JP2019016499A - 拡張反射面を備えたレンズ - Google Patents

Abstract

【課題】限られた厚さのレンズ本体に比較的広い面積の反射面と、充分な厚さの取付部を設け、レンズの取付強度および灯具の光度をそれぞれ高める。【解決手段】車両用エッジライトに用いられるレンズ１２において、レンズ本体１４に、ＬＥＤ光源１７からの光を入射する入射部２１と、入射光を内面反射する第１反射面２２を備えた反射部２３と、反射光を出射する出射部１５と、レンズ本体１４を灯具に取り付けるための取付部２０とを設ける。取付部２０と反射部２３との間において、レンズ本体１４の上面に凹部３４を形成し、反射部２３側に位置する凹部３４の側面３４ｃによって第２反射面３５を第１反射面２２の下側に連続するように画定する。【選択図】図３

Description

本発明は、光源からの入射光をレンズ本体の反射面で内面反射させ、反射光をレンズ本体の端面から出射するレンズに関し、詳しくは、反射面を拡張するための技術に関する。

従来、光源から入射した光をレンズの端面から出射するエッジライトが知られている。例えば、図６に示すエッジライト５０は、板状のレンズ５１と光源５２を備え、光源５２から入射した光をレンズ本体５５に設けられた反射部５３の反射面５４で内面反射させ、反射光Ｌをレンズ本体５５の端面５６より前方へ出射するように構成されている。この構成によれば、出射面である端面５６を細長く形成することで、光源バルブとリフレクタを組み合わせた灯具や、ＬＥＤ光源とスパイダーレンズを組み合わせた灯具では実現困難な細幅発光の配光パターンを形成できる利点がある。

なお、特許文献１には、光源の光をレンズへ入射させ、複数の反射面で内面反射させ、レンズの端面から所望の方向へ出射させ、灯具の前方に細幅発光の配光パターンを形成する車両用灯具が記載されている。

特開２０１６−９１８２５号公報

ところで、図６に示すようなエッジライト５０では、反射光Ｌがレンズ本体５５の内部を通過するため、灯具に対するレンズ５１の取付部５７を反射部５３の後側においてレンズ本体５５に設ける必要がある。しかし、この構成によると、反射部５３と取付部５７がレンズ本体５５の厚みを二分するように配置されるので、図６（ａ）に示すように、レンズ５１の取付強度を高めるために、取付部５７を厚くすると、反射部５３の高さが低くなり、反射面５４の面積が縮小して、エッジライト５０の光度が低下する。一方、図６（ｂ）に示すように、エッジライト５０の光度を強化するために、反射部５３の高さを高くし、反射面５４を拡張すると、取付部５７が薄くなり、レンズ５１の取付強度が低下するという問題点があった。

そこで、本発明の目的は、限られた厚さのレンズ本体に、比較的広い面積の反射面と、充分な厚さの取付部を設け、レンズの取付強度および灯具の光度をそれぞれ高めることができるレンズを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のレンズは、レンズ本体に、光源から光を入射する入射部と、入射光を内面反射する第１反射面を備えた反射部と、反射光を出射する出射部と、レンズ本体を灯具に取り付けるための取付部とが設けられるとともに、取付部と反射部との間に、第１反射面に連続する第２反射面を画定するための凹部が形成されていることを特徴とする。

本発明の一実施形態では、エッジライトに好適なレンズが提供される。このレンズは、取付部が出射部と反対側においてレンズ本体に設けられ、反射部が入射部と反対側においてレンズ本体に設けられ、凹部が取付部と反射部との間において入射部側に凹むように構成される。ただし、レンズの用途はエッジライトに限定されない。

レンズ本体は、特定の形状に限定されず、レンズの用途に応じて、例えば、板状またはブロック状に形成することができる。第２反射面を画定する凹部は、取付部の強度を維持できる点で、底面を平坦に形成するのが好ましい。また、凹部が断面略Ｖ字形の溝を含むように構成してもよい。

本発明の好ましい実施形態では、出射部から平行光を出射できるように、第１反射面が出射部に向かって開く放物面を含み、第２反射面が放物面に連続する曲面を含む。さらに、入射部は、光源からの入射光を第１および第２反射面に効率よく分配するために、レンズ本体に凹設された曲面を含むのが望ましい。

