JP2019017177A - リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 - Google Patents
リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019017177A JP2019017177A JP2017132636A JP2017132636A JP2019017177A JP 2019017177 A JP2019017177 A JP 2019017177A JP 2017132636 A JP2017132636 A JP 2017132636A JP 2017132636 A JP2017132636 A JP 2017132636A JP 2019017177 A JP2019017177 A JP 2019017177A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- linear motor
- command value
- field element
- armature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B35/00—Piston pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by the driving means to their working members, or by combination with, or adaptation to, specific driving engines or motors, not otherwise provided for
- F04B35/04—Piston pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by the driving means to their working members, or by combination with, or adaptation to, specific driving engines or motors, not otherwise provided for the means being electric
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K41/00—Propulsion systems in which a rigid body is moved along a path due to dynamo-electric interaction between the body and a magnetic field travelling along the path
- H02K41/02—Linear motors; Sectional motors
- H02K41/03—Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02P—CONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
- H02P25/00—Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
- H02P25/02—Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
- H02P25/06—Linear motors
- H02P25/064—Linear motors of the synchronous type
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Control Of Linear Motors (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Linear Motors (AREA)
Abstract
Description
例えば、特許文献1には、リニア振動モータを制御するモータ駆動装置が開示され、モータ駆動装置は、モータドライバを有し、モータドライバは、推力定数を算出する演算処理が行われるよう上記リニア振動モータに直流電圧を印加する推力定数算出モード(非運転モード)と、リニア振動モータの通常運転が行われるよう上記リニア振動モータに交流電圧を印加する運転モードとを切り替える制御部を有する構成が記載されている。
そして特許文献1には、上記モータ駆動装置は、推力定数の算出に用いられる直流電圧印加時の推力検出値を求める推力検出部を備え、可動子の推力の検出は、可動子若しくは可動子が接する部位に取り付けられた圧力センサ或いは歪ゲージなどのセンサにより行われる旨開示されている。
そこで、本発明は、リニアモータの推力を検出するセンサをリニアモータ内に配することなく、巻線に流れる無効電流を抑制し、リニアモータを高効率に駆動し得るリニアモータシステム及びそれを有する圧縮機を提供する。
また、本発明に係るリニアモータシステムは、少なくとも、巻線が捲回された磁性体を有する電機子と、永久磁石を有する界磁子と、前記電機子又は前記界磁子に接続された弾性体とを有し、前記弾性体の変形に応じて前記界磁子と前記電機子の相対位置が変動することで、軸方向に前記界磁子と電機子を相対的に往復運動させるリニアモータと、前記巻線に電圧を印加する制御部と、を備え、前記制御部は、前記界磁子と前記電機子の相対位置の増加に応じて、前記巻線に印加する電圧の高調波成分含有率を高くすることを特徴とする。
また、本発明に係る圧縮機は、少なくとも、巻線が捲回された磁性体を有する電機子と、永久磁石を有する界磁子と、前記電機子又は前記界磁子に接続された弾性体とを有し、前記弾性体の変形に応じて前記界磁子と前記電機子の相対位置が変動することで、軸方向に前記界磁子と電機子を相対的に往復運動させるリニアモータと、前記巻線に電圧を印加する制御部と、を備え、前記界磁子に接続されるピストンがシリンダ内を往復運動することにより作動流体を圧縮する圧縮機であって、前記制御部は、前記巻線に印加する電圧のうち、前記電機子と前記界磁子の相対位置の変動により生じる磁束の変化率に基づき、印加する電圧成分の絶対値を、前記磁束の変化率が小さい相対位置で小さくすることを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、或る構成要素が他の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1のリニアモータシステム100の全体概略構成図である。リニアモータシステム100は、リニアモータ駆動装置101及びリニアモータ104とから構成される。後述するようにリニアモータ104は、相対移動する電機子9及び可動子6を有する。
