）が接続される。吸引管１０７の上流端（図１における吸引管１０７の下端）には、吸引ノズル１１０が吸引管１０７に対して着脱可能に取り付けられる。

＜２．送風装置の全体構成＞
図２は、本発明の実施形態に係る掃除機１００の送風装置１の全体斜視図である。図３は、本発明の実施形態に係る送風装置１の縦断面図である。送風装置１は、大きく分けて、ファンケーシング２と、インペラ３と、モータ４と、基板５と、を有する。インペラ３がモータ４によって回転駆動されると、空気は送風装置１の上側（図３の上側）からファンケーシング２の内部に吸い込まれ、ファンケーシング２の下端から下側（図３の下側）に向けて排出される。なお、インペラ３は、軸方向の上側から見て、反時計回りに回転する。

＜２−１．ファンケーシングの構成＞
ファンケーシング２は、径方向に沿った断面が略円形の筒状である。ファンケーシング２の内部には、インペラ３と、モータ４と、が収容される。ファンケーシング２は、上側ケース２１と、下側ケース２２と、を有する。

上側ケース２１は、下面が開口した略円筒形状である。上側ケース２１は、インペラ３を覆う。下側ケース２２は、上面及び下面が開口した略円筒形状である。下側ケース２２は、モータ４を覆う。上側ケース２１の下端と、下側ケース２２の上端と、が接続され、内部空間が繋がる。上側ケース２１及び下側ケース２２は、このように別々の部材として構成されても良いし、同一部材として構成されても良い。

上側ケース２１の上端部には、上下方向に開口する吸気口２１１が設けられる。吸気口２１１は、インペラ３の上端よりも上側に配置される。吸気口２１１の内径は、上側ケース２１の内径よりも小さい。下側ケース２２の下端には、上下方向に開口する排気口２２１が設けられる。排気口２２１は、下側ケース２２の内面と、後述するモータハウジング４１と、の間に設けられる。なお、掃除機１００において、送風装置１は、吸気口２１１が下側を向くように配置される。

＜２−２．インペラの概略構成＞
インペラ３は、ファンケーシング２の上側ケース２１の内側に配置される。インペラ３は、モータ４の後述するシャフト４３１に固定される。インペラ３は、上下方向に延びる中心軸Ｃ回りに回転する。

インペラ３がモータ４によって回転駆動されると、空気は上側ケース２１の吸気口２１１からインペラ３の内部に吸い込まれる。インペラ３の内部に吸い込まれた空気は、インペラ３によって径方向外側へと案内され、さらにインペラ３の径方向外側に向かって吹出される。インペラ３の詳細な構成については、後述する。

＜２−３．モータの構成＞
モータ４は、ファンケーシング２の下側ケース２２の内側に配置される。モータ４は、大きく分けて、モータハウジング４１と、ステータ４２と、ロータ４３と、を有する。

モータハウジング４１は、上側ハウジング４１１と、下側ハウジング４１２を有する。上側ハウジング４１１は、下面が開口した略円筒形状である。下側ハウジング４１２は、上面が開口した略円筒形状である。上側ハウジング４１１の下端と、下側ハウジング４１２の上端と、が接続され、内部空間が繋がる。上側ハウジング４１１及び下側ハウジング４１２は、周方向に所定間隔で配置されたネジ４１Ａによって固定される。モータハウジング４１の内部には、ステータ４２と、ロータ４３と、が収容される。

上側ハウジング４１１の上面の径方向中央部には、軸受保持部４１１１が設けられる。軸受保持部４１１１は、上側ハウジング４１１の上面から下側に向かって窪み、径方向断面が円形の凹状に構成される。軸受保持部４１１１の内底部の中央には、中心軸Ｃに沿って上下方向に貫通する孔部４１１１Ａが設けられる。軸受保持部４１１１の内部には、上側から挿入された上軸受４４が固定される。上軸受４４は、例えばボールベアリングで構成されるが、スリーブ軸受などによって構成されても良い。

