JP7094208B2 - 斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法 - Google Patents

斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法 Download PDF

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本願発明は、衛星を利用して測位された観測点の変位に基づいて斜面の安定性を評価する技術であり、より具体的には、測位結果から設定される観測点ごとの個別スコアと、この個別スコアに応じて設定される斜面スコアを用いて斜面の安定性を評価する斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法に関するものである。
高度経済成長期に集中的に整備されてきた建設インフラストラクチャー(以下、「建設インフラ」という。)は、既に相当な老朽化が進んでいることが指摘されている。平成26年には「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言(社会資本整備審議会)」がとりまとめられ、平成24年の笹子トンネルの例を挙げて「近い将来、橋梁の崩落など人命や社会装置に関わる致命的な事態を招くであろう」と警鐘を鳴らし、建設インフラの維持管理の重要性を強く唱えている。このような背景のもと、国は道路法施行規則の一部を改正する省令を公布し、具体的な建設インフラの点検方法、主な変状の着目箇所、判定事例写真などを示した定期点検要領を策定している。例えば橋梁に関しては、約70万橋に上るといわれる橋長2.0m以上の橋を対象とし、供用開始後2年以内に初回点検、以降5年に1回の頻度で定期点検を行うこととしている。
代表的な建設インフラとしては、トンネルや橋梁といった道路構造物のほか道路斜面(自然斜面や、人工的なのり面を含む)を挙げることができる。我が国で供用されている道路の総延長は、約9,000kmの高速自動車国道を含めるとおよそ120万kmを超え、そのうち約30%の道路が山地区間にあるといわれており、すなわち夥しい数の道路斜面が維持管理されているわけである。
これまで道路斜面の点検は、昭和45年の国道56号土砂崩壊事故や、平成元年の国道305号岩盤崩壊事故など、大規模な斜面災害が発生したときに実施される傾向にあった。特に、昭和43年に発生した国道41号飛騨川バス転落事故では甚大な被害を受けており、この事故をきっかけに事前通行規制や道路防災点検が制度化されている。また、平成8年には国道229号豊浜トンネルの坑口付近で11,000mの岩盤が崩落し、この年には緊急的に道路防災総点検が行われている。
近年の道路斜面の点検は、定期的(原則として5年に1度)に実施することとされ、また点検した結果を斜面ごとに記録するなど、体系的な制度のもとに実施されている。例えば、平成2年の国道11号鳴門落石事故後からは安定度調査表が導入されており、道路防災総点検が実施された平成8年以降には安定度調査表に「要対策」、「カルテ対応」、「対策不要」からなる総合評価を記録する運用が導入されている。
このように道路斜面の点検を実施することで、斜面ごとにその状況を把握することができるとともに、その後の対策方針も把握することができるが、既述したとおり維持管理の対象となる道路斜面は大量にあることから、頻繁に本格的な点検を行うことは現実的でない。また現状の道路斜面の点検は点検者の目視結果に基づく評価が基本であり、すなわち点検者の経験や知識等に依存するためその結果は定性的であって点検者によってばらつきが生じるといった問題も指摘することができる。
道路斜面の点検のほか、崩壊のおそれがある斜面、あるいは地すべりの兆候のある斜面では、その動きを監視するための観測が行われることもある。例えば、地すべり兆候のある斜面では、伸縮計や抜き板を利用した観測、孔内傾斜計による観測、地表面変位計測などが実施されていた。しかしながら、伸縮計や抜き板による観測では、地すべり境界(特に頭部)に亘って設置しなければ効果がなく、孔内伸縮計も地すべり深度を正確に推定しなければ効果がないうえに多数箇所設けるとコストがかかるという問題がある。そもそもこれらの手法は、地すべり面がある程度推定される斜面でのみ実施できる観測手法であって、地すべり面が推定できない斜面や崩壊のおそれがある斜面などには採用することができない。
一方、地表面変位計測は、斜面上に設置した多数の観測点の座標を求め、経時的な変位を検出することで斜面の動きを監視することから、直接的に異常を把握することができるうえ、伸縮計や孔内傾斜計のようにその効果が計器設置場所に依存することがないという長所がある。ただし従来では、トータルステーションなどを用いて人が観測点を測位していたため、大きな手間とコストを甘受しなければならなかった。
