JP2019015522A - 距離計測装置 - Google Patents

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【課題】簡単な信号処理で受光部からの出力信号が平面状の被検出面による反射光信号か否かを判定する。【解決手段】距離計測装置100は、発光モジュール2から光パルスを照射し、対象物での反射光を受光モジュール7で受光して対象物までの距離を計測する装置であって、受光モジュール7の出力信号が第1閾値より大きい場合に第1所定信号を出力する第1コンパレータ8aと、該出力信号が第1閾値よりも低い第2閾値より大きい場合に第2所定信号を出力する第2コンパレータ8bと、第1所定信号に基づき受光モジュール7の出力信号が第1閾値を上回っている第1時間を検出する第1時間検出部1dと、第2所定信号に基づき受光モジュール7の出力信号が第2閾値を上回っている第2時間を検出する第2時間検出部1eと、第1時間と第2時間に基づき受光モジュール7の出力信号が路面(被検出面)による反射光信号か否かを判定する路面判定部1fとを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、発光部から光パルスを照射した時刻と、その光パルスの対象物による反射光を受光部により受光した時刻とに基づいて、対象物までの距離を計測する距離計測装置に関する。
たとえば、衝突防止機能を有する車両などには、レーザレーダのような光学式の距離計測装置が搭載されている。この距離計測装置は、発光部の発光素子から光パルスを照射して、該光パルスの対象物による反射光を受光部の受光素子により受光し、光パルスの照射時刻と反射光の受光時刻とに基づいて対象物までの距離を計測する(たとえば特許文献1〜5)。
距離計測装置を搭載した車両は、路面上で走行または停車しているので、距離計測装置が検出する対象物としては、たとえば、先行車、人、路面、およびその他の物体などがある。このうち、車両との衝突を回避する必要があるのは、路面以外の対象物であるため、路面とその他の対象物とを区別して認識する技術が種々提案されている。
たとえば特許文献1では、複数回の測距動作において、受光部により受光した反射光の反射地点までの距離データが特定の距離範囲にあれば、該反射光が路面からの反射光であると推定する。また、そのように推定される反射光の光量が閾値を挟んで不規則に変動する場合に、車両周辺の路面が濡れていると判定する。
特許文献2では、受光部により受光した反射光の受光量に基づいて、対象物までの距離を検出し、該距離が路面を示す特定の距離範囲にあった場合、距離に対する受光量の変化(波形)の特徴量を検出する。具体的には、特徴量として、受光量の最大値、受光量の最大値が得られる位置までの距離、および前記位置から受光量が実質的にゼロ(または十分小さい値)となる位置までの距離を検出する。先行車や人や物体が立体物であるのに対して、路面は非立体物であるので、路面による反射光の受光量は、立体物による反射光の受光量に比べて、最大値が低くなり、波形幅が広くなる。このため、反射光の特徴量に基づいて、対象物が路面であるか否かが判定される。
特許文献3では、車両前方の路面画像をカメラなどの画像取得部により取得し、該画像情報に基づいて路面からの反射光の波形の面積を推定して、理想反射波形面積とする。また、レーダ部の発光部からレーザ光を照射して、路面からの反射光を受光部により受光し、受光部からの出力信号に基づいて、該反射光の波形の面積を算出して、実反射波形面積とする。そして、実反射波形面積が理想反射波形面積よりも所定値以上下回った場合に、レーザ部の投光窓カバーに汚れが付着していると判定する。
特許文献4では、車両が照射波(レーザ光)を路面に照射して走行している状態を検出したときに、その反射波を受光部により検出して、受光部から出力される受光信号を反射波の波形として観測する。そして、反射波の波形に基づいて、照射波を反射した物体が先行車か路面かを判定する。具体的には、反射波の最大強度と、反射波の所定強度を上回る時間とを検出する。路面による反射波は、先行車による反射波に比べて、最大強度が低く、所定強度を上回る時間が長くなるので、これに基づいて反射波の反射元が先行車か路面かを判定することができる。
特許文献5では、光ビームの投受光動作により取得した測距データ(距離と反射光の強度)を一体化して物標データを生成し、探索領域内に別レイヤの測距データが存在しなければ、非立体物からの測距データであると判定する。そして、測距データに基づいて、距離ヒストグラムと反射強度ヒストグラムを生成し、両ヒストグラムのいずれにおいても閾値を超える度数があれば、路面からの測距データであると判定する。
特開2002−257934号公報 特開2003−42757号公報 特開2004−271404号公報 特開2006−98221号公報 特開2011−232325号公報
路面のような平面状の被検出面からの反射光を検出するため、たとえば、受光部からの出力信号を統計的に処理したり、該出力信号の波形の特徴を複数抽出したりすると、信号処理が複雑になり、それを担う信号処理部の負担が大きくなってしまう。
本発明は、簡単な信号処理により、受光部からの出力信号が平面状の被検出面からの反射光信号であるか否かを判定することができる距離計測装置を提供することを課題とする。
本発明による距離計測装置は、対象物に対して光パルスを照射する発光素子を有する発光部と、光パルスの対象物による反射光を受光する受光素子を有する受光部と、発光部により光パルスを照射してから受光部により反射光を受光するまでの時間に基づいて、対象物までの距離を算出する距離算出部と、受光素子の受光状態に応じた受光部からの出力信号と所定の第1閾値とを比較して、該出力信号が第1閾値より大きい場合に、第1所定信号を出力する第1比較出力部と、受光部からの出力信号と第1閾値より小さい所定の第2閾値とを比較して、該出力信号が第2閾値より大きい場合に、第2所定信号を出力する第2比較出力部と、第1所定信号に基づいて受光部からの出力信号が第1閾値を上回ってから下回るまでの第1時間を検出する第1時間検出部と、第2所定信号に基づいて受光部からの出力信号が第2閾値を上回ってから下回るまでの第2時間を検出する第2時間検出部と、第1時間と第2時間とに基づいて、受光部からの出力信号が平面状の被検出面による反射光信号であるか否かを判定する判定部とを備える。
発光部からの光パルスが被検出面以外の立体的な対象物により反射して、該反射光が受光素子により受光された場合は、受光部からの出力信号の立ち上がりと立ち下がりが急峻になり、該出力信号の最大値が大きくなって、該出力信号の幅が狭くなる。これに対して、光パルスが平面状の被検出面により反射して、該反射光が受光素子により受光された場合は、比較的、受光部からの出力信号の立ち上がりまたは立ち下がりが緩やかになり、該出力信号の最大値が小さくなって、該出力信号の幅が広くなる。そして、2つの比較出力部により大きさの異なる第1閾値および第2閾値と、受光部からの出力信号とを比較して、該出力信号が第1閾値を上回ってから下回るまでの第1時間、および第2閾値を上回ってから下回るまでの第2時間を、各時間検出部により検出する。すると、受光部からの出力信号が被検出面による反射光信号である場合と、その他の立体的な対象物による反射光信号である場合とでは、第1時間と第2時間の比較結果に違いが生じる。このため、判定部において、第1時間と第2時間に基づいて、受光部からの出力信号が被検出面からの反射光信号であるか否かを容易に判定することができる。また、受光部からの出力信号を統計的に処理したり、該出力信号の波形の特徴を複数抽出したりするのではなく、受光部からの出力信号を閾値と比較したり、該比較により検出した時間を参照したりするので、各比較出力部、各時間検出部、および被検出面判定部による信号処理を簡単にすることができる。
本発明において、判定部は、第1時間が第2時間より所定時間短い場合に、受光部からの出力信号が被検出面からの反射光信号であると判断してもよい。
また、本発明において、反射光を受光部により受光しない非受光期間に、受光部からの出力信号の最大値を検出する最大値検出部と、該最大値以上の値に第1閾値および第2閾値を設定する閾値設定部とをさらに備えてもよい。
