JP2019015699A - 測距装置,水位計測システム及び測距方法 - Google Patents

測距装置,水位計測システム及び測距方法 Download PDF

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【課題】測距装置,水位計測システム及び測距方法に関し、距離導出精度を向上させる。【解決手段】測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号pを取得し、パワー信号pから構築される解析信号pa(fd)の距離スペクトル|P(x)|に基づいて測定対象までの距離を計測する測距装置に関する。パワー信号pの直流成分DCをパワー信号pから除去した第一交流信号P(fd,x)を導出する除去部8を設ける。第一交流信号P(fd,x)に基づき、第一交流信号P(fd,x)に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を算出する直交算出部9を設ける。第一交流信号P(fd,x)及び第二交流信号P(fd,x-(λ/8))に基づき、解析信号pa(fd)を構築する構築部10を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象に照射された電磁波とその反射波との合成波を用いて距離を測定する測距装置,水位計測システム及び測距方法に関する。
従来、周波数掃引された電磁波を測定対象へ照射し、その反射波を利用して測定対象までの距離を測定する測距装置が開発されている。すなわち、発信波の周波数を変化させながら反射波との合成波を順次検出し、発信波の周波数と合成波の振動周期と反射距離との相関関係を利用して反射距離を測定するものである。この種の測距装置は定在波レーダー装置とも呼ばれ、パルス方式やビート周波数方式(周波数差方式)などのレーダー装置と比較して近距離での測距精度を確保しやすいという利点がある(特許文献1,2参照)。
特開2010-271088号公報 特開2007-147473号公報
従来の定在波レーダー装置において、合成波の振動が直交する二位置で得られたパワー信号の周波数微分を用いて解析信号を構築する手法が存在する。特許文献1に記載の技術では、x=0(原点位置は任意の位置)とx=-λ/8との二位置で合成波のパワー信号p(fd,0),p(fd,-λ/8)を検出し、これらの周波数微分pdiff(fd,0),pdiff(fd,-λ/8)を用いて解析信号pa(fd)を構築している(段落0028参照)。しかしながら、パワー信号にノイズが混入することで解析信号pa(fd)に乱れが発生し、距離導出精度が低下しうる。例えば、検波器の個体差に由来するパワー信号の変形の影響を受けて、パワー信号のいずれか一方が粗く乱れた形状になることがある。この場合、測定対象までの距離を精度よく把握することが困難となる。
一つの側面では、距離導出精度を向上させることを目的とする。
一つの実施形態では、測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得し、前記パワー信号から構築される解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する測距装置が開示される。この測距装置は、前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出する除去部を備える。また、前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出する直交算出部を備える。さらに、前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築する構築部を備える。
一つの側面では、距離導出精度を向上させることができる。
実施例としての測距装置,水位計測システムを示す図である。 制御装置のハードウェア構成を示す図である。 測距方法を説明するためのフローチャートである。 実測されたパワー信号のパワースペクトル例である。 第一交流信号及び第二交流信号のパワースペクトル例である。 測距結果例を示すグラフである。
以下、図面を参照して、実施形態としての測距装置,水位計測システム及び測距方法を説明する。本実施形態の測距装置における測定対象は液面(水面)であり、液面との距離に基づいて液位(水位)を測定する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態をその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して(例えば、実施形態や変形例を組み合わせることによって)実施することが可能である。
[1.構成]
図1は、定在波レーダー装置1を利用した水位計測システム20(水位センシングシステム,水位センサシステム)の構成を示す図である。この水位計測システム20には、定在波レーダー装置1とこれに接続される制御装置16とが含まれる。水位計測システム20の測定対象は液面であり、下水管内における水面の高さ(水位)や河川の水位などが計測される。本実施形態の水位計測システム20では非接触型の測距手法が採用され、水面から離れた位置(例えば、マンホールの蓋の裏側や橋梁の下面側など)に設置される。なお、定在波レーダー装置1は、市販されている公知のドップラーセンサモジュールを利用して作製してもよい。
定在波レーダー装置1には、電圧制御発振器2(VCO,Voltage-Controlled Oscillator),周波数制御部3,アンテナ4,検波器5(パワーディテクター),解析信号出力部6が一体化されたモジュールとして内蔵される。電圧制御発振器2は、アンテナ4から出力される電磁波の周波数を掃引しながら発信するための信号発振器(FM発振器,Frequency Modulator)である。また、周波数制御部3は電圧制御発振器2が生成する信号の周波数を制御するものである。アンテナ4(検出器)は、周波数掃引された電磁波(送信波,発信波)を発信するとともに、その反射波を受信,検出する機能を持った送受信装置である。本実施形態のアンテナ4は、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)やホーンアンテナなどである。
