JP2015132511A - 路面監視装置および電動カート - Google Patents
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Abstract
【課題】凹部となる側溝、および歩道と車道の段差等を、走査機構を持たない安価な距離センサで検知する。
【解決手段】路面監視装置2において、超音波センサ11から空中に発する超音波の一部を路面方向にも発する。障害物検知部30は、路面で反射して帰着した反射波を受信した受信波の形態を、当路面における過去の受信波の形態と比較して欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で路面の凹部の存在を判定する。この判定結果に基づいて、警報部3が運転者に警報を与え、制御部4が路面の凹部への脱落および転落を回避するよう電動カート1を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】路面監視装置2において、超音波センサ11から空中に発する超音波の一部を路面方向にも発する。障害物検知部30は、路面で反射して帰着した反射波を受信した受信波の形態を、当路面における過去の受信波の形態と比較して欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で路面の凹部の存在を判定する。この判定結果に基づいて、警報部3が運転者に警報を与え、制御部4が路面の凹部への脱落および転落を回避するよう電動カート1を制御する。
【選択図】図1
Description
この発明は、電動カート(例えば、ゴルフ場用乗用カート、ハンドル形電動車いす等)が走行する路面を監視する路面監視装置、およびこの路面監視装置の監視結果に応じて走行を制御する電動カートに関するものである。
電動カートは、底面領域が小さく、比較的重心が高いので、低い凸部にタイヤを乗り上げたり、あるいは凹部にタイヤが脱輪したりすると簡単に転倒するという問題があった。
この問題を解決するため、例えば非特許文献1および特許文献1では、広角走査型のレーザレーダ(距離センサ)を用いて、電動カートの走行方向の障害物と路面の凹凸状態とを検知し、障害物および凸部への衝突ならびに凹部への転落を回避する装置が研究されている。
また、特許文献1では、複数の超音波センサ、1つ以上の首振り機構付き超音波センサ、および3次元レーダレーザを用いて、地面から空中まで障害物の距離情報を走査・計測し、3次元的な障害物を認識する方法が提案されている。
さらに、特許文献2では、超音波センサから地面へ超音波を直接放射し、路面の勾配を検知する方法が提案されている。
佐藤晶則、外3名、「危険回避アシストシステムを有する電動カートの開発」、日本ロボット学会学術講演会予稿集、29巻、2011年9月7日
特許文献2のように1つの超音波センサを使用する場合、障害物と路面の凹凸を同時に検知することが困難であるという課題があった。
一方、非特許文献1および特許文献1のように、走査型のレーザレーダ、首振り機構付き超音波センサ等を使用する場合、障害物と路面の凹凸を同時に検知可能であるが、高価であるという課題があった。
一方、非特許文献1および特許文献1のように、走査型のレーザレーダ、首振り機構付き超音波センサ等を使用する場合、障害物と路面の凹凸を同時に検知可能であるが、高価であるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、凹部となる側溝、および歩道と車道の段差等を、走査機構を持たない安価な距離センサで検知することを目的とする。
この発明に係る路面監視装置は、電動カートに搭載されるものであって、探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサと、距離センサに、送信波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、送受信部の送受信結果に基づいて障害物を検知する障害物検知部とを備え、距離センサは、送信波の一部を路面方向にも発し、障害物検知部は、路面で反射して帰着した反射波を距離センサで受信した受信波の形態を、前記路面における過去の受信波の形態と比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定するものである。
この発明に係る路面監視装置は、電動カートに搭載されるものであって、探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する、少なくとも2個の距離センサと、距離センサに、送信波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、送受信部の送受信結果に基づいて障害物を検知する障害物検知部とを備え、少なくとも2個の距離センサは、送信波の一部を路面方向にも発し、障害物検知部は、路面で反射して帰着した反射波を少なくとも2個の距離センサで受信した受信波の形態同士を比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定するものである。
