JP2019019250A - 重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れた重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法の提供。【解決手段】ゴム成分と、カーボンブラックと、下記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が75質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部以上、前記硫黄の含有量が0.1〜0.7質量部であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。R1−(S)n−A−(S)m−R2(1)(式中、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1およびR2は、同一もしくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基、nおよびmはそれぞれ独立して2〜4の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法、より詳細には耐摩耗性に優れた重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、輸送業界では、燃料代の高騰に伴う経費増大、環境規制の導入による出費増大の理由から、トラック・バスタイヤなどの重荷重車にも低燃費性に優れたタイヤが望まれている。また、トラック・バスタイヤのトレッドには、耐摩耗性の向上も望まれている。
天然ゴムは機械的強度が強く、耐摩耗性に優れているため、トラック・バスタイヤのトレッドに広く使用されているが、過加硫による加硫戻りが発生しやすく、低燃費性が低下しやすいという問題があった。このような重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、一般に加硫剤として硫黄が使用されているが、天然ゴムを硫黄で加硫したゴム組成物は、熱的疲労により架橋した硫黄鎖が開裂し、再架橋することにより架橋長さが短くなることが知られている。
このため、熱老化により、ゴムの硬度が硬くなったり、破壊強度、耐摩耗性などが低下するという問題があり、タイヤの性能が低下してしまう。また、硫黄加硫では、加硫戻りという現象が起こりやすく、ゴム物性の安全性に劣るという問題もある。従来、タイヤなどのゴム製品に用いられる加硫可能なゴム組成物の加硫戻りを抑制させ、耐熱性を改善させる手法としては、加硫剤である硫黄に対する加硫促進剤の配合量を増量させる手法や、加硫促進剤としてチウラム系の加硫促進剤を配合する手法、加硫剤として硫黄と共に、ランクセス社製のVulcuren(登録商標)KA9188など、−S−S−(CH26−S−S−で表される化合物を用いること(特許文献1)が記載されている。
特開2006−045471号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明では、ある程度加硫戻りを抑制できるものの、特定の配合については、耐摩耗性に改善の余地があり、また、低燃費性が低下する場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、耐摩耗性をさらに向上させた重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定量の天然ゴム、所定量のカーボンブラックおよび所定量の硫黄を含むゴム組成物において、特定の有機架橋剤を用い、ゴム成分とカーボンブラックとの混練工程において、その有機架橋剤を混練りし、その後、硫黄および加硫促進剤を混練りすることで、耐摩耗性の向上された重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を得ることができることを見出し、前記課題を解決した。
すなわち、本発明は、
[1]ゴム成分と、カーボンブラックと、下記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が75質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、
前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部以上、好ましくは50〜90質量部、より好ましくは50〜70質量部、さらに好ましくは51〜60質量部、特に好ましくは52〜55質量部、前記硫黄の含有量が0.1〜0.7質量部、好ましくは0.2〜0.7質量部、より好ましくは0.3〜0.6質量部、さらに好ましくは0.4〜0.6質量部であり、
前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および
前記第1工程で得られる混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程
を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法
1−(S)n−A−(S)m−R2 (1)
(式中、Aは炭素数2〜10、好ましくは4〜8のアルキレン基、R1およびR2は、同一もしくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基、nおよびmはそれぞれ独立して2〜4の整数を表す。)、
[2]前記第1工程において、前記有機架橋剤を、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックとの混練り開始から0.5〜3.0分後、好ましくは1.0〜2.0分後、より好ましくは1.0〜1.5分後に投入する上記[1]記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法、
[3]前記天然ゴムが、リン含有量が500ppm以下、好ましくは200ppm、より好ましくは100ppmであり、高純度化天然ゴムを含む上記[1]または[2]記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法、
[4]前記有機架橋剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.0質量部、好ましくは0.5〜3.0質量部、より好ましくは0.8〜2.0質量部である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法、
[5]前記第1工程の混練温度が、100〜180℃、好ましくは110〜170℃、より好ましくは150〜160℃である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法、ならびに
[6]前記第1工程の総混練時間が、1〜6分、好ましくは2〜5分、より好ましくは3〜4分である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法
に関する。
本発明の、ゴム成分と、カーボンブラックと、上記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が75質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部以上、前記硫黄の含有量が0.1〜0.7質量部であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られる混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法によれば、重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の耐摩耗性をより向上させることができる。
本発明は、ゴム成分と、カーボンブラックと、上記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有し、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が75質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部以上、前記硫黄の含有量が0.1〜0.7質量部である重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法に関する。この製造方法は、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られる混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含むものであり、これにより重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の耐摩耗性を向上させるものである。