上側ハウジング４１１の外周面には、複数の静翼４１１２が設けられる。複数の静翼４１１２は、周方向に所定間隔で配置され、それぞれ上下方向に延びる。静翼４１１２の上部は、静翼４１１２の下部に対して、インペラ３の回転方向後方側に向かって湾曲する。回転するインペラ３から吹き出された気流は、周方向に隣り合う静翼４１１２の間を上側から下側に案内される。これにより、気流の整流が可能である。

下側ハウジング４１２の下面の中央部には、取り付け孔４１２Ａが設けられる。取り付け孔４１２Ａは、下側ハウジング４１２の下面を上下方向に貫通する。取り付け孔４１２Ａには、下側から挿入されたブラケット４５がネジ（不図示）によって固定される。

ブラケット４５の上面の径方向中央部には、軸受保持部４５１が設けられる。軸受保持部４５１は、ブラケット４５の上面から下側に向かって窪み、径方向断面が円形の凹状に構成される。軸受保持部４５１の内底部の中央には、中心軸Ｃに沿って上下方向に貫通する孔部４５１Ａが設けられる。軸受保持部４５１の内部には、上側から挿入された下軸受４６が固定される。下軸受４６は、例えばボールベアリングで構成されるが、スリーブ軸受などによって構成されても良い。

ステータ４２は、モータハウジング４１の内周面の径方向内側に配置される。ステータ４２は、ステータコア４２１と、複数のコイル４２２と、インシュレータ４２３と、を有する。

ステータコア４２１は、電磁鋼板を上下方向に積層して構成される。ステータコア４２１は、環状のコアバック４２１１と、複数のティース４２１２と、を有する。複数のティース４２１２は、コアバック４２１１の内周面から径方向内側へ向かって放射状に延びる。ティース４２１２は、軸方向の上下から見て、略Ｔ字形状である。複数のコイル４２２は、絶縁性を有するインシュレータ４２３を介して、各ティース４２１２の周囲にそれぞれ導線が巻き回されて構成される。コイル４２２から下側に向かって、引出線４２２Ａが引き出される。引出線４２２Ａは、基板５に電気的に接続される。

ティース４２１２の根元近傍において、コアバック４２１１の内周面及び外周面は、平面である。これにより、コイル４２２の巻き崩れを抑制することが可能である。また、ティース４２１２の根元近傍以外において、コアバック４２１１の内周面及び外周面は、曲面である。コアバック４２１１の外周面の曲面部分は、モータハウジング４１の内周面に接触する。

ロータ４３は、ステータ４２の径方向内側に配置される。ロータ４３は、ステータ４２に対して、中心軸Ｃ回りに回転可能である。ロータ４３は、シャフト４３１と、マグネット４３２と、を有する。

シャフト４３１は、中心軸Ｃに沿って配置される。シャフト４３１は、上軸受４４及び下軸受４６によって、モータハウジング４１に対して回転可能に支持される。マグネット４３２は、円筒形状であり、内側に挿入されたシャフト４３１に固定される。なお、マグネット４３２の外周面は、ロータカバー（不図示）によって覆われる。マグネット４３２及びロータカバーは、ティース４２１２の径方向内側に配置され、径方向においてティース４２１２と対向する。

＜２−４．基板の構成＞
基板５は、中心軸Ｃに対して径方向に拡がる円板形状であり、下側ハウジング４１２及びブラケット４５よりも下側に配置される。基板５は、下側ハウジング４１２の下側に周方向に複数配置されたスペーサ５１を介して、ネジ５２によって下側ハウジング４１２に固定される。

基板５は、リジッド基板またはフレキシブル基板により構成される。モータ４のコイル４２２から引き出された引出線４２２Ａが、基板５に実装された駆動回路（不図示）に電気的に接続される。これにより、コイル４２２に電力を供給することが可能である。