この発明に係る電動カートは、探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサと、距離センサに、送信波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、送受信部の送受信結果に基づいて障害物を検知する障害物検知部と、走行状態を示す情報および障害物検知部の検知結果に基づいて、走行を制御する制御部とを備えるものであって、距離センサは、送信波の一部を路面方向にも発し、障害物検知部は、路面で反射して帰着した反射波を距離センサで受信した受信波の形態を、前記路面における過去の受信波の形態と比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定し、制御部は、路面の凹部への脱落および転落を回避するよう電動カートを制御するものである。
この発明に係る電動カートは、探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサと、距離センサに、送信波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、送受信部の送受信結果に基づいて障害物を検知する障害物検知部と、走行状態を示す情報および障害物検知部の検知結果に基づいて、走行を制御する制御部とを備えるものであって、少なくとも2個の距離センサは、送信波の一部を路面方向にも発し、障害物検知部は、路面で反射して帰着した反射波を少なくとも2個の距離センサで受信した受信波の形態同士を比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定し、制御部は、路面の凹部への脱落および転落を回避するよう電動カートを制御するものである。
この発明によれば、距離センサの送信波の一部を路面方向に発し、その受信波の欠落部分を検知して路面の凹部の存在を判定するようにしたので、当凹部となる側溝、および歩道と車道の段差等を、走査機構を持たない安価な距離センサで検知する路面監視装置を提供することができる。
この発明によれば、距離センサの送信波の一部を路面方向に発し、その受信波の欠落部分を検知して路面の凹部の存在を判定して当凹部を回避するようにしたので、当凹部となる側溝、および歩道と車道の段差等を、走査機構を持たない安価な距離センサで検知して回避する電動カートを提供することができる。
実施の形態1.
図1のブロック図および図2の外観斜視図に示すように、この発明の実施の形態1に係る電動カート1は、路面を監視する路面監視装置2と、路面監視装置2の結果を運転者に報知する警報部3と、走行状態情報および路面監視装置2の結果に基づいて走行を制御する制御部4とを備えている。この電動カート1は、ハンドル5、運転席6、前輪7a,7b、および後輪8a,8b等を備えたゴルフ場用乗用カート、ハンドル形電動車いす等であり、一般的に前輪7a,7bがハンドル5と連結され操舵輪として機能する。
図1のブロック図および図2の外観斜視図に示すように、この発明の実施の形態1に係る電動カート1は、路面を監視する路面監視装置2と、路面監視装置2の結果を運転者に報知する警報部3と、走行状態情報および路面監視装置2の結果に基づいて走行を制御する制御部4とを備えている。この電動カート1は、ハンドル5、運転席6、前輪7a,7b、および後輪8a,8b等を備えたゴルフ場用乗用カート、ハンドル形電動車いす等であり、一般的に前輪7a,7bがハンドル5と連結され操舵輪として機能する。
路面監視装置2は、複数の超音波センサ11〜14から構成される距離センサ部10と、超音波センサ11〜14と同数の送受信回路21〜24から構成される送受信部20と、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)等から構成される障害物検知部30とを備えている。この障害物検知部30は、マイコンのCPU(Central Processing Unit)が内部メモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
なお、図2の構成例では、超音波センサと送受信回路を4個ずつ設けているが、任意の個数でよい。
なお、図2の構成例では、超音波センサと送受信回路を4個ずつ設けているが、任意の個数でよい。
距離センサ部10の超音波センサ11〜14それぞれは、探査用の超音波を空中および路面へ発し、障害物および路面によって反射して帰着する反射波を受信する。送受信部20の送受信回路21〜24それぞれは、超音波センサ11〜14に超音波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる。障害物検知部30は、送受信回路21〜24それぞれの送受信結果に基づいて、障害物の有無および路面の凹部の有無を検知する。