また、本発明において、反射光を受光部により受光する受光期間に、判定部は、受光部からの出力信号が被検出面による反射光信号であるか否かを判定し、距離算出部は、判定部により受光部からの出力信号が被検出面による反射光信号であると判断されると、第1所定信号または第2所定信号に基づいて反射光の受光時刻を検出し、該受光時刻と光パルスの照射時刻とに基づいて対象物までの距離を算出してもよい。
また、本発明において、判定部は、第1時間が第2時間より所定時間短く、かつ距離算出部により算出した距離が所定距離範囲にある場合に、受光部からの出力信号が被検出面からの反射光信号であると判断してもよい。
さらに、本発明において、第1比較出力部から出力されるアナログの第1所定信号をデジタルの第1所定信号に変換して、距離算出部または第1時間検出部に出力する1ビットの第1アナログデジタルコンバータと、第2比較出力部から出力されるアナログの第2所定信号をデジタルの第2所定信号に変換して、距離算出部または第2時間検出部に出力する1ビットの第2アナログデジタルコンバータとをさらに備えてもよい。
本発明によれば、簡単な信号処理により、受光部からの出力信号が被検出面からの反射光信号であるか否かを判定することができる距離計測装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態による距離計測装置の光学系を上方から見た状態を示した図である。 図1の距離計測装置の光学系を後方から見た状態を示した図である。 図1の距離計測装置の電気的構成を示した図である。 図1の距離計測装置による対象物への投光状態を示した図である。 図3の受光モジュールの出力信号を示した図である。 図1の距離計測装置の動作タイミングを示した図である。 図3の受光モジュールとコンパレータのノイズ検出時の出力信号を示した図である。 図3の受光モジュールとコンパレータの先行車検出時の出力信号を示した図である。 図3の受光モジュールとコンパレータの路面検出時の出力信号を示した図である。 図1の距離計測装置による路面近傍の平坦物への投光状態を示した図である。 図1の距離計測装置の動作を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態による距離計測装置の電気的構成を示した図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
図1は、距離計測装置100の光学系を上方から見た状態を示した図である。図2は、距離計測装置100の光学系を後方(図1で下側、すなわち対象物50と反対側)から見た状態を示した図である。
距離計測装置100は、車載用のレーザレーダである。距離計測装置100の光学系は、LD(Laser Diode)2a、投光レンズ14、回転走査部4、受光レンズ16、反射鏡17、およびPD(Photodiode)7aから成る。そのうち、LD2a、投光レンズ14、および回転走査部4は、投光光学系である。回転走査部4、受光レンズ16、反射鏡17、およびPD7aは、受光光学系である。
これらの光学系は、距離計測装置100のケース(図示省略)内に収容されている。そのケースの前面(対象物50側)は開口しているが、透光性を有するカバーにより覆われている。このカバーが車両の前方、後方、または左右側方を向くように、距離計測装置100は車両の前部、後部、または左右側部に設置される。対象物50は、先行車、人、路面、またはその他の物体である。
LD2aは、高出力の光パルスを照射する発光素子である。図1および図2では、便宜上、LD2aを1つだけ示しているが、LD2aは、実際には図2で上下方向に複数配列されている。LD2aは、発光面が回転走査部4側を向くように配置されている。
PD7aは、PIN型のフォトダイオードであり、LD2aから照射した光パルスの対象物50による反射光を受光する受光素子である。図1および図2では、便宜上、PD7aを1つだけ示しているが、PD7aは、実際には図2で上下方向または左右方向に複数配列されている。PD7aは、受光面が反射鏡17側を向くように配置されている。
図1および図2に示す回転走査部4は、回転鏡または光偏向器とも呼ばれている。回転走査部4には、回転鏡4aとモータ4cなどが備わっている。回転鏡4aは、板状に形成されている。回転鏡4aの表面および裏面は、反射面となっている。
図2に示すように、回転鏡4aの下方には、モータ4cが設けられている。モータ4cの回転軸4jは上下方向と平行になっている。モータ4cの回転軸4jの上端には、回転鏡4aの中央にある連結軸(図示せず)が固定されている。モータ4cの回転軸4jに連動して、回転鏡4aは回転する。
図2に示すように、受光レンズ16、反射鏡17、およびPD7aは、回転鏡4aの上部周辺に配置されている。LD2aと投光レンズ14は、回転鏡4aの下部周辺に配置されている。
図1および図2に1点鎖線の矢印で示すように、LD2aから照射された光パルスは、投光レンズ14により拡がりを調整された後、回転鏡4aの表面または裏面の下半分の領域に当たる。この際、モータ4cが回転して、回転鏡4aの角度(向き)が変化し、回転鏡4aの表面または裏面が対象物50側を向いた所定角度となる(たとえば図1に実線で示す鏡4aの状態)。これにより、LD2aからの光パルスが投光レンズ14を透過した後、回転鏡4aの表面または裏面の下半分の領域で反射して、距離計測装置100の外方にある所定範囲に走査される。つまり、回転走査部4は、LD2aからの光パルスを、回転鏡4aの表面と裏面で反射して対象物50側に偏向する。
図1に示す走査角度範囲Zは、LD2aからの光パルスが回転走査部4の鏡4aの表面または裏面により反射されて、距離計測装置100から投射される所定範囲(上面視)である。すなわち、この走査角度範囲Zが、距離計測装置100による対象物50の検出範囲である。
上記のように、距離計測装置100から投射された光パルスは、対象物50で反射される。その反射光は、図1および図2に2点鎖線の矢印で示すように、回転鏡4aの表面または裏面の上半分の領域に当たる。この際、モータ4cが回転して、回転鏡4aの角度(向き)が変化し、回転鏡4aの表面または裏面が対象物50側を向いた所定角度となる(たとえば図1に実線で示す鏡4aの状態)。これにより、対象物50での反射光が、回転鏡4aの表面または裏面の上半分の領域で反射して、受光レンズ16に入射する。つまり、回転走査部4は、対象物50からの反射光を、回転鏡4aの表面または裏面で反射して、受光レンズ16側へ偏向する。
回転走査部4を経由して受光レンズ16に入射した反射光は、受光レンズ16で集光された後、反射鏡17で反射して、PD7aで受光される。つまり、回転走査部4は、対象物50からの反射光を回転鏡4aで反射して、受光レンズ16と反射鏡17を介してPD7aへ導く。
図3は、距離計測装置100の電気的構成図である。距離計測装置100には、制御部1、発光モジュール2、LD駆動回路3、モータ4c、モータ駆動回路5、エンコーダ6、受光モジュール7、コンパレータ8a、8b、ADC(Analog to Digital Converter)9a、9b、DAC(Digital to Analog Converter)10a、10b、記憶部11、およびインタフェイス12が備わっている。
制御部1は、マイクロコンピュータなどから成り、距離計測装置100の各部の動作を制御する。制御部1には、距離算出部1a、最大値検出部1b、閾値設定部1c、第1時間検出部1d、第2時間検出部1e、および路面判定部1fが設けられている。
記憶部11は、揮発性や不揮発性のメモリから成る。記憶部11には、制御部1が距離計測装置100の各部を制御するための情報、対象物50までの距離を計測するための情報、および路面による反射光を検出するための情報などが記憶されている。
インタフェイス12は、車両に搭載されたECU(電子制御装置)と通信するための通信回路から成る。制御部1は、インタフェイス12によりECUに対して、対象物50までの距離に関する情報や各種制御情報を送受信する。
