JP2019015551A - 橋脚の健全性評価方法 - Google Patents

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寛之 宮腰
Hiroyuki Miyakoshi
寛之 宮腰
健典 欅
Takenori Keyaki
健典 欅
鈴木 修
Osamu Suzuki
修 鈴木
鈴木 博人
Hiroto Suzuki
博人 鈴木
阿部 雅人
Masahito Abe
雅人 阿部
光一 杉崎
Koichi Sugizaki
光一 杉崎
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【課題】卓越振動数を的確に取得し、その卓越振動数の変化に基づいて、橋脚の健全性について評価することができる橋脚の健全性評価方法を実現する。【解決手段】橋脚健全性評価装置20は、橋脚1に設置された橋脚監視装置10の加速度センサ11によって測定された常時微動の加速度データに基づいて、パワースペクトル(L2)、累積スペクトル(L3)、累積スペクトルの回帰曲線(L4)を求め、累積スペクトル(L3)と回帰曲線(L4)との交点間の範囲にある卓越振動数を取得し、卓越振動数を時間軸に沿ってプロットして、その卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示する。こうして卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示すれば、卓越振動数が低下する傾向がある場合にはそれを把握することができるので、卓越振動数の継時的変化に基づいて橋脚の健全性が低下したか否か評価することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、増水に起因する洗掘などによって橋脚の健全性が低下していないか評価する橋脚の健全性評価方法に関する。
河川が増水して橋脚周辺の地盤が洗掘されてしまうと、橋脚が傾斜・倒壊する橋梁災害が発生する虞がある。
こうした河川増水時の橋梁災害を未然に防ぐため、各種センサを利用して橋脚の異常を検出する様々な技術が開示されている。
例えば、橋脚天端に設置した加速度センサで観測した微動波形のフーリエスペクトルに関し、予め衝撃振動試験等で求めておいた橋脚の固有振動数の前後に探索範囲を設定し、その範囲における橋脚の固有振動数のピークの変化を監視することでフーリエスペクトルの低下を検知して、橋脚の異常を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1,非特許文献1参照。)。
また、橋脚天端に設置した加速度センサで観測した微動波形のフーリエスペクトルに関し、例えば、振動数fから振動数fまでの範囲のパワースペクトル面積と、振動数fから振動数fより大きい振動数fまでの範囲のパワースペクトル面積との比をスペクトルスコアと定義し、橋脚の固有振動数と良好な比例関係があるスペクトルスコアを継時的に算出することで、長期的な橋脚の状態監視を行うという技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2010−210335号公報 特開2015−230206号公報
佐溝昌彦,他4名、「河川増水時における鉄道橋脚の固有振動数の特定方法の提案」、土木学会論文集F、vol.66 No.4,524-535,2010.10
しかしながら、上記特許文献1,非特許文献1の技術の場合、微動波形のフーリエスペクトルに含まれる橋脚の固有振動数のピークが卓越しない場合や、微動波形のフーリエスペクトルに含まれる橋脚以外の固有振動数(例えば、桁や電化柱の固有振動数)のピークが支障する場合には、探索範囲を設定できないことや橋脚の固有振動数のピークの変化を監視できないことがあるという問題がある。
また、特許文献2の技術の場合、橋脚の固有振動数を直接的に評価することができないため、スペクトルスコアと橋脚の固有振動数との相関を衝撃振動試験等により確認する手間を要するといった問題がある。また、微動波形には橋脚以外の桁や電化柱等の振動が含まれることがあるため、スペクトルスコアの低下が橋脚の固有振動数の低下によるものか不明確であるという問題があった。
本発明の目的は、卓越振動数を的確に取得し、その卓越振動数の変化に基づいて、橋脚の健全性について評価することができる橋脚の健全性評価方法を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は、橋脚の健全性評価方法であって、
橋脚に設置した加速度センサによって、前記橋脚の振動を含む微動波形を継続して取得する第1工程と、