そこで特許文献1では、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を用いた動態観測を行うことによって斜面の変動の有無を判定する発明を開示している。
特許第5915916号公報
既述したとおり現状の道路斜面の点検は、頻繁に実施することができず、定性的な評価であって評価者によって結果が異なるという問題がある。さらに、現行の安定度調査表ではその斜面の評点(高いほど不安定)が記録されるが、対策工が実施された斜面に関しては、「その効果が認められるときは評点から30点を減点する」、「その効果が高いときは評点を0点とする」など、やや不合理な評価であるとの意見も少なくなかった。その反面、現状の道路斜面の点検は、体系的に制度化されており、総合評価を記録した安定度調査表が一様に作成されることから、道路斜面の状況を相対的に把握することができるという特長も有している。斜面ごとの安定度調査表を見比べることによって、例えば、同一の路線のうち対策すべき斜面を選出できるとともに、その優先度も把握することができるわけである。
一方、特許文献が示すようなGNSSによる動態観測は、道路斜面の安定性を定量的に評価できるうえ、継続的(連続的)にその状況を把握することができるという特長を有している。その反面、対象とする道路斜面を単独で評価するに留まり、他の斜面と比較することができず、対策すべき斜面を選出することも、ましてや対策工を実施する優先度を決定することも難しいという問題を抱えていた。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち斜面の安定性を定量的かつ継続的に評価することができ、しかも他の斜面の状況と比較できるよう相対的に評価することができる斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法を提供することである。
本願発明は、斜面の安定度に寄与する得点(スコア)を斜面上の観測点ごとに与えるとともに、複数の観測点のスコアを総合的に評価したスコアを付与することによって斜面の安定性を評価する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の斜面安定性評価システムは、斜面に設置される複数の観測点を測位衛星で観測することによって斜面の安定性を段階的に評価するシステムであって、測位データ記憶手段と変位速度算出手段、基礎得点設定手段、観測点位置係数設定手段、個別スコア算出手段、斜面スコア算出手段、安定度レベル評価手段を備えたものである。このうち測位データ記憶手段は、観測点の測位データ(測位衛星による測位結果)を観測点ごとに記憶する手段であり、変位速度算出手段は、測位データ記憶手段から測位データを読み出し観測点ごとに変位速度を算出する手段である。基礎得点設定手段は、変位速度に応じた「基礎得点」を観測点ごとに設定する手段であり、観測点位置係数設定手段は、「観測点位置係数(観測点の設置位置に応じて設定される係数であって斜面上部よりも斜面下部の方が高い値で設定される係数)」を観測点ごとに設定する手段である。個別スコア算出手段は、基礎得点に観測点位置係数を乗じた「個別スコア」を観測点ごとに算出する手段であり、斜面スコア算出手段は、斜面に設置された複数の観測点に係る個別スコアを総和することによって「斜面スコア」を算出する手段であり、安定度レベル評価手段は、段階的に設定された「安定度レベル」を斜面スコアに応じて付与する手段である。そして斜面安定性評価システムは、安定度レベル評価手段で付与された安定度レベルに基づいて斜面の安定性を評価する。
本願発明の斜面安定性評価システムは、「残留変位量」に基づいて変位速度を算出するシステムとすることもできる。この場合、変位速度算出手段は、測位データに基づいて変位量を算出するとともに、その変位量から弾性限界変位量を差し引いた残留変位量を算出する。
本願発明の斜面安定性評価システムは、対策工係数設定手段をさらに備えたシステムとすることもできる。この対策工係数設定手段は、斜面に設置された対策工の有無に応じて設定される「対策工係数」を斜面に対して設定する手段である。なお、対策工が設置されていない斜面については、速度閾値を上回る変位速度が検出された観測点の数の逆数が対策工係数とされ、対策工が設置された斜面については、斜面に設置された観測点の数の逆数が対策工係数とされる。この場合、斜面スコア算出手段は、斜面に設置された複数の観測点に係る個別スコアの総和に対策工係数を乗じることによって斜面スコアを算出する。
