JP2019018412A - 平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、ポリマー粒子、感光性樹脂組成物、及び、樹脂組成物。 - Google Patents

平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、ポリマー粒子、感光性樹脂組成物、及び、樹脂組成物。 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版が得られる平版印刷版原版を提供すること【解決手段】親水性支持体上に、画像記録層を有し、上記画像記録層が、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子の少なくとも一方と、赤外線吸収剤とを含む平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、ポリマー粒子、感光性樹脂組成物、及び、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、ポリマー粒子、感光性樹脂組成物、及び、樹脂組成物に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
また、地球環境への関心の高まりから、現像処理などの湿式処理に伴う廃液に関する環境課題がクローズアップされている。
上記の環境課題に対して、現像あるいは製版の簡易化や無処理化が指向されている。簡易な製版方法の一つとしては、「機上現像」と呼ばれる方法が行われている。すなわち、平版印刷版原版を露光後、従来の現像は行わず、そのまま印刷機に装着して、画像記録層の不要部分の除去を通常の印刷工程の初期段階で行う方法である。
従来の平版印刷版原版に用いられる組成物としては、例えば、特許文献1又は2に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、少なくとも、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物、イオン解離型フォトクロミック性を有する化合物、及び、特定の有機ホウ素化合物アニオンを含有することを特徴とする光重合性組成物が記載されている。
特許文献2には、少なくとも、エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物と、特定のラジカル発生剤と、を含む光重合性組成物が記載されている。
特開平2−205851号公報 特開2002−322207号公報
平版印刷版においては、版の印刷可能な枚数(以下、「耐刷性」ともいう。)に優れた平版印刷版が求められている。
特に、近年においては、印刷におけるインキとして、紫外線(UV)の照射により硬化するインキ(「紫外線硬化型インキ」ともいう。)が用いられる場合がある。
紫外線硬化型インキは、瞬間乾燥可能なため生産性が高い、一般に溶剤の含有量が少ない、又は、無溶剤であるため環境汚染が低減されやすい、熱による乾燥を行わないか、又は、熱による乾燥を短時間として画像を形成できるため、印刷対象などの応用範囲が広がる等の利点を有している。
そのため、紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版を提供することができる平版印刷版原版は、産業上非常に有用であると考えられる。
紫外線硬化型インキを用いた場合の耐刷性を、以下、「UV耐刷性」ともいう。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特許文献1又は2に記載の組成物を用いて形成された平版印刷版原版では、特にインキとして紫外線硬化型インキを用いた場合に、得られる平版印刷版の耐刷性が不十分であるという問題点が存在することを見出した。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版が得られる平版印刷版原版を提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版の製版方法を提供することである。
また、本発明の更に別の実施形態が解決しようとする課題は、新規なポリマー粒子、硬化後の耐薬品性に優れた感光性樹脂組成物、又は、耐薬品性に優れた樹脂組成物を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 親水性支持体上に、画像記録層を有し、
上記画像記録層が、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子の少なくとも一方と、赤外線吸収剤とを含む
平版印刷版原版。
<2> 上記有機ホウ素化合物が、下記式Aにより表される化合物であるか、又は、上記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、上記<1>に記載の平版印刷版原版。

式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
<3> 上記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、上記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ポリオキシアルキレン基を含む、上記<1>又は<2>に記載の平版印刷版原版。
<4> 上記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、上記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ラジカル重合性基を含む、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
<5> 上記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、上記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ウレア結合を含む、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
<6> 上記画像記録層の未露光部が、湿し水及び印刷インキの少なくとも一方により除去可能である、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
<7> 上記画像記録層が、重合開始剤、及び、重合性化合物を更に含む、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
<8> 上記画像記録層が、バインダーポリマーを更に含む、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
<9> 上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版を、画像様に露光し、露光部と未露光部とを形成する露光工程、及び、
印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方を供給して上記未露光部を除去する機上現像工程を含む
平版印刷版の製版方法。
<10> 有機ホウ素化合物を内包するか、又は、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子。
<11> 上記有機ホウ素化合物が下記式Aにより表される化合物であるか、又は、上記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、上記<10>に記載のポリマー粒子。

式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
<12> 上記ポリマー粒子におけるポリマーが、ポリオキシアルキレン基を含む、上記<10>又は<11>に記載のポリマー粒子。
<13> 上記<10>〜<12>のいずれか1つに記載のポリマー粒子と、
赤外線吸収剤と、
重合性化合物と、
重合開始剤と、を含む
感光性樹脂組成物。
<14> 有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基と、を有するポリマーを含む
樹脂組成物。
<15> 上記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、上記<14>に記載の樹脂組成物。

式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基と、を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
<16> 上記ポリマーが、ポリオキシアルキレン基を更に有する、上記<14>又は<15>に記載の樹脂組成物。
<17> 赤外線吸収剤と、重合性化合物と、重合開始剤と、を更に含む、上記<14>〜<16>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
本発明の実施形態によれば、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版が得られる平版印刷版原版を提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版の製版方法を提供することができる。
また、本発明の更に別の実施形態によれば、新規なポリマー粒子、硬化後の耐薬品性に優れた感光性樹脂組成物、又は、耐薬品性に優れた樹脂組成物を提供することができる。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念で用いられる語であり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの両方を包含する概念として用いられる語である。
また、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。 また、本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本明細書において、「平版印刷版原版」の用語は、平版印刷版原版だけでなく、捨て版原版を包含する。また、「平版印刷版」の用語は、平版印刷版原版を、必要により、露光、現像などの操作を経て作製された平版印刷版だけでなく、捨て版を包含する。捨て版原版の場合には、必ずしも、露光、現像の操作は必要ない。なお、捨て版とは、例えばカラーの新聞印刷において一部の紙面を単色又は2色で印刷を行う場合に、使用しない版胴に取り付けるための平版印刷版原版である。
以下、本開示を詳細に説明する。
(平版印刷版原版)
本開示に係る平版印刷版原版は、親水性支持体上に、画像記録層を有し、上記画像記録層が、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子の少なくとも一方と、赤外線吸収剤とを含む。
本発明者が鋭意検討した結果、本開示に係る平版印刷版原版によれば、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合であっても耐刷性に優れる平版印刷版が得られることを見出した。
上記効果が得られる詳細なメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。
本開示に係る平版印刷版原版の画像記録層を露光した場合、ポリマー粒子に内包された有機ホウ素化合物、又は、ポリマー粒子に含まれるポリマーにおける有機ホウ素構造からラジカル化合物が発生すると考えられる。
ここで、上記有機ホウ素化合物、又は、上記有機ホウ素構造は、粒子内部又は粒子表面等に集合して存在するため、例えば、画像記録層全体に有機ホウ素化合物が分散している場合と比較して、露光時に発生するラジカル化合物の濃度が局所的に高濃度となると推測される。
この局所的な高濃度のラジカル化合物により、例えばラジカル重合性化合物の重合反応が効率よく進行することにより、硬化物が効率よく生成され、UV耐刷性が向上すると推測される。
また、本発明者らは、画像記録層の全体に高濃度の有機ホウ素化合物を分散して含有させることにより、平版印刷版のUV耐刷性は向上するが、平版印刷版原版の機上現像性が低下することを見出した。
これは、画像記録層全体が高濃度の有機ホウ素化合物を含有することにより、露光時のラジカル化合物の産生量が増加するため上述の重合反応は効率よく進行するが、機上現像時においては、画像記録層に含まれる有機ホウ素化合物の濃度が高く、未露光部の除去が行われにくくなるためであると考えられる。
しかし、本開示に係る平版印刷版原版によれば、上述の通り、画像記録層において、粒子内部又は表面等の、局所的な有機ホウ素化合物又は有機ホウ素構造の高濃度化が実現されると考えられる。
そのため、上述の重合反応が効率よく進行し、かつ、未露光部の除去も行われやすい、すなわち、得られる平版印刷版のUV耐刷性に優れ、かつ、機上現像性の低下が抑制された平版印刷版原版が得られやすいと考えられる。
<画像記録層>
本開示における画像記録層は、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子(以下、「内包型ポリマー粒子」ともいう。)、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子(以下、「有機ホウ素構造型ポリマー粒子」ともいう。)の少なくとも一方と、赤外線吸収剤とを含む。
本開示に係る画像記録層は、重合開始剤、及び、重合性化合物を更に含むことが好ましい。
本開示に用いられる画像記録層は、ネガ型画像記録層であることが好ましく、水溶性又は水分散性のネガ型画像記録層であることがより好ましい。
また、本開示に用いられる画像記録層は、耐刷性、及び、感光性の観点から、重合開始剤、及び、重合性化合物を更に含むことが好ましい。
本開示に係る平版印刷版原版は、機上現像性の観点から、画像記録層の未露光部が湿し水及び印刷インキの少なくともいずれかにより除去可能であることが好ましい。
以下、画像記録層に含まれる各成分の詳細について説明する。
<内包型ポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造型ポリマー粒子>
本開示に係る画像記録層は、UV耐刷性の観点から、内包型ポリマー粒子を含むことが好ましい。
また、本開示に係る画像記録層は、現像性、及び、着肉性の観点から、有機ホウ素構造型ポリマー粒子を含むことが好ましい。
〔有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子〕
有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子は、内包される有機ホウ素化合物と、ポリマー粒子に含まれるポリマーと、を少なくとも含む粒子である。
本開示において、ある化合物がポリマー粒子に内包されるとは、カプセル状のポリマーの内部に化合物が含有された状態であってもよいが、例えばゲル状等のポリマーにおいて、ポリマーの内部に化合物が取り込まれた状態であることが好ましい。
−有機ホウ素化合物−
有機ホウ素化合物としては、テトラアリールボレート化合物又はモノアルキルトリアリールボレート化合物が好ましい。
また、有機ホウ素化合物は、下記式Aにより表される構造であることが好ましい。
式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基がより好ましく、メチル基又はフェニル基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記アルキル基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
上記アリール基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。
式A中、RB11〜RB14のうち、少なくとも2つがフェニル基であることが好ましく、少なくとも3つがフェニル基であることがより好ましく、4つともがフェニル基であることが更に好ましい。本開示において、ハロアルキル基とは、アルキル基の全ての水素原子がハロゲン原子により置換された基をいう。
式A中、ZB11は一価のカチオンを表すことが好ましく、アルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオンがより好ましく、アルカリ金属イオン、テトラブチルアンモニウムイオン、又は、トリブチルモノベンジルアンモニウムイオンが更に好ましい。
また、ZB11はUV耐刷性の観点から、ラジカル重合性基を有していてもよい。
ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルフェニル基等が挙げられる。
B11がラジカル重合性基を有する場合、ZB11としては、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
ラジカル重合性基は(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、又は、ビニルフェニル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基、又は、(メタ)アクリルアミド基がより好ましい。
有機ホウ素化合物として具体的には、以下に示す化合物が挙げられる。Buはn−ブチル基を表す。
は、上述の式AにおけるZB11と同義であり、好ましい態様も同様である。
内包型ポリマー粒子における、有機ホウ素化合物の含有量は、内包型ポリマー粒子の全質量に対し、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、1質量%〜25質量%であることがより好ましく、5質量%〜15質量%であることが更に好ましい。
―内包型ポリマー粒子に含まれるポリマー―
内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーとしては、特に限定されないが、有機ホウ素化合物の漏れ出しを防ぐ観点からは、網目ポリマー(network polymer)であることが好ましい。
また、内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーは、炭素原子を含む有機ポリマーであることが好ましい。すなわち、内包型ポリマー粒子は、有機ポリマー粒子であることが好ましい。
内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーとしては、ウレア結合を含むポリマーであることが好ましく、ポリウレアであることがより好ましい。
ウレア結合を含むポリマーは、例えば、多官能イソシアネート化合物と、水とを反応させることにより得られる。
具体的には、多官能イソシアネート化合物と、水とが反応することにより、多官能イソシアネート化合物におけるイソシアネート基の一部が加水分解によりアミノ基となり、上記アミノ基と、多官能イソシアネート化合物におけるイソシアネート基とが反応することにより、ポリウレアを形成すると考えられる。
また、上記反応における溶媒中に上述の有機ホウ素化合物を溶解することにより、ポリマー粒子中に有機ホウ素化合物を内包させることができる。
上記多官能イソシアネート化合物としては、芳香環構造を有するイソシアネート化合物が好ましい。
上記芳香環構造としては、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造、フェナントレン環構造等が好ましく、ベンゼン環構造がより好ましい。
<<式A−1により表される構造>>
また、上記多官能イソシアネート化合物としては、下記式A−1により表される構造を含む化合物が好ましい。
式A−1中、Arは芳香環構造を表し、Lはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、nA1は1〜4の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、一価の基を表し、nA2は0〜3の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mAは0又は1を表す。
式A−1中、Arは、UV耐刷性の観点から、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造又はビフェニル構造であることが好ましく、ベンゼン環構造であることがより好ましい。
式A−1中、水との反応時の反応性及び、UV耐刷性の観点から、Lはそれぞれ独立に、単結合、又はアルキレン構造であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式A−1中、nA1は1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式A−1中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であることが好ましい。
式A−1中、nA2は0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本開示において用いられる多官能イソシアネート化合物は、式A−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
<<式A−2により表される構造>>
また、上記式A−1により表される構造は、下記式A−2により表される構造であることが好ましい。
式A−2中、nA1は1〜4の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mAは0又は1を表し、多官能イソシアネート化合物が式A−2により表される構造を複数有する場合、式A−2により表される構造はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式A−2中、nA1は上述の式A−1におけるnA1と同義であり、好ましい態様も同様である。
<<内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーの好ましい態様>>
内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーは、UV耐刷性及び機上現像性の観点から、ポリオキシアルキレン基又はポリラクトン構造を含むことが好ましく、ポリオキシアルキレン基を含むことがより好ましい。
上記ポリマーがポリオキシアルキレン基(又は、ポリラクトン構造)を含むことにより、剛性の高い有機ポリマー粒子が、平版印刷版原版内で均一に近い状態で分散されやすいという観点から、UV耐刷性が向上すると考えられる。
更に、上記ポリマーがポリオキシアルキレン基(又は、ポリラクトン構造)を含むことにより、インキ又は湿し水との親和性が向上し、画像記録層の溶解性が向上し、機上現像性に優れた平版印刷版原版が得られやすいと考えられる。
上記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、又は、これらがランダムに結合した基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基の鎖長(数平均分子量、Mn)は、好ましくは400〜20000、より好ましくは1000〜10000、更に好ましくは2000〜4000である。