＜３．インペラの詳細な構成＞
図４は、本発明の実施形態に係る送風装置１のインペラ３の縦断面図である。図５は、本発明の実施形態に係るインペラ３の上面図である。図６は、本発明の実施形態に係るインペラ３の部分拡大上面図である。図７は、本発明の実施形態に係るインペラ３の、シュラウドを取り外した状態を示す上面図である。図８は、本発明の実施形態に係るインペラ３の縦断面斜視図である。図９は、本発明の実施形態に係るインペラ３のワッシャの斜視図である。なお、図５から図１１には、インペラ３の回転方向Ｒを表す矢線を描画した。

インペラ３は、例えば金属部材で構成され、軸方向から見て、円形である。インペラ３は、主板３１と、複数の羽根３２と、シュラウド３３と、台状部と、を有する。本実施形態においては、台状部は、ワッシャ３４である。

主板３１は、インペラ３の下部に配置される。主板３１は、中心軸Ｃに対して径方向に拡がる。主板３１は、円板状部材である。主板３１の中央には、中心軸Ｃに沿って上下方向に貫通する孔部３１Ａが設けられる。主板３１は、羽根３２の下部を支持する。

羽根３２は、主板３１の上面に配置される。羽根３２は、複数（例えば１４枚）が、主板３１の上面において周方向に配列される。すなわち、複数の羽根３２は、主板３１の上面において周方向に配列される。各羽根３２の下部が、主板３１に接続される。各羽根３２の上部が、シュラウド３３に接続される。

羽根３２は、上下方向に起立し、径方向内側から径方向外側に向かって延びる板状部材である。羽根３２は、軸方向から見て、径方向内端が径方向外端に対して回転方向Ｒ前方側に傾斜し、回転方向Ｒ前方が凸となるよう湾曲する。

複数の羽根３２は、第１羽根３２Ａと、第２羽根３２Ｂと、の２種類で構成される。第１羽根３２Ａ及び第２羽根３２Ｂは、それぞれが同数（例えば７枚ずつ）である。なお、この説明において、特に区別して説明する必要がある場合を除き、第１羽根３２Ａ及び第２羽根３２Ｂを総じて「羽根３２」と呼ぶことがある。

第１羽根３２Ａの径方向における長さは、第２羽根３２Ｂの径方向における長さよりも長い。第１羽根３２Ａの径方向外端及び第２羽根３２Ｂの径方向外端は、主板３１の径方向外端（外周縁）に略一致する。第１羽根３２Ａの径方向内端は、後述するワッシャ３４の径方向外端の近傍に配置される。第２羽根３２Ｂの径方向内端は、中心軸Ｃと主板３１の径方向外端との中間付近に配置される。これにより、周方向に隣り合う第１羽根３２Ａの間の空気流通路が、流通方向（径方向）の中間付近で、第２羽根３２Ｂによって回転方向Ｒ前方側と、回転方向Ｒ後方側とに分岐される。

インペラ３の内部の空気流通方向の上流部において、空気は、周方向に隣り合う第１羽根３２Ａの径方向内端の間を通って、主板３１の径方向外側に向かう。周方向に隣り合う第１羽根３２Ａの径方向内端の間を通過した空気は、主板３１の径方向外端に至る流通過程で、第２羽根３２Ｂによって回転方向Ｒ前方側と、回転方向Ｒ後方側とに分流される。

シュラウド３３は、複数の羽根３２の上部に配置される。シュラウド３３は、軸方向から見て、径方向内端及び径方向外端がそれぞれ円形の、環状の板部材である。シュラウド３３は、径方向内端と径方向外端との略中間部に対して、径方向外端側が主板３１と軸方向に平行であり、径方向内端側が上側に向かって湾曲する。シュラウド３３は、上側（径方向中心部）に開口する吸気口３３１を有する。シュラウド３３は、吸気口３３１付近において円筒状である。シュラウド３３は、羽根３２の上部を支持する。すなわち、シュラウド３３は、複数の羽根３２の上部に接続され、上側に開口する吸気口３３１を有する。

なお、インペラ３の内部において、第１羽根３２Ａの上端は、シュラウド３３の径方向外端から径方向内端まで、シュラウド３３の下面に沿って隣接する。第１羽根３２Ａの上端は、吸気口３３１の径方向外端の直下、すなわち、シュラウド３３の内端の直下において最上部３２Ａａとなる。さらに、第１羽根３２Ａの上端は、当該最上部３２Ａａから径方向内側に向かって滑らかに低くなり、径方向内端において主板３１の上面の位置となる。