このような耐摩耗性の向上効果が得られる理由は明確ではないが、つぎのように考えられる。上記式(1)で表される有機架橋剤は、スルフィド結合間にS−S単結合より結合力が強いC−C長鎖結合を形成するために機械疲労に強くなり、熱疲労に弱いS−S結合の数も少なくなることから、破壊を防ぐことができ、耐摩耗性能を向上させることができるが、他の架橋剤や加硫促進剤とともに投入して混練りした場合は、十分な耐摩耗性能向上効果が得られにくい。本発明では、第1工程にて上記式(1)で表される有機架橋剤をゴム成分に混練りすることで両端に結合している置換基が脱離反応を起こし、後の架橋進行を促進させることができるものと考えられる。このため、硫黄量を制限した所定の配合においても耐摩耗性を向上させることができるものと考えられる。また、ゴム成分とカーボンブラックとを一定時間混練りした後、ベース練りにおいて上記式(1)で表される有機架橋剤を投入することにより、ゴム成分を十分に昇温させた状態で式(1)で表される有機架橋剤と反応させることができ、硫黄量の制限された配合であっても、架橋が均一かつ十分となり、架橋後の劣化を抑制することができると考えられる。さらに、リン脂質を除去した高純度化ゴムを配合する場合、リン脂質を除去したことに伴う耐熱疲労性の向上に加えて、リン脂質が除去されたことで架橋反応が進みやすくなると考えられるため、相乗的に耐摩耗性が向上していると考えられる。
ゴム成分
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に用いるゴム成分は、ゴム成分100質量%中に天然ゴムを75質量%以上含むものである。
天然ゴム
天然ゴムとしては、特に限定されるものではなく、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20、ENRなどタイヤ業界において一般的なものを用いることができる。また、天然ゴムとして、高純度化されリン含有量を低下させた改質天然ゴムが好ましく使用される。これらの天然ゴムは、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
改質天然ゴム
高純度化とは、天然ポリイソプレノイド成分以外のリン脂質、タンパク質等の不純物を取り除くことである。天然ゴムは、イソプレノイド成分が、不純物成分に被覆されているような構造となっているため、この不純物成分を取り除くことにより、イソプレノイド成分の構造が変化する。このようにイソプレノイド成分の構造が変化すると、配合剤との相互作用の状態も変化するため、エネルギーロスの減少や、耐久性の向上が達成される結果となり、より良い改質天然ゴムを得ることができると考えられる。
高純度化の方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には(1)天然ゴムラテックスをケン化処理する方法や、(2)天然ゴムラテックスを凝集させ、その後破砕し洗浄処理する方法や、(3)上記ケン化処理後、洗浄処理をし、酸性化合物で処理する方法などが挙げられる。もちろん、改質天然ゴムの高純度化の方法は特に規定されるものではなく、超音波や遠心分離等の機械的手法、酵素によるタンパク質等の不純物分解法など、公知の方法が限定なく用いられるが、なかでもより不純物を除去し、低燃費性を向上させる観点からケン化処理後、洗浄処理をし、酸性化合物で処理する方法が好ましく、生産効率、コスト、白色充填剤の分散性等の観点から洗浄処理が好ましい。具体的には、国際公開第2014/125700号に記載の方法などにより天然ゴムの高純度化を行うことができる。
天然ゴムラテックスとしては、ヘベア樹をタッピングして採取した生ラテックス(フィールドラテックス)や、生ラテックスを遠心分離法やクリーミング法によって濃縮した濃縮ラテックス(精製ラテックス、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックス、亜鉛華とTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)とアンモニアとによって安定化させたLATZラテックスなど)などが挙げられる。なかでも、pHコントロールによる高純度化が容易であるという理由から、フィールドラテックスを用いることが好ましい。
天然ゴムラテックス中のゴム成分(固形ゴム分)は、攪拌効率等の観点から、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
ケン化処理の方法としては、例えば、特開2010−138359号公報、特開2010−174169号公報に記載の方法などが挙げられる。具体的には、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することにより行うことができる。また、必要に応じて撹拌等を行ってもよい。上述の製造方法によれば、ケン化により分離したリン化合物が除去されるので、天然ゴムのリン含有量を抑えることができる。さらに、ケン化処理により、天然ゴム中のタンパク質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることができる。天然ゴムラテックスを用いることにより、効率的にケン化処理を行うことができる。
ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アミン化合物等が挙げられ、ケン化処理の効果や天然ゴムラテックスの安定性への影響の観点から、特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いることが好ましい。
アルカリの添加量は、特に制限されるものではないが、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、下限は0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。該添加量の上限は、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。アルカリの添加量を0.1質量部以上とすることにより、ケン化処理がスムーズに行える傾向がある。また、逆にアルカリの添加量を10質量部以下とすることにより、天然ゴムラテックスが不安定化するのを防止できる傾向がある。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤のうちの少なくとも1種が使用可能である。このうち陰イオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の陰イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエステル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂質エステル系、アルキルポリグリコシド系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等の両性界面活性剤が挙げられる。なかでも、陰イオン性界面活性剤が好ましく、スルホン酸系の陰イオン界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の添加量は、特に制限されるものではないが、天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、下限は0.01質量部以上が好ましく、0.10質量部以上がより好ましい。該添加量の上限は、5.00質量部以下が好ましく、3.00質量部以下がより好ましい。界面活性剤の添加量を0.01質量部以上とすることにより、ケン化処理時の天然ゴムラテックスの不安定化を防止できる傾向がある。また、逆に界面活性剤の添加量を5.00質量部以下とすることにより、天然ゴムラテックスが安定化しすぎて凝固が困難になることを防止することができる傾向がある。