また、ポリマーの全質量に対するポリオキシアルキレン基の含有量は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%、更に好ましくは5質量%〜15質量%である。
上記ポリラクトン構造としては、炭素数4〜8のラクトンにより形成されるポリラクトン構造が好ましく、ポリε−カプロラクトンがより好ましい。
なお、ポリラクトン構造は、構造が同一であれば、ラクトンにより形成されたものに限定されず、ヒドロキシカルボン酸により形成された構造であってもよい。
また、内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーは、UV耐刷性の向上の観点から、ラジカル重合性基を含むことが好ましい。
ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルフェニル基等が好ましく挙げられる。
<<式B−1により表される構造>>
上記ポリマーにポリオキシアルキレン基を導入するため、例えば、下記式B−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物を用いることが好ましい。
式B−1中、Arは芳香環構造を表し、Lはそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、RPOはそれぞれ独立に、式PO−1により表される構造を含む基を表し、nB1は1〜4の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、一価の置換基を表し、nB2は0〜3の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mBは0又は1を表す。
式PO−1中、RPO1はアルキレン基を表し、炭素数2〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基、1−メチルエチレン基又は2−メチルエチレン基が更に好ましい。
式PO−1中、nは2〜200の整数を表し、10〜150であることが好ましく、40〜100であることがより好ましい。
式PO−1中、RPO2はラジカル重合性基を含まない構造を表し、アルキル基、アリール基又は、水酸基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
式PO−1中、*は他の構造との結合部位を表す。
また、本開示に用いられるポリマーの全体における、式PO−1により表される基の含有量は、ポリマーの全質量に対し、1質量%〜30質量%であることが好ましく、3質量%〜15質量%であることがより好ましい。
式B−1中、Arは、UV耐刷性の観点から、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造又はビフェニル構造であることが好ましく、ベンゼン環構造であることがより好ましい。
式B−1中、Lはそれぞれ独立に、単結合、又はアルキレン構造であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式B−1中、RPOはそれぞれ独立に、下記式PO−2により表される基であることが好ましい。
式PO−2中、LPOは単結合又は二価の有機基を表し、単結合、アルキレン構造又はアリーレン構造であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式PO−2中、RPO1はそれぞれ独立に、上述の式PO−1により表される構造を表す。
式B−1中、nB1は1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式B−1中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であることが好ましい。
式B−1中、nB2は0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本開示において用いられる多官能イソシアネート化合物は、式B−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
<<式B−2により表される構造>>
式B−1により表される構造は、下記式B−2により表される構造であることが好ましい。
式B−2中、RB1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RB2はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、nB3はそれぞれ独立に、10以上の整数を表し、RB3はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、nB1は1〜4の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mBは0又は1を表し、多官能イソシアネート化合物が式B−2により表される構造を複数有する場合、式B−2により表される構造はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式B−2中、RB1はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
式B−2中、RB2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
式B−2中、RB1及びRB2はいずれも水素原子であるか、又は、一方がメチル基であり、もう一方が水素原子であることが好ましい。
式B−2中、nB3はそれぞれ独立に、2〜100の整数を表し、4〜50の整数がより好ましく、10〜30の整数がより好ましい。
式B−2中、RB3はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
式B−2中、nB1は上述の式B−1におけるnB1と同義であり、好ましい態様も同様である。
<<式C−1により表される構造>>
また、上記ポリマーにラジカル重合性基を導入するため、例えば、下記式C−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物を用いることが好ましい。
式C−1中、Arは芳香環構造を表し、LC1はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、LC2はそれぞれ独立に、nC3+1価の連結基を表し、Rはそれぞれ独立に、下記式PL−1により表される基又は式PL−2により表される基を表し、nC3はそれぞれ独立に、1〜10の整数を表し、nC1は1〜4の整数を表し、RC2はそれぞれ独立に、一価の基を表し、nC2は0〜3の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mCは0又は1を表す。
式PL−1中、RC1は水素原子又はアルキル基を表し、Xは−O−又は−NR−を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、●は式C−1中のLC2との結合部位を表す。
式PL−2中、RP1はアルキル基、アシル基、又はアルコキシ基を表し、npは0〜4の整数を表し、●は式C−1中のLC2との結合部位を表す。
式C−1中、Arは芳香環構造を表し、UV耐刷性の観点から、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造又はビフェニル構造であることが好ましく、ベンゼン環構造であることがより好ましい。
式C−1中、LC1はそれぞれ独立に、単結合又は、アルキレン構造であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式C−1中、LC2はそれぞれ独立に、nC3+1価の連結基を表し、2価の連結基であることが好ましい。
式C−1中、LC2は、エーテル結合又はエステル結合を含んでもよいnC3+1価の炭化水素基が好ましく、後述の式PEにより表される構造又は後述の式POにより表される構造を含む、エーテル結合又はエステル結合を含んでもよいnC3+1価の炭化水素基が好ましい。
式C−1中、LC2は、アルキレン基、又は、下記式PEにより表される基、及び、下記式POにより表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1つの基を含むことが好ましく、下記式PEにより表される基、又は、下記式POにより表される基を含むことがより好ましい。
式C−1中、Rはそれぞれ独立に、式PL−1により表される基であることが好ましい。
また、合成適性上の観点からは、複数のRはいずれも同じ基であることが好ましい。
式C−1中、nC3はそれぞれ独立に、1〜3の整数が好ましく、1がより好ましい。
式C−1中、nC1は1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式C−1中、RC2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であることが好ましい。
式C−1中、nC2は0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式PL−1中、RC1は水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式PL−1中、Xは−O−であることが好ましい。
式PL−1中、Xが−NR−である場合のRはアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式PL−2中、RP1はアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
式PL−2中、npは0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式PE中、Rは炭素数1〜8のアルキレン基を表し、n1は4以上の整数を表す
式PO中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、n2は6以上の整数を表す。
式PE中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数5のアルキレン基がより好ましい。
式PE中、n1は4〜30の整数が好ましく、5〜20の整数がより好ましい。
式PO中、R及びRは、いずれも水素原子であるか、一方が水素原子であり、かつ、別の一方がメチル基であることが好ましい。
式PO中、n2は6〜50の整数であることが好ましく、8〜30の整数であることがより好ましい。
<<式C−2−1又は式C−2−2により表される構造>>
また、式C−1により表される構造は、下記式C−2−1により表される構造、又は、下記式C−2−2により表される構造であることが好ましい。
式C−2−1中、RC3はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、RC4はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、nC3はそれぞれ独立に、2〜100の整数を表し、RC1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、nC1は1〜4の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mCは0又は1を表し、多官能イソシアネート化合物が式C−2−1により表される構造を複数有する場合、式C−2−1により表される構造はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式C−2−2中、RC5はそれぞれ独立に、炭素数4〜8のアルキレン基を表し、nC4はそれぞれ独立に、6以上の整数を表し、RC1はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、nC1は1〜4の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mCは0又は1を表し、多官能イソシアネート化合物が式C−2−2により表される構造を複数有する場合、式C−2−2により表される構造はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式C−2−1中、RC3はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
式C−2−1中、RC4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
式C−2−1中、RC3及びRC4はいずれも水素原子であるか、又は、一方がメチル基であり、もう一方が水素原子であることが好ましい。
式C−2−1中、nC3はそれぞれ独立に、2〜100の整数を表し、4〜50の整数がより好ましく、5〜20の整数がより好ましい。
式C−2−1中、RC1及びnC1はそれぞれ独立に、上述の式C−1におけるRC1及びnC1と同義であり、好ましい態様も同様である。
式C−2−2中、RC5は炭素数4〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素数5のアルキレン基であることがより好ましい。
式C−2−2中、nC4は6〜30の整数であることが好ましく、8〜20の整数であることがより好ましい。
式C−2−2中、RC1及びnC1はそれぞれ独立に、上述の式C−1におけるRC1及びnC1と同義であり、好ましい態様も同様である。
<<内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーの好ましい態様>>
本開示において用いられる内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーは、式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物と、式A−1により表される構造と、式C−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物と、水とを反応させたポリマーであることが好ましい。
また、式A−1により表される構造を含み、かつ、式B−1により表される構造及び式C−2により表される構造を含まない多官能イソシアネート化合物を反応時に更に添加してもよい。
また、他のイソシアネート化合物を反応時に更に添加してもよい。
他のイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
〔〔式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物〕〕
式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物(「イソシアネート化合物AB」ともいう)は、式A−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
また、イソシアネート化合物ABは、式B−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
更に、イソシアネート化合物ABの全質量に対する、式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造との合計含有量(質量)は、UV耐刷性の観点から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
上限は特に限定されず、99質量%以下であればよい。
本開示において用いられるイソシアネート化合物ABにおける、式A−1により表される構造(A−1)と、式B−1により表される構造(B−1)の含有比は、質量比で、A−1:B−1=50:1〜2:1であることが好ましく、30:1〜5:1であることがより好ましい。
以下、イソシアネート化合物ABの具体例を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。
水との反応時におけるイソシアネート化合物ABの使用量は、水との反応に用いられるイソシアネート化合物の全質量に対し、5質量%〜60質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
〔〔式A−1により表される構造と、式C−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物〕〕
式A−1により表される構造と、式C−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物(「イソシアネート化合物AC」ともいう)は、式A−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
また、イソシアネート化合物ACは、式C−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
更に、本開示において用いられるイソシアネート化合物ACの全質量に対する、式A−1により表される構造と、式C−1により表される構造との合計含有量(質量)は、UV耐刷性の観点から、30質量%〜100質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましい。
本開示において用いられるイソシアネート化合物ACにおける、式A−1により表される構造(A−1)と、式C−1により表される構造(C−1)の含有比は、質量比で、A−1:C−1=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜10:1であることがより好ましい。
以下、イソシアネート化合物ACの具体例を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。
水との反応時におけるイソシアネート化合物ACの使用量は、水との反応に用いられるイソシアネート化合物の全質量に対し、30質量%〜100質量%であることが好ましく、60質量%〜100質量%であることがより好ましい。
〔〔式A−1により表される構造を含み、かつ、式B−1により表される構造及び式C−2により表される構造を含まない多官能イソシアネート化合物〕〕
式A−1により表される構造を含み、かつ、式B−1により表される構造及び式C−2により表される構造を含まない多官能イソシアネート化合物(以下、「イソシアネート化合物A」ともいう。)は、UV耐刷性の観点から、上述の式A−1により表される構造を、イソシアネート化合物Aの全質量に対し、50質量%以上含むことが好ましく、70質量%〜100質量%含むことがより好ましく、90質量%〜100質量%含むことが更に好ましく、100質量%含むことが特に好ましい。
以下、イソシアネート化合物Aの具体例を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。
水との反応時におけるイソシアネート化合物Aの使用量は、水との反応に用いられるイソシアネート化合物の全質量に対し、5質量%〜60質量%であることが好ましく、10質量%〜40であることがより好ましい。
<<多官能イソシアネート化合物の別の態様>>
また、多官能イソシアネート化合物は、下記式A−3により表される構造、下記式C−3により表される構造、及び、下記式C’−3により表される構造を含む化合物(以下、「イソシアネート化合物ACC’」ともいう。)であることも好ましい。
式A−3中、LC3はnC5価の連結基を表し、nC5は2〜10の整数を表し、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。
式C−3中、LC4は上述の式PEにより表される構造又は上述の式POにより表される構造を含むnC6+1価の連結基を表し、Rは上述の式PL−1により表される基又は式PL−2により表される基を表し、nC6は1〜10の整数を表し、波線部は式A−3中の*との結合部位を表す。
式C’−3中、LC5は二価の連結基を表し、波線部は式A−3中の*との結合部位を表す。
式A−3中、LC3は芳香環構造を含むnC5価の連結基を表すことが好ましく、nC5価の多価アルコールからヒドロキシ基を全て除いた構造であることがより好ましい。上記多価アルコールとしては、例えば、4,4’−(2−ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、1,1’,2,2’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
式A−3中、nC5は3〜6の整数であることが好ましい。
式C−3中、LC4は下記式LC4により表される構造であることが好ましい。
は上述の式PL−1により表される基又は式PL−2により表される基を表し、好ましい態様も上述の通りである。
nC6は1〜5の整数であることが好ましく、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
式LC4中、LC5は二価の連結基を表し、LC6は上述の式PEにより表される構造又は上述の式POにより表される構造を含む二価の連結基を表し、*は式C−3中のウレタン結合の酸素原子との結合部位を表し、波線部は式C−3中の重合性基との結合部位を表す。
式LC4中、LC5はアルキレン基、アリーレン基又はこれらの結合であることが好ましく、ジイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた構造が好ましい。
上記ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、又は、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
式LC4中、LC6は、上述の式PEにより表される構造又は上述の式POにより表される構造と、エーテル結合又はエステル結合を有してもよいアルキレン基との結合により表される基であることが好ましい。
式C’−3中、LC5は上述の式LC4中のLC5と同義であり、好ましい態様も同様である。
式A−3により表される構造、式C−3により表される構造、及び、式C’−3により表される構造を含む化合物は、式A−3により表される構造、式C−3により表される構造、及び、式C’−3により表される構造を、化合物の全質量に対し、合計で、50〜100質量%含有することが好ましく、70〜100質量%含有することがより好ましく、90〜100質量%含有することが更に好ましい。
式A−3により表される構造、式C−3により表される構造、及び、式C’−3により表される構造を含む化合物における、式C−3により表される構造(C−3)と、式C’−3により表される構造(C’−3)の含有比は、個数比で、C−3:C’−3=1:5〜30:1であることが好ましく、1:1〜3:1であることがより好ましい。
また、式C−3により表される構造(A−3)と、式C’−3により表される構造(C’−3)の含有比は、質量比で、A−3:C’−3=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜5:1であることがより好ましい。