電圧制御発振器2は、周波数制御部3から伝達される制御信号に応じた発振信号をアンテナ4に出力する。アンテナ4では、周波数制御部3から伝達された発振信号に応じた電磁波が発信(送信)される。アンテナ4から発信される電磁波は、周波数が掃引された連続波(Frequency Modulated Continuous Wave,FMCW)であり、その中心周波数f0は例えば24.0[GHz]以上とされる。なお、掃引幅fWは例えば200[MHz]以下とされ、周波数帯域はf0-(fW/2)からf0+(fW/2)までの範囲とされる。なお、掃引幅fWの最大値は各国の電波法で規制されうる。また、二本の電波法では、24.0[GHz]以上の電波帯において200[MHz]よりも広い変調幅が許容されうる。したがって、掃引幅fWは各国の電波法に規定される最大掃引幅以下の範囲で任意に設定すればよい。以下、周波数の掃引時における中心周波数f0との周波数差(掃引周波数)をfdと表記する。すなわち、-(fW/2)≦fd≦(fW/2)である。発信波の周波数fは、「f=f0+fd」と表現することができる。
発信波と反射波との合成波(すなわち、発信波と受信波との干渉によって生じる電磁波であって、いわゆる定在波)の信号レベルは、マイクロ波のセンサーモジュールである検波器5で検出される。検波器5では、合成波の信号電圧の二乗値がパワー信号pとして取得される。発信波の周波数fは、f0-(fW/2)からf0+(fW/2)までの範囲で変動することから、それぞれの掃引周波数fdに対応するパワー信号pが取得されることになる。したがって、パワー信号pは発信波の周波数fと観測点の座標xとの関数p(f,x)で記述することができる。また、中心周波数f0が一定であれば、パワー信号pは掃引周波数fdと観測点の座標xとの関数p(fd,x)で記述することができる。このようにパワー信号pは、座標xにおける周波数fごと(あるいは掃引周波数fdごと)のパワーの分布を表すパワースペクトルとして記述可能である。
検波器5は、少なくとも一箇所以上の位置xで合成波のパワー信号p(fd,x)を取得する機能を持つ。本実施形態の検波器5は、図1中のx軸上における二つの観測点x1,x2でパワー信号pを取得する。ここで、各観測点x1,x2のことを第一位置x1,第二位置x2と呼び、各観測点x1,x2で取得されたパワー信号pのことを第一パワー信号p(fd,x1),第二パワー信号p(fd,x2)とも表記する。第一位置x1,第二位置x2の座標は、第一パワー信号p(fd,x1)と第二パワー信号p(fd,x2)とが互いに直交する位置に設定される。パワー信号pが正弦波形状であるとき、直交関係にある二つの位置はその正弦波の位相がπ/2相違する位置となる。
第一位置x1は、好ましくは発信波と合成波とが同位相となる位置に設定される。また第二位置x2は、発信波と合成波との位相差がπ/2となる位置〔すなわち、第一位置x1からの距離がλ/8となる位置(λ=c/f0)〕に設定される。このような位置設定により、二つのパワー信号p(fd,x1),p(fd,x2)の直交性がより完全な状態に近づき、データの信頼性が向上する。発信波と合成波とが同位相となる位置に原点を設定したとき、上記のパワー信号p(fd,x1),p(fd,x2)は、それぞれp(fd,0),p(fd,-λ/8)と表現することができる。また、24.0[GHz]の電磁波の波長λは、約12.5[mm]である。したがって、第一位置x1と第二位置x2との間の距離(位置ズレ寸法)を約1.56[mm]に設定すれば、二つのパワー信号p(fd,x1),p(fd,x2)の位相差がπ/2となる。
解析信号出力部6は、検波器5で検出されたパワー信号p(fd,x)に基づいて解析信号を構築し、制御装置16に出力するコンピューターである。解析信号とは、制御装置16で実施される離散フーリエ変換の処理対象となる複素信号である。解析信号は、少なくとも一つのパワー信号pがあれば、そのパワー信号pと直交関係にある直交信号を求めてこれを併用することで構築可能である。したがって、検波器5で取得されるパワー信号p(fd,x)が一つであっても、測定対象までの距離を計測することができる。一方、直交関係にある二つのパワー信号pを用いて解析信号を構築することも可能である。また、二つのパワー信号pの一方を選択し、選択されたパワー信号pから生成される直交信号を併用して解析信号を構築してもよい。なお、解析信号出力部6は、A/Dコンバータ(アナログ・ディジタル変換器)としての機能を有し、解析信号をディジタル信号(離散化信号)として出力可能である。
図2中に、定在波レーダー装置1に内蔵される解析信号出力部6のハードウェア構成を例示する。解析信号出力部6には、プロセッサ21(中央処理装置),メモリ22(主記憶装置,メインメモリ),補助記憶装置23,インタフェース装置24などが内蔵され、内部バス26を介して互いに通信可能に接続される。プロセッサ21は、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する汎用のCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ22は、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)がこれに含まれる。
補助記憶装置23は、メモリ22よりも長期的に保持されるデータやファームウェアが格納される記憶装置であり、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリがこれに含まれる。インタフェース装置24は、解析信号出力部6と外部との間の入出力(Input and Output;I/O)を司るものである。解析信号出力部6で実行されるプログラムは、補助記憶装置23や後述する制御装置16に記録,保存される。
図1中に示すように、解析信号出力部6には、選択部7,除去部8,直交算出部9,構築部10が設けられ、構築部10には第一構築部11と第二構築部12とが設けられる。これらの要素は、解析信号出力部6の機能を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、これらの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。あるいは、ソフトウェアで各機能を実現する代わりに、個々の要素に対応する演算回路をハードウェアとして形成してもよい。