発光モジュール2には、前述した複数のLD2aと、各LD2aを発光させるためのキャパシタ2cなどが設けられている。図3では、便宜上、LD2aとキャパシタ2cのブロックを、それぞれ1つ示している。発光モジュール2は、本発明の「発光部」の一例である。
制御部1は、LD駆動回路3により発光モジュール2のLD2aの動作を制御する。具体的には、制御部1は、LD駆動回路3によりLD2aを発光させて、対象物50に光を照射する。また、制御部1は、LD駆動回路3によりLD2aの発光を停止させて、キャパシタ2cを充電する。
また、制御部1は、モータ駆動回路5により回転走査部4のモータ4cの駆動を制御する。そして、制御部1は、前述したように、回転鏡4aを回転させて、LD2aから照射した光パルスや、対象物50による反射光を偏向する。この際、制御部1は、エンコーダ6の出力に基づいて、モータ4cや回転鏡4aの回転状態(回転角や回転数など)を検出する。
受光モジュール7には、PD7a、TIA(Trans Impedance Amplifier)7b、MUX(Multiplexer)7c、および高速アンプ7dが含まれている。受光モジュール7は、本発明の「受光部」の一例である。
PD7aとTIA7bは、対を成すように、それぞれ複数設けられている。図3では、代表的に、2組のPD7aおよびTIA7bを示しているが、3組目以上のPD7aおよびTIA7bも同様に設けられている。各組のPD7aとTIA7bにより、それぞれ受光チャンネルが構成されている。つまり、受光モジュール7には、複数の受光チャンネルが設けられている。
各PD7aのカソードは、電源+Vに接続されている。各PD7aのアノードは、各TIA7bの入力端に接続されている。各TIA7bの出力端は、MUX7cに接続されている。各PD7aは、光を受光することにより、電流を出力する。各TIA7bは、接続されたPD7aに流れた電流を電圧信号に変換して、MUX7cへ出力する。
MUX7cは、各TIA7bの出力信号を選択し、高速アンプ7dに出力する。高速アンプ7dは、高速でゲインを切り替えて、MUX7cの出力信号を増幅し、第1コンパレータ8aと第2コンパレータ8bとにそれぞれ出力する。これにより、各PD7aの受光状態に応じた電圧信号が、受光モジュール7から順次コンパレータ8a、8bに出力される。
発光モジュール2のLD2aから照射された光パルスの照射角度によって、該光パルスの対象物50による反射光は、対応する受光チャンネルのPD7aに入射する。太陽光などの外乱光も、各受光チャンネルのPD7aに入射する。 つまり、各PD7aには、対象物50による反射光または外乱光が入射する。このため、受光モジュール7からは、対象物50による反射光の受光に応じた電圧信号、または外乱光の受光に応じた電圧信号が出力される。
図4は、距離計測装置100による対象物50への投光状態を示した図である。距離計測装置100を搭載した車両60を、以下、自車両60という。図5は、受光モジュール7の出力信号を示した図である。図5において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。また、図5に示す山状の各パルス波が、受光モジュール7からの出力信号である。(後述の図7(a)、図8(a)、および図9(a)も同様である。)
発光モジュール2のLD2aから照射された光パルスが、図4に細い実線の矢印で示すように、先行車51や路面52などの対象物に照射された場合は、その反射光を受光するPD7aの受光量が多くなるので、PD7aからの出力電流が大きくなる。一方、PD7aが外乱光を受光した場合は、対象物による反射光を受光した場合に比べて、受光量が少なくなるので、PD7aからの出力電流が小さくなる。
そのため、先行車51や路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号は、図5に1点鎖線で囲んでいるように、レベル(波高値)が大きくなる。これに対して、外乱光に基づく受光モジュール7からの出力信号は、図5に2点鎖線で囲んでいるように、レベル(波高値)が小さくなる。
対象物による反射光が一時的な光であるのに対して、外乱光は定常光であるので、PD7aには、外乱光が常にランダムに入射する。このため、各PD7aからは、外乱光の受光に応じて電流信号が常にランダムに出力され、受光モジュール7からは、図5に示すように、外乱光に基づくレベルの小さい電圧信号が常にランダムに出力される。
受光モジュール7からの出力信号のうち、対象物による反射光に基づく出力信号は、対象物50までの距離の計測や路面52の検出に関与する反射光信号であり、外乱光に基づく出力信号は、距離の計測や路面52の検出に関与しないノイズである。
先行車51は、高さを有する立体的な被検出物である。このため、図4(a)に細い実線の矢印で示すように、先行車51に対してLD2aから光パルスが照射された場合は、その反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号が、図5(a)に1点鎖線で囲っているように、立ち上がりと立ち下がりが急峻な波形となり、該波形の幅が狭くなる。先行車51以外の立体的な対象物に対してLD2aから光パルスが照射された場合も、その反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号は同様になる。
一方、路面52は、高さを有しない平面状の被検出面である。ここで、「平面状」とは、全く起伏のない状態だけでなく、多少の起伏がある状態も含む概念である。具体的には、路面52には、距離計測装置100が搭載された車両が走行する車道のほか、人が通行する歩道や、車両の周辺の地面や、車両が駐車する駐車場の地面などが含まれる。図4(b)に細い実線の矢印で示すように、路面52に対してLD2aから光パルスが照射された場合は、その反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号が、図5(b)に1点鎖線で囲っているような、実線の波形となる。この路面52による反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号の波形は、図5(a)に1点鎖線で囲った先行車51による反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号の波形に比べて、立ち上がりと立ち下がりがなだらかで、幅が広くなっている。
このように、路面52による反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号の波形の幅が広くなるのは、路面52の各反射点からの反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの複数の出力信号(図5(b)に破線で示す各波形)が畳み込まれるからである。路面52以外の平面的な対象物に対してLD2aから光パルスが照射された場合も、その反射光の受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号は同様になる。
図3において、第1コンパレータ8aは、MUX7cからの出力信号(電圧信号)と所定の第1閾値(後述する図8および図9の閾値Va)とを比較して、該出力信号が反射光信号であるかノイズであるかを区別する。第2コンパレータ8bは、MUX7cからの出力信号と所定の第2閾値(後述する図8および図9の閾値Vb)とを比較して、該出力信号が反射光信号であるかノイズであるかを区別する。
具体的には、第1コンパレータ8aは、MUX7cの出力信号が第1閾値より大きい場合、該出力信号が反射光信号であることを示すため、第1所定信号(たとえばハイレベル信号)を第1ADC9aに出力する。第2コンパレータ8bは、MUX7cの出力信号が第2閾値より大きい場合、該出力信号が反射光信号であることを示すため、第2所定信号(たとえばハイレベル信号)を第2ADC9bに出力する。
また、第1コンパレータ8aは、MUX7cの出力信号が第1閾値以下である場合、該出力信号がノイズであることを示すため、第1ADC9aに第1所定信号を出力しない。第2コンパレータ8bは、MUX7cの出力信号が第2閾値以下である場合、該出力信号がノイズであることを示すため、第2ADC9bに第2所定信号を出力しない。