以下、イソシアネート化合物ACC’の具体例を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。
<<多官能イソシアネート化合物の製造方法>>
式B−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記式A−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有するアルコール化合物と、を反応させる方法等が挙げられる。
式C−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記式A−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物と、ポリオキシアルキレン基及びラジカル重合性基を有するアルコール化合物と、を反応させる方法等が挙げられる。
式A−3により表される構造、式C−3により表される構造、及び、式C’−3により表される構造を含む化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、式A−3により表される構造を含むポリオール化合物と、式C−3により表される構造を含むイソシアネート化合物と、式C−3’により表される構造を含むイソシアネート化合物と、を反応させる方法が挙げられる。
これらの多官能イソシアネート化合物の製造方法としては、具体的には、例えば、後述する実施例における製造方法が挙げられる。
<<ポリマーの具体例>>
本開示において好適に用いられる内包型粒子に含まれるポリマーとしては、下記表に記載のポリマーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
下記表中の各化合物と、水とを反応させて得られる反応物が、本開示において用いられるポリマー粒子である。下記表中、化合物AC−1〜AC−3、AB−1〜AB−2、A−1及びACC’−1〜ACC’−3は、上述の化合物AC−1〜AC−3、AB−1〜AB−2、A−1及びACC’−1〜ACC’−3をそれぞれ意味している。
―内包型ポリマー粒子に含まれる他の成分―
内包型ポリマー粒子は、上述の有機ホウ素化合物のほかに、上述の有機ホウ素構造を含むポリマーのほかに、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーよりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含有してもよい。上記化合物は、有機ホウ素構造型ポリマー粒子に内包されることが好ましい。赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーの好ましい態様は、後述する画像記録層に含まれる赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーと同様である。
内包型ポリマー粒子の合成において、例えば、多官能イソシアネート化合物と水との反応時に反応溶媒中に有機ホウ素化合物、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、バインダーポリマー等を溶解又は分散することにより、これらの化合物を有機ホウ素構造型ポリマーに内包させることができる。
―内包型ポリマー粒子の粒径―
本開示における内包型ポリマー粒子の体積平均粒径は、UV耐刷性の向上の観点から、50nm〜500nmであることが好ましく、100nm〜250nmであることがより好ましい。
内包型ポリマー粒子の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920((株)堀場製作所製)により測定する。
―内包型ポリマー粒子の具体例―
内包型ポリマー粒子の具体例としては、下記表に記載のPN−1〜PN−4が挙げられる。PN−1〜PN−4は、具体的には、ポリマーの欄に記載のポリマーにより形成された粒子に、内包物に記載の欄の化合物が内包された構造である。
また、ポリマー粒子に含まれるホウ素アニオンの含有量の欄の記載は、内包型ポリマー粒子の全質量に対する、内包物の含有量(mmol/g)を示している。上記内包物の含有量は、本願実施例に記載の方法により測定される。
上記表中、PA−1〜PA−3は下記構造の化合物である。
―内包型ポリマー粒子の含有量―
本開示における平版印刷版原版は、内包型ポリマー粒子を1種単独で含有してもよいし、2種以上を併用してもよい。
内包型ポリマー粒子の含有量は、画像記録層の全質量に対し、20質量%〜80質量%であることが好ましく、30質量%〜60質量%であることがより好ましい。
〔有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子〕
本開示における画像記録層は、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子(有機ホウ素構造型ポリマー粒子)を含有することが好ましい。
有機ホウ素構造とは、有機ホウ素アニオンであるアニオン部と、ポリマーにおけるカチオン部とからなる構造をいう。
画像記録層中で、上記アニオン部とカチオン部は、結合していてもよいし、解離していてもよい。
−アニオン部−
アニオン部は、ホウ素原子上に負電荷を有することが好ましく、第四級ホウ素アニオンであることがより好ましく、テトラアリールボレートアニオンであることが更に好ましく、テトラフェニルボレートアニオンであることが特に好ましい。
なお、本開示において、テトラフェニルボレートアニオンとは下記式により表される第四級ホウ素アニオンをいう。
テトラアリールボレートアニオンにおける4つのアリール基、又は、テトラフェニルボレートアニオンにおける4つのフェニル基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。本開示において、ハロアルキル基とは、アルキル基の全ての水素原子がハロゲン原子により置換された基をいう。
アニオン部は、上述の内包型ポリマー粒子における有機ホウ素化合物から対カチオンを除いた構造と同義であり、好ましい態様も同様である。
例えば、アニオン部としては、上述の式AからZB11を除いた構造が好ましい。
また、アニオン部の好ましい具体例は、上述の内包型ポリマー粒子における有機ホウ素化合物の具体例から対カチオンを除いた構造であるが、これに限定されない。
−カチオン部−
カチオン部は、有機ホウ素構造を有するポリマーに含まれる。
ポリマーの詳細については後述する。
カチオン部におけるカチオン構造としては、特に限定されないが、窒素原子又は硫黄原子に正電荷を有するカチオン構造が好ましく、ピリジニウム構造、スルホニウム構造、又は、第四級アンモニウムカチオン構造がより好ましく、第四級アンモニウムカチオン構造が更に好ましい。
−式Bにより表される構造−
本開示における有機ホウ素構造は、式Bにより表される構造であることが好ましい。
式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
式B中、XB21は、第四級アンモニウム構造、ピリジニウム構造、又はスルホニウム構造であることが好ましく、第四級アンモニウム構造がより好ましい。
式B中、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基がより好ましく、メチル基又はフェニル基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記アルキル基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
上記アリール基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。
式A中、RB21〜RB24のうち、少なくとも2つがフェニル基であることが好ましく、少なくとも3つがフェニル基であることがより好ましく、4つともがフェニル基であることが更に好ましい。
−有機ホウ素構造を有するポリマー−
有機ホウ素構造を有するポリマーとしては、特に限定されないが、網目ポリマーであることが好ましい。
また、有機ホウ素構造を有するポリマーは、炭素原子を含む有機ポリマーであることが好ましい。すなわち、内包型ポリマー粒子は、有機ポリマー粒子であることが好ましい。
有機ホウ素構造を有するポリマーは、UV耐刷性の観点から、ラジカル重合性基を有するポリマーであることが好ましく、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基又はビニルフェニル基を有するポリマーであることがより好ましい。
また、有機ホウ素構造を有するポリマーは、UV耐刷性及び機上現像性ポリオキシアルキレン基を含むことが好ましい。
上記ポリマーがポリオキシアルキレン基を含むことにより、剛性の高い有機ポリマー粒子が、平版印刷版原版内で均一に近い状態で分散されやすいという観点から、UV耐刷性が向上すると考えられる。
更に、上記ポリマーがポリオキシアルキレン基を含むことにより、インキ又は湿し水との親和性が向上し、画像記録層の溶解性が向上し、機上現像性に優れた平版印刷版原版が得られやすいと考えられる。
上記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、又は、これらがランダムに結合した基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基の鎖長(数平均分子量、Mn)は、好ましくは400〜2,0000、より好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは2,000〜4,000である。
また、ポリマーの全質量に対するポリオキシアルキレン基の含有量は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%、更に好ましくは5質量%〜15質量%である。
有機ホウ素構造を有するポリマーとしては、ウレア結合を含むポリマーであることが好ましく、ポリウレアであることがより好ましい。
ウレア結合を含むポリマーは、例えば、多官能イソシアネート化合物と、水とを反応させることにより得られる。
具体的には、多官能イソシアネート化合物と、水とが反応することにより、多官能イソシアネート化合物におけるイソシアネート基の一部が加水分解によりアミノ基となり、上記アミノ基と、多官能イソシアネート化合物におけるイソシアネート基とが反応することにより、ポリウレアを形成すると考えられる。
上記多官能イソシアネート化合物として、有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物を使用することにより、有機ホウ素構造を有するポリマーが得られる。
また、上記多官能イソシネート化合物として、有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物を使用せず、水との反応時に有機ホウ素構造を含有するアルコール化合物を用いることによっても、有機ホウ素構造を有するポリマーが得られる。
有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物は、有機ホウ素構造を有する多官能イソシアネート化合物であることが好ましい。
有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物は、UV耐刷性の観点から、ラジカル重合性基を有することが好ましい。
有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物が、ラジカル重合性基を有することにより、露光時に有機ホウ素構造より産出されたラジカル化合物がラジカル重合性基と速やかに反応し、効率よく重合反応が進行すると考えられる。
また、有機ホウ素構造を有するポリマーにポリオキシアルキレン基を導入するため、多官能イソシアネート化合物は、ポリオキシアルキレン基を有することが好ましい。
<<式D−1により表される構造>>
有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物としては、例えば、下記式D−1により表される構造を含む多官能イソシアネート化合物を用いることが好ましい。
式D−1中、Arは芳香環構造を表し、LD1はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し、LD2はそれぞれ独立に、nD3+1価の連結基を表し、Xはそれぞれ独立に、有機ホウ素構造を含む基を表し、nD3はそれぞれ独立に、1〜10の整数を表し、nD1は1〜4の整数を表し、RD2はそれぞれ独立に、一価の基を表し、nD2は0〜3の整数を表し、*及び波線部はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表し、mDは0又は1を表す。
式D−1中、Arは芳香環構造を表し、UV耐刷性の観点から、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造又はビフェニル構造であることが好ましく、ベンゼン環構造であることがより好ましい。
式D−1中、LD1はそれぞれ独立に、単結合又はアルキレン構造であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
式D−1中、LD2はそれぞれ独立に、nD3+1価の連結基を表し、2価の連結基であることが好ましい。また、炭化水素基からnD3+1個の水素原子を除いた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
式D−1中、Xはそれぞれ独立に、有機ホウ素構造を含む構造であることが好ましく、第四級アンモニウム基、ピリジニウム基、又はスルホニウム基を含む構造であることが好ましく、下記式CAにより表される構造であることがより好ましい。
式D−1中、nD1は1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式D−1中、RD2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であることが好ましい。
式D−1中、nD2は0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式CA中、RCA1〜RCA3はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は式D−1中のLD2との結合部位を表す。
式CA中、RCA1〜RCA3はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表すことが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を表すことが更に好ましく、メチル基を表すことが特に好ましい。
式CA中、R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基がより好ましく、メチル基又はフェニル基が更に好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記アルキル基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
上記アリール基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。
式CA中、R〜Rのうち、少なくとも2つがフェニル基であることが好ましく、少なくとも3つがフェニル基であることがより好ましく、4つともがフェニル基であることが更に好ましい。
式CA中、ホウ素アニオンと窒素カチオンとは結合していてもよいし、解離していてもよい。
<<式D−2により表される構造>>
式D−1により表される構造は、式D−2により表される構造であることが好ましい。
式D−2中、LD2、X、nD1及びmDはそれぞれ、式D−1中のLD2、X、nD1及びmDと同義であり、好ましい態様も同様である。
<<有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物の好ましい態様>>
有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物としては、式D−1により表される構造と、上述の式A−1により表される構造とを含むことが好ましい。
また、有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物は、ラジカル重合性基を有することが好ましいことから、式D−1により表される構造と、上述の式A−1により表される構造と、上述の式C−1により表される構造と、を含むことが好ましい。
式D−1により表される構造と、上述の式A−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物(「イソシアネート化合物AD」ともいう)は、式A−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
また、イソシアネート化合物ADは、式D−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
更に、本開示において用いられるイソシアネート化合物ADの全質量に対する、式A−1により表される構造と、式D−1により表される構造との合計含有量(質量)は、UV耐刷性の観点から、30質量%〜100質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましい。
本開示において用いられるイソシアネート化合物ADにおける、式A−1により表される構造(A−1)と、式D−1により表される構造(D−1)の含有比は、質量比で、A−1:D−1=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜10:1であることがより好ましい。
式D−1により表される構造と、上述の式A−1により表される構造と、上述の式C−1により表される構造と、を含むイソシアネート化合物(「イソシアネート化合物ACD」ともいう。)は、式A−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
また、イソシアネート化合物ACDは、式D−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
また、イソシアネート化合物ACDは、式C−1により表される構造を、1個〜20個有することが好ましく、1個〜10個有することがより好ましい。
更に、本開示において用いられるイソシアネート化合物ACDの全質量に対する、式A−1により表される構造と、式D−1により表される構造と、式C−1により表される構造との合計含有量(質量)は、UV耐刷性の観点から、30質量%〜100質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましい。
本開示において用いられるイソシアネート化合物ACDにおける、式A−1により表される構造(A−1)と、式C−1により表される構造(C−1)の含有比は、質量比で、A−1:C−1=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜10:1であることがより好ましい。
本開示において用いられるイソシアネート化合物ACDにおける、式D−1により表される構造(D−1)と、式C−1により表される構造(C−1)の含有比は、質量比で、D−1:C−1=1:10〜10:1であることが好ましく、5:1〜1:5であることがより好ましい。
<<有機ホウ素構造を含むイソシアネート化合物の別の態様>>
本開示において用いられる有機ホウ素構造を含むイソシアネート化合物は、上述の式A−3により表される構造、下記式D−3により表される構造、及び、上述の式C’−3により表される構造を含む化合物であることも好ましい。
また、本開示において用いられる有機ホウ素構造を含むイソシアネート化合物は、上述の式A−3により表される構造、下記式D−3により表される構造、上述の式C−3により表される構造、及び、上述の式C’−3により表される構造を含む化合物であることも好ましい。
式D−3中、LD3は二価の連結基を表し、Xはそれぞれ独立に、有機ホウ素構造を含む基を表し、nD4は1〜4の整数を表し、波線部は式A−3中の*との結合部位を表す。
式D−3中、LD3は二価の連結基を表し、下記式LD3により表される構造であることが好ましい。
式D−3中、Xは上述の式D−1におけるXと同義であり、好ましい態様も同様である。
式LD3中、LD4は二価の連結基を表し、LD5は二価の連結基を表し、*は式D−3中のウレタン結合の酸素原子との結合部位を表し、波線部は式D−3中のXとの結合部位を表す。
式LD3中、LD4はアルキレン基、アリーレン基又はこれらの結合であることが好ましく、ジイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた構造が好ましい。
上記ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、又は、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
式LD3中、LD5は、アルキレン基であることが好ましい。
式A−3により表される構造、式C−3により表される構造、及び、式C’−3により表される構造を含む化合物は、式A−3により表される構造、式D−3により表される構造、式C’−3により表される構造、及び、必要に応じて式C−3により表される構造を、化合物の全質量に対し、合計で、50〜100質量%含有することが好ましく、70〜100質量%含有することがより好ましく、90〜100質量%含有することが更に好ましい。
式A−3により表される構造、式D−3により表される構造、式C’−3により表される構造、及び、必要に応じて式C−3により表される構造を含む化合物における、式D−3により表される構造(C−3)と、式C’−3により表される構造(C’−3)の含有比は、個数比で、D−3:C’−3=1:5〜30:1であることが好ましく、1:1〜3:1であることがより好ましい。
式D−3により表される構造(D−3)と、式A−3により表される構造(A−3)の含有比は、質量比で、D−3:A−3=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜5:1であることがより好ましい。
式D−3により表される構造(D−3)と、式C−3により表される構造(C−3)の含有比は、質量比で、D−3:C−3=1:3〜30:1であることが好ましく、1:1〜5:1であることがより好ましい。
<<有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物の製造方法>>
有機ホウ素構造を含む多官能イソシアネート化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、有機ホウ素構造を有しないイソシアネート化合物と、有機ホウ素構造を有するアルコール化合物と、を反応させる方法、又は、有機ホウ素構造を有するイソシアネート化合物と、有機ホウ素構造を有しないアルコール化合物とを反応させる方法が挙げられる。
