JP2019016635A - RFeB系磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの低減を図りつつ、磁石内部に重希土類元素を均一に拡散させ、磁石の保磁力を高めること。【解決手段】磁石基材10を加熱することにより、磁石基材10の表面から重希土類元素RHを磁石基材10の内部に拡散させる粒界拡散処理を行う磁石の製造方法において、磁石基材10の表面に、重希土類元素RHを含む合金12を縞状に貼り付けて磁石基材10を加熱することを特徴とする。この重希土類元素RHを含む合金は、急冷ロール法により作製された薄帯12とすることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、RFeB系磁石の製造方法、特に、磁石基材の表面からの粒界拡散により磁石の保磁力を高めるRFeB系磁石の製造方法に関する。
Nd−Fe−B系に代表されるRFeB系磁石は、高い磁力を有するため、モータ、アクチュエータなどに搭載され、自動車用部品、家庭用電化製品、情報通信分野で幅広く用いられている。特に、近年、Nd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れるため、ハイブリッド車、電気自動車用の駆動用モータへの適用が広まっている。ただし、駆動モータの動作温度は、150〜200℃と高く、このような使用環境においては、磁石が減磁(磁力が減る現象)しやすいという問題がある。
従来、この減磁する現象に関し、磁石の原料に重希土類元素RHを添加することにより、磁石の粒界相に重希土類元素RHを存在させることで、保磁力を高め、減磁の現象を抑えていた。しかし、磁石の原料に重希土類元素RHを添加し、溶解した後に焼結工程等を経て磁石を製造すると、磁石の粒界相だけでなく、主相中にも重希土類元素RHが分布してしまい、必要以上に重希土類元素RHを添加することとなり、製造上、コストアップにつながるとの問題が指摘されていた。
このような問題を解決すべく、特許文献1は、重希土類元素RHを含有する箔又は粉末を希土類焼結磁石体に接触させた状態で加熱することにより、希土類焼結磁石体の内部に重希土類元素RHを拡散させる希土類磁石の製造方法が記載されている。この方法によれば、残留磁束密度の低下を抑制しつつ、保磁力を上昇させることが可能である、とされている。
また、特許文献2には、保磁力を高める改質合金を成形体に部分的に接触させ、熱処理して成形体の内部に改質合金を拡散浸透させる希土類磁石の製造方法が記載されている。この方法によれば、部位ごとに要求される保磁力性能を満たしながら、改質合金の使用量を低減できる、とされている。
さらに、特許文献3には、重希土類元素RHを含有する金属粉末と有機物を混合したペーストを2個の単位焼結磁石の間に挟むように接合面に接触させた状態で加熱することにより粒界拡散処理を行うRFeB系焼結磁石の製造方法が記載されている。この方法によれば、粒界拡散処理により保磁力が高められ、かつ使用時の渦電流の影響を抑えると共に単位焼結磁石同士が強固に結合されたRFeB系焼結磁石を簡単に得ることができる、とされている。
特開2007−258455号公報 特開2013−157345号公報 国際公開第14/148355号パンフレット
特許文献1に記載の希土類磁石の製造方法では、箔を使用する場合、圧延時にTb等の重希土類元素が酸化しやすく、この酸化により粒界拡散時の必要な重希土類元素の歩留まりが低下し、かえって製造コストが高くなるとの懸念がある。また、粉末を使用する場合も、同じく粉砕時にTb等の重希土類元素が酸化しやすく、同様に製造コストが高くなるとの懸念がある。
特許文献2に記載の希土類磁石の製造方法では、部分的には高い保磁力が得られるものの、磁石全体の保磁力向上の観点からは、磁気特性が不十分である。