ケン化処理の温度は、アルカリによるケン化反応が十分な反応速度で進行し得る範囲、および天然ゴムラテックスが凝固等の変質を起こさない範囲で、適宜設定できるが、通常は30〜80℃であるのが好ましい。また、処理の時間は、天然ゴムラテックスを静置して処理を行う場合、処理の温度にもよるが、十分な処理を行うことと、生産性を向上することとを併せて考慮すると、3〜24時間であるのが好ましい。
洗浄処理は、天然ゴムラテックスを凝集させた後、凝集させたゴムを破砕し洗浄することにより行うことができる。凝集方法としては、例えば、ギ酸等の酸を添加し、pHを調製し、必要に応じてさらに高分子凝集剤を添加する方法などが挙げられる。また、高分子凝集剤としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩の重合体などのカチオン性高分子凝集剤(例えばMTアクアポリマー(株)製のポリメタアクリル酸エステル系凝集剤など)、アクリル酸塩の重合体などのアニオン系高分子凝集剤、アクリルアミド重合体などのノニオン性高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩−アクリル酸塩の共重合体等の両性高分子凝集剤などが挙げられる。また高分子凝集剤の添加量は、適宜選択できる。さらに、洗浄処理としては、例えばゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離処理を行い、ゴム分を取り出す方法が挙げられる。遠心分離する際は、まず、天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるように水で希釈する。次いで、5000〜10000rmpで1〜60分間遠心分離すればよく、所望のリン含有量になるまで洗浄を繰り返せばよい。洗浄処理終了後、乾燥することにより、本発明における改質天然ゴムが得られる。
もちろん、上述のケン化処理の後、上述の洗浄処理を行うことにより、よりリン含有量を低減することができる。
改質天然ゴム中のリン含有量は、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。リンは天然ゴムに含まれるリン脂質に由来するものと考えられる。改質天然ゴム中のリン含有量を500ppm以下とすることにより、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化するのを防ぐことができる傾向があり、また、tanδが上昇するのを防ぎ、良好な低燃費性を得ることができる傾向がある。なお、リン含有量は、ICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。
また、改質天然ゴムの窒素含有量は、0.50質量%以下であることが好ましく、0.40質量%以下であることがより好ましい。なお、窒素含有量は、ケルダール法、微量窒素量計等、従来の方法で測定できる。改質天然ゴムは、天然ゴムが元々有しているといわれる天然の老化防止剤成分が除去されているため、長期の保存で劣化する恐れがある。そのため、人工の老化防止剤が添加されることがあり、そのような場合には、改質天然ゴムの窒素含有量は、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬し、アセトン抽出によりゴム中の人工の老化防止剤を除去した後に測定した値とする。
改質天然ゴム中のゲル含有率は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが好ましい。ゲル含有率を30質量%以下とすることで、低燃費性などのゴム物性が向上する傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×105rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量は、75質量%以上であり、80質量%以上が好ましい。天然ゴムの含有量が75質量%未満であると、破壊エネルギーの低下の原因となり、本発明の効果を得ることができない。また、ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量は、100質量%未満が好ましく、95質量%以下がより好ましい。天然ゴムの含有量を100質量%未満とすることにより耐摩耗性が向上する傾向がある。
カーボンブラック
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、耐摩耗性の観点からカーボンブラックが配合されるが、窒素吸着比表面積(N2SA)が120m2/g以上の微粒子カーボンブラックが好ましい。
微粒子カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性の観点から120m2/g以上であり、140m2/g以上が好ましく、160m2/g以上がより好ましい。また、微粒子カーボンブラックのN2SAの上限は特に限定されるものではないが、低燃費性の観点から300m2/g以下が好ましく、200m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217のA法に準じて測定される値である。
微粒子カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、90cm3/100g以上が好ましく、100cm3/100g以上がより好ましく、110cm3/100g以上がさらに好ましい。また、微粒子カーボンブラックのDBP吸油量の上限は特に限定されるものではないが、300cm3/100g以下が好ましく、200cm3/g以下がより好ましい。微粒子カーボンブラックのDBP吸油量が上記範囲内であると、低燃費性および耐摩耗性の性能バランスが顕著に改善される傾向がある。なお、本明細書におけるカーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される値である。
微粒子カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)とヨウ素吸着量(IA)の比率(CTAB/IA)は、0.70以上が好ましく、0.80以上がより好ましく、0.85以上がさらに好ましい。微粒子カーボンブラックCTABの上限は特に限定されるものではないが、1.00以下が好ましく、0.95以下がより好ましい。微粒子カーボンブラックのCTABが上記範囲内であると、低燃費性および耐摩耗性の性能バランスが顕著に改善される傾向がある。なお、カーボンブラックのCTABおよびIAは、それぞれJIS K 6217−3:2001、JIS K 6217−1:2001に準拠して測定できる。
微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径は、30nm以下であり、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。また、微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径は、加工性の観点から1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。微粒子カーボンブラックの粒子径が上記範囲であると、加工性と耐摩耗性の両立が容易となる傾向がある。なお、本明細書において、カーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察された一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
微粒子カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましい。また、微粒子カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。微粒子カーボンブラックの含有量が上記範囲内であると、低燃費性および耐摩耗性の性能バランスが顕著に改善される傾向がある。
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、上記微粒子カーボンブラック以外の他のカーボンブラックを配合することが好ましい。そのような他のカーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、N2SAが50〜120m2/gのものが好ましく、70〜120m2/gのものがより好ましい。上記微粒子カーボンブラックと共に、このようなN2SAを有するカーボンブラックを用いることで、本発明の効果がより十分に発揮される傾向がある。