リニアモータ駆動装置101は、位置検出器106、制御部102、及び電力変換回路105を有する。
位置検出器106は、電機子9に対する可動子6の相対位置(可動子位置)を検出する。本実施例では、可動子(界磁子)6が鉛直方向に移動するが、電機子9及び可動子(界磁子)6が相対移動すれば良く、電機子9が鉛直方向に移動する態様でも良い。また、電機子9及び可動子(界磁子)6が互いに異なる速度で鉛直方向(軸方向)に沿って往復運動する構成としても良い。何れの場合においても、鉛直方向(軸方向)に沿って移動する物体に共振バネ(アシストバネ)23の一端を接続することが好ましい。なお、以下では、可動子(界磁子)6が鉛直方向に往復運動する場合を一例として説明するが、往復運動の方向は鉛直方向に限られるものではない。例えば、可動子(界磁子)6が水平方向に往復運動するよう構成しても良く、また、鉛直方向に対し任意の角度を有する方向に可動子(界磁子)6が往復運動する構成としても良い。また、これらは、電機子9につても同様である。
制御部102は、位置検出器106の検出結果に応じて、電力変換回路105への出力電圧指令値、又は電力変換回路105を駆動するドライブ信号(パルス信号)を出力する。詳細は後述するが、電力変換回路105は、直流電圧源120(図19)の電圧を変換して交流電圧を出力する電力変換部の一例である。なお、直流電圧源120に代えて直流電流源を用いても良い。
図2はリニアモータ104の斜視図(電機子の構成例の斜視図)である。本実施例のリニアモータ104は、電機子9に対して、永久磁石2(2a,2b)が並んだ方向(前後方向)に相対移動可能な可動子6を有する。電機子9は空隙を介して上下方向に対向する2つの磁極7と、磁極7に捲回された巻線8とを有している。可動子6は、この空隙に配置されている。磁極7は、可動子6に対向する端面としての磁極歯70(ティースとも称される)を有している。
電機子9は、可動子6に対して前後方向の力(以下、推力と称する)を付与できる。例えば、後述するように、可動子6が前後方向に往復運動するように推力を制御できる。
可動子6は、上下方向に磁化した2つの平板状の永久磁石2(2a,2b)を有している。後側の永久磁石2a及び前側の永久磁石2bは、互いに反対方向に磁化されている。本実施例では、後側の永久磁石2aは上側にN極を有し、前側の永久磁石2bは上側にS極を有している。図2では、永久磁石2a,2bは図示しているが、可動子6は図示していない。可動子6としては、例えば、平板状の永久磁石2を固定した平板状のものを採用できる。
制御部102は、可動子6を永久磁石2a,2bが電機子9に対向する範囲で往復運動させるようにドライブ信号を出力する。
巻線8には磁束の時間微分に相当する電圧が誘起され、この電圧は一般的に、誘起電圧、逆起電圧、速度起電圧、などと称される。同じモータでも、可動子の速度に応じて変化し、例えば可動子の速度が高い場合に、誘起電圧が高くなる。
一方、図3において示す(2)の区間においては、磁束の変化の傾き(磁束の変化率)が一定ではないため、誘起電圧定数Keは可動子位置に依存する特性となる。つまり、図3のような特性のリニアモータにおいては、可動子(界磁子)位置が中心から離れて往復動する場合には、誘起電圧を算出するのが困難となるという課題がある。
リニアモータに流れる電流は、リニアモータに印加する電圧と誘起電圧の関係で定まる。そのため、誘起電圧を正しく算出できないと、印加電圧過多により無用に電流が増え、リニアモータの効率が低下するという問題が発生する。これは、リニアモータを駆動する回路の効率も低下するという問題が発生する。駆動回路の効率が低下すると、その分発熱量が増えるため、放熱フィンの面積を大きくする必要があり、システムが大型化してしまう。
図5は磁極歯70の磁化により、可動子6が受ける推力を説明する図である。巻線8に流れる電流により生じる磁極歯70の極性を、図中の磁極歯70近傍に付した「N」、「S」で表している。また、図5において白抜き矢印は巻線8を流れる電流の向きを示している。図5の左図は、巻線8を流れる電流により、上側の磁極歯70aが「S」、下部の磁極歯70bが「N」に磁化されることにより、可動子6が前方向に力を受け、可動子6が前に移動した例を示している。図5の右図は、巻線8を流れる電流により、上部の磁極歯70aが「N」、下部の磁極歯70bが「S」に磁化されることにより、可動子6が後ろ方向に力を受け、可動子6が後ろに移動した例を示している。
磁極歯70は磁性体であるため、永久磁石2を吸引する磁気吸引力が作用する。本実施例では可動子6を挟むよう間隙を介して2つの磁極歯70を対向配置しているため、可動子6に作用する磁気吸引力の合力を低減できる。
図6は、可動子6に接続される外部機構の説明図であり、例えば、コイルバネである共振バネ23(アシストバネ)によって構成される外部機構を可動子6の一端に接続し、そのバネ力により可動子6が戻される機構を説明する図である。共振バネ23は、一端が中間部24を介して可動子6に接続し、他端が基部25に固定されている。また、共振バネ23の延在方向と略平行に延在し、共振バネ23を案内又は支持する側部26が設けられている。リニアモータ104を往復運動させる場合、可動子6の運動方向が変わる度に、加速と減速を繰り返す。減速時は、可動子6の速度エネルギーが電気エネルギーに変換される(回生動作)が、リニアモータ104への配線の抵抗によって損失が生じる。一方、図6のように、可動子6に共振バネ23(アシストバネ)を付加し、可動子6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で、可動子6を往復運動させる場合、可動子6の速度エネルギーを有効活用でき、高効率なリニアモータ駆動システムを構成することができる。共振バネ23に代えて、例えば、板バネ、或は、適度なヤング率を有しコイルバネを用いた場合と同様に伸縮するゴム等の弾性体を用いても良い。このように構成すると、可動子(界磁子)6が鉛直方向に移動する可動子(界磁子)移動型として構成されるが、可動子6に代えて電機子9に弾性体を接続して電機子9を鉛直方向に移動させる電機子移動型として構成しても良い。
このように、共振周波数又はこの近傍の駆動周波数の交流電圧を印加することで、大きなストローク(大きなエネルギー)で振動させることができる。つまり、可動子6に共振バネ23等の弾性体を付加したリニアモータ104を制御する場合には、可動子6の共振周波数を検出あるいは推定することが重要である。可動子6のストロークを所望に制御する場合においても可動子6の共振周波数を検出あるいは推定することが重要である。