特許文献3に記載の焼結磁石の製造方法では、重希土類元素RHを含有する金属粉末と有機物を混合したペーストを使用するため、金属粉末がペースト中で偏っていた場合には、磁石内部へ均一に拡散していかないという問題が生じ得る。また、金属粉末は、大気中においては酸素との接触面積が増えるため燃焼しやすくなり、不活性雰囲気で作業をしなければならない事態も生じ得る。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、希土類磁石の製造方法において、製造コストの低減を図りつつ、磁石内部に重希土類元素を均一に拡散させ、磁石の保磁力を高めることである。
本発明者は、鋭意検討した結果この課題を解決できることを見い出した。その具体的手段は以下の通りである。本発明は、磁石基材を加熱することにより、該磁石基材の表面から重希土類元素RHを該磁石基材の内部に拡散させる粒界拡散処理を行う磁石の製造方法において、前記磁石基材の表面に、重希土類元素RHを含む合金を縞状に貼り付けて前記磁石基材を加熱することを特徴とする。
本発明によれば、重希土類元素RHを含む合金を磁石基材の表面に縞状に貼り付けているため、磁石基材の表面(全体)に貼り付ける場合に比べ、高価な重希土類元素RHの使用を極力抑えることができる。また、重希土類元素RHが縞状に配置されるため、加熱により磁石に必要な保磁力も確保し得る。
また、本発明は、前記重希土類元素RHを含む合金は、急冷ロール法により作製された薄帯であることを特徴とすることができる。この発明によれば、急冷ロール法により重希土類元素RHを含む薄帯を作製するため、この薄帯中の重希土類元素RHへの酸化の影響を受けにくく、より効率的に重希土類元素RHを磁石基材中へ拡散させることができる。すなわち、より歩留まり良く重希土類元素RHを磁石基材中へ拡散させることができる。さらに、急冷ロール法によれば、薄帯の厚み等を制御しやすいため、磁石基材へ拡散する重希土類元素RHの濃度も調整しやすくなるという利点もある。
また、本発明は、前記磁石基材の表面の面積に対し、重希土類元素RHを含む合金を貼り付けた箇所が占める面積の割合を示す被覆率が90%以下とすることができる。この発明によれば、より確実に高価な重希土類元素RHの低減を図ることができる。
また、前記縞状に貼り付けた重希土類元素RHを含む合金の間隔が1mm以下であることを特徴とすることができる。この発明によれば、重希土類元素RHを磁石基材の中へより均一に拡散させることができる。
本発明に係る磁石の製造方法によれば、製造コストの低減を図りつつ、磁石内部に重希土類元素を均一に拡散させ、磁石の保磁力を高めることができる。
重希土類元素RHを含む合金を磁石基材の表面に貼り付ける工程示す概略図。 本発明及び従来の粒界拡散処理工程を示す概念図。 リボン状薄帯の外観を示す写真。 リボン状薄帯を磁石基材の表面の貼り付けた状態を示す写真。 磁石基材表面からの距離とTb濃度(質量%)の関係を示す図。
本発明の一実施形態に係る磁石について詳細に説明する。以下においては、RFeB系合金粉末をプレス成形することなくモールド中で磁界により配向させたうえでそのまま焼結するPLP(Press−less Process)法で作製する例にて説明する。この方法で作製すると、保磁力をより高くしつつ、機械加工することなく複雑な形状の磁石を得ることができる。なお、本発明において、RFeB系合金粉末をプレス成形して焼結磁石を作製しても良い。
〔磁石基材の作製工程〕
磁石基材のもととなる原料合金材を溶解させ、ストリップキャスト法により原料合金片を作製する。続いて、原料合金片に水素を吸蔵させることにより、0.1〜数mm程度の大きさに粗粉砕する。さらに、ジェットミルを用いて、粒径がレーザ法で測定された値で0.1μm〜10μm、望ましくは3〜5μmになるように微粉砕することにより、合金粉末が得られる。なお、粗粉砕及び/又は微粉砕の際に、ラウリン酸メチルなどの潤滑剤を粉砕助剤として添加してもよい。また、粗粉砕及び微粉砕は、ここで述べた方法には限られず、アトライター、ボールミル、ビーズミル等を用いた方法でもよい。