上記微粒子カーボンブラックおよび他のカーボンブラックのゴム成分100質量部に対する合計含有量(全カーボンブラック量)は、50質量部以上であり、51質量部以上が好ましく、52質量部以上がより好ましい。全カーボンブラック量が50質量部未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、ゴム成分100質量部に対する全カーボンブラック量は、90質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、55質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックの含有量を90質量部以下とすることにより、加工性の悪化を防ぐことができる傾向がある。
有機架橋剤
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、機械疲労や熱疲労に強く、耐摩耗性を向上できるという観点、および老化後の破壊物性保持の観点から式(1)で表される有機架橋剤を配合する。
1−(S)n−A−(S)m−R2 (1)
(式中、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1およびR2は、同一もしくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基、nおよびmはそれぞれ独立して2〜4の整数を表す。)
Aの炭素数2〜10のアルキレン基としては、特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。炭素数は、4〜8が好ましく、6がより好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、炭素数が11以上では、−(S)n−A−(S)m−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などが挙げられる。なかでも、ポリマー間に−(S)n−A−(S)m−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
1およびR2としては、窒素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。R1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から同一であることが好ましい。
1およびR2は、芳香環を少なくとも1つ含み、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。この場合も、R1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から同一であることが好ましい。
nおよびmは、それぞれ独立して2〜4の整数であれば特に限定されるものではないが、熱劣化の抑制などの理由から、いずれも2であることが好ましい。
上記式(1)で表される有機架橋剤の好ましい態様としては、例えば、Aが炭素数4〜8のアルキレン基、R1およびR2がそれぞれ芳香族環を少なくとも1つ含み、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものが挙げられる。
上記式(1)で表される有機架橋剤のまた別の好ましい態様としては、例えば、Aが炭素数4〜8のアルキレン基、R1およびR2がそれぞれ芳香族環を少なくとも1つ含み、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含み、nおよびmが2であるものが挙げられる。
上記式(1)で表される有機架橋剤としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどが挙げられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
上記式(1)で表される有機架橋剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.8質量部以上がさらに好ましい。上記式(1)で表される有機架橋剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより、低燃費性、ゴム強度、耐摩耗性がより向上する傾向がある。上記式(1)で表される有機架橋剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、5.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。式(1)で表される有機架橋剤の含有量を5.0質量部以下とすることにより、低燃費性が維持されやすい傾向がある。
硫黄
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、加硫剤として硫黄をゴム成分100質量部に対して0.1〜0.7質量部配合する。
硫黄は特に限定されるものではなく、ゴム工業において一般的なものを使用することができ、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。
硫黄のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上であり、0.2質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。硫黄の含有量が0.1質量部未満であると、低燃費性能が悪化する傾向がある。硫黄のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.7質量部以下であり、0.6質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましい。硫黄の含有量が0.7質量部を超えると、老化後の破壊エネルギーが低下する傾向がある。
加硫促進剤
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、加硫促進剤を配合する。加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系もしくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤が挙げられ、なかでも、本発明の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが挙げられる。チアゾール系加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられる。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)などが挙げられる。グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られる点からTBBSが好ましい。
加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.9質量部以上がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより、低燃費性能がより向上する傾向がある。加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、4.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を4.0質量部以下とすることにより、耐摩耗性が維持されやすい傾向がある。
その他の配合剤
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、上記成分以外にも、必要に応じて、天然ゴム以外のゴム成分や、従来ゴム工業で一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック以外の補強用充填剤、シランカップリング剤、オイルや粘着樹脂、液状ゴムなどの軟化剤、各種老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸などを適宜含有させることができる。
その他のゴム成分