選択部7は、検波器5で取得されたパワー信号pが複数存在する場合に、それらの中から一つのパワー信号pを選択するものである。パワー信号pの選択基準としては、パワースペクトルの形状が正弦波形状に近い(近似した)形状であることや、滑らかな曲線状であることなどが挙げられる。好ましくは、複数のパワー信号pのうち、パワースペクトルの形状が正弦波形状に最も近いこと(最も近似していること)や、所定周波数以下の成分の割合が最も大きいこと(高周波振動成分が比較的少なく、大局的な形状が正弦波に近似していること)などが選択条件に追加される。あるいは、予め設定された、正弦波形状のテンプレートとの比較により、正弦波形状により近い形状である一方を選択するような演算構成としてもよい。ここで選択されたパワー信号pの情報は、除去部8に伝達される。また、検波器5で取得されたパワー信号pが一つである場合には、そのパワー信号pの情報が除去部8に伝達される。
本実施形態の選択部7はまず、第一位置x1における合成波の第一パワー信号p(fd,x1)と第二位置x2における合成波の第二パワー信号p(fd,x2)とのそれぞれについて、高速フーリエ変換(FFT,Fast Fourier Transform)を実施する。続いて、各パワー信号pの低周波成分(所定周波数以下の成分)と高周波成分(所定周波数を超える成分)との双方を算出し、前者の割合が大きい一方を「パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近いもの」として選択する。
除去部8は、選択部7から伝達されたパワー信号pに基づいて第一交流信号P(fd,x)を導出するものである。第一交流信号P(fd,x)は、パワー信号pからその直流成分DCを除去することによって導出される。直流成分DCは、パワー信号pの平均値として算出される。平均値は、例えば最小二乗法を用いてパワースペクトルを周波数軸に平行な直線に近似し、その近似直線と周波数軸との距離を算出することによって求められる。あるいは、パワースペクトルの中央値(パワー中央値)や相加平均などを平均値としてもよい。第一交流信号P(fd,x)の算定式を以下に例示する。
Figure 2019015699
このように、パワー信号pから直流成分DCを除去することでパワースペクトルのバイアスが除去され、後述する構築部10で構築される解析信号pa(fd)が適正化される。なお、検波器5で取得されたパワー信号pが一つである場合には、そのパワー信号pが直流成分DCの除算対象となる。一方、検波器5で取得されたパワー信号pが複数存在する場合には、選択部7で選択されたパワー信号pが直流成分DCの除算対象となる。ここで導出された第一交流信号P(fd,x)の情報は、直交算出部9と構築部10とに伝達される。
直交算出部9は、第一交流信号P(fd,x)に基づき、第一交流信号P(fd,x)と直交する第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を算出するものである。第二交流信号P(fd,x-(λ/8))は、第一交流信号P(fd,x)に対してπ/2の位相差を持つように生成される理論上の信号であって、実測された信号ではない。例えば、第一交流信号P(fd,x)が第一位置x1で取得された第一パワー信号p(fd,x1)に由来するものであったとしても、第二位置x2で取得された第二パワー信号p(fd,x2)に基づいて第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を生成するのではなく、第一交流信号P(fd,x)に基づいて第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を生成する。
本実施形態の直交算出部9は、第一交流信号P(fd,x)をその振幅成分Aで除した商と第二交流信号P(fd,x-(λ/8))をその振幅成分Aで除した商との二乗和が1に等しい関係を用いて、第一交流信号P(fd,x)と同一の振幅成分Aを有する第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を算出する。算定式を以下に例示する。なお、第一位置(x1=0)における検波器5の出力は式3で表され、第二位置(x2=-λ/8)における検波器5の出力は式4で表される。また、式2は式3,式4から導出可能である。ここで算出された第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の情報は、構築部10に伝達される。
Figure 2019015699
構築部10は、第一交流信号P(fd,x)と第二交流信号P(fd,x-(λ/8))とに基づき、解析信号pa(fd)を構築するものである。構築部10には、第一構築部11と第二構築部12とが設けられる。第一構築部11は、二つの交流信号に周波数微分処理を施すことなく解析信号pa(fd)を構築するものである。これに対し、第二構築部12は、二つの交流信号の各々に周波数微分処理を施した上で解析信号pa(fd)を構築するものである。構築部10は、第一構築部11,第二構築部12の少なくともいずれか一方で解析信号pa(fd)を構築し、その解析信号pa(fd)を制御装置16に出力する。
本実施形態の第一構築部11は、第一交流信号P(fd,x)を実数部とし、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である解析信号pa(fd)を構築する機能を持つ。この解析信号pa(fd)は、パワー信号pの周波数微分を含まないという点で、従来手法で使用される解析信号とは相違する。パワー信号pの周波数微分の代わりに二つの交流信号を使用して解析信号pa(fd)を構築することで、微分処理に伴う情報の欠落やノイズの混入が抑制される。これにより、パワースペクトルの分布形状が滑らかな曲線状となり、距離導出精度が向上する。ここで構築される解析信号pa(fd)は、以下の式5で記述される。
Figure 2019015699
一方、第二構築部12は、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の周波数微分を実数部とし、第一交流信号P(fd,x)の周波数微分を虚数部とした複素信号である解析信号pa(fd)を構築する機能を持つ。この解析信号pa(fd)は、パワー信号pの周波数微分を含むという点で、従来手法で使用される解析信号と共通する。したがって、本実施形態の制御を従来製品で実施するような場合には、第一構築部11よりも第二構築部12の方が、適合性が高い可能性がある。ここで構築される解析信号pa(fd)は、以下の式6で記述される。