ワッシャ３４は、主板３１の上面において径方向外端よりも内側に配置される。ワッシャ３４は、主板３１の上面に対して所定の高さを有し、中心軸Ｃに対して径方向に拡がる円板状部材である。ワッシャ３４の中央には、上側に向かって凸となるボス部３４Ａが設けられる。ボス部３４Ａの中央には、中心軸Ｃに沿って上下方向に貫通する孔部３４Ｂが設けられる。

なお、インペラ３は、主板３１及びワッシャ３４を介して、シャフト４３１に固定される。

図３に示すように、上軸受４４の上側、且つ主板３１の下側には、スペーサ４７１が配置される。スペーサ４７１は、シャフト４３１に固定される。インペラ３は、主板３１の孔部３１Ａにシャフト４３１が通され、スペーサ４７１の上面に配置される。さらに、ワッシャ３４が、孔部３４Ｂにシャフト４３１を通され、主板３１の上面に配置される。そして、スペーサ４７１に対して主板３１及びワッシャ３４を挟み込んだ状態で、固定部材である例えばナット４７２がシャフト４３１の上端にネジ止めされる。このようにして、インペラ３は、シャフト４３１にナット４７２によって固定される。

図９に示すように、ワッシャ３４の、ボス部３４Ａよりも径方向外側部分には、外周部３４Ｃが設けられる。外周部３４Ｃの上面は、主板３１の上面と平行である。外周部３４Ｃには、凹部３４Ｄが設けられる。

凹部３４Ｄは、外周部３４Ｃの上面から下側に向かって窪む。凹部３４Ｄは、中心軸Ｃから離れる方向に延びる。すなわち、凹部３４Ｄは、軸方向断面が矩形の溝状に構成される。凹部３４Ｄは、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａと、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂと、を有する。側面３４Ｄａ、３４Ｄｂは、ともに中心軸Ｃと平行に上下方向に延びる。凹部３４Ｄは、複数（例えば７本）が、外周部３４Ｃの上面において周方向に配列される。すなわち、ワッシャ３４は、ワッシャ３４の上面から下側に向かって窪み、中心軸Ｃから離れる方向に延びる凹部３４Ｄを有する。

この構成のように、ワッシャ３４に凹部３４Ｄを設けることで、羽根３２の径方向内端の近傍における乱流の発生を抑制することが可能である。すなわち、ワッシャ３４に凹部３４Ｄが形成されない場合は、吸気口３３１から吸気された空気が、後述する丘部３４Ｅの径方向外側近傍を流れる際に、空気の一部が径方向内側に向かって流れ、丘部３４Ｅの径方向外側近傍において乱流が発生される場合がある。一方、本実施形態においては、ワッシャ３４に凹部３４Ｄが形成されることにより、インペラ３が回転する際に、凹部３４Ｄによって径方向外側に向かう流れが発生するため、丘部３４Ｅの径方向外側近傍の空気が径方向内側に向かって流れることを抑制できる。したがって、上記構成のインペラ３によれば、送風効率を向上させることが可能である。

また、凹部３４Ｄは、図９に示すように軸方向から見て、径方向内端が径方向外端に対して回転方向Ｒ前方側に傾斜し、回転方向Ｒ前方が凸となるよう湾曲する。すなわち、凹部３４Ｄの径方向内端は、凹部３４Ｄの径方向外端よりもインペラ３の回転方向Ｒ前方側に配置される。これにより、インペラ３が回転する際に、凹部３４Ｄによって径方向外側に向かう流れがより発生し易くなる。したがって、羽根３２の径方向内端の近傍における乱流の発生を効果的に抑制することが可能である。