天然ゴム以外に使用できる他のゴム成分としては、特に限定されるものではなく、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴム成分や、塩素化ブチルゴムなどのブチル系ゴムが挙げられる。これらの水添ゴムや変性ゴムでもよい。なかでも、耐摩耗性の点から他のゴム成分としてBRを使用することが好ましい。
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス1,4結合含有率が50%未満のBR(ローシスBR)、シス1,4結合含有率が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)などタイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、ハイシスBR、ローシスBRおよびローシス変性BRからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、ハイシスBRを用いることがより好ましい。
ハイシスBRとしては、例えば、JSR(株)、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)などによって製造販売されるハイシスBRなどがあげられる。ハイシスBRのなかでも、シス1,4−結合含有率が95%以上のものがさらに好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性を向上させることができる。ローシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)などによって製造販売されているローシスBRを製のBR1250などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。BR中のシス1,4−結合含有率は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
本発明にかかる重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、9質量%以上がさらに好ましい。BRの含有量を5質量%以上とすることにより耐摩耗性の向上となる傾向がある。また、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。BRの含有量を35質量%以下とすることにより、加工性を維持しやすい傾向がある。
ゴム成分100質量%中の天然ゴムおよびBRの合計含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
その他の補強用充填剤
カーボンブラック以外の補強用充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来からタイヤ用ゴム組成物において用いられているものを配合することができる。
シリカ
シリカを含有する場合、シリカとしては、特に限定されるものではなく、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)など、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、加硫後の補強性の観点から40m2/g以上が好ましく、50m2/g以上がより好ましく、80m2/g以上がさらに好ましい。また、シリカのN2SAは、低発熱性、ゴムの加工性の観点から500m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、200m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D 3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上がさらに好ましい。また、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、150質量部以下が好ましく、130質量部以下がより好ましい。シリカの含有量が上記範囲内の場合は、十分な低発熱性、ゴムへの良好な分散、良好な加工性が得られる傾向がある。
シリカを含有させる場合には、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤
シランカップリング剤を含む場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲内の場合は、良好な加工性、ゴム強度および耐摩耗性を確保できる傾向がある。
オイル
オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。オイルの含有量が上記範囲内の場合は、オイルを含有させる効果が充分に得られ、良好な耐摩耗性を得ることができる。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
粘着付与樹脂
粘着付与樹脂としては、芳香族系石油樹脂などの従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂が挙げられる。芳香族石油樹脂としては例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などが挙げられる。フェノール系樹脂としては例えばコレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては例えばクマロン(日塗化学(株)製)、エスクロン(新日鐡化学(株)製)、ネオポリマー(新日本石油化学(株)製)などが挙げられる。スチレン樹脂としては例えばSylvatraxx 4401 (Arizona chemical社製)などが挙げられる。テルペン樹脂としては例えばTR7125(Arizona chemical社製)、TO125(ヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。軟化点を40℃以上とすることにより、十分なグリップ性能が得られる傾向がある。また、該軟化点は120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。軟化点を120℃以下とすることにより、十分なグリップ性能が得られる傾向がある。なお、本発明における樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
粘着付与樹脂のゴム成分100質量部に対する含有量は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、粘着付与樹脂の含有量は、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。粘着付与樹脂の含有量が上記範囲内の場合は、十分なグリップ性能および耐摩耗性が得られ、良好な低燃費性能が得られる傾向がある。
液状ジエン系重合体
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性と走行中の安定した操縦安定性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。なお、本明細書における液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性、破壊特性、耐久性の観点から、1.0×103以上が好ましく、3.0×103以上がより好ましい。また、生産性の観点から2.0×105以下が好ましく、1.5×104以下がより好ましい。なお、本明細書における液状ジエン系重合体のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体を含有する場合のゴム成分100質量部に対する液状ジエン系重合体の含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。また、液状ジエン系重合体の含有量は、120質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。液状ジエン系重合体の含有量が上記範囲内である場合は、本発明の効果が得られやすい傾向がある。
軟化剤
軟化剤の含有量(粘着樹脂、オイル、および液状ジエン系重合体の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。また、軟化剤の含有量は、190質量部以下が好ましく、105質量部以下がより好ましい。軟化剤の含有量が上記範囲内である場合は、本発明の効果がより好適に得られる。
老化防止剤