前記微動波形に基づき、所定時間ごとのパワースペクトルを算出する第2工程と、
前記パワースペクトルの累積分布を算出して累積スペクトルを作成する第3工程と、
前記累積スペクトルの回帰曲線を算出し、その回帰曲線と前記累積スペクトルとの交点を取得する第4工程と、
前記交点の振動数に応じて前記パワースペクトルを複数の範囲に分割し、各分割範囲における卓越振動数を取得する第5工程と、
前記卓越振動数を時系列的にプロットし、その卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示する第6工程と、
を備えるようにした。
パワースペクトルの累積分布を算出して作成した累積スペクトルは、スペクトルの谷に相当する比較的平坦な領域と、顕著なスペクトルのピークに相当する比較的傾斜が急峻な領域とが交互に現れる階段状のカーブを描くようになる。
その累積スペクトルに、累積スペクトルの回帰曲線を重ねてそれらの交点を求めると、累積スペクトルのカーブが回帰曲線によって分断されて、回帰曲線よりも上側となる部分と下側となる部分とに分かれる(図4(b)参照)。
この回帰曲線よりも上側となる累積スペクトル部分に、顕著なスペクトルのピークが含まれていると推認できるので、交点の振動数に応じてパワースペクトルを複数の範囲に分割すれば、分割範囲毎に卓越振動数を絞り込み易くなり、橋桁の固有振動数に相当する卓越振動数を的確に取得することができる。
そして、卓越振動数を時系列的にプロットし(時間軸に沿ってプロットし)、その卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示すれば、卓越振動数が低下する傾向がある場合にはそれを把握することができるので、卓越振動数の継時的変化に基づいて橋脚の健全性が低下したか否か評価することができる。
例えば、洗掘が発生して橋脚の支持力が低下すると、橋脚の固有振動数が低下することから、卓越振動数が低下する傾向がある場合には、橋脚の周辺に洗掘が生じたと推定でき、橋脚の健全性が低下したと判断することができる。
また、望ましくは、
前記卓越振動数が、所定の閾値以下になった場合に、前記橋脚の健全性が低下したと判断し、その結果を出力する第7工程を含むようにする。
こうすることで、橋脚の健全性が低下したことを自動判別することが可能になる。
また、望ましくは、
前記第4工程では、前記回帰曲線よりも前記累積スペクトルの傾斜が緩やかな箇所で前記交点を取得し、その交点間における前記累積スペクトルの傾斜が急峻な箇所に対応させて、前記第5工程で前記卓越振動数を取得するようにする。
こうすることで、より的確に卓越振動数を取得することが可能になる。
また、望ましくは、
前記第5工程で取得した前記卓越振動数が1つの場合には、その卓越振動数に基づいて前記橋脚の健全性に関する評価を行い、
前記第5工程で取得した前記卓越振動数が複数の場合には、予め求めておいた前記橋脚の固有振動数に対応する卓越振動数を特定し、その卓越振動数に基づき前記橋脚の健全性に関する評価を行うようにする。
こうすることで、橋脚の健全性に関する評価を適正に行うことができる。
本発明によれば、的確に取得した卓越振動数に基づき、橋脚の健全性について評価することができる橋脚の健全性評価方法が得られる。
橋脚監視装置(加速度センサ)が設置された橋梁の橋脚を示す説明図である。 橋脚監視システムを示す概略構成図である。 橋脚の微動波形の一例を示す説明図である。 橋脚の微動波形に基づくスペクトルデータの一例を示す説明図であり、パワースペクトル(a)と、累積スペクトル(b)である。 橋桁、橋脚、電化柱の固有振動数を時系列的にプロットしたグラフの一例を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る橋脚の健全性評価方法の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の橋脚の健全性評価方法は、例えば、河川の増水に起因する洗掘が橋脚の周辺に生じたか否かを推定し、橋脚の健全性に関する評価を行うための技術である。
橋梁の橋脚の健全性を評価するため、例えば図1に示すように、橋脚1の上部に加速度センサ11(図2参照)を備えた橋脚監視装置10を設置している。
図1に示すように、橋脚1は橋桁2を支持しており、橋桁2には列車の軌道3が設けられている。また、橋脚1には架線4aを張架する電化柱4が立設されている。
なお、橋梁に複数の橋脚1が設けられている場合、各橋脚1にそれぞれ橋脚監視装置10を設置する。本実施形態では、そのうち1つの橋脚1に設置した橋脚監視装置10を例に説明する。