原料合金材は、25〜40質量%のNd、Pr等の軽希土類元素RLと、0.6〜1.6質量%のBと、残部Fe及び不可避的不純物を含有することができる。ここで、軽希土類元素RLの一部は、Dy、Tb等の重希土類元素に置き換えられていてもよいし、Bの一部は、Cに置き換えられていてもよい。また、Feの一部は、他の遷移金属元素(例えば、CoやNi)に置き換えられていてもよい。さらに、この合金は、Al、Si、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Zrのうちの1種又は2種以上を添加元素(添加量は、例えば、0.1〜2.0質量%)として含有していてもよい。
上記で得られた合金粉末に、ラウリン酸メチルなどの潤滑剤を添加(0.1質量%程度)して混合し、内部が20mm×20mm×5mmである直方体である充填容器内に充填する。そして、充填容器内の合金粉末に圧力を印加することなく、磁界中で配向させる。その後、合金粉末を充填容器内に充填したまま、圧力を印加することなく加熱する(加熱温度は、950〜1050℃)ことにより焼結し、直方体の焼結体が得られる。この焼結体を13mm×16mm×3mmに研削加工したものを磁石基材とする。また、この場合においては、磁石基材の13mm×16mmの上面(平面)を磁石基材の表面とする。すなわち、磁石基材の表面とは、磁石基材をある面に置いた際に上側に位置する面を意図するものである。なお、磁石基材は、切削加工をしない焼結体自体を磁石基材としてもよいし、磁石基材の表面が上に凸なった断面かまぼこ型の形状とした磁石基材としてもよい。
〔重希土類元素RHを含む合金の作製工程〕
急冷ロール法にて、重希土類元素RHを含む合金溶湯を、冷却されて回転しているロール上に注いで(出湯して)急冷し、連続した細長形状のリボン状薄帯とすることができる。重希土類元素RHは、保磁力向上の観点からDy又はTbのうち少なくとも1種を用いることが好ましい。重希土類元素RHを含む合金としては、DyAl、DyCu、DyCo、DyFe、DyAg、TbAl、TbCu、TbCo、TbFe、TbAg、DyAlCu、DyFeAl、DyFeAg、TbCuAl、TbNiAl、TbFeAl、TbCoAlの各合金を挙げることができる。なお、重希土類元素RHを含む合金としたのは、重希土類元素単体は融点が高く、粒界拡散時に熱処理温度を高温とせざるを得ず、その場合、熱処理による磁気特性低下の懸念が生じ得るからである。
リボン状薄帯の幅は、重希土類元素RHの磁石の粒界へ均一に拡散させる観点から、5mm以下とすることが好ましい。ただし、リボン状薄帯の幅を狭くしすぎると取り扱いが困難となるため、リボン状薄帯の幅は、0.5mm以上とすることが好ましい。リボン状薄帯の厚さは、重希土類元素RHの磁石の主相への拡散を抑制する観点から、100μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。リボン状薄帯の幅及び厚さは、ロール周速、ロール温度、出湯孔径の条件を適宜調整することにより制御することが可能である。
〔重希土類元素RHを含む合金を磁石基材の表面に貼り付ける工程〕
上記のように得られたリボン状薄帯を磁石基材の表面に縞状に貼り付ける。この工程では、まず、図1(上図)に示すように、磁石基材10の表面の全体にシリコーングリースからなる貼付剤11を塗布する。このようなシリコーン系の貼付剤11を用いることにより、磁石基材10へのリボン状薄帯12の密着性がより高くなり、粒界拡散処理の際に重希土類元素RHを磁石基材の粒界に移動させやすくなるため、磁石の保磁力を一層高めることができる。なお、貼付剤は、シリコーングリースとシリコーンオイルを適宜の比で混合したものなどを用いてもよい。