図3は、電動カート1に対する超音波センサ11〜14の設置例を示す平面図である。各図に、超音波センサ11〜14の検知範囲11a〜14aと、路面の凹部100の一例とを示す。凹部100は、路面の窪み、溝、歩道から車道に変わる段差などである。
図3(a)の設置例では、超音波センサ11〜14を車体の4箇所のコーナ部に設置している。電動カート1を上から見たときに、超音波センサ11,12の検知方向(即ち、検知感度の高い方向)は斜め前、即ち、電動カート1の走行方向Aとその直交方向との間のいずれかの方向に向いている。超音波センサ13,14の検知方向は斜め後ろ、即ち、電動カート1の走行方向Aと反対の方向に向いている。
図3(b)の設置例では、超音波センサ13を車体のフロント部に設置し、超音波センサ14をリア部に設置している。超音波センサ11,12は、図3(a)と同様に、車体のフロント部側の2箇所のコーナ部に設置している。超音波センサ13の検知方向は、電動カート1の走行方向Aと同じ方向に向いている。超音波センサ14の検知方向は、電動カート1の走行方向Aと反対の方向に向いている。
図3(c)の設置例では、車体のフロント部側のコーナ部に設置した超音波センサ11,12の検知方向が、電動カート1の走行方向Aと直交する方向に向いている。超音波センサ13,14は、図3(b)と同様に、車体のフロント部とリア部に設置している。
図3(d)の設置例では、車体のフロント部側のコーナ部に設置した超音波センサ11,12の検知方向が、電動カート1の走行方向Aと同じ方向に向いている。超音波センサ14は、図3(b)および図3(c)と同様に、車体のリア部に設置している。また、図3(d)の設置例では超音波センサ13を使用しない。
超音波センサ11〜14の配置は図3(a)〜図3(d)の例に限定されるものではなく、また、超音波センサの設置数は少なくとも1個以上であればよい。
次に、路面監視装置2の動作を説明する。
図4は、路面監視装置2の路面監視動作を説明する図であり、図示しない電動カート1が走行方向Aへ走行する場合を示す。以下では、電動カート1のフロント部に設置された超音波センサ11を例に用いて説明する。検知範囲11aは垂直断面を表しており、超音波センサ11から空中へ送信される超音波の一部が路面方向にも発せられていることが分かる。この超音波センサ11が図4(a)〜図4(e)を探査したときの受信波形を、図5(a)〜図5(e)に示す。図5の各グラフの縦軸は受信波の振幅、横軸は時間である。
図4は、路面監視装置2の路面監視動作を説明する図であり、図示しない電動カート1が走行方向Aへ走行する場合を示す。以下では、電動カート1のフロント部に設置された超音波センサ11を例に用いて説明する。検知範囲11aは垂直断面を表しており、超音波センサ11から空中へ送信される超音波の一部が路面方向にも発せられていることが分かる。この超音波センサ11が図4(a)〜図4(e)を探査したときの受信波形を、図5(a)〜図5(e)に示す。図5の各グラフの縦軸は受信波の振幅、横軸は時間である。
送受信回路21が超音波センサ11を駆動し、図4(a)の路面に対して超音波を送受信した場合、図5(a)のグラフに示すように、路面の凹凸形状に応じた個々の受信波201を受信する。200は送信時の不感帯である。
障害物検知部30は、個々の受信波201を平滑化して受信波202(受信波の形態)にする。障害物検知部30は例えば、個々の受信波201のピーク値を検出して保持したピークホールド波形を受信波202にしたり、個々の受信波201の移動平均を算出して受信波202にしたり、個々の受信波201をフィルタ処理して受信波202にしたりすればよく、平滑化の方法は問わない。
障害物検知部30は、個々の受信波201を平滑化して受信波202(受信波の形態)にする。障害物検知部30は例えば、個々の受信波201のピーク値を検出して保持したピークホールド波形を受信波202にしたり、個々の受信波201の移動平均を算出して受信波202にしたり、個々の受信波201をフィルタ処理して受信波202にしたりすればよく、平滑化の方法は問わない。
障害物検知部30には、受信波202が路面で反射して超音波センサ11に帰着した反射波か否かを判別するための閾値TH1が設定されており、閾値TH1以上の受信波202が発生している区間を路面反射区間ta(単位は時間)と判定する。
電動カート1が図4(a)の位置から走行方向Aへ進み、超音波センサ11が図4(b)の路面に対して超音波を送受信した場合、受信波202の路面反射区間tbは、図5(b)のようになる。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tbと過去の路面反射区間taが同等であれば、路面は平坦であって凹部100は存在しないと判定する。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tbと過去の路面反射区間taが同等であれば、路面は平坦であって凹部100は存在しないと判定する。