図8は、可動子の位置と可動子の速度との位相関係、及び印加電圧とモータ電流の位相関係の説明図である。リニアモータ104を駆動した際の、図8の上図に可動子6の位置と速度の時間変化、図8の下図に印加電圧波形とリニアモータ104に流れる電流の時間変化の関係を示している。なお、図8の上図と下図は、同じタイミングの波形である。図9は、図8の交流波形をベクトルとして示した図である。共振バネ23を有する外部機構を接続した可動子6を往復運動させると、可動子6の変位は正弦波状に変化する。可動子6の速度は変位の時間微分であるため、余弦波状に変化する。そのため、これらは直交2軸上にベクトルとして示すことができる。図8および図9より、可動子6の速度、印加電圧、およびモータ電流はほぼ同位相であることがわかる。
また、可動子6に共振バネ23を付加し、可動子6の質量とバネ定数から定まる機械的な共振周波数で可動子6を往復運動させる場合、可動子6の位置の位相は、巻線8への印加電圧Vm、モータ電流Im、及び可動子6の速度の位相それぞれに対して90度の位相差となることが知られている。すなわち、これらの何れかの関係が成立している時は、共振周波数で駆動していると推定できる。
製造バラつきによって可動子6の質量が想定からずれている場合や、可動子6に付加された負荷要素によって、共振バネ23に接続される質量が変化する場合は、共振周波数が変化してしまう。また、可動子6に付加された負荷要素が位置依存性を有する場合においては、駆動中に共振周波数が変化してしまう。このような場合においても所望のストロークを得るためには、条件によって変化する共振周波数を高精度に検出あるいは推定することが好ましい。
<制御部102>
図1に示すように、制御部102は、位相差検出器130、位相差検出器130の出力である位相差dltθが位相差指令値に追従するように駆動周波数指令値ω*を調整する駆動周波数調整器131、積分器140、電圧指令値Vm*を出力する電圧指令値作成器103、及び、電圧指令値Vm*と三角波キャリア信号を比較して、電圧を出力する電力変換回路105を駆動するドライブ信号を出力するPWM信号作成器134から構成される。
以下、制御部102を構成する上述の各部の構成或いは動作について説明する。
本実施例の位相指令値である基準位相θ*は、図1に示す駆動周波数調整器131の出力である駆動周波数指令値ω*を基準位相作成器としての積分器140で積分することで得る。すなわち、基準位相θ*は、印加電圧Vm(θ*)の目標周波数に相当する駆動周波数指令値ω*を持つ波動の各時刻の位相θ*である。このように、本実施例では基準位相θ*として駆動周波数調整器131の駆動周波数指令値ω*を用いているが、例えば可動子6を含む振動体の機械共振周波数に固定しても良い。
基準位相θ*は、駆動周波数指令値ω*が一定の間は、例えば、各時刻に対して[−π,π]、[0,2π]、又はこれより広い範囲を値域とする、のこぎり波としたり、時刻に対して線形に増加するようにしても良い。後述するように駆動周波数指令値ω*が変動した場合は、これに応じてのこぎり波や線形な増加の形状が変動する(傾きが変化する)。
可動子6が往復運動している場合、可動子6の位置xm及び速度、モータ電流Imは周期関数となる。周期関数はフーリエ級数で表せるため、フーリエ変換式を用いて可動子6の位置xmを表すと、次式(1)のように定義できる。
積分器94a,94bの出力を逆正接器86に入力する。逆正接器86は、入力された正弦及び余弦成分を基に逆正接値を出力する。本実施例の逆正接器86は、分子を積分器94aの出力、分母を積分器94bの出力とした位相の逆正接値を出力するが、分子と分母を逆にした値を出力しても良い。
したがって、可動子6の位置xmの検出方法として、ノイズが重畳され易いシステム、例えばインダクタンスの可動子位置依存性が大きいシステムや、近傍に別の機器が存在するシステムを採用する場合に、特に有効な制御を実現できる。このように、高精度に共振周波数を検出あるいは推定し、高効率なリニアモータ駆動を実現することができる。
図12は、図1に示す制御部102を構成する駆動周波数調整器131の構成例を示す説明図である。駆動周波数調整器131は、位相差指令値dltθ*(例えば、0°)と位相差検出器130で求めた位相差dltθの差を減算器91で求め、これに乗算器92bで比例ゲインKp_adtrを乗じて比例制御した演算結果と、乗算器92cで積分ゲインKi_adtrを乗じ、その結果を積分器94cで積分する積分制御した演算結果とを加算器90で加算し、当該加算結果に更に周波数指令初期値(ω0)を加算することで駆動周波数指令値ω*を出力する。
なお、周波数指令初期値(ω0)は、上位の制御器(図示せず)から得ても良いし、予め例えば0°と設定しても良い。また、本実施例の駆動周波数調整器131は、比例積分制御の構成であるが、比例制御や積分制御など、他の制御構成も適用できる。
リニアモータ104を可動子6の質量とバネ定数から定まる機械的な共振周波数で駆動する場合の位相差検出器130と駆動周波数調整器131の動作を説明する。
例えば、可動子6の質量が設計値よりも重かった場合、実際の共振周波数は、設計値よりも低くなる。つまり、可動子6の質量設計値を用いて駆動周波数の初期値を決めた場合(設計値を利用して駆動周波数指令値ω*の初期値を決めた場合)には、実際の共振周波数よりも高い周波数で駆動することになる。この時、位相差検出器130で求めた位相差dltθは、位相差指令値dltθ*よりも大きい値となる。そのため、駆動周波数調整器131は、駆動周波数指令値ω*を減少させる制御を実行し、その結果、駆動周波数指令値ω*が実際の共振周波数に一致する。したがって、可動子6の速度エネルギーを有効活用でき、高効率にリニアモータ104を駆動することができる。
図13は、図1に示す制御部102を構成する電圧指令値作成器103の構成例を示す説明図である。電圧指令値作成器103は、可動子6の速度に応じて生じる誘起電圧に相当する電圧指令値Vm2 *を生成する。
図13の上図は、ストローク制御器を有しない、いわゆるオープン指令型の構成例である。電圧指令値作成器103は、余弦演算器82b、乗算器92d〜92f、及び端部誘起電圧調整器133を備える。
電圧指令値作成器103は、予め設定された、或は、上位の制御器(図示せず)などから得るストローク指令値l*と、駆動周波数調整器131の出力である駆動周波数指令値ω*と、基準位相作成器としての積分器140の出力である基準位相θ*と、位置検出器106の出力である可動子位置xmと、を入力する。