本願発明の斜面安定性評価システムは、補正係数設定手段と修正点検評価点算出手段をさらに備えたシステムとすることもできる。この補正係数設定手段は、斜面スコアに応じて設定される「補正係数」を斜面に対して設定する手段であり、修正点検評価点算出手段は、斜面の「点検評価点(斜面を点検することによってあらかじめ定められた評価点)」に補正係数を乗ずることによって斜面の「修正点検評価点」を算出する手段である。この場合、斜面安定性評価システムは、修正点検評価点に基づいて斜面における対策工の要否を評価する。
本願発明の斜面安定性評価方法は、斜面に設置される複数の観測点を測位衛星で観測することによって斜面の安定性を段階的に評価する方法であって、センサ設置工程と測位工程、変位速度算出工程、基礎得点設定工程、観測点位置係数設定工程、個別スコア算出工程、斜面スコア算出工程、安定度レベル評価工程を備えた方法である。このうちセンサ設置工程では、斜面の性状に応じて観測点の配置を計画するとともに、その計画にしたがって各観測点に測位衛星の受信機を設置する。測位工程では、測位衛星で測位することによって観測点ごとの測位データを取得し、変位速度算出工程では、測位データに基づいて観測点ごとに変位速度を算出し、基礎得点設定工程では、変位速度に応じた基礎得点を観測点ごとに設定する。観測点位置係数設定工程では、観測点位置係数を観測点ごとに設定すし、個別スコア算出工程では、基礎得点に観測点位置係数を乗じた個別スコアを観測点ごとに算出する。斜面スコア算出工程では、斜面に設置された複数の観測点に係る個別スコアを総和することによって斜面スコアを算出し、安定度レベル評価工程では、あらかじめ段階的に設定された安定度レベルを斜面スコアに応じて付与する。そして、安定度レベル評価手段で付与された安定度レベルに基づいて、斜面の安定性を評価する。
本願発明の斜面安定性評価方法は、対策工係数設定工程をさらに備えた方法とすることもできる。この対策工係数設定工程では、斜面に設置された対策工の有無に応じて設定される対策工係数を斜面に対して設定する。この場合、斜面スコア算出工程では、斜面に設置された複数の観測点に係る個別スコアの総和に対策工係数を乗じることによって、斜面スコアとして算出する。
本願発明の斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法には、次のような効果がある。
(1)継続的(連続的)に斜面の安定性を評価することができ、つまり適時に危険を察知することができることから、未然に斜面災害を防ぐことが期待できる。
(2)定量的、客観的に斜面の安定性を評価することができる。そのため、豊富な経験や知識を有する点検者を数多く確保する必要がなく、例えば、人材不足の状況にある道路管理機関においても好適に道路斜面の維持管理を行うことができる。
(3)変位が進行している斜面に限らず、対策工が実施された斜面についても、その安定性を評価することができる。
(4)斜面ごとに斜面スコアや安定度レベルを設定することから、斜面の相対的評価が可能となり、例えば、同一の路線のうち対策すべき斜面を選出できるうえ、その優先度も判断することができる。
(5)斜面ごとに対策工係数を設定することによって、対策工の有無にかかわらず定量的、客観的に斜面の安定性を評価することができる。
本願発明の斜面安定性評価システムの主な構成を示すブロック図。 本願発明の斜面安定性評価システムの主な処理の流れを示すフロー図。 「残留変位量」を説明するモデル図。 変位速度に対応して定められた基礎得点の一例を示すモデル図。 対策工係数を用いて斜面スコア算出手段を算出する算式を示すモデル図。 斜面スコアに対応して定められた補正係数の一例を示すモデル図。 本願発明の斜面安定性評価方法の主な工程を示すフロー図。
本願発明の斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法の実施形態の例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明は、対象とする斜面に設定された複数の観測点の変位に基づいて、当該斜面の安定性を評価するものである。より具体的には、測位衛星の受信機(以下、単に「センサ」という。)を各観測点に設置し、測位衛星によって観測されたセンサの変位から変位速度を求め、この変位速度に応じてセンサごとの得点(以下、「個別スコア」という。)を算出するとともに、個別スコアに基づいて斜面の得点(以下、「斜面スコア」という。)を算出し、斜面スコアの大小によって対象斜面の安定性を評価する発明である。
2.斜面安定性評価システム