Figure 2019015699
制御装置16は、定在波レーダー装置1から伝達される解析信号pa(fd)に基づき、反射波を反射した測定対象までの距離dを計測,算出するためのコンピューターである。図2中に示す制御装置16は、定在波レーダー装置1とは別体に設けられた制御装置16を例示するものであるが、制御装置16の機能を定在波レーダー装置1に内蔵させることも可能である。制御装置16には、プロセッサ31,メモリ32(主記憶装置,メインメモリ),補助記憶装置33,インタフェース装置34,記録媒体ドライブ35などが内蔵され、内部バス36を介して互いに通信可能に接続される。
プロセッサ31は、制御ユニットや演算ユニット,キャッシュメモリなどを内蔵する汎用のCPUやDSPである。メモリ32は、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM,RAMがこれに含まれる。補助記憶装置33は、メモリ32よりも長期的に保持されるデータやファームウェアが格納される記憶装置であり、フラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリがこれに含まれる。インタフェース装置34は、制御装置16と外部との間の入出力(I/O)を司るものである。
記録媒体ドライブ35は、少なくとも光ディスクや半導体メモリなどの記録媒体38に記録,保存された情報を読み取る機能を持った読取装置(又は読取・書込装置)である。制御装置16で実行されるプログラムは、メモリ内に記録,保存されることとしてもよいし、補助記憶装置33の内部に記録,保存されることとしてもよい。あるいは、記録媒体38上にプログラムが記録,保存され、その記録媒体38に書き込まれているプログラムが記録媒体ドライブ35を介して制御装置16に読み込まれて実行されることとしてもよい。
制御装置16には、上述の定在波レーダー装置1や出力装置37が接続される。接続形態は任意であり、有線接続であってもよいし無線接続であってもよい。また、出力装置37の具体例としては、ディスプレイ装置やプリンター装置などが挙げられる。図1に示すように、制御装置16で実行される測距プログラムには、フーリエ変換部17と距離計測部18とが含まれる。これらは、測距プログラムの機能を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、これらの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。
フーリエ変換部17は、定在波レーダー装置1から伝達される解析信号pa(fd)にフーリエ変換処理を施すことで、距離スペクトル|P(x)|を算出するものである。また、距離計測部18は、フーリエ変換部17で算出された距離スペクトル|P(x)|のピーク位置を与える距離dを算出し、距離dに基づいて水位を導出するものである。解析信号pa(fd)の周期は距離dと逆比例関係にある。したがって、距離スペクトル|P(x)|のピーク位置を与える距離dは、測定対象までの距離dとなる。なお、複素表現された解析信号pa(fd)から距離dを算出するための具体的手法としては、公知の演算手法を用いることができる。例えば、以下に示す式7に基づいて距離スペクトル|P(x)|を算出すればよい。
Figure 2019015699
[2.フローチャート]
図4は、本実施形態の測距方法を説明するためのフローチャートである。まず、周波数変調連続波(FMCW波)が定在波レーダー装置1のアンテナ4から水面(液面)に向かって送信される。発信波は、その周波数がf0-(fW/2)からf0+(fW/2)まで掃引された電磁波とされる。また、水面で反射したその反射波は、アンテナ4で受信される(ステップA1)。続いて、発信波と反射波とを合成した合成波が検波器5で検出される。ここでは、二つの観測点x1,x2におけるパワー信号pがそれぞれ第一パワー信号p(fd,x1),第二パワー信号p(fd,x2)として取得される(ステップA2)。これらのパワー信号pは解析信号出力部6に伝達される。ここで、第一位置x1は発信波と合成波とが同位相となる位置に設定される。
解析信号出力部6の選択部7では、第一パワー信号p(fd,x1)と第二パワー信号p(fd,x2)とのうち、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方が選択される(ステップA3)。ここでは、各パワー信号pのパワースペクトルのうち所定周波数以下の低周波成分と所定周波数を超える高周波成分とが算出され、低周波成分の割合が大きい一方のパワー信号pが選択される。また除去部8では、選択部7で選択されたパワー信号pの直流成分DCが除去され、第一交流信号P(fd,x)が導出される(ステップA4)。ここでは、パワー信号pの平均値が直流成分DCとされる。
直交算出部9では、第一交流信号P(fd,x)に基づき、第一交流信号P(fd,x)に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が算出される(ステップA5)。ここでは、第一交流信号P(fd,x)をその振幅成分Aで除した商と第二交流信号P(fd,x-(λ/8))をその振幅成分Aで除した商との二乗和が1に等しい関係(式2参照)に基づいて、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が算出される。これにより、第一交流信号P(fd,x)に対する直交性の高い第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が精度よく算出される。