ここで、駆動するリニアモータ104の特性として、可動子位置に対する電機子9の鎖交磁束の変化が図3に示した様な特性の場合、ストロークが大きい場合には誘起電圧定数Ke*を一定とは見做すことができない。
仮に、誘起電圧定数Ke*を一定として電圧指令値Vm1 *を作成した場合、ストロークの端部(正の最大変位および負の最大変位)近傍で印加電圧過多(印加電圧>誘起電圧)となり、無駄な電流が流れることで、リニアモータの効率が低下する。
また、リニアモータの効率のみならず、後述する電力変換回路105での損失も増える。さらに、大電流に対応するために、電流容量の大きな(一般的に面積の大きい)スイッチング素子を使う必要がある。その結果、電力変換回路自体や放熱フィンが大きくなってしまい、リニアモータ駆動装置101の小型化が困難となる。
そこで、本実施例では、誘起電圧定数Ke*が一定とした場合の誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *に、乗算器92fにて端部誘起電圧調整器133の出力である端部誘起電圧調整ゲインを乗ずることで、リニアモータ104に印加する電圧指令値Vm2 *を生成する。詳細後述する端部誘起電圧調整器133は、位置検出器106より可動子位置xmを入力し、可動子位置xmに対応する端部誘起電圧調整ゲインを出力するものである。
電圧指令値作成器103bは、予め設定された、或は、上位の制御器(図示せず)などから得るストローク指令値l*と、駆動周波数調整器131の出力である駆動周波数指令値ω*と、基準位相作成器としての積分器140の出力である基準位相θ*と、位置検出器106の出力である可動子位置xmと、を入力する。
速度指令値vm*に、誘起電圧定数Ke*を乗算器92eにて乗じ、誘起電圧定数Ke*が一定とした場合の誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *を生成する。誘起電圧定数Ke*が一定とした場合の誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *に、乗算器92fにて端部誘起電圧調整器133の出力である端部誘起電圧調整ゲインを乗ずることで、リニアモータ104に印加する電圧指令値Vm2 *を生成する。
すなわち、電圧指令値作成器103bは、位置検出器106の出力である可動子位置xmの相当するストローク検出値またはストローク推定値をフィードバックし、ストローク制御器153でストローク指令値を制御する。
図14は、図13に示す電圧指令値作成器103,103aを構成する端部誘起電圧調整器133の第1の構成例を示す説明図である。端部誘起電圧調整器133は、位置検出器106の出力である可動子位置xmを入力とし、端部誘起電圧調整ゲインを出力する。端部誘起電圧調整ゲインの決め方は、様々な形態が考えられる。いずれの形態においても、磁束の変化率が小さい可動子位置xmにおいて、印加電圧のうち、磁束の変化に応じて印加する電圧成分を小さくする。
そのため、端部誘起電圧調整ゲインを略ゼロとすることで、誘起電圧定数Ke*が一定として誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *を生成する場合においても、電圧指令値作成器103,103aから出力される電圧指令値Vm2 *は、略ゼロとなる。これにより、リニアモータ104に印加される電圧は、リニアモータ104の誘起電圧の変化に応じて調整され、印加電圧が過多となることを防止できる。
従って、巻線8を流れる無駄な電流を抑制でき、リニアモータ104を高効率で駆動することができる。また、電力変換回路105での損失も抑制できることから、必要最小限の電流容量のスイッチング素子や放熱フィンを採用でき、リニアモータ駆動装置101の小型化を実現することができる。
なお、図14に示す可動子位置とゲインとの関係を示す特性曲線は、端部誘起電圧調整器133内の予め図示しない記憶部に格納されている。端部誘起電圧調整器133は、記憶部に格納される可動子位置とゲインとの関係を示す特性曲線に基づき、入力される可動子位置xmに対応するゲインを端部誘起電圧調整ゲインとして出力する。
可動子6が中心付近に位置する場合は、電機子差交磁束の傾き(磁束の変化率)は1に近くなるため、端部誘起電圧調整器133aは端部誘起電圧調整ゲインとして1を出力する。ストロークが少し大きくなると(例えば、8mm)、電機子差交磁束の傾き(磁束の変化率)が小さくなるため、それに応じて端部誘起電圧調整ゲインを1より小さい値にする。さらにストロークが大きくなり、可動子6が端部(上死点または下死点)まで往復動する場合においては、可動子位置が±10mm近傍においては、端部誘起電圧調整ゲインとしてゼロに近い値を出力する。
なお、図17の下図において、点線で囲まれる領域(ゼロクロス近傍)における電圧波形の歪は、高調波成分の含有に因るものである。すなわち、上述の図14〜図16に示した可動子位置とゲインとの関係を示す特性曲線に基づき、可動子6が端部(上死点または下死点)近傍に位置するとき、端部誘起電圧調整器が出力する端部誘起電圧調整ゲインを、乗算器92f(図13)にて乗ずると、電圧指令値作成器103,103aより出力される電圧指令値Vm2 *の電圧波形は、3次成分の高調波が重畳された波形、すなわち、1次成分に3次成分の高調波が含まれた波形となる。よって、リニアモータ駆動装置101は、ストロークの増加に伴いゼロクロス近傍での高調波成分の含有率を高くし、印加電圧をリニアモータ104へ出力する。
図18は、図13の下図に示す電圧指令値作成器103aを構成するストローク制御器153の構成例を示す説明図である。図18に示すように、ストローク制御器153は、ストローク指令値l*と、可動子位置xmに対応するストローク検出値またはストローク推定値の差を減算器91aで求め、これに乗算器92dで比例ゲインKp_astrを乗じて比例制御した演算結果と、乗算器92eで積分ゲインKi_astrを乗じ、その結果を積分器94dで積分する積分制御した演算結果とを加算器90aで加算し、調整後のストローク指令値l**を出力する。本実施例のストローク制御器153は比例積分制御の構成であるが、比例制御や積分制御など、他の制御構成も適用できる。
図1に示す制御部102を構成するPWM信号作成器134には、三角波のキャリア信号と電圧指令値Vm*を比較することによる既知のパルス幅変調を用い、電圧指令値Vm*に応じたドライブ信号が生成され、生成されたドライブ信号は電力変換回路105へ出力される。