本願発明の斜面安定性評価システムについて、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本願発明の斜面安定性評価方法は、本願発明の斜面安定性評価システムを用いて斜面の安定性を評価する方法であり、したがってまずは本願発明の斜面安定性評価システムについて説明し、その後に本願発明の斜面安定性評価方法について説明することとする。
図1は、本願発明の斜面安定性評価システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように斜面安定性評価システム100は、測位データ記憶手段101と変位速度算出手段102、基礎得点設定手段103、観測点位置係数設定手段104、個別スコア算出手段105、斜面スコア算出手段106、安定度レベル評価手段107を含んで構成され、さらに対策工係数設定手段108や補正係数設定手段109、修正点検評価点算出手段110、センサ111、演算手段112、通信手段113を含んで構成することもできる。
斜面安定性評価システム100のうち変位速度算出手段102と基礎得点設定手段103、観測点位置係数設定手段104、個別スコア算出手段105、斜面スコア算出手段106、安定度レベル評価手段107、対策工係数設定手段108、補正係数設定手段109、修正点検評価点算出手段110は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、パーソナルコンピュータ(PC)や、iPad(登録商標)といったタブレット型PC、スマートフォンを含む携帯端末、あるいはPDA(Personal Data Assistance)などによって構成することができる。コンピュータ装置は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもある。また、測位データ記憶手段101は、例えばデータベースサーバに構築することができ、ローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)に置くこともできるし、インターネット経由(つまり無線通信や有線通信)で保存するクラウドサーバとすることもできる。
センサ111は、既述したとおり斜面に設定される観測点に設置され、測位衛星Sからの信号を受信するものである。センサ111が受信した信号(観測データ)は演算手段112に受け渡され、この観測データを演算処理することでセンサ111の設置位置、つまり観測点の座標(以下、「測位データD」という。)を出力する。ところで、観測データに基づいて測位データDを算出する方法(測位手法)は、単独測位方式と干渉測位方式に二分され、さらに単独測位方式には絶対単独測位とディファレンシャル測位が、干渉測位方式にはスタティック測位とキネマティック測位があることが知られており、本願発明ではいずれの測位手法を採用することもできる。
例えば、測位手法としてキネマティック測位のうち特にリアルタイムキネマティック測位(RTK)を採用した場合、変動しない基準点(参照点)を斜面以外の場所に設けるとともに、斜面上の複数個所にセンサ111を設置し、基準点とセンサ111で同時に4以上の衛星から観測データを受信する。そして、基準点の観測データを無線通信又は有線通信によって演算手段112に送信し、この演算手段112が各観測点の測位データDを算出する。なお、測位データを算出する間隔(エポック)は、測位手法によって大きく異なるが、RTKではエポックを1秒間とするのが主流である。
通信手段113は、測位データ記憶手段101に測位データDを送信するもので、例えばインターネットを経由して測位データ記憶手段101に送られる。なお通信手段113は、測位データDを送信するほか、基準点に設置されたセンサからの観測データや、測位データ記憶手段101からの様々なデータなどを受信することもできる。またセンサ111の周辺には、太陽光発電装置といった発電手段を設置することもできる。発電手段を利用することで商用電力の使用を回避でき、さらにデータの送受信をすべて無線で行うことによって斜面上に一切の配線がなくなり景観やメンテナンスの点で好適となる。
図2は、本願発明の斜面安定性評価システム100の主な処理の流れを示すフロー図であり、中央の列に実施する処理を示し、左列にはその処理に必要な入力情報を、右列にはその処理から生まれる出力情報を示している。以下、この図を参照しながら斜面安定性評価システム100の主な処理の流れについて説明する。
対象斜面に複数のセンサ111を設置すると、測位衛星Sによる観測を行いセンサ111ごとの測位データDを取得する(Step101)。なお便宜上ここでは、対象斜面にn個(nは2以上の整数)のセンサ111が設置されたケースで説明することとし、図2に示す添え字(例えばDやVなど)は1~nのセンサ番号のことである。