また、橋脚監視装置10は、図2に示すように、通信ネットワークNを介して橋脚健全性評価装置20と通信可能に接続されている。
通信ネットワークNは、例えば、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等であり、橋脚監視装置10と橋脚健全性評価装置20は、無線通信あるいは有線通信によってそれぞれ通信ネットワークNに通信可能に接続されている。
なお、橋脚監視装置10と橋脚健全性評価装置20とが通信ネットワークNを介して通信可能に接続されて、橋脚監視システム100が構築されている。
橋脚監視装置10は、例えば図2に示すように、加速度センサ11と、通信部12と、制御部13を備えている。
加速度センサ11は、橋脚1の常時微動の加速度を測定するセンサであり、例えば、微小振動を検出可能な一軸加速度計を用いることができる。
この加速度センサ11によって、橋脚1の常時微動を継続して測定する。
通信部12は、例えば、アンテナや通信回路を有し、制御部13による制御の下で橋脚健全性評価装置20との間の通信を行う通信手段である。
この通信部12によって、加速度センサ11が測定した橋脚1の常時微動の加速度データを橋脚健全性評価装置20に送信する。
制御部13は、橋脚監視装置10の動作を中央制御する。具体的には、制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMに記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
例えば、橋脚監視装置10の制御部13は、加速度センサ11が測定した橋脚1の常時微動の加速度データに、その加速度データを測定したタイミングの時刻情報を関連付けて、橋脚健全性評価装置20に送信する処理を行う。
なお、制御部13は、例えばGPS(Global Positioning System)などの時刻情報を取り込む機能を有しており、図示しない内部時計の時刻情報を自動修正するようになっている。
橋脚健全性評価装置20は、例えば図2に示すように、表示部21と、通信部22と、制御部23を備えている。
この橋脚健全性評価装置20は、例えば、駅員や作業員(保守管理員)が常駐している、駅舎の運行管理室などに設置されている。
表示部21は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などである。
この表示部21には、橋脚監視装置10の加速度センサ11が測定した橋脚1の常時微動の加速度データや、その加速度データに基づく各種スペクトルなどが表示される。
通信部22は、例えば、アンテナや通信回路を有し、制御部23による制御の下で橋脚監視装置10との間の通信を行う通信手段である。
この通信部22によって、橋脚監視装置10から送信された加速度データを受信する。
制御部23は、橋脚健全性評価装置20の動作を中央制御する。具体的には、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMに記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
例えば、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、橋脚監視装置10から送信され、通信部22で受信した加速度データに所定の処理を施し、橋脚1の健全性に関する評価を行うためのデータを作成する。
次に、橋脚健全性評価装置20による、橋脚1の健全性評価方法について説明する。
まず、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、橋脚監視装置10の加速度センサ11によって測定された常時微動の加速度データに基づき、橋脚1の振動を含む微動波形を継続して取得する。
ここで制御部23が取得した微動波形は、例えば、図3に示すような、時刻歴波形L1である。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、取得した微動波形(L1)に基づき、所定時間ごとのパワースペクトルを算出する。
例えば、制御部23は、継続して取得した微動波形に基づき、20秒毎のパワースペクトルを算出する。
ここで制御部23が算出したパワースペクトルは、例えば、図4(a)に示すような、スペクトルデータL2である。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、パワースペクトルの累積分布を算出して累積スペクトルを作成する。