図19は、図1に示すリニアモータ駆動装置101を構成する電力変換回路105の構成例を示す図である。フルブリッジ回路126は、制御部102により入力されたドライブ信号に応じて直流電圧源120をスイッチングして、リニアモータ104に電圧を出力する。フルブリッジ回路126は4つのスイッチング素子122を備えており、直列接続されたスイッチング素子122a,122bを持つ第一上下アーム(以下、U相と称する)と、スイッチング素子122c,122dを持つ第二上下アーム(以下、V相と称する)と、を構成している。スイッチング素子122は、制御部102で生成される電圧指令値Vm*やパルス幅変調によるドライブ信号を基に、ゲートドライバ回路123が出力するパルス状のゲート信号(124a〜124d)に応じてスイッチング動作できる。
スイッチング素子122の導通状態(オン/オフ)を制御することにより、直流電圧源120の直流電圧を交流電圧に相当する電圧を巻線8に出力できる。なお、直流電圧源120に代えて直流電流源を用いても良い。スイッチング素子122としては、例えば、IGBTやMOS−FETなどの半導体スイッチング素子を採用できる。
電力変換回路105の第一上下アームのスイッチング素子122a,122b間および第二上下アームのスイッチング素子122c,122d間それぞれが、リニアモータ104に接続されている。図19では、上側及び下側の電機子9の巻線8が並列に接続されている例を示しているが、巻線8を直列に接続することもできる。
図20は、本発明の他の実施例に係る実施例2の密閉型圧縮機の縦断面図であり、リニアモータ104を有する密閉型圧縮機50の縦断面図の一例である。密閉型圧縮機50は、圧縮要素20と電動要素30とが密閉容器3内に配置されたレシプロ圧縮機である。圧縮要素20及び電動要素30は支持ばね49によって密閉容器3内に弾性的に支持されている。電動要素30は、可動子(界磁子)6及び電機子9を含む。
圧縮要素20、はシリンダ1aを形成するシリンダブロック1と、シリンダブロック1の端面に組み立てられるシリンダヘッド16と、吐出室空間を形成するヘッドカバー17とを備えている。シリンダ1a内に供給された作動流体はピストン4の往復動によって圧縮され、圧縮された作動流体は圧縮機外部に連通する吐出管(図示せず)へと送られる。なお、作動流体は、例えば、空気や冷凍サイクルの冷媒などを採用できる。
可動子6に共振バネ23(図20中では図示せず)を付加し、可動子(界磁子)6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数で可動子(界磁子)6を往復運動させる場合、圧縮要素20による共振周波数への影響も考慮する必要がある。すなわち、圧縮要素20の吸込圧力や吐出空間の圧力によって、作動流体のバネ的な作用が加わるため、共振状態となる周波数が変化する。すなわち、シリンダ1aの圧力が高い場合には、可動子(界磁子)6に付加された共振バネ23のバネ定数が高いのと等価であり、共振周波数は高くなる。反対に、シリンダ1aの圧力が低い場合には、可動子(界磁子)6に付加された共振バネ23のバネ定数が支配的となり、共振周波数は、可動子(界磁子)6の質量とバネ定数から決まる機械的な共振周波数に近い。
それに加え、誘起電圧定数Ke*を一定として電圧指令値を作成した場合、ストロークの端部(正の最大変位および負の最大変位)近傍で印加電圧過多(印加電圧>誘起電圧)となり、無駄な電流が流れることで、リニアモータ104の効率が低下するという課題がある。
図23は、図21に示す制御部202を構成する負荷電流検出器の構成例を示す説明図である。本実施例の負荷電流検出器150は、フーリエ変換式を用いて負荷電流成分の振幅を抽出する。
負荷電流検出器150は、図10に示した位相差検出器130の構成と同様に、入力値の正弦を出力する正弦演算器81と、入力値の余弦を出力する余弦演算器82のそれぞれに、位相指令値である基準位相θ*を入力し、基準位相θ*に対する正弦及び余弦を得る。正弦及び余弦それぞれをモータ電流Imと乗算した値が乗算器92からそれぞれ出力される。その出力をそれぞれ積分器94e,94fで積分すると、正弦及び余弦それぞれの1次のフーリエ係数を得る。すなわち、フーリエ展開の駆動周波数ωより高次の周波数成分を消去できるので、高次のノイズに対してロバストに構成できる。
なお、図24には1次遅れフィルタの構成例を示したが、1次遅れフィルタに限らず、2次遅れフィルタ等、他の既知の構成でローパスフィルタを構成しても良い。
図25は、図21に示す制御部202を構成する電圧指令値作成器103bの構成例を示す説明図である。図25に示すように、電圧指令値作成器103bは、基準位相θ*と、後述する位置推定器135の出力である位置推定値xm^と、負荷電流検出器150で検出した負荷電流Im_ldを入力し、可動子(界磁子)6の速度に応じて生じる誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *と、リニアモータ104の抵抗及びインダクタンスによる電圧降下分に相当する電圧指令値Vm3 *をベクトル加算した電圧指令値Vm2 *を出力する。
このように、誘起電圧に相当する電圧指令値Vm1 *に対し、リニアモータ104の抵抗及びインダクタンスによる電圧降下分に相当する電圧指令値Vm3 *をベクトル加算することで、負荷電流Im_ldに応じて電圧指令値Vm2 *の振幅が増加すると共に、交流電圧指令位相θVm *の分、位相が進んだ、単相の交流電圧指令値Vm2 *が出力される。つまり、可動子6のストロークが同じ、換言すれば、速度指令値vm*が同じでも、負荷条件に応じて電圧指令値Vm2 *を適切に制御する。
なお、負荷電流Im_ldとインダクタンス値Lm *を乗じた値のみに、端部誘起電圧調整器133と同様な構成で、ゲインをかけることも可能である。
可動子(界磁子)6の位置推定は、リニアモータ104に印加する電圧Vmと、リニアモータ104に流れる電流Imを利用して、例えば次式(6)で位置推定値xm^を求める。
上述の実施例1では、図10に示した位相差検出器130が、可動子(界磁子)6の位置xmおよび基準位相θ*を入力し、位相差dltθを算出する構成としていた。これに対し本実施例では、モータ電流Imを用いることにより、次式(7)に示すように基準位相θ*に対するモータ電流Imの位相を算出できる。これは、上述の通り、共振周波数が想定値から変化した場合、その影響はモータ電流Imの位相関係から見て取れるからである。
積分器94a,94bの出力を逆正接器86に入力する。逆正接器86は、入力された正弦及び余弦成分を基に逆正接値を位相差推定値dltθ^として出力する。本実施例の逆正接器86は、分子を積分器94aの出力、分母を積分器94bの出力とした位相の逆正接値を出力するが、分子と分母を逆にした値を出力しても良い。