コンパレータ8a、8bは、MUX7cの出力信号が閾値以下の場合に、別の所定信号(たとえばローレベル信号)を各ADC9a、9bに出力してもよいし、信号を全く出力しなくてもよい。
第1コンパレータ8aは、本発明の「第1比較出力部」の一例である。第2コンパレータ8bは、本発明の「第2比較出力部」の一例である。
第1ADC9aと第2ADC9bは、それぞれサンプリングレートが10GSpsの1ビットのアナログデジタルコンバータである。第1ADC9aは、第1コンパレータ8aから出力されるアナログ信号(第1所定信号)を、高速でデジタル信号に変換して、制御部1に出力する。具体的には、第1コンパレータ8aから第1所定信号が出力されたとき、第1ADC9aは、該第1所定信号をデジタルの「1」信号に変換して、制御部1に出力する。また、第1コンパレータ8aから第1所定信号が出力されていないとき、第1ADC9aは、デジタルの「0」信号を制御部1に出力する。
第2ADC9bは、第2コンパレータ8bから出力されるアナログ信号(第2所定信号)を、高速でデジタル信号に変換して、制御部1に出力する。具体的には、第2コンパレータ8bから第2所定信号が出力されたとき、第2ADC9bは、該第2所定信号をデジタルの「1」信号に変換して、制御部1に出力する。また、第2コンパレータ8bから第2所定信号が出力されていないとき、第2ADC9bは、デジタルの「0」信号を制御部1に出力する。
制御部1の距離算出部1aは、LD2aからの光パルスの照射時刻を検出する。また、第1ADC9aまたは第2ADC9bから「1」信号が出力された場合に、該「1」信号に基づいて、LD2aからの光パルスの対象物50による反射光の受光時刻を検出する。そして、光パルスの照射時刻と反射光の受光時刻とに基づいて、対象物50までの距離を算出する。詳しくは、LD2aから照射した光パルスのTOF(Time of Flight)を検出し、該TOFに基づいて対象物50までの距離を算出する。
上記のように対象物50までの距離を算出する際、第1ADC9aからの出力信号と、第2ADC9bからの出力信号のうち、両方を用いてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。つまり、対象物50までの距離は、第1コンパレータ8aからの第1所定信号または第2コンパレータ8bからの第2所定信号に基づいて算出すればよい。
受光モジュール7により検出されるノイズ(図5)のレベルは、周囲環境などに起因して変動する。受光モジュール7からの出力信号が反射光信号であるかノイズであるかを精度良く区別するには、コンパレータ8a、8bで用いる第1閾値と第2閾値をその都度適切に設定するのが好ましい。そのため、第1閾値と第2閾値は、後述するようにノイズのレベルに応じて変更される。
第1DAC10aと第2DAC10bは、それぞれ8ビットのデジタルアナログコンバータである。第1DAC10aは、制御部1から入力される第1閾値に関するデジタル信号をアナログ信号に変換して、第1コンパレータ8aに出力する。第1コンパレータ8aは、第1DAC10aから入力されるアナログ信号に基づいて、第1閾値を変更する。
第2DAC10bは、制御部1から入力される第2閾値に関するデジタル信号をアナログ信号に変換して、第2コンパレータ8bに出力する。第2コンパレータ8bは、第2DAC10bから入力されるアナログ信号に基づいて、第2閾値を変更する。
図6は、距離計測装置100の動作タイミングを示した図である。たとえば、発光モジュール2のLD2aからは、図6(a)に示すように、光パルスが5ns(ナノ秒)の幅で5μs(マイクロ秒)毎に照射される。LD2aの動作は制御部1により制御され、LD2aからの光パルスの照射時刻は距離算出部1aにより検出される。
距離算出部1aのTOFによる距離測定には1μsかかる。このため、LD2aにより光パルスの照射を開始してから1μs間が、光パルスの対象物50による反射光を受光モジュール7により受光する受光期間T1である(図6(b))。そして、その後の4μsは、LD2aから光パルスが照射されないので、光パルスの対象物50による反射光を受光モジュール7により受光しない非受光期間T2である(図6(b))。この非受光期間T2に、外乱光を受光モジュール7により受光して、受光モジュール7から出力されるノイズを検出する。
図7は、受光モジュール7とコンパレータ8のノイズ検出時の出力信号を示した図である。図7(a)は、図6の非受光期間T2に受光モジュール7から出力される信号を示している。この出力信号は、外乱光に基づくノイズであり、反射光信号を含んでいない。
非受光期間T2において、制御部1の閾値設定部1cは、大きさが段階的に異なる複数の仮閾値V1〜Vnを示したデジタルの情報を、各DAC10a、10bに昇順に出力する。DAC10a、10bは、閾値設定部1cからいずれかの仮閾値V1〜Vnを示した情報が入力される度に、該情報をアナログ信号に変換して、コンパレータ8a、8bに出力する。コンパレータ8a、8bは、DAC10a、10bからいずれかの仮閾値V1〜Vnを示した信号が入力される度に、受光モジュール7からの出力信号と比較する仮閾値V1〜Vnを切り替えて、両者の比較を行う。つまり、図7(a)に示すように、受光モジュール7からの出力信号と比較する仮閾値が、V1→V2→V3→・・・→Vnと段階的に変更される。
そして、コンパレータ8a、8bは、受光モジュール7からの出力信号が仮閾値より大きいときに、第1所定信号(オン信号)または第2所定信号(オン信号)を出力する。図7(b)、(c)は、代表的に、それぞれコンパレータ8a、8bが受光モジュール7からの出力信号と仮閾値V1、V4とを比較したときの、コンパレータ8a、8bの出力状態を示している。受光モジュール7からの出力信号が仮閾値V1、V4を超えている間、コンパレータ8a、8bからオン信号が出力される。図7(d)は、コンパレータ8a、8bが受光モジュール7からの出力信号と仮閾値V5〜Vnとを比較したときの、コンパレータ8a、8bの出力状態を示している。受光モジュール7からの出力信号が仮閾値V5〜Vnを超えないため、コンパレータ8a、8bからオン信号は出力されない。
ADC9a、9bは、コンパレータ8a、8bから出力される第1所定信号または第2所定信号を、デジタル信号に変換して、制御部1に出力する。制御部1の最大値検出部1bは、閾値設定部1cが出力した仮閾値V1〜Vn毎に、コンパレータ8a、8bからADC9a、9bを介して出力される第1所定信号または第2所定信号の出力頻度を検出し、該出力頻度に基づいてノイズの最大値を検出する。
具体的には、たとえば最大値検出部1bは、第1所定信号または第2所定信号が出力された仮閾値のうちの最大の仮閾値以上で、かつ第1所定信号または第2所定信号が出力されなかった仮閾値のうちの最小の仮閾値未満の値(範囲)を、ノイズの最大値として検出する。図7の例では、仮閾値V4以上でかつ仮閾値V5未満の値が、ノイズの最大値となる。
他の例として、第1所定信号または第2所定信号が出力された仮閾値のうちの最大の仮閾値を、ノイズの最大値として検出してもよい。この場合、図7の例では、仮閾値V4がノイズの最大値となる。
たとえば、仮閾値V1〜Vnとして大きさが異なる10個の値を設定した場合(n=10)、4μsの非受光期間T2が各閾値に対応して10区間に分割され、1区間あたりが400nsとなる。そして、1ビットのADC9a、9bでコンパレータ8a、8bからの出力信号を変換処理することで、非受光期間T2に少なくとも400サンプルのデータを観測することができる。
上述したように、最大値検出部1bによりノイズの最大値が検出されると、閾値設定部1cは、該最大値に基づいて第1閾値Vaと第2閾値Vbを設定する。このとき、たとえば閾値設定部1cは、最大値検出部1bにより検出されたノイズの最大値より1段階大きい仮閾値を、第2閾値Vbとして設定する。また、第2閾値Vbより1段階大きい仮閾値を、第1閾値Vaとして設定する。図7の例では、ノイズの最大値が仮閾値V5未満なので、仮閾値V5が第2閾値Vbとして設定され、仮閾値V5より1段階大きい仮閾値V6が第1閾値Vaとして設定される。