測位データDiは、観測点ごとに測位データ記憶手段101に記憶される(Step102)。このとき測位データ記憶手段101は、エポックごとに(例えばRTKであれば1秒間隔で)、しかも観測時刻とともに測位データDを記憶するとよい。そして変位速度算出手段102が、観測点ごとの2時期以上の測位データDij(添え字のjは観測時期を表す)を測位データ記憶手段101から読み出し、単位時間当たりの測位データDijの変化量である「変位速度V」を観測点ごとに算出する(Step103)。
変位速度Vは、2時期以上の測位データDi」の差分に基づいて算出することもできるし、2時期以上の測位データD」から得られる「残留変位量」に基づいて算出することもできる。この残留変位量は、図3に示すように2時期以上の測位データDi」の差分から「弾性限界変位量(弾性領域における最大変位量)」を差し引いた値であり、つまり塑性領域における変位量である。なお弾性限界変位量は、実証実験や解析によってあらかじめ定めておくとよい。
変位速度Vが算出されると、基礎得点設定手段103が変位速度Vに応じた「基礎得点P」を観測点ごとに設定する(Step104)。基礎得点Pは変位速度Vに対応するようにあらかじめ定められる値であり、例えば図4に示すように変位速度Vを複数の範囲(レンジ)に分け、それぞれのレンジに対して基礎得点Pを定めておくとよい。なお基礎得点Pは、この図に示すように変位速度Vが大きいほど大きな値として設定するとよい。もちろん図4に限らず、変位速度Vのレンジやこれに対応する基礎得点Pの値は、目的や斜面の状況に応じて任意に設計することができる。
基礎得点Pが設定されると、個別スコア算出手段105が個別スコアSaを観測点ごとに算出する(Step106)。個別スコアSaは、基礎得点設定手段103によって設定された基礎得点Pに「観測点位置係数Ka」を乗じた値(つまり、基礎得点Pと観測点位置係数Kaの積)である。なお観測点位置係数Kaは、観測点位置係数設定手段104が斜面上における観測点の位置に応じて設定する(Step105)係数であり、斜面上部よりも斜面下部の方が高い値で設定される。例えば、対象斜面をあらかじめ上下方向に複数分割し(例えば上部と下部に2分し)、その分割された領域に対してそれぞれ観測点位置係数Kaを定め(例えば上部を0.9、下部を1.0とし)、その設置位置に対応する領域の両機の観測点位置係数Kaを各観測点に設定するとよい。ここで斜面上部よりも斜面下部の方が高い値として観測点位置係数Kaを設定するのは、斜面下方の変形が進行性破壊を伴うおそれがあるからであり、すなわち緊急の対応を要する可能性があるからである。
個別スコアSaが算出されると、斜面スコア算出手段106が対象斜面の斜面スコアSbを算出する(Step108)。斜面スコアSbは、当該斜面に設置された観測点(センサ111)の個別スコアSaを総計した値であり、大きな値を示すほど当該斜面は不安定であり、小さな値を示すほど当該斜面は安定であると判定される。
斜面スコアSbは、「対策工係数Kb」を用いて算出することもできる。この対策工係数Kbは、対策工係数設定手段108によって設定され(Step107)、対象斜面における対策工の有無に応じて設定される係数である。具体的には、対策工が設置されていない斜面に対しては「変動観測点」の数の逆数が対策工係数Kbとして設定され、対策工が設置された斜面に対しては観測点の数の逆数が対策工係数Kbとして設定される。ここで「変動観測点」とは、あらかじめ定めた変位速度の閾値(以下、「速度閾値」という。)を上回る変位速度が検出された観測点のことであり、換言すれば異常を示す観測点のことである。対策工係数Kbを用いて斜面スコア算出手段106を算出する場合、図5に示すように、対象斜面に設置された観測点の個別スコアSaを総計した値に、対策工係数Kbを乗ずることで斜面スコア算出手段106を求めるとよい。
斜面スコアSbが算出されると、安定度レベル評価手段107が斜面スコアSbに応じた「安定度レベル」を当該斜面に対して付与する(Step109)。安定度レベルは、斜面スコアSbに対応するようにあらかじめ定められる値であり、斜面スコアSbを複数の範囲(レンジ)に分け、それぞれのレンジに対して安定度レベルを定めておくとよい。例えば、安定度レベルとして「要対策」、「カルテ対応」、「対策不要」を設定することで、対象斜面の安定性を段階的に評価できるとともに、今後の維持管理方針を明確にすることもできる。