本発明のレンズによれば、反射部が第１反射面を形成し、反射部と取付部との間の凹部が第２反射面を第１反射面に連続するように画定するので、限られた厚さのレンズ本体に、比較的広い面積の反射面と、充分な厚さの取付部を設けて、灯具の光度およびレンズの取付強度をそれぞれ高めることができるという効果がある。

本発明の一実施形態を示す車両用エッジライトの正面図である。 図１のエッジライトのレンズを示す平面図である。 図２のＡ−Ａ線においてレンズの取付構造を示す端面図である。 図３のレンズの反射作用を従来技術と比較して示す端面図である。 反射面を画定する凹部の変形例を示すレンズの端面図である。 従来のレンズを示す端面図である。

以下、本発明を車両用エッジライトに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図１に示すエッジライト１１は、リアコンビネーションランプ１の上部にレンズ１２を備え、レンズ１２の下側に光源ユニット１３を備えている。レンズ１２は、透明樹脂からなるレンズ本体１４を備え、レンズ本体１４の前端面（車両後方を向く端面）に出射部１５が車幅方向へ細長く延びるように設けられている。光源ユニット１３は基板１６を備え、基板１６の上に複数のＬＥＤ光源１７がレンズ本体１４の下面と対向するように配設されている。

図２に示すように、レンズ本体１４は、車体コーナ部の形状に合わせて、車幅方向の外側から内側へ斜めに広がる板状に成形されている。出射部１５と反対側のレンズ本体１４には、このレンズ本体１４をリアコンビネーションランプ１のハウジング（図示略）に取り付けるための取付部２０が設けられている。レンズ本体１４の下面には、ＬＥＤ光源１７が発した光を入射する入射部２１が設けられている。そして、入射部２１と反対側においてレンズ本体１４の上面に、入射光を内面反射する第１反射面２２（図３参照）を備えた反射部２３が設けられている。

反射部２３および入射部２１は、それぞれ、ＬＥＤ光源１７と同数個が車幅方向の外側から内側へ斜めに配列され、隣接する反射部２３の境界面に、双方間の光干渉の影響をやわらげるため、光拡散部１９が形成されている。光拡散部１９は、例えば、ローレットが設けられた面等である。出射部１５および取付部２０は、それぞれ、反射部２３の前側および後側において車幅方向へ連続的に設けられ、出射部１５に、出射光を車幅方向に散らすための多数の散光用ステップ２４が形成されている。取付部２０の適所には取付孔２５が形成され、取付孔２５より前方のレンズ本体１４の上面にカシメピン２６が突設されている。

図３に示すように、リアコンビネーションランプ１の内側には、レンズ本体１４をランプハウジングに保持するための上下一対のブラケット２８，２９と、出射部１５を覆うインナーレンズ３０とが設けられている。下側ブラケット２９には、レンズ本体１４の取付孔２５に挿入されるボス部３１が突設され、ボス部３１に螺合するネジ３２によってレンズ本体１４の取付部２０がブラケット２８，２９の間に挟持されている。取付部２０より前方では、レンズ本体１４がカシメピン２６により上側ブラッケット２８に固定され、インナレンズ３０が上下のブラケット２８，２９の前端間に挟持されている。

カシメピン２６は、例えば、エッジライト１１の前方に設けられたインナーレンズ３０を固定するために利用できる。図３に示す例では、カシメピン２６で上側ブラケット２８をレンズ本体１４に固定することによって、インナーレンズ３０の後方延長部３０ａを上側ブラケット２８の前端に掛止し、インナーレンズ３０の下端を下側ブラケット２９の前端に掛止することができる。また、別例として、カシメピン（図示略）をレンズ本体１４の前端隆起部１４ａに突設し、インナーレンズ３０の後方延長部３０ａに設けた穴または開口部にカシメピンを挿入してかしめ着けることにより、インナーレンズ３０をレンズ本体１４に固定することができる。いずれの例も、エッジライト１１は、取付部２０により直接または間接的に灯具に組み付けられるため、インナーレンズ３０をエッジライト１１に固定することで、エッジライト１１とインナーレンズ３０からなるアセンブリを灯具に簡単に組み付けることができる。