電動カート1が図4(b)の位置から走行方向Aへ進み、超音波センサ11が図4(c)の路面に対して超音波を送受信した場合、路面の凹部100へ向けて送信した超音波の反射波が帰着しないので、受信波202には欠落部分203が生じる。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tcと過去の路面反射区間tb(またはta)を比較して、最新の路面反射区間tcの欠落部分203を検知し、欠落部分203に路面の凹部100が存在すると判定する。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tcと過去の路面反射区間tb(またはta)を比較して、最新の路面反射区間tcの欠落部分203を検知し、欠落部分203に路面の凹部100が存在すると判定する。
欠落部分203の検知方法として、例えば、障害物検知部30が平滑化した受信波201を閾値TH1で波形整形し、整形した波形の立ち上がりを検知して路面反射区間tb,tcの発生タイミングにし、当整形した波形の立ち下がりを検知して路面反射区間tb,tcの終了タイミングにする。そして、路面反射区間tb,tcの終了タイミングを比較して、欠落部分203の幅を判定する。
また例えば、障害物検知部30は、最新の路面反射区間tcの振幅が、過去の路面反射区間tbの振幅に対して規定の比率(例えば、1/2)以下になる部分を、欠落部分203として検知し、路面の凹部100が存在すると判定してもよい。
また例えば、障害物検知部30は、欠落部分203として検知した区間が設定時間以上に継続する場合に、路面の凹部100が存在すると判定し、短い欠落部分203を凹部100ではないと判定してもよい。あるいは、欠落部分203として検知した区間の長さが、設定長以上に継続する場合に、路面の凹部100が存在すると判定してもよい。
電動カート1が図4(c)の位置から走行方向Aへ進み、超音波センサ11が図4(d)の路面に対して超音波を送受信した場合、図4(c)と同様に路面の凹部100へ向けて送信した超音波の反射波が帰着しないので、受信波202には欠落部分203が生じる。電動カート1が路面の凹部100に接近するにつれ、欠落部分が長くなっていき、路面反射区間の発生時間は短くなっていく。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tdと過去の路面反射区間tc(またはta,tb)を比較して、最新の路面反射区間tdの欠落部分203を検知し、欠落部分203に路面の凹部100が存在すると判定する。
障害物検知部30は、最新の路面反射区間tdと過去の路面反射区間tc(またはta,tb)を比較して、最新の路面反射区間tdの欠落部分203を検知し、欠落部分203に路面の凹部100が存在すると判定する。
電動カート1が図4(d)の位置から走行方向Aへ進み、超音波センサ11が図4(e)の路面に対して超音波を送受信した場合、受信波202の路面反射区間teは、図5(e)のようになる。また、背の高い障害物101(例えば、ポール)で反射した超音波が、受信波210として現われる。
このような背の高い障害物101を検知するためには、障害物検知部30に、路面用の閾値TH1より大きい値の閾値TH2を設定し、閾値TH2以上の受信波210を判別して背の高い障害物101が存在すると判定する。なお、背の高い障害物101がポールのような幅の狭い物体である場合、障害物101の脇を抜けた超音波の反射波が超音波センサ11に帰着するので障害物101の後方の路面を観測できる。
このような背の高い障害物101を検知するためには、障害物検知部30に、路面用の閾値TH1より大きい値の閾値TH2を設定し、閾値TH2以上の受信波210を判別して背の高い障害物101が存在すると判定する。なお、背の高い障害物101がポールのような幅の狭い物体である場合、障害物101の脇を抜けた超音波の反射波が超音波センサ11に帰着するので障害物101の後方の路面を観測できる。
次に、図6を参照して、超音波センサ11から路面の凹部100および背の高い障害物101までの距離の算出方法を説明する。
障害物検知部30は、式(1)により、超音波センサ11から凹部100までの距離Ldrを算出する。また、障害物検知部30は、式(2)により、超音波センサ11から背の高い障害物101までの距離Lurを算出する。
障害物検知部30は、式(1)により、超音波センサ11から凹部100までの距離Ldrを算出する。また、障害物検知部30は、式(2)により、超音波センサ11から背の高い障害物101までの距離Lurを算出する。
ここで、Ld,Luは超音波の伝播経路、Vcは超音波の伝播速度、Hは路面から超音波センサ11までの高さ、Tc,Tdは超音波センサ11による凹部100までの超音波の伝播時間(図5(c)、図5(d)参照)、Teは超音波センサ11による障害物101までの超音波の伝播時間(図5(e)参照)である。