具体的には、例えば、後述する実施例における製造方法が挙げられる。
<<有機ホウ素構造を含むイソシアネート化合物の例>>
有機ホウ素構造イソシアネート化合物の具体例としては、下記化合物AD−1〜AD−3が挙げられるが、これに限定されるものではない。
各化合物の製造方法の詳細は実施例において説明する。
<<内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーの好ましい態様>>
本開示において用いられる内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーは、有機ホウ素構造を含むイソシアネート化合物と、式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物と、水とを反応させたポリマーであることが好ましい。
式A−1により表される構造と、式B−1により表される構造とを含む多官能イソシアネート化合物の好ましい態様は、上述の内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーの説明におけるイソシアネート化合物ABの好ましい態様と同様である。
また、式A−1により表される構造を含み、かつ、式B−1により表される構造及び式C−2により表される構造を含まない多官能イソシアネート化合物を反応時に更に添加してもよい。
式A−1により表される構造を含み、かつ、式B−1により表される構造及び式C−2により表される構造を含まない多官能イソシアネート化合物の好ましい態様は、上述の内包型ポリマー粒子に含まれるポリマーの説明におけるイソシアネート化合物Aの好ましい態様と同様である。
また、他のイソシアネート化合物を反応時に更に添加してもよい。
他のイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
本開示において好適に用いられる内包型粒子に含まれるポリマーとしては、下記表に記載のポリマーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
下記表中の各化合物と、水とを反応させて得られる反応物が、本開示において用いられるポリマー粒子である。下記表中、化合物AC−1〜AC−3、AB−1〜AB−2、A−1、ACC’−1〜ACC’−3及びAD−1〜AD−3は、上述の化合物AC−1〜AC−3、AB−1〜AB−2、A−1、ACC’−1〜ACC’−3及びAD−1〜AD−3をそれぞれ意味している。
上記表中のPA−4の構造は下記の通りである。

―有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含まれる他の成分―
有機ホウ素構造型ポリマー粒子は、上述の内包型ポリマー粒子における有機ホウ素化合物を内包してもよい。
有機ホウ素構造型ポリマー粒子は、上述の有機ホウ素構造を含むポリマーのほかに、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーよりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含有してもよい。上記化合物は、有機ホウ素構造型ポリマー粒子に内包されることが好ましい。赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーの好ましい態様は、後述する画像記録層に含まれる赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、及び、バインダーポリマーと同様である。
有機ホウ素構造型ポリマー粒子の合成において、例えば、多官能イソシアネート化合物と水との反応時に反応溶媒中に有機ホウ素化合物、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、バインダーポリマー等を溶解又は分散することにより、これらの化合物を有機ホウ素構造型ポリマーに内包させることができる。
―有機ホウ素構造型ポリマー粒子の粒径―
本開示における有機ホウ素構造型ポリマー粒子の体積平均粒径は、UV耐刷性の向上の観点から、50nm〜500nmであることが好ましく、100nm〜200nmであることがより好ましい。
有機ホウ素構造型ポリマー粒子の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920((株)堀場製作所製)により測定する。
―有機ホウ素構造型ポリマー粒子の具体例―
有機ホウ素構造型ポリマー粒子の具体例としては、下記表に記載のPK−1〜PK−12が挙げられる。PK−1〜PK−12は、具体的には、ポリマーの欄に記載のポリマーにより形成された粒子に、内包物に記載の欄の化合物が内包された構造である。
また、ポリマー粒子に含まれるホウ素アニオンの含有量の欄の記載は、有機ホウ素構造型ポリマー粒子の全質量に対する、有機ホウ素構造及び内包されたホウ素化合物の合計含有量(ホウ素アニオン量)を示している。上記ポリマー粒子に含まれるホウ素アニオンの含有量は、本願実施例に記載の方法により測定される。
上記表中、K−1は下記構造の赤外線吸収剤である。下記構造中、Phはフェニル基を表す。
PK−10〜PK−12における赤外線吸収剤であるK−1の内包量(含有量)は、それぞれ2.57質量%(0.029mmol/g)である。
―有機ホウ素構造型ポリマー粒子の含有量―
本開示における平版印刷版原版は、有機ホウ素構造型ポリマー粒子を1種単独で含有してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ホウ素構造型ポリマー粒子の含有量は、画像記録層の全質量に対し、10質量%〜80質量%であることが好ましく、25質量%〜50質量%であることがより好ましい。
〔赤外線吸収剤〕
本開示における画像記録層は、赤外線吸収剤を含む。
赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述の重合開始剤に電子移動及び/又はエネルギー移動する機能を有する。本開示において使用される赤外線吸収剤は、波長700nm〜1,400nmに吸収極大を有する染料又は顔料が好ましく、染料がより好ましい。
染料としては、特開2014−104631号公報の段落0082〜0088に記載のものを使用できる。
顔料の平均粒径は、0.01μm〜1μmが好ましく、0.01μm〜0.5μmがより好ましい。顔料を分散するには、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)などに記載されている。
更に、赤外線吸収剤として、酸により分解して発色する赤外線吸収剤も好ましく用いられる。
有機ホウ素化合物又は有機ホウ素構造からは、ルイス酸として働く化合物も発生するため、本開示に係る平版印刷版原版における画像記録層が、酸により分解して発色する赤外線吸収剤を含むことにより、画像記録層の発色性に優れた平版印刷版が得られやすい。
以下に酸により分解して発色する赤外線吸収剤の具体例として、母核構造A−1〜A−54、対アニオンB−1〜B−10及び対カチオンC−1〜C−3を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式1で表される化合物の具体例は、母核構造A−1〜A−9、A−11〜A−20及びA−22〜A−54と、対アニオンB−1〜B−10とをそれぞれ1つずつ組み合わせた化合物、並びに、母核構造A−10及びA−21と対カチオンC−1〜C−3とをそれぞれ1つずつ組み合わせた化合物である。
式1で表される化合物の作製方法は、特に制限はなく、公知のシアニン色素の作製方法を参照し、作製することができる。また、国際公開第2016/027886号に記載の方法も好適に用いることができる。
また、酸により分解して発色する赤外線吸収剤として、国際公開第2016/027886号に記載の式1で表される化合物も好ましく用いられる。
赤外線吸収剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
赤外線吸収剤の含有量は、画像記録層の全質量に対し、0.05質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.2質量%〜10質量%が特に好ましい。
〔重合性化合物〕
本開示における画像記録層は、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、特に限定されないが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
画像記録層に用いられるラジカル重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する付加重合性化合物(エチレン性不飽和化合物)であることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物が好ましく、末端エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物がより好ましい。ラジカル重合性化合物は、例えばモノマー、プレポリマー、即ち、2量体、3量体もしくはオリゴマー、又は、それらの混合物などの化学的形態を持つことができる。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と、単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン原子、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいはアミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することもできる。これら化合物は、特表2006−508380号公報、特開2002−287344号公報、特開2008−256850号公報、特開2001−342222号公報、特開平9−179296号公報、特開平9−179297号公報、特開平9−179298号公報、特開2004−294935号公報、特開2006−243493号公報、特開2002−275129号公報、特開2003−64130号公報、特開2003−280187号公報、特開平10−333321号公報等に記載されている。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとして、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、イソシアネート基とヒドロキシ基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、その具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に下記式(M)で表されるヒドロキシ基を含有するビニルモノマーを付加させて得られる1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(RM4)COOCHCH(RM5)OH (M)
式(M)中、RM4及びRM5はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報、特開2003−344997号公報、特開2006−65210号公報に記載のウレタンアクリレート類、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報、特開2000−250211号公報、特開2007−94138号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類、米国特許第7153632号明細書、特表平8−505958号公報、特開2007−293221号公報、特開2007−293223号公報に記載の親水基を有するウレタン化合物類も好適である。
ラジカル重合性化合物の含有量は、画像記録層の全質量に対して、好ましくは5質量%〜75質量%、より好ましくは10質量%〜70質量%、特に好ましくは15質量%〜60質量%である。
〔重合開始剤〕
本開示において用いられる画像記録層は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に限定されないが、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
画像記録層に用いられるラジカル重合開始剤は、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカル種を発生する化合物であり、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などから適宜選択して用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、赤外線感光性重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)アゾ化合物、(d)有機過酸化物、(e)メタロセン化合物、(f)アジド化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム化合物が挙げられる。
(a)有機ハロゲン化物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0022〜0023に記載の化合物が好ましい。
(b)カルボニル化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0024に記載の化合物が好ましい。
(c)アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等が挙げられ。
(d)有機過酸化物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0025に記載の化合物が好ましい。
(e)メタロセン化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0026に記載の化合物が好ましい。
(f)アジド化合物としては、例えば、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン等の化合物が挙げられる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0027に記載の化合物が好ましい。
(h)有機ホウ酸化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0028に記載の化合物が好ましい。
(i)ジスルホン化合物としては、例えば、特開昭61−166544号、特開2002−328465号の各公報に記載の化合物が挙げられる。
(j)オキシムエステル化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落0028〜0030に記載の化合物が好ましい。
ラジカル重合開始剤の中でも、硬化性の観点から、より好ましいものとして、オキシムエステル及びオニウムが挙げられ、ヨードニウム、スルホニウム及びアジニウム等のオニウムが更に好ましく、ヨードニウム、及び、スルホニウムの少なくとも一方を含むことが特に好ましい。平版印刷版原版に用いる場合は、ヨードニウム、スルホニウムが特に好ましい。ヨードニウム及びスルホニウムの具体例を以下に示すが、本開示はこれらに限定されるものではない。
ヨードニウムの例としては、ジフェニルヨードニウムが好ましく、特に、電子供与性基を置換基として有する、例えば、アルキル基又はアルコキシル基で置換されたジフェニルヨードニウムが好ましく、また、非対称のジフェニルヨードニウムが好ましい。具体例としては、ジフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−メトキシフェニル−4−(2−メチルプロピル)フェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−(2−メチルプロピル)フェニル−p−トリルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4−ジエトキシフェニルヨードニウム=テトラフルオロボラート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=1−ペルフルオロブタンスルホナート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
スルホニウムの例としては、トリアリールスルホニウムが好ましく、特に電子求引性基を置換基として有する、例えば、芳香環上の基の少なくとも一部がハロゲン原子で置換されたトリアリールスルホニウムが好ましく、芳香環上のハロゲン原子の総置換数が4以上であるトリアリールスルホニウムが更に好ましい。具体例としては、トリフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)フェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)−4−メチルフェニルスルホニウム=テトラフルオロボラート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=3,5−ビス(メトキシカルボニル)ベンゼンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリス(2,4−ジクロロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の含有量は、画像記録層の全質量に対して、好ましくは0.1質量%〜50質量%、より好ましくは0.5質量%〜30質量%、特に好ましくは0.8質量%〜20質量%である。
〔酸発色剤〕
本開示において用いられる画像記録層は、酸発色剤を含むことが好ましい。
本開示で用いられる「酸発色剤」とは、電子受容性化合物(例えば酸等のプロトン)を受容した状態で加熱することにより、発色する性質を有する化合物を意味する。酸発色剤としては、特に、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、電子受容性化合物と接触した時に、速やかにこれらの部分骨格が開環若しくは開裂する無色の化合物が好ましい。
このような酸発色剤の例としては、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(”クリスタルバイオレットラクトン”と称される)、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−ピロリジノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−〔1,1−ジ(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−〔1,1−ジ(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)エチレン−2−イル〕−3−(4−N−エチル−N−フェニルアミノフェニル)フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−フタリド、3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−フタリド等のフタリド類、
4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(4−クロロアニリノ)ラクタム、3,7−ビス(ジエチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノオキサジン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、4ーニトロベンゾイルメチレンブルー、
3,6−ジメトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、
3−N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−Nn−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−(2’−メトキシエチル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−エトキシエチル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−メトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(3’−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2’−テトラヒドロフルフリル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−ビス〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニル〕プロパン、3−〔4’−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔4’−(ジメチルアミノフェニル)〕アミノ−5,7−ジメチルフルオラン等のフルオラン類、
3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−n−プロポキシカルボニルアミノ−4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルアミノ−4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−メチル−4−ジn−ヘキシルアミノフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4又は7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4又は7−アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4又は7−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4又は7−アザフタリド、3−(2−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−4又は7−アザフタリド3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン−3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等のフタリド類、