また、凹部３４Ｄは、外周部３４Ｃの上面から所定の深さで凹状に構成される。すなわち、凹部３４Ｄの径方向外端における凹部３４Ｄの底面は、主板３１の上面よりも上方に配置される。この構成によれば、凹部３４Ｄの内側の高さ、すなわち凹部３４Ｄの深さを調節することで、乱流の発生を抑制する効果を向上させることが可能である。

また、図９に示すように、ワッシャ３４は、周方向に配列された複数の凹部３４Ｄに対して、複数の丘部３４Ｅを有する。複数の丘部３４Ｅは、それぞれ複数の凹部３４Ｄの周方向間に配置される。丘部３４Ｅは、凹部３４Ｄよりも上側に突出する。すなわち、ワッシャ３４は、周方向に配列された複数の凹部３４Ｄと、複数の凹部３４Ｄの周方向間に配置され、凹部３４Ｄよりも上側に突出する丘部３４Ｅと、を有する。そして、凹部３４Ｄの径方向外端における周方向長さＬ１が、丘部３４Ｅの径方向外端における周方向長さＬ２よりも短い。この構成のように、丘部３４Ｅに対して、凹部３４Ｄの径方向外端における周方向長さＬ１、すなわち溝状である凹部３４Ｄの幅を狭くすることで、凹部３４Ｄの幅がより広い場合に比べて、径方向内側への空気の逆流を抑制することが可能である。

また、図６に示すように、ワッシャ３４は、第１羽根３２Ａの径方向内端よりも径方向内側に配置される。ワッシャ３４の径方向外端と、第１羽根３２Ａの径方向内端との間には、所定距離の隙間が設けられる。すなわち、中心軸Ｃからワッシャ３４の径方向外端までの距離Ｄ１は、中心軸Ｃから第１羽根３２Ａの径方向内端までの距離Ｄ２よりも短い。この構成によれば、第１羽根３２Ａの径方向内端が、ワッシャ３４の径方向外端よりも径方向内側に配置されない。したがって、羽根３２の径方向内端の近傍における空気流路が狭くなることを抑制することができ、且つ乱流の発生を抑制することが可能である。

また、図６に示すように、中心軸Ｃに対する、凹部３４Ｄの径方向外端における周方向の開口角度Ｇ１は、中心軸Ｃに対し、周方向に隣り合う２つの第１羽根３２Ａの径方向内端が成す周方向角度Ｇ２よりも小さい。この構成のように、羽根３２の間隔に対して、凹部３４Ｄの径方向外端における周方向の開口角度Ｇ１、すなわち溝状である凹部３４Ｄの幅を狭くすることで、径方向内側への空気の逆流を抑制することが可能である。

また、ワッシャ３４は、図６に示すように軸方向から見て、吸気口３３１の径方向外端よりも径方向内側に配置される。すなわち、中心軸Ｃからワッシャ３４の径方向外端までの距離Ｄ１は、中心軸Ｃから吸気口３３１の径方向外端までの距離Ｄ３よりも短い。この構成によれば、ワッシャ３４の外径を小型化することで、インペラ３自体の軽量化を図ることができ、且つ羽根３２の径方向内端の近傍における乱流の発生を抑制することが可能である。すなわち、ワッシャ３４の径方向外端が、吸気口３３１の径方向外端よりも外側に配置される場合に比べて、吸気口３３１からインペラ３に流入した空気の流路が狭くなることを抑制できるため、乱流の発生を抑制できる。

また、図４に示すように、ワッシャ３４の径方向外端における高さＨ１は、第１羽根３２Ａの径方向内端側部分における高さＨ２よりも低い。なお、本実施形態においては、高さＨ２は、第１羽根３２Ａの径方向内端側部分における最上部３２Ａａにおける高さである。この構成によれば、ワッシャ３４の径方向外端における高さＨ１が、第１羽根３２Ａの径方向内端側部分における高さＨ２よりも高い場合に比べて、羽根３２の径方向内端側部分における空気流路が狭くなることを抑制することができ、且つ乱流の発生を抑制することが可能である。