また、「安定度調査表」のような点検評価点があらかじめ対象斜面に与えられているときは、この点検評価点を斜面スコアSbに基づいて修正した「修正点検評価点」を算出することもできる。この場合、補正係数設定手段109が斜面スコアSbに応じた「補正係数Kc」を当該斜面に対して設定し(Step110)、修正点検評価点算出手段110が点検評価点に補正係数Kcを乗ずる(つまり、点検評価点と補正係数Kcの積を求める)ことによって修正点検評価点を算出する(Step111)。この補正係数Kcは、斜面スコアSbに対応するようにあらかじめ定められる値であり、例えば図6に示すように斜面スコアSbを複数の範囲(レンジ)に分け、それぞれのレンジに対して補正係数Kcを定めておくとよい。なお補正係数Kcは、この図に示すように斜面スコアSbが大きいほど大きな値として設定するとよい。もちろん図6に限らず、斜面スコアSbのレンジやこれに対応する補正係数Kcの値は、目的や斜面の状況に応じて任意に設計することができる。
3.斜面安定性評価方法
次に、本願発明の斜面安定性評価方法ついて図を参照しながら説明する。なお、本願発明の斜面安定性評価方法は、ここまで説明した斜面安定性評価システム100を使用して行う方法であり、したがって斜面安定性評価システム100で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の斜面安定性評価方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.斜面安定性評価システム」で説明したものと同様である。
図7は、本願発明の斜面安定性評価方法の主な工程を示すフロー図である。この図に示すように、まず対象斜面に設定された複数個所の観測点にセンサ111を設置し(Step201)、測位衛星Sを利用して観測点の測位データを取得する(Step202)とともに、観測点ごとの変位速度Vを算出する(Step203)。
観測点ごとの変位速度Vが算出されると、観測点ごとに基礎得点Pを設定し(Step204)、観測点位置係数Kaを設定して(Step205)、観測点ごとに個別スコアSaを算出する(Step206)とともに、対象斜面の斜面スコアSbを算出する(Step208)。このとき、対象斜面の対策工の有無に応じて対策工係数Kbを設定したうえで(Step207)対象斜面の斜面スコアSbを算出することもできる。
斜面スコアSbが算出されると、斜面スコアSbに応じた安定度レベルを対象斜面に対して付与し(Step209)、当該斜面の安定性を段階的に評価する。また、あらかじめ対象斜面に点検評価点が与えられているときは、斜面スコアSbに応じた補正係数Kcを設定し(Step210)、この補正係数Kcを点検評価点に乗ずることによって修正点検評価点を算出する(Step211)。そして、安定度レベルや修正点検評価点に基づいて、例えば同一の路線のうち対策すべき斜面を選出し、さらにその優先度を判定する(Step212)。
本願発明の斜面安定性評価システム、及び斜面安定性評価方法は、自然斜面や切土のり面、盛土のり面といった斜面に利用することができ、また道路斜面に限らず、線路沿いの斜面やダム斜面、住居周辺の斜面などにも利用することができる。崩壊や地すべりなど斜面に起因する事故を未然に防ぐことができることを考えれば、本願発明は産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献が期待できる発明といえる。
100 斜面安定性評価システム
101 (斜面安定性評価システムの)測位データ記憶手段
102 (斜面安定性評価システムの)変位速度算出手段
103 (斜面安定性評価システムの)基礎得点設定手段
104 (斜面安定性評価システムの)観測点位置係数設定手段
105 (斜面安定性評価システムの)個別スコア算出手段
106 (斜面安定性評価システムの)斜面スコア算出手段
107 (斜面安定性評価システムの)安定度レベル評価手段
108 (斜面安定性評価システムの)対策工係数設定手段
109 (斜面安定性評価システムの)補正係数設定手段
110 (斜面安定性評価システムの)修正点検評価点算出手段
111 (斜面安定性評価システムの)センサ
112 (斜面安定性評価システムの)演算手段
113 (斜面安定性評価システムの)通信手段
S 測位衛星

Claims (6)

  1. 斜面に設置される複数の観測点を測位衛星で観測することによって、該斜面の安定性を段階的に評価する斜面安定性評価システムにおいて、
    測位衛星による測位の結果得られた前記観測点の測位データを、該観測点ごとに記憶する測位データ記憶手段と、
    前記測位データ記憶手段から前記測位データを読み出し、前記観測点ごとに変位速度を算出する変位速度算出手段と、
    前記変位速度に応じた基礎得点を、前記観測点ごとに設定する基礎得点設定手段と、