その他、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−3’−メチルスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン−3−オン、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−(4−メチルフェニル))アミノ−3’−メチルスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、3’−N,N−ジベンジルアミノ−6’−N,N−ジエチルアミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オン、2’−(N−メチル−N−フェニル)アミノ−6’−(N−エチル−N−(4−メチルフェニル))アミノスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン]−3−オンなどが挙げられる。
上記の中でも、本開示に用いられる酸発色剤は、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、スピロラクトン化合物、スピロラクタム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
発色後の色素の色相としては、可視性の観点から、緑、青又は黒であることが好ましい。
酸発色剤としては上市されている製品を使用することも可能であり、ETAC、RED500、RED520、CVL、S−205、BLACK305、BLACK400、BLACK100、BLACK500、H−7001、GREEN300、NIRBLACK78、BLUE220、H−3035、BLUE203、ATP、H−1046、H−2114(以上、福井山田化学工業(株)製)、ORANGE−DCF、Vermilion−DCF、PINK−DCF、RED−DCF、BLMB、CVL、GREEN−DCF、TH−107(以上、保土ヶ谷化学(株)製)、ODB、ODB−2、ODB−4、ODB−250、ODB−BlackXV、Blue−63、Blue−502、GN−169、GN−2、Green−118、Red−40、Red−8(以上、山本化成(株)製)、クリスタルバイオレットラクトン(東京化成品工業(株)製)等が挙げられる。これらの市販品の中でも、ETAC、S−205、BLACK305、BLACK400、BLACK100、BLACK500、H−7001、GREEN300、NIRBLACK78、H−3035、ATP、H−1046、H−2114、GREEN−DCF、Blue−63、GN−169、クリスタルバイオレットラクトンが、形成される膜の可視光吸収率が良好のため好ましい。
これらの酸発色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種類以上の成分を組み合わせて使用することもできる。
酸発色剤の含有量は、画像記録層の全質量に対して、好ましくは0.1質量%〜30質量%、より好ましくは1質量%〜20質量%、特に好ましくは1質量%〜10質量%である。
〔他のポリマー粒子〕
平版印刷版原版の機上現像性を向上させるために、画像記録層は、上述した内包型ポリマー粒子及び上述した有機ホウ素構造型ポリマー粒子以外の他のポリマー粒子を含有してもよい。他のポリマー粒子は、熱が加えられたときに画像記録層を疎水性に変換できるポリマー粒子であることが好ましい。他のポリマー粒子は、疎水性熱可塑性ポリマー粒子、熱反応性ポリマー粒子、重合性基を有するポリマー粒子、疎水性化合物を内包しているマイクロカプセル、及び、ミクロゲル(架橋ポリマー粒子)から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。中でも、重合性基を有するポリマー粒子及びミクロゲルが好ましい。
疎水性熱可塑性ポリマー粒子としては、1992年1月のResearch Disclosure No.33303、特開平9−123387号公報、同9−131850号公報、同9−171249号公報、同9−171250号公報及び欧州特許第931647号明細書などに記載の疎水性熱可塑性ポリマー粒子が好適に挙げられる。
疎水性熱可塑性ポリマー粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、ポリアルキレン構造を有するアクリレート又はメタクリレートなどのモノマーのホモポリマーもしくはコポリマー又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ポリスチレン、スチレン及びアクリロニトリルを含む共重合体、ポリメタクリル酸メチルが挙げられる。疎水性熱可塑性ポリマー粒子の平均粒径は0.01μm〜2.0μmが好ましい。
熱反応性ポリマー粒子としては、熱反応性基を有するポリマー粒子が挙げられる。熱反応性基を有するポリマー粒子は、熱反応による架橋及びその際の官能基変化により疎水化領域を形成する。
熱反応性基を有するポリマー粒子における熱反応性基としては、化学結合が形成されるならば、どのような反応を行う官能基でもよく、重合性基が好ましい。その例としては、ラジカル重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、カチオン重合性基(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基など)、付加反応を行うイソシアナト基又はそのブロック体、エポキシ基、ビニルオキシ基及びこれらの反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基など)、縮合反応を行うカルボキシ基及び反応相手であるヒドロキシ基又はアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物及び反応相手であるアミノ基又はヒドロキシ基などが好適に挙げられる。
マイクロカプセルとしては、例えば、特開2001−277740号公報及び特開2001−277742号公報に記載のごとく、画像記録層の構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させたものが挙げられる。画像記録層の構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。マイクロカプセルを含有する画像記録層としては、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性の構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。
ミクロゲル(架橋ポリマー粒子)は、その内部及び表面の少なくとも一方に、画像記録層の構成成分の一部を含有することができる。特に、ラジカル重合性基をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が画像形成感度や耐刷性の観点から好ましい。
画像記録層の構成成分をマイクロカプセル化又はミクロゲル化するためには、公知の方法を用いることができる。
マイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01μm〜3.0μmが好ましく、0.05μm〜2.0μmがより好ましく、0.10μm〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
他のポリマー粒子の含有量は、画像記録層の全質量に対して、5質量%〜90質量%が好ましい。
〔バインダーポリマー〕
本開示において用いられる画像記録層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を包含する。
中でも、バインダーポリマーは平版印刷版原版の画像記録層に用いられる公知のバインダーポリマーを好適に使用することができる。一例として、機上現像型の平版印刷版原版に用いられるバインダーポリマー(以下、機上現像用バインダーポリマーともいう)について、詳細に記載する。
機上現像用バインダーポリマーとしては、アルキレンオキサイド鎖を有するバインダーポリマーが好ましい。アルキレンオキサイド鎖を有するバインダーポリマーは、ポリ(アルキレンオキサイド)部位を主鎖に有していても側鎖に有していてもよい。また、ポリ(アルキレンオキサイド)を側鎖に有するグラフトポリマーでも、ポリ(アルキレンオキサイド)含有繰返し単位で構成されるブロックと(アルキレンオキサイド)非含有繰返し単位で構成されるブロックとのブロックコポリマーでもよい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位を主鎖に有する場合は、ポリウレタン樹脂が好ましい。ポリ(アルキレンオキサイド)部位を側鎖に有する場合の主鎖のポリマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられ、特に(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
アルキレンオキサイドとしては炭素数が2〜6のアルキレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが特に好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位におけるアルキレンオキサイドの繰返し数は2〜120が好ましく、2〜70がより好ましく、2〜50が更に好ましい。
アルキレンオキサイドの繰返し数が120以下であれば、摩耗による耐刷性、インキ受容性による耐刷性の両方の低下が抑制されるため好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位は、バインダーポリマーの側鎖として、下記式(AO)で表される構造で含有されることが好ましく、(メタ)アクリル樹脂の側鎖として、下記式(AO)で表される構造で含有されることがより好ましい。
式(AO)中、yは2〜120を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子又は一価の有機基を表す。
一価の有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
式(AO)において、yは2〜70が好ましく、2〜50がより好ましい。Rは水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。Rは水素原子又はメチル基が特に好ましい。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。ポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合などの架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又は−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR1A=CR2A3A、−(CHO)CHCR1A=CR2A3A、−(CHCHO)CHCR1A=CR2A3A、−(CHNH−CO−O−CHCR1A=CR2A3A、−(CH−O−CO−CR1A=CR2A3A及び−(CHCHO)−X(式中、RA1〜RA3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、RA1とRA2又はRA3とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CH及び−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)及び−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、良好な感度と良好な保存安定性の観点から、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1mmol〜10.0mmol、より好ましくは1.0mmol〜7.0mmol、特に好ましくは2.0mmol〜5.5mmolである。
以下に機上現像用バインダーポリマーの具体例1〜11を示すが、本開示はこれらに限定されるものではない。下記例示化合物中、各繰返し単位に併記される数値(主鎖繰返し単位に併記される数値)は、上記繰返し単位のモル百分率を表す。側鎖の繰返し単位に併記される数値は、上記繰返し部位の繰返し数を示す。また、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
バインダーポリマーの分子量は、GPC法によるポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)が、2,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000〜300,000であることが更に好ましい。
必要に応じて、特開2008−195018号公報に記載のポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどの親水性ポリマーを併用することができる。また、親油的なポリマーと親水的なポリマーとを併用することもできる。
上記バインダーポリマーは、画像記録層中で、各成分のバインダーとして機能するポリマーとして存在してもよいし、粒子の形状で存在してもよい。粒子の形状で存在する場合には、平均一次粒子径は、好ましくは10nm〜1,000nmであり、より好ましくは20nm〜300nmであり、更に好ましくは30nm〜120nmである。
本開示において用いられる画像記録層においては、バインダーポリマーを1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
バインダーポリマーは、画像記録層中に任意の量で含有させることができる。バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の用途などにより適宜選択できるが、画像記録層の全質量に対して、1質量%〜90質量%が好ましく、5質量%〜80質量%がより好ましい。
〔ラジカル生成助剤〕
本開示において用いられる画像記録層は、ラジカル生成助剤を含有してもよい。上述の内包型ポリマー粒子、及び、上述の有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含まれる有機ホウ素化合物及び有機ホウ素構造を有するポリマーは、下記ラジカル生成助剤には該当しないものとする。
ラジカル生成助剤は、平版印刷版における耐刷性の向上に寄与する。ラジカル生成助剤としては、例えば、以下の5種類が挙げられる。
(i)アルキル又はアリールアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には、ボレート化合物等が挙げられる。
(ii)アミノ酢酸化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシ基、トリメチルシリル基又はベンジル基が好ましい。具体的には、N−フェニルグリシン類(フェニル基に置換基を有していてもよい。)、N−フェニルイミノジ酢酸(フェニル基に置換基を有していてもよい。)等が挙げられる。
(iii)含硫黄化合物:上述のアミノ酢酸化合物の窒素原子を硫黄原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成し得る。具体的には、フェニルチオ酢酸(フェニル基に置換基を有していてもよい。)等が挙げられる。
(iv)含錫化合物:上述のアミノ酢酸化合物の窒素原子を錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成し得る。
(v)スルフィン酸:酸化により活性ラジカルを生成し得る。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等が挙げられる。
これらラジカル生成助剤の中でも、画像記録層は、ボレート化合物を含有することが好ましい。ボレート化合物としては、テトラアリールボレート化合物又はモノアルキルトリアリールボレート化合物が好ましく、化合物の安定性の観点から、テトラアリールボレート化合物がより好ましく、電子求引性基を有するアリール基を1つ以上有するテトラアリールボレート化合物が特に好ましい。
電子求引性基としては、ハメット則のσ値が正である基が好ましく、ハメット則のσ値が0〜1.2である基がより好ましい。ハメットのσ値(σp値及びσm値)については、Hansch,C.;Leo,A.;Taft,R.W.,Chem.Rev.,1991,91,165−195に詳しく記載されている。
電子求引性基としては、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基又はシアノ基が好ましく、フッ素原子、原子、トリフルオロメチル基又はシアノ基がより好ましい。
ボレート化合物が有する対カチオンとしては、アルカリ金属イオン又はテトラアルキルアンモニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はテトラブチルアンモニウムイオンがより好ましい。
ボレート化合物として具体的には、以下に示す化合物が挙げられる。ここで、X は一価のカチオンを表し、アルカリ金属イオン又はテトラアルキルアンモニウムイオンが好ましく、アルカリ金属イオン又はテトラブチルアンモニウムイオンがより好ましい。また、Buはn−ブチル基を表す。
ラジカル生成助剤は、1種のみを添加しても、2種以上を併用してもよい。
ラジカル生成助剤の含有量は、画像記録層の全質量に対し、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.05質量%〜25質量%がより好ましく、0.1質量%〜20質量%が更に好ましい。
〔連鎖移動剤〕
本開示において用いられる画像記録層は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、平版印刷版における耐刷性の向上に寄与する。
連鎖移動剤としては、チオール化合物が好ましく、沸点(揮発し難さ)の観点で炭素数7以上のチオールがより好ましく、芳香環上にメルカプト基を有する化合物(芳香族チオール化合物)が更に好ましい。上記チオール化合物は単官能チオール化合物であることが好ましい。
連鎖移動剤として具体的には、下記の化合物が挙げられる。
連鎖移動剤は、1種のみを添加しても、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の含有量は、画像記録層の全質量に対し、0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.05質量%〜40質量%がより好ましく、0.1質量%〜30質量%が更に好ましい。
〔低分子親水性化合物〕
画像記録層は、耐刷性の低下を抑制させつつ機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有してもよい。低分子親水性化合物は、分子量1,000未満の化合物が好ましく、分子量800未満の化合物がより好ましく、分子量500未満の化合物が更に好ましい。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機アミン類及びその、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその、ベタイン類等が挙げられる。
低分子親水性化合物としては、ポリオール類、有機硫酸、有機スルホン酸及びベタイン類から選ばれる少なくとも1つを含有させることが好ましい。
有機スルホン酸の具体例としては、n−ブチルスルホン酸ナトリウム、n−ヘキシルスルホン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルスルホン酸ナトリウム、シクロヘキシルスルホン酸ナトリウム、n−オクチルスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸;5,8,11−トリオキサペンタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、5,8,11−トリオキサヘプタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、13−エチル−5,8,11−トリオキサヘプタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、5,8,11,14−テトラオキサテトラコサン−1−スルホン酸ナトリウムなどのエチレンオキシド鎖を含むアルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム、1−ナフチルスルホン酸ナトリウム、4−ヒドロキシナフチルスルホン酸ナトリウム、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸トリナトリウムなどのアリールスルホン酸、特開2007−276454号公報の段落0026〜0031及び特開2009−154525号公報の段落0020〜0047に記載の化合物等が挙げられる。は、カリウム、リチウムでもよい。
有機硫酸としては、ポリエチレンオキシドのアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又は複素環モノエーテルの硫酸が挙げられる。エチレンオキシド単位の数は1〜4が好ましく、はナトリウム、カリウム又はリチウムが好ましい。具体例としては、特開2007−276454号公報の段落0034〜0038に記載の化合物が挙げられる。
ベタイン類としては、窒素原子への炭化水素置換基の炭素数が1〜5である化合物が好ましく、具体例としては、トリメチルアンモニウムアセタート、ジメチルプロピルアンモニウムアセタート、3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオブチラート、4−(1−ピリジニオ)ブチラート、1−ヒドロキシエチル−1−イミダゾリオアセタート、トリメチルアンモニウムメタンスルホナート、ジメチルプロピルアンモニウムメタンスルホナート、3−トリメチルアンモニオ−1−プロパンスルホナート、3−(1−ピリジニオ)−1−プロパンスルホナート等が挙げられる。
低分子親水性化合物は疎水性部分の構造が小さくて界面活性作用がほとんどないため、湿し水が画像記録層露光部(画像部)へ浸透して画像部の疎水性や皮膜強度を低下させることがなく、画像記録層のインキ受容性や耐刷性を良好に維持することができる。
低分子親水性化合物の含有量は、画像記録層の全質量に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、2質量%〜10質量%が更に好ましい。この範囲で良好な機上現像性と耐刷性が得られる。
低分子親水性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
〔感脂化剤〕
画像記録層は、着肉性を向上させるために、ホスホニウム化合物、含窒素低分子化合物、アンモニウム基含有ポリマー等の感脂化剤を含有してもよい。特に、保護層に無機層状化合物を含有させる場合、これらの化合物は、無機層状化合物の表面被覆剤として機能し、無機層状化合物による印刷途中の着肉性低下を抑制することができる。
感脂化剤としては、ホスホニウム化合物と、含窒素低分子化合物と、アンモニウム基含有ポリマーとを併用することが好ましく、ホスホニウム化合物と、第四級アンモニウムと、アンモニウム基含有ポリマーとを併用することがより好ましい。