障害物検知部30は、上記の方法により、電動カート1から路面の凹部100または背の高い障害物101までの距離情報を算出する。また、凹部100または障害物101を検知した超音波センサ11の設置位置と検知方向に基づいて、電動カート1に対する凹部100または障害物101の方向を算出する。
障害物検知部30は、路面の凹部100または背の高い障害物101を検知したことを電動カート1の警報部3へ通知すると共に、距離および方向等の情報を制御部4へ通知する。
障害物検知部30は、路面の凹部100または背の高い障害物101を検知したことを電動カート1の警報部3へ通知すると共に、距離および方向等の情報を制御部4へ通知する。
警報部3は、路面の凹部100または背の高い障害物101を検知したことを障害物検知部30から通知されると、音または光等により運転者へ警報を与える。
制御部4は、電動カート1に搭載されたアクセル・ブレーキ操作センサ、前進・後進を切り替えるチェンジレバー、および車輪速センサ等から、電動カート1の走行方向および走行速度等を表す走行状態情報を取得する。この制御部4は、凹部100または障害物101までの距離および方向等の情報を障害物検知部30から通知されると、この情報と走行状態情報とに基づいて電動カート1の走行を制御して凹部100への脱落および転落、ならびに障害物101への衝突を回避する。
制御部4は、電動カート1に搭載されたアクセル・ブレーキ操作センサ、前進・後進を切り替えるチェンジレバー、および車輪速センサ等から、電動カート1の走行方向および走行速度等を表す走行状態情報を取得する。この制御部4は、凹部100または障害物101までの距離および方向等の情報を障害物検知部30から通知されると、この情報と走行状態情報とに基づいて電動カート1の走行を制御して凹部100への脱落および転落、ならびに障害物101への衝突を回避する。
具体例として、例えば制御部4が電動カート1の走行駆動モータおよびブレーキ操作モータ等を制御して走行速度を変更し、凹部100または障害物101より手前で電動カート1を停止させる。
また例えば、制御部4が電動カート1のハンドル操作モータ等を制御して、ハンドル5と連結した前輪7a,7bを操舵し、凹部100または障害物101を避ける。
また例えば、制御部4が電動カート1のハンドル操作モータ等を制御して、ハンドル5と連結した前輪7a,7bを操舵し、凹部100または障害物101を避ける。
図7の例では、走行方向Aへ前進中の電動カート1において超音波センサ12により路面の凹部100が検知された場合に、制御部4が通知された情報に基づいて外輪走行軌跡Bと内輪走行軌跡Cを予測し、電動カート1が予測軌跡を走行するようにハンドル操作モータ等を制御して左旋回させる。
以上より、実施の形態1によれば、電動カート1に搭載された路面監視装置2は、探査用の超音波を空中へ発し、障害物101によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサ部10と、距離センサ部10に、超音波の送信と反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部20と、送受信部20の送受信結果に基づいて障害物101を検知する障害物検知部30と備え、距離センサ部10は超音波の一部を路面方向にも発し、障害物検知部30は路面で反射して帰着した反射波を距離センサ部10で受信した受信波202の形態を、前記路面における過去の受信波202の形態と比較して欠落部分203を検知し、当欠落部分203の検知で前記路面の凹部100の存在を判定するように構成した。このため、ビーム走査機構の不要な安価な超音波式の距離センサを用いながらも、溝あるいは歩道から車道に変わる段差等の凹部100を検知することができる。
また、実施の形態1によれば、障害物検知部30は、最新の受信波202が過去の受信波に対して規定の比率(例えば、1/2)以下になる部分を欠落部分203として検知するようにしたので、受信波202の特徴を抽出してより確実な路面状態の判定ができる。
また、実施の形態1によれば、障害物検知部30は、欠落部分203が設定時間以上または設定長以上に継続した場合に、路面の凹部100が存在すると判定するようにしたので、受信波202の特徴を抽出してより確実な路面状態の判定ができる。
また、実施の形態1によれば、障害物検知部30は、個々の受信波201を平滑化し閾値TH1で波形整形した波形が立ち下がるタイミングを検知して、受信波202の形態に欠落部分203が発生するタイミングを判定するようにしたので、簡易な信号処理で路面状態を把握することができる。よって、障害物検知部30を構成するマイコンの処理負荷が軽い。
また、実施の形態1によれば、障害物検知部30は、超音波センサ11〜14の取り付け高さ(図6に示すH)と、受信波202の形態に欠落部分203が発生するタイミングまでの伝播時間(同図のLd)に基づいて、超音波センサ11〜14から路面の凹部100までの距離(同図のLdr)を算出するようにしたので、簡易な信号処理で路面状態を把握することができる。よって、障害物検知部30を構成するマイコンの処理負荷が軽い。