このようにモータ電流Imを用いて高精度に共振周波数を検出あるいは推定することにより、高効率なリニアモータ駆動装置201を実現することができる。
図29は、図21に示すリニアモータ駆動装置201を構成する電力変換回路105の構成例を示す図である。電力変換回路105の構成およびリニアモータ104との結線については上述の実施例1と同様であるため説明を省略する。図29に示すように、U相下アームとV相下アームには、例えばCT(カレントトランス)等の電流検出器107を設けられている。これにより、リニアモータ104の巻線8に流れる電流Imを検出できる。
電力変換回路105とリニアモータ104との間の結線には、電圧計193が挿入されている。これにより、リニアモータ104に印加される線間電圧を測定する。なお、この電圧計は、各相の電位と、直流電圧源120のN(マイナス)側との電位との差を各相の電圧として検出しても良い。
リニアモータ104には、制御部102により入力されたドライブ信号に応じて直流電圧源120をスイッチングして電圧印加されている。電圧計193で検出する電圧波形は、パルス幅変調したパルス状の波形となる。リニアモータ駆動装置101,201が正しく構成されているか検証するためには、基本波成分が重要となる。検証装置190の内部に設けられたローパスフィルタ191は、電圧計193により検出される電圧波形から駆動周波数成分を出力する。
ここで、駆動周波数成分を出力する簡易的な方法としては、例えば、制御部102を構成するPWM信号作成器134の三角波キャリア信号(通常は、数kHz〜数十kHz)の1/5〜1/10程度のより低い遮断周波数を有するローパスフィルタ(低域通過フィルタ、LPF)191を用いる。
記録装置194にて、ストローク或いは可動子位置と、駆動周波数成分の電圧波形を確認し、上述の図17に示したように、小ストローク時と大ストローク時での電圧波形の変化を測定することにより、制御部102(実施例1)または制御部202(実施例2)が所定の動作を行っているか否かを検証することができる。
図31は、本発明の他の実施例に係る実施例3のエアサスペンションシステム300の回路図であり、図32は図31に示すエアサスペンションシステム300を搭載した車両の概略図である。但し、図32においては、後述する分配点309N及びこれよりエアサスペンション301,302側の構成要素のみを図示している。
更にまた、上述の実施例2に示した圧縮機は、凝縮器及び蒸発器を有する冷蔵庫において、液冷媒を圧送する圧縮機にも適用可能である。また、圧縮機の駆動を制御するリニアモータ駆動装置として、上述の実施例1または実施例2に示したリニアモータ駆動装置を採用することができる。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手続き等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成や機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。
リニアモータ104は、単相機として説明したが、三相機であっても本発明の構成を適用することができ、同様の効果を奏し得る。
電力変換回路105は、電流を出力する態様であっても良い。この場合、電圧指令値作成器に代えて電流指令値作成器を設ければ良い。
1a…シリンダ
2…永久磁石
3…密閉容器
4…ピストン
6…可動子(界磁子)
7…磁極
8…巻線
9…電機子
16…シリンダヘッド
17…ヘッドカバー
20…圧縮要素
23…共振バネ(アシストバネ)
30…電動要素
50…密閉型圧縮機
100,200…リニアモータシステム
101,201…リニアモータ駆動装置
102,202…制御部
103,103a,103b,103c…電圧指令値作成器
104…リニアモータ
105…電力変換回路
106…位置検出器
107…電流検出器
126…フルブリッジ回路
130,130a…位相差検出器
131…駆動周波数調整器
133,133a,133b,133c,133d…端部誘起電圧調整器
134…PWM信号作成器
135…位置推定器
140…積分器
150,150b…負荷電流検出器
153…ストローク制御器
190…検証装置
300…エアサスペンションシステム
600…検証システム
Claims (13)
- 少なくとも、巻線が捲回された磁性体を有する電機子と、永久磁石を有する界磁子と、前記電機子又は前記界磁子に接続された弾性体とを有し、前記弾性体の変形に応じて前記界磁子と前記電機子の相対位置が変動することで、軸方向に前記界磁子と電機子を相対的に往復運動させるリニアモータと、
前記巻線に電圧を印加する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記巻線に印加する電圧のうち、前記電機子と前記界磁子の相対位置の変動により生じる磁束の変化率に基づき、印加する電圧成分の絶対値を、前記磁束の変化率が小さい相対位置で小さくすることを特徴とするリニアモータシステム。 - 少なくとも、巻線が捲回された磁性体を有する電機子と、永久磁石を有する界磁子と、前記電機子又は前記界磁子に接続された弾性体とを有し、前記弾性体の変形に応じて前記界磁子と前記電機子の相対位置が変動することで、軸方向に前記界磁子と電機子を相対的に往復運動させるリニアモータと、
前記巻線に電圧を印加する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記界磁子と前記電機子の相対位置の増加に応じて、前記巻線に印加する電圧の高調波成分含有率を高くすることを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項1に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記制御部は、前記電機子と前記界磁子の相対位置が所定値を超えた場合、前記巻線に印加する電圧のうち、前記磁束の変化率に応じて印加する電圧成分の絶対値を小さくすることを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項2に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記制御部は、前記電機子と前記界磁子の相対位置が所定値を超えた場合、前記巻線に印加する電圧の高調波成分含有率を高くすることを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項3又は請求項4に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記制御部は、