次に、図1(下図)に示すように、リボン状薄帯12を磁石基材10の表面の長さに合わせて切断し、貼付剤11の塗布面にリボン状薄帯12を間隔が均一になるよう縞模様になるように貼り付ける。すなわち、磁石基材の表面の一定の方向において、リボン状薄帯12を貼り付けた箇所と貼り付けていない箇所が交互に存在するように貼り付ける。磁石基材の表面(全体)の面積(100%)に対し、リボン状薄帯を貼り付けた箇所が占める面積の割合である被覆率は、重希土類元素RHの使用によるコスト低減の観点から90%以下が好ましい。さらに好ましくは、70%以下である。また、縞状に貼り付ける重希土類元素RHを含むリボン状薄帯の間隔は、重希土類元素RHを磁石基材中へより均一に拡散させる観点から1mm以下とすることが好ましい。
〔磁石基材を加熱する粒界拡散処理工程〕
リボン状薄帯12を貼り付けた磁石基材10を所定温度に加熱する。ここで、所定温度は、リボン状薄帯12の重希土類元素RHが磁石基材の粒界を通じて磁石基材内に拡散する温度であって、典型的には700〜1000℃である。この加熱工程により、リボン状薄帯12内の重希土類元素RHが磁石基材の粒界を通じて磁石基材内に拡散し、これにより、磁石基材内の主に結晶粒の表面付近において、重希土類元素RHの濃度が高くなる。一方、重希土類元素RHは、結晶粒内には侵入し難い。そのため、この加熱工程により、重希土類元素RHの含有率が結晶粒の粒内よりも粒界において高い磁石が得られる。その後、必要に応じて時効処理(500℃程度の比較的低温で加熱する処理)や磁石基材の表面に残留した残渣を除去するための研削処理、磁石の成形処理を行うことにより、最終製品であるRFeB系磁石が得られる。
図2(a)は、本発明に係る粒界拡散処理工程を示す概念図である。図2(b)は、従来の粒界拡散処理工程(重希土類元素RHを含有する金属粉末と有機物を混合したペーストを塗布)を示す概念図である。本発明に係る粒界拡散処理工程では、磁石基材10の表面の一定の方向において、リボン状薄帯12を貼り付けた箇所と貼り付けていない箇所が交互に存在するように縞状に貼り付けているため、リボン状薄帯12中の重希土類元素RHが磁石基材10の中へ放射状に拡散しているものと推測される(図2(a)中の矢印箇所)。つまり、リボン状薄帯12の両側に空隙部分(貼り付けていない箇所)を設けつつ、均一に配列させてあるため、放射状に拡散することで磁石基材10中に均一に万遍なく拡散したものと推定される。一方、従来の粒界拡散処理工程では、ペースト91中に重希土類元素RHが分散しているため、重希土類元素RHが多く拡散する箇所と少なく拡散する箇所があり、拡散のバラツキが大きい。すなわち、重希土類元素RHが磁石基材10中に不均一に拡散していくため、磁石基材中に部分的に保磁力が低い箇所が生じ得る(図2(b)中の矢印箇所)。以上のような拡散メカニズムにより、本発明に係る粒界拡散工程は、重希土類元素RHを低減することで製造時のコストアップを抑制しつつ、重希土類元素RHを磁石基材内へ均一に拡散させることで磁石内の保磁力のバラツキを抑制しつつ、磁石全体の保磁力を向上させている。一方、従来の金属粉末を用いた場合には、金属粉末の表面が大気中で酸化しやすくなり、重希土類元素RHの歩留まりの低下も生じ得る。
本発明に係る方法によりRFeB系磁石を製造した例を説明する。
磁石基材は、以下の方法により作製した。原料として、ストリップキャスト法により作製され、組成がNd:26.5質量%、Pr:4.7質量%、B:0.99質量%、Al:0.21質量%、Cu:0.1質量%、Co:0.9%質量%、Fe:残部である原料合金を用意した。この原料合金を水素解砕した後、ジェットミルで粉砕することにより、平均粒径が3.7μmである原料合金粉末を作製した。この原料合金粉末をモールドに収容し、圧縮成形を行うことなく、5Tの磁界を印加することで原料合金粉末の粒子を配向させたうえで、真空中で985℃に加熱することによって原料合金粉末を焼結し、磁石基材を得た。