    前記観測点の設置位置に応じて設定される係数であって斜面上部よりも斜面下部の方が高い値で設定される観測点位置係数を、前記観測点ごとに設定する観測点位置係数設定手段と、
    前記基礎得点に前記観測点位置係数を乗じた個別スコアを、前記観測点ごとに算出する個別スコア算出手段と、
    前記斜面に設置された複数の前記観測点に係る前記個別スコアを総和することによって、斜面スコアを算出する斜面スコア算出手段と、
    あらかじめ段階的に設定された安定度レベルを、前記斜面スコアに応じて付与する安定度レベル評価手段と、を備え、
    前記安定度レベル評価手段で付与された前記安定度レベルに基づいて、前記斜面の安定性を評価する、
    ことを特徴とする斜面安定性評価システム。
  2. 前記変位速度算出手段は、前記測位データに基づいて変位量を算出するとともに、該変位量から弾性限界変位量を差し引いた残留変位量を算出し、該残留変位量に基づいて前記変位速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の斜面安定性評価システム。
  3. 前記斜面に設置された対策工の有無に応じて設定される対策工係数を、前記斜面に対して設定する対策工係数設定手段を、さらに備え、
    前記斜面スコア算出手段は、前記斜面に設置された複数の前記観測点に係る前記個別スコアの総和に前記対策工係数を乗じることによって、前記斜面スコアを算出し、
    前記対策工係数設定手段は、対策工が設置されていない前記斜面には、速度閾値を上回る前記変位速度が検出された前記観測点の数の逆数を前記対策工係数として設定し、対策工が設置された前記斜面には、該斜面に設置された前記観測点の数の逆数を前記対策工係数として設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の斜面安定性評価システム。
  4. 前記斜面スコアに応じて設定される補正係数を、前記斜面に対して設定する補正係数設定手段と、
    前記斜面を点検することによってあらかじめ定められた該斜面の点検評価点に、前記補正係数を乗ずることによって、該斜面の修正点検評価点を算出する修正点検評価点算出手段と、をさらに備え、
    前記修正点検評価点に基づいて、前記斜面における対策工の要否を評価する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の斜面安定性評価システム。
  5. 斜面に設置される複数の観測点を測位衛星で観測することによって、該斜面の安定性を段階的に評価する斜面安定性評価方法において、
    前記斜面の性状に応じて前記観測点の配置を計画するとともに、該計画にしたがって各観測点に測位衛星の受信機を設置するセンサ設置工程と、
    測位衛星で測位することによって、前記観測点ごとの測位データを取得する測位工程と、
    前記測位データに基づいて、前記観測点ごとに変位速度を算出する変位速度算出工程と、
    前記変位速度に応じた基礎得点を、前記観測点ごとに設定する基礎得点設定工程と、
    前記観測点の設置位置に応じて設定される係数であって斜面下部よりも斜面上部の方が高い値で設定される観測点位置係数を、前記観測点ごとに設定する観測点位置係数設定工程と、
    前記基礎得点に前記観測点位置係数を乗じた個別スコアを、前記観測点ごとに算出する個別スコア算出工程と、
    前記斜面に設置された複数の前記観測点に係る前記個別スコアを総和することによって、斜面スコアを算出する斜面スコア算出工程と、
    あらかじめ段階的に設定された安定度レベルを、前記斜面スコアに応じて付与する安定度レベル評価工程と、を備え、
    前記安定度レベル評価手段で付与された安定度レベルに基づいて、前記斜面の安定性を評価する、
    ことを特徴とする斜面安定性評価方法。
  6. 前記斜面に設置された対策工の有無に応じて設定される対策工係数を、前記斜面に対して設定する対策工係数設定工程を、さらに備え、
    前記斜面スコア算出工程では、前記斜面に設置された複数の前記観測点に係る前記個別スコアの総和に前記対策工係数を乗じることによって、前記斜面スコアとして算出し、
    前記対策工係数設定工程では、対策工が設置されていない前記斜面には、速度閾値を上回る前記変位速度が検出された前記観測点の数の逆数を前記対策工係数として設定し、対策工が設置された前記斜面には、該斜面に設置された前記観測点の数の逆数を前記対策工係数として設定する、
    ことを特徴とする請求項5記載の斜面安定性評価方法。
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