構築部10では、上記の第一交流信号P(fd,x)と第二交流信号P(fd,x-(λ/8))とに基づいて解析信号pa(fd)が構築される。フローチャート内のステップA7,A8は、少なくともいずれか一方が実施される。第一構築部11では、第一交流信号P(fd,x)を実数部とし、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である解析信号pa(fd)が構築される(ステップA6)。すなわち、第一構築部11は、上記の式5で記述される解析信号pa(fd)を構築する。一方、第二構築部12では、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の周波数微分を実数部とし、第一交流信号P(fd,x)の周波数微分を虚数部とした複素信号である解析信号pa(fd)が構築される(ステップA7)。すなわち、第二構築部12は、上記の式6で記述される解析信号pa(fd)を構築する。
解析信号出力部6で構築された解析信号pa(fd)は制御装置16に伝達される。制御装置16のフーリエ変換部17では、それぞれの解析信号pa(fd)にフーリエ変換処理が施され、距離スペクトル|P(x)|が算出される(ステップA8)。また、距離計測部18では、距離スペクトル|P(x)|のピーク位置を与える距離dが算出され(ステップA9)、解析信号pa(fd)ごとの距離情報が出力装置37に出力される。
[3.作用,効果]
図4は、上述の実施形態の水位計測システム20で取得されたパワー信号pのパワースペクトルである。図4中の太実線は第一パワー信号p(fd,x1)に対応し、細実線は第二パワー信号p(fd,x2)に対応する。この例では、第一パワー信号p(fd,x1)の形状が正弦波形状に近い形状となっている。一方、第二パワー信号p(fd,x2)の形状はやや右肩上がりに傾斜した歪んだ形状である。そのため、第一パワー信号p(fd,x1),第二パワー信号p(fd,x2)に基づいて解析信号pa(fd)を構築した場合には、解析精度が低下しうる。
図5は、上記の第一パワー信号p(fd,x1)から直流成分DCを除去した第一交流信号P(fd,x)とこれに直交する第二交流信号P(fd,x-(λ/8))とのパワースペクトルである。第二交流信号P(fd,x-(λ/8))は、第一交流信号P(fd,x1)に基づいて生成された信号であることから、歪みが少なく直交性の高い信号となる。したがって、第一交流信号P(fd,x),第二交流信号P(fd,x-(λ/8))に基づいて解析信号pa(fd)を構築することで、解析精度が向上する。
図6中の黒丸で表されるグラフは、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を使用しない場合〔第一パワー信号p(fd,x1),第二パワー信号p(fd,x2)に基づいて解析信号pa(fd)を構築した場合〕に算出された距離dの経時変化である。一方、白ひし形で表されるグラフは、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を使用した場合〔第一交流信号P(fd,x),第二交流信号P(fd,x-(λ/8))に基づいて解析信号pa(fd)を構築した場合〕に算出された距離dの経時変化である。このように、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を使用することで、破線で示される真値に近い距離dの値が算出され、距離導出精度が向上することがわかる。
(1)本実施形態によれば、第一交流信号P(fd,x)に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を算出することで、第一交流信号P(fd,x)と第二交流信号P(fd,x-(λ/8))との直交性を高めることができ、解析信号pa(fd)の信頼性を向上させることができる。すなわち、解析精度を向上させることができ、測定対象までの距離導出精度を向上させることができる。また、検波器5で取得されるパワー信号pが一つのみであっても、解析信号pa(fd)を構築することができ、高精度に距離dを計測することができる。
(2)直交算出部9では、式2に示すような関係に基づいて第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が算出される。これにより、第一交流信号P(fd,x)に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号P(fd,x-(λ/8))を精度よく算出することができ、距離導出精度を向上させることができる。
(3)除去部8では、パワー信号pからその平均値を除去したものが第一交流信号P(fd,x)として算出され、パワー信号pに含まれる交流成分がそのまま温存される。これにより、距離dの計測に必要な情報を欠落させることなく不要な情報を排除することができ、測距精度を向上させることができる。また、平均値の算出は容易であることから、演算速度を確保できるとともに、演算構成を簡素化することができる。
(4)第一構築部11では、第一交流信号P(fd,x)を実数部とし、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の符号を反転させたものを虚数部とした解析信号pa(fd)が構築される。このような演算手法を採用することにより、パワー信号pに周波数微分処理を施すことなく解析信号pa(fd)を構築することができ、微分処理に伴う情報の欠落やノイズの混入を抑制することができ、距離dの導出精度を向上させることができる。
特に、水面や液面などの水位計測において、液面までの距離dを高精度に算出することができ、良好な水位測定精度を得ることができる。また、制御や演算内容がシンプルであることから、稼働時間を短縮することが容易であり、水位計測システム20を間欠稼働させるだけで精度よく距離dを計測することができる。
(5)また、式5を用いることで精度のよい解析信号pa(fd)を構築することができ、距離導出精度をさらに向上させることができる。
(6)第二構築部12では、第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の周波数微分を実数部とし、第一交流信号P(fd,x)の周波数微分を虚数部とした解析信号pa(fd)が構築される。このような演算手法を採用することで、従来手法への適合性を高めることができるとともに、簡素な演算構成で距離dを導出することができる。
(7)また、式6を用いることで精度のよい解析信号pa(fd)を構築することができ、距離導出精度をさらに向上させることができる。