また、実施の形態1によれば、電動カート1は、上述した路面監視装置2と、電動カート1の走行状態情報および障害物検知部30の検知結果に基づいて走行を制御する制御部4とを備え、制御部4は、障害物検知部30が判定した凹部100への脱落および転落を回避するよう電動カート1を制御するように構成した。このため、電動カート1が凹部100へ脱落および転落するのを未然に防ぐことができる。
また、実施の形態1によれば、制御部4は、路面の凹部100への脱落および転落を回避するよう電動カート1の走行速度を制御するように構成したので、電動カート1が凹部100へ脱落および転落するのを未然に防ぐことができる。
また、実施の形態1によれば、制御部4は、路面の凹部100への脱落および転落を回避するよう電動カート1の走行方向を制御するように構成したので、電動カート1が凹部100へ脱落および転落するのを未然に防ぐことができる。
また、実施の形態1によれば、電動カート1は、障害物検知部30が路面の凹部100を判定したことを運転者に報知する警報部3を備える構成にしたので、運転者に注意を喚起できる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、1個の超音波センサの受信波の形態を過去の受信波の形態と比較して路面の凹部を判定する構成にしたが、本実施の形態2では、少なくとも2個の超音波センサの受信波の形態同士を比較して路面の凹部を判定する。
なお、実施の形態2の電動カートおよび路面監視装置は、図1〜図3に示す電動カート1および路面監視装置2と図面上では同様の構成であるため、以下では図1〜図3を援用して説明する。
上記実施の形態1では、1個の超音波センサの受信波の形態を過去の受信波の形態と比較して路面の凹部を判定する構成にしたが、本実施の形態2では、少なくとも2個の超音波センサの受信波の形態同士を比較して路面の凹部を判定する。
なお、実施の形態2の電動カートおよび路面監視装置は、図1〜図3に示す電動カート1および路面監視装置2と図面上では同様の構成であるため、以下では図1〜図3を援用して説明する。
例えば、図3(d)のように、超音波センサ11,12の検知方向を、電動カート1を上から見たときに走行方向Aと概ね同じ方向に向ける。路面監視装置2は、超音波センサ11,12の受信波の形態同士を比較することで、超音波を反射しない前方の凹部(不図示)を検知する。路面監視装置2の動作は上記実施の形態1と同様のため説明は省略する。
この設置例の場合には、2個の超音波センサ11,12を略同一方向に向けることで、同一条件の路面の観測ができる。凹凸の度合等の条件が同じ路面を観測することにより、受信波の比較精度が上がり、路面の凹部を高精度に検知できる。
この設置例の場合には、2個の超音波センサ11,12を略同一方向に向けることで、同一条件の路面の観測ができる。凹凸の度合等の条件が同じ路面を観測することにより、受信波の比較精度が上がり、路面の凹部を高精度に検知できる。
また例えば、図3(a)と図3(b)のように、超音波センサ11,12の検知方向を、電動カート1を上から見たときに走行方向Aとその直交方向との間のいずれかの方向(図では約45度の方向)、かつ、当走行方向Aを挟んで互いに相対する方向に向ける。あるいは図3(c)のように、超音波センサ11,12の検知方向を、電動カート1を上から見たときに走行方向Aとその直交方向との間のいずれかの方向(図では約90度の直交方向)、かつ、当走行方向Aを挟んで互いに相対する方向に向ける。路面監視装置2は、超音波センサ11,12の受信波の形態同士を比較することで、前方から側方までの広範囲に存在する凹部(不図示)を検知する。
この設置例の場合には、広範囲に、同一条件の路面の観測ができる。
この設置例の場合には、広範囲に、同一条件の路面の観測ができる。
また例えば、図3(b)と図3(c)のように、電動カート1を上から見たとき、超音波センサ13の検知方向を走行方向Aと概ね同じ方向に向け、超音波センサ14の検知方向を走行方向Aと反対の方向に向ける。路面監視装置2は、超音波センサ13,14の受信波の形態同士を比較することで、前方および後方に存在する凹部(不図示)を検知する。
この設置例の場合には、広範囲に、同一条件の路面の観測ができる。
この設置例の場合には、広範囲に、同一条件の路面の観測ができる。
なお、路面の凹部を検知するための超音波センサの組み合わせは、上記例に限定されるものではない。例えば、図3(a)において超音波センサ11,12を組み合わせて前方の路面を観測するだけでなく、超音波センサ12,14を組み合わせて右側方の路面を観測したり、超音波センサ11,13を組み合わせて左側方の路面を観測したり、超音波センサ13,14を組み合わせて前後方向の路面を観測したりすることも可能である。