図３にレンズ本体１４のＢ部を拡大して示すように、取付部２０と反射部２３との間において、レンズ本体１４の上面には凹部３４が入射部２１側へ凹むように形成されている。凹部３４は、底面３４ａが平坦に形成され、取付部２０側の後側面３４ｂが傾斜面となっていて、反射部２３側の前側面３４ｃが第２反射面３５（Ｂ部拡大図に示す仮想線より下側の部分）を第１反射面２２（同じ仮想線より上側の部分）の下側に連続するように画定している。そして、出射部１５が平行光（図４参照）を出射できるように、第１反射面２２が出射部１５に向かって開く放物面を含み、第２反射面３５が同じ放物面に含まれる曲面となっている。

なお、図３のＢ部拡大図に示す仮想線は、取付部２０の上面の延長線上にある。図３のＣ−Ｃ線端面図に示すように、入射部２１は、レンズ本体１４の下面に凹設された前後に長い曲面３６を含み、ＬＥＤ光源１７からの入射光を第１および第２反射面２２，３５の略全周に効率よく分配できるようになっている。また、凹部３４は、図２に示すように、レンズ１２の平面視において、反射部２３の基底縁（放物線）に沿って延びるように形成されている。

したがって、この実施形態のレンズ１２によれば、図４（ａ）に示すように、第１反射面２２からの反射光Ｌ１に、第２反射面３５からの反射光Ｌ２を加え、図４（ｂ）に示すレンズ５１（図６に示した従来技術を適用したレンズ）と比較して、より多くの光を出射部１５からエッジライト１１の前方へ出射することができる。また、第２反射面３５が取付部２０と反射部２３との間の凹部３４によって画定されているため、取付部２０の板厚を薄くすることなく、第１反射面２２を第２反射面３５によって拡張することができ、エッジライト１１の光度のみならず、リアコンビネーションランプ１に対するレンズ１２の取付強度も高めることができる。

図５は、第２反射面３５を形成する凹部の変形例を示す。このレンズ１２では、取付部２０と反射部２３との間において、レンズ本体１４の上面に断面Ｖ字形の溝３８が入射部２１側に凹むように形成され、溝３８の前側面３８ａによって第２反射面３５が第１反射面２２の下側に連続するように画定されている。したがって、この変形例によっても、図４に示すレンズ１２と同様に、エッジライト１１の光度およびレンズ１２の取付強度をそれぞれ高めることができる。その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、レンズの形状、構成および用途を任意に変更して実施することも可能である。

１ リアコンビネーションランプ
１１ エッジライト
１２ レンズ
１４ レンズ本体
１５ 出射部
１７ ＬＥＤ光源
２０ 取付部
２１ 入射部
２２ 第１反射面
２３ 反射部
３４ 凹部
３５ 第２反射面
３６ 入射部の曲面
３８ Ｖ字形の溝

Claims (6)

1. レンズ本体に、光源からの光を入射する入射部と、入射光を内面反射する第１反射面を備えた反射部と、反射光を出射する出射部と、前記レンズ本体を灯具に取り付けるための取付部とが設けられるとともに、前記取付部と前記反射部との間に、前記第１反射面に連続する第２反射面を画定するための凹部が形成されていることを特徴とするレンズ。
2. 前記取付部が出射部と反対側においてレンズ本体に設けられ、前記反射部が入射部と反対側においてレンズ本体に設けられ、前記凹部が取付部と反射部との間において入射部側へ凹むように形成されている請求項１記載のレンズ。
3. 前記凹部の底面が平坦である請求項１又は２記載のレンズ。
4. 前記凹部が断面略Ｖ字形の溝を含む請求項１又は２記載のレンズ。
5. 前記第１反射面が出射部に向かって開く放物面を含み、前記第２反射面が放物面に連続する曲面を含む請求項１〜４の何れか一項に記載のレンズ。
6. 前記入射部がレンズ本体に凹設された曲面を含む請求項１〜５の何れか一項に記載のレンズ。

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