また、ワッシャ３４は、主板３１と別体部材である。ワッシャ３４の下面は、主板３１の上面に接触する。ワッシャ３４の上面は、固定部材の下面に接触する。固定部材は、例えばナット４７２である。インペラ３は、主板３１が、中心軸Ｃ回りに回転するシャフト４３１に固定部材によって固定される構成である。この構成によれば、凹部３４Ｄを有する部材がワッシャ３４であるので、乱流の発生を抑制することに加えて、インペラ３とシャフト４３１との固定強度を向上させることが可能である。

送風装置１は、インペラ３を有する。上記実施形態の構成によれば、送風装置１のインペラ３において乱流の発生を抑制することができ、送風装置１の送風効率を向上させることが可能である。さらに、掃除機１００は、送風装置１を有する。これにより、掃除機１００の送風装置１において乱流の発生を抑制することができ、掃除機１００の吸引性能を向上させることが可能である。

＜３−１．インペラの第１変形例＞
図１０は、本発明の実施形態に係るインペラ３の第１変形例の、シュラウド３３を取り外した状態を示す上面図である。

図１０に示すように、インペラ３は、複数（例えば７枚）の羽根３２を有する。羽根３２の径方向外端は、主板３１の径方向外端（外周縁）に略一致する。羽根３２の径方向内端は、ワッシャ３４の径方向外端の近傍に配置される。図１０に示した第１変形例のインペラ３は、図４から図９を用いて先に説明したインペラ３で見られた第２羽根３２Ｂを有していない。

ここで、凹部３４Ｄの数をＮ１とし、羽根３２の枚数をＮ２とした場合に、Ｎ１／Ｎ２の値が０．５から１．２であることが好ましい。特に、（Ｎ１／Ｎ２）＝１．０程度であることが、より一層好ましい。

図４から図９を用いて先に説明したインペラ３は、凹部３４Ｄの数Ｎ１＝７であり、羽根３２の枚数Ｎ２＝１４であり、（Ｎ１／Ｎ２）＝０．５である。図１０に示した第１変形例のインペラ３は、凹部３４Ｄの数Ｎ１＝７であり、羽根３２の枚数Ｎ２＝７であり、（Ｎ１／Ｎ２）＝１．０である。

これらの構成のように、凹部３４Ｄの数と、羽根３２の枚数と、に所定の関係を設けることで、羽根３２の径方向内端の近傍における乱流の発生をより抑制することが可能である。さらに、第１変形例のインペラ３は、（Ｎ１／Ｎ２）＝１．０であるので、より一層効果的に、羽根３２の径方向内端の近傍における乱流の発生を抑制することが可能である。

＜３−２．インペラの第２変形例＞
図１１は、本発明の実施形態に係るインペラ３の第２変形例のワッシャ３４の上面図である。図１２は、本発明の実施形態に係るインペラ３の第２変形例のワッシャ３４の部分縦断面図である。なお、図１２は、図１１に示したＸII−ＸII線における部分縦端面図である。

図１１及び図１２に示すように、凹部３４Ｄは、軸方向断面が矩形であり、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａと、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂと、を有する。

凹部３４Ｄの、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａは、凹部拡大部３４Ｄｃを有する。凹部拡大部３４Ｄｃは、側面３４Ｄａの上部に配置される。凹部拡大部３４Ｄｃの下端、つまり、凹部拡大部３４Ｄｃと側面３４Ｄａとの接続箇所は、中心軸Ｃと平行である。凹部拡大部３４Ｄｃは、上側に向かうにつれて回転方向Ｒ前方側に向かって拡がる。本実施形態においては、凹部拡大部３４Ｄｃは、曲面で構成される。この構成によれば、凹部３４Ｄの、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａの上端付近における乱流の発生を抑制することが可能である。より詳細に述べると、例えば、凹部拡大部３４Ｄｃが構成されず、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａが中心軸Ｃと平行に延び、丘部３４Ｅと略直交に接続されている場合は、インペラ３が回転する際に、回転方向Ｒ前方側から回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａに流れる空気が、回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａの上端近傍において回転方向Ｒ前方側の側面３４Ｄａから剥離し、乱流が発生することがある。一方、本実施形態においては、凹部３４Ｄが凹部拡大部３４Ｄｃを有するので、上述の乱流が発生することを抑制できる。