また例えば、図3(b)において、超音波センサ11,12の組み合わせ、超音波センサ13,14の組み合わせだけでなく、超音波センサ11,13の組み合わせ、超音波センサ11,14の組み合わせ等も可能である。図3(c)、図3(d)についても様々な組み合わせが可能である。
また例えば、図3(b)において、超音波センサ11,12の組み合わせ、超音波センサ13,14の組み合わせだけでなく、超音波センサ11,13の組み合わせ、超音波センサ11,14の組み合わせ等も可能である。図3(c)、図3(d)についても様々な組み合わせが可能である。
以上より、実施の形態2によれば、電動カート1に搭載された路面監視装置2は、少なくとも2個の超音波センサ11〜14を備え、障害物検知部30は、路面で反射して帰着した反射波を少なくとも2個の超音波センサで受信した受信波の形態同士を比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で路面の凹部の存在を判定するように構成した。このため、ビーム走査機構の不要な安価な超音波式の距離センサを用いながらも、溝あるいは歩道から車道に変わる段差等の凹部を検知することができる。
なお、実施の形態1,2では、距離センサとして超音波センサ11〜14を使用したが、超音波式に限定されるものではなく、電波式等であってもよい。超音波式および電波式の距離センサは検知視野が広いため、従来のようなビーム走査機構の不要な安価な路面監視装置2および電動カート1を実現できる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 電動カート、2 路面監視装置、3 警報部、4 制御部、5 ハンドル、6 運転席、7a,7b 前輪、8a,8b 後輪、10 距離センサ部、11〜14 超音波センサ、11a〜14a 検知範囲、20 送受信部、21〜24 送受信回路、30 障害物検知部、100 凹部、101 障害物。
Claims (15)
- 電動カートに搭載される路面監視装置であって、
探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサと、
前記距離センサに、前記送信波の送信と前記反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、
前記送受信部の送受信結果に基づいて前記障害物を検知する障害物検知部とを備え、
前記距離センサは、前記送信波の一部を路面方向にも発し、
前記障害物検知部は、前記路面で反射して帰着した反射波を前記距離センサで受信した受信波の形態を、前記路面における過去の受信波の形態と比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定することを特徴とする路面監視装置。 - 電動カートに搭載される路面監視装置であって、
探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する、少なくとも2個の距離センサと、
前記距離センサに、前記送信波の送信と前記反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、
前記送受信部の送受信結果に基づいて前記障害物を検知する障害物検知部とを備え、
前記少なくとも2個の距離センサは、前記送信波の一部を路面方向にも発し、
前記障害物検知部は、前記路面で反射して帰着した反射波を前記少なくとも2個の距離センサで受信した受信波の形態同士を比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定することを特徴とする路面監視装置。 - 前記少なくとも2個の距離センサの検知方向は、前記電動カートを上から見たときに走行方向と同じ方向に向いていることを特徴とする請求項2記載の路面監視装置。
- 前記少なくとも2個の距離センサの検知方向は、前記電動カートを上から見たときに走行方向とその直交方向との間のいずれかの方向、かつ、当走行方向を挟んで互いに相対する方向に向いていることを特徴とする請求項2記載の路面監視装置。
- 前記少なくとも2個の距離センサの検知方向は、前記電動カートを上から見たときに、一方が前記電動カートの走行方向とその直交方向との間のいずれかの方向を向き、他方が当走行方向と反対の方向を向いていることを特徴とする請求項2記載の路面監視装置。
- 前記距離センサは、超音波式あるいは電波式であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の路面監視装置。
- 前記障害物検知部は、比較対象の一方の受信波の振幅が他方の受信波の振幅に対して規定の比率以下になる部分を前記欠落部分として検知することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の路面監視装置。
- 前記障害物検知部は、前記欠落部分が設定時間以上あるいは設定長以上に継続した場合に、前記路面の凹部が存在すると判定することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の路面監視装置。