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルドール−α−トリメチル1,2−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系;p−イソプロポキシジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、N,N−ジフェニルエチレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系;2,5−ジ−(tert−アミル)ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンなどのヒドロキノン誘導体;フェノール系(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、ブチルヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノールなどのモノフェノール系;2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサンなどのビスフェノール系;トリスフェノール系;テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのポリフェノール系);4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)などのチオビスフェノール系;2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系;トリブチルチオウレアなどのチオウレア系;トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどの亜リン酸系;チオジプロピオン酸ジラウリルなどの有機チオ酸系老化防止剤などが挙げられる。これら老化防止剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐熱性と耐疲労性の両立の点からN−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンおよび2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体を組み合わせて用いることが好ましい。
老化防止剤を配合する場合の、老化防止剤の含有量(2種以上の老化防止剤を配合する場合にはそれらの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましい。老化防止剤の含有量を1質量部以上とすることにより、耐久性が向上する傾向がある。また、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。老化防止剤の含有量を10質量部以下とすることにより、茶変等を防ぐ傾向がある。
その他、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックスなどは、従来ゴム工業で使用されるものを用いることができる。
重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法
本発明の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法においては、上述したように、上記式(1)の有機架橋剤をベース練り工程において混練することを特徴とする。つまり、硫黄や加硫促進剤をゴム組成物に混練する前に上記式(1)の有機架橋剤をゴム成分に混練りするものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、本発明の製造方法では、上記式(1)の有機架橋剤を、ゴム成分とカーボンブラックとを混練りする第1工程において、一緒に混練りし、その後得られる混練物に硫黄および加硫促進剤を混練りする第2工程が行われる。各混練工程は、公知の混練機を用いることができ、例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの機械的なせん断力を材料に加え、混練・混合を行う装置が挙げられる。
第1工程
第1工程における上記式(1)の有機架橋剤の投入のタイミングは、ゴム成分とカーボンブラックと同時であってもよく、ゴム成分およびカーボンブラックよりも遅れて投入してもよい。有機架橋剤をゴム成分およびカーボンブラックよりも遅れて投入すると、ゴム成分とカーボンブラックとを混練りし、ゴム成分の温度を上昇させたのち、十分に昇温されたゴム成分に有機架橋剤を効率的に反応させることができ、硫黄量の制限された配合であっても、架橋を均一かつ十分に行うことができる。このため、硫黄の含有量の減量が可能となり、ゴム成分100質量%中に天然ゴムを75質量%以上使用する配合において架橋後の劣化を抑制することができると考えられ、より好ましい。後から投入する有機架橋剤の投入タイミングは、ゴム成分とカーボンブラックとの混練り開始時から0.5分以後が好ましく、1.0分以後がより好ましい。有機架橋剤の投入のタイミングを、ゴム成分とカーボンブラックとの混練り開始時から0.5分以後とすることにより、架橋反応が十分となる傾向がある。また、後から投入する有機架橋剤の投入タイミングは、ゴム成分とカーボンブラックとの混練り開始時から3.0分以内が好ましく、2.0分以内がより好ましく、1.5分以内がさらに好ましい。有機架橋剤の投入のタイミングを、ゴム成分とカーボンブラックとの混練り開始時から3.0分以内とすることにより、反応時間を確保できる傾向がある。
第1工程における混練りの排出温度は、特に限定されないが、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。混練りの排出温度を130℃以上とすることにより、反応時間が確保できる傾向がある。また、第1工程における混練りの排出温度は、特に限定されないが、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましく、160℃以下がさらに好ましい。混練りの排出温度を180℃以下とすることにより、ゲル化が防止できる傾向がある。
第1工程における総混練り時間は、特に限定されないが、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3分以上がさらに好ましい。総混練り時間を1分以上とすることにより、反応時間を確保できる傾向がある。また、第1工程における総混練り時間は、特に限定されないが、6分以下が好ましく、5分以下がより好ましく、4分以下がさらに好ましい。総混練り時間を6分以下とすることにより、ゲル化を防止できる傾向がある。
第1工程において式(1)の有機架橋剤を後から投入する場合、有機架橋剤投入時の混練物の温度は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。有機架橋剤投入時の混練物の温度を、50℃以上とすることにより、ゴムが柔らかく、カーボンブラックが取り込まれやすい傾向がある。また、有機架橋剤投入時の混練物の温度は、特に限定されないが、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。有機架橋剤投入時の混練物の温度を110℃以下とすることにより、反応時間が確保できる傾向がある。なお、ここで混練物の温度とは、混練機内の温度を意味する。
本発明の一実施態様では、工程1は、ゴム成分およびカーボンブラックを0.5〜3分混練りし、その後式(1)の有機架橋剤を投入し、さらに2〜3分混練りし、排出温度が150〜160℃となるように行うことが好ましい。この際、有機架橋剤投入時の混練物の温度は、50〜120℃であることが好ましい。
第2工程
第2工程では、第1工程で得られる混練物を冷却し、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールなどで混練りし、未加硫ゴム組成物を得る工程である。硫黄および加硫促進剤はそれぞれ全量を第2工程で混練りすることが好ましい。
第1工程で得られる混練物は、通常、50℃以下、好ましくは20〜30℃となるまで冷却することが好ましい。
第2工程における混練りの排出温度は、特に限定されないが、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。混練りの排出温度を70℃以上とすることにより、反応時間をさらに確保できる傾向がある。また、第2工程における混練りの排出温度は、特に限定されないが、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。混練りの排出温度を120℃以下とすることにより、ヤケを防止できる傾向がある。