作製した磁石基材の形状は直方体であり、その寸法は、16mm×13cm×2.6cmであった。このように圧縮成形を行うことなく焼結磁石を製造する方法によれば、プレス機を使用する必要がないことから作業空間を小さくすることができるため、低酸素雰囲気(真空又は不活性ガス雰囲気)を形成しやすくなり、それにより原料合金粉末の酸化を防止しつつ該原料合金粉末の粒径を小さくすることができる。また、得られる焼結体の結晶粒も小さくできるため保磁力が高くなる、という利点がある。もちろん、プレス機を使用した通常の方法(プレス法)で磁石基材を作製してもよいし、熱間塑性加工法で磁石基材を作製してもよい。
次に、以下の表1(合金1〜4)に示す組成、幅及び厚さを有するリボン状薄帯を用意した。この細長状のリボン状薄帯は、BNルツボにて各種合金を溶解させ、銅製のロール表面に、ロール周速20m/sの条件で各種合金溶湯を衝突させることで得た。なお、図3は、合金2のリボン状薄帯の外観を示す写真である。
Figure 2019016635
次に、シリコーングリース(貼付剤)を磁石基材に塗布し、磁石基材の表面に上記で得られた各種リボン状薄帯を縞状に貼り付けた。これらのリボン状薄帯は、1mmの間隔(リボン状薄帯を貼り付けていない箇所)をその間隔が均一となるよう貼り付けた。また、リボン状薄帯の貼り付け量は、磁石基材に対してTbが0.5質量%となるように調整した。図4は、合金2のリボン状薄帯を磁石基材の表面の貼り付けた状態を上から見た写真を示す。図4には、磁石基材10の表面の一定の方向において、リボン状薄帯12を貼り付けた状態を示している。その後、真空中において温度885℃で15時間加熱することより、磁石基材の表面にある重希土類元素RHを磁石基材の粒界に拡散させ、その後、室温まで冷却させた後、真空中において温度520℃で5時間の時効処理し、粒界拡散で表面に残った残渣を機械研磨で除去することよりRFeB系磁石を得た。以上の方法により得られたRFeB系磁石を実施例1〜4とした。
図4に示した合金2(実施例2)と同じように、実施例1、3、4についても写真を撮影し、磁石基材の表面の面積に対し、重希土類元素RHを含む合金を貼り付けた箇所が占める面積の割合(被覆率)を算出した。
一方、比較例として、表1に記載の重希土類元素RHを含む合金1〜4の各種金属粉末を、質量比にて、粉末:シリコーングリース:シリコーンオイル=8:1:1となるように混合したペースト状の混合物を磁石基材の表面にそれぞれ塗布した。そして、実施例1〜4と同じ条件で拡散させ、時効処理し、粒界拡散で表面に残った残渣を機械研磨で除去することよりRFeB系磁石を得た。以上の方法により得られたRFeB系磁石を比較例1〜4とした。
上記のように得た実施例1〜4及び比較例1〜4につき、保磁力及び重希土類元素RHの歩留まりを算出した。保磁力は、自動計測保磁力計(HCメーター)により実測した。
歩留まりは、貼付した重希土類元素RHの重量に対する磁石基材中に拡散した重希土類元素RHの重量の割合から算出した。実施例においては、リボン状薄帯の貼り付ける重量は、磁石基材に対する重希土類元素RHの添加量が0.5質量%となる重量とした。すなわち、Nd、Pr等の磁石原料と同じように、重希土類元素RHを添加して、ストリップキャスト法により作製したと仮定した場合に、重希土類元素RHが0.5質量%となる分に相当するリボン状薄帯を貼り付けた。そして、拡散処理、時効処理を実施した後のRFeB系磁石を溶解し、分析して重希土類元素RHの重量を算出する。例えば、拡散前の重希土類元素RHの重量と拡散後の重希土類元素RHの重量が同じであれば、歩留まりは、100%ということになる。