(8)上述の実施形態における第一位置x1は、発信波と合成波とが同位相となる位置に設定される。これにより、第一交流信号P(fd,x)や第二交流信号P(fd,x-(λ/8))の算出が容易となり、演算速度を確保できるとともに、演算構成を簡素化することができる。また、第一交流信号P(fd,x)に対する直交性の高い第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が得られやすいことから、データの信頼性を向上させることができ、距離dの導出精度をさらに向上させることができる。
(9)上述の実施形態では、測定対象の変位に起因する歪みを含むパワー信号pが取得されたとしても、歪みの少ないパワー信号pに基づいて第一交流信号P(fd,x),第二交流信号P(fd,x-(λ/8))が算出され、これらに基づいて解析信号pa(fd)が構築される。したがって、測定対象が頻繁に変位,振動するような測定対象までの距離を測定する際の距離測定精度を高めることができる。特に、水面や液面を測定対象とする水位計測システム20に上記の定在波レーダー装置1を適用することで、従来の技術と比較して飛躍的に水位の測定精度を向上させることができる。
(10)上述の実施形態では、第一位置x1における第一パワー信号p(fd,x1)と第二位置x2における第二パワー信号p(fd,x2)とが取得され、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方が解析信号pa(fd)を構築するために使用されるパワー信号pとして選択される。このように、外乱の影響が小さい一方を選択することで、演算構成を簡素化しつつ距離導出精度を向上させることができる。
(11)また、所定周波数以下の成分の割合が大きいものを選択することで、大局的な形状が正弦波に近似している信号を容易に選択することができ、演算構成を簡素化しつつ距離導出精度を向上させることができる。
[4.変形例]
上述の実施形態では、定在波レーダー装置1と制御装置16とが分離した構造の水位計測システム20について詳述したが、制御装置16の機能を定在波レーダー装置1に内蔵させてもよい。この場合、定在波レーダー装置1が外部の出力装置37に距離dの情報を出力する構成としてもよいし、出力装置37を定在波レーダー装置1に内蔵させてもよい。なお、上述の実施形態では、第一位置x1及び第二位置x2で合成波のパワー信号pを取得する検波器5を備えた定在波レーダー装置16を例示したが、本実施形態と同様の制御をモノラル型センサーモジュールで実現することも可能である。
また、定在波レーダー装置1と制御装置16とが別体である場合には、公知のネットワークを介してこれらを接続する構成としておよい。例えば、ネットワーク上のサーバを制御装置16として機能させるとともに、ネットワークに接続するための通信装置を定在波レーダー装置1に内蔵させる。ネットワークの種類としては、インターネットや携帯電話機用の無線通信網,その他のディジタル無線通信網などが挙げられる。定在波レーダー装置1は複数箇所に設置しておき、複数の定在波レーダー装置1から伝達される情報を制御装置16で一元的に管理させてもよい。このような構成により、複数箇所の水位を一括して監視することができ、下水の氾濫に対する対応をさらに迅速化することができる。
上述の実施形態では、測定対象が液面(水面)である水位計測システム20を例示したが、具体的な測定対象はこれに限定されない。例えば、車両用の障害物検知システムや人感システムなどにおける測距手法として、上述の測距装置や測距方法を適用することが可能である。また、上述の実施形態における作用効果は、原理的には測定対象に依存することなく獲得されうる。
[5.付記]
上記の変形例を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(測距装置:付記1〜付記11)
(付記1)
測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得し、前記パワー信号から構築される解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する測距装置であって、
前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出する除去部と、
前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出する直交算出部と、
前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築する構築部と、を備える
ことを特徴とする、測距装置。
(付記2)
前記直交算出部が、前記第一交流信号をその振幅成分で除した商と前記第二交流信号をその振幅成分で除した商との二乗和が1に等しい関係を用いて、前記第二交流信号を算出する
ことを特徴とする、付記1記載の測距装置。
(付記3)
前記除去部が、前記パワー信号の平均値を前記直流成分として除去する
ことを特徴とする、付記1または2記載の測距装置。
(付記4)
前記構築部が、前記第一交流信号を実数部とし、前記第二交流信号の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第一構築部を有する
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の測距装置。
(付記5)
前記第一構築部が、以下の式Aで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記4記載の測距装置。
Figure 2019015699
(付記6)
前記構築部が、前記第二交流信号の周波数微分を実数部とし、前記第一交流信号の周波数微分を虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第二構築部を有する
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の測距装置。
(付記7)
前記第二構築部が、以下の式Bで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記6記載の測距装置。
Figure 2019015699
(付記8)
前記パワー信号の検出位置は、前記発信波と前記合成波とが同位相となる位置である
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の測距装置。