第2工程における混練り時間は、特に限定されないが、0.3分以上が好ましく、0.5分以上がより好ましく、1.0分以上がさらに好ましい。混練り時間を0.3分以上とすることにより、投入薬品の分散が良好となる傾向がある。また、第2工程における混練り時間は、特に限定されないが、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましく、3分以下がさらに好ましい。混練り時間を10分以下とすることにより、ヤケを防止できる傾向がある。
加硫工程
第2工程で得られる未加硫ゴム組成物を、公知の方法で加硫することで加硫ゴム組成物を得ることができる。未加硫ゴム組成物の加硫温度は、特に限定されないが、130℃以上が好ましく、135℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましい。加硫温度を130℃以上とすることにより、時間の短縮となる傾向がある。また、加硫温度は、特に限定されないが、190℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、170℃以下がさらに好ましい。加硫温度を190℃以下とすることにより、低燃費性が向上する傾向がある。
本発明の一実施態様は、ゴム成分と、カーボンブラックと、下記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50〜90質量部、前記硫黄の含有量が0.2〜0.6質量部以下であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法である。
1−(S)n−A−(S)m−R2 (1)
(式中、Aが炭素数4〜8のアルキレン基、R1およびR2がそれぞれ芳香族環を少なくとも1つ含み、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むもの、nおよびmはそれぞれ独立して2〜4の整数を表す。)
本発明の一実施態様は、ゴム成分と、カーボンブラックと、下記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50〜70質量部、前記硫黄の含有量が0.3〜0.5質量部以下であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法である。
1−(S)n−A−(S)m−R2 (1)
(式中、Aが炭素数4〜8のアルキレン基、R1およびR2がそれぞれ芳香族環を少なくとも1つ含み、炭素原子が−(S)n−または−(S)m−基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものnおよびmが2を表す。)
本発明の一実施態様は、ゴム成分と、カーボンブラックと、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンである有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部、前記硫黄の含有量が0.5質量部以下であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法である。
本発明の一実施態様は、ゴム成分と、カーボンブラックと、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンである有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が80質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部、前記硫黄の含有量が0.3質量部以下であり、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程を含み、前記第1工程において、前記有機架橋剤を、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックとの混練り開始から0.5〜3分後に投入する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法である。
重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物
本発明に係る重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性に優れることから、トラック・バスタイヤなどの重荷重タイヤのトレッドに使用され、トレッドがベーストレッドとキャップトレッドとの2層から構成される場合には、特にキャップトレッドに使用されることが好ましい。
重荷重タイヤ
本発明の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を用いて通常の方法により重荷重タイヤを製造することができる。具体的には、本発明の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材と共に貼り合わせ、通常の方法にて成形することにより、未加硫タイヤ(生タイヤ)を形成する形成工程、この未加硫タイヤ(生タイヤ)を加硫機中で加熱加圧することにより製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下、製造例1(改質天然ゴムの製造)において用いた各種薬品をまとめて示す。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックス
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:和光純薬工業(株)製の水酸化ナトリウム
ギ酸:関東化学(株)のギ酸
老化防止剤1:ELIOKEM社製のWingstay L(p−クレゾールとジクロロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
老化防止剤2:LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
老化防止剤3:BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
老化防止剤4:Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
カチオン系高分子凝集剤:ポリメタアクリル酸エステル系凝集剤
(老化防止剤分散体の調製)
水462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
製造例1:改質天然ゴムの製造
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、さらに水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いでゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取り出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH3になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。さらに、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰り返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴム1)を得た。
製造例2:改質天然ゴムの製造
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を15%(w/v)に調整した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加し、pHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を6回繰り返し、その後110℃で120分間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴム2)を得た。