ホスホニウム化合物としては、特開2006−297907号公報及び特開2007−50660号公報に記載のホスホニウム化合物が挙げられる。具体例としては、テトラブチルホスホニウムヨージド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、1,4−ビス(トリフェニルホスホニオ)ブタン=ジ(ヘキサフルオロホスファート)、1,7−ビス(トリフェニルホスホニオ)ヘプタン=スルファート、1,9−ビス(トリフェニルホスホニオ)ノナン=ナフタレン−2,7−ジスルホナート等が挙げられる。
含窒素低分子化合物としては、アミン、第四級アンモニウムが挙げられる。また、イミダゾリニウム、ベンゾイミダゾリニウム、ピリジニウム、キノリニウムも挙げられる。中でも、第四級アンモニウム及びピリジニウムが好ましい。具体例としては、テトラメチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、テトラブチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ドデシルトリメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、ベンジルトリエチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ベンジルジメチルオクチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、特開2008−284858号公報の段落0021〜0037、特開2009−90645号公報の段落0030〜0057に記載の化合物等が挙げられる。
アンモニウム基含有ポリマーとしては、その構造中にアンモニウム基を有すればよく、側鎖にアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として5モル%〜80モル%含有するポリマーが好ましい。具体例としては、特開2009−208458号公報の段落0089〜0105に記載のポリマーが挙げられる。
アンモニウム含有ポリマーは、特開2009−208458号公報に記載の測定方法に従って求められる還元比粘度(単位:ml/g)の値が、5〜120の範囲のものが好ましく、10〜110の範囲のものがより好ましく、15〜100の範囲のものが特に好ましい。上記還元比粘度を重量平均分子量(Mw)に換算した場合、10,000〜150,0000が好ましく、17,000〜140,000がより好ましく、20,000〜130,000が特に好ましい。
以下に、アンモニウム基含有ポリマーの具体例を示す。
(1)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比10/90、Mw4.5万)
(2)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80、Mw6.0万)
(3)2−(エチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比30/70、Mw4.5万)
(4)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(モル比20/80、Mw6.0万)
(5)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=メチルスルファート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比40/60、Mw7.0万)
(6)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比25/75、Mw6.5万)
(7)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルアクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80、Mw6.5万)
(8)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=13−エチル−5,8,11−トリオキサ−1−ヘプタデカンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80、Mw7.5万)
(9)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルメタクリレート共重合体(モル比15/80/5、Mw6.5万)
感脂化剤の含有量は、画像記録層の全質量に対して、0.01質量%〜30.0質量%が好ましく、0.1質量%〜15.0質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
〔その他の成分〕
画像記録層には、その他の成分として、界面活性剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機粒子、無機層状化合物等を含有することができる。具体的には、特開2008−284817号公報の段落0114〜0159の記載を参照することができる。
〔画像記録層の形成〕
本開示に係る平版印刷版原版における画像記録層は、例えば、特開2008−195018号公報の段落0142〜0143に記載のように、必要な上記各成分を公知の溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布液を支持体上にバーコーター塗布など公知の方法で塗布し、乾燥することにより形成することができる。塗布、乾燥後における画像記録層の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般に0.3g/m〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
本開示において、固形分とは、組成物における溶剤等の揮発性成分を除いた成分の総量である。
<下塗り層>
本開示に係る平版印刷版原版は、画像記録層と支持体との間に下塗り層(中間層と呼ばれることもある。)を有することが好ましい。下塗り層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着を強化し、未露光部においては画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、耐刷性を損なわずに現像性を向上させることに寄与する。また、赤外線レーザー露光の場合に、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散して感度が低下するのを防ぐ効果も有する。
下塗り層に用いられる化合物としては、支持体表面に吸着可能な吸着性基及び親水性基を有するポリマーが挙げられる。画像記録層との密着性を向上させるために吸着性基及び親水性基を有し、更に架橋性基を有するポリマーが好ましい。下塗り層に用いられる化合物は、低分子化合物でもポリマーであってもよい。下塗り層に用いられる化合物は、必要に応じて、2種以上を混合して使用してもよい。
下塗り層に用いられる化合物がポリマーである場合、吸着性基を有するモノマー、親水性基を有するモノマー及び架橋性基を有するモノマーの共重合体が好ましい。
支持体表面に吸着可能な吸着性基としては、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、−PO、−OPO、−CONHSO−、−SONHSO−、−COCHCOCHが好ましい。親水性基としては、スルホ基又はその、カルボキシ基のが好ましい。架橋性基としては、アクリル基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリル基などが好ましい。
ポリマーは、ポリマーの極性置換基と、上記極性置換基と対荷電を有する置換基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物とので導入された架橋性基を有してもよいし、上記以外のモノマー、好ましくは親水性モノマーが更に共重合されていてもよい。
具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物が好適に挙げられる。特開2005−238816号、特開2005−125749号、特開2006−239867号、特開2006−215263号の各公報に記載の架橋性基(好ましくは、エチレン性不飽和結合基)、支持体表面と相互作用する官能基及び親水性基を有する低分子又は高分子化合物も好ましく用いられる。
より好ましいものとして、特開2005−125749号及び特開2006−188038号公報に記載の支持体表面に吸着可能な吸着性基、親水性基及び架橋性基を有する高分子ポリマーが挙げられる。
下塗り層に用いられるポリマー中のエチレン性不飽和結合基の含有量は、ポリマー1g当たり、好ましくは0.1mmol〜10.0mmol、より好ましくは0.2mmol〜5.5mmolである。
下塗り層に用いられるポリマーの重量平均分子量(Mw)は、5,000以上が好ましく、1万〜30万がより好ましい。
下塗り層は、上記下塗り層用化合物の他に、経時による汚れ防止のため、キレート剤、第二級又は第三級アミン、重合禁止剤、アミノ基又は重合禁止能を有する官能基と支持体表面と相互作用する基とを有する化合物(例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−p−キノン、クロラニル、スルホフタル酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸など)等を含有してもよい。
下塗り層は、公知の方法で塗布される。下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1mg/m〜100mg/mが好ましく、1mg/m〜30mg/mがより好ましい。
<保護層>
本開示に係る平版印刷版原版は、画像記録層の上に保護層(オーバーコート層と呼ばれることもある。)を有することが好ましい。保護層は酸素遮断により画像形成阻害反応を抑制する機能の他、画像記録層における傷の発生防止及び高照度レーザー露光時のアブレーション防止の機能を有する。
このような特性の保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に記載されている。保護層に用いられる酸素低透過性のポリマーとしては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができ、必要に応じて2種類以上を混合して使用することもできる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
変性ポリビニルアルコールとしてはカルボキシ基又はスルホ基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号公報及び特開2006−259137号公報に記載の変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
保護層は、酸素遮断性を高めるために無機層状化合物を含有することが好ましい。無機層状化合物は、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、天然雲母、合成雲母等の雲母群、式:3MgO・4SiO・HOで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウム等が挙げられる。
好ましく用いられる無機層状化合物は雲母化合物である。雲母化合物としては、例えば、式:A(B,C)2−510(OH,F,O)〔ただし、Aは、K、Na、Caのいずれか、B及びCは、Fe(II)、Fe(III)、Mn、Al、Mg、Vのいずれかであり、Dは、Si又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群が挙げられる。
雲母群においては、天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げられる。合成雲母としてはフッ素金雲母KMg(AlSi10)F、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si10)F等の非膨潤性雲母、及び、NaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si10)F、Na又はLiテニオライト(Na,Li)MgLi(Si10)F、モンモリロナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg2/5Li1/8(Si10)F等の膨潤性雲母等が挙げられる。更に合成スメクタイトも有用である。
上記の雲母化合物の中でも、フッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。即ち、膨潤性合成雲母は、10Å〜15Å(1Å=0.1nm)程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘土鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi、Na、Ca2+、Mg2+等の陽イオンを吸着している。これらの層間に介在している陽イオンは交換性陽イオンと呼ばれ、いろいろな陽イオンと交換し得る。特に、層間の陽イオンがLi、Naの場合、イオン半径が小さいため層状結晶格子間の結合が弱く、水により大きく膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。膨潤性合成雲母はこの傾向が強く、特に好ましく用いられる。
雲母化合物の形状としては、拡散制御の観点からは、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きい程よい。従って、アスペクト比は、好ましくは20以上であり、より好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。アスペクト比は粒子の厚さに対する長径の比であり、例えば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
雲母化合物の粒子径は、その平均長径が、好ましくは0.3μm〜20μm、より好ましくは0.5μm〜10μm、特に好ましくは1μm〜5μmである。粒子の平均の厚さは、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.01μm以下である。具体的には、例えば、代表的化合物である膨潤性合成雲母の場合、好ましい態様としては、厚さが1nm〜50nm程度、面サイズ(長径)が1μm〜20μm程度である。
無機層状化合物の含有量は、保護層の全固形分に対して、0質量%〜60質量%が好ましく、3質量%〜50質量%がより好ましい。複数種の無機層状化合物を併用する場合でも、無機層状化合物の合計量が上記の含有量であることが好ましい。上記範囲で酸素遮断性が向上し、良好な感度が得られる。また、着肉性の低下を防止できる。
保護層は可撓性付与のための可塑剤、塗布性を向上させための界面活性剤、表面の滑り性を制御するための無機粒子など公知の添加物を含有してもよい。また、画像記録層において記載した感脂化剤を保護層に含有させてもよい。
保護層は公知の方法で塗布される。保護層の塗布量(固形分)は、0.01g/m〜10g/mが好ましく、0.02g/m〜3g/mがより好ましく、0.02g/m〜1g/mが特に好ましい。
<支持体>
本開示に係る平版印刷版原版の支持体は、公知の平版印刷版原版用支持体から適宜選択して用いることができる。支持体としては、親水性表面を有する支持体が好ましい。また、支持体としては、公知の方法で粗面化処理され、陽極酸化処理されたアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は更に必要に応じて、特開2001−253181号公報及び特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケートによる表面親水化処理、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸などによる表面親水化処理を適宜選択して行ってもよい。
支持体は、中心線平均粗さが0.10μm〜1.2μmであることが好ましい。
支持体は、必要に応じて、画像記録層とは反対側の面に、特開平5−45885号公報に記載の有機高分子化合物又は特開平6−35174号公報に記載のケイ素のアルコキシ化合物等を含むバックコート層を有していてもよい。
(平版印刷版の製版方法)
本開示に係る平版印刷版原版を画像露光して現像処理を行うことで平版印刷版を作製することができる。
本開示に係る平版印刷版の製版方法は、本開示に係る平版印刷版原版を画像様に露光し、露光部と未露光部とを形成する露光工程、及び、印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方を供給して上記未露光部を除去する機上現像工程をこの順で含む。
以下、本開示に係る平版印刷版の製版方法、及び、本開示に係る平版印刷方法について、各工程の好ましい態様を順に説明する。なお、本開示に係る平版印刷版原版は、現像液によっても現像可能である。
<露光工程>
本開示に係る平版印刷版の製版方法は、本開示に係る平版印刷版原版を画像様に露光し、露光部と未露光部とを形成する露光工程を含むことが好ましい。本開示に係る平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通してレーザー露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光されることが好ましい。
光源の波長は750nm〜1,400nmが好ましく用いられる。750nm〜1,400nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。赤外線レーザーに関しては、出力は100mW以上であることが好ましく、1画素当たりの露光時間は20マイクロ秒以内であるのが好ましく、また照射エネルギー量は10mJ/cm〜300mJ/cmであるのが好ましい。また、露光時間を短縮するためマルチビームレーザーデバイスを用いることが好ましい。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、及びフラットベッド方式等のいずれでもよい。
画像露光は、プレートセッターなどを用いて常法により行うことができる。機上現像の場合には、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上で画像露光を行ってもよい。
<機上現像工程>
本開示に係る平版印刷版の製版方法は、印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方を供給して上記未露光部を除去する機上現像工程を含むことが好ましい。
また、本開示に係る平版印刷版の製版方法は、現像液にて現像する方法(現像液処理方式)で行ってもよい。
以下に、機上現像方式について説明する。
〔機上現像方式〕
機上現像方式においては、画像露光された平版印刷版原版は、印刷機上で油性インキと水性成分とを供給し、非画像部の画像記録層が除去されて平版印刷版が作製されることが好ましい。
すなわち、平版印刷版原版を画像露光後、なんらの現像処理を施すことなくそのまま印刷機に装着するか、あるいは、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上で画像露光し、ついで、油性インキと水性成分とを供給して印刷すると、印刷途上の初期の段階で、非画像部においては、供給された油性インキ及び水性成分のいずれか又は両方によって、未硬化の画像記録層が溶解又は分散して除去され、その部分に親水性の表面が露出する。一方、露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する油性インキ受容部を形成する。最初に版面に供給されるのは、油性インキでもよく、水性成分でもよいが、水性成分が除去された画像記録層の成分によって汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給することが好ましい。このようにして、平版印刷版原版は印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。油性インキ及び水性成分としては、通常の平版印刷用の印刷インキ及び湿し水が好適に用いられる。
<印刷工程>
本開示に係る平版印刷方法は、上記機上現像工程において機上現像された平版印刷版に印刷インキを供給して記録媒体を印刷する印刷工程を含む。
印刷インキとしては、特に制限はなく、所望に応じ、種々の公知のインキを用いることができる。また、印刷インキとしては、油性インキが好ましく挙げられる。油性インキの中でも、紫外線硬化型のインキが好ましく挙げられる。
また、上記印刷工程においては、必要に応じ、湿し水を供給してもよい。
また、上記印刷工程は、印刷機を停止することなく、上記機上現像工程に連続して行われてもよい。
記録媒体としては、特に制限はなく、所望に応じ、公知の記録媒体を用いることができる。
本開示に係る平版印刷版原版からの平版印刷版の製版方法、及び、本開示に係る平版印刷方法においては、必要に応じて、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。このような加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化等の利点が生じ得る。現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。上記態様であると、非画像部が硬化してしまう等の問題を防ぐことができる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用することが好ましく、100℃〜500℃の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、十分な画像強化作用が得られまた、支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を抑制することができる。
(ポリマー粒子)
本開示に係るポリマー粒子は、有機ホウ素化合物を内包するか、又は、有機ホウ素構造を有するポリマーを含む。
本開示に係るポリマー粒子は、上述の有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、又は、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係るポリマー粒子は、有機ホウ素化合物が下記式Aにより表される化合物であるか、又は、上記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造であることが好ましい。

式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