なお、凹部拡大部３４Ｄｃは、曲面に限定されるわけではない。凹部拡大部３４Ｄｃは、中心軸Ｃに対して所定の角度で傾斜した平面であっても良い。

凹部３４Ｄの、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂは、中心軸Ｃと平行である。このようにして、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂが垂直に延びることにより、インペラ３の回転時に、空気を効率良く径方向外側に向かって排出することが可能である。すなわち、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂの上端近傍が中心軸Ｃに対して回転方向Ｒ後方側に湾曲している場合に比べて、回転方向Ｒ後方側の側面３４Ｄｂの上端近傍の空気を効率良く径方向外側に向かって排出できる。

＜３−３．インペラの第３変形例＞
図１３は、本発明の実施形態に係るインペラ３の第３変形例のワッシャ３４の縦断面図である。

図１３に示すように、ワッシャ３４の上面は、径方向外側に向かうにつれて高さが低くなる傾斜部３４Ｃａを有する。より詳細に述べると、ワッシャ３４は、外周部３４Ｃを有する。外周部３４Ｃは、上面に、径方向外側に向かうにつれて高さが低くなる傾斜部３４Ｃａを有する。傾斜部３４Ｃａは、中心軸Ｃ回りにテーパ状に構成される。この構成によれば、中心軸Ｃから径方向外側に向かうにつれて、ワッシャ３４の上面とシュラウド３３の下面との距離が短くなることを抑制できるため、空気流路の間隔が狭くなることを抑制することが可能である。

＜３−４．インペラの第４変形例＞
図１４は、本発明の実施形態に係るインペラ３の第４変形例の縦断面図である。

図１４に示すように、主板３１は、台状部３１Ｂを有する。台状部３１Ｂは、主板３１と同一部材である。主板３１と同一部材であることを除いて、台状部３１Ｂの構成は、先に説明したワッシャ３４の構成と同じである。すなわち、台状部３１Ｂは、ボス部３１Ｂａ、外周部３１Ｂｃ、凹部３１Ｂｄ及び丘部３１Ｂｅを有する。この構成によれば、インペラ３の使用部材の数量を低減させることが可能である。さらに、インペラ３を組み立てる際の作業効率を向上できる。

＜４．その他＞
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上記実施形態やその変形例は適宜任意に組み合わせることができる。

また、送風装置１は、掃除機に限らず、種々のＯＡ機器、医療機器、輸送機器、または掃除機以外の家庭用電気製品などに搭載されても良い。

本発明は、例えば掃除機用の送風装置において利用可能である。

１００・・・掃除機、１・・・送風装置、２・・・ファンケーシング、２１・・・上側ケース、２１１・・・吸気口、２２・・・下側ケース、３・・・インペラ、３１・・・主板、３１Ａ・・・孔部、３１Ｂ・・・台状部、３１Ｂａ・・・ボス部、３１Ｂｃ・・・外周部、３１Ｂｄ・・・凹部、３１Ｂｅ・・・丘部、３２・・・羽根、３２Ａ・・・第１羽根、３２Ａａ・・・最上部、３２Ｂ・・・第２羽根、３３・・・シュラウド、３３１・・・吸気口、３４・・・ワッシャ（台状部）、３４Ａ・・・ボス部、３４Ｂ・・・孔部、３４Ｃ・・・外周部、３４Ｃａ・・・傾斜部、３４Ｄ・・・凹部、３４Ｄａ・・・回転方向前方側の側面、３４Ｄｂ・・・回転方向後方側の側面、３４Ｄｃ・・・凹部拡大部、３４Ｅ・・・丘部、４・・・モータ、４１・・・モータハウジング、４１Ａ・・・ネジ、４１１・・・上側ハウジング、４１１１・・・軸受保持部、４１１１Ａ・・・孔部、４１１２・・・静翼、４１２・・・下側ハウジング、４１２Ａ・・・孔部、４２・・・ステータ、４２１・・・ステータコア、４２１１・・・コアバック、４２１２・・・ティース、４２２・・・コイル、４２２Ａ・・・引出線、４２３・・・インシュレータ、４３・・・ロータ、４３１・・・シャフト、４３２・・・マグネット、４４・・・上軸受、４５・・・ブラケット、４５１・・・軸受保持部、４５１Ａ・・・孔部、４６・・・下軸受、４７１・・・スペーサ、４７２・・・ナット（固定部材）、５・・・基板、５１・・・スペーサ、５２・・・ネジ、Ｃ・・・中心軸、Ｒ・・・回転方向