ここで制御部23が作成した累積スペクトルは、例えば、図4(b)に示すような、スペクトルデータL3である。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、累積スペクトルの回帰曲線を算出し、その回帰曲線と累積スペクトルとの交点を取得する。
特に、回帰曲線と累積スペクトルとの交点は、回帰曲線よりも累積スペクトルの傾斜が緩やかな箇所で取得するものとする。
ここで制御部23が算出した回帰曲線は、例えば、図4(b)に示すような、二次曲線L4であり、回帰曲線(L4)と累積スペクトル(L3)とが交差する4つの交点(T1,T2,T3,T4)が求められている。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、交点(T1,T2,T3,T4)の振動数に応じてパワースペクトル(L2)を複数の範囲に分割し、各分割範囲における卓越振動数を取得する。
特に、交点(T1,T2,T3,T4)間における累積スペクトル(L3)の傾斜が急峻な箇所に対応させて、卓越振動数を取得するものとする。
ここで制御部23は、例えば、図4(a)に示すように、パワースペクトル(L2)を3つの範囲に分割しており、交点T1と交点T2の間の範囲でピークP1に対応する卓越振動数と、交点T2と交点T3の間の範囲でピークP2に対応する卓越振動数と、交点T3と交点T4の間の範囲でピークP3に対応する卓越振動数とを取得している。
累積スペクトル(L3)が比較的平坦な領域はスペクトルの谷に相当するので、回帰曲線よりも累積スペクトルの傾斜が緩やかな箇所で取得した交点間にはスペクトルのピークがあると推認できる。
そして、その交点間において累積スペクトル(L3)の傾斜が急峻な箇所には、顕著なピークがあると推認できるので、その傾斜が急峻な箇所に対応させれば、的確に卓越振動数を取得することができる。
こうした手法(回帰曲線よりも累積スペクトルの傾斜が緩やかな箇所で取得した交点を指標にする手法)によって、卓越振動数を好適に取得することを可能にした。
なお、卓越振動数を取得する工程にて、1つの卓越振動数が取得された場合、その卓越振動数に基づいて橋脚1の健全性に関する評価を行うことになる。このパワースペクトル(L2)は、橋脚1の常時微動の加速度によるものであるから、卓越振動数が1つの場合には、その卓越振動数は橋脚1の固有振動数であると推認できる。
また、卓越振動数を取得する工程にて、複数の卓越振動数が取得された場合、予め求めておいた橋脚1の固有振動数に対応する卓越振動数を特定し、その卓越振動数に基づいて橋脚1の健全性に関する評価を行うことになる。
例えば、橋脚1には、橋桁2や電化柱4が接触しているので、加速度センサ11が測定した常時微動には、橋脚1の振動の他に橋桁2や電化柱4の振動が含まれていることがある。このような場合、予め橋脚1、橋桁2、電化柱4に対し衝撃振動試験等を行い、それらの固有振動数を求めておき、橋脚1、橋桁2、電化柱4の固有振動数に対応する卓越振動数を特定した後、橋脚1の固有振動数であると特定した卓越振動数に基づいて橋脚1の健全性に関する評価を行うようにする。
本実施形態では、例えば、ピークP1に対応する卓越振動数が橋桁2の固有振動数、ピークP2に対応する卓越振動数が橋脚1の固有振動数、ピークP3に対応する卓越振動数が電化柱4の固有振動数であると特定したものとする。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、パワースペクトル(L2)のピーク(P1,P2,P3)に対応する卓越振動数を時系列的にプロットし(時間軸に沿ってプロットし)、その卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示する。
ここで制御部23は、ピークP1に対応する橋桁2の固有振動数と、ピークP2に対応する橋脚1の固有振動数と、ピークP3に対応する電化柱4の固有振動数とを時間軸に沿ってプロットしてなる、例えば、図5に示すようなグラフを表示部21に表示して、橋桁2、橋脚1、電化柱4の固有振動数の継時的変化を視認可能にしている。なお、本実施形態では、図3に示したような微動波形に基づき、20秒毎のパワースペクトルを算出しているので、各固有振動数(卓越振動数)は20秒毎にプロットされている。
次いで、橋脚健全性評価装置20の制御部23は、ピークP2に対応する橋脚1の固有振動数が、所定の閾値L5以下になった場合に、橋脚1の健全性が低下したと判断する処理を実行する。例えば、洗掘が発生して橋脚1の支持力が低下すると、橋脚1の固有振動数が低下することから、橋脚1の固有振動数が所定の閾値L5よりも低下した場合、橋脚1の周辺に洗掘が生じたと推定できる。