他の例として、最大値検出部1bにより検出されたノイズの最大値と同等の仮閾値を、第2閾値Vbとして設定し、それより大きい値を第1閾値Vaとして設定してもよい。具体的には、図7の例では、ノイズの最大値が仮閾値V4以上なので、仮閾値V4を第2閾値Vaとして設定する。そして、仮閾値V4より所定幅大きい値を第1閾値Vaとして設定してもよい。つまり、第2閾値Vbは、最大値検出部1bにより検出されたノイズの最大値以上に設定すればよいし、第1閾値Vaは、第2閾値Vbより大きい値に設定すればよい。このようにすることで、第1閾値Vaより第2閾値Vbが小さくなる。
そして、閾値設定部1cは、第1閾値Vaを示したデジタルの情報を第1DAC10aに出力する。第1DAC10aは、第1閾値Vaを示した情報をアナログ信号に変換して、第1コンパレータ8aに出力する。第1コンパレータ8aは、第1DAC10aからの入力信号に基づいて、受光モジュール7からの出力信号と比較する第1閾値を変更する。
また、閾値設定部1cは、第2閾値Vbを示したデジタルの情報を第2DAC10b出力する。第2DAC10bは、第2閾値Vbを示した情報をアナログ信号に変換して、第2コンパレータ8bに出力する。第2コンパレータ8bは、第2DAC10bからの入力信号に基づいて、受光モジュール7からの出力信号と比較する第2閾値を変更する。
上記により、次の対象物50による反射光を受光モジュール7により受光する受光期間T1に、第1コンパレータ8aが、受光モジュール7からの出力信号と第1閾値Vaとを比較し、第2コンパレータ8bが、受光モジュール7からの出力信号と第2閾値Vbとを比較する。つまり、LD2aから光パルスが照射される毎に、ノイズのレベルに応じて、コンパレータ8a、8bで使用される第1閾値と第2閾値が変更される。
他の例として、たとえば、LD2aから光パルスが所定の複数回照射される毎に、ノイズのレベルに応じて、第1閾値と第2閾値を変更するようにしてもよい。また、第1コンパレータ8a、第1ADC9a、および第1DCA10aから成る第1信号処理系と、第2コンパレータ8b、第2ADC9b、および第2DCA10bから成る第2信号処理系のうち、いずれか一方により、閾値設定部1cが仮閾値V1〜Vnを順次設定して、最大値検出部1bがノイズの最大値を検出してもよい。
図8は、受光モジュール7とコンパレータ8の先行車検出時の出力信号を示した図である。図9は、受光モジュール7とコンパレータ8の路面検出時の出力信号を示した図である。図8(a)および図9(a)は、図6の受光期間T1に受光モジュール7から出力される信号を示している。これらの出力信号は、ノイズと反射光信号とを含んでいる。図8(b)および図9(b)は、受光期間T1にコンパレータ8a、8bから出力される第1所定信号と第2所定信号を示している。
前述したように、前回の非受光期間T2に第1閾値Vaおよび第2閾値Vbを設定することで、今回の受光期間T1では、ノイズが第1閾値Vaおよび第2閾値Vbより大きくなることはなく、反射光信号だけが第1閾値Vaおよび第2閾値Vbより大きくなる。
このため、第1コンパレータ8aが、受光モジュール7からの出力信号が第1閾値Vaより大きいときに、図8(b)および図9(b)に示すように第1所定信号(オン信号)を出力することで、該第1所定信号が確実に反射光信号を示す。また、第2コンパレータ8aが、受光モジュール7からの出力信号が第1閾値Vaより大きいときに、図8(b)および図9(b)に示すように第2所定信号(オン信号)を出力することで、該第2所定信号が確実に反射光信号を示す。
距離算出部1aは、受光期間T1に、第1コンパレータ8aから第1ADC9aを介して制御部1に入力される第1所定信号または第2コンパレータ8bから第2ADC9bを介して制御部1に入力される第2所定信号に基づいて、対象物50による反射光の受光時刻を検出する。そして、距離算出部1aは、LD2aからの光パルスの照射時刻と、対象物50による反射光の受光時刻とに基づいて、光パルスのTOF(Time of Flight)を検出し、該TOFに基づいて対象物50までの距離を算出する。
図3に示す制御部1の第1時間検出部1dは、受光期間T1に、第1コンパレータ8aから第1ADC9aを介して制御部1に入力される第1所定信号の連続入力時間を、第1時間Taとして検出する(図8(b)および図9(b))。つまり、第1時間Taは、図8(a)および図9(a)に示すように、受光モジュール7からの出力信号が第1閾値Vaを上回ってから下回るまでの時間である。
第2時間検出部1eは、受光期間T1に、第2コンパレータ8bから第2ADC9bを介して制御部1に入力される第2所定信号の連続入力時間を、第2時間Tbとして検出する(図8(b)および図9(b))。つまり、第2時間Tbは、図8(a)および図9(a)に示すように、受光モジュール7からの出力信号が第2閾値Vbを上回ってから下回るまでの時間である。
第2閾値Vbは第1閾値Vaより小さい。また、PD7aの受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号は、山状のパルス波となる。このため、通常、受光モジュール7からの出力信号に基づいて、第1時間検出部1dが検出する第1時間Taは、第2時間検出部1eが検出する第2時間Tb以下となる。第1時間Taが第2時間Tbより大きくなる場合は、エラー(異常)である。
先行車51に対してLD2aから光パルスが照射された場合は(図4(a))、図8(a)に1点鎖線で囲っているように、受光モジュール7からの出力信号が急峻な山状波形となり(図5(a)も参照)、図8(b)に示すように、コンパレータ8a、8bから第1所定信号と第2所定信号が出力される。
一方、路面52に対してLD2aから光パルスが照射された場合は(図4(b))、図9(a)に1点鎖線で囲っているように、受光モジュール7からの出力信号が時間軸方向に拡がった山状波形となり(図5(b)も参照)、図9(b)に示すように、コンパレータ8a、8bから第1所定信号と第2所定信号が出力される。
図8(a)に示すような、先行車51による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号に比べて、図9(a)に示すような、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号は、立ち上がりや立ち下がりの傾斜が緩くて、幅が広くなっている。このため、時間検出部1d、1eが、先行車51による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差に比べて、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差は大きくなる。
先行車51以外の立体的な対象物に対してLD2aから光パルスが照射された場合は、受光モジュール7とコンパレータ8a、8bから、図8と同様の信号が出力される。このため、時間検出部1d、1eが、立体的な対象物による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差に比べて、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差は大きくなる。
図10は、距離計測装置100による路面52近傍の平坦物53に対する投光状態を示した図である。平坦物53は、路面52上に存在していて、天面53aが平坦な水平面になっている。平坦物53の路面52からの高さは、先行車51や人に比べて低いが、距離計測装置100を搭載した自車両60の走行に支障を来すレベルである。
距離計測装置100の発光モジュール2のLD2aから照射された光パルスが、図10に細い一点鎖線の矢印で示すように、平坦物53の鉛直な側面53bに照射された場合は、図8(a)と同様に、受光モジュール7からの出力信号が急峻な幅の狭い波形となり、コンパレータ8a、8bから図8(b)と同様の信号が出力される。しかし、LD2aから照射された光パルスが、図10に細い実線の矢印で示すように、平坦物53の天面53aに照射された場合は、図9(a)と同様に、受光モジュール7からの出力信号が幅の広い波形となり、コンパレータ8a、8bから図9(b)と同様の信号が出力される。