製造例1および2により得られた改質天然ゴム1および2について、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量を測定した。結果を表1に示す。表1では、比較対象としてTSRの分析結果を併記した。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用して、リン含有量を求めた。また、リンの31P−NMR測定は、NMR分析装置(400MHz、AV400M、日本ブルカー社製)を使用し、80%リン酸水溶液のP原子の測定ピークを基準点(0ppm)として、クロロホルムにより生ゴムより抽出した成分を精製し、CDCl3に溶解して測定した。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、製造例1で得られた改質天然ゴムまたはTSRのサンプル約10mg秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 2019019250
表1に示すように、改質天然ゴムは、TS1に比べて、リン含有量、窒素含有量が低減していた。また、31P−NMR測定において、改質天然ゴムは、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在しなかった。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
改質NR1:製造例1の改質天然ゴム
改質NR2:製造例2の改質天然ゴム
BR:宇部興産製のBR360B(シス1,4−含有率97%)
カーボンブラック1:三菱化学(株)製のダイアブラックI N220(N2SA:114m2/g、平均一次粒子径:22nm)
カーボンブラック2:N2SA:168m2/g、DBP吸油量:133cm3/100g、CTAB/IA:0.89、平均一次粒子径:18nmのカーボンブラック
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース355
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
有機架橋剤:ランクセス社製のVulcuren VP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
硫黄:細井化学工業(株)製のオイル硫黄HK200−5(5%オイル含有)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜7および12ならびに比較例1〜5
表2の工程1の各種薬品を、表2の配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、150℃排出の条件下で4分間混練りし、混練物を得た。得られた混練物を40℃以下に冷却した後、表2の工程2の各種薬品を、表2の配合内容に従い添加し、バンバリーミキサーを用いて、95℃の排出条件下で2分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で35分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を使用して、トレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材と共に貼り合せて未加硫タイヤを形成し、150℃で35分間加硫することにより、試験用タイヤ(サイズ:275/80R 22.5)を製造した。
実施例8〜11
工程1において、有機架橋剤の投入のタイミングを混練開始後表2に示す時間(分)とし、有機架橋剤投入時の混練物の温度が表2の温度であった以外は、表2の配合内容に従い、実施例1と同様にして、未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物および試験用タイヤを製造した。
各実施例および比較例により得られた加硫ゴム組成物および試験用タイヤについて、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
<低発熱性指数>
シート状の加硫ゴム組成物から短冊状試験片を打ち抜き、試験に供した。(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅2.5%、周波数10Hz、温度70℃で加硫ゴムシートの損失正接(tanδ)を測定し、tanδの逆数の値について比較例1を100として指数表示した(低発熱性指数)。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく(発熱しにくく、エネルギーロスが低く)、タイヤの転がり抵抗性(低燃費性)に優れることを示している。
(低発熱性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
<耐摩耗性>
試験用タイヤを国産2−D車に装着し、走行距離5〜10万km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記の式により指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(耐摩耗性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
Figure 2019019250
表2の結果より、天然ゴムの含有量、カーボンブラックの含有量、硫黄の含有量が所定範囲内であり、有機架橋剤を工程1において混練りしている実施例1〜12では、比較例1〜5に比べて、耐摩耗性に優れていることが分かる。また、低発熱性、耐摩耗性の平均性能も向上していることが分かる。さらに、工程1において、有機架橋剤の投入のタイミングを、他の配合剤の投入後、一定時間空けたものとしている実施例8〜11では、NRおよびカーボンを混練りし、昇温させてから有機架橋剤が投入されることにより、架橋が均一かつ十分になり、硫黄量を抑えることができ、加硫ゴム組成物の架橋後の劣化が抑制され、耐摩耗性に優れることが分かる。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、カーボンブラックと、下記式(1)で表される有機架橋剤と、硫黄と、加硫促進剤とを含有する重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が75質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記カーボンブラックの含有量が50質量部以上、前記硫黄の含有量が0.1〜0.7質量部以下であり、
    前記ゴム成分と、前記カーボンブラックと、前記有機架橋剤とを混練する第1工程、および
    前記第1工程で得られた混練物と、前記硫黄と、前記加硫促進剤とを混練する第2工程
    を含む重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
    1−(S)n−A−(S)m−R2 (1)
    (式中、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R1およびR2は、同一もしくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基、nおよびmはそれぞれ独立して2〜4の整数を表す。)
  2. 前記第1工程において、前記有機架橋剤を、前記ゴム成分と、前記カーボンブラックとの混練り開始から0.5〜3分後に投入する請求項1記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記天然ゴムが、リン含有量が500ppm以下の改質天然ゴムを含む請求項1または2記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記有機架橋剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記第1工程の排出温度が、130〜180℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  6. 前記第1工程の総混練時間が、1〜6分である請求項1〜5のいずれか1項に記載の重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法。
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