式Aにより表される化合物は、上述の内包型ポリマー粒子における式Aにより表される化合物と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、式Bにより表される構造は、上述の有機ホウ素構造型ポリマー粒子における式Bにより表される構造と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係るポリマー粒子におけるポリマーは、ポリオキシアルキレン基を含むことが好ましい。
上記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、又は、これらがランダムに結合した基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基の鎖長(数平均分子量、Mn)は、好ましくは400〜20000、より好ましくは1000〜10000、更に好ましくは2000〜4000である。
また、ポリマーの全質量に対するポリオキシアルキレン基の含有量は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%、更に好ましくは5質量%〜15質量%である。
(感光性樹脂組成物)
本開示に係る感光性樹脂組成物は、本開示に係るポリマー粒子と、赤外線吸収剤と、重合性化合物と、重合開始剤と、を含む。
赤外線吸収剤、重合性化合物、及び、重合開始剤は、平版印刷版原版における画像記録層の赤外線吸収剤、重合性化合物、及び、重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
更に、本開示に係る感光性樹脂組成物は、他のポリマー粒子、バインダーポリマー、酸発色剤、連鎖移動剤、低分子親水性化合物、感脂化剤、及び、公知の溶剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、更に含有してもよい。これらの化合物の好ましい態様は、上述の平版印刷版原版における各化合物の好ましい態様と同様である。
本開示に係る感光性樹脂組成物に含まれる各成分の含有量は、上述の平版印刷版原版の画像記録層に含まれる各成分の含有量を、樹脂組成物における固形分量と読み替えた量に相当する。
(樹脂組成物)
本開示に係る樹脂組成物は、有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基とを有するポリマーを含む。
本開示に係る樹脂組成物に含まれるポリマーは、上述の有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含まれる有機ホウ素構造を含むポリマーであることが好ましい。
また、本開示に係る樹脂組成物に含まれるポリマーは、上述の有機ホウ素構造型ポリマー粒子であることが好ましい。
本開示に係る樹脂組成物におけるポリマーに含まれる上記有機ホウ素構造は、下記式Bにより表される構造であることが好ましい。

式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は上記有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基と、を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
式Bにより表される構造の好ましい態様は、上述の有機ホウ素構造型ポリマー粒子における式Bにより表される構造と同義であり、好ましい態様も同様である。
本開示に係る樹脂組成物におけるポリマーは、ポリオキシアルキレン基を含むことが好ましい。
上記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、又は、これらがランダムに結合した基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基の鎖長(数平均分子量、Mn)は、好ましくは400〜20000、より好ましくは1000〜10000、更に好ましくは2000〜4000である。
また、ポリマーの全質量に対するポリオキシアルキレン基の含有量は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%、更に好ましくは5質量%〜15質量%である。
本開示に係る樹脂組成物は、赤外線吸収剤と、重合性化合物と、重合開始剤と、を更に含むことが好ましい。
赤外線吸収剤、重合性化合物、及び、重合開始剤は、平版印刷版原版における画像記録層の赤外線吸収剤、重合性化合物、及び、重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
更に、本開示に係る感光性樹脂組成物は、他のポリマー粒子、バインダーポリマー、酸発色剤、連鎖移動剤、低分子親水性化合物、感脂化剤、及び、公知の溶剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、更に含有してもよい。これらの化合物の好ましい態様は、上述の平版印刷版原版における各化合物の好ましい態様と同様である。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」、「部」とは、特に断りのない限り、それぞれ「質量%」、「質量部」を意味する。なお、高分子化合物において、特別に規定したもの以外は、分子量は重量平均分子量(Mw)であり、構成繰り返し単位の比率はモル百分率である。また、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算値として測定した値である。
以下、実施例におけるAB−1〜AB−3、AC−1〜AC−3、A−1、PN−1〜PN−4、AD−1〜AD−3及びPK−1〜PK−12は、それぞれ、上述のAB−1〜AB−3、AC−1〜AC−3、A−1、PN−1〜PN−4、AD−1〜AD−3及びPK−1〜PK−12と同様の構造の化合物を表す。
(有機ホウ素の合成)
<有機ホウ素化合物PA−1>
ビーカーに、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)7.2g、を秤取し、メタノール150mLを添加し、撹拌しながら溶解した。次いで、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)6.45gを添加し、室温(以下、特別な記載がない限り、本開示における室温は25℃とする)にて1時間撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過し、純水300mLを使って洗浄し、ろ過した後、室温で、2日間送風乾燥し、目的物である有機ホウ素化合物(PA−1)を得た。
目的物であることは、H−NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)により確認した。
<有機ホウ素化合物PA−2>
ビーカーに、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)7.2g、を秤取し、メタノール150mLを添加し、撹拌しながら溶解した。次いで、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)4.6gを添加し、室温にて1時間撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過し、純水300mLを使って洗浄し、ろ過した後、室温で、2日間送風乾燥し、目的物である有機ホウ素化合物(PA−2)を得た。
目的物である事は、H−NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)により確認した。
<有機ホウ素化合物PA−3>
ビーカーに、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)7.2g、を秤取し、メタノール150mLを添加し、撹拌しながら溶解した。次いで、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド74〜75質量%水溶液(東京化成工業(株)製)5.5gを添加し、室温にて1時間撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過し、純水300mLを使って洗浄し、ろ過した後、室温で、2日間送風乾燥し、目的物である有機ホウ素化合物(PA−3)を得た。
目的物である事は、H−NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)により確認した。
<有機ホウ素化合物PA−4>
ビーカーに、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)7.2g、を秤取し、メタノール150mLを添加し、撹拌しながら溶解した。次いで、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株)製)2.8gを添加し、室温にて1時間撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過し、純水300mLを使って洗浄し、ろ過した後、室温で、2日間送風乾燥し、目的物である有機ホウ素化合物(PA−4)を得た。
目的物である事は、H−NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)により確認した。
(ラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物の合成)
<ラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AC−1>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)51.25g、ブレンマーAE−200(日油(株)製)27.03g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)145.38gを秤り取り、室温で撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.08g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.16gを添加し、撹拌しながら50℃で3時間反応させた。
目的物であるラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
<ラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AC−2>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)30.75g、プラクセルFA10L((株)ダイセル製)75.48g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)197.28gを秤り取り、室温(25℃)中、撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.06g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.10gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。
イソシアネート化合物(AC−2)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
<ラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AC−3>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)30.75g、プラクセルFA5L((株)ダイセル製)41.34g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)133.88gを秤り取り、室温(25℃)中、撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.05g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.08gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。
イソシアネート化合物(AC−3)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
(有機ホウ素構造及びラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物の合成)
<有機ホウ素構造及びラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AD−1>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)51.25g、ブレンマーAE−200(日油(株)製)27.03g、有機ホウ素化合物(PA−4)7.83g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)159.92gを秤り取り、室温で撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.08g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.16gを添加し、撹拌しながら50℃で3時間反応させた。
目的物であるイソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
<有機ホウ素構造及びラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AD−2>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)38.44g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アルドリッチ社製)33.56g、有機ホウ素化合物(PA−4)3.6g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)140.4gを秤り取り、室温で撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.05g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.10gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。
目的物であるイソシアネート化合物(AD−2)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
<有機ホウ素構造及びラジカル重合性基を有するイソシアネート化合物AD−3>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、4,4’−(2−ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6−トリメチルフェノール) (東京化成工業(株)製)37.65g、イソホロンジイソシアネート(東京化成工業(株)製)89.66g、酢酸エチル127.31gを秤取り、50℃で撹拌した。次いで、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.25gを添加し、撹拌しながら50℃で3時間反応させ、イソシアネート化合物の中間体(AD−3A)を得た。
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、中間体(AD−3A)104.34g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アルドリッチ社製)21.29g、有機ホウ素化合物(PA−4)3.35g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)78.63gを秤り取り、室温で撹拌し、均一溶液とした。次いで、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル フリーラジカル(東京化成工業(株)製)0.04g、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.08gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。
目的物であるイソシアネート化合物(AD−3)35質量%溶液を得た。
(ポリオキシアルキレン鎖を有するイソシアネート化合物の合成)
<ポリオキシアルキレン鎖含有イソシアネート化合物AB−1の合成>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、ミリオネートMR−200(東ソー(株)製)30.75g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(ユニオックスM−4000:日油(株)製)36.00g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)123.96gを秤り取り、50℃で加熱しながら撹拌し、均一溶液とした。次いで、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.13gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。
ポリオキシアルキレン鎖を有するイソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液を得た。
上記溶液中には、未反応のミリオネートMR−200も残留していると考えられる。
<ポリオキシアルキレン鎖含有イソシアネート化合物AB−2の合成>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、タケネートD−110N(三井化学(株)製)30.28g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(ユニオックスM−4000:日油(株)製)30.32g、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)60.56gを秤り取り、50℃で加熱しながら撹拌し、均一溶液とした。次いで、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.13gを添加し、撹拌しながら50℃で5時間反応させた。ポリオキシアルキレン鎖を有するイソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液を得た。
(ポリマー粒子の合成)
<ポリマー粒子PN−1>
上記イソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−1)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−1)を得た。ポリマー粒子(PN−1)分散液の体積平均粒径は130nmであった。
<ポリマー粒子PN−2>
上記イソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−1)10質量%メチルエチルケトン溶液14.4gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−2)を得た。ポリマー粒子(PN−2)分散液の体積平均粒径は150nmであった。
<ポリマー粒子PN−3>
上記イソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−2)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−3)を得た。ポリマー粒子(PN−3)分散液の体積平均粒径は160nmであった。
<ポリマー粒子PN−4>
上記イソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−3)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−4)を得た。分散液中のポリマー粒子(PN−4)の体積平均粒径は120nmであった。
<ポリマー粒子PN−5>
上記イソシアネート化合物(AC−2)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−1)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−5)を得た。ポリマー粒子(PN−5)分散液の体積平均粒径は145nmであった。
<ポリマー粒子PN−6>
上記イソシアネート化合物(AC−3)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−1)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PN−5)を得た。ポリマー粒子(PN−5)分散液の体積平均粒径は150nmであった。
<ポリマー粒子PK−1>
上記イソシアネート化合物(AC−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−4)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とし、50℃で2時間撹拌した。これを室温まで冷却した後、これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−1)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−1)の体積平均粒径は120nmであった。
<ポリマー粒子PK−2>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−2)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−2)の体積平均粒径は180nmであった。
<ポリマー粒子PK−3>
上記イソシアネート化合物(AD−2)35質量%溶液30.0g、イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−3)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−3)の体積平均粒径は140nmであった。
<ポリマー粒子PK−4>
上記イソシアネート化合物(AD−3)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−4)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−4)の体積平均粒径は210nmであった。
<ポリマー粒子PK−5>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、有機ホウ素化合物(PA−3)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−5)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−5)の体積平均粒径は100nmであった。