具体的に、橋脚健全性評価装置20の制御部23が、橋脚1の健全性が低下したと判断した場合、制御部23は表示部21に「橋脚の健全性が低下した可能性がある」旨を示す表示を行い、橋脚1に洗掘が生じていないか確認する作業員を現地に派遣することを促す警報を発する。
このように、橋脚健全性評価装置20は、橋脚1に設置された橋脚監視装置10の加速度センサ11によって測定された常時微動の加速度データに基づいて、橋脚1の固有振動数を的確に取得することができ、その橋脚1の固有振動数の継時的変化に応じて、橋脚1の健全性に関する評価を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、橋脚1の固有振動数が所定の閾値L5以下になった場合に、橋脚健全性評価装置20の制御部23が、橋脚1の健全性が低下したと判断して警報を発するとしたが、制御部23の処理は、橋脚1の固有振動数を時系列的にプロットした(時間軸に沿ってプロットした)データを表示部21に表示するなどして、橋脚1の固有振動数の継時的変化を視認可能に表示するに留めてもよい。
橋脚1の固有振動数を時間軸に沿ってプロットしたデータ(図5参照)が表示部21に表示されていれば、駅員や作業員などが橋脚1の固有振動数の継時的変化をチェックすることができるので、橋脚1の固有振動数の変化から何らかの異常が確認された際に、橋脚1に洗掘が生じていないか確認する作業員を現地に派遣するなど、速やかに対処することができる。
なお、以上の実施の形態においては、橋梁に複数の橋脚1が設けられている場合、各橋脚1にそれぞれ橋脚監視装置10を設置するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各橋脚1にそれぞれ加速度センサ11を設置するとともに、通信部12と制御部13を備えている監視装置本体を橋梁あるいは橋梁の近傍に設置し、複数の加速度センサ11と監視装置本体をケーブルなどで接続するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 橋脚
2 橋桁
3 軌道
4 電化柱
10 橋脚監視装置
11 加速度センサ
12 通信部
13 制御部
20 橋脚健全性評価装置
21 表示部
22 通信部
23 制御部
100 橋脚監視システム
N 通信ネットワーク
L1 時刻歴波形(微動波形)
L2 スペクトルデータ(パワースペクトル)
L3 スペクトルデータ(累積スペクトル)
L4 回帰曲線
L5 閾値
T1,T2,T3,T4 交点

Claims (4)

  1. 橋脚に設置した加速度センサによって、前記橋脚の振動を含む微動波形を継続して取得する第1工程と、
    前記微動波形に基づき、所定時間ごとのパワースペクトルを算出する第2工程と、
    前記パワースペクトルの累積分布を算出して累積スペクトルを作成する第3工程と、
    前記累積スペクトルの回帰曲線を算出し、その回帰曲線と前記累積スペクトルとの交点を取得する第4工程と、
    前記交点の振動数に応じて前記パワースペクトルを複数の範囲に分割し、各分割範囲における卓越振動数を取得する第5工程と、
    前記卓越振動数を時系列的にプロットし、その卓越振動数の継時的変化を視認可能に表示する第6工程と、
    を備えたことを特徴とする橋脚の健全性評価方法。
  2. 前記卓越振動数が、所定の閾値以下になった場合に、前記橋脚の健全性が低下したと判断し、その結果を出力する第7工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の橋脚の健全性評価方法。
  3. 前記第4工程では、前記回帰曲線よりも前記累積スペクトルの傾斜が緩やかな箇所で前記交点を取得し、その交点間における前記累積スペクトルの傾斜が急峻な箇所に対応させて、前記第5工程で前記卓越振動数を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の橋脚の健全性評価方法。
  4. 前記第5工程で取得した前記卓越振動数が1つの場合には、その卓越振動数に基づいて前記橋脚の健全性に関する評価を行い、
    前記第5工程で取得した前記卓越振動数が複数の場合には、予め求めておいた前記橋脚の固有振動数に対応する卓越振動数を特定し、その卓越振動数に基づき前記橋脚の健全性に関する評価を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の橋脚の健全性評価方法。
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