Claims (16)

1. 上下方向に延びる中心軸回りに回転するインペラであって、
   前記中心軸に対して径方向に拡がる主板と、
   前記主板の上面において周方向に配列された複数の羽根と、
   複数の前記羽根の上部に接続され、上側に開口する吸気口を有するシュラウドと、
   前記主板の上面において径方向外端よりも内側に配置された台状部と、
   を有し、
   前記台状部が、前記台状部の上面から下側に向かって窪み、前記中心軸から離れる方向に延びる凹部を有するインペラ。
2. 前記凹部の径方向内端は、前記凹部の径方向外端よりも当該インペラの回転方向前方側に配置される請求項１に記載のインペラ。
3. 前記凹部の前記回転方向前方側の側面は、上側に向かうにつれて前記回転方向前方側に向かって拡がる凹部拡大部を有する請求項１または請求項２に記載のインペラ。
4. 前記凹部の前記回転方向後方側の側面は、前記中心軸と平行である請求項１から請求項３のいずれかに記載のインペラ。
5. 前記中心軸から前記台状部の径方向外端までの距離は、前記中心軸から前記羽根の径方向内端までの距離よりも短い請求項１から請求項４のいずれかに記載のインペラ。
6. 前記中心軸から前記台状部の径方向外端までの距離は、前記中心軸から前記吸気口の径方向外端までの距離よりも短い請求項１から請求項５のいずれかに記載のインペラ。
7. 前記台状部の径方向外端における高さは、前記羽根の径方向内端側部分における高さよりも低い請求項１から請求項６のいずれかに記載のインペラ。
8. 前記台状部は、
   周方向に配列された複数の前記凹部と、
   複数の前記凹部の周方向間に配置され、前記凹部よりも上側に突出する丘部と、
   を有し、
   前記凹部の径方向外端における周方向長さが、前記丘部の径方向外端における周方向長さよりも短い請求項１から請求項７のいずれかに記載のインペラ。
9. 前記中心軸に対する、前記凹部の径方向外端における周方向の開口角度は、前記中心軸に対し、周方向に隣り合う２つの前記羽根の径方向内端が成す周方向角度よりも小さい請求項１から請求項８のいずれかに記載のインペラ。
10. 前記凹部の径方向外端における前記凹部の底面は、前記主板の上面よりも上方に配置される請求項１から請求項９のいずれかに記載のインペラ。
11. 前記台状部の上面は、径方向外側に向かうにつれて高さが低くなる傾斜部を有する請求項１から請求項１０のいずれかに記載のインペラ。
12. 前記凹部の数をＮ１とし、前記羽根の枚数をＮ２とした場合に、Ｎ１／Ｎ２の値が０．５から１．２である請求項１から請求項１１のいずれかに記載のインペラ。
13. 当該インペラは、前記主板が、前記中心軸回りに回転するシャフトに固定部材によって固定される構成であって、
    前記台状部は、前記主板と別体部材であり、
    前記台状部の下面は、前記主板の上面に接触し、
    前記台状部の上面は、前記固定部材の下面に接触する
    請求項１から請求項１２のいずれかに記載のインペラ。
14. 前記台状部は、前記主板と同一部材である請求項１から請求項１３のいずれかに記載のインペラ。
15. 請求項１から請求項１４のいずれかに記載されたインペラを有する送風装置。
16. 請求項１５に記載された送風装置を有する掃除機。

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