少なくとも位置検出器により検出された前記界磁子の位置と、基準位相及び周波数指令値に基づき第1の電圧指令値を生成する電圧指令値作成器を備え、
前記電圧指令値作成器は、予め界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線を有し、前記位置検出器により検出された前記界磁子の位置に応じたゲインを端部誘起電圧調整ゲインとして出力する端部誘起電圧調整器を有し、
前記電圧指令値作成器は、前記端部誘起電圧調整ゲインを前記第1の電圧指令値に乗じて前記リニアモータへ出力することを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項5に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線は、前記界磁子の位置が所定値を超える範囲でゲインが減少する曲線であることを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項3又は請求項4に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記制御部は、
少なくとも電流検出器により検出された前記巻線を流れる電流検出値に基づき、前記界磁子の位置を推定する位置推定器と、
前記位置推定器による前記界磁子の位置推定値と、基準位相及び周波数指令値に基づき第1の電圧指令値を生成すると共に、前記電流検出値により得られる負荷電流及び前記基準位相に基づき電圧降下分に相当する第2の電圧指令値を生成する電圧指令値作成器を備え、
前記電圧指令値作成器は、予め界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線を有し、前記位置推定器による前記界磁子の位置推定値に応じたゲインを端部誘起電圧調整ゲインとして出力する端部誘起電圧調整器を有し、
前記電圧指令値作成器は、前記端部誘起電圧調整ゲインを前記第1の電圧指令値に乗じで前記第2の電圧指令値に加算して、又は、前記第1の電圧指令値と前記第2の電圧指令値の加算結果に前記端部誘起電圧調整ゲインを乗じて、前記リニアモータへ出力することを特徴とするリニアモータシステム。 - 請求項7に記載のリニアモータシステムにおいて、
前記界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線は、前記界磁子の位置が所定値を超える範囲でゲインが減少する曲線であることを特徴とするリニアモータシステム。 - 少なくとも、巻線が捲回された磁性体を有する電機子と、永久磁石を有する界磁子と、前記電機子又は前記界磁子に接続された弾性体とを有し、前記弾性体の変形に応じて前記界磁子と前記電機子の相対位置が変動することで、軸方向に前記界磁子と電機子を相対的に往復運動させるリニアモータと、
前記巻線に電圧を印加する制御部と、を備え、
前記界磁子に接続されるピストンがシリンダ内を往復運動することにより作動流体を圧縮する圧縮機であって、
前記制御部は、前記巻線に印加する電圧のうち、前記電機子と前記界磁子の相対位置の変動により生じる磁束の変化率に基づき、印加する電圧成分の絶対値を、前記磁束の変化率が小さい相対位置で小さくすることを特徴とする圧縮機。 - 請求項9に記載の圧縮機において、
前記制御部は、前記電機子と前記界磁子の相対位置が所定値を超えた場合、前記巻線に印加する電圧のうち、前記磁束の変化率に応じて印加する電圧成分の絶対値を小さくすることを特徴とする圧縮機。 - 請求項10に記載の圧縮機において、
前記制御部は、
少なくとも電流検出器により検出された前記巻線を流れる電流検出値に基づき、前記界磁子の位置を推定する位置推定器と、
前記位置推定器による前記界磁子の位置推定値と、基準位相及び周波数指令値に基づき第1の電圧指令値を生成すると共に、前記電流検出値により得られる負荷電流及び前記基準位相に基づき電圧降下分に相当する第2の電圧指令値を生成する電圧指令値作成器を備え、
前記電圧指令値作成器は、予め界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線を有し、前記位置推定器による前記界磁子の位置推定値に応じたゲインを端部誘起電圧調整ゲインとして出力する端部誘起電圧調整器を有し、
前記電圧指令値作成器は、前記端部誘起電圧調整ゲインを前記第1の電圧指令値に乗じで前記第2の電圧指令値に加算して、又は、前記第1の電圧指令値と前記第2の電圧指令値の加算結果に前記端部誘起電圧調整ゲインを乗じて、前記リニアモータへ出力することを特徴とする圧縮機。 - 請求項11に記載の圧縮機において、
前記界磁子の位置とゲインとの関係を示す特性曲線は、前記界磁子の位置が所定値を超える範囲でゲインが減少する曲線であることを特徴とする圧縮機。 - 車体側と車輪側との間に介装され作動流体の給排に応じて車高調整を行う複数のエア室に、請求項9乃至請求項12のうちいずれか1項に記載の圧縮機により圧縮された作動流体を供給するエアサスペンションシステム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017132636A JP6899720B2 (ja) | 2017-07-06 | 2017-07-06 | リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 |
PCT/JP2018/018678 WO2019008909A1 (ja) | 2017-07-06 | 2018-05-15 | リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017132636A JP6899720B2 (ja) | 2017-07-06 | 2017-07-06 | リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019017177A true JP2019017177A (ja) | 2019-01-31 |
JP6899720B2 JP6899720B2 (ja) | 2021-07-07 |
Family
ID=64949855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017132636A Active JP6899720B2 (ja) | 2017-07-06 | 2017-07-06 | リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6899720B2 (ja) |