このため、時間検出部1d、1eが、平坦物53の天面53aによる反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差は、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号により検出した第1時間Taと第2時間Tbの差と同等になる可能性がある。
図3に示す制御部1の路面判定部1fは、受光期間T1に、受光モジュール7からの出力信号により時間検出部1d、1eが検出した第1時間Taおよび第2時間Tbに基づいて、該出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判定する。また、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射信号であることを確定するため、路面判定部1fは、該出力信号に基づいて距離算出部1aにより算出された距離も参照する。路面52は、本発明の「被検出面」の一例である。路面判定部1fは、本発明の「判定部」の一例である。
図11は、距離計測装置100の動作を示したフローチャートである。本動作は、図6に示した受光期間T1に繰り返し実行される。
受光期間T1に、まず制御部1は、発光モジュール2のLD2aから光パルスを発光し、回転走査部4を駆動して、光パルスを所定範囲に走査する発光処理を実行する(ステップS1)。また、制御部1は、光パルスの対象物による反射光をPD7aにより受光し、該受光状態に応じて受光モジュール7から出力される出力信号をコンパレータ8a、8bで比較処理し、該コンパレータ8a、8bから出力される第1所定信号と第2所定信号をADC9a、9bでデジタル変換して、制御部1に取り込む受光処理を実行する(ステップS2)。
そして、第1時間検出部1dが、第1コンパレータ8aから第1ADC9aを介して制御部1に入力される第1所定信号に基づいて第1時間Taを検出し、第2時間検出部1eが、第2コンパレータ8bから第2ADC9bを介して制御部1に入力される第2所定信号に基づいて第2時間Tbを検出する(ステップS3)。
次に、路面判定部1fが、第1時間Taに所定値αを乗じた結果(算出値)が、第2時間Tbより小さいか否かを判定する(ステップS4)。このとき、第1時間Taに所定値αを乗じた結果が第2時間Tb以上であれば(ステップS4:NO)、路面判定部1fは、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号でないと判断する。そして、第1時間Taが第2時間Tbより大きければ(ステップS8:NO)、路面判定部1fがエラーと判断する(ステップS9)。このエラーの判断結果は、たとえば、制御部1の内部メモリに記録してもよいし、記録しなくてもよい。または、エラーの判断結果を、インタフェイス12により外部のECUに通知してもよい。
対して、第1時間Taが第2時間Tb以下であれば(ステップS8:YES)、制御部1が、受光モジュール7からの出力信号が路面52以外の立体的な対象物(先行車51など)による反射光信号であると判断する(ステップS10)。この場合、次に距離算出部1aが、第1コンパレータ8aから第1ADC9aを介して制御部1に入力される第1所定信号、または第2コンパレータ8bから第2ADC9bを介して制御部1に入力される第2所定信号に基づいて、反射光の受光時刻を検出する。そして、距離算出部1aは、反射光の受光時刻と、光パルスの照射時刻とに基づいて、対象物までの距離Dを算出する(ステップS11)。この距離算出部1aにより算出された対象物(立体物)までの距離Dは、インタフェイス12により外部のECUに通知される。この後、ステップS1に戻って、以降の処理が繰り返し実行される。
一方、第1時間Taに所定値αを乗じた結果が第2時間Tbより小さければ(ステップS4:YES)、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号である可能性が高い。これを確定するため、次に、距離算出部1aが、第1コンパレータ8aから第1ADC9aを介して制御部1に入力される第1所定信号または第2コンパレータ8bから第2ADC9bを介して制御部1に入力される第2所定信号に基づいて、反射光の受光時刻を検出する。そして、距離算出部1aは、反射光の受光時刻と、光パルスの照射時刻とに基づいて、対象物までの距離Dを算出する(ステップS5)。
次に、路面判定部1fは、距離算出部1aにより算出された距離Dが路面52までの距離に相当する所定距離範囲にあるか否かを判定する(ステップS6)。距離Dが所定距離範囲になければ(ステップS6:NO)、路面判定部1fは、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号ではないと判断する。そして、制御部1が、受光モジュール7からの出力信号は対象物(平坦物53)の平坦な天面53aによる反射光信号であると判断する(ステップS12)。この場合、距離算出部1aにより算出された平坦物53までの距離Dは、インタフェイス12により外部のECUに通知される。この後、ステップS1に戻って、以降の処理が繰り返し実行される。
一方、距離算出部1aにより算出された距離Dが所定距離範囲にあれば(ステップS6:YES)、路面判定部1fは、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であると判断する(ステップS7)。この場合、距離算出部1aにより算出された路面52までの距離Dは、インタフェイス12により外部のECUに通知されてもよいし、通知されなくてもよい。この後、ステップS1に戻って、以降の処理が繰り返し実行される。
以上によると、発光モジュール2のLD2aからの光パルスが路面52以外の立体的な対象物により反射して、該反射光がPD7aにより受光された場合は、受光モジュール7からの出力信号の立ち上がりと立ち下がりが急峻になり、該出力信号の最大値が大きくなって、該出力信号の幅が狭くなる(図5(a)、図8(a))。これに対して、光パルスが平面状の路面52により反射して、該反射光がPD7aにより受光された場合は、比較的、受光モジュール7からの出力信号の立ち上がりまたは立ち下がりが緩やかになり、該出力信号の最大値が小さくなって、該出力信号の幅が広くなる(図5(b)、図9(a))。
そして、2つのコンパレータ8a、8bにより大きさの異なる第1閾値Vaおよび第2閾値Vbと、受光モジュール7からの出力信号とを比較して、該出力信号が第1閾値Vaを上回ってから下回るまでの第1時間Ta、および第2閾値Vbを上回ってから下回るまでの第2時間Tbを、各時間検出部1d、1eにより検出する。すると、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号である場合と、その他の立体的な対象物による反射光信号である場合とでは、第1時間Taと第2時間Tbの比較結果に違いが生じる。
このため、路面判定部1fにおいて、第1時間Taと第2時間Tbに基づいて、受光モジュール7からの出力信号が路面52からの反射光信号であるか否かを容易に判定することができる。また、受光モジュール7からの出力信号を統計的に処理したり、該出力信号の波形の特徴を複数抽出したりするのではなく、受光モジュール7からの出力信号を閾値Va、Vbと比較したり、該比較により検出した時間Ta、Tbを参照したりするので、各コンパレータ8a、8b、各時間検出部1d、1e、および路面判定部1fによる信号処理を簡単にすることができる。このため、各コンパレータ8a、8bと、時間検出部1d、1eや路面判定部1fを有する制御部1の処理負担を少なく抑えることが可能となる。
また、光パルスが路面52以外の立体的な対象物により反射して、該反射光がPD7aにより受光された場合に比べて、光パルスが路面52により反射して、該反射光がPD7aにより受光された場合は、第2時間Tbに対する第1時間Taの短縮幅(短縮時間)が大きくなる。このため、路面判定部1fにおいて、第1時間Taに所定値αを乗じた結果が、第2時間Tbより所定時間短い場合に、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であると判断することができる。