<ポリマー粒子PK−6>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−6)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−6)の体積平均粒径は120nmであった。
<ポリマー粒子PK−7>
上記イソシアネート化合物(AD−2)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−7)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−7)の体積平均粒径は120nmであった。
<ポリマー粒子PK−8>
上記イソシアネート化合物(AD−3)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−8)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−8)の体積平均粒径は150nmであった。
<ポリマー粒子PK−9>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8g、有機ホウ素化合物(PA−3)10質量%メチルエチルケトン溶液6.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−9)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−9)の体積平均粒径は160nmであった。
<ポリマー粒子PK−10>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−1)35質量%溶液6.9g、赤外線吸収剤(K−1)10質量%メチルエチルケトン溶液3.4gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−10)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−10)の体積平均粒径は180nmであった。
<ポリマー粒子PK−11>
上記イソシアネート化合物(AD−1)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液6.9g、赤外線吸収剤(K−1)10質量%メチルエチルケトン溶液3.4gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−11)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−11)の体積平均粒径は190nmであった。
<ポリマー粒子PK−12>
上記イソシアネート化合物(AD−3)35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8g、赤外線吸収剤(K−1)10質量%メチルエチルケトン溶液3.4gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、ポリマー粒子(PK−12)を得た。分散液中のポリマー粒子(PK−12)の体積平均粒径は220nmであった。
(比較用化合物の合成)
<比較用イソシアネート化合物−1の合成>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、4,4’−(2−ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6−トリメチルフェノール) (東京化成工業(株)製)37.65g、イソホロンジイソシアネート(東京化成工業(株)製)89.66g、酢酸エチル127.31gを秤取り、50℃で撹拌した。次いで、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.25gを添加し、撹拌しながら50℃で3時間反応させた後、メチルエチルケトン109.12gを加え、比較用イソシアネート化合物−1の35質量%溶液を得た。
<比較用イソシアネート化合物−2の合成>
コンデンサー及び撹拌機を取り付けた3つ口フラスコに、4,4’−(2−ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6−トリメチルフェノール) (東京化成工業(株)製)18.83g、イソホロンジイソシアネート(東京化成工業(株)製)44.83g、酢酸エチル63.66gを秤取り、50℃で撹拌した。次いで、ネオスタンU−600(日東化成(株)製:ビスマス触媒)0.13gを添加し、撹拌しながら50℃で3時間反応させた。次いで、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アルドリッチ社製)18.19g、酢酸エチル18.19gを添加し、撹拌しながら50℃で4時間反応させた。メチルエチルケトン70.15gを加え、比較用イソシアネート化合物−2の35質量%溶液を得た。
<比較用ポリマー粒子−1の合成>
比較用イソシアネート化合物−1の35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、比較用ポリマー粒子−1を得た。分散液中の比較用ポリマー粒子−1の体積平均粒径は180nmであった。
<比較用ポリマー粒子−2の合成>
比較用イソシアネート化合物−2の35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、比較用ポリマー粒子−2を得た。分散液中の比較用ポリマー粒子−2の体積平均粒径は160nmであった。
<比較用ポリマー粒子−3の合成>
比較用イソシアネート化合物−2の35質量%溶液30.0g、上記イソシアネート化合物(AB−2)50質量%溶液4.8g、赤外線吸収剤(K−1)10質量%メチルエチルケトン溶液3.4gを秤り取り、均一溶解とした。これに水40gを混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで12分間かけて乳化した。その後、45℃で4時間撹拌した後、水を40g添加し、更に45℃で40時間撹拌し、比較用ポリマー粒子−3を得た。分散液中の比較用ポリマー粒子−3の体積平均粒径は170nmであった。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム板表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。アルミニウム板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。電解液は硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
続いて、0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、アルミニウム板に15質量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を形成した後、水洗、乾燥して支持体Aを作製した。陽極酸化皮膜の表層における平均ポア径(表面平均ポア径)は10nmであった。
陽極酸化皮膜の表層におけるポア径の測定は、超高分解能型SEM(日立S-900)を使用し、12Vという比較的低加速電圧で、導電性を付与する蒸着処理等を施すこと無しに、表面を15万倍の倍率で観察し、50個のポアを無作為抽出して平均値を求める方法で行った。標準誤差は±10%以下であった。
以下、上記支持体Aを支持体として使用した。
(下塗り層の形成)
上記支持体上に、下記組成の下塗り層塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/m2になるよう塗布して下塗り層を形成した。
<下塗り層塗布液(1)>
・ポリマー(P−1)〔下記構造〕:0.18部
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸:0.10部
・水:61.4部
(画像記録層の形成)
<画像記録層塗布液>
表5又は表6に記載の使用量に従って、各成分を固形分濃度が7.0質量%になるように混合した。表中の各素材の添加量(部)は、固形分量である。
表5又は表6中、「M−4/M−5 146/78」等の記載は、化合物M−4を146部、化合物M−5を78部含むことを意味している。
実施例における画像記録層塗布液は、本開示に係る感光性樹脂組成物又は本開示に係る樹脂組成物に該当する。
表中の各成分の詳細を下記に記載する。
〔バインダーポリマー〕
B−1:下記構造の化合物
上記化学式中、主鎖の添え字は各構成単位の含有量(モル比)を表し、エチレンオキシ基の添え字は繰り返し数を表す。
〔重合性化合物〕
M−1:トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、NKエステル A−9300、新中村化学工業(株)製
M−2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、SR−399、サートマー社製
M−3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、A−DPH 新中村化学工業(株)製
M−4:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、UA−510H 共栄社化学(株)製
M−5:エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ATM−4E 新中村化学工業(株)製
〔重合開始剤〕
I−1〜I−3:下記構造の化合物
上記構造中、TsOはトシラートアニオンを表す。
〔赤外線吸収剤〕
K−1〜K−3:下記構造の化合物
上記構造中、Phはフェニル基を表す。
〔ラジカル生成助剤〕
R−1:下記構造の化合物
〔酸発色剤〕
H−1:S−205 (福井山田化学工業(株)製)
H−2:GN−169 (山本化成(株)製)
H−3:Black−XV (山本化成(株)製)
H−4:Red−40 (山本化成(株)製)
〔親水性化合物〕
T−1:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
T−2:下記構造の化合物
T−3:ヒドロキシプロピルセルロース、Klucel M、Hercules社製
〔感脂化剤〕
C−1:下記構造の化合物
C−2:ベンジルジメチルオクチルアンモニウム・PF
C−3:下記構造の化合物
〔界面活性剤〕
W−1:下記構造の化合物
上記構造中、主鎖の添え字は各構成単位の含有比(質量比)を表す。
〔溶剤〕
S−1:2−ブタノン(MEK)
S−2:1−メトキシ−2−プロパノール(MFG)
S−3:メタノール
S−4:1−プロパノール
S−5:蒸留水
<保護層塗布液>
・無機層状化合物分散液(1)〔下記〕:1.5部
・ポリビニルアルコール(CKS50、日本合成化学工業(株)製、スルホン酸変性、 けん化度99モル%以上、重合度300)6質量%水溶液:0.55部
・ポリビニルアルコール(PVA−405、(株)クラレ製、けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液:0.03部
・界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)1質量%水溶液:0.86部
・イオン交換水:6.0部
上記保護層塗布液に用いた無機層状化合物分散液(1)の調製法を以下に示す。
〔無機層状化合物分散液(1)の調製〕
イオン交換水193.6gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
<平版印刷版原版の作製>
上記支持体上に、上記組成の下塗り層塗布液を乾燥塗布量が20mg/mになるように塗布して下塗り層を形成した。下塗り層上に、表5又は表6に記載の各画像記録層塗布液をバー塗布し、120℃で40秒間オーブン乾燥して、乾燥塗布量1.0g/mの画像記録層を形成した。
画像記録層塗布液は、ポリマー粒子を塗布直前に混合し撹拌することにより調製した。
必要に応じ、画像記録層上に、上記組成の保護層塗布液をバー塗布し、120℃で60秒間オーブン乾燥して、乾燥塗布量0.15g/mの保護層を形成した。
保護層を形成した例については、表5又は表6中の保護層の欄に「あり」と記載した。
<平版印刷版原版の評価>
上記のようにして作製した平版印刷版原版を、赤外線半導体レーザー搭載のKodak社製Magnus800 Quantumにて、出力27W、外面ドラム回転数450rpm、解像度2,400dpi(dot per inch、1 inchは2.54cm)の条件で露光(照射エネルギー110mJ/cm相当)した。露光画像にはベタ画像、及びAMスクリーン(Amplitude Modulated Screening)3%網点のチャートを含むようにした。
(1)機上現像性の評価
得られた露光済み原版を現像処理することなく、菊判サイズ(636mm×939mm)のハイデルベルグ社製印刷機SX−74のシリンダーに取り付けた。本印刷機には、不織布フィルターと温度制御装置を内蔵する容量100Lの湿し水循環タンクを接続した。湿し水S−Z1(富士フイルム(株)製)2.0質量%の湿し水80Lを循環装置内に仕込み、印刷インキとしてT&K UV OFS K−HS墨GE−M(T&K(株)製)を用い、標準の自動印刷スタート方法で湿し水とインキを供給した後、毎時10,000枚の印刷速度で特菱アート(76.5kg)紙に500枚印刷を行った。
上記機上現像において、非画像部にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測した。計測結果は表7に記載した。表7中、「100枚以上」の記載は、100枚の印刷用紙を用いた時点において、現像ができなかったことを示している。
(2)UV耐刷性
上述した機上現像性の評価を行った後、更に印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像部が磨耗するため印刷物上のインキ濃度が低下した。印刷物におけるAMスクリーン3%網点の網点面積率をグレタグ濃度計(GretagMacbeth社製)で計測した値が、印刷500枚目の計測値よりも1%低下したときの印刷部数を刷了枚数として耐刷性を評価した。印刷枚数が5万枚の場合を100とする相対耐刷性により評価した。数値が大きいほど、耐刷性が良好である。また、数値が大きいほど、本開示に係る感光性組成物の硬化後の耐薬品性に優れ、本開示に係る樹脂組成物の耐薬品性に優れるといえる。評価結果は表7に記載した。
相対耐刷性=(対象平版印刷版原版の印刷枚数)/50,000×100
(3)粒子中の有機ホウ素化合物の含有、不含の確認
画像記録層を塗布、乾燥した平版印刷版原版60cm(縦6cm横10cm)を1cmにカットし、遮光ビンに入れた。次いで、アセトン/メタノール=1/1(質量比)20mLを遮光ビンに添加し、密栓した後、室温で30分撹拌した。これを遠心分離機(12000回転/30分)にかけ、粒子を沈殿させた後、デカンテーションし、上澄みのアセトン/メタノールを捨てた。次いで、アセトン/メタノール=1/1(質量比)20mLを追加し、再度、遠心分離機(12,000回転/30分)にかけ、粒子を沈殿させ、デカンテーションし、上澄みのアセトン/メタノールを捨てた。残った粒子を取り出し、乾燥した後、赤外分光測定し、有機ホウ素アニオンの含有、不含を確認することで、有機ホウ素化合物の含有、不含(画像記録層における、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子の少なくとも一方の含有又は不含)を確認した。
(4)粒子中の有機ホウ素化合物
粒子中の有機ホウ素化合物量は、有機ホウ素アニオン量を定量することで行った。
画像記録層を塗布、乾燥した平版印刷版原版60cm(縦6cm横10cm)を1cmにカットし、遮光ビンに入れた。次いで、アセトン/メタノール=1/1(質量比)5mLを遮光ビンに添加し、密栓した後、室温で30分超音波照射した。これを0.5μmフィルターでろ過した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、有機ホウ素アニオン量(mmol)を定量する。
上記定量値をCとし、下記式Zから、画像記録層における、内包型ポリマー粒子又は有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含有されている有機ホウ素アニオン量(粒子中の有機ホウ素アニオン量、mmol)を算出した。
その後、平版印刷版原版1cmに含まれる内包型ポリマー粒子及び有機ホウ素構造型ポリマー粒子の合計含有質量(g)で除算することにより、ポリマー粒子に含まれるホウ素アニオンの含有量(mmol/g)を算出した。
測定結果は表7に記載した。
<式Z>
粒子中の有機ホウ素アニオン量=(A+B)−C
A=画像記録層における、内包型ポリマー粒子又は有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含有されている有機ホウ素アニオンの量(上述の合成方法からの計算値)
B=画像記録層における、内包型ポリマー粒子又は有機ホウ素構造型ポリマー粒子に含有されていない、有機ホウ素アニオン(表5〜表6中のラジカル生成助剤量)
C=画像記録層中の有機ホウ素アニオンの定量値(上記定量値)
<HPLC測定条件>
溶離液:メタノール/バッファー(トリエチルアミン、酢酸0.1%水溶液)=50/50
カラム:東ソー(株)製 TSK−GEL ODS−80Tm
測定波長:254nm
表7に記載した結果から、本開示に係る平版印刷版原版によれば、印刷において紫外線硬化型インキを用いた場合の耐刷性に優れる平版印刷版が得られることがわかる。

Claims (17)

  1. 親水性支持体上に、画像記録層を有し、
    前記画像記録層が、有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子、及び、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子の少なくとも一方と、赤外線吸収剤とを含む
    平版印刷版原版。
  2. 前記有機ホウ素化合物が、下記式Aにより表される化合物であるか、又は、前記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、請求項1に記載の平版印刷版原版。

    式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
    式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は前記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
  3. 前記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、前記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ポリオキシアルキレン基を含む、請求項1又は請求項2に記載の平版印刷版原版。
  4. 前記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、前記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ラジカル重合性基を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  5. 前記有機ホウ素化合物を内包するポリマー粒子に含まれるポリマー、又は、前記有機ホウ素構造を有するポリマーが、ウレア結合を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  6. 前記画像記録層の未露光部が、湿し水及び印刷インキの少なくとも一方により除去可能である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  7. 前記画像記録層が、重合開始剤、及び、重合性化合物を更に含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  8. 前記画像記録層が、バインダーポリマーを更に含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像様に露光し、露光部と未露光部とを形成する露光工程、及び、
    印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方を供給して前記未露光部を除去する機上現像工程を含む
    平版印刷版の製版方法。
  10. 有機ホウ素化合物を内包するか、又は、有機ホウ素構造を有するポリマーを含むポリマー粒子。
  11. 前記有機ホウ素化合物が下記式Aにより表される化合物であるか、又は、前記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、請求項10に記載のポリマー粒子。

    式A中、RB11〜RB14はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、ZB11は対カチオンを表す。
    式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は前記有機ホウ素構造を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
  12. 前記ポリマー粒子におけるポリマーが、ポリオキシアルキレン基を含む、請求項10又は請求項11に記載のポリマー粒子。
  13. 請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載のポリマー粒子と、
    赤外線吸収剤と、
    重合性化合物と、
    重合開始剤と、を含む
    感光性樹脂組成物。
  14. 有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基と、を有するポリマーを含む
    樹脂組成物。
  15. 前記有機ホウ素構造が、下記式Bにより表される構造である、請求項14に記載の樹脂組成物。

    式B中、XB21はカチオン構造を表し、RB21〜RB24はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、波線部は前記有機ホウ素構造と、ラジカル重合性基と、を有するポリマー中の他の構造との結合部位を表す。
  16. 前記ポリマーが、ポリオキシアルキレン基を更に有する、請求項14又は請求項15に記載の樹脂組成物。
  17. 赤外線吸収剤と、重合性化合物と、重合開始剤と、を更に含む、請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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