(付記9)
前記測定対象が液面である
ことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の測距装置。
(付記10)
第一位置における前記合成波の第一パワー信号と前記第一位置からλ/8の位置である第二位置における前記合成波の第二パワー信号とのうち、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方を前記パワー信号として選択する選択部を備える
ことを特徴とする、付記1〜9のいずれか1項に記載の測距装置。
(付記11)
前記選択部が、前記第一パワー信号及び前記第二パワー信号のうち、所定周波数以下の成分の割合が大きい一方を前記パワー信号として選択する
ことを特徴とする、付記10記載の測距装置。
(水位計測システム:付記12〜付記22)
(付記12)
測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得するパワーディテクターと、
前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出する除去部と、
前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出する直交算出部と、
前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築する構築部と、
前記解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する距離計測部と、を備える
ことを特徴とする、水位計測システム。
(付記13)
前記直交算出部が、前記第一交流信号をその振幅成分で除した商と前記第二交流信号をその振幅成分で除した商との二乗和が1に等しい関係を用いて、前記第二交流信号を算出する
ことを特徴とする、付記12記載の水位計測システム。
(付記14)
前記除去部が、前記パワー信号の平均値を前記直流成分として除去する
ことを特徴とする、付記12または13記載の水位計測システム。
(付記15)
前記構築部が、前記第一交流信号を実数部とし、前記第二交流信号の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第一構築部を有する
ことを特徴とする、付記12〜14のいずれか1項に記載の水位計測システム。
(付記16)
前記第一構築部が、以下の式Aで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記15記載の水位計測システム。
Figure 2019015699
(付記17)
前記構築部が、前記第二交流信号の周波数微分を実数部とし、前記第一交流信号の周波数微分を虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第二構築部を有する
ことを特徴とする、付記12〜16のいずれか1項に記載の水位計測システム。
(付記18)
前記第二構築部が、以下の式Bで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記17記載の水位計測システム。
Figure 2019015699
(付記19)
前記パワー信号の検出位置は、前記発信波と前記合成波とが同位相となる位置である
ことを特徴とする、付記12〜18のいずれか1項に記載の水位計測システム。
(付記20)
前記測定対象が液面である
ことを特徴とする、付記12〜19のいずれか1項に記載の水位計測システム。
(付記21)
第一位置における前記合成波の第一パワー信号と前記第一位置からλ/8の位置である第二位置における前記合成波の第二パワー信号とのうち、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方を前記パワー信号として選択する選択部を備える
ことを特徴とする、付記12〜20のいずれか1項に記載の水位計測システム。
(付記22)
前記選択部が、前記第一パワー信号及び前記第二パワー信号のうち、所定周波数以下の成分の割合が大きい一方を前記パワー信号として選択する
ことを特徴とする、付記21記載の水位計測システム。
(測距方法:付記23〜付記33)
(付記23)
測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得し、
前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出し、
前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出し、
前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築し、
前記解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する
ことを特徴とする、測距方法。
(付記24)
前記第一交流信号をその振幅成分で除した商と前記第二交流信号をその振幅成分で除した商との二乗和が1に等しい関係を用いて、前記第二交流信号を算出する
ことを特徴とする、付記23記載の測距方法。
(付記25)
前記パワー信号の平均値を前記直流成分として除去する
ことを特徴とする、付記23または24記載の測距方法。
(付記26)
前記第一交流信号を実数部とし、前記第二交流信号の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記23〜25のいずれか1項に記載の測距方法。
(付記27)
以下の式Aで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記26記載の測距方法。
Figure 2019015699
(付記28)
前記第二交流信号の周波数微分を実数部とし、前記第一交流信号の周波数微分を虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記23〜27のいずれか1項に記載の測距方法。
(付記29)
以下の式Bで記述される前記解析信号を構築する
ことを特徴とする、付記29記載の測距方法。
Figure 2019015699
(付記30)
前記パワー信号の検出位置は、前記発信波と前記合成波とが同位相となる位置である