また、光パルスの対象物50による反射光が受光モジュール7で受光されない非受光期間T2では、外乱光がPD7aで受光されるので、該受光状態に応じた受光モジュール7からの出力信号が、外乱光に基づくノイズだけとなる。このため、非受光期間T2に、最大値検出部1bにより受光モジュール7からの出力信号の最大値を検出し、閾値設定部1cによりその最大値以上の値に第1閾値Vaおよび第2閾値Vbを設定することで、ノイズのレベルに応じた閾値Va、Vbとすることができる。
また、その後、反射光が受光モジュール7で受光される受光期間T1に、受光モジュール7からの出力信号にノイズが含まれていても、該出力信号と第1閾値Vaや第2閾値Vbを比較することで、反射光信号とノイズとを確実に区別することができる。そして、受光モジュール7からの出力信号が第1閾値Vaや第2閾値Vbより大きい場合、すなわち受光モジュール7からの出力信号が反射光信号である場合に、コンパレータ8a、8bから第1所定信号または第2所定信号が出力される。このため、距離算出部1aにより、第1所定信号または第2所定信号に基づいて反射光の受光時刻を検出し、該受光時刻および光パルスの照射時刻に基づいて、対象物50までの距離Dを精度良く算出することができる。
また、ノイズの影響を受けずに、時間検出部1d、1eにより、コンパレータ8a、8bからの第1所定信号および第2所定信号に基づいて、第1時間Taおよび第2時間Tbを検出することができる。そして、路面判定部1fにより、第1時間Taおよび第2時間Tbに基づいて、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判定することができる。つまり、受光モジュール7からの出力信号にノイズが含まれていても、対象物50までの距離Dを計測し、かつ該出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判定することが可能となる。
また、路面判定部1fが、時間検出部1d、1eにより検出された第1時間Taと第2時間Tbだけでなく、距離算出部1aにより検出された距離Dと路面距離範囲にも基づいて、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判定している。このため、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号を、路面52による反射光信号であると確実に判定することができる。また、立体的な対象物による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号だけでなく、路面52に存在する平坦物53の天面53aによる反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号についても、路面52による反射光信号であると誤判定するのを確実に防ぐことができる。
さらに、第1コンパレータ8aから順次出力されるアナログの第1所定信号を、1ビットの第1ADC9aによりデジタルの所定信号に変換している。また、第2コンパレータ8bから順次出力されるアナログの第2所定信号を、1ビットの第2ADC9bによりデジタルの所定信号に変換している。このため、受光モジュール7の複数の受光チャンネルから出力される各出力信号に基づいて、各コンパレータ8a、8bから出力される第1所定信号と第2所定信号とを、各ADC9a、9bにより高速でデジタル信号に変換して、制御部1に取り込むことができる。そして、距離算出部1aにおいて、光パルスのTOFを検出するサンプル数を多くして、TOFの検出精度を高め、対象物50までの距離Dの計測精度を一層向上させることが可能となる。また、時間検出部1d、1eにおいて、時間Ta、Tbを検出するサンプル数を多くして、該時間Ta、Tbの検出精度を高め、路面判定部1fによる路面52からの反射光信号の検出精度を向上させることが可能となる。
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、以上の実施形態では、第1時間Taに所定値αを乗じた結果が第2時間Tbより小さいか否かの判定結果に基づいて、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判断した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、第2時間Tbから第1時間Taを減算した値(差分)が、所定値より大きければ、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であると判断し、所定値以下であれば、受光モジュール7からの出力信号が路面52以外の対象物による反射光信号であると判断してもよい。つまり、第1時間が第2時間より所定時間短ければ、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であると判断し、第1時間が第2時間より所定時間短くなければ、受光モジュール7からの出力信号が路面52以外の対象物による反射光信号であると判断すればよい。
また、以上の実施形態では、第1時間Taと第2時間Tbに基づいて受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号である可能性が高いと判断した後、距離算出部1aにより算出した距離Dが路面距離範囲にあることを確認すると、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であると確定した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、距離算出部1aにより受光モジュール7からの出力信号に基づいて距離Dを算出し、該距離Dが路面距離範囲にあることを確認した場合にのみ、時間検出部1d、1eにより時間Ta、Tbを検出して、該時間Ta、Tbに基づいて受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを路面判定部1fにより判定してもよい。また、LD2aから路面方向へ光パルスを照射したときにのみ、時間検出部1d、1eによる時間Ta、Tbの検出と、路面判定部1fによる信号の判定を実行してもよい。
また、路面52に存在する平坦物53は、路面52以上の高さを有しているため、平坦物53による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号は、路面52による反射光に基づく受光モジュール7からの出力信号に比べて、立ち上がりが急になることが想定される。このため、第1時間Taと第2時間Tbを検出するための第1閾値Vaと第2閾値Vbを適切に設定することにより、距離Dの情報を参照せずに、第1時間Taと第2時間Tbに基づいて、受光モジュール7からの出力信号が路面52からの反射光信号であるか否かを判定してもよい。
また、以上の実施形態では、各時間検出部1d、1eが、各コンパレータ8a、8bからADC9a、9bを介して入力される第1所定信号と第2所定信号の連続入力時間を、第1時間Taと第2時間Tbとしてそれぞれ検出した例(図8、図9)を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、所定の単位時間に各コンパレータ8a、8bからADC9a、9bを介して第1所定信号または第2所定信号が不連続で入力された場合は、第1所定信号または第2所定信号の合計入力時間を、第1時間Taと第2時間Tbとしてそれぞれ検出してもよい。
また、以上の実施形態では、発光素子としてLD2aを用い、受光素子としてPIN型のPD7aを用いた例を示したが、本発明はこれらのみに限定するものではなく、その他の発光素子や受光素子を用いてもよい。また、発光素子や受光素子の数は適宜設定すればよい。