- 前記障害物検知部は、前記受信波を平滑化し閾値で波形整形した波形が立ち下がるタイミングを検知して、前記受信波の形態に前記欠落部分が発生するタイミングを判定することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の路面監視装置。
- 前記障害物検知部は、前記距離センサの取り付け高さと、前記受信波の形態に前記欠落部分が発生するタイミングまでの伝播時間に基づいて、前記距離センサから前記路面の凹部までの距離を算出することを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の路面監視装置。
- 探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する距離センサと、
前記距離センサに、前記送信波の送信と前記反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、
前記送受信部の送受信結果に基づいて前記障害物を検知する障害物検知部と、
走行状態を示す情報および前記障害物検知部の検知結果に基づいて、走行を制御する制御部とを備える電動カートであって、
前記距離センサは、前記送信波の一部を路面方向にも発し、
前記障害物検知部は、前記路面で反射して帰着した反射波を前記距離センサで受信した受信波の形態を、前記路面における過去の受信波の形態と比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定し、
前記制御部は、前記障害物検知部が判定した前記路面の凹部への脱落および転落を回避するよう前記電動カートを制御することを特徴とする電動カート。 - 探査用の送信波を空中へ発し、障害物によって反射して帰着する反射波を受信する、少なくとも2個の距離センサと、
前記距離センサに、前記送信波の送信と前記反射波の受信を繰り返し行わせる送受信部と、
前記送受信部の送受信結果に基づいて前記障害物を検知する障害物検知部と、
走行状態を示す情報および前記障害物検知部の検知結果に基づいて、走行を制御する制御部とを備える電動カートであって、
前記少なくとも2個の距離センサは、前記送信波の一部を路面方向にも発し、
前記障害物検知部は、前記路面で反射して帰着した反射波を前記少なくとも2個の距離センサで受信した受信波の形態同士を比較して、欠落部分を検知し、当欠落部分の検知で前記路面の凹部の存在を判定し、
前記制御部は、前記路面の凹部への脱落および転落を回避するよう前記電動カートを制御することを特徴とする電動カート。 - 前記制御部は、前記路面の凹部への脱落および転落を回避するよう前記電動カートの走行速度を制御することを特徴とする請求項11または請求項12記載の電動カート。
- 前記制御部は、前記路面の凹部への脱落および転落を回避するよう前記電動カートの走行方向を制御することを特徴とする請求項11から請求項13のうちのいずれか1項記載の電動カート。
- 前記障害物検知部が前記路面の凹部を判定したことを運転者に報知する警報部を備えることを特徴とする請求項11から請求項14のうちのいずれか1項記載の電動カート。
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JP2014003421A JP2015132511A (ja) | 2014-01-10 | 2014-01-10 | 路面監視装置および電動カート |
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JP2014003421A JP2015132511A (ja) | 2014-01-10 | 2014-01-10 | 路面監視装置および電動カート |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2540424A (en) * | 2015-07-17 | 2017-01-18 | Jaguar Land Rover Ltd | Acoustic sensor for use in a vehicle |
CN107783138A (zh) * | 2017-09-04 | 2018-03-09 | 佛山市索尔电子实业有限公司 | 一种公交用雷达系统 |
JP2019015522A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 | 距離計測装置 |
CN110411366A (zh) * | 2019-07-31 | 2019-11-05 | 北京领骏科技有限公司 | 一种道路积水深度的检测方法及电子设备 |
-
2014
- 2014-01-10 JP JP2014003421A patent/JP2015132511A/ja active Pending
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