ことを特徴とする、付記23〜29のいずれか1項に記載の測距方法。
(付記31)
前記測定対象が液面である
ことを特徴とする、付記23〜30のいずれか1項に記載の測距方法。
(付記32)
第一位置における前記合成波の第一パワー信号と前記第一位置からλ/8の位置である第二位置における前記合成波の第二パワー信号とのうち、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方を前記パワー信号として選択する
ことを特徴とする、付記23〜31のいずれか1項に記載の測距方法。
(付記33)
前記第一パワー信号及び前記第二パワー信号のうち、所定周波数以下の成分の割合が大きい一方を前記パワー信号として選択する
ことを特徴とする、付記32記載の測距方法。
(補足)
付記2,13,24において、以下の式Cに基づいて前記第二交流信号を算出することが好ましい。
Figure 2019015699
1 定在波レーダー装置
2 電圧制御発振器
3 周波数制御部
4 アンテナ
5 検波器(パワーディテクター)
6 解析信号出力部
7 選択部
8 除去部
9 直交算出部
10 構築部
11 第一構築部
12 第二構築部
16 制御装置
17 フーリエ変換部
18 距離計測部
20 水位計測システム

Claims (13)

  1. 測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得し、前記パワー信号から構築される解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する測距装置であって、
    前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出する除去部と、
    前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出する直交算出部と、
    前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築する構築部と、を備える
    ことを特徴とする、測距装置。
  2. 前記直交算出部が、前記第一交流信号をその振幅成分で除した商と前記第二交流信号をその振幅成分で除した商との二乗和が1に等しい関係を用いて、前記第二交流信号を算出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の測距装置。
  3. 前記除去部が、前記パワー信号の平均値を前記直流成分として除去する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の測距装置。
  4. 前記構築部が、前記第一交流信号を実数部とし、前記第二交流信号の符号を反転させたものを虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第一構築部を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の測距装置。
  5. 前記第一構築部が、以下の式Aで記述される前記解析信号を構築する
    ことを特徴とする、請求項4記載の測距装置。
    Figure 2019015699
  6. 前記構築部が、前記第二交流信号の周波数微分を実数部とし、前記第一交流信号の周波数微分を虚数部とした複素信号である前記解析信号を構築する第二構築部を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の測距装置。
  7. 前記第二構築部が、以下の式Bで記述される前記解析信号を構築する
    ことを特徴とする、請求項6記載の測距装置。
    Figure 2019015699
  8. 前記パワー信号の検出位置は、前記発信波と前記合成波とが同位相となる位置である
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の測距装置。
  9. 前記測定対象が液面である
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の測距装置。
  10. 第一位置における前記合成波の第一パワー信号と前記第一位置からλ/8の位置である第二位置における前記合成波の第二パワー信号とのうち、パワースペクトルの形状がより正弦波形状に近い一方を前記パワー信号として選択する選択部を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の測距装置。
  11. 前記選択部が、前記第一パワー信号及び前記第二パワー信号のうち、所定周波数以下の成分の割合が大きい一方を前記パワー信号として選択する
    ことを特徴とする、請求項10記載の測距装置。
  12. 測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得するパワーディテクターと、
    前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出する除去部と、
    前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出する直交算出部と、
    前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築する構築部と、
    前記解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する距離計測部と、を備える
    ことを特徴とする、水位計測システム。
  13. 測定対象に照射される周波数掃引された電磁波の発信波と前記測定対象で反射した反射波との合成波のパワー信号を取得し、
    前記パワー信号の直流成分を前記パワー信号から除去した第一交流信号を導出し、
    前記第一交流信号に基づき、前記第一交流信号に対してπ/2の位相差を持つ第二交流信号を算出し、
    前記第一交流信号及び前記第二交流信号に基づき、前記解析信号を構築し、
    前記解析信号の距離スペクトルに基づいて前記測定対象までの距離を計測する
    ことを特徴とする、測距方法。
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