図12は、本発明の他の実施形態による距離計測装置100の電気的構成を示した図である。図12では、受光素子としてSPAD(Single Photon Avalanche Diode)7sを用いている。SPAD7sは、ガイガーモードのAPD(Avalanche Photo Diode)であり、フォトカウント型の受光素子である。各SPAD7sのアノードにクエンチング抵抗Rcの一端を接続したものを1ピクセル(基本単位)とし、該ピクセルを多数並列に接続することにより、SPAD群7gを構成している。また、SPAD群7gを複数設けることにより、SPADアレイ7eを構成している。各SPAD群7gは、受光モジュール7の受光チャンネルに相当する。図12では、便宜上、一部のSPAD群7gの回路構成のみ図示しているが、他のSPAD群7gの回路構成も同様である。
各SPAD群7gの各クエンチング抵抗Rcの他端には、TIA7bが接続されている。つまり、TIA7bは、SPAD群7g毎に設けられている。図12では、便宜上、一部のSPAD群7gに接続されたTIA7bのみ示しているが、他のSPAD群7gにも同様にTIA7bが接続されている。各SPAD群7gのSPAD7sのカソードは、電源+Vに接続されている。この各SPAD群7gと電源+Vとの間に、ローパスフィルタが設けられることもある。
各SPAD群7gにおいて、各SPAD7sに降伏電圧以上のバイアス電圧を印加しておくことにより、少なくともいずれか1つのSPAD7sに単一のフォトンが入射すると、該SPAD7sはガイガー放電して、所定の電流を出力する(アバランシェ現象)。この際、並列に接続された各SPAD7sからの出力電流が加算されて、該加算電流がSPAD群7gに流れる。
SPAD7sが電流を出力すると、該SPAD7sに接続されたクエンチング抵抗Rcの両端電圧が上昇して、該SPAD7sのバイアス電圧が降下して行く。そして、そのバイアス電圧が降伏電圧を下回ると、SPAD7sのガイガー放電が停止して、SPAD7sから電流が出力されなくなり、クエンチング抵抗Rcの両端電圧が降下して、SPAD7sに再び降伏電圧以上の電圧が印加される。これにより、各SPAD7sの加算電流もSPAD群7gで流れなくなり、次のフォトンがSPAD7sで検出可能となる。
上記のようなSPAD群7gからの出力電流は、該SPAD群7gに接続されたTIA7bにより電圧信号に変換されて、MUX7cへ出力される。MUX7cは、各TIA7bの出力信号を選択し、コンパレータ8a、8bに出力する。すなわち、各SPAD群7gのSPAD7sの受光状態に応じた電圧信号が、受光モジュール7から順次コンパレータ8a、8bに出力される。
このように、SPADアレイ7eを受光モジュール7に設けることで、単位時間における受光モジュール7からの電圧信号の出力数を多くして、対象物50までの距離Dの検出精度を一層高めることができる。また、時間Ta、Tbの検出精度を高めて、受光モジュール7からの出力信号が路面52による反射光信号であるか否かを判定することができる。なお、他の例として、SPAD群7gを1つだけ受光モジュール7に設けてもよい。
また、以上の実施形態では、受光モジュール7から電圧信号を出力して、後段で処理した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、各受光素子からの出力電流に応じた電流信号を受光モジュールから出力して、後段のコンパレータやADCや制御部で処理し、対象物までの距離の検出や、受光モジュールからの出力信号の判定に用いてもよい。
さらに、以上の実施形態では、車載用の距離計測装置100に本発明を適用した例を挙げたが、たとえばロボットなどに搭載される距離計測装置に対しても、本発明を適用することは可能である。その場合、路面だけでなく、床面や着地面のような平面状の被検出面による反射光信号を検出すればよい。
1a 距離算出部
1b 最大値検出部
1c 閾値設定部
1d 第1時間検出部
1e 第2時間検出部
1f 路面判定部(判定部)
2 発光モジュール(発光部)
2a LD(発光素子)
7 受光モジュール(受光部)
7a PD
7s SPAD(受光素子)
8a 第1コンパレータ(第1比較出力部)
8b 第2コンパレータ(第2比較出力部)
9a 第1ADC
9b 第2ADC
50 対象物
51 先行車
52 路面(被検出面)
53 平坦物
100 距離計測装置
D 距離
T1 受光期間
T2 非受光期間
Ta 第1時間
Tb 第2時間
Va 第1閾値
Vb 第2閾値

Claims (6)

  1. 対象物に対して光パルスを照射する発光素子を有する発光部と、
    前記光パルスの前記対象物による反射光を受光する受光素子を有する受光部と、
    前記発光部により前記光パルスを照射してから前記受光部により前記反射光を受光するまでの時間に基づいて、前記対象物までの距離を算出する距離算出部と、を備えた距離計測装置において、
    前記受光素子の受光状態に応じた前記受光部からの出力信号と、所定の第1閾値とを比較して、前記出力信号が前記第1閾値より大きい場合に、第1所定信号を出力する第1比較出力部と、
    前記受光部からの前記出力信号と、前記第1閾値より小さい所定の第2閾値とを比較して、前記出力信号が前記第2閾値より大きい場合に、第2所定信号を出力する第2比較出力部と、
    前記第1所定信号に基づいて前記受光部からの前記出力信号が前記第1閾値を上回ってから下回るまでの第1時間を検出する第1時間検出部と、
    前記第2所定信号に基づいて前記受光部からの前記出力信号が前記第2閾値を上回ってから下回るまでの第2時間を検出する第2時間検出部と、
    前記第1時間と前記第2時間とに基づいて、前記受光部からの前記出力信号が平面状の被検出面による反射光信号であるか否かを判定する判定部と、をさらに備えたことを特徴とする距離計測装置。
  2. 請求項1に記載の距離計測装置において、
    前記判定部は、前記第1時間が前記第2時間より所定時間短い場合に、前記受光部からの前記出力信号が前記被検出面による反射光信号であると判断する、ことを特徴とする距離計測装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の距離計測装置において、
    前記反射光を前記受光部により受光しない非受光期間に、
    前記受光部からの前記出力信号の最大値を検出する最大値検出部と、
    前記最大値以上の値に前記第1閾値および前記第2閾値を設定する閾値設定部と、をさらに備えた、ことを特徴とする距離計測装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の距離計測装置において、
    前記反射光を前記受光部により受光する受光期間に、
    前記判定部は、前記受光部からの前記出力信号が前記被検出面による反射光信号であるか否かを判定し、
    前記距離算出部は、前記判定部により前記受光部からの前記出力信号が前記被検出面による反射光信号であると判断されると、前記第1所定信号または前記第2所定信号に基づいて前記反射光の受光時刻を検出し、該受光時刻と前記光パルスの照射時刻とに基づいて前記対象物までの距離を算出する、ことを特徴とする距離計測装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の距離計測装置において、
    前記判定部は、前記第1時間が前記第2時間より所定時間短く、かつ前記距離算出部により算出した前記距離が前記被検出面までの距離に相当する所定距離範囲にある場合に、前記受光部からの前記出力信号が前記被検出面による反射光信号であると判断する、ことを特徴とする距離計測装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の距離計測装置において、
    前記第1比較出力部から出力されるアナログの前記第1所定信号をデジタルの第1所定信号に変換して、前記距離算出部または前記第1時間検出部に出力する1ビットの第1アナログデジタルコンバータと、
    前記第2比較出力部から出力されるアナログの前記第2所定信号をデジタルの第2所定信号に変換して、前記距離算出部または前記第2時間検出部に出力する1ビットの第2アナログデジタルコンバータと、をさらに備えた、ことを特徴とする距離計測装置。
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