一方、比較例においても、歩留まりは、拡散前の重希土類元素RHの重量に対する拡散後の重希土類元素RHの重量の割合から算出した。重希土類元素RHを含有するペースト状の混合物を塗布する重量は、磁石基材に対し、重希土類元素RHの添加量が0.5質量%となる重量とした。すなわち、Nd、Pr等の磁石原料と同じように、重希土類元素RHを添加して、ストリップキャスト法により作製したと仮定した場合に、重希土類元素RHが0.5質量%となる分に相当するペースト状の混合物を塗布した。
実施例1〜4の被覆率、実施例1〜4及び比較例1〜4の保磁力及び歩留まりの結果を表2に示す。
Figure 2019016635
表2に示すように、実施例1〜4は、比較例1〜4に対し、保磁力及び歩留まりの両方の項目に関し、良好な結果が得られている。上記結果から、本磁石の製造方法によれば、製造コストの低減を図りつつ、磁石内部に重希土類元素を均一に拡散させ、磁石の保磁力を高めることができる。
実施例1及び比較例1については、磁石基材内部の重希土類元素RH(Tb)の濃度を測定した。図5は、磁石基材表面からの距離とTb濃度(質量%)の関係を示す図である。濃度測定は、実施例1及び比較例1の各磁石を切断した断面を深さ方向にEPMAにて測定することにより行った(ライン分析)。
図5に示すように、比較例1は、表面付近こそ実施例1よりもTb濃度が高いが、磁石基材の表面からの距離が大きくなる(離れていく)に連れてTb濃度が低くなり、0.5mm付近からは実施例1よりもTb濃度が低く続いた状態となっている。これは、上述の図2で説明した本発明の拡散メカニズムにより、実施例1におけるTbが磁石基材中へ万遍なく拡散していった結果、実施例1は、磁石基材の深さ方向へのTb濃度が比較例1よりも断続的に高くなった推定される。また、表2の保磁力において、実施例1が比較例1よりも高いのはこの拡散メカニズムが寄与したものと推定される。また、比較例1の場合には、金属粉末が大気中で酸化することで、磁石基材中への重希土類元素RHの粒界拡散が阻害され、結果として、表2に示すように、実施例1よりも歩留まりの値も低くなったと推察される。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明した。本発明は、これらの実施形態、実施例に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。例えば、上記実施例では、磁石基材に貼付剤を塗布した上に、リボン状薄帯を張り付けたが、リボン状薄帯を貼付剤に浸漬させた後、磁石基材に張り付ける方法を用いてもよい。
10・・・磁石基材
11・・・貼付剤
12・・・リボン状薄帯

Claims (4)

  1. 磁石基材を加熱することにより、該磁石基材の表面から重希土類元素RHを
    該磁石基材の内部に拡散させる粒界拡散処理を行う磁石の製造方法において、
    前記磁石基材の表面に、重希土類元素RHを含む合金を縞状に貼り付けて前記磁石基材を加熱することを特徴とする磁石の製造方法。
  2. 前記重希土類元素RHを含む合金は、急冷ロール法により作製された薄帯であることを特徴とする請求項1に記載の磁石の製造方法。
  3. 前記磁石基材の表面の面積に対し、重希土類元素RHを含む合金を貼り付けた箇所が占める面積の割合を示す被覆率が90%以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁石の製造方法。
  4. 前記縞状に貼り付けた重希土類元素RHを含む合金の間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁石製造方法。
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CN115216723A (zh) * 2021-04-21 2022-10-21 通用电气公司 强化双相磁性材料部件及其形成方法

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