WO (1) | WO2019008909A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023013230A1 (ja) * | 2021-08-05 | 2023-02-09 | 日立Astemo株式会社 | リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012056844A1 (ja) * | 2010-10-26 | 2012-05-03 | 村田機械株式会社 | リニアモータ制御装置 |
WO2017006744A1 (ja) * | 2015-07-03 | 2017-01-12 | 株式会社日立製作所 | モータシステム及びこれを備える機器 |
WO2017051792A1 (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エアサスペンションシステム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001190088A (ja) * | 1999-12-28 | 2001-07-10 | Nikon Corp | モータ装置、ステージ装置、露光装置、デバイス、モータの駆動方法、ステージ装置の駆動方法、露光方法、および、デバイスの製造方法 |
-
2017
- 2017-07-06 JP JP2017132636A patent/JP6899720B2/ja active Active
-
2018
- 2018-05-15 WO PCT/JP2018/018678 patent/WO2019008909A1/ja active Application Filing
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012056844A1 (ja) * | 2010-10-26 | 2012-05-03 | 村田機械株式会社 | リニアモータ制御装置 |
WO2017006744A1 (ja) * | 2015-07-03 | 2017-01-12 | 株式会社日立製作所 | モータシステム及びこれを備える機器 |
WO2017051792A1 (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エアサスペンションシステム |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023013230A1 (ja) * | 2021-08-05 | 2023-02-09 | 日立Astemo株式会社 | リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019008909A1 (ja) | 2019-01-10 |
JP6899720B2 (ja) | 2021-07-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018070339A1 (ja) | リニアモータ制御装置及びこれを搭載した圧縮機 | |
JP6220967B2 (ja) | リニアモータ及びリニアモータを搭載した機器 | |
JP6723479B1 (ja) | 電動機駆動装置、圧縮機駆動装置および冷凍サイクル装置 | |
WO2017006744A1 (ja) | モータシステム及びこれを備える機器 | |
JP6965048B2 (ja) | リニアモータシステム | |
JP6899720B2 (ja) | リニアモータシステム及びそれを有する圧縮機 | |
Suzuki et al. | Position sensor-less resonant frequency estimation method for linear compressor with assist springs | |
WO2019154092A1 (zh) | 一种用于线性压缩机的行程估算方法和装置 | |
JP6964022B2 (ja) | リニア圧縮機及びリニア圧縮機制御システム | |
JP6591668B2 (ja) | リニアモータシステム及び圧縮機 | |
JP6916053B2 (ja) | リニアモータシステム | |
WO2023013230A1 (ja) | リニアモータ制御装置及びこれを備えたサスペンションシステム、並びにリニアモータ制御方法 | |
Park et al. | Modeling of non-linear analysis of dynamic characteristics of linear compressor | |
Shin | Study on High Performance Control of Switched Reluctance Motor for Industrial Servo Drive Application | |
KR101528473B1 (ko) | 리니어 압축기의 스트로크 위상 제어 장치 및 방법 | |
JP2009017755A (ja) | リニアモータ制御装置およびスターリング機関 | |
Kimpara | Mitigation of Torque Ripple and Vibration in Switched Reluctance Motor Drives: A Switching Optimization | |
KR20240092889A (ko) | 전동기 부하 변동 보상 장치 | |
KR20050096318A (ko) | 리니어 컴프레서 센서리스 스트로크 제어시추정매개변수의 근사화 | |
KR20140000109A (ko) | 리니어 컴프레서 센서리스 제어를 위한 추정매개변수의 2차원 평면 근사화 | |
KR20090027298A (ko) | 리니어 컴프레서 센서리스 제어를 위한 추정매개변수의2차원 평면 근사화 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210105 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210518 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210615 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6899720 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |